JP2004332447A - 補強土構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】盛土補強材として埋設された可とう性網状補強材の引抜き抵抗力が非常に大きく、きわめて安定した補強土構造物を提供する。
【解決手段】一定の層厚ごとに盛土を撒き出し、かつ前記盛土内に盛土補強材として可とう性網状補強材4を一定の層厚ごとに複数層に埋設する。可とう性網状補強材4は複数の可とう性金属線材4b,4bを一方向に並列に延在すると共に、隣り合う各可とう性金属線材4b,4bどうしを、当該可とう性金属線材4b,4bに作用する張力によって網目が縮径するように一定間隔おきにねじり寄り合わせてきっ甲形の網状に形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は擁壁や土留め壁、さらには堤防や防波堤などとして構築される補強土構造物に関し、特に盛土内に盛土補強材として複数層に埋設された可とう性網状補強材の引抜き抵抗力が大きく、非常に安定した補強土構造物である。
【0002】
【従来の技術】
補強土工法として、例えば図18に図示するようにコンクリート製の壁面パネル30を複数層に積層しつつ、その背部に砂質土を主とする盛土(裏込め土)31を一定の層厚ごとに撒き出し、充分に転圧した後、盛土補強材32として一定の層厚ごとに高分子材料からなる網状補強材、例えば合成樹脂製のジオグリッド、或いは鉄筋を溶接してなる鉄筋グリッドやエキスパンドメタル等を埋設し、その先端側を壁面パネル30に定着して擁壁などの補強土構造物を構築する補強土工法が知られている(特許文献I参照)。
【0003】
この種の補強土工法においては、盛土はそれ自体引張強度を有しないため、引張強度をもつ盛土補強材32を盛土31中に埋設し、盛土31と盛土補強材32とを双方の摩擦力により一体化させて引張力を付与した盛土を土構造物として用いている。すなわち、盛土補強材32に引張力が作用すると、その原理から盛土補強材32に伸びが生じ、その引張力が盛土31に付与されることにより盛土31の安定が図られる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−220861号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、盛土補強材32を用いて盛土31に引張力を付与する場合、盛土補強材32が側方向に伸びてはじめて可能なことがこの種の補強土工法の原理であることから、盛土補強材32としてジオグリッド等の高分子材料を用いた補強土は変形が大きいことが宿命であり、また欠点でもある。
【0006】
そのため、変形が問題になる土構造物や土留め壁にジオグリッド等の高分子材料を盛土補強材32として使用することは適当でない。
【0007】
また、盛土補強材32としてジオグリッド等の高分子材料が用いられている場合、高分子材料は変形性に富むことから盛土の転圧の際は盛土とよくなじむため入念に転圧できるものの、伸びが大きすぎて壁面が土圧によって大きく変位する等して盛土の安定性からも美観上からも問題がある。
【0008】
特にジオグリッドは、素材そのものの伸びが大きいだけでなく、縦糸と横糸とを各交点で接着または一体的に固着して網状に形成されているため、また補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向に縦糸を、構造物の延長方向と平行方向に横糸をそれぞれ配置して四角形の網目状に形成された各網目には、土粒子を拘束する機能が少なく、その補強効果は主に盛土とジオグリッドとの摩擦力によるものであるため、引抜き抵抗力は小さい。
【0009】
また、多数の糸を接着して帯状にし、その帯状体を横方向と縦方向に交差させ、その交点を接着剤によって固着して網状体としたタイプのジオグリッドを用いる場合、縦方向の帯状体が補強土壁体の延長方向と垂直になるように盛土内に埋設する方法がとられているが、この場合は、縦方向の帯状体に引張力が作用すると横方向の帯状体が交点で容易に剥離してしまい、網状体としての機能が保持できなくなるという問題があった。
【0010】
また、盛土補強材として例えば複数の長手鉄筋(補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向に延在された鉄筋)と横手鉄筋(補強土構造物の延長方向と平行に延在された鉄筋)から格子状に形成された鉄筋グリットを用いた場合、長手鉄筋と横手鉄筋が各交点部において溶接によって剛結合されていることから、引抜き力が作用すると横手鉄筋に抵抗土圧が作用し、大きな曲げモーメントが発生する。
【0011】
この曲げ応力に耐えるためには横手鉄筋の径を大きくするか、長手鉄筋の間隔を小さくする必要があるため、必要な引き抜き力に対応する引張強度に比べて大量の鉄筋を必要とする。また、横手鉄筋と長手鉄筋との交点に応力集中が生じやすくなる。
【0012】
