JP6858386B1 - 更生管の変形防止装置及び既設管の更生方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしこのようなプロファイルを使用しても、螺旋巻きで更生管の構築を進めていくうちに更生管の自重により側壁が徐々に外側に膨れ、更生管がひしゃげてしまうことがある。
この問題に対して、裏込め材を充填する前に、更生管形状を所定の形状(幅・高さ)に戻すために更生管の内側にセットする浮上防止兼支保工を用いる方法が知られている。この方法では、管の幅方向の変形防止枠から突き出している腹起し材と連結させる寸切りボルトを突き出す方向に締め上げることにより、更生管を縦方向に引っ張り上げ縦寸法を確保すべく調整する。次に四隅のコーナー部を前記寸切りボルトの締め上げと同様にしてハンチを張り出す方向に調整を行うことで横方向を所定寸法に調整する。
しかし、上記方法では、ハンチを張りきれずに幅の拡がりを抑え切れないことが有り、この傾向は管渠の側壁が高い程顕著であった。
同様の問題を解決する手段として、円形断面の更生管の変形を防止する方法が開示されている(例えば、下記特許文献2)。
特許文献2に記載の既設管の更生方法は、既設管内に更生管を敷設した後、更生管の両端に亘ってロープを張り、そのロープにポリエステル、ナイロン又はカーボンなどを用いたメッシュ系の筒部材を通して既設管と更生管との間に筒部材を設置する。同方法では、その上で、筒部材内部を通じてセメント系材料を注入して固化し、既設管と更生管とのスペースを保持し、更生管の変形を防止する方法を採用している。
そこで、本発明は、既設管の更生時に更生管の変形を容易かつ安定的に防止することができ、又は設置が容易な更生管の変形防止装置及び既設管の更生方法を提供する。
この構成によれば、更生管を支持する支持部材を既設管に固定される取付部材に取り付けて配することができるため、筒部材以外の支持部材によって更生管を有効に変形防止することが可能となる。また、更生管の変形防止装置の位置決めを確実に行うことができる。
この構成によれば、更生管の外面との接触面を有する支持面部によって更生管を支持することができるため、更生管の支持がより安定的となる。
この構成によれば、支持部材を取付部材にスライド挿入させることができる。
この構成によれば、案内溝部が容易に形成され取付部材の構成が非常にシンプルとなる。
この構成によれば、支持部材の構成が非常にシンプルとなる。
この構成によれば、既設管の更生作業が非常に効率的となる。
この構成によれば、支持部材を案内溝部にスライド挿入することで支持部材を取付部材に容易に組み立てることができる。
この構成によれば、支持部材の取付部材への取り付けが容易となる。
この構成によれば、取付部材及び支持部材が既設管と更生管との間に充填する裏込め材の充填を妨げることを防止することができる。
この構成によれば、支持部材による更生管の支持が周方向の一部に偏ってしまうことを防止することができる。
この構成によれば、取付部材の既設管の内壁面への固定により案内溝部を形成することができるため、既設管の内壁面に固定される取付部材の構成をシンプルにすることができる。
図1に示すように、本発明の一実施形態の更生管の変形防止装置1は、既設管Xと更生管Yとの隙間に設置される装置である。
図2に示すように、更生管の変形防止装置1は、既設管Xの内壁面に固定する取付部材2と、取付部材2に取り付け可能であり、既設管X内に敷設される更生管Yをその外面から支持する支持部材3とを備えている。
図2又は図3(a)に示すように、本実施形態では、取付部材2は、矩形の板部材で形成された基板部4と、矩形の板部材で形成され被係止部5を形成する被係止板部6と有している。
基板部4は、一対の辺4aが他の一対の辺4bよりも長い概略矩形の偏平面を有する板部材である。
被係止板部6の寸法は、基板部4の幅寸法よりも大きい幅寸法及び基板部4とほぼ同じ長手方向の寸法で形成されている。本実施形態では、被係止板部6の長手方向の寸法6aが1000mm程度、幅6bが75mm程度となっている。
被係止板部6の厚さは、支持部材3を安定的に係止させ得る剛性を有していれば特に限定されないが、4.5mm〜12mmのものを好適に使用することができる。
取付部材2は、その長手方向の両端部及び中央であって、基板部4と被係止板部6とが重なっている部分において図2に示すボルト等の固定具Bを挿通させる挿通孔8が形成されている。
係止部9の厚さは、取付部材2の基板部4の厚さよりもわずかに小寸法に形成されている。
支持部材3の支持面部10は、係止部9とほぼ同形状に形成されている。
連結部11の厚さ寸法は、支持部材3の素材、及び更生管Yが製管された際に自重及び/又は裏込め材の重みが掛かった際に更生管Yを支持して変形を防止できる剛性を考慮して適宜設定されている。
