JP2010255229A - 斜面保護方法及び斜面保護構造体 - Google Patents

斜面保護方法及び斜面保護構造体 Download PDF

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Masanori Takeuchi
政典 竹内
Hideki Yokobayashi
英記 横林
Toshihiko Kotakemori
敏彦 小竹守
Yasuyoshi Fujishima
泰良 藤嶋
Kiwamu Iizuka
究 飯塚
Akihiro Matsunaga
昭浩 松永
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Abstract

【課題】 施工性に優れ、セメントや大型の機械を要することなく斜面の崩壊抑止を行える斜面保護方法及び斜面保護構造体を提供すること。
【解決手段】 適宜間隔で平行に複数本の第1斜面補強用紐状体B1 をそれぞれ略等高線に沿うように斜面2へ設置するとともに、第2斜面補強用紐状体B2 を前記第1斜面補強用紐状体B1 と略直交するように適宜間隔で斜面へ設置し、両斜面補強用紐状体B1 ,B2 の交差部Mまたはその交差部Mの近傍にアンカー3を打設することで第1斜面補強用紐状体B1 と第2斜面補強用紐状体B2 を斜面2へ固定するようにしている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、モルタル法枠を用いることなく斜面崩壊を抑止する斜面保護方法及び斜面保護構造体に関するものである。
従来、斜面崩壊を抑止する手法として、モルタルやコンクリート等によって法枠を形成する吹付法枠工法が主流であった。吹付法枠工法とは、格子状に鉄筋及び型枠を配置し、これにモルタルやコンクリート等を吹付けて斜面上に法枠が形成される工法である。
しかしながら、吹付法枠工法は確かに斜面崩壊抑止力が高いものの、明らかに人工物と判る構造物であるため、周囲の自然環境に溶け込まずに景観を損ねてしまう場合があった。
そこで、近年は、下記の特許文献1,2などに代表される、大掛かりな吹付法枠を用いることなく斜面を保護する方法が開発されつつある。これらは、斜面上に帯状の網を格子状に設置し、それに緑化可能な砂基材を吹き付けることによって、法枠自体を緑化させて周囲の景観性を損なうことなく斜面を保護する技術となっている。
特開2007−327274号公報 特開2008−163741号公報
しかし、これらの工法では、枠の形成や緑化のために吹付機械を使用する必要があり、施工に要する期間が長くなったり施工費が高くなる傾向にあった。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、施工性に優れ、セメントや大型の機械を要することなく斜面の崩壊抑止を行える斜面保護方法及び斜面保護構造体を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の斜面保護方法は、適宜間隔で平行に複数本の第1斜面補強用紐状体をそれぞれ略等高線に沿うように斜面へ設置するとともに、第2斜面補強用紐状体を前記第1斜面補強用紐状体と略直交するように適宜間隔で斜面へ設置し、両斜面補強用紐状体の交差部またはその交差部の近傍にアンカーを打設することで第1斜面補強用紐状体と第2斜面補強用紐状体を斜面へ固定することを特徴としている(請求項1)。
さらに、打設する一部または全てのアンカーを、硬化物質によって斜面内部の地盤に固定するとともに、交差部の前記両斜面補強用紐状体を斜面と受圧板で挟みこむように、アンカー頭部に締結部材を装着するようにしてもよい(請求項2)。
また、この発明は別の観点から、請求項1または請求項2に記載の斜面保護方法によって形成されてなる斜面保護構造体を提供する(請求項3)。
