JP6878124B2 - アンカー及び支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤に貫入され荷重を支持するアンカー、及びアンカーを使用した支持構造に関する。
従来、斜面等の地形にワイヤーロープ等や金網等を設置して、落石の要因となる浮石等の移動を抑制するものが知られている。また、斜面に防護柵等を設置し、積雪が斜面下方向に流れないように支持するものが知られている。例えば、落石防止構造として、斜面等においてワイヤーロープを設置し、浮石等を押さえ込むワイヤーロープ伏工が知られている。ワイヤーロープ伏工において、ワイヤーロープの端部は、斜面の地盤に貫入されたアンカーによって固定されている。
特許文献1には、岩層などの支持層の上に土層が堆積した地盤に貫入されるアンカーが開示されている。アンカーは中空筒状の水平力抵抗部と水平力抵抗部の中央部に挿通された略棒状の鉛直力抵抗部とにより構成されている。略棒状の鉛直力抵抗部は、支持層に定着されており、引き抜き力に抵抗している。水平力抵抗部は、支持層より上の土層に埋設されており筒状の部分で水平力に抵抗している。この構成により、アンカーは、水平又は斜め上方に荷重がかかっても抵抗できる。
特開2014−163181号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたアンカーは、水平方向に荷重がかかった場合、支持層から突出し土層に埋設されている部分で水平方向の荷重を受ける。アンカーに水平方向に過大な荷重がかかり、支持層から突出している部分で水平力を支持しきれない場合、支持層と土層との境目からアンカーの鉛直力抵抗部(棒状の部分)が曲げられ破断し、荷重を支持できなくなるという課題があった。
また、筒状の水平力抵抗部は、水平方向に過大な荷重がかかった場合、曲げ応力がかかる。水平力抵抗部の断面のうち荷重方向を向いた側の半分の部分の断面には圧縮応力が働き、荷重方向と反対側を向いた側の半分の部分の断面には引っ張り応力が働く。筒状の水平力抵抗部の内部は、空隙になっているか、土又はセメンミルクが充填されている。土又はセメンミルクが充填されていても、圧縮応力に対してはある程度の強度を有するが、引っ張り応力に対しては抵抗することができない。よって、筒状の水平力抵抗部に曲げ応力がかかった場合、水平力抵抗部は円筒の断面、圧縮応力が働く半分の部分に充填された土又はセメンミルク、及びアンカーの鉛直力抵抗部(棒状の部分)の断面で曲げ応力に抵抗することになる。従って、アンカーに対し水平方向に過大な荷重がかかった際に、水平力抵抗部が曲がってしまうという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、アンカーに対し水平方向に荷重がかかった際に耐荷重の高いアンカー及び支持構造を提供することを目的とする。
(i)本発明に係るアンカーは、両端に開口部を有する中空の筒部材及び前記筒部材を軸方向に貫通する芯部材備え、前記筒部材及び前記芯部材の少なくとも一部が地中に埋設され、地上側の端部に荷重が掛かるアンカーであって、前記芯部材は、当該芯部材の中心軸が前記筒部材の中心軸から外れた位置に配置され、前記筒部材は、内部の前記芯部材以外の部分に充填材が充填される
(ii)本発明に係る支持構造は、支持部材と、上記(i)に記載のアンカーと、を備え、前記アンカーは、少なくとも一部が地中に埋設され、前記支持部材の端部は、前記アンカーの地上側の端部に取り付けられる。
上記(i)及び(ii)の構成により、アンカー及び支持構造は、以下の効果を奏する。本発明に係るアンカーによれば、芯部材が筒部材の中心軸から外れた位置に配置されているため、荷重がかかる方向を向いた筒部材の断面円周の一点から最も遠い位置に芯部材の断面が位置するように荷重をかけることにより、アンカーにかかる曲げ荷重に対し強い耐力を得られる。また、支持部材をアンカーに取付け、支持可能な荷重の高い支持構造物を構成することができる。
