JP3922414B2 - 斜面安定化工法および斜面安定化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、斜面の安定化を図るための斜面安定化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
斜面の安定化を図る斜面安定化工法として、図19に示すように、斜面に複数のアンカー1を一定の配列で施工するとともに、各アンカー1に支圧板2を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ前記各アンカー1間をワイヤロープ3等の線状体で連結する工法が知られている(特開平10−88577号等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の工法において、各アンカー1間を連結するワイヤロープ3は、斜面滑動時の引き留め効果を発揮するとともに、アンカー1同士を一体化させる効果があり、斜面安定化に有効である。しかし、斜面安定の効果をさらに向上させることが望ましい。特に、樹木のない裸地の場合、樹木が茂っている斜面ではその根が斜面滑動抑止に大きく寄与するのに対して、そのような作用を期待できないので、斜面安定の効果を一層向上させることが望まれる。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、配列したアンカー間を連結した線状体による斜面安定の効果を一層向上させることが可能な斜面安定化工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、斜面に複数のアンカーを一定の配列で施工するとともに、各アンカーに支圧板を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ前記各アンカー間を線状体で連結する斜面安定化工法において、前記アンカーの前記支圧板より下位に、柔軟性を持つ複数本の短尺線状体を放射状に連結した線状体取付具を取り付け、かつ各短尺線状体の先端側を支圧板の底板に設けた穴から底板の上に引き出し、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを連結し、かつ短尺線状体に張力を与えることを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1の工法において、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを連結するに際して、隣接する3つ以上のアンカーで区画される領域の内部に各アンカーからの短尺線状体を集めて連結することを特徴とする。
【0007】
請求項3は、請求項1または2の工法において、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを中間線状体を介して連結することを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1、2または3の工法において、相互に連結され張力を与えられた短尺線状体でまたは短尺線状体および中間線状体で地表面を押さえ付けることによって、斜面の安定化を図ることを特徴とする。
【0009】
請求項5は、請求項1、2、3または4の工法において、アンカーとして外周にねじを形成したアンカーボルトを用い、前記線状体取付具として、前記アンカーボルトのねじ部に螺合するナット部およびこのナット部に対して回転自在に嵌合するリング部からなるとともに、前記リング部に前記短尺線状体を連結した構成の線状体取付具を用い、この線状体取付具のナット部を回し下方に推進させて、前記短尺線状体に張力を与えることを特徴とする。
【0010】
請求項6は、請求項3または4の工法において、短尺線状体と中間線状体とを張力付与金具を介在させて連結し、前記張力付与金具の操作により短尺線状体に張力を与えることを特徴とする。
【0011】
請求項7は、請求項3、4または5の工法において、各アンカーをそれらが正三角形網目の交点に位置する配列で施工するとともに、三角形をなして隣接する3本のアンカーの線状体取付具からそれぞれ引き出された3本の短尺線状体間を、三角形環状にした中間線状体の各頂点部に連結することを特徴とする。
【0012】
請求項8は、請求項3の工法において、中間線状体に、予め網状部材を取り付けておくことを特徴とする。
【0013】
請求項9は、請求項3の工法において、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを網状部材を介して連結することを特徴とする。
【0014】
請求項10は、斜面に複数のアンカーを一定の配列で施工するとともに、各アンカーに支圧板を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ前記各アンカー間を線状体で連結する斜面安定化工法に用いる斜面安定化装置であって、