この発明において、「略直交する」という用語は、直角またはそれに近い角度で互いに交わる場合のみならず、例えば図10に示すように、延長すれば前記のような角度で交わる場合をも含む。また、「交差部またはその交差部の近傍」という用語は、実際に両斜面補強用紐状体が交差する交差部のみならず、例えば図10に示すように、実際には交差していないが、延長すれば交差するであろう交差部またはその交差部の近傍を含む。
この発明によれば、以下の効果を奏する。(1)法枠用セメントを使用しなくてもよいため、大型機械の搬入搬出労力、利用コストを発生させること無く斜面の崩壊を抑止する方法を提供することができる。(2)吹付など特殊な工程は無く、アンカーを打設するだけであるため、専門業者でなくても施工可能である。(3)人力施工であるため、大型機械が搬入不可能な現場(山間部など道路整備がされていない場所や、施工地付近で機械設置場所が確保できない場所など)においても何ら問題なく施工が可能である。そのため、施工性に優れ、法枠用セメントや大型の機械を要することなく斜面の崩壊抑止を行える斜面保護方法及び斜面保護構造体を提供することができる。
この発明の第1の実施形態における施工手順を示す構成説明図である。 (A)は、上記実施形態におけるアンカー打設工程の前半を示す要部分解斜 視図、(B)は、上記実施形態におけるアンカー打設工程の後半を示す斜視図である 。 (A)は、上記実施形態で用いた受圧板を示す平面図、(B)は、その受圧 板の断面図、(C)は、その受圧板の要部断面図である。 (A)は、この発明で用いる受圧板の変形例を示す平面図、(B)は、その 受圧板の断面図、(C)は、その受圧板の要部断面図である。 (A)は、この発明で用いる受圧板の別の変形例を示す平面図、(B)は、 その受圧板の断面図、(C)は、その受圧板の要部断面図である。 (A)は、この発明で用いる受圧板のさらに別の変形例を示す平面図、(B )は、その受圧板の要部断面図である。 この発明の第2の実施形態における施工手順を示す構成説明図である。 上記第2の実施形態における構成説明図である。 (A)は、上記第2の実施形態におけるアンカー打設工程の前半を示す要部 分解斜視図、(B)は、上記第2の実施形態におけるアンカー打設工程の後半を示す 斜視図である。 (A)は、この発明で用いる受圧板の別の変形例を示す平面図、(B)は 、その受圧板の要部断面図である。
図1〜3はこの発明の第1の実施形態を示す。図1〜3において、斜面保護構造体1は、適宜間隔N(例えば1m)で平行に複数本の第1斜面補強用紐状体B1 をそれぞれ略等高線に沿うように施工対象である法面(斜面の一例)2へ設置するとともに、第2斜面補強用紐状体B2 を第1斜面補強用紐状体B1 と略直交するように適宜間隔N’(例えば1m)で法面2へ設置し、両斜面補強用紐状体B1 ,B2 の交差部M(図3にハッチングして示す)の近傍にアンカー3を打設することで第1斜面補強用紐状体B1 と第2斜面補強用紐状体B2 を法面2へ固定する斜面保護方法によって形成されてなる。なお、M’は、両斜面補強用ベルトB1 ,B2 のもう一つの交差部であるが、この実施形態では前記交差部M’またはその交差部M’の近傍にはアンカー3を打設していない。
なお、第1,2斜面補強用紐状体B1 ,B2 は、ポリエステル繊維やポリアミド系繊維などの合成繊維を素材とするもの、または、ステンレス線や炭素鋼金属線などの金属材料を素材とするものであり、腐食に対して極めて強いという耐腐食性特性、および太陽光などからの紫外光によって劣化するのを効果的に防止しうる耐光(耐紫外光)特性を有するものが好ましい。さらに、第1,2斜面補強用紐状体B1 ,B2 は、引張強度が10kN〜100kNであることが好ましい。そのためには合成繊維の中でもより高強度なものを用いることが好適であり、例えばテトロン(登録商標)は、上記特性に加え、ナイロンに比べて荷重をかけた場合の伸びが極めて少ないという特性を持っており、そのために寸法安定性にも優れており、この発明に適用するのに最も好ましいものとして挙げることができる。また、異なる素材の繊維を組み合わせて斜面補強用紐状体を編織することも可能であり、例えば高強度ポリエステル繊維にアラミド繊維を組み合わせることで、より強力な斜面補強用紐状体を形成することができ好ましい。
