JP2004244909A - 金網固定金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロック体1に形成したアンカ孔3に打ち込まれるアンカ部材25が嵌挿される取付孔17が設けられるとともに保持金網5の網目空間部6内に嵌合されてアンカ部材25によりブロック体1に対して固定される取付部11と、この取付部11に保持金網5の網目を構成する対角位置の相対する少なくとも1組の線材の絡げ部位7,8に対向位置するようにして互いに相対向して一体に形成された一対の保持部12,13とから構成され、各保持部12,13に、それぞれ線材の外径よりもやや大きな開口形状を有する高さ方向の線材保持溝20,23を形成して絡げ部位7,8を嵌合保持する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、それぞれ所定の組合せ状態で設置される多数個のブロック体を保持金網に対して固定することによって設置状態を保持するようにする金網固定金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川の護岸工事や道路或いは造成地の法面工事等においては、多数個の自然石やコンクリートブロック、人工石或いは支持柱(本明細書においてはブロック体と称する。)等を所定の状態に組み合わせて設置し、これらを保持金網によって被覆することにより設置状態を保持する工法が採用されている。また、河川の護岸工事等においては、保持金網に多数個のブロック体を適宜の組合せを以って固定することにより構成したマット体を護岸に敷き詰める工法も採用されている。かかる工法は、水圧や地盤沈下の変化に対応してブロック体の組合せがバラバラにならずに適宜変形し、より強固な護岸を築くとともに通水性を有して水質保全を図り生態系を保護するといった特徴を有している。
【0003】
従来のブロック体の敷設工法としては、任意の網目に対して複数個の板材を分散して配置し、これら板材に接着剤を塗布して自然石に接合することによって線材を挟み込んで自然石と金網とを一体化する工法が提案されている(例えば特許文献1)。また、ブロック体の敷設工法としては、アンカーネットの線材を押さえ付ける固定プレートをアンカボルトによってブロックに固定することにより、アンカーネットとブロックとを一体化する工法が提案されている(例えば特許文献2)。
【0004】
また、出願人は、線材を編み目部位において2重或いは3重に絡み上げて全体を略六角形の亀甲模様としたいわゆる亀甲編み金網を用いて自然石を金網に強固に固定し得るようにした自然石固定装置を提供した(特許文献3)。この先願自然石固定装置は、矩形の金属片を2つ折りするとともに、折り曲げ部位に金網の編み目部位を固定する金網把持部を形成し、この把持部から延設された長片部に取付孔を形成した固定金具が用いられる。先願自然石固定装置は、取付孔に対応して自然石に形成した取付孔にアンカ部材を打ち込むとともにアンカ部材にボルトをねじ込むことによって固定金具を介して金網と自然石とを結合してなる。
【特許文献1】
特開平11−117257号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3058521号公報
【特許文献3】
特開2002−38445号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1のブロック体の敷設工法は、板材を自然石に接合する接着剤が環境汚染の原因となるといった問題がある。また、かかるブロック体の敷設工法は、両端部を相対する線材に支架するようにして板材を金網の網目空間部内に位置するようにして自然石に組み付けることから、線材に大きな負荷が加わった場合に絡げ部位が拡がってしまうことがあった。ブロック体の敷設工法においては、このために金網の網目が変形したり線材に捩れが生じて板材の両端部から線材が脱落することがあり、金網と自然石との結合強度が低下してブロック体の組合せがズレるといった問題があった。
【0006】
また、特許文献2のブロック体の敷設工法においては、ブロックに埋設したアンカーナットにアンカボルトをねじ込むことによって固定プレートを介してブロックとアンカーネットとを一体化する工法であり、接着剤を用いないことから環境汚染の発生等の問題が生じることは無い。しかしながら、かかるブロック体の敷設工法においても、固定プレートをアンカーネットの相対する線材に支架するようにして組み付けることから、上述した特許文献1のブロック体の敷設工法と同様に線材に大きな負荷が加わった場合に絡げ部位が拡がってアンカーネットの網目が変形したり線材に捩れが生じてアンカーネットとブロックとの結合強度が低下してブロックがズレとしまうといった問題があった。