前記アンカーの前記支圧板より下位に、柔軟性を持つ複数本の短尺線状体を放射状に連結した線状体取付具を取り付け、かつ各短尺線状体の先端側を支圧板の底板に設けた穴から底板の上に引き出し、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを連結し、かつ短尺線状体に張力を与えた構成である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図18を参照して説明する。図1〜図7は本発明の一実施形態の斜面安定化工法を施工手順に沿って示す説明図である。また、図9は図7の要部の詳細拡大図、図10は図9の平面図である。また、図12は施工後の斜面におけるアンカー配列および線状体連結態様を示す平面図、図13は図12の要部を拡大した平面図である。
【0016】
本発明の斜面安定化工法は、これらの図に示すように、斜面に複数のアンカー11を一定の配列で施工するとともに、各アンカー11に支圧板12を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ前記各アンカー11間を線状体で連結する工法であって、前記アンカー11の支圧板12より下位に、柔軟性を持つ複数本の短尺線状体13を放射状に連結した線状体取付具14を取り付け、かつ各短尺線状体13の先端側を支圧板12の底板15の穴、例えばアンカー挿入穴15aから底板15の上に引き出し、隣接するアンカー11の線状体取付具14の短尺線状体13どうしを直接または間接的に連結し、かつ短尺線状体13に張力を与える工法であり、また、張力を与えるとともに、地表面を抑えることによって、斜面の安定化を図るものである。
【0017】
以下、一実施形態の斜面安定化工法を、施工手順を示した図1〜図7を参照して詳細に説明すると、まず、施工対象の斜面において、図1に示すように、移動抑止部材20を上方の適宜の位置に取り付けたアンカー11を、地盤18にあけたアンカー穴18aに挿入する。実施形態のアンカー11は図9に示すように外周にねじを形成したアンカーボルトであり、移動抑止部材20はこのアンカー11に螺合して取り付けられるナット状の部材である。この移動抑止部材20は予めアンカー11に取り付けられていてもよいし、施工現場でアンカー穴に挿入する前に取り付けてもよい。実施形態では、アンカー11の配列を、図12および要部拡大の図13のように、各アンカー11が正三角形網目の交点に位置するような配列としている。したがって、隣接する3本のアンカー11が正三角形をなし、また、1つのアンカー11の周囲の6本のアンカー11が正六角形をなす配列である。
【0018】
次いで、図2に示すように、アンカー穴18aにグラウト19を注入する。
次いで、図3に示すように、アンカー11に、例えばワイヤロープ等の柔軟性を持つ複数本の短尺線状体13を放射状に連結した線状体取付具14を取り付ける。この線状体取付具14は、図8(イ)、(ロ)に詳細を示すように、アンカーボルトであるアンカー11のねじ部に螺合するナット部21およびこのナット部21に対して回転自在に嵌合するリング部22からなり、リング部22に設けたワイヤ掛け部22aに前記短尺線状体13を連結した構成である。後述するように、この線状体取付具14のナット部21を回すと、ナット部21が螺合するアンカー11に沿って線状体取付具14が下降し、短尺線状体13に張力を与えることができる。
【0019】
次いで、図4に示すように、支圧板12をアンカー11の頭部に被せるようにして地上にセットする。実施形態の支圧板12は、鋼板製であり、図9、図10に示すように、前記底板15と、この底板15の中心部にあけたアンカー挿通穴15aに合わせて溶接固定した筒体16と、この筒体16を補強するように底板15および筒体16に溶接固定したリブ17とからなる。図示例では、底板15が正六角形をなし、リブ17は筒体16の外周面から正六角形の各頂点へ向かっている。また、隣接するリブ17間の筒体16下端部には、短尺線状体13を通すための切り欠き16aを設けている。
この場合、線状体取付具14に繋いだ6本の短尺線状体13は、底板15のアンカー挿通穴15a、筒体16にあけた切り欠き16aを通して筒体16の外に引き出しておく。
【0020】
次いで、図5に示すように、隣接するアンカー11の線状体取付具14の短尺線状体13間を中間線状体24で連結する。このように、この実施形態では、短尺線状体13どうしを直接でなく間接的に連結する。実施形態の中間線状体24は1本のワイヤロープであり、図12、図13にも示すように、正三角形をなす3つの隣接するアンカー11から導いた3本の短尺線状体13の先端の係止金具13aを引き回して、三角形環状に閉ざしている。3本の中間線状体を三角形環状に連結してもよい。
