JP5554220B2 - 支圧アセンブリ、斜面安定化構造体及び斜面安定化工法 - Google Patents

支圧アセンブリ、斜面安定化構造体及び斜面安定化工法 Download PDF

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本発明は、斜面の地盤の安定化を図るために互いに異なる方向に向けて地盤の斜面に沿って配索された複数の索状体を上から押さえ付ける支圧アセンブリ、斜面安定化構造体及び斜面安定化工法に関する。
従来、山間部の道路沿いの土面等が露出した斜面には、その斜面の崩落を抑制するために当該斜面の地盤を支える支圧板が設置される場合がある。このような支圧板及びそれを用いた斜面安定化工法は、例えば、特許文献1などによって知られている。
この特許文献1には、斜面上に所定の配列で設置した複数の支圧板をそれぞれロックボルトによって斜面の地盤に固定するとともに、それら支圧板の間にワイヤロープを網目状に張り渡し、その各支圧板とワイヤロープとによって斜面の地盤を支えることにより斜面の安定化を図る斜面安定化工法が開示されている。この斜面安定化工法では、支圧板をロックボルトに設置した後に、当該支圧板の上面に突設されたリブなどへワイヤロープを掛けていき、隣接する支圧板の間を横断するようにワイヤロープを配索している。
特許第3830065号公報
しかしながら、上記の斜面安定化工法では、ワイヤロープが支圧板の上側に配索されるのを見れば、ワイヤロープに積極的に張力が付与されるわけではない。そのため、ワイヤロープを配索した後は、ワイヤロープ端部に設けたターンバックルのみでワイヤロープを緊張させるしかなく、地盤の押さえ込みに十分な張力が得られない場合がある。とくに、凹凸が多い広範囲の斜面を長尺のワイヤロープで地面を押さえ付ける場合には、ターンバックルを用いて長尺のワイヤロープの端部に張力を与えても、ターンバックルから離れたワイヤロープの中央付近では張力が十分伝達されずに地面を押さえる力が低下するおそれがある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、索状体の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、斜面の安定化を図ることが可能である支圧アセンブリ、斜面安定化構造体及び斜面安定化工法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による支圧アセンブリは、互いに異なる方向に向けて地盤の斜面に沿って配索された複数の索状体を当該複数の索状体の交差部分の位置で上から押さえ付ける支圧アセンブリであって、前記複数の索状体の交差部分の上に配置されるとともに、当該交差部分を外部に露出させる開口を有する支圧板と、前記開口に挿入され、前記複数の索状体および前記支圧板を上から押さえる押さえ部材とを備えており、前記押さえ部材は、前記複数の索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえる索状体押さえ部分と、前記支圧板における開口周辺の部分を上から押さえる支圧板押さえ部分と、地面に埋設されたロックボルトの斜面に突出した雄ねじ部が貫通可能な貫通孔を有し、その貫通孔に貫通した雄ねじ部に螺合するナットに当接して当該ナットによって下方に締め付けられることが可能なナット当接部分とを有しており、前記押さえ部材は、前記ナット当接部分が前記ナットによって下方に締め付けられることにより、前記索状体押さえ部分が、前記支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、前記複数の索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえ、それとともに、前記支圧板押さえ部分が、前記支圧板における開口周辺の部分を上から押さえることが可能な形状を有することを特徴としている。
かかる構成によれば、支圧アセンブリは、支圧板と、複数の索状体および支圧板を上方から押さえることが可能な押さえ部材を備えている。この押さえ部材のナット当接部分が、貫通孔を通してロックボルトの雄ねじ部に取り付けられるとともにナットによって下方に締め付けられたとき、ナットの締結力を受けたナット当接部分は、下方へ押圧される。そのとき、索状体押さえ部分は、支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、複数の索状体における交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえることができる。それとともに、支圧板押さえ部分は、支圧板における開口周辺の部分を上から押さえることができる。これにより、複数の索状体に対してその交差部分の位置で張力を付与することができ、その結果、索状体の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、斜面の安定化を図ることができる。
また、本発明の支圧アセンブリは、押さえ部材の本体部分を支圧板の開口へ挿入し、ロックボルトの雄ねじ部にナットを締結させることにより、容易に組み立てることができるとともに、支圧板と索状体を確実に地盤へ押さえこむことができる。したがって、支圧アセンブリの取付け作業性が向上する。
前記索状体押さえ部分には、前記複数の索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分が下方から挿入されることが可能となるように下向きに開口し、かつ、その挿入された当該交差部分を挟んで両側の部分を拘束する複数の凹部が形成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、索状体押さえ部分には下向きに開口した凹部が形成されている。複数の索状体における交差部分を挟んで両側の部分は、当該凹部へ下方から挿入されると、当該凹部によって拘束される。これにより、索状体押さえ部分で複数の索状体を上から押さえたときに、索状体押さえ部分から複数の索状体のいずれかが外れて当該複数の索状体への押圧力が低減することを防止することができる。