また、第1,2斜面補強用紐状体B1 ,B2 は、所定の太さのロープ状や所定の幅(紐状体短手方向の長さ)と厚みを有するベルト状をなしている。ロープ状の場合はロープ太さを直径3〜50mmとするのが好ましく、ベルト状の場合、ベルト幅(ベルト短手方向の長さ)は75〜200mmが好ましく、ベルト厚みは1〜5mmが好ましい。この実施形態では第1,2斜面補強用紐状体B1 ,B2 としてベルトを用いている。
さらに、この実施形態では、図1に示すように、例えば交差部M1 (M,M)とM2 (M,M)同士、また、交差部M1 (M,M)とM3 (M,M)同士を、両矢印Xで示す方向に適宜間隔N’だけずらせるとともに、両矢印Yで示す方向に適宜間隔Nだけずらせた状態で千鳥足状に交互に設けてある。また、X方向において隣接する受圧板4,4同士を繋ぐベルトB1 の長さは、例えば2.5m程度である。そして、打設する全てのアンカー3を、硬化物質G(後述する)によって法面2内部の地盤Tに固定するとともに、交差部Mの前記両ベルトB1 ,B2 を法面2と受圧板4で挟みこむように、アンカー頭部3aに締結部材5を装着するよう構成されている。
また、X−Y座標平面においてベルトB1 と略直交するように適宜間隔N’で法面2に設置されるベルトB2 は、ベルトB1 と同一のベルト幅、ベルト厚みを有する。この実施形態では、法面崩壊抑止力を高めるため互いに平行でY方向に配置される一対のベルトB2 ,B2 を用いている。そして、前記一対のベルトB2 ,B2 は、Y方向に沿って適宜間隔で配列された複数の前記受圧板4を介して法面2に設置される。この際、一対の第2斜面補強用ベルトB2 ,B2 は、ロール状に巻き上げられた状態になっているベルトB2 を巻き戻すようにして法面2の上方から連続してそれぞれ平行に敷設される。
前記受圧板4は、例えば、その一辺が15〜30cmの正方形の鉄板よりなり、その中央にはアンカー3を挿通させる中央孔6が開設されている。受圧板4は、法面2に対する両ベルトB1 ,B2 の固定だけではなく、X−Y座標平面におけるX方向およびY方向への両ベルトB1 ,B2 のずれも防止しうる機能を有するものである。なお、受圧板4は、硬質の合成樹脂板で構成してもよい。
前記受圧板4は、図3に示すように、中央孔6のまわりで一方の対向する辺4aおよび4bの近傍に形成されたそれぞれ同一矩形形状のベルト(B1 )挿通用長孔7および8を有している。前記長孔7は、同一形状の長孔部分7aおよび7bがそれぞれ中央孔6側および辺4a側に並列に配置されてなる。また、前記長孔8は、同一形状の長孔部分8aおよび8bがそれぞれ中央孔6側および辺4b側に並列に配置されてなる。そして、前記長孔7には一方のベルトB1 の一端部分e1 が嵌込まれる一方、前記長孔8には他方のベルトB1 の一端部分e2 が嵌込まれる。例えば、図3(C)に示すように、受圧板4の下面側から前記他方のベルトB1 の一端部分e2 の先端Eを、長孔部分8aに通してこれを受圧板4の上面側にもっていき、さらに、受圧板4の上面側から長孔部分8bに通し、その後、前記先端Eを外側に引っ張って先端E側を、受圧板4の下面側に位置する一端部分e2 と受圧板4とで挟むことにより、前記長孔8を介して受圧板4に前記他方のベルトB1 の一端部分e2 を連結することができる。また、同様の嵌込み手法で前記長孔7を介して受圧板4に前記一方のベルトB1 の一端部分e1 を連結することがてきる。そして、前記長孔7,8にそれぞれベルトB1 ,B1 を連結した後、一端部分e1 と一端部分e2 の先端E側同士を互いに反対方向に引っ張って張力をかけることにより受圧板4と法面2とで両ベルトB1 ,B1 を強固に挟み込むことができる。
