JP6715639B2 - 崩壊斜面対策構造 - Google Patents

崩壊斜面対策構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6715639B2
JP6715639B2 JP2016065090A JP2016065090A JP6715639B2 JP 6715639 B2 JP6715639 B2 JP 6715639B2 JP 2016065090 A JP2016065090 A JP 2016065090A JP 2016065090 A JP2016065090 A JP 2016065090A JP 6715639 B2 JP6715639 B2 JP 6715639B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slope
strip
shaped
collapse
anchor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016065090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017179765A (ja
Inventor
懸一 安冨
懸一 安冨
岩佐 直人
直人 岩佐
尚輝 副田
尚輝 副田
謙吾 堀
謙吾 堀
Original Assignee
日鉄建材株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日鉄建材株式会社 filed Critical 日鉄建材株式会社
Priority to JP2016065090A priority Critical patent/JP6715639B2/ja
Publication of JP2017179765A publication Critical patent/JP2017179765A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6715639B2 publication Critical patent/JP6715639B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

この発明は、崩壊が生じた斜面に対して施工する崩壊斜面対策構造に関する。
斜面安定化工法として、例えば特許文献1のように、法面に敷設した網目状の抗張力性被覆材が、法面に仕込んだアンカー頭部を反力点として法面に向い弾力により押圧し固定してある工法(法面保護装置)がある。
具体的には、図9、図10のように、合成繊維不織布からなるシート2を施工対象の法面1の全体に敷設し、その上に合成樹脂製の網目状をなす抗張力性の被覆材3を同じく施工対象の法面1の全体に敷設している。
前記シート2および被覆材3は、それらを貫通し法面に打込んだアンカー4の頭部において固定されている。すなわち、アンカー4の被覆材3上に突出した頭部に、座金5、圧縮コイルバネ6、座金5を順に挿通し、先端部に螺合したナット7を締付け、被覆材3およびその下層のシート2を法面に圧縮コイルバネ6による圧縮弾性力により押圧し固定している。そしてさらに、被覆材3の表面に客土8をなし植物9を植生して緑化を図っている。なお、図示例では、アンカー間に補強材10を配し被覆材3を補強している。
特許文献1の発明は、河川、ダム、道路、造成地等の法面を対象として、法面の表層緩み、凍土融解による崩落、あるいは、流水による洗掘等を防止でき、しかも施工能率のよい工法を得ようとするものであるが、特に、被覆材3は法面に弾力により押圧し固定してあるため、法面全体が常時、抗張力性の被覆材3により押し付けられ、法面の表層緩み、凍土融解による崩落の防止に有効であるというものである。
また、特許文献2のように、山、海岸、河川等の切土、盛土等における崩壊が予想されるような法面が崩壊するのを防ぐために、帯締めバンドを用いる崩壊防止構造がある。
この崩壊防止構造は、特許文献2中の符号を用いて説明すると、複数個、相互に間隔を置いて平行に配置された細バンド5と該細バンド間を屈曲性を有するように連結する紐体6とを有する帯締めバンド4であって、前記紐体6は複数本で紐群を形成し、該紐群が細バンドの長さ方向に沿って間隔を置いて配置されている帯締めバンドを用いる。
