JP2000034731A - 木 柵 - Google Patents

木 柵

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JP2000034731A
JP2000034731A JP11125534A JP12553499A JP2000034731A JP 2000034731 A JP2000034731 A JP 2000034731A JP 11125534 A JP11125534 A JP 11125534A JP 12553499 A JP12553499 A JP 12553499A JP 2000034731 A JP2000034731 A JP 2000034731A
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fence
wooden fence
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JP11125534A
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Akira Hara
昭 原
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SHINKAI KOGYO KK
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に渡って立設状態を強固に保持できると
共に、現場における施工を簡単かつ効率的に行うことが
でき、木材部分の取り替え作業も極めて容易で自然とも
調和する木柵を提供する。 【解決手段】本発明の木柵1は、地盤に立設される木製
支柱材2と、木製支柱材2に取り付けられた木製柵材3
とを有し、木製支柱材2の下部付近には金属製棒材4が
取り付けられ、かつ杭材として下方に突出している。こ
のため、外装材として自然と調和する木材が使用され、
支持材或いは補強材として金属材料が用いられ、木柵の
立設状態を長期に渡って強固に保持できると共に、現場
施工を簡単かつ効率的に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土地の境界や区画
などに設ける木柵、主として河岸や山肌等の法面におけ
る土留め用柵として使用して好適な木柵に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図16に示すように、複数本
の木製支柱材31を地盤に打ち込んで立設し、これら支
柱材31の間に丸太32を下段より順次配設し、針金3
3にて木製支柱材31にそれぞれ固定した木柵30が使
用されている。この種の木柵は、景観等自然と調和する
ため、近年、コンクリートの代替として見直され需要が
増大している。特に建設省が平成10年度よりコンクリ
ート剥き出しの護岸工事を回避する方針を打ち出してお
り、従来の木柵の諸問題を解決した新たな木柵が嘱望さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】具体的には、この種の
木柵30は、各支柱材31の下端部が切削され鋭利に形
成されているとはいえ、場所によっては2m程打ち込む
必要があり、このような打ち込み作業はかなりの重労働
であり、特に地盤が岩盤や礫質の場合には、穿孔装置等
により予め支柱材31と略同径の太い孔を穿つ必要があ
り極めて煩雑な作業となっている。このため、実際には
所要の深さまで支柱材を打ち込むことなく立設されてい
るケースも多く、長期に渡って立設状態を保持すること
が困難で、特に土留め用木柵として使用される場合は土
圧により倒壊することもあった。そして、倒壊した場合
には、木柵では土留め困難な場所であるとして、施工が
比較的容易で強度性に優れたコンクリートによって法面
施工が為されていた。
【0004】また、木柵は防腐処理を施したとしても材
質上腐食することがあり、その場合は上記煩雑な立設作
業を再度行う必要があり、それが木柵の使用を敬遠する
一因ともなっていた。
【0005】このように、木柵は強度および施工性にお
いてコンクリートに劣ると考えられる傾向にあり、コン
クリートに代替されて行った経緯を有する。しかし、本
願発明者は、木柵の倒壊は主材たる木材の破損等による
ものはむしろ少なく、木柵の構造的或いは施工上の問題
に起因していることに着目し、さらに、再施工が容易な