さらに、前記受圧板4は、図3に示すように、中央孔6のまわりで他方の対向する辺4cおよび4d側に形成された、ベルトB2 が挿通可能なそれぞれ同一T形形状のベルト(B2 )挿通用切欠9および10を有する。前記切欠9は、同一T形形状の切欠部分9aおよび9bがそれぞれ辺4cに沿う方向で一列に配置されてなる。前記切欠10は、同一T形形状の切欠部分10aおよび10bがそれぞれ辺4dに沿う方向で一列に配置されてなる。
そして、例えば法肩側から法尻側に向かって受圧板4にベルトB2 を連結するには、図3(B)に示すように、受圧板4の下面側からベルトB2 の一端部(先端部)を例えば法肩側に位置する例えば切欠部分9aに通してこれを受圧板4の上面側にもっていき、さらに、受圧板4の上面側から切欠部分9aに対向する位置にある法尻側の切欠部分10aに通すことにより、ベルトB2 の一端部(先端部)を受圧板4の下面側にもっていく。そして、図1に示すように、ベルトB2 の一端部(先端部)は受圧板4より間隔Nだけ法尻側に位置しているベルトB1 の上面を跨ぐ形で当該受圧板4よりも間隔L(≒2N)だけ法尻側に位置している受圧板4の切欠部分9aに至る。
次に、図3に示すようなベルトB1 、B2 ,B2 の交差部M,Mの近傍にアンカー3を打設する一例について説明する。まず、ドリル等の掘削工具で図1,2に示すように、法面2内部の地盤Tを掘削することにより50cm程度の深さdを有する掘削穴11を形成する。前記アンカー3は、掘削穴11に挿通可能な外径を有する細長いロッド(円柱体)である。アンカー3は、上端部に、座金5aの中央孔12が挿入可能な大きさでボルト5bに螺合する雄ねじ部分13を有する一方、下端部に、接着剤、セメントなどの硬化物質Gが収納されているカプセル14の内部底面部分に形成された雌ねじ15に螺合する雄ねじ部分15を有する。なお、アンカー3として、頭部が横方向に屈曲した形状のものを用いてもよい。前記カプセル14は、例えば合成樹脂製で、未使用時に蓋部材(図示せず)で閉栓される口部18と、前記雌ねじ15が形成された底部19と、口部18から下方に末広がり状に連設された傘状部20と、底部19から上方に末広がり状に連設され傘状部20に至る逆傘状部21で構成され、さらに、口部18、底部19、傘状部20、逆傘状部21は合成樹脂により一体成形されている。傘状部20と逆傘状部21は、破壊されやすい薄い厚みの部分tと、この厚みよりも分厚い厚みfの部分とを交互に有する周面によって形成されている。22は、少なくともカプセル14の口部18に当接可能な内径と掘削穴11に挿通可能な外径を有し、口部18に当接し、打設工具による下方への押圧力により前記薄い厚みの部分tを破る機能を有する筒状体である。すなわち、この筒状体22は、アンカー打設作業時において、アンカー3の下端部に連結されたカプセル14がアンカー3の掘削穴11挿入後において硬化物質Gをカプセル14から掘削穴11内に排出させるためカプセル14だけを破壊するためのものである。すなわち、アンカー3と共に掘削穴11にカプセル14が挿入され、かつカプセル14が掘削穴11の底まで挿入された状態で、筒状体22を、その先端部がカプセル14の口部18に当接するまで掘削穴11に挿入する。この状態では、アンカー頭部の雄ねじ部分13の大半は掘削穴11の入口よりも外側に突出しているとともに、アンカー3の上面3aよりも筒状体22の上面22aの方が所定長Δだけ高く位置している。続いて、筒状体22の上面22aを金槌等の打設工具で打設することにより、カプセル14の口部18に筒状体22を介して負荷がかかり、その負荷によって最終的にあたかも傘が開くような状態でカプセル14の傘状部20と逆傘状部21が変形することにより前記薄い厚みの部分tが破壊して硬化物質Gがカプセル14から掘削穴11内に排出されうる。この際、傘状部20と逆傘状部21の薄い厚みの部分tの破壊によりカプセル14の高さが低くなることから、筒状体22の上面22aが前記所定長Δだけ下方へ移動してアンカー3の上面3aと筒状体22の上面22aが面一になり、これにより、硬化物質Gが排出されたことの確認がとれる。そのため、アンカー3にカプセル14を連結したときの長さ(上面3aから底部19下面までの長さU(図1参照)を50〜110cm程度に設定し、筒状体22の長さを45〜105cm程度に設定する必要がある。