【0007】
一方、出願人による先願自然石固定装置においては、絡げ部位において線材が2重或いは3重に絡み上げられることにより大きな引張り強度を有する亀甲編み金網を用いることから、線材に大きな負荷が加わった場合でも網目が変形したり線材に捩れが生じることは無く金網に対して自然石を強固に固定することが可能である。しかしながら、かかる先願自然石固定装置においては、亀甲編み金網がやや高価であることから、材料コストが高くなるといった問題があった。
【0008】
したがって、本発明は、金網の網目を構成する線材の絡げ部位を保持することによって網目の変形や捩れ等の発生を抑制して金網とブロック体とを強固に固定することを可能とする廉価な金網固定金具を提供することを目的に提案されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する本発明にかかる金網固定金具は、ブロック体に形成したアンカ孔に打ち込まれるアンカ部材が嵌挿される取付孔が設けられるとともに保持金網の網目空間部内に嵌合されてアンカ部材によりブロック体に対して固定される取付部と、この取付部の長さ方向の両端部に金網の網目空間部を構成する対角位置の相対する少なくとも1組の線材の絡げ部位に対向位置するようにして互いに相対向して一体に形成された一対の保持部とから構成される。金網固定金具には、各保持部に、それぞれ線材の外径よりもやや大きな開口形状を有する高さ方向の線材保持溝が形成される。
【0010】
以上のように構成された本発明にかかる金網固定金具によれば、対角位置の相対する線材の絡げ部位を線材保持溝にそれぞれ嵌合するようにして取付部が網目空間部内に嵌合されてブロック体を被覆した保持金網に組み付けられる。金網固定金具によれば、取付部に設けた取付孔からアンカ部材を嵌挿し、このアンカ部材が取付孔と連通されたブロック体のアンカ孔に打ち込まれる。金網固定金具によれば、アンカ部材によって取付部がブロック体に対して固定されるとともに各保持部が絡げ部位を押さえ付けることによって、ブロック体と保持金網とを結合固定する。金網固定金具によれば、保持部に形成した線材保持溝によって絡げ部位を保持することから、線材に大きな負荷が加わった場合でも保持金網の網目が大きく変形したり線材に捩れが発生することが抑制されるようになり、ブロック体と保持金網との結合状態を強固に保持する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。金網固定金具10は、例えば河川の護岸工事或いは道路や造成地の法面工事等における適宜に組み合わされて設置された多数個のブロック体1と、これらブロック体1を被覆してその組合せ状態を保持する保持金網5との結合用に用いられる。金網固定金具10は、例えば保持金網5に対して多数個のブロック体1が適宜の組合せ状態で固定され、護岸等に敷き詰められるブロックマット等にも用いられる。
【0012】
ブロック体1には、図1及び図3に示すように、取付面2に開口して金網固定金具10を固定するためのアンカ孔3がドリル等によって形成されている。ブロック体1には、例えばアンカ孔3に対してアンカナットを埋め込むようにしてもよい。ブロック体1は、コンクリート等によって人工的に形成される場合には、アンカ孔3の形成やアンカナットの埋め込みが成形時に行われる。ブロック体1は、詳細を省略するが相互に適当な間隙を有するようにしたり凹凸が構成されるように設置面に対して多数個が適宜に組み合わされて設置される。
【0013】
保持金網5は、例えば亜鉛−アルミ合金めっき鉄線或いはNK(ニューカルス鉄線)超厚アルミめっき鉄線、樹脂被覆めっき鉄線等の金属線材が用いられ、この線材を図1及び図2に示すように、所定のピッチで矩形或いは菱形の網目形状に絡み上げてなる。保持金網5は、ブロック体1を被覆した状態において、アンカ孔3の形成領域に対向した所定の網目空間部6を構成する対角位置の相対する少なくとも1組の線材の絡げ部7,8が後述するように金網固定金具10によって保持される。勿論、保持金網5については、各線材の絡げ部において線材を2重或いは3重に絡み上げて強度向上が図られた亀甲編み金網を用いてもよいが、上述した構造の金網であっても詳細を後述するように金網固定金具10によって網目形状が充分保持される。
