JP3096424B2 - 植生基盤構築方法 - Google Patents

植生基盤構築方法

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JP3096424B2
JP3096424B2 JP08106074A JP10607496A JP3096424B2 JP 3096424 B2 JP3096424 B2 JP 3096424B2 JP 08106074 A JP08106074 A JP 08106074A JP 10607496 A JP10607496 A JP 10607496A JP 3096424 B2 JP3096424 B2 JP 3096424B2
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寿 河合
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進 加藤
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜面の植生修復
工において、草木類、特に、樹木類の植生、植栽に適し
た植生基盤構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、植生修復工は、単なる草類の植生
だけではなく、樹木類の植生、植栽の重要性が叫ばれて
いる。樹木類の植生、植栽のためには、樹木類が根づく
ための耕土が必要とされ、その深さは、一般的に、20
cm以上、必要である。
【0003】かかる耕土層を斜面上に固定するための方
法としては、例えば、コンクリート製の梁を下地上に格
子状に設置したのち、格子枠内のそれぞれに耕土や耕土
の入った土嚢を充填する方法、金属製の多孔円形リング
を斜面上にリングどうしが外接するように隣接して並べ
たのち、リングの内外に耕土を充填する方法など、多数
の方法が実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、コンクリー
ト梁の場合、梁自体に厚み、すなわち、幅があるため、
下地上に設置したとき、梁の下面と下地の不陸との間に
空隙が生じ易いばかりでなく、その空隙内に耕土を充填
し難くなる。コンクリート梁の直下に空隙を残した状態
で降雨や浸透水を受けると、コンクリート梁で囲まれた
枠内の耕土が空隙部分に移動し、全体の耕土厚が減少す
るようになる。また、格子枠内への耕土の充填は、枠の
下部側より順に上部側に移行するが、上部側は、どうし
ても充填密度が薄くなり、植生基盤厚が不足する。さら
に、このコンクリート梁では、樹木の根を梁外まで伸張
させることはできない。
【0005】一方、金属製円形リングの場合は、リング
自体の厚みが薄く、また、多孔性であるため、リングと
下地の不陸との空隙に耕土を充填し易いが、隣接するリ
ングどうしの間に小面積の3角域が生じる。この3角域
は、道具類や作業員の足などが入り難いため、締め固め
が充分に行えず、植生基盤としては不充分となる。
【0006】コンクリート梁や金属製円形リングで耕土
を拘束することは、耕土の安定上、優位であるが、植
生、植栽物の根の拡がりを妨げる点では適していない。
また、コンクリート梁や金属製円形リングは、重量が重
いため、取り扱い難いばかりでなく、作業上の危険が付
きまとう。さらに、金属製円形リングは、金属腐食を起
こすため、根の成育上、好ましくない。
【0007】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、軽量で取り扱い易
く、安全に作業を実施できるばかりでなく、不陸のある
斜面に追従し易く、しかも、施工中の足場としての強度
も保持しながら耕土を安定的に拘束でき、さらに、草木
類の根の発育を妨げることのない植生基盤構築方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、作業現場の下
地上に設定した六角格子パターンの交点にマーキングす
る工程と、マーキング点に支柱を立設する工程と、上記
パターンに沿って帯状の合成樹脂製ネットを展張しなが
ら上記ネットを支柱に取り付けてハニカム状の立体構造
体を形成する工程と、上記ネットに囲まれた枠内に土砂
を充填する工程と、からなる植生基盤構築方法である。
【0009】上記下地上に設定したパターンに沿って合
成樹脂製ネットを展張させる際に、上記ネットを下地の
下縁に沿って多段に配設させるとともに、隣接する上下
両段ネットの寄り付き部分を二重構造に構成すると、突
き固め道具の入らない狭隘部分を無くすことができ、作
業がし易くなるとともに、強度が増加して、耕土の充填
作業や突き固め作業時に作業員が乗っても支障がないよ
うになる。また、合成樹脂製ネットを連結部材によって
支柱に簡単に固定することかできる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。まず、図1に示すよう
に、傾斜している施工現場の下地11上に設定した六角
格子パターン12の交点13に市販のスプレーペイント
などでマーキングして目印14を付ける。
【0011】目印の位置決め方法は、六角形の定規1を
作り、この六角定規1を、図1に示すように、斜面11
に当て、その角部2a,2b,2c,2d,2e,2f