本発明の実施の形態1に係るアンカーを用いたワイヤーロープ伏工の模式図である。 図1のアンカーの中心軸に沿った断面の模式図である。 図2のアンカーの地盤に打ち込まれた長さ方向に対し垂直な断面の模式図である。 比較例としてのアンカーの断面を示す模式図である。 実施の形態1に係るアンカーの設置状態の変形例を示す図である。 実施の形態1に係るアンカーの設置状態の変形例を示す図である。 実施の形態1に係るアンカーの設置状態の変形例を示す図である。 実施の形態1に係るアンカーの設置状態の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るアンカーを防護柵に適用した場合の模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るアンカー10を用いたワイヤーロープ伏工100の模式図である。ワイヤーロープ伏工100とは、縦方向に張られている複数のワイヤーロープ30と横方向に張られている複数のワイヤーロープ31とを交差させ、そのワイヤーロープ30の端部をアンカー10により地盤に固定したものである。交差したワイヤーロープ30の下には浮石等の斜面から落下する可能性のある物があり、ワイヤーロープ伏工100により斜面から落下しないように抑えられている。各ワイヤーロープ30、31は、必ずしも直線に張られるものではなく、斜面や崖の面などの複雑な形状の面に沿って設置することができる。なお、実施の形態1において、アンカー10を使用した構造としてワイヤーロープ伏工100を一例として説明するが、アンカー10を使用した構造はこれだけに限定されるものではない。例えば、アンカー10により地盤に固定される落石防護網や、防護柵等であっても良い。また、アンカー10に取り付けられる物は、ワイヤーロープ30に限定されるものではない。例えば、ワイヤー、ロープ、鎖、又は鋼材等を取り付けて使用しても良い。なお、ワイヤーロープ30は、本願発明の支持部材に相当するものである。
ワイヤーロープ伏工100は、アンカー10に取り付けられたワイヤーロープ30の張力で斜面から落下する浮石等の物体の荷重を支持する。ワイヤーロープ30が受けた荷重は、斜面の上側でワイヤーロープ30が取り付けられているアンカー10及び斜面の水平方向においてワイヤーロープ30が取り付けられているアンカー10にかかる。従って、アンカー10は、その荷重によって動いたり、地盤から抜けることがないように地盤に固定されている。
図2は、図1のアンカー10の中心軸に沿った断面の模式図である。図2において、ワイヤーロープ30は、地面に平行に伸びて設置されている。図2に示された構造が、本発明の支持構造80に相当する。ただし、支持構造80のワイヤーロープ30は、他のワイヤー、ロープ、鎖、又は鋼材等の部材であっても良い。アンカー10は、筒部材15と筒部材15の内部に挿通されている芯部材20とを有する。芯部材20は、筒部材15の下端部から突出している。アンカー10の筒部材15から突出した芯部材20は、支持層60に設けられた削孔61に挿入されている。支持層60は、例えば岩等の比較的硬い層である。削孔61に挿入された芯部材20の突出部20aは、その周囲に充填材40が充填されている。充填材40により、突出部20aは支持層60に定着する。なお、充填材40は、例えばモルタル等であり、削孔等に注入可能なように流動し、所定の時間が経過すると固化するものである。
図2に示されるように、筒部材15の下端面は、支持層60に接する位置まで地中に埋設されているが、この位置に限定されるものではなく、アンカー10が受ける荷重、地盤の状態等の条件により適宜設定される。
芯部材20は、略棒状の部材であり、例えば、PC鋼棒又は異形鉄筋などから構成される。筒部材15は、筒状に成形された部材であり、アンカー10が地盤に設置される前は内部は中空になっている。実施の形態1において、筒部材15及び芯部材20は断面が円形になっているが、円形に限定されるものではなく、適宜多角形等にしても良い。また、アンカー10が地盤に設置される状態において、筒部材15の内部には充填材40が充填されている。
