JP2012246661A - 地山の安定化工法及びその構造及び挟持ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】急峻な斜面や切土斜面などの不陸性が悪い現場において、簡単な構造及び低廉な施工費用でもって、品質の一定した地山の安定化構造を提供すること。
【解決手段】頭部を地表に露出するよう、地山に間隔を設けて複数の補強部材を挿入し、各補強部材の頭部から支圧部材を螺合して地山に配置し、各補強部材間にベルト部材を緊張力を導入せずに敷設し、各補強部材の頭部から押圧部材を差し込んで、前記支圧部材とともに前記ベルト部材を挟み、各補強部材の先端から締結具を螺合し、該締結具により前記押圧部材を地山方向に押し込んで、ベルト部材を固定し、地山の流動時に前記ベルト材に緊張力を発生させて地山の流動を抑止する。
【選択図】図2
【解決手段】頭部を地表に露出するよう、地山に間隔を設けて複数の補強部材を挿入し、各補強部材の頭部から支圧部材を螺合して地山に配置し、各補強部材間にベルト部材を緊張力を導入せずに敷設し、各補強部材の頭部から押圧部材を差し込んで、前記支圧部材とともに前記ベルト部材を挟み、各補強部材の先端から締結具を螺合し、該締結具により前記押圧部材を地山方向に押し込んで、ベルト部材を固定し、地山の流動時に前記ベルト材に緊張力を発生させて地山の流動を抑止する。
【選択図】図2
Description
本願発明は、地山の安定化工法及びその構造及び挟持ユニットに関する。
斜面や法面などの地山を安定化する工法としてロックボルト工法がある。
ロックボルト工法は、地山に鉄筋棒を挿入し、前記鉄筋棒の頭部に受圧版を設け、当該構成でもって地山の動きを抑制するものである。
ロックボルト工法は、地山に鉄筋棒を挿入し、前記鉄筋棒の頭部に受圧版を設け、当該構成でもって地山の動きを抑制するものである。
上記ロックボルト工法の改良発明として特許文献1に記載の発明がある。
特許文献1には、斜面に挿入した棒材と、棒材の回りに打設した固化剤と、該固化材の上側に設けた空隙部に充填した弾塑性部材と、前記弾塑性部材の上が二配置した受け部材と、前記棒材頭部に取り付けられた押し込み部材と、前記弾塑性部材が充填又は配置された斜面と前記押し込み部材とで挟まれた平板状部材、とからなる斜面の安定化構造が記載されている。
前記従来の斜面安定化構造は、押し込み部材を斜面方向に押し込むことにより、斜面との間に挟まれた平板状部材をも斜面方向に押しこむことにより緊張力を導入し、平板状部材を確実に斜面に沿わせて、随時斜面の押さえ込み力を発生させるものである。
特許文献1には、斜面に挿入した棒材と、棒材の回りに打設した固化剤と、該固化材の上側に設けた空隙部に充填した弾塑性部材と、前記弾塑性部材の上が二配置した受け部材と、前記棒材頭部に取り付けられた押し込み部材と、前記弾塑性部材が充填又は配置された斜面と前記押し込み部材とで挟まれた平板状部材、とからなる斜面の安定化構造が記載されている。
前記従来の斜面安定化構造は、押し込み部材を斜面方向に押し込むことにより、斜面との間に挟まれた平板状部材をも斜面方向に押しこむことにより緊張力を導入し、平板状部材を確実に斜面に沿わせて、随時斜面の押さえ込み力を発生させるものである。
しかし、特許文献1に記載の発明では、施工当初から平板状部材に大きな緊張力を導入することに起因して、以下の様な問題が生じうる。
(1)不陸性の限界
切土斜面などの斜面の凹凸が激しい場所では、施工当初から緊張力を導入する平板状部材が斜面にうまく密着しないため、斜面に対して押さえ込み力が効率よく伝達されない。
(2)施工性の限界
受け部材の動きが固化剤に伝達しないよう、弾塑性部材を設けなければならない。従って、施工現場で直接発泡ウレタンの吹きつけ作業を行わなければならず、急峻な斜面などの難しい現場では作業性も悪く、施工精度にムラが生じやすい。
(3)施工コストの限界
施工当初から緊張力を導入する平板状部材に相応の耐力が求められることとなり、所望の耐力に応じた高価な材料を選択しなければならず、施工コストの低減が見込めない。