【0014】
金網固定金具10は、例えばめっき処理を施した鉄板或いはステンレス板等の耐防錆性を有する矩形金属板にプレス加工等を施して形成される。金網固定金具10は、取付部11と、この取付部11の長手方向の両端部にそれぞれ一体に連設された第1の保持部12及び第2の保持部13とからなる。取付部11は、図1乃至図3に示すように、保持金網5の網目空間部6に嵌合可能な外形形状を有する矩形板状の基板部14と、この基板部14の両端に互いに対向するようにして一体に立設された立壁部15,16とからなる略上向きコ字状を呈している。
【0015】
取付部11には、基板部14に取付孔17が形成されている。取付孔17は、後述するように金網固定金具10を保持金網5の所定の網目空間部6に取付部11を嵌合した状態において、ブロック体1に形成したアンカ孔3と同軸上に位置される。なお、取付孔17は、アンカ孔3との位置合わせを容易とするために、長孔に形成してもよい。取付部11は、立壁部15,16がそれぞれの高さを保持金網5の線材の外径よりもやや大きく形成されている。したがって、取付部11は、基板部14を網目空間部6に嵌合した状態においてこれら立壁部15,16の上端部が保持金網5の表面より突出する。
【0016】
第1の保持部12は、立壁部15の上端から側方に向かって水平方向に一体に折曲形成された天井部18と、この天井部18の側端縁において立壁部15と対向するように下方に向かって一体に折曲形成された保持壁部19とからなる逆L字状を呈している。保持壁部19は、その高さが保持金網5の線材の外径よりもやや大きく、立壁部15とほぼ同等とされている。第1の保持部12には、保持壁部19に、その下端から天井部18に達して第1の線材保持溝20が形成されている。第1の線材保持溝20は、その開口幅が保持金網5の絡げ部7の外形とほぼ等しく形成されている。
【0017】
第2の保持部13は、第1の保持部12と左右対称形に形成され、天井部21と保持壁部22とからなる逆L字状を呈して立壁部16の上端縁に沿って一体に形成されてなる。第2の保持部13にも、保持壁部22に、第1の保持部12側の第1の線材保持溝20と対向する第2の線材保持溝23が形成されている。
【0018】
金網固定金具10は、第1の保持部12の保持壁部19と第2の保持部13の保持壁部22との対向間隔が、保持金網5の網目空間部6を構成する相対する絡げ部7,8の対向間隔とほぼ等しい。
【0019】
金網固定金具10は、アンカ孔3に組み付けたアンカユニット25によってブロック体1に固定される。アンカユニット25には、例えばいわゆるオールアンカと称されるアンカユニットが用いられ、図1及び図3に示すように鋼鉄製の円筒状スリーブ26と、このスリーブ26の内孔27にはめ込まれたアンカピン28と、スリーブ26を取付孔17に対して抜け止めした状態で取付部11に組み付けるナット29とからなる。
【0020】
スリーブ26は、その内孔27が先端に向かって次第に小径とされるとともに底付き孔として形成され、その外径がアンカ孔3及び取付孔17の内径とほぼ等しくかつその軸長がアンカ孔3の深さよりもやや短く形成されている。スリーブ26には、外周部に先端から所定の高さ位置に、アンカ孔3及び取付孔17よりも大径とされた係止フランジ部30が形成されている。スリーブ26には、先端と係止フランジ部30との間の外周部に外周ねじが形成されるとともに、他端部にすり割り31が形成されている。
【0021】
アンカユニット25には、スリーブ26の内孔27にアンカピン28が頭部を突出させて圧入状態で組み付けられている。アンカピン28は、スリーブ26の内孔27よりもやや長軸とされており、後述するようにスリーブ26に打ち込まれることによってすり割り31を介してスリーブ26の他端部を拡径させる。
【0022】
アンカユニット25は、スリーブ26が係止フランジ部30で開口部に係止されるようにしてアンカ孔3に嵌合される。スリーブ26は、アンカ孔3から突出した外周ねじが形成された先端部位をアンカ孔3から突出させてブロック体1に組み付けられる。したがって、アンカユニット25は、ブロック体1を被覆する保持金網5の所定の網目空間部6内に位置するようにして、アンカピン28を圧入状態で組み付けたスリーブ26が配置される。