この帯締めバンド4は、細バンド5と該細バンド間が屈曲性を有する紐体6で連結されているので、帯締めバンド4自体が幅方向に屈曲性を有し、法面に凹凸があっても、帯締めバンド4がその凹凸に十分フィットして、帯締めバンド4の下方に空間が生じないというものである。
特開昭62−121234 特許第4681293号
ところで、表層又は深層崩壊が生じた斜面は、硬い地盤が露出しているので、植物が生育しがたく容易に植物が復元されない。植生が復元されない斜面は、風化・浸食されて二次崩壊の原因となる恐れがある。
したがって、崩壊が生じた斜面に対して緑化を含めた安定化対策を施すことが望まれる。しかし、その場合、その崩壊斜面に対して過剰でない適切な仕様の対策を施すことが、費用対効果の面で望まれる。
特許文献1の斜面安定化工法は、合成樹脂製の抗張力性被覆材3を斜面全体に敷設するものなので、また合成樹脂製の抗張力性被覆材3は必ずしも安価ではないので、安価に施工でき、かつ崩壊斜面対策として有効な対策構造が望まれる。
特許文献2の工法で用いる帯締めバンド4は、間隔をあけて平行に配置された複数の細バンド5の各細バンド5間を多数の紐体6で連結するという複雑な構造であり高価であろうから、安価に施工でき、かつ崩壊斜面対策として有効な対策構造が望まれる。
本発明は上記背景のもとになされたもので、崩壊が生じた崩壊斜面を対象として、極力安価に斜面安定化対策を施すことができ、かつ、植生促進及び浸食防止を果たすことが可能な崩壊斜面対策構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決する請求項1の発明は、崩壊が生じた斜面に施す崩壊斜面対策構造であって、
前記斜面に間隔をあけて設置されるアンカー材と、その斜面を被覆して表層の植生を促す機能と表層の浸食防止機能を果たす繊維織物のシートと、前記シートの上から敷設される、網目状の空隙を有するように樹脂一体成形された帯状法面材とを備え、
前記帯状法面材として配置される、斜面上下方向に延びる複数の縦の帯状法面材と前記縦の帯状法面材と交差する方向に延びる複数の横の帯状法面材との交差箇所に前記アンカー材の地上に露出した頭部が貫通して前記縦及び横の帯状法面材が敷設されており、
前記両帯状法面材を貫通しているアンカー材の頭部には、両帯状法面材の交差箇所の重なり面を覆う固定板を有し、
前記固定板は、そのサイズが、両帯状法面材の四角形をなす重なり部より広い四角形をなし、その四隅に地面側に折り曲げられた爪部を備えており
アンカー材の頭部に取り付けた締付け部材で前記固定板を押圧することで、前記両帯状法面材を斜面へ密着していることを特徴とする。
請求項2は、請求項1の崩壊斜面対策構造において、前記アンカー材が地盤内に0.5〜1.5mの深さで設置されていることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2の崩壊斜面対策構造において、前記縦の帯状法面材と横の帯状法面材とが、互いに直交して四角形の格子状をなすように配置されていることを特徴とする。
請求項は、請求項1〜3のいずれか1項の崩壊斜面対策構造において、前記縦の帯状法面材の幅W対して、前記横の帯状法面材の幅がW×(0.7〜0.9)mであることを特徴とする。
請求項は、請求項1又は2の崩壊斜面対策構造において、前記アンカー材が千鳥状に配置され、1本の縦の帯状法面材と右斜め傾斜及び左斜め傾斜の2本の横の帯状法面材とが前記アンカー材において交差する態様で配置されて、帯状法面材が三角形を形成するように配置されていることを特徴とする。
崩壊が生じた斜面に対して本発明の崩壊斜面対策構造を施工した斜面は、対象斜面全体がシートで覆われるので、そしてそのシートは表層の植生を促す機能を備えるので、やがて植物が茂って斜面が緑化され、斜面の安定化に大きく寄与する。
シートの上から縦横の帯状法面材が敷設されるとともに、両者の交差箇所が固定板によって斜面を押圧する態様でアンカー材に固定されるので、縦横の配置の帯状法面材によって斜面安定化が図られる。
なお、帯状法面材が縦横に配置されるから、その格子内部分は斜面を直接には押さえていないが、土塊移動の際に帯状法面材に張力が作用した際、帯状法面材のアンカー材付近もしくはアンカー材間の部分に作用する張力が全体の張力の殆どを負担すると考えられるので、特許文献1のような斜面全体を覆う法面材(被覆材)でなくても、縦横に配置される帯状法面材であれば、土塊移動の抑制効果は得られる。なお、実際に施工する際には地盤状況を調査し斜面の安定計算等をして確認する。