(1)不陸性の限界
切土斜面などの斜面の凹凸が激しい場所では、施工当初から緊張力を導入する平板状部材が斜面にうまく密着しないため、斜面に対して押さえ込み力が効率よく伝達されない。
(2)施工性の限界
受け部材の動きが固化剤に伝達しないよう、弾塑性部材を設けなければならない。従って、施工現場で直接発泡ウレタンの吹きつけ作業を行わなければならず、急峻な斜面などの難しい現場では作業性も悪く、施工精度にムラが生じやすい。
(3)施工コストの限界
施工当初から緊張力を導入する平板状部材に相応の耐力が求められることとなり、所望の耐力に応じた高価な材料を選択しなければならず、施工コストの低減が見込めない。
従って、本願発明は補強材の一体性と地山の移動・流動を抑止することを特徴とする、地山の安定化工法を提供することを目的の一つとするものである。
上記従来の課題を解決すべくなされた本願発明は、斜面表面に配置された補強材に連結されたベルト部材により一体性効果と斜面表面の保護を行うものである。
斜面の動きに追従できるように設置段階ではベルト部材に大きな緊張はかけずに適度に張設されたものである。
ベルト部材は補強材部分で支圧部材と押圧部材により挟み込み定着させることで、斜面の挙動が発生した際、適正にベルト部材に緊張力が発生し上述の効果を適正に発揮させる構造としたものである。
斜面の動きに追従できるように設置段階ではベルト部材に大きな緊張はかけずに適度に張設されたものである。
ベルト部材は補強材部分で支圧部材と押圧部材により挟み込み定着させることで、斜面の挙動が発生した際、適正にベルト部材に緊張力が発生し上述の効果を適正に発揮させる構造としたものである。
すなわち、本願の第1発明は、頭部を地表に露出するよう、地山に間隔を設けて複数の補強部材を挿入し、各補強部材の頭部から支圧部材を螺合して地山に配置し、各補強部材間にベルト部材を緊張力を導入せずに敷設し、各補強部材の頭部から押圧部材を差し込んで、前記支圧部材とともに前記ベルト部材を挟み、各補強部材の先端から締結具を螺合し、該締結具により前記押圧部材を地山方向に押し込んで、ベルト部材を固定することを特徴とする、地山の安定化工法を提供するものである。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記ベルト部材が、幅方向に所定間隔を設けて並設した引張材と、該引張材をそれぞれ連結する連結材と、でもって複数の挿入孔を備えた部材であり、前記挿入孔を介して補強部材を挿入することを特徴とするものである。
また、本願の第3発明は、頭部を地表に露出するよう、地山に間隔を設けて挿入した複数の補強部材と、各補強部材間に緊張力を導入せずに敷設したベルト部材と、各補強部材の頭部から螺合して、前記ベルト部材の下方に配する支圧部材と、各補強部材の頭部から差し込んで、前記ベルト部材の上方に配する押圧部材と、各補強部材の頭部から螺合して、前記押圧部材の上方に配する締結具と、からなり、前記締結具の螺合により前記押圧部材と支圧部材との相対距離を縮めて前記ベルト部材を固定したことを特徴とする、地山の安定化構造を提供するものである。
また、本願の第4発明は、前記第3発明において、前記ベルト部材が、幅方向に所定間隔を設けて並設した引張材と、該引張材をそれぞれ連結する連結材と、でもって複数の挿入孔を備えた部材であり、前記挿入孔を介して補強部材を挿入可能に構成したことを特徴とするものである。
また、本願の第5発明は、頭部を地表に露出するよう地山に挿入した補強部材に差し込みながら地山に敷設するベルト材を固定する為の挟持ユニットであって、前記補強部材の頭部から螺合して、前記ベルト部材の下方に配する支圧部材と、前記補強部材の頭部から差し込んで、前記ベルト部材の上方に配する押圧部材と、前記補強部材の頭部から螺合して、前記押圧部材の上方に配する締結具と、からなり、前記締結具の螺合により前記押圧部材と支圧部材との相対距離を縮めて前記ベルト部材を固定することを特徴とする、挟持ユニットを提供するものである。