また、エキスパンドメタルを用いた場合も、エキスパンドメタルは鉄板から形成されていることから、可とう性がないので交点部に応力集中が生じて破壊しやすい。このように鉄筋グリットやエキスパンドメタルを用いた場合は、引張力は大きいが各網目の交点の変形がなく、しかも材質そのものの剛性が大きいため、その引き抜き抵抗力は土と盛土補強材との摩擦力で決まり、そのため引き抜き抵抗力は小さく、盛土のように変形の大きな補強土構造においては、土との一体性が得られにくく、したがって鉄筋グリットやエキスパンドメタルの持つ引張力を盛土に十分付与するのが困難になる。さらに、盛土の転圧や土圧によって変位が大きくなると、鉄筋グリットやエキスパンドメタルに応力集中が発生しやすくなる等の問題がある。
【0013】
本願発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、特に盛土内に埋設された可とう性網状補強材が盛土の変位に追従して盛土との一体性が有り、かつ引抜き抵抗力が非常に大きく、しかも、素材そのものは弾性係数が大きく、かつ可とう性があるため、盛土補強材の伸びによる壁面変位を生じにくくきわめて安定した補強土構造物を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の補強土構造物は、一定の層厚ごとに盛土を撒き出し、前記盛土内に盛土補強材として一定の層厚ごとに可とう性網状補強材を複数層に埋設してなる補強土構造物において、前記可とう性網状補強材は複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延長すると共に、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきにねじり寄り合わせるか、または絡み合わせて網状に形成してなることを特徴とするものである。
【0015】
本願発明は、盛土補強材として特に、複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延在すると共に、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきにねじり寄り合わせるか、または絡み合わせて網状に形成された可とう性網状補強材を盛土の中に埋設することで、可とう性網状補強材が盛土の変位に順応して盛土と一体化することで、きわめて安定した補強土構造物を構築することができる。
【0016】
請求項2記載の補強土構造物は、一定の層厚ごとに盛土を撒き出し、かつ前記盛土内に盛土補強材として一定の層厚ごとに可とう性網状補強材を複数層に埋設してなる補強土構造物において、前記可とう性網状補強材は複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延在すると共に、前記可とう性金属線材に作用する張力によって網目が縮径するように、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきにねじり寄り合わせるか、または絡み合わせて網状に形成してなることを特徴とするものである。
【0017】
本願発明は、盛土補強材として盛土内に埋設された可とう性網状補強材が、特に可とう性金属線材に作用する張力によって網目が縮径するように、隣り合う各可とう性金属線材どうしが一定間隔おきに2,3回ねじり寄り合わせるか(図3(b)参照)、または絡み合わせて(図4(b)参照)網状に形成されていることで、例えば図3(a)または図4(a)にそれぞれ図示するように、可とう性金属線材に盛土の沈下や移動などにより引張力Pが作用した場合、各可とう性金属線材どうしの交差部がわずかではあるが移動し、各網目aが縮径することにより、即ち各可とう性金属線材に引張力Pが作用することで各網目aがわずかであるが絞り込まれることにより各網目aと各網目a内の土粒子とがかみ合うため、引張力Pによる可とう性網状補強材の伸びや変形が初期のうちから抑制される。
【0018】
したがって、可とう性網状補強材として、複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延在すると共に、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきに2,3回ねじり寄り合わせるか(図3(b)参照)、または絡み合わせて(図4(b)参照)網状に形成されたきっ甲形金網(図3(a)参照)またはひし形金網(図4(a)参照)を、各可とう性金属線材が壁面材に対して垂直方向(補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向)に延在するように敷設した場合、各可とう性金属線材に作用する引張力Pによって各網目aが縮径して網目a内の土粒子とかみ合う。
【0019】
これにより、引張力Pによる可とう性網状補強材の伸びや変形が抑制されるため、可とう性網状補強材(金網)に引き抜き抵抗力が発生して引張り強度が付与されるため、盛土の転圧の際および転圧後の可とう性網状補強材の伸びや変形が抑制され、盛土の沈下、移動および壁面材の変位等を抑えることができ、非常に安定した補強土構造物を構築することができる。
【0020】
すなわち、盛土内に盛土補強材として鉄筋グリット等を単に水平に埋設した場合には、その引抜き抵抗力は盛土補強材と盛土との摩擦抵抗力のみによって得られるにすぎないが、本願発明においては可とう性網状補強材の各網目aが縮径して網目内の土粒子とかみ合うことにより、転圧盛土そのもののせん断抵抗力が網状補強材と盛土との摩擦抵抗力に加わるため、盛土補強材としての網状補強材の引き抜き抵抗力は大幅に増すことになる。