また、前記凹部は、互いに交差する前記複数の索状体のうち、前記交差部分の上側を通る第1索状体が挿入される第1凹部と、前記交差部分の下側を通る第2索状体が挿入される第2凹部とを含み、前記第1凹部は、前記第2凹部よりも大きな深さ寸法を有するのが好ましい。
複数の索状体の交差部分では、通常、複数の索状体のいずれか一方の第1索状体が上を通り、他方の第2索状体が下を通る立体交差した状態になる。そのような状態において、上記の構成のように、上側の第1索状体が挿入される第1凹部が、下側の第2索状体が挿入される第2凹部よりも大きな深さ寸法を有するので、それぞれの索状体の高さに応じてそれに対応する凹部の内壁が密着して、異なる高さを通る複数の索状体に対して均等な押圧力を付与することができる。
また、前記押さえ部材は、前記貫通孔を囲むとともに、前記支圧板の開口よりも大きな外径を有してその周縁部が前記支圧板押え部分を構成する天壁と、この天壁のうちその周縁部よりも内側の部位から突出して下向きに開口するとともに、前記支圧板の開口内に挿入可能な外形を有する筒状の周壁とを有し、この周壁の下端において当該下端に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ前記凹部が形成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、押さえ部材が、支圧板の開口よりも大きな外径を有する天壁と、開口内に挿入可能な筒状の周壁とからなるので、簡単な構造でありながら支圧板と索状体を確実に地盤へ押さえこむことができる。また、周壁の下端に沿って並ぶ複数の凹部によって、複数の索状体を確実に拘束することができる。
また、本発明の斜面安定化構造体は、地盤の斜面上に設けられて当該斜面を安定させるための斜面安定化構造体であって、前記斜面上で互いに離間する複数の位置にそれぞれ配設され、前記地盤内に埋め込まれる埋め込み部及びこの埋め込み部から前記斜面の上に突出する雄ねじ部を有する複数のロックボルトと、前記各ロックボルトの近傍で互いに交差するように前記斜面上に配索される複数本の索状体と、前記各ロックボルトの配設位置に設けられ、このロックボルトの近傍で互いに交差する索状体及びその下の斜面を上から押え付けるための複数の支圧アセンブリと、を備え、前記支圧アセンブリのうちの少なくとも一部が請求項1から4のいずれかに記載の支圧アセンブリであり、当該支圧アセンブリの支圧板が、その開口が前記索状体同士の交差部分を露出させる位置で当該索状体の上に配置され、当該支圧アセンブリの押え部材が対応するロックボルトに取付けられて当該ロックボルトの雄ねじ部に螺合するナットによって締め付けられることにより前記索状体及び前記支圧板を上から押さえつけることを特徴としている。
かかる構成によれば、押さえ部材のナット当接部分は、貫通孔を通してロックボルトの雄ねじ部に取り付けられるとともにナットによって下方に締め付けられている。ナットの締結力を受けたナット当接部分が下方へ押圧されている。そのため、索状体押さえ部分は、支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、複数の索状体における交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえている。それとともに、支圧板押さえ部分は、支圧板における開口周辺の部分を上から押さえている。これにより、複数の索状体に対してその交差部分の位置で張力を与えることができ、その結果、索状体の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、斜面の安定化を図ることができる。また、斜面安定化構造体の取り付け作業性も向上する。
また、前記第1索状体および前記第2索状体を前記支圧板の下面に連結する連結部をさらに備えているのが好ましい。
かかる構成によれば、異なる方向に延びる第1索状体および第2索状体は、連結部によって、支圧板の外周縁にそれぞれ連結されるので、当該第1索状体および第2索状体が押さえ部材によって上から押さえ込まれた状態を確実に維持できるとともに、第1索状体および第2索状体のそれぞれの配索方向も確実に維持できる。
本発明の斜面安定化工法は、上記の斜面安定化構造体を用いて斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、前記斜面の地中に所定間隔で複数の前記ロックボルトのそれぞれの所定の埋込み部分を埋設する埋設工程と、前記第1索状体および前記第2索状体を、当該第1索状体と当該第2索状体との交差部分が前記ロックボルトに接触または近接するように、地盤の斜面に沿って配索する配索工程と、前記支圧板を前記第1索状体および前記第2索状体の交差部分が前記開口の範囲内に位置するように斜面に配置する支圧板設置工程と、前記押さえ部材の前記ナット当接部分を、前記貫通孔を通して前記ロックボルトの雄ねじ部に取り付けるとともに前記ナットによって下方に締め付けることにより、前記索状体押さえ部分が、前記支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、前記第1索状体および前記第2索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえ、それとともに、前記支圧板押さえ部分が、前記支圧板における開口周辺の部分を上から押さえる押さえ部材設置工程とを含むことを特徴としている。