前記本願発明における「緊張力を導入しない」とは、「地山の表面の凹凸にほどよく追従する程度に張った」程度の状態を指すものであり、ベルト部材を必要以上に弛ませて配置する構成までをも意図するものではない。
本願発明によれば、以下に示す効果のうち、少なくとも何れか一つを得ることができる。
(1)不陸性への対応
施工当初から地山に対して押さえ込み力が発生する程の緊張力を導入せずに、地山表面に敷き渡す程度でベルト部材を敷設するため、斜面の凹凸が激しい現場でもベルト部材が柔軟に追従し、密着性に優れる。
(2)施工性の確保
現場で発泡ウレタンなどの吹きつけ作業を行う必要が無く、また作業に用いる部材の殆どが製作済みのものであるため、急峻な斜面等の難しい現場であっても一定の施工品質を確保しやすい。
(3)施工コストの効率化
施工当初からベルト部材に大きな緊張力を導入するものでないため、ベルト部材に用いる補強材について、従来のものより廉価な材料を選択することができ、施工コストの低減に寄与する。
(1)不陸性への対応
施工当初から地山に対して押さえ込み力が発生する程の緊張力を導入せずに、地山表面に敷き渡す程度でベルト部材を敷設するため、斜面の凹凸が激しい現場でもベルト部材が柔軟に追従し、密着性に優れる。
(2)施工性の確保
現場で発泡ウレタンなどの吹きつけ作業を行う必要が無く、また作業に用いる部材の殆どが製作済みのものであるため、急峻な斜面等の難しい現場であっても一定の施工品質を確保しやすい。
(3)施工コストの効率化
施工当初からベルト部材に大きな緊張力を導入するものでないため、ベルト部材に用いる補強材について、従来のものより廉価な材料を選択することができ、施工コストの低減に寄与する。
以下、図面を参照しながら本願発明の実施の形態について説明する。
<1>全体構成
図1を参照しながら、本願発明に係る地山の安定化構造の概略について説明する。
地山安定化構造とは、斜面や法面などの地山の滑りや崩落を防止する為の構造である。
本願発明に係る地山安定化構造は、地山Aに挿入する補強部材1と、地山Aに敷設するベルト部材2と、前記ベルト部材2を上下から挟む挟持ユニッ3トで構成する。
補強部材1は、地山の縦横方向に適宜間隔を設けて地山に挿入・配置してある。
ベルト部材2は、地山にトラス形状もしくは格子状に敷設し、各ベルト部材の交差部分が、補強部材1の設置位置となるように配置する。
挟持ユニット3は、各ベルト部材2の交差部分を挟持して固定するように配置する。
以下、図2を参照しながら、各構成部材の詳細について説明する。
図1を参照しながら、本願発明に係る地山の安定化構造の概略について説明する。
地山安定化構造とは、斜面や法面などの地山の滑りや崩落を防止する為の構造である。
本願発明に係る地山安定化構造は、地山Aに挿入する補強部材1と、地山Aに敷設するベルト部材2と、前記ベルト部材2を上下から挟む挟持ユニッ3トで構成する。
補強部材1は、地山の縦横方向に適宜間隔を設けて地山に挿入・配置してある。
ベルト部材2は、地山にトラス形状もしくは格子状に敷設し、各ベルト部材の交差部分が、補強部材1の設置位置となるように配置する。
挟持ユニット3は、各ベルト部材2の交差部分を挟持して固定するように配置する。
以下、図2を参照しながら、各構成部材の詳細について説明する。
<2>補強部材
補強部材1は、地山を一体化するための部材である。
補強部材1は、いわゆるロックボルトや、アンカー部材などを用いることができ、図2に示す実施例では鉄筋棒を用いている。
補強部材1の頭部は、地中に露出しておき、後述する各構成部材の取付に用いるものとする。
また、補強部材1のうち、少なくとも露出部分には、螺合溝11を切っておく。
補強部材1は、地山を一体化するための部材である。
補強部材1は、いわゆるロックボルトや、アンカー部材などを用いることができ、図2に示す実施例では鉄筋棒を用いている。
補強部材1の頭部は、地中に露出しておき、後述する各構成部材の取付に用いるものとする。
また、補強部材1のうち、少なくとも露出部分には、螺合溝11を切っておく。
<3>ベルト部材
ベルト部材2は、地山に複数設けた補強部材1,1・・・間に敷設して地山の挙動を抑制するための部材である。