【0021】
また、可とう性網状補強材が、複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延在すると共に、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきにねじり寄り合わせたり(図3(b))、または相反する方向に「く」の字状に曲げ、互いに絡み合わせる(図4(b))等して網状に形成されていることで、可とう性網状補強材の各網目は交点でわずかであるが可動性を有するため、盛土の沈下や圧縮に順応して盛土内の敷設部で上下の盛土層と一体となる。
【0022】
なお、例えば図3(c)に図示するように、隣り合う各可とう性金属線材の一方を一定長さコイル状に形成し、このコイル状部に他方を挿通して交点部を可動するように形成することで、各網目が縮径するように形成することができる。
【0023】
このように形成されていることで、可とう性網状補強材に土圧により引張力Pが作用した場合、可とう性金属線材に引張力が作用するだけであるため、鉄筋グリット等のように横方向の鉄筋に曲げが生じて曲げ破壊が生じたり或いは剛結した交点に応力集中が生じて破壊するということが起きにくく、可とう性金属線材の引張力だけを使って効果的に機能させることができる。
【0024】
さらに、網目に可動性があるため引張力が作用すると、その間の土粒子を締め付け拘束して一体化し、その結果土と可とう性網状補強材との摩擦力よりも、はるかに大きな土そのもののせん断強度を有する。
【0025】
請求項3記載の補強土構造物は、請求項1または2記載の補強土構造物において、可とう性金属線材は、補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向に延在してなることを特徴とするものである。
【0026】
本願発明は、特に補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向において盛土の外方向にゆるみを生ずることから、可とう性金属線材をこのように配置することで、盛土の変形を抑制して大きな引張力を付与するものである。
【0027】
請求項4記載の補強土構造物は、請求項1〜3のいずれかに記載の補強土構造物において、可とう性網状補強材は、きっ甲形網目またはひし形網目の網状に形成されてなることを特徴とするものである。
【0028】
請求項5記載の補強土構造物は、請求項1〜4のいずれかに記載の補強土構造物において、盛土の先端に壁面材を積層し、当該壁面材に可とう性網状補強材の端部を定着してなることを特徴とするものである。
【0029】
本願発明の場合、特に可とう性網状補強材は可とう性を有するため盛土の変位に追従し、しかも盛土の保持力に非常にすぐれているため、また可とう性金属線材を用いるため高分子材料のように大きな伸びを生ずることがないため、補強土構造物の変形が少なく、簡易な壁面材を用いても壁体全体が破壊に至ることはない。
【0030】
また、可とう性網状補強材は壁面材に直接定着してもよいし、また上下の壁面材の間に挟み込んでもよいし、さらに壁面材に形成された溝に挿入した棒状または鉄筋グリッド等の連結材を介して定着してもよい。
【0031】
また、壁面材を積層する場合、例えば横方向に隣接する各段の壁面材間の目地部が上下方向に連続しないで左右に交互にずれる、いわゆる「やぶれ目地」となるように、各段の壁面材を積層し、これに伴い各段の壁面材の上端部に突設された突起部が、その上側に積層された壁面材間に設けられた各空洞部とそれぞれ係合することで、上下壁面材どうしを突起部と空洞部が係合する、いわゆる「インターロッキング方式」により横ずれしないように接合することができ、同時に上下壁面材間に盛土補強材の端部を「インターロッキング方式」によって定着することができる。
【0032】
このように壁面材どうしおよび壁面材と盛土補強材とをインターロッキング方式によって接合し、定着することにより背面土圧や地盤荷重に対してわずかの変位を許容しながら各部材が外れにくい構造とすることができるため、壁面材に対しても盛土補強材の定着部においても応力が集中しにくく、しかも破壊しにくい補強土構造とすることができる。
【0033】
なお、本願発明で用いられる壁面材としては、基本的に運搬時などの取り扱い易さ、施工性などを考慮して通常、高さhが20〜60cm、幅wが30〜100cm、奥行きdが20〜60cm程度、さらに重さが20〜150Kg程度のコンクリートパネルまたはコンクリートブロックを用いることができる。
【0034】
また、鋼繊維、炭素繊維などの補強繊維を混入したコンクリートから成形された乾式パネルや乾式ブロックを用いることもできる。
【0035】
さらに、鉄筋グリットや金網なども本願発明の壁面材として用いることができる。特に鉄筋グリットや金網を用いる場合、盛土の壁面を覆う壁面部とこの壁面部の下端部から盛土内に水平に突設された水平部とから自立できるようにL字状に形成することにより、盛土表層部に設置する際に安定性にすぐれ、施工しやすくかつ盛土表層部を補強でき、盛土表層部が変位しにくい。
【0036】
