JP4074532B2 - 法面の保護工法と該工法で用いる保護構造物 - Google Patents

法面の保護工法と該工法で用いる保護構造物 Download PDF

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、自然地山の斜面や切土又は盛土によってできた法面本明細書では、法面とは斜面を含むものとする)の保護工法と、該工法において用いられる法面の保護構造物に関する。
【0002】
【従来技術】
法面の保護工法として、法面に削孔して鉄筋を挿入し、その周りにグラウト材を注入して鉄筋を固定したのち、法面から突出する鉄筋に受圧構造物を差込み、ついで鉄筋の突出部分にナットを捩込んで締め付け固定する工法が知られ、受圧構造物を格子状にして植生し、緑化ができるようにしたものも知られる(特許文献1)。
また格子ないし網状をなすフェルト等のマット体を法面にアンカーボルトによって止着したのち、客土を吹き付けて緑化する工法も提案されている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−336656号
【特許文献2】
特開昭56−142934号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のマット体が法面に単に取付けられるのに対し、受圧構造物は法面をしっかりと押え付けて法面の土圧を支持することができるが、剛性が大で重量も嵩むうえ、その施工には法面への削孔や鉄筋の挿入及び固定、ナットの締結作業など多くの工程が必要で、コスト高となることが否めない。
【0005】
また上述のマット体は、比較的軽量で、法面への取付も容易であり、個々の升目を通して植生することもできるが、表層部の土砂流出防止対策について配慮されていない。
【0006】
本発明の第1の目的は、上述の受圧構造物と、マット体のように、これに比べ比較的軽量で、施工も容易な保護構造物を組合せて法面に取付けることにより全体の施工を容易にし、コストを低減させることができる法面の保護工法を提供しようとするものである。
【0007】
第2の目的は、格子状をなして比較的軽量で、植生ができ、法面への取付けも容易である法面の保護構造物であって、表層部の土砂流出防止機能に優れた保護構造物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
請求項1に係わる発明は、第1の目的を達成する法面の保護工法に関するもので、法面に削孔したのち鉄筋を挿入して固定し、ついで法面からの突出部分に受圧構造物を差し込んでナットを捩込み、締着して固定する工法により法面の所要部に法面の土圧を支持する受圧構造物を固定すると共に、比較的軽量で、かつ複数ないし多数の区画に仕切られ、ピンを法面に刺し込むことにより止着されるか、或いは近接ないし近隣の受圧構造物と周辺の互いのフレーム同士を逆U形状のクリップを差し込んで止着することにより連結され、法面の表層部の風化や雨水による腐蝕防止を図る保護構造物を上記受圧構造物とは互いに重ならないようにして取付けることを特徴とする。
【0009】
本発明によると、法面は受圧構造物と保護構造物によって保護され、前者の受圧構造物で法面をしっかりと押え付けて、その土圧を支持し、後者の保護構造物で法面の表層部の風化や雨水による侵食が防止される。
【0010】
本発明においては、法面に受圧構造物が部分的に取付けられ、他は軽量で、かつ施工が容易な保護構造物が取付けられるため、受圧構造物のみを使用するのと比べ、全体の施工が容易となり、施工コストも低減される。保護構造物は複数ないし多数の区画に仕切られているため、個々の区画部分に植生が可能であるが、受圧構造物に関しても同様に複数ないし多数の区画に仕切って植生ができるようにするのが望ましい。
【0011】
本発明において、保護構造物を取付けるのに用いるピンは、例えば保護構造物に形成の差込み孔を通して法面に刺込まれる。
【0012】
保護構造物に形成される区画は、例えば、三角形、矩形状、六角形等の多角形、その他任意形状とされ、矩形状をなす場合には例えば格子状をなし、六角形をなす場合には例えばハニカム状にされる。
