JP4514523B2 - 斜面保護方法 - Google Patents

斜面保護方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4514523B2
JP4514523B2 JP2004170356A JP2004170356A JP4514523B2 JP 4514523 B2 JP4514523 B2 JP 4514523B2 JP 2004170356 A JP2004170356 A JP 2004170356A JP 2004170356 A JP2004170356 A JP 2004170356A JP 4514523 B2 JP4514523 B2 JP 4514523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing plate
net
natural ground
fixing
slope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004170356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005350894A (ja
Inventor
伸吉 大岡
満良 張
Original Assignee
吉佳株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 吉佳株式会社 filed Critical 吉佳株式会社
Priority to JP2004170356A priority Critical patent/JP4514523B2/ja
Publication of JP2005350894A publication Critical patent/JP2005350894A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4514523B2 publication Critical patent/JP4514523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

本発明は、地山の斜面や法面などの保護方法、特に地山表層の滑り、崩壊を防止するための方法に関する。
従来、地山表層の滑り、崩壊などを防止し、地山の安定化を図るための様々な方法が提案されており、その中で、比較的浅い、例えば1〜3mの深さの表層が剥離して滑り落ちる虞があるような斜面の安定化法として、保護すべき斜面に網体を展延設置し、この網体の上面から支圧板を所定間隔置きに点在状態に配置し、前記支圧板配置箇所に相当して予め地山に設置されているアンカーを用いて網体上の支圧板を地山面に向けて押し下げ、最終的に支圧板を地山に定着して網体を地山に固定する斜面保護方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−11863号公報
上記従来方法において、地山面に展延設置され、支圧板によって押圧固定された網体は、その固定時点で地山面との関係で緊張状態になっている必要がある。即ち、固定された網体の略全体が地山表層を遊びなく押圧している状態になっていることが必要である。網体と地山との間に遊びがある場合、網体は有効に機能しているとは云えず、網体本来の受圧作用が表層滑り発生後に発揮されることになる。たとえ僅かな滑りであったとしても、その発生は避けなければならない。即ち、地山面との関係で網体に遊び或いは緩みが生じていないようにしておかなければならない。
そこで、本発明の目的は、固定時に網体を地山面に対して有効な緊張状態に至らしめる効果的で簡単な方法を提供することである。
上記目的は、請求項1に記載の発明によれば、高強度で耐食性のあるワイヤーで製作した網体を、保護すべき斜面に展延設置し、この網体の上面から支圧板を所定間隔置きに点在状態に配置し、前記支圧板配置箇所に相当して予め地山に設置されているアンカーを用いて前記網体上の前記支圧板を前記地山面に向けて押し下げ、最終的に前記支圧板を地山に定着して前記網体を地山に固定する斜面保護方法において、前記網体は、短い方の対角線長さが5〜15cm、長い方の対角線長さが5〜20cmの菱形の網目構造を有し、前記支圧板は長手方向寸法、長径又は直径が20cm〜1mであり、前記網体は、保護すべき地山面上に略平坦な状態で展延設置され、前記支圧板の定着面は、前記網体の展延設置面より低い位置に設けられており、前記支圧板定着のための前記支圧板の押し下げ工程において、前記支圧板下の網体部分をその下方の支圧板定着面へ向けて押し下げて前記支圧板を前記支圧板定着面に定着させて前記網体を地山に固定することを特徴とする斜面保護方法によって達成される。