また、盛土の表層部を覆う壁面部とこの壁面部の上端部と下端部から盛土内に水平に突設された水平部とからコの字状に形成してもよい。さらに、壁面部に緑化マット、またはコンクリートブロック、自然石あるいは合成樹脂ブロック等からなる化粧ブロックを設置することにより盛土表層部の緑化や仕上げを簡単に行うことができる。さらに、かご状に形成されたものも壁面材として用いることができる。
【0037】
また、上述するような鉄筋グリットや金網を壁面材として用いた場合、可とう性網状補強材の端部を定着する方法としては、可とう性網状補強材の端部を壁面材に直接結束してもよく、あるいは壁面材の内側で巻き込んで定着してもよく、さらに上下の壁面材の間に可とう性網状補強材の端部を敷き込み、壁面材と可とう性網状補強材との摩擦によって定着してもよい。
【0038】
請求項6記載の補強土構造物は、請求項5記載の補強土構造物において、壁面材の背部に定着バーを壁面材の面外方向に位置を変更できるようにそれぞれ取り付け、当該定着バーに可とう性網状補強材の端部を定着してなることを特徴とするものである。
【0039】
本願発明は、特に各壁面材の背部に取り付けられた定着バーが壁面材の面外方向に位置を変更できるように取り付けられていることで、可とう性網状補強材を布設した後からでも、可とう性網状補強材に必要な張力を簡単に導入することができる。
【0040】
この場合の定着バーの取付け方法としては、例えば壁面材の背部に複数の雄ねじ部材を垂直に突設し、定着バーに貫通孔を形成し、この貫通孔にねじ部材を貫通させるとともにその先端部に定着ナットを螺合する。そして、この定着ナットを締め付けることにより定着バーを壁面材の面外方向に移動させてその位置を変えられるようにしてもよい。
【0041】
定着バーがこのように取り付けられていることで、可とう性網状補強材を敷設するとともに定着領域に盛土を撒き出し、転圧して可とう性網状補強材の盛土側を固定した後、他端を定着バーにまき込んで定着し、定着ナットを締め付けて間隔を変えることによって可どう性網状補強材に必要な張力を導入して緊張させることができる。その上でゆるみ領域(定着バーと定着領域との間)の上に盛土し、転圧する。
【0042】
これによって可とう性網状体のゆるみによって生ずる過大の伸びを生じにくくすることができる。その結果、盛土によって生ずる可とう性網状補強材の伸びによる引張力が効果的に盛土に付与されることになる。この場合、隣接する可とう性網状補強材の端部どうしを互いに連結しておけば、その効果は更に大きくなる。
【0043】
請求項7記載の補強土構造物は、請求項5または6記載の補強土構造物において、可とう性網状補強材は盛土側で盛土を撒き出し、転圧することにより固定した上で壁面材と緊張状態にして先端部を定着してなることを特徴とするものである。
【0044】
請求項8記載の補強土構造物は、請求項1〜4のいずれかに記載の補強土構造物において、可とう性網状補強材の先端側を巻き込み、その中に盛土を充填してなることを特徴とするものである。
【0045】
請求項9記載の補強土構造物は、請求項1〜4のいずれかに記載の補強土構造物において、可とう性網状補強材の先端側を巻き込み、その中に土のうを設置してなることを特徴とするものである。この場合の土のうとして、植物の種子、土壌(腐葉土)、保水剤および栄養剤を充填した土のうを用いることで、壁面の緑化を図ることができる。
【0046】
請求項10記載の補強土構造物は、請求項1〜9のいずれかに記載の補強土構造物において、補強土構造物の延長方向に隣接する可とう性網状補強材の端部どうしを互いに連結してなることを特徴とするものである。
【0047】
本願発明は、補強土構造物の延長方向に隣接する可とう性網状補強材の縁端部を互いに連結することで(図6(a),(b)参照)、壁面に直角に土圧が作用しても、可とう性網状補強材の巾がちぢまることにより壁面中に直角方向に伸びが生じて壁面が過大に変位することがなく、可とう性網状補強材の一体化をはかることができる。
【0048】
この場合、隣接する可とう性網状補強材の端部どうしを連結する方法としては、網目に連結バーを通して連結したり、あるいは連結ピンや連結ひもを併用して連結することができる。
【0049】
なお、可とう性網状補強材どうしをその延長方向(長手方向)に連結する場合もあり、この場合、可とう性網状補強材の端部を重ね合わせ、双方の網目に連結棒を挿通したり、あるいは連結ピンを併用して簡単に連結することができる。
【0050】
また、例えば図7(a),(b)に図示するように、連結される一方の可とう性網状補強材の端部にリング状連結部を設け、このリング状連結部を連結される他方の可とう性網状補強材の網目に重ね、かつこのリング状連結部に連結棒を挿通することにより連結することができる。
【0051】
また、例えば図7(c)に図示するように、連結される可とう性網状補強材の端部どうしを単に突き合わせ、かつ双方の網目に連結棒を挿通してもよい。またこの場合、クリップを併用してもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(d)は、道路や敷地などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示し、図において、符号1は擁壁面2を構築するために複数段に積層されたコンクリート製の壁面パネル(以下「壁面パネル」という)、3は擁壁2の背部に土砂などの盛土を撒き出して形成された盛土層である。
