JP4446828B2 - 斜面安定化工法 - Google Patents
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Description
また、この種の斜面安定化工法において、各アンカー間をロープで連結するとともにロープに張力を与える斜面安定化工法もある(特開2000−136535号)。この場合、
土塊移動が生じる際にロープが隣接する斜面上方のアンカーに荷重を伝達することで、地盤拘束効果がさらに高まる。
例えば、特開2001−81784号では、斜面に敷設したネットの上にワイヤ(PC鋼より線)を格子状に敷設し、この格子状ワイヤを、アンカー頭部に取り付けた支圧板で押し下げることで、格子状ワイヤを介してネットを斜面に押し付け、斜面を面状に押さえる。
また、特開2001−11863号では、斜面に敷設したネットを、アンカー頭部に取り付けた支圧板で押し付けることで、斜面を面状に押さえている。
このように、アンカー設置とともにネットを敷設する従来工法ではいずれも、ネットを斜面に直接押し付けるものである。
本発明は上記背景のもとになされたもので、アンカー設置とともにネットを敷設する斜面安定化工法において、ネットによる地盤拘束効果をさらに高めることが可能な斜面安定化工法を提供することを目的とする。
アンカー近傍のネットをアンカー穴内に引き込みかつアンカー側に係止させてネットに緊張力を与えるとともに、前記アンカー近傍のネットをアンカー穴内に引き込みかつアンカー側に係止させる手順として、アンカー近傍のネットをアンカー穴内に押し下げた後、アンカーに設けた係止部に係止させることを特徴とする。
地盤に設置したアンカーのネジ部に螺合するナット部材と前記ナット部材が下方にねじ込まれた時に追随して下降するネット係合部材とからなる引込み金具を用い、前記ナット部材を下方にねじ込むことにより、前記ネット係合部材に係合させたアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えるとともに、前記引込み金具のナット部材として、周溝を有するナット部材を用い、ネット係合部材として、ナット部材の前記周溝に回転のみ可能に嵌合する筒状部と、前記筒状部の周囲に設けたネット係合用の複数の係合突片とからなるネット係合部材を用いることを特徴とする。
請求項3の発明は、斜面に頭部側がネジ部であるアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設する斜面安定化工法において、
地盤に設置したアンカーのネジ部に螺合するナット部材と前記ナット部材が下方にねじ込まれた時に追随して下降するネット係合部材とからなる引込み金具を用い、前記ナット部材を下方にねじ込むことにより、前記ネット係合部材に係合させたアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えるとともに、
前記引込み金具のネット係合部材として、ナット部材より下位においてアンカーに上下動可能に嵌合する筒状部と、前記筒状部の周囲に設けたネット係合用の複数の係合突片とからなるネット係合部材を用いることを特徴とする。
地盤に設置したアンカーにおける支圧板の下面側に予め筒状の引込み金具を、上下動可能にかつ下端面にネットが当たる態様で被せておき、アンカーのネジ部に螺合させたナットを回して支圧板を締着する際に、支圧板とともに下降する前記筒状の引込み金具によりアンカー近傍のネットを押し下げることで、アンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えることを特徴とする。
地盤に設置したアンカーに係止部材を係止させ、前記係止部材とアンカー近傍のネットとの両者に係合させたワイヤにより、アンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えることを特徴とする。
請求項6は、請求項5の斜面安定化工法において、ワイヤの一端側を係止部材に設けた取付環に通しかつネットの網目に通した後に、他端に形成した自身の端末輪に通してループを形成し、ワイヤの一端側を引っ張ってループを小さく絞ることにより、アンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする。
請求項7は、請求項6の斜面安定化工法において、固定金具として、Uボルトとその両側のネジ軸部を通す2つの穴を持つ押さえ具とUボルトの両側のネジ軸部にそれぞれ螺合するナットとからなるワイヤクリップを用い、UボルトのU字状空所にワイヤとネット材とを通し、ナットを締め付けてワイヤとネット材とを一体固定することを特徴とする。