また保護構造物の材質としては、上述のフェルト状のものであってもよいし、FRPないし樹脂製のものであってもよい。
【0013】
請求項2に係わる発明は、第2の目的を達成する保護構造物に関するもので、複数ないし多数の区画に仕切られて法面に止着手段によって止着され、周辺のフレームの高さを他の部分に比べ高くして表層部の土砂の流出を遮り、留めることを特徴とする。
本発明においても、各区画部分に植生が可能であり、また周辺のフレームが高いため表層部の土砂の流出を遮り、留める機能を果たすようになる。
本発明で用いる止着手段としては、例えば法面に差し込まれるか或いは打ち込まれるピンやロックボルト等を例示することができる。
【0014】
請求項3に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、ナットの捩込みが受圧構造物から突出する鉄筋に押え板を差し込んでから行われることを特徴とする。
本発明によると、ナットの捩込みによる締着力が押え板により分散され、押え板全体で受圧構造物を押えてしっかりと固定することができる。
【0015】
請求項4に係わる発明は、請求項3に係わる発明において、受圧構造物が複数ないし多数の区画に仕切られ、押え板には受圧構造物の上記区画に差し込まれる脚が突設されることを特徴とする。
本発明によると、押え板の鉄筋差込み孔を図3に示すように大きく形成しておいて、鉄筋への差込みが容易に行われるようにしておいても受圧構造物を所定位置に位置決めしてずれることなく取付けることができる。
【0016】
本発明の受圧構造物も保護構造物と同様、区画が例えば、三角形、矩形状、六角形等の多角形、その他任意形状とされ、矩形状をなす場合には例えば格子状をなし、六角形をなす場合には例えばハニカム状にされる。
【0017】
請求項5に係わる発明は、請求項1、3又は4に係わる発明において用いられる保護構造物が、周辺のフレームの高さを他の部分に比べ高くして表層部の土砂の流出を遮り、留める保護構造物であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、法面1に固着される受圧構造物2を示すものであり、図2は、同じく法面1に取付けられる保護構造物3を示すもので、前者の受圧構造物2は、鋼、アルミ等の金属製、好ましくはFRPないし樹脂製で、剛性を有して格子状をなし、法面1への取付けは、法面1にあけた削孔5にねじ節鉄筋6を挿入して、その周りにグラウト材7を注入して固定し、ついで法面1からの突出部分に受圧構造物2を差込み、その上に四隅にピン状の脚10を突設した押え板8を重ね、図3に示すように、脚10を受圧構造物2の格子状をなす鉄筋6の周りの矩形の区画よりなる升目2aに差込んで位置決めし挿入したのち、鉄筋突出部分にナット9を捩込んで締着することにより行われる。図中、11は鉄筋6の突出端部に被せられ、ナット9を被覆するキャップである。
【0019】
保護構造物3は、樹脂製で、図4に示すように格子状をなし、周辺が高く形成され、四隅にピン差込み孔13が形成されている。法面1への取付けは、図2に示すように、法面1に置いてから四隅のピン差込み孔13にピン14を通し、法面1に刺込むことにより行われる。
【0020】
図5は、上述の受圧構造物2と保護構造物3を用いた法面1への施工例を示すもので、受圧構造物2を上述の取付方法により法面1へ互い違いに取付ける。その後、保護構造物3間の空いたスペースに保護構造物3を上述した取付方法により法面1へ取付ける。
保護構造物3の取付けは、ピン14を法面1に刺込んで行う以外の方法で行うこともできる。
【0021】
図6は、その一例を示すもので、逆U形状をなすクリップ16を受圧構造物2と近接する保護構造物3のフレームに差し込み、受圧構造物2と保護構造物3のフレーム同士を連結することにより行われる。
受圧構造物2と保護構造物3の取付けは、保護構造物3を先に取付けてから受圧構造物を取付けても良いし、交互に或いはランダムに取付けてもよい。
【0022】