筒部材15の上端面は、上側の端面部材11が取り付けられている。また、筒部材15の下端面は、下側の端面部材14が取り付けられている。上側の端面部材11及び下側の端面部材14は、芯部材20が挿通される穴が形成されており、芯部材20が筒部材15の所定の位置に配置されるように構成されている。芯部材20の上端部は、上側の端面部材11から上方に突出している。芯部材20の端部には、ネジ部が形成されており、ナット12が螺合している。ナット12は、上側の端面部材11の表面に接して締結されている。また、芯部材20の突出部20aにもネジ部が形成されており、ナット13が螺合している。ナット13は、下側の端面部材14の表面に接して締結されている。芯部材20が筒部材15の両端においてナット12及びナット13によって締結されていることにより、芯部材20は、筒部材15に対し軸方向に移動しないように固定される。なお、芯部材20は、ナット12及び13によって筒部材15に固定されているが、固定方法はこれだけに限定されるものではなく、例えば溶接等の手段により固定されていても良い。ただし、ナット12及びナット13を芯部材20に螺合させる構成の場合、筒部材15の両端から芯部材20が突出する長さを調整することができる。また、芯部材20の突出部20aにネジ部が形成されている場合、ネジ部の山形形状と固化した充填材40とが噛み合い、芯部材20が削孔61から引き抜かれる方向の荷重に対し強くなるという利点がある。
上側の端面部材11には、芯部材20が挿通される穴以外に開口部を備えていても良い。開口部は、アンカー10を地盤に埋設した後に筒部材15の内部に充填材40を注入する充填材注入穴として利用する。また、下側の端面部材14にも芯部材20が挿通される穴以外に開口部を備えていても良い。こちらの開口部は、支持層60の削孔61に連通させて、充填材40を削孔61に注入するものである。
図3は、図2のアンカー10の地盤に打ち込まれた長さ方向に対し垂直な断面の模式図である。芯部材20の中心軸は、筒部材15の中心軸に対し略平行に配置されている。このように構成されることにより、地盤に設置されたアンカー10の地盤に打ち込まれた長さ方向に対し垂直な断面は、筒部材15の長手方向のどの位置においてもほぼ同じ形態になる。図3に示されるように、芯部材20は、筒部材15の中心軸から外れた位置に配置されており、芯部材20以外は充填材40が充填されている。なお、実施の形態1において、芯部材20は、筒部材15の内周面に接するように配置されているが、必ずしも接していなくても良い。
図2及び図3に示されるように、アンカー10にはワイヤーロープ30の張力がかかる。芯部材20は、張力が働く方向を向いた筒部材15の点Cから最も遠い位置に配置されるのが望ましい。ワイヤーロープ30からの張力がアンカー10にかかると、筒部材15、その内部にある充填材40、及び芯部材20には曲げ応力が働く。そのとき、図3に示される線X−Xから上の部分の領域Bには、引っ張り応力が発生する。また、線X−Xから下の部分の領域Aには、圧縮応力が発生する。なお、線X−Xは、図3に示されるアンカー10の芯部材20の断面において、筒部材の中心軸を通り、張力が働く方向に直角な線である。
筒部材15の内部に充填されている充填材40は、例えばモルタル、コンクリート等から構成されている。アンカー10に充填されるコンクリート等は、圧縮強度に対し引張強度が低く、一般的に引張強度は圧縮強度の1/10〜1/13程度である。よって、引っ張り応力が発生する領域Bについては、充填材40の強度に対する寄与度は小さい。しかし、領域Bには芯部材20が配置されている。芯部材20は、例えばPC棒鋼等の鋼材が使用されるため、引っ張り強度が高い。そのため、領域Bの引っ張り応力に対する強度が高くなる。
図4は、比較例としてのアンカー110の断面を示す模式図である。比較例のアンカー110は、実施の形態1に係るアンカー10と同様に図2の状態で地盤に設置されているものとする。アンカー110は、芯部材20が筒部材15の中央に配置されている。アンカー110にもアンカー10と同様にワイヤーロープ30の張力がかかった場合、線X−Xを中立面として上側の領域Bには引っ張り応力が発生し、下側の領域Aには圧縮応力が発生する。芯部材20は、断面の中央に位置しているため、上側の領域Bにおいては、充填材40に引っ張り応力が発生する。そして、点Cと線X−Xについて対称な位置にある点Dにおいては、曲げにより発生する引っ張り応力が最大になる。そして、張力が大きくなると引っ張り応力により充填材40には亀裂が発生する。コンクリート等で構成される充填材40に亀裂が発生すると、亀裂が進行し、領域Aの充填材40も破断することになる。筒部材15の内部の充填材40が破断すると、充填材40が破断した部分から筒部材15の破損が発生し、所定の位置に固定されるべきワイヤーロープ30の端部が大きく変位したり、筒部材15にワイヤーロープ30が取り付けられている場合には、ワイヤーロープ30の固定が外れるおそれがある。