請求項8は、請求項6の斜面安定化工法において、アンカーの両側においてそれぞれ、ワイヤの一端側を係止部材に設けた取付環に通しかつネットの網目に通した後に、他端に形成した自身の端末輪に通してループを形成し、各ワイヤの一端側を引っ張ってそれぞれループを小さく絞ることにより、アンカー両側における2つの網目をそれぞれ取付環側に引き寄せ、これによりアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、各ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする。
請求項9は、請求項8の斜面安定化工法において、アンカーを通したリングをネットの上面に載せ、前記ループが前記リングをも通るように形成し、各ワイヤの一端側を引っ張ってそれぞれループを小さく絞ることにより、アンカー両側における2つの網目をリングとともにそれぞれ取付環側に引き寄せ、これによりアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、各ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする。
請求項10は、請求項6記載の斜面安定化工法において、ワイヤの一端側を係止部材に設けた取付環及びネットのアンカーを挟む両側にある2つの網目に通した後に、他端に形成した自身の端末輪に通してループを形成し、ワイヤの一端側を引っ張ってループを小さく絞ることにより、ネットのアンカー両側の網目を同時に取付環側に引き寄せ、これによりアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする。
地盤に設置したアンカーのネジ部にナット部材を螺合させ、前記ナット部材が下方にねじ込まれた時に追随して下降するワイヤ係合部材を設け、前記ワイヤ係合部材とネットの網目交点とを、ワイヤ係合部材側に一端が取り付けられ他端側にフックを持つ引掛けワイヤで連結し、前記ナット部材を下方にねじ込むことにより、前記引掛けワイヤを介してアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えることを特徴とする。
請求項13は、請求項1〜12の斜面安定化工法において、ネットが金網であることを特徴とする。
前記アンカーにネット係合部材が取り付けられ、このネット係合部材がアンカー近傍のネットをアンカー穴内に引き込んでいることを特徴とする。
また、ネットに緊張力を与える手段としては、引込み金具等の簡単な金具を操作するだけで済み、人力で作業できるので、不安定な斜面に特別な機械を搬入するような困難さは生じず、施工性が良好である。
特に請求項2の斜面安定化工法によれば、引込み金具が一部品となっているので、取り扱いが容易である。
また請求項3の斜面安定化工法によれば、ナット部材が単なるナットで済み、引込み金具の構成が簡略化される。
請求項6によれば、ワイヤの一端側を引っ張ってループを絞るという簡単な操作でネットを引き込むことが可能であり、作業性がよい。
請求項7のように固定金具としてワイヤクリップを用いると、ワイヤを固定する作業を容易に行うことができる。
請求項9によれば、ワイヤのループによる絞りとともにリングでネットを上から押し下げながらの引き込みになるので、アンカー近傍のネットを確実に引き込むことができる。
請求項10によれば、1本のワイヤでネットのアンカーの両側の網目を同時に引き込むので、少ないワイヤ引張り量でネットに効率よく緊張力を与えることができる。
この斜面安定化工法は、斜面に多数のアンカーボルト1を分布させて設置しかつネット2を敷設するとともに、各アンカーボルト1の頭部に支圧板3を取り付け、アンカーボルト1の頂部に螺合させたナット4をねじ込んで支圧板3を締着し地盤に対する支圧力を与える工法である。
本発明ではアンカー近傍のネット2をアンカー穴6内に引き込んでネット2に緊張力を与えるが、この実施例では、アンカー近傍のネット2をアンカー穴6内に引き込む手段として、アンカーボルト1に螺合するナット部材10と、このナット部材10に回転のみ可能に取り付けられたネット係合部材11とからなる引込み金具12を用いる。前記ネット係合部材11は、ナット部材10の外周に設けた周溝10aに回転のみ可能に嵌合する筒状部11aと、前記筒状部11aの周囲に放射状に設けたネット係合用の複数のカギ形の係合突片11bとからなっている。
次いで、ナット部材10を下方にねじ込んで、これを下方に移動させると、図3(ロ)のようにネット係合部材11が追随して一体に下降するので、アンカー近傍のネット2がアンカー穴6の内部に引き込まれる。こにれよりネット2に緊張力が与えられる。
その後、アンカーボルト1の頭部に支圧板3を被せ、ナット4をアンカーボルト1の頂部に螺合させ締め付けて支圧板3を押し下げる。16はキャップである。