【0053】
また、符号4は盛土層3の安定と強度を高め、かつ各壁面パネル1を固定するために盛土層3内に盛土補強材として複数層に埋設された可とう性網状補強材である。
【0054】
壁面パネル1は鉄筋コンクリートまたは鋼繊維、炭素繊維などの補強繊維を混入した繊維補強コンクリートから矩形板状に形成されている。また、各壁面パネル2の背面部に可とう性網状補強材4の壁面側の端部4aを定着する定着金具5,5が上下二段に突設されている。なお、定着金具5は帯鋼や溝形鋼、あるいは山形鋼などから形成されている。
【0055】
可とう性網状補強材4には、複数の可とう性金属線材4b,4bを一方向に並列に延材し、かつ所定間隔おきに絡み合わせて(またはねじり寄り合わせて)各網目aがきっ甲状(六角形状)になるように形成されたきっ甲金網が用いられ(図3(a)参照)、この場合のきっ甲形金網は面状または一定幅の帯状に形成され、かつ盛土層3内に複数層に埋設されている。
【0056】
また、各可とう性網状補強材4は、各可とう性金属線材4b,4bが擁壁面2(各壁面パネル1)に対して垂直方向に延長するように埋設されている。
【0057】
こうして埋設された各可とう性網状補強材4の壁面側の端部4aに、例えば図示するように定着バー6が溶接または巻き付ける等して取り付けられ、この定着バー6を定着金具5に複数の定着ボルト7によってボルト止めすることにより、各可とう性網状補強材4の壁面側の端部4aが壁面パネル1にそれぞれ定着されている。
【0058】
なお,可とう性網状補強材4の端部4aを壁面パネル1に定着する方法は、特に限定されるものではなく、他の定着方法として上下の壁面パネル1,1間に可とう性網状補強材4の端部4aを単に挟み込む等の方法でもよい。
【0059】
また、鉄筋グリッド等から形成され、かつ一端(横鉄筋)が壁面パネルの上端部に形成された定着溝に嵌め込まれた定着金具(図省略)を介して可とう性網状補強材の端部を壁面材に定着してもよい。
【0060】
図5(a),(a)は、各壁面パネル1の背部に取り付けられた定着バー6が、特に壁面パネル1の面外方向(補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向)に位置を変更できるように取り付けられていることで、可とう性網状補強材4を布設した後からでも、可とう性網状補強材4に必要な張力を簡単に導入できるようにしたものである。
【0061】
この場合、壁面パネル1の背部に複数の雄ねじ部材1a,1aが垂直に突設され、一方定着バー6に貫通孔が形成され、この貫通孔に雄ねじ部材1a,1aを貫通させるとともにその先端部に定着ナット1bが螺合されている。
【0062】
そして、この定着ナット1bを締め付けることにより定着バー6を壁面パネル1の面外方向に移動させてその位置を変えられるようにしてもよい。
【0063】
定着バー6がこのように取り付けられていることで、可とう性網状補強材4を敷設するとともに定着領域Aに盛土を撒き出し、転圧して可とう性網状補強材4の定着領域A側を固定した後、他端を定着バー6に巻き付けて定着し、定着ナット1bを締め付けて定着バー6の位置を変えることによって可どう性網状補強材4に必要な張力を導入して緊張させることができる。その上でゆるみ領域(定着バー6と定着領域との間)Bの上に盛土し、転圧する。
【0064】
なお、上記可とう性網状補強材4の他端は定着領域Aで折り返し、その上に盛土し、転圧して固定してもよい。
【0065】
これによって可とう性網状補強材4のゆるみによって生ずる過大の伸びを生じにくくすることができる。その結果、上載盛土によって生ずる可とう性網状補強材4の伸びによる引張力が効果的に盛土に付与されることになる。この場合、例えば図6(a),(b)に図示するように、補強土構造物の延長方向に隣接する可とう性網状補強材4,4の端部どうしをクリップまたは連結ひも16によって互いに連結しておけば、定着ナット1bを締め付けて可どう性網状補強材4に必要な張力を導入して緊張させる効果は更に大きくなる。
【0066】
なお、可とう性網状補強材どうしをその延長方向(補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向)に連結する場合もあり、この場合、可とう性網状補強材の端部を重ね合わせ、双方の網目に連結棒を挿通したり、あるいは連結ピンを併用して簡単に連結することができる。
【0067】
また、例えば図7(a),(b)に図示するように、連結される一方の可とう性網状補強材4の端部にリング状連結部4cを設け、このリング状連結部4cを連結される他方の可とう性網状補強材4の網目に通し、かつこのリング状連結部4cに連結棒15を挿通することにより連結することができる。
【0068】
また、例えば図7(c)に図示するように、連結される可とう性網状補強材4の端部どうしを単に突き合わせ、かつ双方の網目に連結棒15を挿通してもよく、その際クリップまたは連結ひも16を併用してもよい。
【0069】
図2(a),(b)は、道路や敷地などに面する擁壁として構築された補強土構造物の他の例を示し、特に擁壁2がコンクリート製の壁面ブロック8を複数段に積層することにより形成されている。