上記の「位置」なる表現は、地山面を水平面と見立てた場合の高低方向の位置を意味している。
本発明は、比較的浅い地山表層の剥離崩落は、安定的な地山深層に結合されたアンカーと、このアンカーに取り付けられた支圧板とによって、地山に対して緊張をもって固定された高強度の網体によって防止できるとの認識の下になされたものである。
請求項1に記載の発明によれば、支圧板の押し下げ作業の進行に従って当該支圧板周囲の網体に緊張力が生じると共にこの緊張力が増大し、支圧板全部の定着完了時には網体全体が地山面に対して緊張状態におかれ、従って網体全体が地山表層を遊びなく押えている状態になる。換言すれば、地山表層は滑りや崩壊が発生し得ないよう、アンカーと支圧板とによって固定された網体によってしっかりと押えられる。明らかなように、本発明によれば、網体緊張力の発生及び増大は、支圧板定着作業を行なうことによってもたらされ、緊張力をもたらすための別途の特別な作業を必要としない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記支圧板定着面が、前記支圧板が進入可能であるように地山面に設けられた凹所によって形成され、前記網体の前記展延設置面が前記凹所以外の地山面によって形成されていることを特徴とする。このような凹所を設けることによって、支圧板の押し下げが進行するにつれて、支圧板下及び支圧板近辺の網体部分が凹所内へ引き込まれ、その結果網体が面的に引き伸ばされる状態になり、網体には緊張力が生じ且つ徐々に増大し、支圧板の定着時には所望の緊張力がもたらされる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記網体の前記展延設置面が、前記網体の展延設置に先立って、アンカー間領域に1つ又は複数の土嚢を配置することでその土嚢上面に形成され、前記土嚢間領域が前記支圧板定着面とされたことを特徴とする。土嚢は必要な高さのなだらかな盛り上がりになるよう配置され或いは堆積されることが好ましい。
請求項3に記載の発明によれば、アンカー間領域に配置された土嚢により形成された前記網体の前記展延設置面が、支圧板押し下げ時に前記領域における網体の面的な伸長をもたらし、従って網体に緊張をもたらし、支圧板の押し下げが進行するに従って網体の緊張を増大させる。最終的に、支圧板全部の定着完了時には網体全体が地山に対して緊張した状態におかれる。
請求項に記載の発明は、前記網体を構成するワイヤーを硬鋼線で製造することを特徴とするものであり、前記硬鋼線は好ましくは引張強度が1770N/m m2以上の高強度硬鋼線であって、このような高強度の網体は、滑りによる崩落が生じないよう地山を確実に押える十分な強度を有し、更に、網体に課されるべき作用を数十年単位の長期間に亘って保ち続けることを可能にする。
本発明によれば、網体の緊張力を発生させ増大させるための支圧板定着位置及び網体展延設置面は比較的簡単な作業によって地山面にもたらすことができ、そのような凹凸を設けた後、支圧板を定着する作業を行なうだけで網体全体に緊張力がもたらされるものであり、従って比較的簡単な作業によって斜面安定化が効率よく達成されるという効果が得られる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明によって地山斜面に敷設された際の網体1と、この網体を斜面に固定しておくための多数のアンカー又はアンカーロッド(以下アンカーと呼称する)2、及びこのアンカーによって定着される支圧板3との相互関係を模式的に示すものである。アンカー2及び支圧板3の配列は、図示のように縦横に整列したものでもよいし、縦横の列毎に位置をずらせて千鳥状に配列したものであってもよいし、場合によってはランダムな配置であってもよい。縦横に隣接するアンカー間の距離は様々に選択可能であるが、好ましくは略1〜2mの間で選択される。
アンカー2の設置は、従来実施されているものと同様に、また図7、図14等において概略的に示すように、岩盤などの地山深層(不動層)G1まで削孔して形成したアンカー孔にアンカー2を挿入し、このアンカーの基部2Bを、アンカー孔に注入したセメントミルクなど固定材Cの硬化により地山深層G1に固定することによって行われる。アンカー2の頭部2Aは地表に露出せしめられ、後述のように支圧板3を地山に固定的に定着するために使用される。