ベルト部材2は、可撓性を有する帯状の長手部材であって、補強部材1に差し込み可能な程度の複数の挿入孔23を有した構造を呈すればよく、簾状や網状の周知の部材を用いることができる。
ベルト部材2中に挿入孔23を有する構造の一例としては、図2に示すように長手方向に延伸し、幅方向に所定間隔を設けて並設した引張材21と、該引張材21をそれぞれ連結する連結材22の間の間隙部分を挿入孔23とするよう構成することができる。
ベルト部材2は、地山に複数設けた補強部材1,1・・・間に敷設して地山の挙動を抑制するための部材である。
ベルト部材2は、可撓性を有する帯状の長手部材であって、補強部材1に差し込み可能な程度の複数の挿入孔23を有した構造を呈すればよく、簾状や網状の周知の部材を用いることができる。
ベルト部材2中に挿入孔23を有する構造の一例としては、図2に示すように長手方向に延伸し、幅方向に所定間隔を設けて並設した引張材21と、該引張材21をそれぞれ連結する連結材22の間の間隙部分を挿入孔23とするよう構成することができる。
<3.1>引張材
引張材21は、地山の滑りや崩落等に抵抗するための部材である。
引張材21は、長手方向に対して優れた引張強度を有することを要する素材で繊維製や鉄製の部材など適材で使用できるが、斜面上の作業性などを勘案すると繊維製品が望ましく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、低圧ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66等のポリアミド繊維、ポリパラテレフタルアミド、ポリメタテレフタルアミド等のアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、炭素繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリオキシケトン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合或いは組み合わせる等して用いてもよい。
引張材21は、地山の滑りや崩落等に抵抗するための部材である。
引張材21は、長手方向に対して優れた引張強度を有することを要する素材で繊維製や鉄製の部材など適材で使用できるが、斜面上の作業性などを勘案すると繊維製品が望ましく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、低圧ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66等のポリアミド繊維、ポリパラテレフタルアミド、ポリメタテレフタルアミド等のアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、炭素繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリオキシケトン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合或いは組み合わせる等して用いてもよい。
<3.2>連結材
連結材22は、各引張部材を所定間隔を設けて連結するための部材である。
連結材22を用いた連結態様は、各引張部材21,21・・・間において、補強部材1を挿通できる程度の間隙を設けることができれば、如何なる態様でもよい。
また、連結材22は、前記引張部材21と異なり、引張力に対して大きな耐力を設けることを必須の要件とするものではない。
連結材22は、各引張部材を所定間隔を設けて連結するための部材である。
連結材22を用いた連結態様は、各引張部材21,21・・・間において、補強部材1を挿通できる程度の間隙を設けることができれば、如何なる態様でもよい。
また、連結材22は、前記引張部材21と異なり、引張力に対して大きな耐力を設けることを必須の要件とするものではない。
<4>挟持ユニット