かかる工法によれば、押さえ部材のナット当接部分を、貫通孔を通してロックボルトの雄ねじ部に取り付けるとともにナットによって下方に締め付けることにより、ナットの締結力を受けたナット当接部分を下方へ押圧する。それにより、索状体押さえ部分が、支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、複数の索状体における交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえ、それとともに、支圧板押さえ部分は、支圧板における開口周辺の部分を上から押さえる。これにより、複数の索状体に対してその交差部分の位置で張力を与えることができ、その結果、索状体の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、斜面の安定化を図ることができる。また、斜面安定化構造体の取り付け作業性も向上する。
以上説明したように、本発明によれば、索状体の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、その結果、斜面の安定化を図ることができる。また、支圧アセンブリおよびそれを用いた斜面安定化構造体の取り付け作業性も向上する。
本発明の斜面安定化構造体の一実施形態を示す平面図である。 図1のロックボルトおよび支圧アセンブリ付近の平面図である。 図1のロックボルトおよび支圧アセンブリ付近の断面図である。 図2の支圧板の平面図である。 図2の押さえパイプの縦断面図である。 図2の押さえパイプを斜め下方から見た図である。 図2の押さえパイプを上から見た図である。 図2の連結部の正面図である。 (a)は、図2の連結部における特殊座金の両端がUボルトの雄ねじ部に固定された状態を上から見た図であり、(b)は、図2の連結部における特殊座金の一端がUボルトの雄ねじ部から外れている状態を上から見た図である。 図1のクロスクリップの平面図である。 図1のアンカークリップの平面図である。 図1の斜面安定化構造体を用いた斜面安定化工法のロックボルト埋設工程を示す(a)平面図および(b)縦断面図である。 図1の斜面安定化構造体を用いた斜面安定化工法の配索工程を示す(a)平面図および(b)縦断面図である。 図1の斜面安定化構造体を用いた斜面安定化工法の支圧板設置工程を示す(a)平面図および(b)縦断面図である。 図1の斜面安定化構造体を用いた斜面安定化工法の押さえパイプ設置工程を示す(a)平面図および(b)縦断面図である。 図15(b)の斜面安定化構造体を用いた斜面安定化工法の押さえパイプ設置工程における押さえパイプ付近の拡大図である。
以下、本発明の支圧アセンブリならびにそれを用いた斜面安定化構造体、そして当該斜面安定化構造体を用いた斜面安定化工法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(斜面安定化構造体の全体構成)
図1〜3に示されるように、本実施形態の斜面安定化構造体1は、地盤の斜面上に設けられて当該斜面を安定させるものであり、複数の索状体、すなわち第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が互いに異なる方向に向けて傾斜地の斜面に沿って配索され、当該第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が支圧アセンブリ2を介して地中のロックボルト3に一体に連結された構造体である。
具体的には、斜面安定化構造体1は、複数の支圧アセンブリ2と、当該支圧アセンブリ2を斜面に固定する複数のロックボルト3と、斜面の水平方向Xに延びる複数の第1ワイヤロープ4と、斜面の傾斜方向Yに延びる複数の第2ワイヤロープ5と、ロックボルト3に連結可能な複数の締付ナット6と、当該第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を支圧アセンブリ2に連結する複数の連結部7とを備えている。
ここで、水平方向Xとは、斜面の等高線に沿った方向をいう。また、傾斜方向Yとは、斜面上において水平方向Xと直交する方向をいう。
(支圧アセンブリの構成)
支圧アセンブリ2は、図2〜3に示されるように、互いに異なる方向に向けて地盤の斜面に沿って配索された第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を当該第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18の位置で上から押さえ付けるものである。支圧アセンブリ2は、支圧板9と、押さえ部材10とを備えている。
支圧板9は、図4に示されるように、略正方形形状を呈する金属板であり、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18の上に配置される。支圧板9の中央には、当該交差部分18を外部に露出させる円形の開口11を有する。さらに支圧板9の外周の四辺のそれぞれの縁には、一対の取付溝9aが形成されている。また、一対の取付溝9aの奥端付近には、角孔9bが形成されている。
なお、支圧板9の形状については、本発明ではとくに限定されるものではなく、略正方形状の他にも種々の形状を採用することが可能であり、例えば、円形形状でもよい。
本実施形態の押さえ部材10は、図5〜7に示されるように、支圧板9の開口11に挿入されて取り付けられ、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を上から押さえるとともに支圧板9を上から押さえる部材であり、主要な構成として、周壁31と、その周壁31の上端に設けられた天壁32とから構成されている。
周壁31は、筒状の部材からなり、天壁32のうちその周縁部よりも内側の部位から突出して下向きに開口するとともに、支圧板9の開口11内に挿入可能な外形を有する。この周壁31の下端において当該下端に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ第1凹部15、第2凹部16が形成されている。周壁31における第1凹部15および第2凹部16を含む下端部分は、索状体押さえ部分12となる。