一方、図3に示されるアンカー10においては、引っ張り応力が最大となる点Dに芯部材20が配置されている。従って、アンカー10は、比較例に係るアンカー110に対し、強度が高くなり、曲げに対するひずみも小さくなる。なお、アンカー10の芯部材20の位置は、図3に示されている位置のみに限定されない。芯部材20の中心軸の位置が少なくとも線X−Xよりも上側の領域Bにあれば、比較例に係るアンカー110に対し強度が高くなる。
図5は、実施の形態1に係るアンカー10の設置状態の変形例を示す図である。図5に示されているアンカー210は、図2に示されたアンカー10に対し、筒部材15の下端部の位置を支持層60と土層50の境目から上方に離した状態で地盤に固定されている。アンカー210は、芯部材20の突出部20aが支持層60に挿入され固定されているが、突出部20aの一部が支持層60よりも上方に出た状態である。土層50にある突出部20aは、筒部材15よりも外径が小さく、土層50においては受働土圧を受ける面積は小さい。しかし、地盤の表面からは深い位置にあるため、受働土圧は地盤表面に近い部分よりも高い。アンカー210にワイヤーロープ30から荷重がかかった場合、支持層60から上側に出ている芯部材20の突出部20aよりも上の筒部材15の部分において曲げモーメントによる応力が最大になる。アンカー210にかかる曲げモーメントによる応力が最大になる部分が最も破損しやすい箇所になるが、アンカー210は、アンカー10と同様に引っ張り応力が高い部分に芯部材20が配置されているため、比較例に係るアンカー110によりも強度が高い。
図6は、実施の形態1に係るアンカー10の設置状態の変形例を示す図である。図6に示されているアンカー310は、図2に示されたアンカー10に対し、筒部材15の下端部の位置を支持層60に侵入した状態で地盤に固定されている。アンカー310は、筒部材15の下端部が支持層60に一部挿入され固定されている。従って、土層50にある筒部材15のうち支持層60と土層50との境目よりも上方の部分が曲げモーメントによる応力が最大になる。アンカー310にかかる曲げモーメントによる応力が最大になる部分が最も破損しやすい箇所になるが、アンカー310は、アンカー10と同様に引っ張り応力が高い部分に芯部材20が配置されているため、比較例に係るアンカー110よりも強度が高い。
図7は、実施の形態1に係るアンカー10の設置状態の変形例を示す図である。図7に示されているアンカー410は、図2に示されたアンカー10に対し、筒部材15の下端部から芯部材20の突出部20aが小さく、アンカー410は、土層50のみに埋設されている状態である。アンカー410は、受働土圧を受ける面積が上端から下端に至るまでほぼ均一であるが、地盤表面からの深さが深くなると受働土圧が高くなる。よって、アンカー410の下端よりも上方でアンカー410にかかる曲げモーメントによる応力が最大になる。アンカー410にかかる曲げモーメントによる応力が最大になる部分が最も破損しやすい箇所になるが、アンカー410は、アンカー10と同様に引っ張り応力が高い部分に芯部材20が配置されているため、比較例に係るアンカー110よりも強度が高い。
図8は、実施の形態1に係るアンカー10の設置状態の変形例を示す図である。図8に示されているアンカー510は、図7に示されたアンカー410が土層50のみ埋設されているのに対し、筒部材15の下端部の一部が支持層60に埋設されている状態である。アンカー410と同様に、アンカー510は土層50にある筒部材15のうち支持層60と土層50との境目よりも上方の部分が曲げモーメントによる応力が最大になる。ただし、土層50の受働土圧が低い場合は、土層50と支持層60との境目が支点となり応力が最大になる、アンカー510にかかる曲げモーメントによる応力が最大になる部分が最も破損しやすい箇所になるが、アンカー510は、上端から下端の全域にわたり筒部材15の内部の引っ張り応力が高い部分に芯部材20が配置されているため、比較例に係るアンカー110よりも強度が高い。