挟持ユニット3は、前記ベルト部材2の下方に配する支圧部材31と、前記ベルト部材2の上方に配する押圧部材32と、前記押圧部材32の上方に配する締結具33と、によって構成する。
挟持ユニット3は、前記ベルト部材2の下方に配する支圧部材31と、前記ベルト部材2の上方に配する押圧部材32と、前記押圧部材32の上方に配する締結具33と、によって構成する。
<4.1>支圧部材
支圧部材31は、地山への支圧並びにベルト材2を挟持する為の部材である。
支圧部材31は平板状の部材を用いることができ、前記補強部材1に螺合する為の上下に貫通した螺合穴311を設けたものやあらかじめナットなどを配置しておき、それを受けにして位置決めできることのできる構造を要する。
支圧部材31は、地山への支圧並びにベルト材2を挟持する為の部材である。
支圧部材31は平板状の部材を用いることができ、前記補強部材1に螺合する為の上下に貫通した螺合穴311を設けたものやあらかじめナットなどを配置しておき、それを受けにして位置決めできることのできる構造を要する。
<4.2>押圧部材
押圧部材32は、前記支圧部材31とともに前記ベルト部材2を挟み込んで固定するための部材である。
押圧部材32は平板状の部材を用いることができ、前記補強部材1の直径よりも略大きな直径を呈する、上下に貫通した挿入孔を設けておくことを要する。
なお、図2に示すように、後述する締結具33と対応する凹部を設けても良い。
上記構成により、前記挿入孔に前記補強部材1を差し込んだ後であっても、押圧部材32は支圧部材31に対して上下に相対移動自在に配される。
押圧部材32は、前記支圧部材31とともに前記ベルト部材2を挟み込んで固定するための部材である。
押圧部材32は平板状の部材を用いることができ、前記補強部材1の直径よりも略大きな直径を呈する、上下に貫通した挿入孔を設けておくことを要する。
なお、図2に示すように、後述する締結具33と対応する凹部を設けても良い。
上記構成により、前記挿入孔に前記補強部材1を差し込んだ後であっても、押圧部材32は支圧部材31に対して上下に相対移動自在に配される。
<4.3>締結具
締結具33は、前記押圧部材32を地山方向に押し込む為の部材である。
より詳細に説明すると、締結具33は、前記支圧部材31と押圧部材32との間隔を狭小とすることにより、両者の間に敷設したベルト部材2をより強固に固定・位置決めするための部材である。
締結具33は、前記補強部材1と螺合可能な螺合穴を有するナットなどの周知の部材を用いることができる。
締結具33は、前記押圧部材32を地山方向に押し込む為の部材である。
より詳細に説明すると、締結具33は、前記支圧部材31と押圧部材32との間隔を狭小とすることにより、両者の間に敷設したベルト部材2をより強固に固定・位置決めするための部材である。
締結具33は、前記補強部材1と螺合可能な螺合穴を有するナットなどの周知の部材を用いることができる。
<5>工法手順
次に、図3を参照しながら、前記地山安定化構造を構築するための手順について説明する。
次に、図3を参照しながら、前記地山安定化構造を構築するための手順について説明する。
<5.1>補強部材の挿入(図3(a))
まず、地山Aに所定間隔を設けて削孔した削孔穴Bに、グラウトなどの充填材4とともに補強部材1を挿入する。なお、本願発明では、充填材4の充填を必須とするものでも、補強部材1の挿入作業と充填材4の充填作業の前後を問うものでもない。
まず、地山Aに所定間隔を設けて削孔した削孔穴Bに、グラウトなどの充填材4とともに補強部材1を挿入する。なお、本願発明では、充填材4の充填を必須とするものでも、補強部材1の挿入作業と充填材4の充填作業の前後を問うものでもない。
<5.2>支圧部材の螺合(図3(b))
次に、前記補強部材2に設けた螺合溝11を介して、支圧部材31を螺合する。
前記支圧部材31は、補強部材1への螺合により、支圧部材31の下面が地山Aに接触させるように配置する。
次に、前記補強部材2に設けた螺合溝11を介して、支圧部材31を螺合する。
前記支圧部材31は、補強部材1への螺合により、支圧部材31の下面が地山Aに接触させるように配置する。
<5.3>ベルト部材の敷設(図3(c))