また、特許文献1のように対象斜面の全体に法面材を敷設するものと異なり、帯状法面材を縦横に配置するものであるから、使用材料のコストは顕著に安く済む。
また、特許文献2のように、平行配置の複数の細バンド間を多数の紐体で連結するという複雑な構造の帯締めバンドと異なり、樹脂一体成形された帯状の面材であるから安価であり、施工コストが安く済む。
また、対象斜面の全体に敷設される前記シートは、縦横の配置の帯状法面材で押さえられているので、シートとして一定の丈夫さを備えた素材を用いることで、表層の浸食を防止する機能を有効に果たすことができる。また、縦横の配置の帯状法面材で押さえられたシートは、流入した土砂を保持する作用も果たすので、植物が生育し易い地盤となり、緑化が促進される。
また、本発明のように、縦横の帯状法面材の四角形をなす重なり部より広い四角形をなし、かつ四隅に爪部を有する固定板は、前記帯状法面材の重なり部の四隅外側において爪部がシートを突抜けるようにして地面に食い込むので、帯状法面材の重なり部をアンカー材にしっかり固定する作用をするとともに、シートを斜面にしっかり固定する作用をする。
また、爪部間に帯状法面材が配置されるので、爪部で帯状法面材を傷つけることがない。したがって、対象斜面の全体に敷設され、斜面の広い部分の土塊の動きを受け止めるシートを縦横に配置される帯状法面材で押さえ込んだ際に、土塊の大きな力が発生しても、帯状法面材は破損することなく効果的に土塊の移動を抑制することができる。
本発明は、請求項2のように、アンカー材を地盤内に0.5〜1.5mの深さで設置して、斜面安定化の効果が得られる斜面に適用して好適であり、表層崩壊が生じた表層崩壊斜面に対する崩壊斜面対策構造として好適である。
土塊移動の際に土塊移動を押さえる縦横の帯状法面材に生じる張力は、縦の帯状法面材の方が大きく横の帯状法面材は小さいので、請求項のように横の帯状法面材の幅を狭くすることで、過剰でない適切な仕様の崩壊斜面対策構造が得られ施工費を低減することができる。
本発明の一実施例の崩壊斜面対策構造を施工した斜面の一部分を示す平面図である。 図1のA−A拡大断面図である。 図2の一方のアンカー材近傍の拡大図である。 図1における一つの固定板の部分の拡大図である。 図4における固定板を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は右側面図である。 図1における縦の帯状法面材の要部拡大図である。 (イ)は実施例の対策構造を施工した斜面の模式的な断面図、(ロ)は同模式的な平面図である。 本発明の他の実施例の崩壊斜面対策構造を施工した斜面の一部分を示す平面図である。 従来工法(特許文献1の法面保護装置)を示すもので、施工した斜面の断面図である。 図9の施工斜面にさらに補強材を施工した場合の実施例の要部の平面図である。
以下、本発明の崩壊斜面対策構造を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例の崩壊斜面対策構造を施工した斜面の一部分を示す平面図、図2は図1のA−A拡大断面図、図3は図2の一方のアンカー材近傍の拡大図、図4は図3の平面図である。
この実施例では、例えば図7(イ)、(ロ)に模式的に示したような表層崩壊の生じた斜面を想定している。破線で示した部分が表層崩壊(崩落)が生じた部分である。符号30は表層崩壊斜面(崩壊発生部斜面)でありかつ表層崩壊斜面対策構造を施工した斜面、31が崩落土砂を示す。符号1は表層崩壊斜面対策構造における後述するアンカー材を示す。図7(ロ)において斜線ハッチング部分が表層崩壊発生部である。後述する縦横の帯状法面材を符号3で模式的に示す。
図では斜面中腹で表層崩壊が生じた場合としているが、法肩近傍で生じる場合、あるいは法尻側で生じる場合、あるいは斜面全体で生じる場合がある。