また、図1において、各アンカー10は、ワイヤーロープ30が延びる方向に点Cを向けて設置されるのが望ましい。このように構成されることにより、各アンカー10は、ワイヤーロープ30からの張力に対し高い強度を確保することができる。従って、従来よりもアンカー10の設置箇所を減少することができ、ワイヤーロープ伏工の設置費用も低減することができる。
図9は、本発明の実施の形態1に係るアンカー10を防護柵200に適用した場合の模式図である。防護柵200は、例えば山の斜面に設置され、積雪が斜面の下方に流れないように保持するためのものである。防護柵200にアンカー10を適用した場合であっても、図2、図5〜図8に示されている支持構造80を採用することができる。比較例にかかるアンカー110よりも強度の高いアンカー10、210、310、410を使用することにより、従来よりもアンカー10、210、310、410を設置する箇所を少なくでき、防護柵200の設置費用を低減できる。また、アンカー10、210、310、410の設置数が従来と同じであれば従来より大きい防護柵200が使用できるため、例えば山の斜面で生じる雪崩を防止する効果を高めることができる。
(実施の形態1の効果)
(1)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410は、両端に開口部を有する中空の筒部材15と、筒部材15を軸方向に貫通する芯部材20と、を備える。芯部材20は、当該芯部材20の中心軸が筒部材15の中心軸から外れた位置に配置される。
このように構成されることにより、ワイヤーロープ伏工100等を構成するワイヤーロープ30の張力がかかっても、強度及び剛性の高いアンカー10、210、310、410を提供することができる。そのため、アンカー10、210、310、410を使用した支持構造80も、アンカー10、210、310、410の設置箇所を減らすことができ、設置費用を低減できる。また、アンカー10、210、310、410を使用した支持構造80を適用したワイヤーロープ伏工100等が支持可能な荷重を高めることができ、性能を向上させることができる。
(2)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、芯部材20は、筒部材15の内周面に接している。
このように構成されることにより、アンカー10、210、310、410にかかる曲げモーメントにより発生する引っ張り応力を強度の高い芯部材20が受け持つことができる。そのため、アンカー10、210、310、410の強度がより向上し、破損の発生を抑えることができる。アンカー10、210、310、410を使用した支持構造80を適用した、ワイヤーロープ伏工100は、落石等の発生を防止する効果を高めることができる。
(3)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、芯部材20の中心軸は、筒部材15の中心軸と平行に配置される。
このように構成されることにより、アンカー10、210、310、410の筒部材15の部分の軸方向に対し垂直な各断面において、筒部材15に対する芯部材20の位置が同じ位置に配置される。そのため、アンカー10、210、310、410の筒部材15の部分のどの断面においても、同じ強度を確保することができる。例えば、土層50等の堆積物を構成する物の性状が地盤表面からの深さによって異なる場合に、曲げモーメントがかけられたアンカー10、210、310、410に発生する最大引っ張り応力が筒部材15の軸方向のどの位置で発生しても、強度の高いアンカー10、210、310、410を提供することができる。
(4)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、芯部材20は、筒部材15の両端の開口部の少なくとも一方から突出している。
このように構成されることにより、筒部材15の内部における芯部材20の配置を常に同じ位置に組み立てることができる。よって、ワイヤーロープ伏工100等の設置現場においてアンカー10、210、310、410を組み立て、設置する際に常に同じ強度のアンカー10、210、310、410を得ることができる。