本実施形態では、支持部材3は、溶接構造のH鋼により形成されている。
本実施形態の更生管の変形防止装置1は、以上の取付部材2及び支持部材3により構成されている。
取付部材2を固定する面は、既設管Xを構成する偏平な内壁面であれば、側壁、天井面及び底面のいずれであってもよい。本実施形態では、断面視ほぼ矩形の既設管Xの側壁面に更生管Yの変形防止装置1を固定する例について説明する。
側壁面X1の高さが2m以上の既設管Xの場合には、側壁の高さ方向(既設管Xの周方向)に一定の間隔を空けて2以上固定するとよい。
図6に示すように、更生管Yは、更生管Yを形成する長尺な帯状のプロファイルy等を用いて、公知の方法で既設管Xの内壁面から所定の隙間(例えば220mm程度)を設けて巻回しながら形成していく。
プロファイルyによる更生管Yの形成は、軸線L方向に概ね取付部材2の長手方向の寸法分行って形成を止める。
すなわち、取付部材2は、図8に示すように、幅寸法の大きい被係止板部6の中央に基板部4を貼り合わせて、基板部4の長辺4a,4aの双方から被係止部5をほぼ同寸法突出させた構成としてもよい。この構成によれば、一組の取付部材2,2の被係止部5の突出の向きを考えずに、より効率的に取付部材2を設置することができるという効果を奏する。
このような構成によれば、支持部材3の係止部9の挿入幅が露出するため支持部材3をスライド挿入しやすくなるという効果を奏する。
また、本発明の更生管Yの変形防止装置1は、断面視が矩形の既設管(ないし管渠)の更生のみならず、アーチカルバート又は馬蹄形の平坦な側壁面X1に適用することもできる。
2 取付部材
3 支持部材
5 被係止部
7 段差部
9 係止部
10 支持面部
11 連結部
12 接触面
15 案内溝部
X 既設管
X1 側壁面(内壁面)
Y 更生管
Claims (11)
- 既設管の内壁面に固定される取付部材と、
前記取付部材に取り付け可能な支持部材とを有し、
前記支持部材は、前記既設管内に敷設される更生管との間にわずかな隙間を設けて配置可能であり、前記更生管の変形時に前記更生管をその外面から支持する更生管の変形防止装置。 - 前記支持部材は、前記取付部材に係止させる係止部と、前記更生管の外面との接触面を有する支持面部と、前記係止部と前記支持面部とを連結するとともにこれら係止部と前記支持面部との距離を規定する連結部とを備えている請求項1に記載の更生管の変形防止装置。
- 前記取付部材は、前記係止部を挿通させて係止可能な案内溝部を有している請求項2に記載の更生管の変形防止装置。
- 前記取付部材は、板部材により形成され、前記板部材の偏平面に段差部を有し、
2以上の前記取付部材の前記段差部を対向配置させて前記支持部材を係止させる案内溝部を形成可能としている請求項1から3のいずれか一項に記載の更生管の変形防止装置。 - 前記支持部材は、H鋼により構成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の更生管の変形防止装置。
- 既設管の内壁面に取付部材を固定する第1工程と、
前記第1工程の後、前記既設管内に更生管の一部を敷設する第2工程と、
前記第2工程の後、前記更生管をその外面から支持可能な支持部材を、前記第1工程で敷設された前記更生管の外側に挿入し、前記取付部材に前記支持部材を係止させ、前記既設管と前記更生管との間に前記支持部材を配する第3工程とを有する既設管の更生方法。 - 前記第1工程において、前記支持部材の係止部を挿通させて係止可能な案内溝部を設けた前記取付部材を用い、前記案内溝部を前記既設管の軸線方向に平行にして前記既設管の内壁面に取り付ける請求項6に記載の既設管の更生方法。
- 前記第1工程において、前記支持部材の係止部を挿通させて係止可能な案内溝部を設けた前記取付部材を用い、前記案内溝部を水平方向又は前記更生管の先端側の端部から前記更生管の後端側の端部に向かって下る傾斜をなすように前記既設管の内側面に取り付ける請求項6に記載の既設管の更生方法。
- 前記第1工程において、前記取付部材を前記既設管の軸線方向に一定の間隔を空けて配する請求項6から8のいずれか一項に記載の既設管の更生方法。
- 前記第1工程において、前記軸線方向に隣り合う周壁の区間同士の間で、軸線周りに互いに位置がずれるように前記取付部材を配している請求項9に記載の既設管の更生方法。
- 前記第1工程において、前記既設管の内壁面に対向させる面に段差部を有した前記取付部材を用い、前記段差部と前記既設管の内壁面との間に案内溝部を形成するように前記取付部材を配置する請求項6から10のいずれか一項に記載の既設管の更生方法。
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