この表層崩壊斜面対策構造を施工する対策工法は、図1〜図4、図7に示すように、表層崩壊斜面(表層崩壊発生部斜面)30に複数のアンカー材1を間隔をあけて設置し、その斜面を表層の植生を促す機能と表層の浸食防止機能を果たすシート2で被覆し、前記シート2の上から、いずれも網目状の空隙を有するように樹脂一体成形された帯状の面材である、斜面上下方向に延びる複数の縦の帯状法面材3(3A)と前記縦の帯状法面材3Aと交差する方向に延びる複数の横の帯状法面材3(3B)とを格子状に敷設し、その敷設に際して両帯状法面材3A、3Bの交差箇所における後述するそれぞれの空隙部(網目の空隙部)を前記アンカー材1の地上に露出した頭部が貫通する態様で両帯状法面材3A、3Bを敷設し、前記両帯状法面材3A、3Bを貫通したアンカー材1の頭部に、両帯状法面材3A、3Bの交差箇所の重なり面を覆う固定板4を被せ、アンカー材1の頭部に取り付けた締付け部材5で前記固定板4を押圧して前記両帯状法面材3A、3Bを、斜面を押圧する態様でアンカー材1に固定する。
さらに具体的に説明すると、表層崩壊の生じた部分の整形を行った後に、アンカー材1を設置する。アンカー材1として、いわゆるロックボルト、異形棒鋼等を用いることができる。実施例のアンカー材1は、φ19mmのネジ節の異形棒鋼を用いている。
アンカー材1の設置間隔Mは縦横とも例えば2m(メートル)間隔で設置する。
実施例ではアンカー材1の定着長L(地盤内に挿入される深さ)を約1.0mとしているが、本発明の崩壊斜面対策構造が対象とする斜面の特性を考慮すると、定着長Lは0.5〜1.5mの範囲が好適である。
アンカー材1は、斜面を穿孔してその穿孔孔に挿入し、セメントミルク等のグラウト材を注入して、アンカー材と孔壁との結合力を確保する。
実施例では、アンカー材1が孔の中心に位置して孔壁との隙間間隔を確保できるように、アンカーの先端部と地表近傍の位置にスペーサ7を取り付けている。
次いで、施工対象とする斜面全体にシート2を敷設する。このシート2は、表層の植生を促す目的、及び表層の浸食防止を図る目的で敷設する。植生の種子を備えたいわゆる市販の植生シートないしマットと呼ばれているものを用いることができる。
次いで、前記シート2の上から、斜面上下方向に延びる複数の縦の帯状法面材3Aと前記縦の帯状法面材と交差する方向に延びる複数の横の帯状法面材3Bとを格子状に敷設する。この帯状法面材3(3A、3B)は、その要部を示した図6のように、いずれも網目状の空隙を有するように樹脂一体成形された帯状の面材であり、表層すべりによる荷重に対して引張張力で抵抗し、表層すべりを抑制する目的で敷設する。
実施例の帯状法面材3は、高い引張張力を備えたアラミド繊維入りポリエチレンネットであり、網目寸法が縦50mm・横28mmで、幅Wが260mmである。帯状法面材3の素材としては高い引張張力を有する種々の合成樹脂製の帯状の面材を使用できる。
この帯状法面材3を敷設する際、両帯状法面材3A、3Bの交差箇所におけるそれぞれの空隙部を、既に設置した前記アンカー材1の地上に露出した頭部が貫通する態様で両帯状法面材3A、3Bを敷設する。
次いで、前記両帯状法面材3A、3Bを貫通したアンカー材1の頭部に、両帯状法面材3A、3Bの交差箇所の重なり面を覆う固定板4を被せ、座金5を置き、ネジ節の異形棒鋼であるアンカー材1の頭部に螺合させたナット(締付け部材)6を締め付けて前記固定板4を押圧して、前記両帯状法面材3A、3Bを、斜面を押圧する態様でアンカー材1に固定する。
前記固定板4は、中心にアンカー材挿通孔4aを有する板厚t=6mmの四角形で、縦横寸法A×Bが350mm×350mmである。また、固定板4の四角形板材のコーナー部を地面側に折り曲げた抓部4cを形成している。
このように実施例の固定板4は、幅260mmの縦横の帯状法面材3A、3Bの四角形をなす重なり部より広い四角形をなし、かつ四隅に爪部4cを有している。
また、固定板4の幅方向の両側に、縦の長孔4bを設けており、指を入れて端部を掴むことで運搬を容易にすることができる。
表層崩壊が生じた表層崩壊斜面に対して上記の対策工が施工された斜面は、対象斜面全体がシート2で覆われるので、そしてそのシート2は表層の植生を促す機能を備えるので、やがて植物が茂って斜面が緑化され、斜面の安定化に大きく寄与する。
また、シート2の上から縦横の帯状法面材3が敷設されるとともに、両者の交差箇所が固定板4によって斜面を押圧する態様でアンカー材1に固定されるので、縦横配置の帯状法面材3によって斜面安定化が図られる。