木柵を鋭意研究した結果、本願発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の第1の課題は、自然と調和する
木柵であって、長期に渡って立設状態を強固に保持でき
ると共に、木材部分の取り替えも容易で現場における施
工を簡単かつ効率的に行うことができる木柵を提供する
ことにある。
【0006】また、上記のような従来の木柵30は、樹
脂の塗布或いは注入により防腐処理を行うことが一般的
であるが、このような処理に対しては、近年、薬害が指
摘されており、特に河岸等の水際における土留め用木柵
として一部が浸水して配設されるような場合は、水中へ
の薬剤溶出が懸念される。
【0007】そこで、本発明の第2の課題は、薬害なく
防腐処理が可能であり、さらに水中に木柵の一部が配設
された場合、水質浄化作用を奏することができる木柵を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るものは、地盤に立設される木製支柱材と、該木製支柱
材に取り付けられた木製柵材とを有し、前記木製支柱材
の下部付近には金属製棒材が取り付けられ、かつ杭材と
して下方に突出していることを特徴とする木柵である。
そして、前記木製支柱材と前記金属製棒材との係合部付
近には係合部補強材が取り付けられていることが好まし
い。
【0009】また、上記第1の課題を解決するものは、
地盤に傾斜して立設される木製支柱材と、該木製支柱材
に取り付けられた木製柵材とを有し、前記木製支柱材の
下部付近には金属製棒材が取り付けられると共に略水平
方向に屈曲されて、前記木製支柱材の上部付近より下方
に延在する金属材と連結されて立設状態を保持している
ことを特徴とする木柵である。
【0010】前記木製支柱材および前記木製柵材は、焼
丸太にて形成されていることが好ましい。前記木製支柱
材の下部内には、棒材挿嵌孔が穿孔されており、前記金
属製棒材は、該棒材挿嵌孔内に挿嵌されていることが好
ましい。前記木製支柱材および前記木製柵材は、少なく
とも木口および/または前記棒材挿嵌孔内が木タールに
て被覆されていることが好ましい。なお、前記木製支柱
材の地盤内に埋設される部位には、コンクリートが打設
されていてもよい。
【0011】また、上記第2の課題を解決するものは、
地盤に立設される木製支柱材と、該木製支柱材に取り付
けられた木製柵材とを有し、前記木製支柱材および前記
木製柵材は、焼丸太にて形成されていることを特徴とす
る木柵である。そして、薬害のない防腐処理のために
は、木製支柱材および木製柵材の全体が焼丸太にて形成
されていることが好ましいが、水質浄化作用を奏するた
めには、少なくとも木柵のうち水中に浸水する部分が焼
丸太で形成されていればよい。また、前記木製支柱材お
よび前記木製柵材は、少なくとも木口が木タールにて被
覆されていることが好ましい。
【0012】上記のように、本発明の木柵は、外装材と
して木材が使用され、支持材として金属材が用いられて
いるため、自然と調和する木材の利点と強度に優れた金
属材料の利点が共に活かされ、長期に渡って立設状態が
強固に保持される共に、現場における施工が簡単かつ効
率的になされ自然とも調和する。さらに、木材部分を取
り替える場合は改めて杭材を打ち込む必要はなく、金属
製棒材を地盤中に残した状態で木材部分(木製支柱材お
よび木製柵材)のみを金属製棒材に取り付ければよく、
取り替え作業が著しく容易化される。
【0013】また、本発明の木柵では、木製支柱材およ
び木製柵材が焼丸太にて形成されているため、樹脂注入
等薬害が懸念される防腐処理によることなく、防腐性に
優れた木柵が形成される。特に河川等の水際における土
留め用木柵として使用される場合、防腐用樹脂が水中に
溶出するおそれがなく、さらに水中に配されると炭化部
分において水質浄化作用を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】そこで、本発明の木柵を図1ない
し図3に示した一実施例を用いて説明する。図1は本発
明の木柵の一実施例の正面図であり、図2は図1のA−
A線断面図であり、図3は本発明の木柵の使用方法の一
例を説明するための断面概略図である。
【0015】この実施例の木柵1は、地盤に立設される
木製支柱材2と、木製支柱材2に取り付けられた木製柵
材3とを有し、木製支柱材2の下部付近には金属製棒材
4が取り付けられ、かつ杭材として下方に突出してい
る。以下、各構成について順次説明する。