図2は上記網体1の好適な態様を示すものであって、この網体は下記のようにジグザグ状に折り曲げられたワイヤー11を連結することによって構成されている。ワイヤーの折曲は、図2及び図3に示すように、平面的に見てジグザグ状に(図2A)、伸長方向に向かって螺旋状に(図3)、正面から見ると長円形状に(図2B)行なわれている。即ち、図3に示すように、ワイヤー11は、略直線状の上辺直線部11a及び下辺直線部11bが、それらの間の屈曲部11cによって結合された状態で折曲されており、その場合図2Aに示すように、上辺直線部11aと下辺直線部11bとが成す角度Rは、30〜50°であることが好ましく、また図2Bに示すように、上辺直線部11aと下辺直線部11bとの間の厚さ方向の間隔Dはワイヤー径Tの3倍もしくはそれ以上となっていることが好ましい。ワイヤー径Tの好ましい例は3〜3.5mmである。
上記のように折曲形成されたワイヤー11は、図3に示すように2つのワイヤーの屈曲部11cが互いに係合し得るように次々に連結され、結果として図2に示すような網目1aを有する網体1が構成される。
上記ワイヤーの上辺直線部11aと下辺直線部11bとの成す角度を上記のように30〜50°とすることにより、構成された網体に生じる網目1aは、一方の対角線が他方の対角線より長い菱形となる。網体は長い対角線方向の網体強度が極めて大きくなり、長い対角線方向を地山斜面の圧力が最も大きく作用する方向、即ち斜面の上下方向へ合わせることにより、網体の強度的機能を充分に発現させることができる。網目1aの寸法の例としては、短い方の対角線長さが50〜150mm、長い方の対角線長さが50〜200mmである。構成された網体1は厚さ寸法W(図2B)を持った立体的構造となり、このような比較的厚みのある立体的構造であることによって、網体1で被覆した斜面上に生じる植生を保護する作用も果たす。
上記のワイヤー11は引張強度1770N/mm以上の硬鋼線であることが好ましい。また、ワイヤー11には防食処理が施されていることが好ましく、有利な防食処理としては、図4に示すように、硬鋼線(ワイヤー)11Aの表面に先ずZn/Alメッキ11Bを施し、その上に飽和ポリエステル(PET)の被覆11Cを設ける方法が例挙される。しかしながら、他の防食処理も適用可能である。
図5は支圧板3の例を示すものであって、平面的に見た形状としては、多角形(a)、楕円形(b)、円形(c)などが挙げられ、側面的に見た形状は平板状であることが好ましい。支圧板3の中央にはアンカー頭部2Aと係合する透孔3aが形成してある。図6は図5(c)の支圧板の拡大尺側面図を示しており、下部周縁部3bは、下記のように網体と接触した際に網体に損傷を与えないよう、面取りされて丸みを付された形状となされている。支圧板3の下面には図6に示すように複数の突起3cが設けてあり、これら突起は、網体上の支圧板を下記のように押下するときに網体の網目と係合し、支圧板と網体との相対的な滑りが生じないように作用する。
支圧板3の寸法の例としては、平面的に見て、(a)の場合の長手方向寸法、(b)の場合の長径、又は(c)の場合の直径が約20cm〜1m、側面から見た場合の(a)〜(c)の高さ(厚さ)が約10〜30cmである。材料としてはコンクリート、金属、プラスチック、繊維強化プラスチック(FRP)が好ましいが、他の材料であってもよい。
次に、図7〜13を参照して、本発明方法の第1実施形態について詳細に説明する。
図7は、地山の表層G2及び深層(不動層)G1を、斜面に沿った断面(図1中のVII−VII線に沿った地山断面に相当)にて示すものであって、これら表層と深層との間にはすべり面Sがあり、表層G2はこのすべり面Sに沿って崩落し、崩落方向にある道路、鉄道、建築物などに被害を及ぼす虞がある。
第1実施形態によれば、上記地山表層G2の滑り発生を防止するために、先ずアンカー2が上記のようにして設置される。アンカー設置後、図7に示すように、地山面(斜面)Mのアンカー頭部2A周辺に、前記支圧板が進入可能の凹所4が支圧板定着位置として形成され、凹所4の底部が支圧板定着面Mとして形成される。この凹所4は、例えば、支圧板の平面視最大寸法よりも若干大きな直径を有する丸孔であり、この丸孔の深さは、隣り合う支圧板間の距離に応じて、約20〜30cmの範囲で選択される。しかしながら、この値は限定的なものではなく、網体の剛性や地山の土質などに応じて上記範囲外の様々な値を選択し得ることは明らかである。また、凹所4の形状は丸孔に限らず、支圧板の平面視輪郭形状に相似するものであってもよい。凹所4の周縁部は滑らかな弧状になされ、後述のように網体1が強圧的に摺接するときに網体に局部的な集中荷重が掛からないようにしておくことが好ましい。
上記凹所4の形成は、アンカー2の設置に先立って、又は設置後に手作業または削孔機によって行なわれる。
次いで、前記凹所4を形成した地山面Mの凹所4以外の網体展延設置面Mには網体が略平坦な状態(図10参照)に展延設置される。
図8は網体の展延設置方法の好ましい例を示すものであって、この例によれば、ロール状に巻かれた一定幅の単位網体1Uが斜面上方に置かれ、ロール外周側の網体端部1Uaが地山に固定され、次いで網体ロールが斜面下方へ向けて転動落下される。これによってロール外周から次々に網体部分が解放され、解放され終わったときに保護すべき斜面の一部が上端から下端まで縦方向に延びる単位網体1Uによって覆われる。