【0023】
なお、アンカユニット25については、上述したオールアンカに限定されるものではなく、種々のアンカ部材を用いるようにしてもよい。アンカユニット25は、スリーブ26を予めアンカ孔3に嵌合した状態でナット29により金網固定金具10と一体化するようにしたが、例えば取付孔17を介してアンカ孔3に直接打ち込むようにしてもよい。かかるアンカユニットは、ナット29やそのねじ付け作業が不要となり、金網固定金具10の取付作業を合理化する。
【0024】
上述した金網固定金具10は、所定の状態に組み合わされた多数個のブロック体1を被覆する保持金網5にそれぞれ組み付けられる。金網固定金具10は、保持金網5に対して、第1の保持部12の保持壁部19を絡げ部7と対向させるとともに第2の保持部13の保持壁部22を絡げ部8と対向させて、取付部11が網目空間部6に嵌合されて組み付けられる。金網固定金具10には、取付部11に形成した取付孔17からアンカユニット25のスリーブ26の先端部が貫通して突出する。
【0025】
金網固定金具10は、図2に示すように第1の保持部12に形成した第1の線材保持溝20に絡げ部7を嵌合させるとともに第2の保持部13に形成した第2の線材保持溝23に絡げ部8を嵌合させる。金網固定金具10は、取付孔17から突出したスリーブ26の先端部にナット29がねじ込まれることによって、図3に示すようにアンカユニット25と一体化される。金網固定金具10は、この状態において取付部11の基板部14が底面をブロック体1の取付面2に突き当てられるとともに、第1の保持部12の保持壁部19と第2の保持部13の保持壁部22とがそれぞれ取付面2に突き当てられる。
【0026】
アンカユニット25は、スリーブ26に金網固定金具10が一体化された状態において、スリーブ26に対してアンカピン28がハンマー等によって打ち込まれる。アンカユニット25は、アンカピン28を打ち込むにしたがって図3に示すようにスリーブ26の先端部がすり割り31を介して拡径し、この拡径した部位がアンカ孔3内において楔作用を奏することでブロック体1に対して強固に固定される。したがって、アンカユニット25は、一体化された金網固定金具10をブロック体1に対して強固に固定する。
【0027】
金網固定金具10は、上述したようにアンカユニット25を介してブロック体1に対して固定された状態において、保持金網5をブロック体1に対して固定する。すなわち、金網固定金具10は、網目空間部6内において嵌合された取付部11がアンカユニット25によってブロック体1に固定される。金網固定金具10は、図4に示すように網目空間部6を構成する対角位置の絡げ部7,8を第1の保持部12と第2の保持部13とによって保持することにより、保持金網5とブロック体1とを一体化する。
【0028】
金網固定金具10は、保持金網5の線材に大きな引張り力等が負荷された場合でも、第1の線材保持溝20と第2の線材保持溝23とでそれぞれ絡げ部7,8を挟み込んだ状態で保持することから、保持金網5の網目が大きく変形したり線材に捩れが発生することを抑制する。したがって、金網固定金具10は、保持金網5の線材が外れることを防止してブロック体1と保持金網5との結合状態を強固に保持する。
【0029】
金網固定金具10は、取付部11と、第1の保持部12及び第2の保持部13とからなる簡易な形状であり、廉価に形成される。金網固定金具10は、従来のアンカ部材によってブロック体1に固定する構成と全く同様にして固定されることから作業性にも優れており、また特殊な保持金網5を用いることも無いのでコストが大きくなることも無い。
【0030】
ところで、上述した金網固定金具10においては、取付部11が基板部14の両端から互いに対向するようにして立壁部15,16を一体に立設した略上向きコ字状に形成されることから、例えば取付部11を押しつぶすような大きな負荷がかけられた場合に立壁部15,16が内側に倒れ込む虞がある。金網固定金具10は、このために取付部11に一体に連設された第1の保持部12と第2の保持部13とがブロック体1の取付面2から浮き上がる状態となって、第1の線材保持溝20と第2の線材保持溝23とから保持金網5の絡げ部7,8が脱落してしまう虞がある。
【0031】