【0016】木製支柱材2は施工現場の地盤に立設され
るものであり、この実施例では丸太が使用され、後述す
る木製柵材3が取り付けられてそれらを支持している。
木製支柱材2は、図1に示すように地盤に所定間隔(こ
の実施例では1.5m〜2m毎に)離間して配置され、
その下部は地盤中に埋設される。
【0017】木製支柱材2の下部付近にはそれぞれ金属
製棒材4が取り付けられており、かつ杭材として、木製
支柱材2の下端より下方に突出している。なお、この実
施例の木製支柱材2と金属製棒材4との取付けは、図2
に示すように、木製支柱材2の下部に棒材挿嵌孔2aが
穿孔され、該棒材挿嵌孔2a内に金属製棒材4が挿嵌さ
れることによりなされている。
【0018】より具体的には、棒材挿嵌孔2aは、挿嵌
する金属製棒材4と嵌合可能な中空部(この実施例では
金属製棒材4の外径と略同一径の中空部)に穿孔形成さ
れ、金属製棒材4は棒材挿嵌孔2a内に押し込まれて挿
嵌されている。
【0019】棒材挿嵌孔2aの長さは、土圧等によって
金属製棒材4が棒材挿嵌孔2aより離脱しない程度以上
であればよく、この実施例では木製支柱材2の長さの1
/3程度(0.5m)となっている。
【0020】なお、木製支柱材と金属製棒材との取付構
造はこれに限定されるものではなく、木製支柱材と金属
製棒材とを強固に連結できるものであればどのような構
造であってもよく、例えば逆に金属製棒材が上端部に支
柱材嵌入部を有し、この支柱材嵌入部内に木製支柱材の
下部が挿嵌されていてもよく、また、木製支柱材の外面
に金属製棒材が連結部材により連結されていてもよい。
【0021】さらに、本発明の取付構造に加えて、木製
支柱材と金属製棒材との嵌着を補強する部材、例えば複
数の環状リング、或いは上下端が開口した金属製筒状体
などが木製支柱材の下部外面に被嵌されていてもよい。
これにより木製支柱材と金属製棒材との嵌着部である木
製支柱材の下部付近が土圧などで破壊されることをより
防止できる。なお、この実施例では、図1および図2に
示すように、木製支柱材2の下部付近は施工時にコンク
リート5が打設され補強されている。これにより土圧等
による木製支柱材2の下部付近の破壊がより防止される
と共に木製支柱材2の地盤内における腐食が防止され
る。
【0022】また、金属製棒材はこの実施例のように円
柱体形状ではなく、例えば多角柱状体であってもよく、
それに伴って棒材挿嵌孔も多角形状に対応した中空部に
形成されていてもよい。さらに、金属製棒材の外面には
螺合部が形成され、棒材挿嵌孔の内面にもこれと螺合す
る螺合部が設けられていてもよい。さらに、この実施例
では、木製支柱材と金属製棒材との嵌着は、地盤内のみ
にて為されているがこれに限定されるものではなく、地
上部位に金属製棒材が延在するものであってもよい。
【0023】金属製棒材4は、地盤中深部にまで埋設さ
れ木柵の立設状態を強固に保持するためのものであり、
木製支持材2の下部に嵌着され、杭材として木製支持材
2の下端より下方に向かって突出している。
【0024】具体的には、この実施例の金属製棒材4
は、木製支持材2より細くかつ強靭性を有するため、地
盤中に打ち込み容易であり、また、地盤が岩盤である場
合にも穿孔する孔が小さくて足りる。よって、長期に渡
って木柵の立設状態を強固に保持できると共に、現場に
おける施工を簡単かつ効率的に行うことができる。ま
た、木材部分(木製支柱材および木製柵材)を取り替え
る場合には改めて杭材を打ち込む必要がなく、金属製棒
材4を地盤中に残した状態で木材部分のみを金属製棒材
4に取り付ければよく、取り替え作業を著しく容易化で
きる。
【0025】金属製棒材4としては、土圧などにより湾
曲および折損しない程度の強度を備えるものであればど
のようなものでもよいが、この実施例では、鉄杭が使用
されている。また、金属製棒材4の下端部は、より地盤
中に打ち込み容易とするため、鋭利部に形成されている
ことが好ましい。さらに、金属製棒材4の太さおよび長
さは、施工される現場の地盤状態において適宜設計変更
可能であるが、この実施例では、外径32mm、長さ
1.5mのものが使用されている。
【0026】木製柵材3は側壁部を構成するためのもの
であり、この実施例では丸太が使用され、水平方向に隣
接して並設されている。ただし、木製柵材はこの構造に
限定されるものではなく、例えば垂直方向に並設されて
いてもよく、また、土留め用木柵として使用されない場
合は、必ずしも隣接させる必要はなく、ある程度離間さ