図9は、上記のような単位網体1Uの転動解放を斜面横方向に隣接して3回行なった状態を平面的に示すものである。この場合、2つの単位網体1Uの互いに隣接する側端部が、凹部4の成す2つの隣り合う縦列の中間位置に来るように、単位網体1Uの幅寸法と凹部4の形成位置を選定することが好ましい。隣接する2つの単位網体1Uは多数のクリップ5によって結合されている。具体的には、結合すべき2つの単位網体の側端網目列を、網目を合わせて互いに重ね合わせ、上下に重なり合った一対の網目における上辺直線部11a同士(図3参照)及び/又は下辺直線部11b同士をクリップ5により結合する。
上記のようにして網体1を網体展延設置面M上に展延設置した後、図10に示すように、支圧板3を網体1の上方から各アンカー2のアンカー頭部2Aに取り付ける。この取付けは、支圧板3中央に形成されている透孔3aに、雄ネジ部材として形成されているアンカー頭部2Aを通し、更に支圧板上に突出したアンカー頭部に雌ネジ部材6を螺着することによって行なわれる。
次に、雄ネジ部材としてのアンカー頭部2Aに対して雌ネジ部材6を回すことにより、支圧板3が凹所4に向けて押し下げられる。このような支圧板の押し下げ作業は、網体1の周辺部に位置する支圧板から始めることが好ましい。
支圧板3の押し下げの際、支圧板3の下面に設けた突起3c(図6参照)はそれぞれ網体1の対向する網目に係合し、支圧板に対する網体の滑り移動を防止する。このような突起3cの作用は、網体周縁部における支圧板定着の際に特に有効である。
支圧板3の押し下げ作業が進行するに従って支圧板下部の網体部分は徐々に凹所4内に引き込まれ、その結果網体1は面的に引っ張られ、引き伸ばされる状態になり、網体伸延方向の遊びの限界を越えたところで網体には緊張力が掛かり始め、この緊張力は支圧板が凹所4の定着面Mに近接するにつれて増大する。
網体1の緊張力の大きさは、上記雌ネジ部材6を回転する際のトルク(回転モーメント)を検知することによって確認することができる。従って、緊張力の管理は雌ネジ部材6のトルク管理によって達成される。
図11に示すように、全ての支圧板3をそれぞれ対応する凹所4内に定着した時点で、網体1には所期の大きさの緊張力がもたらされ、従って地山面は所期の緊張力を持った網体1によって押えられた状態になる。その結果、地山表層G2は、このような緊張力を持った網体1とアンカー2との作用により、滑りの生じない安定した状態に保持される。即ち、緊張力を持った網体1とアンカー2との作用により、表層G2のすべり発生は未然に阻止される。
支圧板3の押し下げの際、支圧板の下部周縁に設けた面取り部3b(図6参照)は網体1を損傷しないよう作用するが、更に網体損傷防止効果を高めるために、図12に示すように、網体1と支圧板3との間にゴム、ウレタン等から成る緩衝材7を介装し、更に網体1の下側に同様の緩衝材7を配置することが好ましい。緩衝材7は、支圧板3の定着作業時及び図13に示す定着後において、網体1と支圧板3との直接的な接触を防止し、網体1を形成するワイヤー上の防食処理部が破損しないように保護する。また、緩衝材7もワイヤー上の防食処理部を保護する。
上記緩衝材7を上記のようにゴム、ウレタン等からなる板材にて形成する代わりに、支圧板下に植物繊維製織物、化学材料製不織布等の材料によって製造される袋体(図示せず)を設け、この袋体内に一時的流動性のある注入材、例えばセメントミルクを注入し、この注入材を固化させるようにしてもよい。袋体、注入材の具体例は特開2000−80658号公報に記載されており、この公報に記載されている内容は上記緩衝材7の形成においても適合する。場合によっては、緩衝材7も同様に袋体と注入材を用いて形成してもよい。
上記支圧板3の定着後、凹所4は土で埋められ、地山面全体が平坦になされる。その際、埋め込み用の土に植物の種子を混入しておくことが好ましい。また、凹所4内の支圧板3、雌ネジ部材6、アンカー頭部2Aには土が直接触れないように養生を施しておくことが好ましい。
上記網体1と地山面M、特に網体展延設置面Mとの間には植物の種子を付着させたシート材(図示せず)を介装しておくことが好ましい。このシート材の地山面への配設は、上記網体1の展延設置に先立って行なわれる。このようにシート材を介装することにより地山面の植生生育を促進し、斜面を緑化して斜面の景観を早期に良好なものにすることができる。
[第2の実施の形態]
この第2実施の形態において、網体1及び支圧板3については第1実施形態の場合と同様のものが使用され、またアンカー2の設置、網体1の展延設置、支圧板3の定着についても第1実施形態の場合と同様の方法で行なわれる。