【0070】
壁面ブロック8は、壁面パネルと同様に鉄筋コンクリートまたは鋼繊維、炭素繊維などの補強繊維を混入した繊維補強コンクリートから自立性を有するように直方体形状に形成され、上端部に定着溝8aが形成されている。
【0071】
また、各可とう性網状補強材4の端部4aに取り付けられた定着バー6を定着溝8aに挿入することにより、各可とう性網状補強材4の端部4aは上下の壁面パネル8,8間に定着されている。
【0072】
また、たとえば図2(c),(d),(e)に図示するように、鉄筋グリッド等から形成され、かつ一端(横鉄筋)が壁面ブロック9の上端部に形成された定着溝9dに嵌め込まれた定着金具5を介して可とう性網状補強材4の端部4aを定着してもよい。
【0073】
図8と図9は、いずれも同じく道路や敷地などに面する擁壁として構築された補強土構造物の他の例を示し、図8(a)は、複数の壁面ブロック8を階段状に後退させて積層することにより階段状に形成された擁壁の例を示し、また図8(b)は、壁面が凹凸面状をなすように壁面ブロック8を交互に前後にずらして積層して形成された擁壁の例を示したものである。
【0074】
なお、この場合、例えば図8(a),(b)に図示するように、突出した各壁面ブロック8の上端部に空洞部8bを設け、この空洞部8bに植土を充填して植栽することもできる。
【0075】
また、特に図9(a),(b)は、いずれも可とう性網状補強材4を所定間隔おきに凹凸状に起伏させて埋設した例を示したものである。可とう性網状補強材4を所定間隔おきに凹凸状に起伏させて埋設することで、引張り抵抗力を大きくしたり、あるいは盛土の転圧時に可とう性網状補強材4に必要な張力を導入することができるとともに、転圧後の可とう性網状補強材4の伸びを極力小さくすることができる。
【0076】
図10(a)〜(d)は、同じく道路や敷地などに面する擁壁として構築された補強土構造物の他の例を示し、符号9は擁壁の壁体2を構成するために複数段に積層された壁面ブロックである。
【0077】
壁面ブロック9は例えば、図10(b)、(c)にそれぞれ図示する壁面ブロック9は、表面フランジ9a、背面フランジ9bおよびウェブ9cをそれぞれ有し、そのままでもきわめて安定して自立できる平面ほぼH形状(または1形状)に一体的に形成されている。
【0078】
また、表面フランジ9aまたは背面フランジ9b、あるいは表面フランジ9aおよび背面フランジ9bの両方の各上端部に定着溝9dがそれぞれ形成されている。定着溝9dはそれぞれ表面フランジ9aおよび背面フランジ9bの長手方向に連続して形成されている。
【0079】
図11は、同じく道路や敷地などに面する擁壁として構築された補強土構造物の他の例を示し、特に符号9は表面フランジ9aとウェブ9cをそれぞれ有し、そのままでもきわめて安定して自立できる平面ほぼT形状に一体的に形成されている。また、表面フランジ9aの上端部に定着溝9dが表面フランジ9aの長手方向に連続して形成されている。
【0080】
そして、図10および図11のいずれの補強土構造物においても、可とう性網状補強材4の端部4aは定着バー6を定着溝9dに挿入することにより定着されている。
【0081】
図12(a)〜(h)は壁面ブロックの変形例を示し、例えば図12(a)、(b)、(e)、(f)、(g)に図示する壁面ブロックの場合、符号9eと9fは積層された上下壁面ブロックを一体化させるためのキーとキー孔であり、この係合キー9eとキー孔9fとを係合させることで強固な壁面を構築することができる。
【0082】
また、図12(c),(h)の例では、壁面ブロックを積層した際、突起9gがその上側に位置する壁面ブロックの表面フランジと背面フランジ間に係合することで、係合キー9eと同様の働きを有し、また、符号9hは表面フランジ9aの上端部に形成された客土充填用孔であり、この客土充填用孔9hに植裁を施すことにより壁面を緑化することができる。
【0083】
また、図12(c),(d)の例では、積層された上下壁面ブロックどうしを上下または上下および左右に一体的に連結できるように形成された壁面ブロックを示し、また図12(c)の例の場合、表面フランジ9aの上端部に連結溝9iが形成され、この連結溝9iに定着バー10が複数の壁面ブロック9,9間に跨がって挿入されることで横方向に隣接する複数の壁面ブロック9どうしを連結することができる。
【0084】
なお、図12(c)の例においては、特に連結溝9i内に定着バー10を挿入した後、連結溝9i内に早強セメント等の固結材を充填すれば、壁面ブロック9どうしが一体に連結された壁面を形成することができる。
【0085】
さらに、図12(d)の例の場合、各壁面ブロック9の表面フランジ9aの上端部と下端部に互いに嵌合し合う嵌合突起9jと嵌合溝9kが形成され、この係合突起9jと係合溝9kが嵌合し合うことで積層された壁面ブロック9どうしが上下および左右に連結された壁面を形成することができる。
【0086】
このように形成された壁面ブロック9は横方向に互いに隣接し、かつ複数段に積層されている。また、必要に応じて例えば図8(a),図9(a)に図示するように各段または数段おきに後退させることにより階段状に積層されている。
【0087】