そして、アンカー3打設後、アンカー3のアンカー頭部3aに受圧板4の中央孔6を挿通させる。そして、ベルトB1 およびベルトB2 ,B2 を受圧板4に連結するとともに、ベルトB1 およびベルトB2 ,B2 にテンションをかける。図3に示すように、交差部M,Mを含むベルトB1 およびベルトB2 ,B2 部分は受圧板4でカバーされるとともに、アンカー3は交差部M,Mの中間に位置される。その後、座金5aをアンカー頭部に挿通させ、続いて、ボルト5bをアンカー頭部の雄ねじ部分13に螺着することにより座金5aおよび受圧板4を介して交差部M,Mの両斜面補強用ベルトB1 ,B2 ,B2 を締め付けることができる。
図4は、前記受圧板4の変形例を示す。図4において、図1〜3に示す符号と同一のものは同一または相当物である。図4において、この例では、長孔7,8を介しての受圧板4とベルトB1 の連結手段は上記実施形態において示したものと同じである。そして、例えば法肩側から法尻側に向かって受圧板4にベルトB2 を連結するには、図4(B)に示すように、受圧板4の下面側からベルトB2 の一端部を例えば法肩側に位置する切欠部分9aに通し、さらに、これを受圧板4の上面側から切欠部分9aに連通する切欠部分9a’に通して受圧板4の下面側に位置するようにし、その後、受圧板4の下面側から切欠部分9a’に対向する位置にある法尻側の切欠部分10a’に通し、さらに、受圧板4の上面側から切欠部分9aに対向する位置にある法尻側の切欠部分10aに通すことにより、ベルトB2 の一端部を受圧板4の下面側にもっていくように構成されている。この例では、ベルトB2 による受圧板4の押圧を強固にすることができ、法面崩壊抑止力をより高めることができる。
図5は、受圧板4の別の変形例を示す。図5において、図1〜4に示す符号と同一のものは同一または相当物である。図5において、この例が上記第1の実施形態で用いた受圧板4と異なる点は、この実施形態においてはベルト挿通用長孔7および8のそれぞれの長孔部分を一つだけ増やした点である。すなわち、前記長孔7は、同一形状の長孔部分7aおよび7bがそれぞれ中央孔6側および辺4a側に並列に配置されるとともに、長孔部分7aと中央孔6間に同一形状の長孔部分7cが並列に配置されてなる。また、長孔8は、同一形状の長孔部分8aおよび8bがそれぞれ中央孔6側および辺4b側に並列に配置されるとともに、長孔部分8aと中央孔6間に同一形状の長孔部分8cが並列に配置されてなる。そして、図5(C)に示すような結び方を実施することにより、受圧板4とベルトB1 の連結をより強固にできる。
図6は、受圧板4のさらに別の変形例を示す。図6において、図1〜5に示す符号と同一のものは同一または相当物である。この例では、上記第1の実施形態で示した受圧板4とベルトB2 の連結の構成を受圧板4とベルトB1 の連結にも採用している。すなわち、受圧板4に対して一対のベルトB2 ,B2 のみならず、一対のベルトB1 ,B1 を連結するよう構成されている。したがって、ベルトB2 ,B2 は、上記第1の実施形態で示したように、ロール状に巻き上げられた状態になっているベルトB2 を巻き戻すようにして法面2の上方から連続してそれぞれ平行に敷設するとともに、ロール状に巻き上げられた状態になっているベルトB1 を巻き戻すようにして両B1 ,B1 をそれぞれY方向に沿って法面2に平行に敷設することができ、作業性をさらに向上させることができる。