天壁32は、地面に埋設されたロックボルト3の斜面に突出した雄ねじ部19が貫通可能な貫通孔17が形成された円板からなり、貫通孔17を囲むナット当接部分14を有するとともに、支圧板9の開口11よりも大きな外径を有してその周縁部が支圧板押え部分13を構成する。
押さえ部材10の各部分は、具体的には、以下のように構成されている。
支圧板押さえ部分13は、周壁31の外周面から径外方向へ突出し、支圧板9における開口11周辺の部分を上から押さえることができるような形状を有しており、本実施形態では天壁32の周縁における円周状のフランジ部分で構成されている。
ナット当接部分14は、天壁32の貫通孔17およびその周囲の部分であり、貫通孔17を有し、その貫通孔17に貫通した雄ねじ部19に螺合する締付ナット6に当接して当該締付ナット6によって下方に締め付けられることが可能な部分である。
本実施形態では、支圧板押さえ部分13とナット当接部分14とが一枚の円板形状の天壁32で一体に形成されているが、これらが分離した形態であってもよい。
図5〜6に示されるように、押さえ部材10の周壁31の下端の索状体押さえ部分12には、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5における交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aが下方から挿入されることが可能となるように下向きに開口する第1凹部15および第2凹部16が形成されている。第1凹部15には、交差部分18の上側を通る第1ワイヤロープ4が挿入され、第2凹部16には、交差部分18の下側を通る第2ワイヤロープ5が挿入される。挿入された第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5における交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aは、第1凹部15および第2凹部16によってそれぞれ拘束される。すなわち、第1凹部15、第2凹部16の内壁15a、16aは、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aを上から押さえる索状体押さえ部分12として機能することができる。これにより、周壁31の下端の索状体押さえ部分12で第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を上から押さえたときに、当該索状体押さえ部分12から第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が外れて第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5への押圧力が低減することを防止することができる。
図5〜6に示されるように、上側を通る第1ワイヤロープ4に係合する第1凹部15の深さH1は、下側を通る第2ワイヤロープ5に係合する第2凹部の深さH2よりも深くなるように寸法設定されている。そのため、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の高さに対応して、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が第1凹部15および第2凹部16にそれぞれ密着して係合することができ、異なる高さを通る第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5に対して均等な押圧力を付与することができる。
なお、第1ワイヤロープ4が下側を通り、第2ワイヤロープ5が上側を通る場合には、それに対応して、第1凹部15の深さH1よりも第2凹部16の深さH2を深くなるように、それぞれの深さH1、H2を設定すればよい。
また、図5〜6に示されるように、本実施形態では、第1凹部15および第2凹部16が2個ずつ横に並んだ状態で、第1凹部15同士または第2凹部16同士が対向して配置されているので、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5は、2個ずつ横に並ぶ第1凹部15および第2凹部16のいずれか一方に係合させればよいので、第1ワイヤロープ4を第1凹部15に係合させると同時に第2ワイヤロープ5を第2凹部16に係合させる作業を容易に行うことが可能である。
また、本実施形態では、押さえ部材10の周壁31の下端のうち隣接する上記凹部15、16の間に挟まれた部分は、幅が狭く、若干とがっているので、上記ワイヤロープ4、5を押さえ付けずに当該ワイヤロープ4、5を円滑に凹部15、16へ導くことが可能である。
図2〜3に示されるように、押さえ部材10は、支圧板9の開口11に挿入された状態では、押さえ部材10のナット当接部分14がその貫通孔17にロックボルト3の雄ねじ部19が通され、当該雄ねじ部19に締付ナット6が締結されることにより、締付ナット6の締結力を受けたナット当接部分14が下方へ押圧される。そのとき、その支圧板押さえ部分13が支圧板9における開口11の周辺の部分を上から押さえることができ、それとともに、その周壁31の索状体押さえ部分12が、支圧板9の開口11を通して当該支圧板9よりも下方の位置に突出して地中に埋没し、かつ、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aを第1凹部15および第2凹部16の内壁15a、16aによって上から同時に押さえることができる。
このような押さえ部材10は、支圧板押さえ部分13が支圧板9における開口11の周辺の部分を上から押さえると同時に索状体押さえ部分12(さらに具体的には、その第1凹部15および第2凹部16の内壁15a、16a)が第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aを上から押さえることができるような形状および寸法になっていればよい。
(その他の構成)