前記ベルト部材2に設けてある挿入孔23を介して前記補強部材1にベルト部材2を差しこんで敷設する。このとき、ベルト部材2には特段の緊張力をかけず、地山Aの表面の凹凸にほどよく追従する程度に張った状態としておく。
前記ベルト部材2に設けてある挿入孔23を介して前記補強部材1にベルト部材2を差しこんで敷設する。このとき、ベルト部材2には特段の緊張力をかけず、地山Aの表面の凹凸にほどよく追従する程度に張った状態としておく。
<5.4>押圧部材の設置(図3(d))
次に、前記押圧部材32を補強部材1に差し込み、設置済みの前記支圧部材31と共に、ベルト部材2を上下から挟み込む。
次に、前記押圧部材32を補強部材1に差し込み、設置済みの前記支圧部材31と共に、ベルト部材2を上下から挟み込む。
<5.5>締結具による押圧(図3(e))
次に、前記押圧部材32の上方から締結具33を補強部材に螺合する。
締結具33の螺合が進むにつれて、前記押圧部材32は地山方向へと押し込まれ、支圧部材31と共働してベルト部材2をより強固に補強部材1の位置で固定・位置決めすることとなる。
次に、前記押圧部材32の上方から締結具33を補強部材に螺合する。
締結具33の螺合が進むにつれて、前記押圧部材32は地山方向へと押し込まれ、支圧部材31と共働してベルト部材2をより強固に補強部材1の位置で固定・位置決めすることとなる。
<6>作用
次に、図4を参照しながら、本願発明の地山の安定化構造の作用について説明する。
次に、図4を参照しながら、本願発明の地山の安定化構造の作用について説明する。
<6.1>通常時(図4(a))
通常、各補強部材1,1・・・間の距離は一定の距離を維持している。
このとき、各補強部材1間において、ベルト材2は実際は特段の緊張力をかけず、地山の凹凸に沿う程度に張った状態で敷設されている。
通常、各補強部材1,1・・・間の距離は一定の距離を維持している。
このとき、各補強部材1間において、ベルト材2は実際は特段の緊張力をかけず、地山の凹凸に沿う程度に張った状態で敷設されている。
<6.2>地山の流動時(図4(b))
地山Aの滑りや崩落等が発生すると、各補強部材1,1・・・間の距離を拡げたり、地山Aの表面が隆起したりといった、土圧発生現象が生ずる。
このとき、各補強部材1,1・・・間を連結するように敷設してあるベルト材2には引張力が生じるため、当該引張力でもって地山の滑りや隆起を拘束し、地山Aの崩落等に抵抗することとなる。
なお、通常時において、ベルト部材2には大きな緊張力を導入していないため、当該ベルト部材2に生ずる引張力によって伸びる分の長さや、地山A表面に沿った分の余剰長さについては、積極的に地山Aの移動や隆起を許容することとなる。
当該構成によれば、ある程度は地山の移動や隆起を許容しつつ、大きな地山の移動や隆起はベルト材2によって抑制することで、コストの高い材料を用いずとも地山Aについて一定の安全性を担保することができ、作業コストの低廉化と地山の安全性の確保の両立を図ることができる。
地山Aの滑りや崩落等が発生すると、各補強部材1,1・・・間の距離を拡げたり、地山Aの表面が隆起したりといった、土圧発生現象が生ずる。
このとき、各補強部材1,1・・・間を連結するように敷設してあるベルト材2には引張力が生じるため、当該引張力でもって地山の滑りや隆起を拘束し、地山Aの崩落等に抵抗することとなる。
なお、通常時において、ベルト部材2には大きな緊張力を導入していないため、当該ベルト部材2に生ずる引張力によって伸びる分の長さや、地山A表面に沿った分の余剰長さについては、積極的に地山Aの移動や隆起を許容することとなる。
当該構成によれば、ある程度は地山の移動や隆起を許容しつつ、大きな地山の移動や隆起はベルト材2によって抑制することで、コストの高い材料を用いずとも地山Aについて一定の安全性を担保することができ、作業コストの低廉化と地山の安全性の確保の両立を図ることができる。
<7>他の実施例
本願発明に係る挟持ユニット3は、例えば以下の様の構成を呈することができる。
[外形例]