【0021】
次いで、図6に示すように、外周にねじを形成したアンカー11に螺合する線状体取付具14のナット部21を回して、線状体取付具14を下降させると、短尺線状体13に張力が発生する。この場合、ナット部21を回した時、短尺線状体13を取り付けたリング部22は連れ回りしないので、短尺線状体13が一緒に回ってしまう不都合は生じない。なお、短尺線状体13に張力が発生するとは、当然に中間線状体24にも張力が発生することである。
これにより、短尺線状体13および中間線状体24は、アンカー11間を連結して斜面滑動時の引き留め効果を発揮する作用やアンカー11どうしを一体化させるという作用だけでなく、すなわちアンカー11の本来の機能を高める作用だけでなく、それ自体で地面を押し付けて土塊を拘束する作用を生じ、斜面安定化を促進する作用を生じる。すなわち、アンカー11間の線状体13、24は、単なる水平方向の張力のみでなく、アンカー11沿いの下向きの張力でアンカー11間を連結するので、この線状体13、24には、地面を押し付ける力が有効に作用し、土塊を拘束するために有効である。特に、樹木のない裸地の斜面の場合は、樹木の根系の斜面滑動抑止作用がないので、支圧板12から離れた個所で局所的な土塊移動が起きやすいといえるから、上述の短尺線状体13および中間線状体24による中間領域の地面押さえ付けは、斜面安定化に有効である。
なお、上記の作業において、ナット部21を回すのは、例えば充分細長いボックススパナ等を底板15のアンカー挿通穴15aから挿入して、行うことができる。
【0022】
次いで、図7およびこれを拡大した図9に示すように、底板15のアンカー挿通穴15aに合わせて座金プレート25を置き、アンカー11の頭部にナット26を螺合させ締め付ける。このナット26の締め付け力でアンカー11に張力が発生し、この張力の反力を受ける底板15が地面を押し付けて、土塊を拘束する作用すなわち斜面地盤の滑動を抑止する作用をする。なお、座金プレート25には図11に示すように、短尺線状体13を交わすためのスリット25aを外周側に放射状に形成している。
その後、アンカーボルト頭部の空間に防錆剤を充填した後に、筒体16に保護等のためのキャップ27を被せる。
【0023】
上述の実施形態は、正三角形をなして隣接する3つのアンカー11の各線状体取付具14からの3本の短尺線状体13の先端部を、三角形環状に閉じる1本の中間線状体24で連結するものであるが、この三角形環状に閉じた形状は、アンカー11間の中間領域の地面を有効に押え付けるために効果的である。
しかし、図14に示すように、正三角形をなして隣接する3つのアンカー11の各線状体取付具14からの3本の短尺線状体13の先端を直接連結(連結点をPで示す)してもよい。
【0024】
また、上述の実施形態では、線状体取付具14を下降させて短尺線状体13に張力を与えているが、必ずしも線状体取付具14を下降させる方法に限らない。例えば、図15(イ)のように、短尺線状体13と中間線状体24とをターンバックル等の張力付与金具31を介して連結し、張力付与金具31を締めつけて短尺線状体13および中間線状体24に張力を付与してもよい。
さらに、図15(ロ)のように、1本のワイヤロープである中間線状体24を張力付与金具32を介して三角形環状に閉ざし、この張力付与金具32で中間線状体24を締めつけて、短尺線状体13および中間線状体24に張力を付与してもよい。
【0025】
また、図16(イ)に示すように、中間線状体24に予め金網や樹脂ネット等の網状部材28を取り付けておくこともできる。
また、図16(ロ)に示すように、3本の短尺線状体13にそれぞれ連結した中間線状体24’が一点で連結され、その連結点の周囲の適宜の面積を持つ網状部材28が中間線状体24’に取り付けられた構成でもよい。この場合、図16(ハ)のように、中間線状体24’を網状部材28の網目に交互にくぐり抜ける形で通して、網状部材28を中間線状体24’に取り付けることができる。また、中間線状体24’の先端にU字形部を形成し、このU字形部で網状部材28に係止させてもよい。
上記のように網状部材28を中間線状体24に取り付けると、中間線状体24’が地面にめり込むことが少なくなり、土塊を拘束する効果が向上する。また、前記のように、予め網状部材28と一体化した中間線状体24’を用いると、施工性が向上する。
なお、網状部材の形状については、必ずしも三角形に限らず、四角形等任意である。
【0026】
また、上述の実施形態は、アンカー11が正三角形網目の交点に位置するような配列であるが、図17のように格子状網目の交点に位置するような配列でもよく、アンカーの配列の態様自体は任意である。図示例では、1つの格子をなす4つのアンカー11からの各短尺線状体13を四角形をなす中間線状体24で連結している。
【0027】