第2実施形態では、支圧板定着箇所の地山面をその周辺の地山面に対して低位置にする状態をもたらすために、第1実施形態の場合の凹所形成に代えて土嚢が使用される。
第2実施形態による方法の手順について図14及び図15を参照しつつ以下に説明する。
アンカー2の設置後、アンカー設置箇所の間の領域(例えば図1中の4つのアンカー3a,3b,3c,3dの設置箇所に囲まれた領域)の中央位置に土嚢が所望の高さに配置される。土嚢の配置は1つの大きな土嚢を用いて行ってもよいし、或いは比較的小さな土嚢を複数個並べるか積み重ねることによって行なってもよい。図14及び図15は複数個の土嚢8を配置した場合を示している。図示のように、土嚢8の配置は、支圧板3の定着面Mが土嚢8の頂部にてもたらされる網体展延設置面Mの高さに対して低位置にあるようになされる。
上記アンカー設置箇所の間の領域すべて(或いは場合によって一部)について土嚢の配置を行なった後、図14に示すように、網体1の展延設置、及びアンカー頭部2Aに対する支圧板3の取付けが第1実施形態と同じ方法で行なわれ、その際、網体1は網体展延設置面Mに接触して略平坦な状態に展延設置される。
次に、雌ネジ部材6が雄ネジ部材としてのアンカー頭部2Aに螺合され、支圧板3を定着面へ向けて押下するために、アンカー頭部に対して回転せしめられる。支圧板3の押下が進むにつれて支圧板下の網体部分は下方へ押し下げられるが、土嚢8の網体展延設置面Mがこの押し下げに対抗するように網体1に作用するため、結果として網体1は当該支圧板を中心に面的に引っ張られることになり、面的な方向での遊び状態がなくなったとき網体1に緊張力が発生し、緊張力の強さは支圧板が定着面Mに近づくにつれて増大する。
第1実施形態の場合と同様に、網体1の緊張力の大きさは、上記雌ネジ部材6を回転する際のトルク(回転モーメント)を検知することによって確認され、従って、緊張力の管理は雌ネジ部材6のトルク管理によって達成される。
支圧板3と定着面Mとの間には、実施形態1において述べたものと同様の袋体と注入材で構成される着座部材(図示せず)を配置し、定着面Mに対する支圧板3の安定的着座をもたらすようにすることが好ましい。
図15に示すように、全ての支圧板3をそれぞれ対応する定着面Mに定着した時点で、網体1には所期の大きさの緊張力がもたらされ、従って地山面Mは所期の緊張力を持った網体1によって押えられた状態になる。その結果、地山表層G2は、このような緊張力を持った網体1とアンカー2との作用により、滑りの生じない安定した状態に保持される。即ち、緊張力を持った網体1とアンカー2との作用により、表層G2のすべり発生は未然に阻止される。このように、網体1には土嚢の高さに応じた緊張力がもたらされ、土嚢を介しての網体1による所要の地山表層押圧作用がもたらされる。
上記土嚢8の周囲には、網体1と地山面Mとの間に空間Kが生じるが、この空間には網体上からの吹き付けによって充填材を注入することが好ましい。充填材としては、植生吹付け材、例えば種子混入腐葉土と水を混合したもの、或いは植物短繊維、土、硬化材(例えば、少量のセメントまたは類似物)、種子及び水を混合したものが有効である。充填材中の植物の種子は充填材固化後に発芽し、保護斜面に早期に望ましい植生をもたらす。また、土嚢内にも植物の種子が混入されていることが好ましい。
上記の第1及び第2実施形態による方法を併用してもよく、このような併用方法も本発明の範囲に含まれるものである。
地山斜面に展延設置された網体と、この網体を地山斜面に固定しておくための多数のアンカーとの相互関係の例を模式的に示す斜視図である。 本発明方法において用いられる網体の例を示しており、(A)は網体の平面図、(B)は網体の側面図である。 折曲したワイヤーを連結して網体を構成する様子を示す斜視図である。 網体を構成するワイヤーへの防食処理方法を示す、ワイヤーの部分的斜視図である。 本発明方法に用いられる支圧板の3つの例を平面図で示すものである。 図5(c)に示す支圧板の拡大尺側面図である。 本発明の第1実施形態による方法の凹所形成工程を示す、地山斜面の縦断面図である。 第1実施形態による方法の網体展延設置工程を示す、地山斜面の縦断面図である。 網体の展延設置例の平面図である。 第1実施形態による方法の支圧板取付け工程を示す、地山斜面の縦断面図である。 第1実施形態による方法の支圧板定着後の状態を示す、地山斜面の縦断面図である。 第1実施形態による方法において、支圧板下の網体部分の保護方法を示す、支圧板取付け工程時の地山斜面の部分的縦断面図である。 図12に示す工程実施後における支圧板定着時の地山斜面の部分的縦断面図である。 本発明の第2実施形態による方法の土嚢配置工程、網体展延設置工程、支圧板取付け工程を説明する、地山斜面の部分的縦断面図である。 第2実施形態による方法の支圧板定着後の状態を示す、地山斜面の部分的縦断面図である。