図5(a)(b)では、支圧部材31の上面に曲面又は段差を呈する凹部を形成し、前記押圧部材32は、前記凹部と対応する形状の凸部を形成する。
このとき、両者に挟まれるベルト部材2は、平坦に挟まれた場合と比較して挟まれる部分の接触面積が増加することにより、より強固にベルト部材2が位置決めされる。このとき、凹凸加工を各部材で入れ換えても良い。
また、図5(c)に示すように、押圧部材32の下面に、複数の凸部を設けるように構成してもよい。このとき、凹凸加工を各部材で入れ換えても良いし、支圧部材及び押圧部材の両者に凹凸加工を施しても良い。
上記の外形例によれば、支圧部材31と押圧部材32との接触面積の増加や、ベルトのロッキング効果の向上が期待できる。
本願発明に係る挟持ユニット3は、例えば以下の様の構成を呈することができる。
[外形例]
図5(a)(b)では、支圧部材31の上面に曲面又は段差を呈する凹部を形成し、前記押圧部材32は、前記凹部と対応する形状の凸部を形成する。
このとき、両者に挟まれるベルト部材2は、平坦に挟まれた場合と比較して挟まれる部分の接触面積が増加することにより、より強固にベルト部材2が位置決めされる。このとき、凹凸加工を各部材で入れ換えても良い。
また、図5(c)に示すように、押圧部材32の下面に、複数の凸部を設けるように構成してもよい。このとき、凹凸加工を各部材で入れ換えても良いし、支圧部材及び押圧部材の両者に凹凸加工を施しても良い。
上記の外形例によれば、支圧部材31と押圧部材32との接触面積の増加や、ベルトのロッキング効果の向上が期待できる。
[その他の外形例]
また、前記支圧部材31及び押圧部材32の形状は前記した実施例に示す形状に限定されるものではなく、受圧板として用いる公知の形状を用いることができる。例えば、それぞれの外形を円形状、多角形状、その他の形状とすることができる。また、軽量化の為に、一部を中抜きの形状としてもよい。このとき、ベルト部材2との接触面積が極端に小さくならないよう適宜設計することが好ましい。
また、前記支圧部材31及び押圧部材32の形状は前記した実施例に示す形状に限定されるものではなく、受圧板として用いる公知の形状を用いることができる。例えば、それぞれの外形を円形状、多角形状、その他の形状とすることができる。また、軽量化の為に、一部を中抜きの形状としてもよい。このとき、ベルト部材2との接触面積が極端に小さくならないよう適宜設計することが好ましい。
[素材例]
また、支圧部材31及び押圧部材32の素材は、鋼、プラスチック、その他の素材を用いることができるが、急峻な斜面等での施工の際には、軽量で運搬性に優れるプラスチック製のものを用いることが好ましい。
また、支圧部材31及び押圧部材32の素材は、鋼、プラスチック、その他の素材を用いることができるが、急峻な斜面等での施工の際には、軽量で運搬性に優れるプラスチック製のものを用いることが好ましい。
[手順例]
また、本願発明の地山安定化工法においては、支圧部材を所定の箇所に設置したのち、支圧部材31に設けた螺合穴から自穿孔式のロックボルト等の補強部材1を地山に挿入し、その後ベルト部材2、押圧部材32、及び締結具33を順次設置してもよい。
また、支圧部材31とベルト部材2を先に配置・敷設したのち、補強部材1を地山に挿入し、押圧部材32、締結具33を順次設置してもよい。
また、本願発明の地山安定化工法においては、支圧部材を所定の箇所に設置したのち、支圧部材31に設けた螺合穴から自穿孔式のロックボルト等の補強部材1を地山に挿入し、その後ベルト部材2、押圧部材32、及び締結具33を順次設置してもよい。
また、支圧部材31とベルト部材2を先に配置・敷設したのち、補強部材1を地山に挿入し、押圧部材32、締結具33を順次設置してもよい。
1 補強部材
11 螺合溝
2 ベルト部材
21 引張材
22 連結材
23 挿入孔
3 挟持ユニット
31 支圧部材
32 押圧部材
33 締結具
4 充填材
11 螺合溝
2 ベルト部材
21 引張材
22 連結材
23 挿入孔
3 挟持ユニット
31 支圧部材
32 押圧部材
33 締結具
4 充填材
Claims (5)