複数のロックボルト3は、図1〜3および図12(a)、(b)に示されるように、斜面Gの上に配置される雄ねじ部19と、雄ねじ部19に連続して地中の縦孔Vに埋め込まれる埋め込み部20を有する。埋め込み部20の外周面には、らせん状の突起20aが形成されている。
ロックボルト3は、図1に示されるように、水平方向Xおよび傾斜方向Yにそれぞれ並び、かつ、近隣の3本のロックボルト3によって正三角形が形成されるように配置されている。
また、本実施形態では、図3に示されるように、ロックボルト3の埋め込み部20を地面に埋め込むときに、埋め込み部20と地面の縦穴Vの内周面との間に隙間を確保するために、埋め込み部20は、スペーサ26とともに縦穴Vに挿入される。
第1ワイヤロープ4は、本発明の第1の特定方向である水平方向X(図1参照)に向けて斜面に配置されたワイヤロープである。第2ワイヤロープ5は、第1の特定方向と異なる本発明の第2の特定方向、すなわち、水平方向Xと直交する斜面の傾斜方向Y(同図1参照)に向けて斜面に配置されたワイヤロープである。
本実施形態では、図1に示されるように、第1ワイヤロープ4は、水平方向Xに並ぶロックボルト3の列に沿って配索されるだけでなく、ロックボルト3を通らない位置にも、他の第1ワイヤロープ4と平行になるように配索されている。また同様に、第2ワイヤロープ5も、傾斜方向Yに並ぶロックボルト3の列に沿って配索されるだけでなく、ロックボルト3を通らない位置にも、他の第2ワイヤロープ5と平行になるように配索されている。
また、支圧アセンブリ2が配置されている位置以外の場所で第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が交差している部分A(図1参照)では、図1および図10に示されるような従来より用いられるクロスクリップ24によって第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が互いに直交した状態で連結される。
また、図1および図11に示されるように、最も外側の第2ワイヤロープ5は、第1ワイヤロープ4の端部4bとともに、複数のアンカークリップ25に連結される。アンカークリップ25は、図示しないセメントカプセル等によって地面に固定される。
図2〜3に示されるように、締付ナット6は、ロックボルト3の雄ねじ部19に連結可能なナットである。締付ナット6の外径は、締付ナット6によって押さえ部材10のナット当接部分14を上から押さえることができるように、そのナット当接部分14の貫通孔17の内径よりも大きくなるように設定されている。
複数の連結部7は、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を支圧板9の下面に連結する。
連結部7は、図8および図9(a)、(b)に示されるように、それぞれ、Uボルト21と、特殊座金22と、ナット23とを備えている。
Uボルト21は、U字状を呈する金具である。Uボルト21の両端部には、雄ねじ部21a、21bが形成されている。
Uボルト21の雄ねじ部21a、21bが支圧板9の外周の四辺の縁に形成された一対の取付溝9aに挿入されることによって、連結部7は支圧板9の外周の4個所に取り付けられる。
特殊座金22は、矩形または楕円形状の金属薄板からなり、Uボルト21の両端部に連結するために、側方に開放した切欠き22aと貫通孔22bとが並んで形成されている。したがって、貫通孔22bにUボルト21の一方の雄ねじ部21bが挿入され、両方の雄ねじ部21a、21bにナット23が取り付けられた状態で、図9(b)に示されるように特殊座金22をその雄ねじ部21bまわりに回転させれば、他方の雄ねじ部21aが切欠き22aの内部にはまり込んで容易にUボルト21と特殊座金22によって囲まれた空間を閉じることができ、連結部7を第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5に容易に連結することができる。
また、特殊座金22の側面には、下向きに延びる爪22cが形成されている。この爪22cは、支圧板9の角孔9b(図4参照)に引っかけることが可能である。この爪22cと角孔9bとの係合によって、ナット23を締め付ける前に、連結部7を支圧板9の周囲に容易かつ確実に仮止めすることができる。
この連結部7を用いて、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を支圧板9に連結させる場合、まず、特殊座金22をUボルト21の雄ねじ部21bまわりに回転させて連結部7を第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5に連結する。ついで、連結部7のUボルト21を支圧板9の取付溝9aに挿入させ、特殊座金22の爪22cを支圧板9の角孔9bに係合させた後、ナット23を締めれば、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を支圧板9の下面に容易に連結させることができる。
(斜面安定化工法の説明)
つぎに図12〜15を参照しながら、上記実施形態の斜面安定化構造体1を用いた斜面安定化工法について説明する。
まず、図12に示されるように、斜面安定化構造体1を設置する予定の傾斜地にある石や倒木などの障害物を除去して傾斜地の斜面Gを整地し、その後、斜面Gに縦孔Vを所定の場所(図1のロックボルト3の位置)に所定間隔で形成する。なお、図12〜15では、図面製作の便宜のため、斜面Gが紙面上を水平に延びるように図示されている。
ついで、図12に示されるように、斜面Gの地中に所定間隔で形成された縦孔Vに複数のロックボルト3の埋め込み部20をスペーサ26(図3参照)を付けた状態で挿入する。その後、縦孔Vへグラウトなどの硬化剤を注入して固化させることにより、ロックボルト3の埋め込み部20を埋設させる(埋設工程)。このとき、埋め込み部20の外周面に形成されたらせん状の突起20aが、縦孔Vに充填されるグラウトに密着することにより、埋め込み部20が縦孔Vから抜けにくくなる。