なお、帯状法面材が縦横に配置されるから、その格子内部分は斜面を直接には押さえていないが、土塊移動の際に帯状法面材3に張力が作用した際、帯状法面材3のアンカー材付近もしくはアンカー材間の部分に作用する張力が全体の張力の殆どを負担すると考えられるので、特許文献1のような斜面全体を覆う法面材(被覆材)でなくても、縦横に配置される帯状法面材であれば、土塊移動の抑制効果は得られる。なお、実際に施工する際には地盤状況を調査し斜面の安定計算等をして確認する。
また、特許文献1のように対象斜面の全体に法面材を敷設するものと異なり、帯状法面材3を縦横に配置するものであるから、使用材料のコストは顕著に安く済む。
また、特許文献2のように、平行配置の複数の細バンド間を多数の紐体で連結するという複雑な構造の帯締めバンドと異なり、樹脂一体成形された帯状の面材であるから安価であり、施工コストが安く済む。
また、対象斜面の全体に敷設される前記シート2は、縦横の配置の帯状法面材3で押さえられているので、シートとして一定の丈夫さを備えた素材を用いることで、斜面の浸食を防止する作用を有効に果たす。また、縦横の配置の帯状法面材3で押さえられたシート2は、流入した土砂を保持する作用も果たすので、植物が生育し易い地盤となり、緑化が促進される。
また、縦横の帯状法面材3の四角形をなす重なり部より広い四角形をなし、かつ四隅に爪部4cを有する固定板4は、前記帯状法面材3の重なり部の四隅外側において爪部4cがシート2を突抜けるようにして地面に食い込むので、帯状法面材4の重なり部をアンカー材1にしっかり固定することができるとともに、帯状法面材4の位置出し及びねじれ抑制効果が図られ、かつ、シート2を斜面にしっかり固定することができる。
また、爪部4c、4c間に帯状法面材3が配置されるので、爪部4cで帯状法面材3を傷つけることがない。したがって、対象斜面の全体に敷設され、斜面の広い部分の土塊の動きを受け止めるシート2を縦横に配置される帯状法面材3で押さえ込んだ際に、土塊の大きな力が発生しても、帯状法面材3は破損することなく効果的に土塊の移動を抑制することができる。
実施例では縦横の帯状法面材の幅を同じ幅にしているが、縦の帯状法面材の幅Wに対して、横の帯状法面材の幅をW×(0.7〜0.9)m程度と狭くすることができる。
土塊移動の際に土塊移動を押さえる縦横の帯状法面材に生じる張力は、縦の帯状法面材の方が大きく横の帯状法面材は小さいので、横の帯状法面材の幅を狭くすることで、過剰でない適切な仕様の崩壊斜面対策構造が得られ、施工費を低減することができる。
図8は本発明の他の実施例の崩壊斜面対策構造を施工した斜面の一部分を示す平面図である。図示の通り、アンカー材1が千鳥状に配置され、1本の縦の帯状法面材3Aと右斜め傾斜及び左斜め傾斜の2本の横の帯状法面材3B’とが前記アンカー材1において交差する態様で配置され、したがって、帯状法面材3が三角形を形成するように配置されている。なお、図示例では中間の縦の帯状法面材3Aが1列であるが、施工する斜面の応じて複数列となる。
固定板の形状は特に限定されないが、図示例では縦の帯状法面材の幅に合わせた横長長方形の固定板4、サイズの大きな縦長長方形の固定板4、サイズの大きな六角形の固定板4を示している。サイズの大きな縦長長方形の固定板4や六角形の固定板4のように帯状法面材の交差部の輪郭に対応させた形状にすると、長方形の四隅あるいは六角形の六隅に設けた爪部(4c)によって、帯状法面材の位置出し及びねじれ抑制効果を有効に発揮させることができる。
この傾斜した横の帯状法面材3B’は、土塊移動時に帯状法面材に張力が作用した際に、縦の帯状法面材3Aに対して直交する前記横の帯状法面材3Bの場合と比較してより大きな張力を負担することができる。
また、1箇所のアンカー材1において右斜め傾斜と左斜め傾斜の2本で負担するので、土塊移動の抑制効果は高くなる。また、隣接する3つのアンカー材1間に渡された帯状法面材3が囲む内側面積(三角形の面積)は、前述の格子状配置の場合の格子内部分の面積(四角形の面積)より狭くなり、この点でも土塊移動の抑制効果は高くなる。しかし、使用する資材の量(必要な帯状法面材の長さ)は多くなるので、施工対象の斜面の情況や、必要とする土塊移動抑制効果や、アンカー材間隔その他の要素を考慮して、この斜め配置の態様とするか前記格子状配置の態様とするかを選択するとよい。但し、斜め配置の態様の場合は格子状配置の態様と比べて、必要な帯状法面材の長さと帯状法面材が囲む内側面積との関係では、帯状法面材が囲む内側面積を効率的に狭くすることができ、効率的に土塊移動の抑制効果を高くできると言える。