(5)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、筒部材15は、内部の芯部材20以外の領域に充填材40が充填されている。
このように構成されることにより、筒部材15の部分の強度及び剛性が高く、大きい面積で受働土圧を受けることができるアンカー10、210、310、410が得られる。また、設置現場において筒部材15の内部に充填材40を充填することができるため、施工も容易である。
(6)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、筒部材15の両端に取り付けられる端面部材11、14を更に備える。端面部材11、14は、 芯部材20の中心軸が所定の位置に配置されるように位置決めする。
このように構成されることにより、アンカー10、210、310、410は、筒部材15の内部の所定位置に芯部材20を容易に取り付けることができる。そして、筒部材15の内部に充填材40を充填する空間を確実に確保できるため、筒部材15が所定の強度を安定して得られるようになる。
(7)また、端面部材11、14は、芯部材20を通す芯部材支持穴を備える。
このように構成されることにより、アンカー10、210、310、410は、筒部材15の内部の所定位置に芯部材20を容易に取り付けることができる。そして、筒部材15の内部に充填材40を充填する空間を確実に確保できるため、筒部材15が所定の強度を安定して得られるようになる。芯部材20は、端面部材11、14に予め設けられた芯部材支持穴を通し設置されるため、芯部材20の組み付けも容易で精度高く位置決めができる。
(8)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、芯部材20は、両端部にネジ部を備える。ネジ部にナット12、13が螺合する。端面部材11、14は、ナット12、13と筒部材15の端面との間に位置する。ナット12、13は、 締結されて芯部材20の中心軸方向に移動しないように固定される。
このように構成されることにより、芯部材20は筒部材15に着脱自在に取り付けることができ、芯部材20の突出部20aの長さの調整も自在にできる。よって、アンカー10、210、310、410は、設置現場の状況に合わせて自在に寸法調整ができ、地盤に固定される強度も安定して得られるため、ワイヤーロープ伏工100等の構造物の品質も向上する。
(9)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、端面部材11、14は、更に充填材注入穴を備える。
このように構成されることにより、筒部材15の内部に充填材40を充填する空間を確実に確保でき、かつ充填材40の注入作業も確実に行える。また、筒部材15の下側の端面部材14から支持層60に設けられた削孔61に充填材40を注入することも可能である。
(10)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、芯部材20は、PC棒鋼により構成される。
このように構成されることにより、芯部材20を強度の高い材質で構成するため、アンカー10、210、310、410の強度が更に向上する。
(11)実施の形態1に係るアンカー10、210、310、410によれば、筒部材15は、円筒形状である。
このように構成されることにより、筒部材15は、製造が容易でかつ土層50からの受働土圧に対し強度が高い。また、アンカー10、210、310、410の筒部材15の軸方向に垂直な断面において、最大引っ張り応力が出る位置が1点になるため、その1点に芯部材20を配置することにより、確実に強度の高いアンカー10、210、310、410を得ることができる。
(12)実施の形態1に係る支持構造80によれば、ワイヤーロープ30と、上記(1)〜(11)に記載のアンカー10、210、310、410と、を備える。アンカー10、210、310、410は、地中に埋設され、ワイヤーロープ30の端部は、アンカー10、210、310、410の端部に取り付けられる。なお、ワイヤーロープ30は、本願発明の支持部材に相当する。
このように構成されることにより、上記(1)〜(11)に記載した効果を有するアンカー10、210、310、410を使用した支持構造80が得られる。