符号の説明
1 網体
1U 単位網体ロール
2 アンカー
2A アンカー頭部
2B アンカー基部
3 支圧板
4 凹所
5 クリップ
6 雌ネジ部材
7 緩衝材
8 土嚢
C 固定材
G1 地山深層(不動層)
G2 表層
M 地山面(斜面)
網体展延設置面
支圧板定着面
S すべり面
K 空間

Claims (4)

  1. 高強度で耐食性のあるワイヤーで製作した網体を、保護すべき地山面に展延設置し、この網体の上面から支圧板を所定間隔置きに点在状態に配置し、前記支圧板配置箇所に相当して予め地山に設置されているアンカーを用いて前記網体上の前記支圧板を前記地山面に向けて押し下げ、最終的に前記支圧板を地山に定着して前記網体を地山に固定する斜面保護方法において、
    前記網体は、短い方の対角線長さが5〜15cm、長い方の対角線長さが5〜20cmの菱形の網目構造を有し、
    前記支圧板は長手方向寸法、長径又は直径が20cm〜1mであり、
    前記網体は、保護すべき地山面上に略平坦な状態で展延設置され、
    前記支圧板の定着面は、前記網体の展延設置面より低い位置に設けられており、
    前記支圧板定着のための前記支圧板の押し下げ工程において、前記支圧板下の網体部分をその下方の支圧板定着面へ向けて押し下げて前記支圧板を前記支圧板定着面に定着させて前記網体を地山に固定することを特徴とする斜面保護方法。
  2. 前記支圧板定着面が、前記支圧板が進入可能であるように地山面に設けられた凹所によって形成され、前記網体の前記展延設置面が前記凹所以外の地山面によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の斜面保護方法。
  3. 前記網体の前記展延設置面が、前記網体の展延設置に先立って、アンカー間領域に1つ又は複数の土嚢を配置することでその土嚢上面に形成され、
    前記土嚢間領域が前記支圧板定着面とされたことを特徴とする請求項1に記載の斜面保護方法。
  4. 前記網体を構成するワイヤーは硬鋼線製であることを特徴とする請求項1〜の一つに記載の斜面保護方法。
JP2004170356A 2004-06-08 2004-06-08 斜面保護方法 Expired - Lifetime JP4514523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170356A JP4514523B2 (ja) 2004-06-08 2004-06-08 斜面保護方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170356A JP4514523B2 (ja) 2004-06-08 2004-06-08 斜面保護方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005350894A JP2005350894A (ja) 2005-12-22
JP4514523B2 true JP4514523B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=35585594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004170356A Expired - Lifetime JP4514523B2 (ja) 2004-06-08 2004-06-08 斜面保護方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4514523B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4912070B2 (ja) * 2006-08-02 2012-04-04 ライト工業株式会社 斜面安定化構造及び斜面安定化工法
JP5086871B2 (ja) * 2008-04-01 2012-11-28 東亜グラウト工業株式会社 覆網式斜面保護工法
JP5554220B2 (ja) * 2010-12-08 2014-07-23 ライト工業株式会社 支圧アセンブリ、斜面安定化構造体及び斜面安定化工法
JP6516986B2 (ja) * 2014-08-21 2019-05-22 吉佳エンジニアリング株式会社 受圧板及び斜面保護システム
JP6406941B2 (ja) * 2014-09-05 2018-10-17 吉佳エンジニアリング株式会社 斜面保護用金網及び該斜面保護用金網を用いた斜面保護方法
JP6681681B2 (ja) * 2015-08-10 2020-04-15 吉佳エンジニアリング株式会社 受圧板