せて並設されていてもよい。さらに、丸太ではなく板材
を用いてもよい。
【0027】木製柵材3としての丸太の使用本数は、図
1および図2に示した実施例では8本であるが、施工す
る部位において適宜変更可能であり、1以上であれば何
本でもよい。各木製柵材3は、図1に示すように、木製
支持材2の中間付近で、かつ木製柵材3の背面側に垂直
方向に延在して貼設される金属板6にビスにて個々に連
結されている。そして、金属板6にて連結された木製柵
材3は、最上段に位置する木製柵材3が木製支柱材2と
共に貫通する締付部材7により堅結され、木製支柱材2
に取り付けられている。ただし、木製支柱材2への取付
構造はこれに限定されるものではなく、例えば複数の締
付部材7によるなど容易に外れないものであることが好
ましい。
【0028】木製支持材2および木製柵材3を構成する
木材としては、どのようなものでよいが、間伐材や小径
木が有効に活用でき、樹種としては、から松、桧、杉、
栂、樅、椹、赤松などが好適に使用できる。また、木製
支持材2および木製柵材3としては丸太材が好ましく、
さらには、この実施例のように焼丸太であることがより
好ましい。これにより、樹脂注入等薬害が懸念される防
腐処理によることなく、防腐性に優れた木柵を形成でき
る。特に河川等の水際における土留め用木柵として使用
された場合でも、防腐用樹脂が水中に溶出するおそれが
なく、逆に水質浄化作用を奏することができる。
【0029】さらに、この実施例の木柵1には、図2に
示すように、アンカー8により係止される倒壊防止部材
9が取り付けられている。具体的には、この倒壊防止部
材9は、木製支持材2にボルト9aを介して一端が固定
される第1金属棒9bと、他端付近にアンカー挿通孔
(図示せず)を有した第2金属棒9cと、第1金属棒9
bと第2金属棒9cとを連接する連結材9dとからな
り、アンカー8を第2金属棒9cのアンカー挿通孔内に
挿通した状態で、土中に打ち込むことによって木柵1が
土圧により倒壊しないように機能させる。
【0030】なお、この実施例の倒壊防止部材9は、連
結材9dを設けることによって、その全長を調整可能と
なっており、これにより、アンカー8の打ち込み部位を
より適切な部位に適宜選択可能とし、或いは、アンカー
8を打ち込んだ後、アンカー8と木柵1との相対的位置
を微調整可能としている。
【0031】さらに、木製支柱材2および木製柵材3の
外面、少なくとも木口および/または棒材挿嵌孔2a内
には木タールが付着され被覆されていることが好まし
い。これは腐食が進行し易い部位(木口)にさらなる防
腐処理を施すものであり、また、棒材挿嵌孔2a内にも
薬害のない防腐処理を施すためである。なお、木口や棒
材挿嵌孔2a内以外の部位も木タールで被覆することが
より好ましい。
【0032】そして、本発明の木柵は、予め工場にて木
製支柱材2と木製柵材3とが連結され、さらに木製支柱
材2の下部付近に金属製棒材4が取り付けられて、かつ
下方に突出した状態に作製されるため、現場施工に際し
ては、基本的には金属製棒材4を地盤中に埋設するのみ
であり、施工を簡単かつ効率的に行うことができる。
【0033】以上のように、本発明の木柵は、外装材と
しては木材が使用され自然と調和する外観を呈する共
に、支持材として金属材料が用いられ、さらにコンクリ
ートも必要に応じて使用するため、異種材料の共働使用
にも寄与する。
【0034】つぎに、本発明の使用方法について、図3
に示した一使用例を用いて説明する。この使用例では、
本発明の木柵1は河川の法面40における土留め用木柵
として使用されている。具体的には、木柵1は法面40
において両岸に段階的にそれぞれ3つ配設され、背面側
に砕石および土砂41を埋設して階段状の堤防を構成す
る。ただし、本発明の木柵はこのような使用に限定され
るものではなく、例えば公園等の柵として或いは植栽部
を形成する外囲等としても使用可能である。
【0035】さらに、図4および図5に示した本発明の
他の実施例の木柵20について説明する。この実施例の
木柵20は、図5に示すように地盤に傾斜して立設され
る木製支柱材2と、木製支柱材2に取り付けられた木製
柵材3とを有し、木製支柱材2の下部付近には金属製棒
材24が取り付けられると共に略水平方向に屈曲され
て、木製支柱材の上部付近より下方に延在する金属材2
5と連結され立設状態を保持している。
【0036】この実施例の木柵20は、基本的には土留
め用木柵であり、かつ地盤上或いは地盤中に載置するタ