したがって、金網固定金具10には、必要に応じて図5及び図6に示すように補強金具40が組み付けられ、この補強金具40によって立壁部15,16の倒れ込みが防止される。補強金具40も、例えばめっき処理を施した鉄板或いはステンレス板等の耐防錆性を有する矩形金属板にプレス加工等を施して形成され、補強基板部41と、この補強基板部41の両端部に互いに対向するようにして一体に立設された一対の補強立壁部42,43とからなる全体略コ字状を呈している。
【0032】
補強金具40は、図5に示すように補強基板部41が金網固定金具10側の基板部14と略等しい外形を有する矩形板状を呈するとともに、取付孔44が形成されている。補強金具40は、詳細を後述するように補強基板部41を基板部14に重ね合わせるようにして金網固定金具10に組み合わされ、この状態において取付孔44が基板部14側の取付孔17と連通される。なお、取付孔44は、取付孔17と略同径とされ、アンカユニット25のスリーブ26の外径よりもやや大径とされるとともにナット29よりも小径とされてなる。
【0033】
補強金具40は、補強立壁部42,43が、それぞれ金網固定金具10側の立壁部15,16と略同一の高さを有して補強基板部41に一体に形成される。また、補強金具40は、補強立壁部42,43が、立壁部15,16の対向間隔とほぼ等しい長さを有して形成されている。補強金具40は、換言すれば補強立壁部42,43が、それぞれ金網固定金具10側の取付部11の両側に構成された開口部を閉塞するに足る外形を以って形成されている。
【0034】
以上のように構成された補強金具40は、補強立壁部42,43を取付部11の両側開口部にそれぞれ対応位置させるように向けられ、金網固定金具10に対して図5で示すように補強基板部41が基板部14上に重ね合わされて組み付けられる。補強金具40は、図6に示すように取付孔44が取付部11に形成した取付孔17と連通されて金網固定金具10に組み付けられる。補強金具40は、補強立壁部42,43がそれぞれの両端部を立壁部15,16の内面と直交して梁作用を奏するように位置されて金網固定金具10に組み合わされる。
【0035】
金網固定金具10は、上述したように補強金具40が組み付けられることにより、立壁部15,16の対向間隔が補強立壁部42,43によって保持される。金網固定金具10は、補強金具40を組み付けた状態で、上述したように保持金網5に対して組み付けられるとともにアンカユニット25によってブロック体1に固定される。金網固定金具10は、第1の保持部12の保持壁部19を絡げ部7と対向させるとともに第2の保持部13の保持壁部22を絡げ部8と対向させて、取付部11が網目空間部6に嵌合されて組み付けられる。
【0036】
金網固定金具10は、取付部11に形成した取付孔17と補強金具40の取付孔44とを貫通したスリーブ26の先端部にナット29がねじ込まれて、アンカユニット25と一体化される。補強金具40は、この際にナット29によって共締めされて金網固定金具10とアンカユニット25とに一体化される。金網固定金具10は、取付部11の基板部14と第1の保持部12の保持壁部19及び第2の保持部13の保持壁部22がそれぞれブロック体1の取付面2に突き当てられる。金網固定金具10は、第1の保持部12の第1の線材保持溝20に絡げ部7を嵌合させて保持するとともに、第2の保持部13の第2の線材保持溝23に絡げ部8を嵌合させて保持する。
【0037】
金網固定金具10は、一体化されたスリーブ26に対してアンカピン28が打ち込まれることによって、スリーブ26を介してブロック体1と強固に固定される。金網固定金具10には、上述したように補強金具40がスリーブ26とナット29とにより取付部11に一体化されており、図6に示すように基板部14の四方を立壁部15,16と補強立壁部42,43とが取り囲んで立設された状態を呈している。
【0038】
金網固定金具10は、取付部11を押しつぶすような大きな力が負荷された場合でも、この負荷に対して立壁部15,16と補強立壁部42,43とが共同してその箱形状を保持して立壁部15,16の内側への倒れ込みを防止する。したがって、金網固定金具10は、立壁部15,16に連設された第1の保持部12の保持壁部19と第2の保持部13とがブロック体1の取付面2に突き当てられた状態を保持されることで、第1の線材保持溝20と第2の線材保持溝23とによる保持金網5の絡げ部7,8を強固に保持する。
【0039】