その後、図13に示されるように、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を、それぞれの交差部分18が前記ロックボルトに接触または近接するように地盤の斜面Gに沿って配索する(配索工程)。このとき、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5は、それらの端部をアンカークリップ25などに固定するとともに、たるまないようにターンバックル(図示せず)などで緊張させておく。また、このとき、ロックボルト3を通らない位置にも他の第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を配索して、それぞれの交点をクロスクリップ24で固定する。
ついで、図14に示されるように、支圧板9を第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18が開口11の範囲内に位置するように斜面Gに配置する(支圧板設置工程)。
つぎに、図15〜16に示されるように、支圧アセンブリ2の押さえ部材10の周壁31を、支圧板9の開口11に挿入するとともに当該押さえ部材10の天壁31(具体的には、当該天壁31のナット当接部分14)の貫通孔17にロックボルト3の雄ねじ部19を貫通させる。このとき、押さえ部材10の周壁31の下端の索状体押さえ部分12は、斜面Gの地中にもぐり込みながら、その第1凹部15に第1ワイヤロープ4が係合し、第2凹部16に第2ワイヤロープ5が係合する。これらの作業をする際、作業者は、支圧板9の開口11を通して第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を見ながら、周壁31の第1凹部15および第2凹部16を第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5へ確実に係合させることができる。
この状態で、本実施形態では、連結部7のナット23を緩めた状態で支圧板9の外周縁の4個所に取り付けて、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を支圧板9の下面に仮止め固定する。
その後、押さえ部材10のナット当接部分14を、貫通孔17を通してロックボルト3の雄ねじ部19に取り付けるとともに締付ナット6によって下方に締め付けることにより、周壁31の下端の索状体押さえ部分12が、支圧板9の開口11を通して当該支圧板9よりも下方の位置に突出して、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5における交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aをそれぞれ上から押さえ、それとともに、支圧板押さえ部分13が、支圧板9における開口11の周辺の部分を上から押さえる(押さえパイプ設置工程)。これにより、複数の第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5をその交差部分18の位置で張力を与えることができる。
最後に、連結部7のナット23を締め付けることにより、連結部7のUボルト21と支圧板9の下面との間で第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が強固に固定される。
なお、斜面に露出しているロックボルト3の雄ねじ部19および締付ナット6における錆の発生を防止するために、これらの雄ねじ部19および締付ナット6を頭部キャップで保護するとともに、その頭部キャップ内部に防錆油を充填するのが好ましい。
以上のように構成された本実施形態の支柱アセンブリでは、支圧アセンブリ2は、支圧板9と、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を押さえることが可能な押さえ部材10とを備えている。この押さえ部材10では、支圧板9の開口11に挿入された状態では、押さえ部材10のナット当接部分14がその貫通孔17にロックボルト3の雄ねじ部19が通され、当該雄ねじ部19に締付ナット6が締結されることにより、締付ナット6の締結力を受けたナット当接部分14が下方へ押圧される。そのとき、その支圧板押さえ部分13が支圧板9における開口11の周辺の部分を上から押さえることができ、それとともに、その周壁31の下端の索状体押さえ部分12が、支圧板9の開口11を通して当該支圧板9よりも下方の位置に突出して地中に埋没し、かつ、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aをそれぞれ上から押さえることができる。これにより、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5をその交差部分18の位置で張力を与えることができ、その結果、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、斜面の安定化を図ることができる。また、索状体押さえ部分12を含む周壁31を支圧板9の開口11へ挿入し、ロックボルト3の雄ねじ部19に締付ナット6が締結させることにより、容易に組み立てることができ、支圧板9と第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5とを確実に地盤へ押さえこむことができる。したがって、支圧アセンブリ2の取付け作業性が向上する。