図7〜9は、図3に示した受圧板4を用いるとともに、法面2に敷設される肥料袋付植生マットDを介して、ベルトB2 をベルトB1 と略直交するように法面2へ設置するように構成したこの発明の第2の実施形態を示す。図7〜9において、図1〜6に示す符号と同一のものは同一または相当物である。肥料袋付植生マットDは、例えば牧草種子、野草種子、花の種子などの植物種子vを下部に保持する一枚の保水性の高い薄綿(シート状体の一例)33を、例えば耐久性のあるプラスチック繊維で適当な目合いに編織した平面視矩形の長尺ネット34の下面に保持するとともに、前記プラスチックネット34の複数箇所に二重編みした肥料袋収容部35をネット幅方向(両矢印Yで示す方向)と平行になるように適宜間隔(例えば40cm)に設け、これら収容部35に有機質材料や保水材及び肥料等の植生基材bが収容された例えば不織布などからなる肥料袋36が挿入収容されてなる。前記薄綿33は、例えば薄綿ラップや不織布などからなるものであり、例えば、簡単に水で解ける(分散する)水解性のシートでもよく、生分解性の繊維からなるシートでもよい。
なお、前記プラスチックネット4に代えてラス金網(菱形金網)、あるいは、亀甲金網等を用いてもよく、可撓性および適宜の強度を有するものであれば特定の素材に限定されるものではない。また、これらネット4、ラス金網(菱形金網)、亀甲金網は、ある程度の斜面の浸食防止(法面の保護)効果をもたせるため目合いは、植物種子の発芽や幼芽の生育の妨げとならない程度に小さくすることにより斜面を覆い隠す面積をできるだけ多くするよう構成されたものを用いるのが好ましい。そして、この実施形態では、前記プラスチックネット4として、例えば、平面視矩形形状をなし、網状体幅が1m程の長尺(5m程の網状体長さ)なものが用いられる。
この実施形態では、図7に示すように、両ベルトB1 ,B2 の交差部M1 (M,M)〜M3 (M,M)およびM’を、隣接するネット341 〜345 内に、隣接するネット341 〜345 それぞれの幅方向中間部分に位置させ、かつ隣接するネット341 〜345 のうち、ネット341 に位置する例えば交差部M1 (M,M)とネット342 に位置する例えば交差部M2 (M,M)同士、また、交差部M1 (M,M)とネット342 に位置する例えば交差部M3 (M,M)同士を、ネット長さ方向(Y方向)に沿って適宜間隔N(例えば1m)だけずらせるとともに、両矢印Xで示す方向に適宜間隔N’(例えば1m)だけずらせた状態で千鳥足状に交互に設けてある。
次に、ベルトB1 、B2 ,B2 の交差部Mの近傍にアンカー3を打設するには、まず、ネット34を含む植生マットDを法面2上に敷設するとともに、アンカー3打設位置に掘削穴11を形成し、打設したアンカー3のアンカー頭部に受圧板4の中央孔6を挿通させる。そして、ベルトB1 およびベルトB2 ,B2 を受圧板4に連結するとともに、ベルトB1 およびベルトB2 ,B2 にテンションをかける。その後、座金5aをアンカー頭部に挿通させ、続いて、ボルト5bをアンカー頭部の雄ねじ部分13に螺着することにより座金5aおよび受圧板4を介して両ベルトB1 ,B2 を締め付ける。
図10は、受圧板4の別の変形例を示す。図10において、図1〜9に示す符号と同一のものは同一または相当物である。この例では、上記第1の実施形態で示した受圧板4とベルトB1 の連結の構成を受圧板4とベルトB2 の連結にも採用している。この実施形態では、両ベルトB1 ,B2 共、同じ結び方を行うので作業性がよい。