なお、上述した金網固定金具10においては、取付部11に第1の保持部12と第2の保持部13とを連設し、これらに形成した第1の線材保持溝20と第2の線材保持溝23に対角位置の絡げ部7,8をそれぞれ嵌合させて保持するように構成したが、例えば取付部11の4辺部にそれぞれ保持部を連設して保持金網5の網目空間部6を構成する全ての絡げ部を保持するようにしてもよい。
【0040】
また、金網固定金具10は、矩形或いは菱形の網目空間部6を有する保持金網5への適用例を示したが、例えば六角形等の網目空間部を有する保持金網にも適用される。金網固定金具10は、網目空間部に嵌合される取付部が例えば六角形の外形形状とされるとともに、この取付部に相異なる位置の2個以上の絡げ部に対応して保持部が形成される。なお、上述した金網固定金具10や補強金具40は、ブロック体の重量等に応じて変形による脱落を防止するために、適宜厚みの大きな金属材を用いて形成される。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる金網固定金具によれば、少なくとも対角位置の相対する1組みの線材の絡げ部位を線材保持溝に嵌合させて保持した状態でブロック体と保持金網とを一体化することから、線材に大きな負荷が加わった場合でも保持金網の網目が大きく変形したり線材に捩れが発生することを抑制してブロック体と保持金網との結合状態を強固に保持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態として示した金網固定金具を用いてブロック体と保持金網とを一体化する状態を示す要部分解斜視図である。
【図2】同要部斜視図である。
【図3】同要部縦断面図である。
【図4】金網固定金具を一部切り欠いて示す要部平面図である。
【図5】金網固定金具と、これを補強する補強金具とを示す分解斜視図である。
【図6】金網固定金具に補強金具を組み合わせた状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 ブロック体、2 取付面、3 アンカ孔、5 保持金網、6 網目空間部、7,8 絡げ部、10 金網固定金具、11 取付部、12 第1の保持部、13 第2の保持部、14 基板部、15,16 立壁部、18 天井部、19保持壁部、20 第1の線材保持溝、21 天井部、22 保持壁部、23 第2の線材保持溝、25 アンカユニット、26 スリーブ、28 アンカピン、29 ナット、40 補強金具、41 補強基板部、42,43 補強立壁部、44 取付孔
Claims (2)
- 保持金網に対して多数個のブロック体を固定する金網固定金具において、
上記ブロック体に形成したアンカ孔に打ち込まれるアンカ部材が嵌挿される取付孔が設けられるとともに上記保持金網の網目空間部内に嵌合されて上記アンカ部材によって上記ブロック体に固定される取付部と、この取付部の長さ方向の両端部に上記保持金網の網目空間部を構成する対角位置の少なくとも1組の相対する線材の絡げ部位に対向位置するようにして互いに相対向して一体に形成された一対の保持部とからなり、
上記各保持部に、それぞれ上記線材の外径よりもやや大きな開口形状を有する高さ方向の線材保持溝が形成され、これら線材保持溝に上記絡げ部位を挟み込むようにして嵌合することによって上記保持金網に組み付けられて上記保持金網と上記ブロック体とを固定することを特徴とする金網固定金具。 - 上記取付部が、上記保持金網の網目空間部に嵌合可能な外形形状を有するとともに上記取付孔が形成された板状の基板部と、この基板部の両端から互いに対向するようにして一体に立設されるとともに側端部に沿って上記保持部を一体に連設した一対の立壁部とからなる略コ字状を呈して形成され、
上記取付部の基板部と略等しい外形形状を有するとともに取付孔が形成された補強基板部と、この補強基板部の両端に互いに対向するようにして一体に立設されかつそれぞれの長さが上記取付部の立壁部の対向間隔と略等しい一対の補強立壁部とからなる全体略コ字状の補強金具が用いられ、
上記補強金具が上記取付部に対して、それぞれの取付孔を互いに連通させて上記補強基板部を上記基板部上に重ね合わせるとともに上記補強立壁部を上記取付部の開放された両側面を閉塞するようにして組み合わされることにより、上記補強立壁部が上記保持壁部間に直交するよう位置してこれら保持壁部の対向間隔を保持することを特徴とする請求項1に記載の金網固定金具。
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