(13)実施の形態1に係る支持構造80によれば、アンカー10、210、310、410は、ワイヤーロープ30から受ける荷重によりアンカー10、210、310、410の断面に引張応力が発生する領域に芯部材20の断面が配置されるように構成される。
(14)また、実施の形態1に係る支持構造80によれば、アンカー10、210、310、410は、筒部材15の内部において筒部材15のワイヤーロープ30から受ける荷重方向側の面に対し対向する面に近い側の領域Bに芯部材20の断面が配置される。領域Bは、筒部材15の軸方向垂直断面の面積の半分の面積を占める。
このように構成されることにより、アンカー10、210、310、410が高い強度及び剛性を出せる方向にワイヤーロープ30から荷重がかかるため、支持構造80が受けられる荷重が高くなる。そして、支持構造80を適用したワイヤーロープ伏工100等の性能も向上する。
10 アンカー、11 端面部材、12 ナット、13 ナット、14 端面部材、15 筒部材、20 芯部材、20a 突出部、30 ワイヤーロープ、31 ワイヤーロープ、40 充填材、50 土層、60 支持層、61 削孔、80 支持構造、100 ワイヤーロープ伏工、110 アンカー、200 防護柵、210 アンカー、310 アンカー、410 アンカー、510 アンカー、A 領域、B 領域。

Claims (13)

  1. 両端に開口部を有する中空の筒部材及び前記筒部材を軸方向に貫通する芯部材備え、前記筒部材及び前記芯部材の少なくとも一部が地中に埋設され、地上側の端部に荷重が掛かるアンカーであって、
    前記芯部材は、
    当該芯部材の中心軸が前記筒部材の中心軸から外れた位置に配置され
    前記筒部材は、
    内部の前記芯部材以外の部分に充填材が充填される、アンカー。
  2. 前記芯部材は、
    前記筒部材の内周面に接している、請求項1に記載のアンカー。
  3. 前記芯部材の中心軸は、
    前記筒部材の中心軸と平行に配置される、請求項1又は2に記載のアンカー。
  4. 前記芯部材は、
    前記筒部材の両端の前記開口部の少なくとも一方から突出している、請求項1〜3の何れか1項に記載のアンカー。
  5. 前記筒部材の両端に取り付けられる端面部材を更に備え、
    前記端面部材は、
    前記芯部材の中心軸が所定の位置に配置されるように位置決めする、請求項1〜の何れか1項に記載のアンカー。
  6. 前記端面部材は、
    前記芯部材を通す芯部材支持穴を備える、請求項に記載のアンカー。
  7. 前記芯部材は、
    両端部にネジ部を備え、
    前記ネジ部にナットが螺合し、
    前記端面部材は、
    前記ナットと前記筒部材の端面との間に位置し、
    前記ナットは、
    締結されて前記芯部材の中心軸方向に移動しないように固定される、請求項又はに記載のアンカー。
  8. 前記端面部材は、
    さらに充填材注入穴を備える、請求項の何れか1項に記載のアンカー。
  9. 前記芯部材は、
    PC棒鋼により構成される、請求項1〜の何れか1項に記載のアンカー。
  10. 前記筒部材は、
    円筒形状である、請求項1〜の何れか1項に記載のアンカー。
  11. 支持部材と、
    請求項1〜10の何れか1項に記載のアンカーと、を備え、
    前記アンカーは、
    少なくとも一部が地中に埋設され、
    前記支持部材の端部は、
    前記アンカーの地上側の端部に取り付けられる、支持構造。
  12. 前記アンカーは、
    前記支持部材から受ける荷重により前記アンカーの断面に引張応力が発生する領域に前記芯部材の断面が配置されるように構成される、請求項11に記載の支持構造。
  13. 前記アンカーは、
    前記筒部材の内部の前記筒部材の前記支持部材から受ける荷重方向側の面に対し対向する面に近い側の領域に前記芯部材の断面が配置され、
    前記領域は、
    前記筒部材の軸方向垂直断面の面積の半分の面積を占める、請求項11に記載の支持構造。
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