また、本発明において、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしの連結する態様は、上述の各実施形態のように、3つ以上のアンカーからの短尺線状体13が当該3つ以上のアンカーで囲まれた中間領域の中央近傍で直接または中間線状体24を介して連結される態様とするのが、地面押さえ付けの効果を高めるために望ましいが、必ずしもこれに限定されない。すなわち、図18のようにアンカー11間を直線的に直接連結する態様とすることを除外するものではない。図示例は、アンカー11間を短尺線状体13と中間線状体24とで連結している。
【0028】
また、短尺線状体を取り付けた線状体取付具は、実施形態のような構造に限定されない。さらに、アンカーに下降可能に取り付けるものに限らず、アンカーに固定的に取り付けるものでもよい。この場合は、地上において張力付与金具を用いて短尺線状体に張力を付与する。要するに、アンカー間に連結される線状体の一端がアンカーの地中部分に下向きに取り付けられるものであればよい。
【0029】
また、アンカーは、実施形態のようにアンカー穴を掘削しアンカー11を挿入した後グラウトを注入する方法でもよいし、打ち込み機による衝撃力でアンカー11を地盤に打ち込む方法でもよい。
【0030】
また、本発明において、短尺線状体や中間線状体等の線状体は、ワイヤロープに限らず、樹脂製ロープでもよく、さらには帯状のものであってもよい。要するに、柔軟で湾曲あるいは屈曲可能な長尺状のものであればよい。
【0031】
また、支圧板の構造は特に限定されるものではなく、例えば、底板は四角形その他の形状でもよい。また、鋼板製に限らない。要するに、アンカーに作用する張力を支圧力として地盤に伝達できるものであればよい。
また、本発明が対象とする斜面は特に限定されず、自然斜面および人工斜面のいずれにも適用可能である。人工斜面としては、例えば、自然斜面の表層を切り取った裸地の斜面、あるいは切り土斜面等である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の斜面安定化工法または斜面安定化装置によれば、アンカー間の線状体が、単なる水平方向の張力のみでなく、アンカー沿いの下向きの張力でアンカー間を連結するので、アンカーの本来の機能を高める作用だけでなく、それ自体で地面を押し付けて土塊を拘束する作用を生じ、良好な斜面安定効果を奏する。特に、樹木のない裸地の斜面の場合に好適である。
特に、請求項2のように、アンカーで区画される領域の内部に各アンカーからの短尺線状体を集めて連結することで、上記の地面押さえ付け作用が有効に働く。
【0033】
請求項3のように、短尺線状体どうしを中間線状体を介して連結する工法では、中間線状体を三角形状等のある広がりを持った配置とすることができ、地面押さえ付け作用を高まるために有効である。
【0034】
請求項5のように、ナット部およびこのナット部に対して回転自在に嵌合するリング部からなる線状体取付具を用いると、短尺線状体が連れ回りする不都合が生じることなく、線状体取付具を下降させて、短尺線状体に張力を付与することができる。また、複数本の線状体の張力付与をアンカー位置の線状体取付具の操作だけで行うことができ、能率的である。また、地上に張力付与金具等を配置せずに、線状体に張力を付与でき、例えばアンカー間が薮等で作業しにくい場合でも、支障はない。
請求項6のように、短尺線状体と中間線状体とを張力付与金具を介在させて連結すると、地上で張力付与作業を行うことができる。
請求項7の工法によれば、有効な地面押さえ付け作用が得られる。また、施工性がよい。
請求項8や請求項9のように網状部材を用いると、地面押さえ付け作用が向上する。また、請求項8のように予め中間線状体に網状部材を取り付けておくと、施工性がよい。
。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜面安定化工法の一実施形態を示すもので、施工手順の第1工程を説明する図である。
【図2】上記実施形態工法の施工手順の図1に続く第2工程を説明する図である。
【図3】上記実施形態工法の施工手順の図2に続く第3工程を説明する図である。
【図4】上記実施形態工法の施工手順の図3に続く第4工程を説明する図である。
【図5】上記実施形態工法の施工手順の図4に続く第5工程を説明する図である。
【図6】上記実施形態工法の施工手順の図5に続く第6段階を説明する図である。
【図7】上記実施形態工法の施工手順の図6に続く第7段階を説明する図である。
【図8】上記実施形態工法に用いる線状体取付具の一実施形態を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は一部断面の正面図である。
【図9】図7の要部の詳細拡大図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9における座金プレートの平面図である。