イプのものである。従って、金属製棒材を杭材として機
能させるものではなく、安定して立設可能とするために
使用する。そして、前述した木柵1との基本的な相違
は、木製支柱材2および木製支柱材2に取り付けられた
木製柵材3が地盤に対して傾斜して立設される点、木製
支柱材2の下部付近に嵌着される金属製棒材24が下方
に突出すると共に略水平方向に屈曲している点、さら
に、金属製棒材24と木製支柱材の上部付近より斜め下
方に延在する金属材25とが直接的或いは間接的に連結
され立設状態を保持している点である。以下、相違点を
順次詳述する。
【0037】木製支柱材2および木製支柱材2に取り付
けられた木製柵材3が地盤に対して傾斜して立設される
のは、背面側に埋設される土砂等の土圧に、より抗する
ことができる構造とするためである。傾斜角度は、施工
現場の状況(土圧や法面の傾斜角度等)により適宜変更
可能である。
【0038】木製支柱材2の下部付近には、金属製棒材
24が嵌着され、若干下方に突出してさらに略水平方向
に屈曲している。換言すれば、金属製棒材24は、図5
に示すように側面視で略L字型に屈曲されており、木柵
20の背面側において、木製支柱材2との嵌着部24a
および水平方向延在部24bとで鋭角部を形成してい
る。
【0039】また、図5に示すように、木製支柱材2の
下端には木製柵材3と平行して延在する木製材料(丸
太)26が当接され、さらに、金属製棒材24の他端側
にも木製柵材3と平行して延在する木製材料(丸太)2
7が配設され、金属製棒材24は両者をそれぞれ貫通し
ている。すなわち、木製材料(丸太)26,27は、こ
の木柵20を地盤に載置する際の載置状態を安定化させ
るためのものである。また、金属製棒材24の上方に
も、複数の木製材料(丸太)29が平行に敷設されてお
り、これらの上部に土砂が配されて木柵20の倒壊をよ
り防止するように構成されている。
【0040】さらに、木製支柱材2の上部付近には、木
製支持材2および木製柵材3を貫通して表面側にてボル
ト締めされた金属材25が取り付けられており、この金
属材25は斜め下方に延在して、金属板28を介して金
属製棒材24の他端側と連接されている。すなわち、木
柵20は、図5に示すように木製支持材2、金属製棒材
24および金属材25により側面視で3角形を形成し、
立設状態が強固に保持されている。
【0041】なお、金属材25は、上部に位置する第1
金属棒材25aと、下部に位置する第2金属棒材25b
と、両者を連結する連結材25cとからなり、第1金属
棒材25aの下方外面および第2金属棒材25bの上方
外面にそれぞれ設けられた螺合手段と連結材25cとの
螺合状態を調整することにより、立設状態の微調整が可
能となっている。また、金属板28は金属製棒材24お
よび金属材25にそれぞれ溶接され両者の連結状態を保
持している。
【0042】つぎに、本発明の木柵の木製支柱材と金属
製棒材との係合部付近を補強するための係合部補強材
を、図6ないし図15に示した各実施例を用いて説明す
る。なお、これら係合部補強材は土圧等により木柵に負
荷がかかった場合、最も損傷し易い部位、具体的には木
製支柱材と金属製棒材との係合部付近のうち、図15
中、特にC部(係合下部)或いはD部(係合上部)を補
強するためのものである。これらの部位は、木柵に過度
の負荷がかかると、杭材として地盤中に略不動に打ち込
まれた金属製棒材が、強度性に劣る木製支柱材を内側
(棒材挿嵌孔内)から圧迫し破損させるおそれがある部
位である。そのため、より長期に渡って木柵の立設状態
を保持するためには木製支柱材と金属製棒材との一体性
を強固に保持するための何らかの補強が施されることが
好ましく、このような観点から木柵に取り付けられるも
のである。以下、順次説明する。
【0043】図6および図7に示した係合部補強材50
は、金属製プレートにて形成されており、図7に示すよ
うに、中央部付近に金属製棒材挿通孔50aと、その両
側に固着手段挿通用孔50b,50cをそれぞれ備えて
いる。そして、この係合部補強材50は、図7に示すよ
うに木製支柱材2の下端面(木口)に固定され、木口に
クラックが発生することを防止する。
【0044】より具体的には、係合部補強材50は、木
製支柱材2の木口に面当接させた状態で、固着手段であ
る釘(51a,51b)等を固着手段挿通用孔50b,
50c内に打ち込んで固定されている。そして、金属製
棒材挿通孔50a内に金属製棒材4が挿通された状態で