また、本実施形態では、周壁31の下端の索状体押さえ部分12には下向きに開口した第1凹部15および第2凹部16が形成されており、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5における交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aは、第1凹部15および第2凹部16へ下方から挿入されると、当該凹部15、16によって拘束される。これにより、周壁31の下端の索状体押さえ部分12で第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を上から押さえたときに、周壁31の下端の索状体押さえ部分12から第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が外れて第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5への押圧力が低減することを防止することができる。
また、本実施形態では、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の交差部分18では、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5のいずれか一方が上を通り、他方が下を通る立体交差した状態になり、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が異なる高さで配索される。そのような場合でも、上側の第1ワイヤロープ4が挿入される第1凹部15の深さH1が、下側の第2ワイヤロープ5が挿入される第2凹部16の深さH2よりも大きな深さ寸法になるように寸法設定されているので、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の高さに対応して、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が第1凹部15および第2凹部16に密着して異なる高さを通る第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5に対して均等な押圧力を付与することができる。
また、本実施形態の押さえ部材10は、支圧板9の開口11よりも大きな外径を有する天壁32と、当該開口11内に挿入可能な筒状の周壁31とからなる構造を有しているので、簡単な構造でありながら支圧板と索状体を確実に地盤へ押さえこむことができる。また、周壁31の下端に沿って並ぶ第1凹部15および第2凹部16によって、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5を確実に拘束することができる。
本実施形態の斜面安定化構造体1およびそれを用いた斜面安定化工法では、押さえ部材10のナット当接部分14は、貫通孔17を通してロックボルト3の雄ねじ部19に取り付けられるとともに締付ナット6によって下方に締め付けられている。締付ナット6の締結力を受けたナット当接部分14が下方へ押圧されるため、周壁31の下端の索状体押さえ部分12は、支圧板9の開口11を通して当該支圧板9よりも下方の位置に突出して第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5における交差部分18を挟んで両側の部分4a、5aをそれぞれ上から押さえ、それとともに、支圧板押さえ部分13は、支圧板9における開口11周辺の部分を上から押さえる。これにより、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5に対してその交差部分18の位置で張力を与えることができ、その結果、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の全体に確実かつ簡単な作業で張力を与えることができ、斜面の安定化を図ることができる。また、斜面安定化構造体1の取り付け作業性も向上する。
さらに本実施形態では、異なる方向に延びる第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5は、それぞれ連結部7によって、支圧板9の外周縁に連結されるので、当該第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5が押さえ部材10によって上から押さえ込まれた状態を確実に維持できるとともに、第1ワイヤロープ4および第2ワイヤロープ5の配索方向も確実に維持できる。
なお、上記の実施形態では、複数の索状体における交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえる索状体押さえ部分12として、押さえ部材10における筒状の周壁31の下端部分を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の索状体における交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえること可能であれば、種々の形態の索状体押さえ部分を採用することができる。例えば、十字形状の金具からなり、その四方に延びる先端部分に索状体を押圧可能な長さを有する突起が設けられたものであっても、本発明の索状体押さえ部分の概念に含まれるものである。
また、上記実施形態では、本発明の支圧板押さえ部分の一例として、周壁31の外周面全周にわたって径外方向へ突出している円周状の支圧板押さえ部分13が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、押さえ部材10がぐらつかないで支圧板9を上方から押圧できれば種々の形態の支圧板押さえ部分を採用することが可能であり、例えば、周壁31の外周から断続的に突出する複数の突起でもよい。
さらに、上記実施形態では、本発明のナット当接部分の一例として平板状のナット当接部分14が例示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、締付ナット6に当接できる形状であれば種々の形態のナット当接部分を採用することが可能である。ただし、締付ナット6との面接触を可能にするために、少なくとも締付ナット6に当接する部分が平面であるのが好ましい。