【図12】本発明工法におけるアンカー配列および線状体連結態様の一例を示す平面図である。
【図13】図12の要部の拡大詳細図である。
【図14】本発明工法におけるアンカー配列および線状体連結態様の他の例を示す平面図である。
【図15】(イ)は請求項6の一実施形態を説明する図、(ロ)は本発明の他の実施形態を説明する図である。
【図16】(イ)は請求項8の一実施形態を説明するもので網状部材近傍の平面図、(ロ)は請求項8の他の実施形態を説明するもので網状部材近傍の平面図、(ハ)は(ロ)における網状部材の断面の模式図である。
【図17】本発明のさらに他の実施形態を説明する平面図である。
【図18】本発明のさらに他の実施形態を説明する平面図である。
【図19】従来の斜面安定化工法を説明する平面図である。
【符号の説明】
11 アンカー
12 支圧板
13 短尺線状体
14 線状体取付具
15 底板
15a アンカー挿入穴
16 筒体
16a 切り欠き
17 リブ
17a 切り欠き
20 移動抑止部材
21 ナット部
22 リング部
24 中間線状体
25 座金プレート
25a スリット
26 ナット
28 網状部材
31 張力付与金具
Claims (10)
- 斜面に複数のアンカーを一定の配列で施工するとともに、各アンカーに支圧板を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ前記各アンカー間を線状体で連結する斜面安定化工法において、
前記アンカーの前記支圧板より下位に、柔軟性を持つ複数本の短尺線状体を放射状に連結した線状体取付具を取り付け、かつ各短尺線状体の先端側を支圧板の底板に設けた穴から底板の上に引き出し、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを連結し、かつ短尺線状体に張力を与えることを特徴とする斜面安定化工法。 - 前記隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを連結するに際して、隣接する3つ以上のアンカーで区画される領域の内部に各アンカーからの短尺線状体を集めて連結することを特徴とする請求項1記載の斜面安定化工法。
- 前記隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを中間線状体を介して連結することを特徴とする請求項1または2記載の斜面安定化工法。
- 前記の相互に連結され張力を与えられた短尺線状体でまたは短尺線状体および中間線状体で地表面を押さえ付けることによって、斜面の安定化を図ることを特徴とする請求項1、2または3記載の斜面安定化工法。
- 前記アンカーとして外周にねじを形成したアンカーボルトを用い、前記線状体取付具として、前記アンカーボルトのねじ部に螺合するナット部およびこのナット部に対して回転自在に嵌合するリング部からなるとともに、前記リング部に前記短尺線状体を連結した構成の線状体取付具を用い、この線状体取付具のナット部を回し下方に推進させて、前記短尺線状体に張力を与えることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の斜面安定化工法。
- 前記短尺線状体と中間線状体とを張力付与金具を介在させて連結し、前記張力付与金具の操作により短尺線状体に張力を与えることを特徴とする請求項3または4記載の斜面安定化工法。
- 各アンカーをそれらが正三角形網目の交点に位置する配列で施工するとともに、三角形をなして隣接する3本のアンカーの線状体取付具からそれぞれ引き出された3本の短尺線状体間を、三角形環状にした中間線状体の各頂点部に連結することを特徴とする請求項3、4または5記載の前記の斜面安定化工法。
- 前記中間線状体に、予め網状部材を取り付けておくことを特徴とする請求項3記載の斜面安定化工法。
- 前記隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを網状部材を介して連結することを特徴とする請求項3記載の斜面安定化工法。
- 斜面に複数のアンカーを一定の配列で施工するとともに、各アンカーに支圧板を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ前記各アンカー間を線状体で連結する斜面安定化工法に用いる斜面安定化装置であって、
前記アンカーの前記支圧板より下位に、柔軟性を持つ複数本の短尺線状体を放射状に連結した線状体取付具を取り付け、かつ各短尺線状体の先端側を支圧板の底板に設けた穴から底板の上に引き出し、隣接するアンカーの線状体取付具の短尺線状体どうしを連結し、かつ短尺線状体に張力を与えてなる斜面安定化装置。
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