前記C部を木口側より補強するよう構成されている。
【0045】つぎに、図8に示した係合部補強材52
は、木製支柱材2の下端部(前記C部)を被嵌或いは被
包するように有底筒状体に構成されたものであり、図に
示すように底面部52a中央部付近に金属製棒材挿通孔
52bと、前述した係合部補強材50と同様、金属製棒
材挿通孔52bの両側にそれぞれ固着手段挿通用孔(図
示しない)を備えている。さらに、この係合部補強材5
2は、側壁部(この実施例では環状側壁部)52cを有
しており、この環状側壁部52bが木製支柱材2の下端
部側壁部を被包してタガとして機能するため、木口にク
ラックが生じることをより防止でき前記C部を補強する
よう構成されている。
【0046】図9に示した係合部補強材53は、上記係
合部補強材52の構造に加え、側壁部53a内におい
て、底面53cに設けられた金属製棒材挿通孔53dの
開口端部に沿って金属製棒材4の挿通方向に延びる立面
部53b(この実施例では環状立面部)を有している。
そして、このような立面部53bが設けられることによ
り、立面部53bの内壁面と金属製棒材4の外壁面とが
当接するため、係合部補強材53と金属製棒材4との一
体性が強化され、木製支柱材2の木口にクラックが発生
したり破損することをより防止できる。
【0047】図10に示した係合部補強材54は、図9
に示した係合部補強材53と同様の効果を奏するもので
あり、立面部54bが内側ではなく外側に向かって突出
している点のみが異なる。
【0048】図11に示した係合部補強材55は、図6
に示した係合部補強材50の構造に加え、底面55cに
設けられた金属製棒材挿通孔55dの開口端部に沿って
金属製棒材4の挿通方向に延びる立面部55b(この実
施例では環状立面部)を備えたものである。
【0049】図12に示した係合部補強材56は、図1
1に示した係合部補強材55と同一形態のものであり、
係合部補強材55の立面部55bが木製支柱材2の金属
製棒材挿嵌孔2a内に挿入されて使用されるのに対し
て、係合部補強材56の立面部56bは、木製支柱材2
の木口の下方に突出するように使用される点のみ異なる
ものである。
【0050】図13に示した係合部補強材57は、図9
に示した係合部補強材53の構造に加え、外側に向かっ
て突出する第2の立面部57eが設けられている点のみ
異なるものである。これにより、係合部補強材57と金
属製棒材4との一体性がより強化され、木製支柱材2の
木口にクラックが発生したり破損することをより防止で
きる。
【0051】図14および図15に示した係合部補強材
58は、C部または/およびD部を木製支柱材2の外壁
面側より補強するタイプのものであり、図14に示すよ
うに、木製支柱材2の外壁面形状に対応した内壁面形状
を有している。具体的には、この実施例の係合部補強材
58は、一部が縦方向に分断された円筒体で構成されて
おり、支柱材被包部58aと、支柱材被包部58a内に
設けられた支柱材挿通部58bと、分断部58cとから
構成されている。そして、この係合部補強材58を木製
支柱材2に取り付ける場合は、分断部58cを若干広め
に離間させた後、木製支柱材2を支柱材挿通部58b内
に挿通させ釘などで固定して使用する。
【0052】なお、上記係合部補強材は、強度性に優れ
た金属材料にて形成されることが好ましいがこれに限定
されるものではなく強化プラスチックなど他の材料にて
形成してもよい。また、上記係合部補強材を複数種組み
合わせて使用してもよい。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、自然
と調和する木柵の立設状態を長期に渡って強固に保持で
きると共に、現場施工を簡単かつ効率的に行うことがで
き、さらに取り替え作業も著しく容易化できる。請求項
2に記載した発明によれば、木柵に土圧等負荷がかかっ
て杭材として地盤中に略不動に打ち込まれた金属製棒材
が、強度性に劣る木製支柱材を内側(棒材挿嵌孔内)か
ら圧迫し破損させることを防止でき、より長期に渡って
木柵の立設状態を保持できる。請求項3に記載した発明
によれば、自然と調和する木柵の立設状態を長期に渡っ
て強固に保持できると共に、現場施工を簡単かつ効率的
に行うことができる。請求項4に記載した発明によれ
ば、上記効果に加え、樹脂注入等薬害が懸念される防腐
処理によることなく、防腐性に優れた木柵を形成でき
る。請求項5に記載した発明によれば、自然と調和する
木柵の立設状態を長期に渡って強固に保持できると共