に対応する位置にスプレーペイントなどでマーキングす
る方法、あるいは、ロープを張って位置決めする方法な
どがある。下地11の傾斜角や盛り土(耕土)の深さな
どにもよるが、各六角格子の寸法、すなわち、長手方向
の長さAは、0.5〜3.0m、横手方向の長さBは、
0.5〜2.0mが好ましい。
【0012】次に、図2に示すように、目印14の位置
に、図示しない削孔ドリルにより穴15を空けたのち、
モルタルを固着材16として支柱17を穴15内に挿入
固定する。支柱17の埋設長は、地山の強度状態により
決定する。支柱の立設方法としては、支柱17を施工面
に打設する方法などもある。また、施工面11から突き
出させる支柱17の突出長は、盛り土(耕土)の深さに
対応させて決定するが、例えば、20〜30cmが望ま
しい。
【0013】次に、図3に示すように、帯状の合成樹脂
製ネット20aの端部を左端の支柱17aに固定したの
ち、上記ネット20aを設定パターン12の1段目の仮
想線12aに沿ってジグザグ状に展張させながら上記仮
想線12aに沿って立設している支柱17aに仮り止め
する。
【0014】さらに、図4に示すように、帯状の合成樹
脂製ネット20bの左端を支柱17bに固定したのち、
上記ネット20bを設定パターン12の2段目の仮想線
12bに沿ってジグザグ状に展張させながら、上記仮想
線12bに沿って立設している支柱17bに仮り止めす
る。さらに、上記パターン12の3段目、4段目、・・
・の仮想線12c,12d,・・・に沿って帯状の合成
樹脂製ネット20c,20d,20e,・・・をジグザ
グ状に展張させ、図5に示すようなハニカム状の立体構
造体30を構築する。
【0015】ハニカム状の立体構造体30の構築後、図
6に示すように、ネット20を螺旋状の連結部材40に
よって支柱17に固定する。螺旋状の連結部材40は、
1または2枚のネット20と支柱17を縫うように装着
し、これらの部材を一体的に固定する。そして、この
結部材40による締結後、図7のように、支柱17に対
向する側にあって連結部材40内に補助棒19を挿入
し、支柱17と補助棒19によって1または2枚のネッ
ト20をその両側から挟持する。連結部材40は、螺旋
状のものに限るものではなく、例えば、合成樹脂製の結
束バンドなど、ネット20と支柱17とを結合できるも
のであればよい。
【0016】螺旋状の連結部材40としては、例えば、
ピアノ線などの鋼線やポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどの合成樹脂で形成
し、その太さは、1〜9mmが望ましい。
【0017】また、補助棒19も、連結部材40と同様
に、例えば、ピアノ線などの鋼線やポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどの合成
樹脂で形成し、その太さは、3〜6mmが望ましい。ま
た、支柱17には、鉄筋を使用し、その太さは、10〜
22mmが望ましい。
【0018】次に、施工現場の下縁側18より耕土51
を充填して行き、土端たたき、足馴らしなどにて締め固
めて図8に示すような植生基盤50を構築する。耕土の
搬入は、バックホー、耕土を詰めた大型土嚢袋をクレー
ンで運搬するなどして持ち込む。
【0019】合成樹脂製ネット20は、例えば、図9に
示すように、熱可塑性合成樹脂、例えば、高密度ポリエ
チレンを押出機の細孔から押し出して成形させ、a,b
ともに20〜50mm、好ましくは、20〜30mmの
目合いを有する経線21および緯線22からなるネット
で、幅hが20〜30cmで、かつ、長さが数メートル
〜数十メートルのネットである。上記緯線22には、強
度補強のために全芳香族ポリアミド繊維〔例えば、帝人
(株)製、テクノーラ〕からなるフィラメント状の芯材
23が埋設されている。そして、5%伸張時の強度が幅
1mあたり4t以上あることが望ましい。
【0020】しかし、これに限定されるものではなく、
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ
エステルまたはポリ塩化ビニルなどの熱可塑性合成樹脂
に、超高分子量ポリエチレン繊維、炭素繊維、スチール
繊維、ガラス繊維または無機繊維などの高張力を有する
素材からなる芯材として埋設させたものなどでもよい。
【0021】経線21および緯線22の太さは、好まし
くは3〜15mm、さらに好ましくは、3〜10mmで
ある。また、芯材23の太さは、好ましくは100〜9
0,000デニール、さらに好ましくは400〜40,
000デニールである。
【0022】さらに、ネット20には、ポリプロピレン
(PP)や高密度ポリエチレン(HDPE)の厚手のシ
ートに孔をあけ、1軸ないし2軸方向に加熱延伸して高
分子を配向させたジオグリッド、芯線入りPPやHDP
E製のストランドを格子状に組み付けたのち、その交点
を熱融着させて作ったポリマーネット、メッシュ状織編
物を樹脂で固めたものなども適用することができる。
【0023】また、ネット20の編目の形状は、四角形
に限定されるものではなく、例えば、六角形、八角形な
どの多角形でもよい。一方、樹木類が根づくには、3年
程度を要すると言われており、3年以降は、基盤抱束効
果が減少し、根の生育を妨げない方がよいと判断される