なお、上述のように予めネット2を引込み金具12に引っ掛けて引込み金具12を下方に移動させるのが適切であるが、引込み金具12を下方に移動させてから、ネット2を押し下げて、引込み金具12に引っ掛けることも可能である。
また、ネット2に緊張力を与える手段としては、引込み金具12をアンカーボルト1に螺合させそれを回すだけで済み、人力で作業できるので、不安定な斜面に特別な機械を搬入するような困難さは生じず、施工性が良好である。
ネット係合部材19は、アンカーボルト1を挿通させる筒状部19aの周囲に放射状に伸びるネット係合用の複数の係合突片19bを備えている。係合突片19bは、ネット2の線材に確実に係合できるように内側に折り返されたフック形状をなしている。
この実施例によれば、ナット部材が単なるナット18で済み、ネット係合部材19も単なる筒状部19aに係合突片19bを設けただけのもので済むので、簡略化される。
次いで、支圧板3をアンカーボルト1に被せた後、アンカーボルト1の頂部にナット4を螺合させねじ込んでいくと、支圧板3とともに引込み金具25が押し下げられるので、図7(ロ)に示すように、その円筒体23の下端面でネット2を押し下げて、アンカー近傍のネット2をアンカー穴6の内部に引き込み、これによりネット2に緊張力を与えることができる。
この引込み金具25によれば、構造が極めて簡単で安価であり、また操作も簡単で作業性がよい。
この実施例の係止部材28はアンカーボルト1に螺合するねじ穴を持ち、外周面の直径方向両側に、ワイヤ29を連結するための例えばアイボルト等による取付環28aを備えている。ワイヤ29は一端側に端末輪29aを持つ。
なお、この実施例ではアンカーが外周にネジを形成したアンカーボルト1なので、係止部材として、アンカーボルト1に螺合する部材を用いているが、ネジを形成していないアンカーの場合は、何らかの手段でアンカーに位置調整可能に取り付ける。
次いで、ネット2を一部に敷設する。
次いで、それぞれのワイヤ29をネット2の網目に通した後、図8(イ)に示すように、それ自身の端末輪29aに通してループ29bを形成する。
次いで、ワイヤ29の一端側を引っ張っると、ループ29bが小さく絞られ、これにより図8(ロ)、(ハ)に示すように、アンカーボルト1の両側の網目がそれぞれアンカー穴6の奥に引き込まれて、ネット2に緊張力が与えられる。
次いで、ワイヤ29の一端側をワイヤクリップ(固定金具)30でネット2に固定する。
この実施例によれば、ネット2を引き込む際の作業としてナット部材をねじ込んでいく煩雑さがない点では、ネット2に緊張力を与えることが容易である。
なお、ワイヤ29をネット2に固定する固定金具は、実施例のようなワイヤクリップ30に限らず、適宜のものを用いることができる。また、取付環28a及びワイヤ29の数は、直径方向の2箇所に限らず、四方の4箇所としてもよい。
この実施例は図8で説明した実施例4の方法において、予め、網目より大きなリング34をアンカーボルト1に通しネット2の上に載せておく方法である。
すなわち、実施例4の方法において、ワイヤ29にループ29bをつくる際に、ワイヤ29の一端側をリング34内にも通した後に自身の端末輪29aに通すことで、ループ29bがリング34にも絡むようにする。
その後、ワイヤ29の一端側を引っ張れば、前記と同様にワイヤ29のアンカー近傍部分がアンカー穴6内に引き込まれるが、その際、ループ29bに絡んでいるリング34も一緒に引き込まれてネット2を上から押し下げながら、アンカー近傍のネット2をアンカー穴6内に引き込む。その後、ワイヤクリップ30でワイヤ29をネット2に固定する。
ワイヤ29のループ29bによる絞りとともにリング34でネット2を上から押し下げながらの引き込みになるので、アンカー近傍のネット2を確実に引き込むことができる。
その後、ワイヤ29の一端側を引っ張ると、ループ29bが小さく絞られ、図11(ロ)のようにネット2のアンカーボルト1の両側の網目が同時にアンカー穴6の内部に引き込まれ、ネット2に緊張力が与えられる。
この実施例によれば、1本のワイヤ29でネット2のアンカーボルト1の両側の網目を同時に引き込むので、少ないワイヤ引張り量でネット2に効率よく緊張力を与えることができる。
この実施例ではアンカーボルト1に取り付けられる引込み金具42と、この引込み金具42とネット2の四方の網目の交点Pとを連結する引掛けワイヤ43とを用いる。
引込み金具42は、アンカーボルト1に螺合するナット部材40と、このナット部材40に回転のみ可能に取り付けられたワイヤ係合部材41とからなり、前記ワイヤ係合部材41は、ナット部材40の外周に設けた周溝40aに回転のみ可能に嵌合する筒状部41aの外周の四方の4箇所に、前記引掛けワイヤ43の端末輪43aを連結する取付環41bを持つ。引掛けワイヤ43は、端末輪43aと反対側端部に、ワイヤ29の網目の交点Pに引っ掛けるためのフック43bを持つ。