JP6901125B2 (ja) * 2017-06-21 2021-07-14 吉佳エンジニアリング株式会社 既設法枠を有する斜面の保護方法及び斜面の保護システム
CN109556769B (zh) * 2018-12-24 2024-06-25 成都尚德铁科智能科技有限公司 一种用于塑性混凝土的漏网杠杆型测力传感器装置
JP7217515B2 (ja) * 2019-01-28 2023-02-03 吉佳エンジニアリング株式会社 斜面の保護構造及び斜面の保護方法
CN113062269B (zh) * 2021-04-13 2023-05-02 西安工业大学 一种园林规划用河道防护装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001011863A (ja) * 1999-04-27 2001-01-16 Yoshika Kk 斜面保護方法及び逆巻き施工斜面保護方法
JP2002138482A (ja) * 2000-10-30 2002-05-14 Shin Gijutsu Koei Kk 地盤保持構造
JP2002173939A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd 斜面安定化工法および斜面安定化構造

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2969449B1 (ja) * 1998-05-22 1999-11-02 茂 宇根 山肌地面の安定化工法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001011863A (ja) * 1999-04-27 2001-01-16 Yoshika Kk 斜面保護方法及び逆巻き施工斜面保護方法
JP2002138482A (ja) * 2000-10-30 2002-05-14 Shin Gijutsu Koei Kk 地盤保持構造
JP2002173939A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd 斜面安定化工法および斜面安定化構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005350894A (ja) 2005-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102243531B1 (ko) 사면 보호구조 및 보호방법
JP4514523B2 (ja) 斜面保護方法
KR101413262B1 (ko) 하천 바닥 및 비탈면에 시공되는 키 스톤 매트리스 및 이의 시공 방법
KR100947248B1 (ko) 사면보호용 스톤구조물 및 그 시공방법
JP2829825B2 (ja) 落石等の密着式防護網工法とそのロープ・網アンカー構造
JP6406941B2 (ja) 斜面保護用金網及び該斜面保護用金網を用いた斜面保護方法
JP6901125B2 (ja) 既設法枠を有する斜面の保護方法及び斜面の保護システム
KR100800575B1 (ko) 매트고정판
JP6908260B2 (ja) 受圧板、受圧板を用いた既設法枠を有する斜面の保護方法及び既設法枠を有する斜面の保護システム
JP6681681B2 (ja) 受圧板
JP2018131806A (ja) 斜面保護システム
JP6715639B2 (ja) 崩壊斜面対策構造
JP4256545B2 (ja) 斜面保護方法及び逆巻き施工斜面保護方法
JP2006336193A (ja) 緑化基盤造成方法および法面緑化構造体
JP7217515B2 (ja) 斜面の保護構造及び斜面の保護方法
JP2010196460A (ja) 斜面保護方法及びそれに使用する網状体並びに斜面保護構造体
JP4526302B2 (ja) 斜面保護方法
JP2015175118A (ja) 傾斜地の緑化工法
JP2007039974A (ja) 補強筋法面工
JP6688660B2 (ja) 斜面対策構造
JP3659622B2 (ja) 斜面安定化装置
JP3778505B2 (ja) 法面工事における崩壊予防工法及びその工法に用いる法面被覆保護具
JP7211585B2 (ja) 斜面安定化構造及び斜面安定化工法
KR102185956B1 (ko) 옹벽의 체결 장치
JP2015042820A (ja) 基礎構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4514523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3