1 斜面安定化構造体
2 支圧アセンブリ
3 ロックボルト
4 第1ワイヤロープ
5 第2ワイヤロープ
6 締付ナット
7 連結部
9 支圧板
10 押さえ部材
11 開口
12 索状体押さえ部分
13 支圧板押さえ部分
14 ナット当接部分
15 第1凹部
16 第2凹部
17 貫通孔
18 交差部分
19 雄ねじ部
20 埋め込み部
21 Uボルト
22 特殊座金
23 ナット
31 周壁
32 天壁

Claims (7)

  1. 互いに異なる方向に向けて地盤の斜面に沿って配索された複数の索状体を当該複数の索状体の交差部分の位置で上から押さえ付ける支圧アセンブリであって、
    前記複数の索状体の交差部分の上に配置されるとともに、当該交差部分を外部に露出させる開口を有する支圧板と、
    前記開口に挿入され、前記複数の索状体および前記支圧板を上から押さえる押さえ部材と
    を備えており、
    前記押さえ部材は、前記複数の索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえる索状体押さえ部分と、前記支圧板における開口周辺の部分を上から押さえる支圧板押さえ部分と、地面に埋設されたロックボルトの斜面に突出した雄ねじ部が貫通可能な貫通孔を有し、その貫通孔に貫通した雄ねじ部に螺合するナットに当接して当該ナットによって下方に締め付けられることが可能なナット当接部分とを有しており、
    前記押さえ部材は、前記ナット当接部分が前記ナットによって下方に締め付けられることにより、前記索状体押さえ部分が、前記支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、前記複数の索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえ、それとともに、前記支圧板押さえ部分が、前記支圧板における開口周辺の部分を上から押さえることが可能な形状を有する、
    ことを特徴とする支圧アセンブリ。
  2. 前記索状体押さえ部分には、前記複数の索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分が下方から挿入されることが可能となるように下向きに開口し、かつ、その挿入された当該交差部分を挟んで両側の部分を拘束する複数の凹部が形成されている、
    請求項1に記載の支圧アセンブリ。
  3. 前記凹部は、互いに交差する前記複数の索状体のうち、前記交差部分の上側を通る第1索状体が挿入される第1凹部と、前記交差部分の下側を通る第2索状体が挿入される第2凹部とを含み、
    前記第1凹部は、前記第2凹部よりも大きな深さ寸法を有する、
    請求項2に記載の支圧アセンブリ。
  4. 前記押さえ部材は、前記貫通孔を囲むとともに、前記支圧板の開口よりも大きな外径を有してその周縁部が前記支圧板押え部分を構成する天壁と、この天壁のうちその周縁部よりも内側の部位から突出して下向きに開口するとともに、前記支圧板の開口内に挿入可能な外形を有する筒状の周壁とを有し、この周壁の下端において当該下端に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ前記凹部が形成されている、
    請求項2または3記載の支圧アセンブリ。
  5. 地盤の斜面上に設けられて当該斜面を安定させるための斜面安定化構造体であって、
    前記斜面上で互いに離間する複数の位置にそれぞれ配設され、前記地盤内に埋め込まれる埋め込み部及びこの埋め込み部から前記斜面の上に突出する雄ねじ部を有する複数のロックボルトと、
    前記各ロックボルトの近傍で互いに交差するように前記斜面上に配索される複数本の索状体と、
    前記各ロックボルトの配設位置に設けられ、このロックボルトの近傍で互いに交差する索状体及びその下の斜面を上から押え付けるための複数の支圧アセンブリと、を備え、
    前記支圧アセンブリのうちの少なくとも一部が請求項1から4のいずれかに記載の支圧アセンブリであり、当該支圧アセンブリの支圧板が、その開口が前記索状体同士の交差部分を露出させる位置で当該索状体の上に配置され、当該支圧アセンブリの押え部材が対応するロックボルトに取付けられて当該ロックボルトの雄ねじ部に螺合するナットによって締め付けられることにより前記索状体及び前記支圧板を上から押さえつけることを特徴とする斜面安定化構造体。
  6. 前記第1索状体および前記第2索状体を前記支圧板の下面に連結する連結部をさらに備えている、
    請求項5に記載の斜面安定化構造体。
  7. 請求項5記載の斜面安定化構造体を用いて斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
    前記斜面の地中に所定間隔で複数の前記ロックボルトのそれぞれの所定の埋込み部分を埋設する埋設工程と、
    前記第1索状体および前記第2索状体を、当該第1索状体と当該第2索状体との交差部分が前記ロックボルトに接触または近接するように、地盤の斜面に沿って配索する配索工程と、
    前記支圧板を前記第1索状体および前記第2索状体の交差部分が前記開口の範囲内に位置するように斜面に配置する支圧板設置工程と、
    前記押さえ部材の前記ナット当接部分を、前記貫通孔を通して前記ロックボルトの雄ねじ部に取り付けるとともに前記ナットによって下方に締め付けることにより、前記索状体押さえ部分が、前記支圧板の開口を通して当該支圧板よりも下方の位置に突出して、前記第1索状体および前記第2索状体における前記交差部分を挟んで両側の部分をそれぞれ上から押さえ、それとともに、前記支圧板押さえ部分が、前記支圧板における開口周辺の部分を上から押さえる押さえ部材設置工程と、
    を含むことを特徴とする斜面安定化工法。
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