別の実施形態では、受圧構造物2或いは保護構造物3が一つおき或いは二つおきに規則的に、又は不規則にランダムに取付けられ、また受圧構造物と保護構造物は互いに接触して敷き詰められないで、両者の間には隙間が適当に形成されてもよい。
別の実施形態ではまた、法面に保護構造物3のみが規則的に或いは不規則的に取付けられる。
【0023】
以上のようにして受圧構造物2及び若しくは保護構造物3を法面1に取付けたのち、受圧構造物2及び保護構造物3上に種子を混ぜた客土が吹き付けられ、植生される。植生は受圧構造物2及び保護構造物3の格子状をなす各升目を植木鉢と同様にして種子播きをし、或いは挿し木をして植生を行うこともできる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明によると、部分的に取付けた受圧構造物で法面の土圧が支持され、その崩落を防止すると共に、保護構造物で法面の表層部の風化や雨水による侵蝕防止を図ることができること、保護構造物は安価で、その施工も容易であり、低コストでできるため、全体の施工も容易となり、施工コストが低減されること、受圧構造物と保護構造物のうち、少なくとも保護構造物は格子状をなしているため植生が可能で、緑化できること等の効果を奏する。
【0025】
請求項2に係わる発明によると、保護構造物は周辺が高く形成されているため、土留効果を発揮し、表層部の土砂の流出を止めることができる。
請求項3に係わる発明によると、ナットを捩込んで締付けたときの加圧力が分散され、押え板全体で受圧構造物を押えてしっかりと固定することができ、また請求項4に係わる発明においては、押え板の鉄筋差込み孔を大きく形成しておいて、鉄筋への差込みが容易に行われるようにしておいても、脚を鉄筋の周りの受圧構造物の区画に差し込むことにより、押え板を所定位置にずれることなく取付けることができる。
請求項5に係わる発明によると、請求項1及び2に係わる発明の効果を併せて奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】受圧構造物の取付け状態を示す断面図。
【図2】保護構造物の取付け状態を示す拡大した断面図。
【図3】押え板で押えた受圧構造物の要部の拡大平面図。
【図4】保護構造物の斜視図。
【図5】受圧構造物と保護構造物の施工例を示す図。
【図6】受圧構造物と保護構造物をクリップで連結した状態を示す図。
【符号の説明】
1・・法面
2・・受圧構造物
3・・保護構造物
5・・削孔
6・・ねじ節鉄筋
7・・グラウト材
8・・押え板
9・・ナット
10・・脚
11・・キャップ
13・・ピン差込み孔
14・・ピン
16・・クリップ

Claims (5)

  1. 法面に削孔したのち鉄筋を挿入して固定し、ついで法面からの突出部分に受圧構造物を差し込んでナットを捩込み、締着して固定する工法により法面の所要部に法面の土圧を支持する受圧構造物を固定すると共に、比較的軽量で、かつ複数ないし多数の区画に仕切られ、ピンを法面に刺し込むことにより止着されるか、或いは近接ないし近隣の受圧構造物と周辺の互いのフレーム同士を逆U形状のクリップを差し込んで止着することにより連結され、法面の表層部の風化や雨水による腐蝕防止を図る保護構造物を上記受圧構造物とは互いに重ならないようにして取付けることを特徴とする法面の保護工法。
  2. 複数ないし多数の区画に仕切られて法面に止着手段によって止着され、周辺のフレームの高さを他の部分に比べ高くして表層部の土砂の流出を遮り、留めることを特徴とする法面の保護構造物。
  3. ナットの捩込みは、受圧構造物から突出する鉄筋に押え板を差し込んでから行われることを特徴とする請求項1記載の法面の保護工法。
  4. 受圧構造物は、複数ないし多数の区画に仕切られ、押え板には受圧構造物の上記区画に差し込まれる脚が突設されることを特徴とする請求項3記載の法面の保護工法。
  5. 上記保護構造物が周辺のフレームの高さを他の部分に比べ高くして表層部の土砂の流出を遮り、留める保護構造物であることを特徴とする請求項1、3又は4記載の法面の保護工法。
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