またこの場合、各段の横方向に隣接する壁面ブロック9,9間には双方の表面フランジ9aと背面フランジ9bとウェブ9cとからなる空洞部が形成され、各空洞部内に砕石や礫、あるいは盛土が充填されていることで、左右および上下の壁面ブロック9,9どうしが一体化されている。
【0088】
図13(a),(b)は、同じく道路や敷地などに面する擁壁として構築された補強土構造物の他の例を示し、いずれも壁面パネルや壁面ブロックを用いないで構築され、特に図13(a)の例においては、網目がきっ甲形またはひし形に形成された各可とう性網状補強材4の壁面側の端部4aを一定長さ盛土表層部の盛土3aとともに上側に巻き込むことにより壁面が形成されている。
【0089】
また、図13(b)の例においては、各可とう性網状補強材4の壁面側の端部4aを一定長さ上側に巻き込み、かつその中に土のう11を巻き込むことにより壁面が形成されている。この場合。土のう11に植生土を充填することで盛土表層部の緑化を図ることができる。
【0090】
また、図14〜図17は、壁面材として鉄筋グリットが用いられた例を示したものである。図14〜図16において、壁面材12は盛土層3の壁面に沿って延びる壁面部12aと壁面部12aの下端部に水平に突設された水平部12bとから自立可能なほぼL字状に形成され、かつ壁面部12aと水平部12bとの間に補強材として斜材12cが取り付けられている。
【0091】
また特に、図15の例においては、壁面部12aの各縦鉄筋の上端部に連結用リング12dが形成され、さらに図16の例においては、壁面部12aに植生マット、またはコンクリートブロック、自然石あるいは合成樹脂ブロック等からなる化粧ブロック14が取り付けられている。
【0092】
こうして形成された壁面材12は盛土層3の表層部に積層され、かつ互いに連結されている。特に図15および図16の例においては、各壁面材12の連結リング12dを上側に位置する壁面材12の水平部12bの網目に貫通させ、かつ連結リング12dに連結棒13を挿通することにより、上下の壁面材12どうしが互いに連結されている。
【0093】
また、図17の例においては、壁面材17は盛土層3の壁面に沿って延びる壁面部17aと壁面部17aの上端部と下端部にそれぞれ水平に突設された水平部17b,17bとから自立可能なほぼ逆コ字状に形成され、かつ壁面部17aと下端側の水平部17bとの間に斜材17cが取り付けられている。このように形成された壁面材17は盛土3の表層部に積層され、かつ互いに連結されている。
【0094】
また、いずれの例においても、可とう性網状補強材4の端部4aは、各壁面材の水平部に巻き付ける等して定着されているか、あるいは可とう性網状補強材4の内側において巻き込んで定着されている。
【0095】
例えば図14(a)の例において、可とう性網状補強材4の端部4aは壁面材12の水平部12bの端部に巻き付ける等して定着され、また図14(b)の例において、可とう性網状補強材4の端部4aは壁面材12の内側において巻き込んで定着されている。
【0096】
また、必要に応じて壁面材12および17の内側には、土砂流失防止用のシートや緑化シート18が設置されている。
【0097】
【発明の効果】
本願発明は以上説明したとおりであり、盛土補強材として盛土内に埋設された可とう性網状補強材が、特に可とう性金属線材に作用する張力によって網目が縮径するように、隣り合う各可とう性金属線材どうしが一定間隔おきにねじり寄り合わせるか(図3(b)参照)、または絡み合わせて(図4(b)参照)網状に形成されていることで、例えば図3(a)または図4(a)にそれぞれ図示するように、可とう性金属線材に盛土の沈下や移動などにより引張力Pが作用した場合、各可とう性金属線材どうしの交差部がわずかではあるが移動し、各網目aが縮径することにより各網目aと各網目a内の土粒子とがかみ合うため、引張力Pによる可とう性網状補強材の伸びや変形が初期のうちから抑制される。
【0098】
これにより、引張力Pによる可とう性網状補強材の伸びや変形が抑制されるため、可とう性網状補強材(金網)に引き抜き抵抗力が発生して引張り強度が付与されるため、盛土の転圧の際および転圧後の可とう性網状補強材の伸びや変形が抑制され、盛土の沈下、移動および壁面材の変位等を抑えることができ、非常に安定した補強土構造物を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部斜視図、(b)は壁面パネルおよび可とう性網状補強材の一部斜視図、(c),(d)は可とう性網状補強材の一部拡大斜視図である。
【図2】(a),(c)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部斜視図、(b),(e)は壁面ブロックおよび可とう性網状補強材の一部斜視図、(d)は壁面ブロックおよび可とう性網状補強材の側面図である。
【図3】(a)は可とう性網状補強材の一部平面図、(b),(c)はその一部平面図である。
【図4】(a)は可とう性網状補強材の一部平面図、(b)はその一部平面図である。
【図5】(a)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部平面図、(b)はその一部断面図である。