次いで、引込み金具42のナット部材40をねじ込んで、引込み金具42を下方に移動させると、引掛けワイヤ43がアンカーボルト1の周囲の4箇所の網目交点を図13(ロ)のようにアンカー穴6内に引っ張り込むので、アンカー近傍のネット2がアンカー穴6内に引き込まれ、これによりネット2に緊張力が与えられる。図12において実線で示したネット2は緊張力付与前の状態、破線で示したネット2は引掛けワイヤ43で引っ張って緊張力を与えた状態を示す。
また、図15、図16に示したネット2(B)は網目の大きい場合であり、例えばリングからなるネットを用いている。図17にリングからなるネット2(B)の部分拡大図を示す。このネットは図示のように、針金又はワイヤのリング2bが互いに絡まる形で網目を形成している。図15、図16はいずれもリングからなるネットの場合のアンカーボルト1の配列であるが、図15の例はアンカーボルト1をリング内に位置させる場合、図16の例はアンカーボルト1をリング間に位置させる場合である。具体例としては例えば、網目ピッチが50cmであり、同じく2メートル程度の間隔でアンカーボルト1を設置する。
また、金属線によるネットに限らず、プラスチック製のネットでもよい。
また、本発明の斜面安定化工法は、アンカーを地盤に設置するだけでなく、アンカー頭部に取り付けた支圧板3を締着して地盤に支圧力を作用させるのが適切であるが、支圧板を用いない工法を除外するものではない。
2 ネット
3 支圧板
4 ナット
6 アンカー穴
7 グラウト
10 ナット部材
10a 周溝
11 ネット係合部材
11a 筒状部
11b 係合突片
12 引込み金具
16 キャップ
18 ナット(ナット部材)
19 ネット係合部材
19a 筒状部
19b 係合突片
20 引込み金具
23 円筒体
23a 湾曲切欠き
24 鍔
25 引込み金具
28 ワイヤ係止部材
28a 取付環
29 ワイヤ
29a 端末輪
29b ループ
30 ワイヤクリップ(固定金具)
31 Uボルト
31a ネジ軸部
32 押さえ具
32a 穴
33 ナット
34 リング
40 ナット部材
41 ワイヤ係合部材
41a 円筒部
41b 取付環
42 引込み金具
43 引掛けワイヤ
43a 端末輪
43b フック
Claims (13)
- 斜面にアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設する斜面安定化工法において、
アンカー近傍のネットをアンカー穴内に引き込みかつアンカー側に係止させてネットに緊張力を与えるとともに、前記アンカー近傍のネットをアンカー穴内に引き込みかつアンカー側に係止させる手順として、アンカー近傍のネットをアンカー穴内に押し下げた後、アンカーに設けた係止部に係止させることを特徴とする斜面安定化工法。 - 斜面に頭部側がネジ部であるアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設する斜面安定化工法において、
地盤に設置したアンカーのネジ部に螺合するナット部材と前記ナット部材が下方にねじ込まれた時に追随して下降するネット係合部材とからなる引込み金具を用い、前記ナット部材を下方にねじ込むことにより、前記ネット係合部材に係合させたアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えるとともに、
前記引込み金具のナット部材として、周溝を有するナット部材を用い、ネット係合部材として、ナット部材の前記周溝に回転のみ可能に嵌合する筒状部と、前記筒状部の周囲に設けたネット係合用の複数の係合突片とからなるネット係合部材を用いることを特徴とする斜面安定化工法。 - 斜面に頭部側がネジ部であるアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設する斜面安定化工法において、
地盤に設置したアンカーのネジ部に螺合するナット部材と前記ナット部材が下方にねじ込まれた時に追随して下降するネット係合部材とからなる引込み金具を用い、前記ナット部材を下方にねじ込むことにより、前記ネット係合部材に係合させたアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えるとともに、
前記引込み金具のネット係合部材として、ナット部材より下位においてアンカーに上下動可能に嵌合する筒状部と、前記筒状部の周囲に設けたネット係合用の複数の係合突片とからなるネット係合部材を用いることを特徴とする斜面安定化工法。 - 斜面に頭部側がネジ部であるアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設するとともに、各アンカーの頭部に支圧板を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与える斜面安定化工法において、