- 頭部を地表に露出するよう、地山に間隔を設けて複数の補強部材を挿入し、
各補強部材の頭部から支圧部材を螺合して地山に配置し、
各補強部材間にベルト部材を緊張力を導入せずに敷設し、
各補強部材の頭部から押圧部材を差し込んで、前記支圧部材とともに前記ベルト部材を挟み、
各補強部材の先端から締結具を螺合し、該締結具により前記押圧部材を地山方向に押し込んで、ベルト部材を固定することを特徴とする、地山の安定化工法。 - 前記ベルト部材が、幅方向に所定間隔を設けて並設した引張材と、該引張材をそれぞれ連結する連結材と、でもって複数の挿入孔を形成した部材であり、前記挿入孔を介して補強部材を挿入することを特徴とする、請求項1に記載の地山の安定化工法。
- 頭部を地表に露出するよう、地山に間隔を設けて挿入した複数の補強部材と、
各補強部材間に緊張力を導入せずに敷設したベルト部材と、
各補強部材の頭部から螺合して、前記ベルト部材の下方に配する支圧部材と、
各補強部材の頭部から差し込んで、前記ベルト部材の上方に配する押圧部材と、
各補強部材の頭部から螺合して、前記押圧部材の上方に配する締結具と、からなり、
前記締結具の螺合により前記押圧部材と支圧部材との相対距離を縮めて前記ベルト部材を固定したことを特徴とする、
地山の安定化構造。 - 前記ベルト部材が、幅方向に所定間隔を設けて並設した引張材と、該引張材をそれぞれ連結する連結材と、でもって複数の挿入孔を備えた部材であり、前記挿入孔を介して補強部材を挿入してあることを特徴とする、請求項3に記載の地山の安定化構造。
- 頭部を地表に露出するよう地山に挿入した補強部材に差し込みながら地山に敷設するベルト材を固定する為の挟持ユニットであって、
前記補強部材の頭部から螺合して、前記ベルト部材の下方に配する支圧部材と、
前記補強部材の頭部から差し込んで、前記ベルト部材の上方に配する押圧部材と、
前記補強部材の頭部から螺合して、前記押圧部材の上方に配する締結具と、からなり、
前記締結具の螺合により前記押圧部材と支圧部材との相対距離を縮めて前記ベルト部材を固定することを特徴とする、挟持ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011118261A JP2012246661A (ja) | 2011-05-26 | 2011-05-26 | 地山の安定化工法及びその構造及び挟持ユニット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2012246661A true JP2012246661A (ja) | 2012-12-13 |
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ID=47467372
Family Applications (1)
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JP2011118261A Pending JP2012246661A (ja) | 2011-05-26 | 2011-05-26 | 地山の安定化工法及びその構造及び挟持ユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2012246661A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015132083A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | イビデングリーンテック株式会社 | 斜面安定化構造と斜面安定用受圧板。 |
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2011
- 2011-05-26 JP JP2011118261A patent/JP2012246661A/ja active Pending
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