また、例えば図3に示す受圧板4に第2斜面補強用ベルトB2 を連結する場合は、上述したように、ロール状に巻き上げられた状態の第2斜面補強用ベルトB2 を、図7に示すように、巻き戻すようにして法面2の上方から一本ものとして連続して敷設すればよかったが、図10の受圧板4に第2斜面補強用ベルトB2 を連結する場合は、一本ものの第2斜面補強用ベルトB2 ではなく、各受圧板4におけるX方向に配列される長孔7a,7b、8a,8bに対して左右一対の第1斜面補強用ベルトB1 を連結するときと同様に、各受圧板4におけるY方向に配列される長孔7a’,7b’、8a’,8b’に対しても上下一対の第2斜面補強用ベルトB2 を連結するため、図10の受圧板4を使用するにあたり、例えば図1,7における長さLに一端部分e1 ’,e2 ’に相当する折り返し長さを加えた長さを有する複数本の第2斜面補強用ベルトB2 (そのうちの1本を図1,7に点線で示す)を準備する必要がある。そして、図10の受圧板4以外の受圧板4では、受圧板4に対して1本ものの長尺な第2斜面補強用ベルトB2 をそれぞれ2本ずつ使用していたが、図10の受圧板4を用いることにより、長尺な第2斜面補強用ベルトB2 に比べて遙かに短い複数本の第2斜面補強用ベルトB2 を繋いでいけばよく、Y方向(縦方向)全体として見れば1本であり、その分ベルトの使用コストを抑えることができるという利点を有する。
なお、この発明は、上記肥料袋付植生マットD以外でも他の公知な緑化手法と組み合わせることが可能である。例えば、この発明による斜面保護方法を斜面に施した後に植生基盤材を全面に吹付ければ、全面を緑化して第1,第2斜面補強用紐状体などを覆い隠して景観性を向上させることができる。この場合、植生基盤材流亡防止のための緑化基礎工として植生基盤材の吹付けを行う前に金網を斜面に張設しておくことが望ましく、施工の順番としては金網張設、第1,第2斜面補強用紐状体の設置・固定、植生基盤材吹付けの順が最も効率的となる。また、植生基盤材には通常は購入種子(牧草や樹木など)を導入するが、これに代えて施工地近辺の表層土壌を用いて埋土種子による緑化を行えば、その地域の生態系を乱すことの無い緑化ができて好適である。更には、すでに緑化がなされている斜面に対しても対応可能であり、既存植物をそのまま活用させながらこの発明による斜面保護方法を施工することで、自然を破壊することなく斜面をより安定化させることができ好適である。
なお、この発明において、ロープ形状の第1斜面補強用紐状体を使用する場合は、両斜面補強用紐状体の交差部において、隣接する第1斜面補強用紐状体同士を結束するとともに、第2斜面補強用紐状体を上から重ね合わせ、その交差部にアンカーを打設することで法面へ固定することとなる。
また、この発明に適用できるアンカーの別形態としては、上端部に雄ねじ部分を有する一方、下端部は尖頭加工されているものも挙げることができる。この形態のアンカーを使用する場合は、(1)掘削穴の内部に硬化物質を注入した後にアンカーを掘削穴に挿入・打設すること、(2)掘削穴にアンカーを打設した後に掘削穴の隙間へ硬化物質を注入すること、(3)法面に掘削穴を形成することなくそのままアンカーを法面に打設すること、などが考えられる。
1 斜面保護構造体
2 斜面
3 アンカー
M 交差部
1 第1斜面補強用ベルト(第1斜面補強用紐状体)
2 第2斜面補強用ベルト(第2斜面補強用紐状体)

Claims (3)

  1. 適宜間隔で平行に複数本の第1斜面補強用紐状体をそれぞれ略等高線に沿うように斜面へ設置するとともに、第2斜面補強用紐状体を前記第1斜面補強用紐状体と略直交するように適宜間隔で斜面へ設置し、両斜面補強用紐状体の交差部またはその交差部の近傍にアンカーを打設することで第1斜面補強用紐状体と第2斜面補強用紐状体を斜面へ固定することを特徴とする斜面保護方法。
  2. 打設する一部または全てのアンカーを、硬化物質によって斜面内部の地盤に固定するとともに、交差部の前記両斜面補強用紐状体を斜面と受圧板で挟みこむように、アンカー頭部に締結部材を装着することを特徴とする請求項1に記載の斜面保護方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の斜面保護方法によって形成されてなる斜面保護構造体。
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