【図6】(a)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部平面図、(b)は可とう性網状補強材の一部断面図である。
【図7】(a),(c)は可とう性網状補強材の一部平面図、(b)はその一部断面図である。
【図8】(a),(b)は補強土構造物の一部断面図である。
【図9】(a),(b)は補強土構造物の一部断面図である。
【図10】(a)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部斜視図、(b),(c)は壁面ブロックの斜視図、(d)は可とう性網状補強材の一部斜視図である。
【図11】補強土構造物の一例を示す一部斜視図である。
【図12】(a)〜(h)は壁面ブロックの一例を示す斜視図である。
【図13】(a),(b)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部断面図である。
【図14】(a),(b)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部断面図、(c)は壁面材の一例を示す斜視図である。
【図15】(a)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部断面図、(b)は壁面材の一例を示す斜視図である。
【図16】(a)は道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部断面図、(b)は壁面材の一例を示す斜視図である。
【図17】(a),(b)は、道路などに面する擁壁として構築された補強土構造物の一例を示す一部断面図、(c)は壁面材の一例を示す斜視図である。
【図18】補強土構造物の従来例を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 壁面パネル(壁面材)
2 擁壁面
3 盛土層
4 可とう性網状補強材(盛土補強材)
5 定着金具
6 定着バー(定着部材)
7 定着ボルト
8 壁面ブロック(壁面材)
9 壁面ブロック(壁面材)
10 定着バー
11 土のう
12 壁面材
13 連結棒
14 化粧ブロック
15 壁面材
16 クリップまたは連結ひも
17 壁面材
18 土砂流失防止シートまたは緑化シート

Claims (10)

  1. 一定の層厚ごとに盛土を撒き出し、前記盛土内に盛土補強材として一定の層厚ごとに可とう性網状補強材を複数層に埋設してなる補強土構造物において、前記可とう性網状補強材は複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延在すると共に、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきにねじり寄り合わせるか、または絡み合わせて網状に形成してなることを特徴とする補強土構造物。
  2. 一定の層厚ごとに盛土を撒き出し、かつ前記盛土内に盛土補強材として一定の層厚ごとに可とう性網状補強材を複数層に埋設してなる補強土構造物において、前記可とう性網状補強材は複数の可とう性金属線材を一方向に並列に延在すると共に、前記可とう性金属線材に作用する張力によって網目が縮径するように、隣り合う各可とう性金属線材どうしを一定間隔おきにねじり寄り合わせるか、または絡み合わせて網状に形成してなることを特徴とする補強土構造物。
  3. 可とう性網状補強材の可とう性金属線材は補強土構造物の延長方向に対してほぼ直角方向に延在してなることを特徴とする請求項1または2記載の補強土構造物。
  4. 可とう性網状補強材はきっ甲形網目またはひし形網目の網状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の補強土構造物。
  5. 盛土層の先端に壁面材を積層し、当該壁面材に可とう性網状補強材の端部を定着してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の補強土構造物。
  6. 各壁面材の背部に定着部材を壁面材の面外方向に位置を変更できるようにそれぞれ取り付け、当該定着部材に可とう性網状補強材の端部を定着してなることを特徴とする請求項5記載の補強土構造物。
  7. 可とう性網状補強材は盛土側で盛土を撒き出し、転圧することにより固定し、かつ緊張させた状態で壁面材に定着してなることを特徴とする請求項5または6記載の補強土構造物。
  8. 可とう性網状補強材の先端側を巻き込んで定着してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の補強土構造物。
  9. 可とう性網状補強材の端部を巻き込み、その中に土のうを設置してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の補強土構造物。
  10. 補強土構造物の延長方向に隣接する可とう性網状補強材の端部どうしを互いに連結してなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の補強土構造物。
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