に、現場施工を簡単かつ効率的に行うことができる木柵
を容易に作製することができる。請求項6に記載した発
明によれば、木材部分の腐食を防止できる。請求項7に
記載した発明によれば、防腐性に優れた木柵を形成でき
ると共に、薬害もなく、さらに水中に一部が配設された
場合、水質浄化作用を奏することができる。請求項8に
記載した発明によれば、上記請求項7の効果に加え木材
部分の腐食をさらに防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木柵の一実施例の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の木柵の使用方法の一例を説明するため
の断面概略図である。
【図4】本発明の木柵の他の実施例の正面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材の
一実施例の平面図である。
【図7】図7の係合部補強材の取付状態を示す部分縦断
面図である。
【図8】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材の
他の実施例の縦断面図である。
【図9】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材の
他の実施例の縦断面図である。
【図10】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材
の他の実施例の縦断面図である。
【図11】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材
の他の実施例の縦断面図である。
【図12】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材
の他の実施例の縦断面図である。
【図13】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材
の他の実施例の縦断面図である。
【図14】本発明の木柵に取り付けられる係合部補強材
の他の実施例の平面図である。
【図15】図14の係合部補強材の取付状態を示す部分
側面図である。
【図16】従来の木柵の斜視概略図である。
【符号の説明】
1 木柵 2 木製支柱材 3 木製柵材 4 金属製棒材 5 コンクリート 6 金属板 7 締付部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に立設される木製支柱材と、該木製
    支柱材に取り付けられた木製柵材とを有し、前記木製支
    柱材の下部付近には金属製棒材が取り付けられ、かつ杭
    材として下方に突出していることを特徴とする木柵。
  2. 【請求項2】 前記木製支柱材と前記金属製棒材との係
    合部付近には係合部補強材が取り付けられている請求項
    1または2に記載の木柵。
  3. 【請求項3】 地盤に傾斜して立設される木製支柱材
    と、該木製支柱材に取り付けられた木製柵材とを有し、
    前記木製支柱材の下部付近には金属製棒材が取り付けら
    れると共に略水平方向に屈曲されて、前記木製支柱材の
    上部付近より下方に延在する金属材と連結されて立設状
    態を保持していることを特徴とする木柵。
  4. 【請求項4】 前記木製支柱材および前記木製柵材は、
    焼丸太にて形成されている請求項1ないし3のいずかに
    記載の木柵。
  5. 【請求項5】 前記木製支柱材の下部内には、棒材挿嵌
    孔が穿孔されており、前記金属製棒材は、該棒材挿嵌孔
    内に挿嵌されている請求項1ないし4のいずれかに記載
    の木柵。
  6. 【請求項6】 前記木製支柱材および前記木製柵材は、
    少なくとも木口および/または前記棒材挿嵌孔内が木タ
    ールにて被覆されている請求項5に記載の木柵。
  7. 【請求項7】 地盤に立設される木製支柱材と、該木製
    支柱材に取り付けられた木製柵材とを有し、前記木製支
    柱材および前記木製柵材は、焼丸太にて形成されている
    ことを特徴とする木柵。
  8. 【請求項8】 前記木製支柱材および前記木製柵材は、
    少なくとも木口が木タールにて被覆されている請求項7
    に記載の木柵。
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