ときには、生分解性材料を使用してもよい。この生分解
性材料としては、ネット20用として、例えばアセテー
ト、ポリヒドロキシブチレート−バリレート共重合体
〔例;英国・ゼネカ社製、バイオポール〕、ポリ乳酸、
ポリカプロラクトン〔例;ダイセル化学(株)製、プラ
クセル〕、脂肪族ポリエステル〔例;昭和高分子(株)
製、ビオノーレ〕、デンプン−ポリビニルアルコールの
ポリマーアロイ〔例;イタリア・ノバモント社製、マタ
ービー〕、デンプン+添加剤〔例;チッソ(株)製、N
OVON〕、デンプン100%〔例;日本コーンスター
チ(株)製、アミポール〕などが挙げられる。また、生
分解性材料としては、芯材23用として、レーヨン、木
綿、ビニロン、脂肪族ポリアミド、脂肪族ポリエステル
などが挙げられる。
【0024】
【発明の効果】上記のように、本発明は、施工面上に設
定した六角格子パターンの交点にマーキングする工程
と、マーキング点に支柱を立設する工程と、上記パター
ンに沿って帯状の合成樹脂製ネットを展張しながら上記
ネットを支柱に取り付けてハニカム状の立体構造体を形
成する工程と、上記ネットに囲まれた枠内に耕土を充填
する工程と、から構成されており、合成樹脂製ネット
は、従来のコンクリート梁や鋼鉄製の円形リングに比べ
て軽量で、持ち運びが容易であるため、搬入、施工を安
全に、かつ、容易に実施することができる。また、実際
の斜面表面は、不陸がつきものであり、また、斜面全体
もカーブしたり、幅の広い所や狭い所があって一定では
あるが、本発明によれば、現場施工で対応が可能であ
る。
【0025】耕土の充填作業に際して、作業員は、足場
を必要とするが、本発明の六角格子法によれば、隣接す
る上下両ネットの寄り付き部が二重張りになっているの
で、歩行および作業に何らの支障を及ぼさない。耕土の
充填作業は、スコップなどで投入し、まず、スコップな
らし、足馴らしで充填して行くわけであるが、本発明に
よれば、充填不能な小面積部分が生じないため、全体に
土砂が充填し易いものとなる。また、格子上部の上辺下
側は、土砂の充填しにくい部位であるが、本発明に使用
するネットは、角目になっているので、上段格子に投入
した土砂が角目を通過して格子上部の上辺下にも土砂が
充分に充填される。
【0026】本発明によって施工された基盤は、植生基
盤として充分なものとなる。また、ネットの素材とし
て、生分解性材料を用いた場合には、年次経過とともに
補強用芯材は残るが、樹脂部分は分解するので、樹木の
根の成長に悪影響を及ぼすことがない。また、合成樹脂
製ネットを連結部材によって支柱に簡単に固定すること
かできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施工現場の下地上に設定した六角格子パターン
の平面図である。
【図2】六角格子パターンの交点に支柱を立設させた平
面図である。
【図3】六角格子パターンの第1段目の仮想線に沿って
ネットを取り付けた時の平面図である。
【図4】六角格子パターンの第1段目および第1段目の
仮想線に沿ってネットを取り付けた時の平面図である。
【図5】下地上にハニカム状の立体構造体を構築した時
の斜視図である。
【図6】螺旋状の連結部材を用いて支柱に二枚のネット
を固定させた様子を示す斜視図である。
【図7】螺旋状の連結部材と補助棒を用いて支柱に二枚
のネットを固定させた様子を示す斜視図である。
【図8】ハニカム状の立体構造体を土砂で被って植生基
盤を構築した状態を示す斜視図である。
【図9】合成樹脂製ネットの平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 進 福井県坂井郡春江町沖布目38号3番地 前田工繊株式会社内 (72)発明者 井上 芳一 兵庫県加古川市山手2丁目3番5−101 (56)参考文献 特開 平3−197706(JP,A) 特開 昭57−3923(JP,A) 特開 昭58−110721(JP,A) 特開 昭60−141928(JP,A) 特開 昭51−113304(JP,A) 実開 平7−15834(JP,U) 実開 平4−97505(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業現場の下地上に設定した六角格子パ
    ターンの交点にマーキングする工程と、マーキング点に
    支柱を立設する工程と、上記パターンに沿って帯状の合
    成樹脂製ネットを展張しながら上記ネットを支柱に取り
    付けてハニカム状の立体構造体を形成する工程と、上記
    ネットに囲まれた枠内に土砂を充填する工程と、からな
    る植生基盤構築方法。
  2. 【請求項2】 作業現場の下地上に設定したパターンに
    沿って合成樹脂製ネットを展張させる際に、上記ネット
    を下地の下縁に沿って多段に配設させるとともに、隣接
    する上下両段ネットの寄り付き部分を二重構造に構成す
    るようにした請求項1記載の植生基盤構築方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製ネットを連結部材によって支
    柱に固定するようにした請求項1または2記載の植生基
    盤構築方法。
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