JP4580862B2 - 土木施設用ロープの方向変換装置 - Google Patents
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Description
先行技術においては、断面が円弧状の土圧部分とこの土圧部分の反対側に設けられた円弧状案内面を有するロープガイド部分とを備えた円柱状のサドルが用いられ、上記サドルを、上記アンカーからのびるロープの地表に出た部分において,サドルの長手方向がロープの張設方向と交差するように土圧面を下にして地表に配置し,地表に出たロープを上記サドルのロープガイド部分に沿わせて張設するようになっていた。
また、複数の枕木状部材が相対変位可能に並列状に連結され、地表の形状によく追従することが可能であるので、ロープ引き出し角度が地表すれすれであっても、設置法面へのロープの食い込みを的確に防止できる。
これによれば、枕木状部材同士が所定の間隔に保持されつつ傾動を含む変位が可能であり、枕木状部材と帯板の数の増減で現場の状況に即応した角度変換を行うことができる。また、枕木状部材と帯板を分離して現場に搬入し、必要数を簡単に連結して設置できるので、工事が容易となる。
本発明において、枕木状部材の連結部材は可撓性を有している場合を含んでいる。これによれば、枕木状部材同士の高さ方向の変位を自在かつ微妙に調整することができる。
図2と図3は本発明装置を落石防止用カーテンネットのアンカーに適用した例を示しており、aは沢部、Nは沢部aに設置されたカーテンネットであり、間隔的に配された多数の縦ロープR1と間隔的に配された多数の横ロープR2で構成された柔軟性格子状骨格に金網Mを張設しており、山側には前記カーテンネットNの上縁部に沿った最上段ロープRTを支える支柱Sが所定の間隔で立設されている。
また、紙面に対して左側の部分では、2本程度の縦ロープR1が山側に導かれ、岩盤に埋め込まれた岩盤用アンカーBに連結されている。そして、紙面に対して右側の部分では縦ロープR1が山側に導かれ、本発明にかかる方向変換装置Aに連結されている。
なお、岩盤用アンカーBを使用したのは、この実施例では地盤の地質が紙面に対して左側の部分が岩盤であるためであり、この部分が土砂質である場合には、本発明にかかる装置を適用できる。
前記アンカー本体1は、アンカーロッド,パイプアンカーなどといわれる各種棒状のものを用いることができるが、この実施例ではワイヤロープ(ケーブルを含む)で構成しており、アンカー部分は間隔的にスペーサが取り付けられ、地中に形成した削孔11に挿入された状態でモルタルなどのグラウト材12を充填することにより確実強固に定着される。
なお、ロープ部分とアンカー部分を1部材で構成することにより、部材数が少なくなり、またロープであることより可曲性があるため、ドラムなどに巻収して現場に搬入し、、現場で所要長さに切断してアンカー本体を作ることができるので、現場の状況に容易に適合できる利点がある。
枕木状部材3は強度が高い材料たとえばステンレス、亜鉛メッキや亜鉛―アルミ合金メッキなどの耐食メッキが施された鉄鋼材にて構成されており、長さLが幅Wに比べて大きい中空状あるいは中実断面を有している。この実施例では、枕木状部材3は外観上矩形を呈するように、上面と下面および側面の各板あるいはパイプによって中空状断面に構成され、長手方向端面に端板30,30が溶接され、図5のように、それら端板30,30の中央部分に板厚を貫く穴300,300が設けられている。
前記枕木状部材3は、この例では5本が適度の間隔をおいて並列状に配されており、全部の枕木状部材3または数本の枕木状部材3の上面には、ロープの外れ止め31が設けられている。外れ止め31はこの例では、下端が枕木状部材3に溶接された一対の側板310,310の頂部に天板311を溶接して構成されている。
前記帯板4aは、図4と5のように、端から第2番目以降の枕木状部材3に対しては左右のものが端部同士オーバーラップするように掛け渡たされ、その状態でボルト41を図5のように穴400、300から枕木状部材3を貫いて突出させ、突出端部のねじにナット42を螺合することで枢支される。
方向変換装置Aは予め組立てられていてもよいが、現場でも容易に組立てることができる。すなわち、地盤の状況に応じて枕木状部材3の数を選択し、各枕木状部材3を並べ、それらに連結部材4、4の帯板4aを渡し、機素4bで連結するだけでよい。
しかるに、本発明では、前記のように合力を分散できるため合力に対する抵抗力は小さくて済み、それで十分な地盤反力を創成できるので、特にアンカーなどで固定をしなくても方向変換装置Aを安定的に位置保持することができるとともに、ロープ2の屈曲部が地表部土砂ならびに孔に充填された地表部のグラウト材に接触して地表部を乱すこともない。
1)連結部材4の連結は、機素4bとして通しボルトを用いずに、図8(a)のように枕木状部材3内に雌ねじつきブラケット43を設け、これに短いボルトを螺合してもよい。あるいは、(b)のように枕木状部材3の端板にボルトを溶接等で植え立て、帯板4aの穴400を嵌め合わせてナットで抜け止めをしてもよい。
2)枕木状部材3の穴300又は/および帯板4aの穴400は図8(c)のように長孔であってもよい。これによれば、枕木状部材相互3の間隔を長孔分だけ調整することができ、したがって枕木状部材3同士を平面から見て斜めにしたり、蛇行状にすることができるので、ロープ2の引き出し方向を現場の状況に即応させることができる。
4)連結部材4は実施例では帯板を用いてリンクを構成しているが、これに変えて可撓性ないし可曲性のもの、たとえばロープやチェーンなどを用いることもできる。図10はこの例を示しており、可撓性ないし可曲性の連結材4を枕木状部材3、3に貫通させて端部を抜け止めし、中間に枕木状部材3とのズレを止めるクリップなどを設けたものである。
2 ロープ(ロープ部)
3 枕木状部材
4 連結部材
4a 帯板(本体)
31 外れ止め
Claims (4)
- 地中に定着されたアンカー本体に続くロープが地表に出た部分に配置される方向変換装置であって、長さが幅に比べて大きい複数の枕木状部材をロープ長手方向と直角方向で並列状に配し、それら枕木状部材を連結部材で相互に変位可能に繋いでなることを特徴とする土木施設用ロープの方向変換装置。
- 連結部材が帯板であり、枕木状部材の長手方向両端に枢支されている請求項1に記載の土木施設用ロープの方向変換装置。
- 枕木状部材は上面にロープの左右方向の外れ止めを有している請求項1に記載の土木施設用ロープの方向変換装置。
- 連結部材が可撓性を有している請求項1に記載の土木施設用ロープの方向変換装置。
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