1 アンカー材
2 シート
3 帯状法面材
3A 縦の帯状法面材
3B 横の帯状法面材
3B’ 斜め傾斜の横の帯状法面材
4、4、4、4 固定板
4c 爪部
5 座金
6 ナット
7 スペーサ

Claims (5)

  1. 崩壊が生じた斜面に施す崩壊斜面対策構造であって、
    前記斜面に間隔をあけて設置されるアンカー材と、その斜面を被覆して表層の植生を促す機能と表層の浸食防止機能を果たす繊維織物のシートと、前記シートの上から敷設される、網目状の空隙を有するように樹脂一体成形された帯状法面材とを備え、
    前記帯状法面材として配置される、斜面上下方向に延びる複数の縦の帯状法面材と前記縦の帯状法面材と交差する方向に延びる複数の横の帯状法面材との交差箇所に前記アンカー材の地上に露出した頭部が貫通して前記縦及び横の帯状法面材が敷設されており、
    前記両帯状法面材を貫通しているアンカー材の頭部には、両帯状法面材の交差箇所の重なり面を覆う固定板を有し、
    前記固定板は、そのサイズが、両帯状法面材の四角形をなす重なり部より広い四角形をなし、その四隅に地面側に折り曲げられた爪部を備えており
    アンカー材の頭部に取り付けた締付け部材で前記固定板を押圧することで、前記両帯状法面材を斜面へ密着していること
    を特徴とする崩壊斜面対策構造。
  2. 前記アンカー材が地盤内に0.5〜1.5mの深さで設置されていることを特徴とする請求項1記載の崩壊斜面対策構造。
  3. 前記縦の帯状法面材と横の帯状法面材とが、互いに直交して四角形の格子状をなすように配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の崩壊斜面対策構造。
  4. 前記縦の帯状法面材の幅W対して、前記横の帯状法面材の幅がW×(0.7〜0.9)mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の崩壊斜面対策構造。
  5. アンカー材が千鳥状に配置され、1本の縦の帯状法面材と右斜め傾斜と左斜め傾斜の2本の横の帯状法面材とが前記アンカー材において交差する態様で配置されて、帯状法面材が三角形を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の崩壊斜面対策構造。
JP2016065090A 2016-03-29 2016-03-29 崩壊斜面対策構造 Active JP6715639B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065090A JP6715639B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 崩壊斜面対策構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065090A JP6715639B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 崩壊斜面対策構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017179765A JP2017179765A (ja) 2017-10-05
JP6715639B2 true JP6715639B2 (ja) 2020-07-01

Family

ID=60005169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016065090A Active JP6715639B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 崩壊斜面対策構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6715639B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108396753A (zh) * 2018-04-20 2018-08-14 中铁七局集团郑州工程有限公司 可回收型边坡临时防护结构及其施工方法