地盤に設置したアンカーにおける支圧板の下面側に予め筒状の引込み金具を、上下動可能にかつ下端面にネットが当たる態様で被せておき、アンカーのネジ部に螺合させたナットを回して支圧板を締着する際に、支圧板とともに下降する前記筒状の引込み金具によりアンカー近傍のネットを押し下げることで、アンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えることを特徴とする斜面安定化工法。 - 斜面にアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設する斜面安定化工法において、
地盤に設置したアンカーに係止部材を係止させ、前記係止部材とアンカー近傍のネットとの両者に係合させたワイヤにより、アンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えることを特徴とする斜面安定化工法。 - 前記ワイヤの一端側を係止部材に設けた取付環に通しかつネットの網目に通した後に、他端に形成した自身の端末輪に通してループを形成し、ワイヤの一端側を引っ張ってループを小さく絞ることにより、アンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする請求項5記載の斜面安定化工法。
- 前記固定金具として、Uボルトとその両側のネジ軸部を通す2つの穴を持つ押さえ具とUボルトの両側のネジ軸部にそれぞれ螺合するナットとからなるワイヤクリップを用い、UボルトのU字状空所にワイヤとネット材とを通し、ナットを締め付けてワイヤとネット材とを一体固定することを特徴とする請求項6記載の斜面安定化工法。
- アンカーの両側においてそれぞれ、ワイヤの一端側を係止部材に設けた取付環に通しかつネットの網目に通した後に、他端に形成した自身の端末輪に通してループを形成し、各ワイヤの一端側を引っ張ってそれぞれループを小さく絞ることにより、アンカー両側における2つの網目をそれぞれ取付環側に引き寄せ、これによりアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、各ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする請求項6記載の斜面安定化工法。
- アンカーを通したリングをネットの上面に載せ、前記ループが前記リングをも通るように形成し、
各ワイヤの一端側を引っ張ってそれぞれループを小さく絞ることにより、アンカー両側における2つの網目をリングとともにそれぞれ取付環側に引き寄せ、これによりアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、各ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする請求項8記載の斜面安定化工法。 - 前記ワイヤの一端側を係止部材に設けた取付環及びネットのアンカーを挟む両側にある2つの網目に通した後に、他端に形成した自身の端末輪に通してループを形成し、ワイヤの一端側を引っ張ってループを小さく絞ることにより、ネットのアンカー両側の網目を同時に取付環側に引き寄せ、これによりアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与え、次いで、ワイヤの一端側を固定金具でネットに固定することを特徴とする請求項6記載の斜面安定化工法。
- 斜面に頭部側がネジ部であるアンカーを分布させて設置しかつネットを敷設する斜面安定化工法において、
地盤に設置したアンカーのネジ部にナット部材を螺合させ、前記ナット部材が下方にねじ込まれた時に追随して下降するワイヤ係合部材を設け、前記ワイヤ係合部材とネットの網目交点とを、ワイヤ係合部材側に一端が取り付けられ他端側にフックを持つ引掛けワイヤで連結し、前記ナット部材を下方にねじ込むことにより、前記引掛けワイヤを介してアンカー近傍のネットをアンカー穴内部に引き込んでネットに緊張力を与えることを特徴とする斜面安定化工法。 - 前記各アンカーの頭部側がネジ部でありこの頭部に支圧板を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与えることを特徴とする請求項1〜3又は5〜11記載の斜面安定化工法。
- 前記ネットが金網であることを特徴とする請求項1〜12記載の斜面安定化工法。
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