JP7211585B2 (ja) * 2018-07-13 2023-01-24 東亜グラウト工業株式会社 斜面安定化構造及び斜面安定化工法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62121234A (ja) * 1985-11-21 1987-06-02 Okanishi:Kk 法面保護装置
KR20060038266A (ko) * 2004-10-29 2006-05-03 재 술 나 일체형 사면 보호 및 보강 공법
JP4681293B2 (ja) * 2004-12-28 2011-05-11 ライト工業株式会社 帯締めバンド
JP5074155B2 (ja) * 2007-11-06 2012-11-14 裕司 中野 盛土崩落防止工法
JP2010196460A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Nisshoku Corp 斜面保護方法及びそれに使用する網状体並びに斜面保護構造体
JP5143106B2 (ja) * 2009-10-22 2013-02-13 イビデングリーンテック株式会社 斜面安定化構造と斜面安定用受圧板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017179765A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7263942B2 (ja) 盛土補強構造
EA019260B1 (ru) Способ сооружения защитной сетки против камнепада и тому подобного
KR100754979B1 (ko) 시공석 고정구조물을 이용한 하천 구조물
JP5021375B2 (ja) 斜面の緑化と安定化構造
JP6715639B2 (ja) 崩壊斜面対策構造
JP6192763B1 (ja) ジオグリッド・ハニカム擁壁
JP6688660B2 (ja) 斜面対策構造
KR100775357B1 (ko) 아치형 단위블록을 이용한 사면 안정화구조
JP2010196460A (ja) 斜面保護方法及びそれに使用する網状体並びに斜面保護構造体
KR102057674B1 (ko) 스톤네트 구조물
JP4514523B2 (ja) 斜面保護方法
JP7217515B2 (ja) 斜面の保護構造及び斜面の保護方法
JP2000178925A (ja) リングネット式落石防止装置
JP7211585B2 (ja) 斜面安定化構造及び斜面安定化工法
JP2010255229A (ja) 斜面保護方法及び斜面保護構造体
KR101018903B1 (ko) 사면의 토사 흐름 방지 및 녹화를 위한 안정화 조립체
KR100953216B1 (ko) 비탈면의 침식방지를 위한 보강과 식생녹화용 구조를 가진 요철형 그린지오매트 및 이의 시공방법
JP4330504B2 (ja) 遮水シート法面上の客土安定構造の構築方法
JP2013057217A (ja) 土砂災害防止方法
WO2021229205A1 (en) Improvements in and relating to erosion prevention
JP2013147791A (ja) 補強土壁工法
JP3241680B2 (ja) 法面保護用コンクリートブロック集合体
KR100968518B1 (ko) 강화 녹화옹벽 시공방법
JP2004332447A (ja) 補強土構造物
EA029445B1 (ru) Сетчатая структура для предотвращения камнепада и способ ее построения

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180813

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6715639

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150