JP2021017683A - 既設吹付法面に対する補修工法 - Google Patents

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滋俊 原
Shigetoshi Hara
滋俊 原
雅 杉木
Miyabi Sugiki
雅 杉木
哲弥 桜井
Tetsuya Sakurai
哲弥 桜井
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Abstract

【課題】大掛かりな仮設防護壁の設置を必要とすることなく、大量の産業廃棄物の発生を抑えるとともに工期の短縮化が可能であり、風化に伴う劣化若しくは老朽化又は自然災害によって吹付面の剥離・崩落や、亀裂といった損壊が生じたとしても、再施工の可能性を低減することが可能な既設吹付法面に対する補修工法を提供する。【解決手段】損壊した既設吹付法面を洗浄する洗浄工程S20と、洗浄後の前記既設吹付法面に対して接着モルタルを吹付けることで吹付法面を施工する吹付工程S30と、吹付法面の所定箇所に補強鉄筋を打設する打設工程S40と、打設した補強鉄筋を介し、吹付法面の表面を金網体で覆った後、ワイヤーロープにて金網体を拘持する覆設工程S50とを備えた既設吹付法面に対する補修工法。【選択図】図1

Description

本発明は、モルタルやコンクリート等を吹付けることにより施工された法面(以下、既設吹付法面と称する)の劣化や、風化、自然災害等によって損壊した既設吹付法面の補修工法に関するものである。
道路建設、宅地造成等の生活環境整備、風化、又は大雨若しくは地すべりといった自然災害に対する対策の一環として、山腹の斜面に金網体や枠体等を敷設・固定後、モルタルやコンクリートを吹付けて吹付法面を施工するショットクリート工法が行われている。しかしながら、この工法で施工された既設吹付法面は、施工後大凡10〜20年で風化に伴う劣化若しくは老朽化又は自然災害によって吹付面の剥離・崩落や、亀裂といった損壊が生じることがある。この場合、既設吹付法面の補修工事が必要となるが、従来は、損壊が生じた既設吹付法面を人力又は機械により剥ぎ取り、剥ぎ取り後の形状を整え、モルタルやコンクリートの吹付を再施工するのが一般的であった。
しかしながら、上記の補修工法では、既設吹付法面の剥ぎ取りを安全に行うために、大掛かりな仮設防護壁の設置が必要となる他、剥ぎ取りによる大量の産業廃棄物の発生、剥ぎ取りの際に吹付面が崩壊し、作業員や第三者の安全が脅かされる等の多くの問題点があった。
上記の問題点を解決すべく、例えば、特許文献1には、産業廃棄物を最小限とし、安価な工法とし、交通規制を最小限とし、かつ法面の安定化を十分に確保するための老朽化モルタル吹付法面の再生工法が記載されている。
特開2009−24440号公報
特許文献1に係る老朽化モルタル吹付法面の再生工法は、モルタル吹付法面の一部である最下端を含む1又は複数の区画又は中間高さに位置する1又は複数の区画におけるモルタルを除去する工程と、モルタルを除去した区画に対し透水性コンクリートを吹き付けることにより透水性コンクリート補強体を築造する工程を有するものである。特許文献1に係る再生工法は、除去するモルタルの区画数を制限することで産業廃棄物の排出量を抑えることができるものの、除去されるモルタル位置が制限されることに加え、吹き付けられたコンクリート補強体もいずれは風化に伴う劣化若しくは老朽化又は自然災害によって吹付面の剥離・崩落や、亀裂といった損壊を生じ、この場合、同再生工法を再度施工する必要がある。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、本発明は、大掛かりな仮設防護壁の設置を必要とすることなく、大量の産業廃棄物の発生を抑えるとともに工期の短縮化が可能であり、風化に伴う劣化若しくは老朽化又は自然災害によって吹付面の剥離・崩落や、亀裂といった損壊が生じたとしても、再施工の可能性を低減することが可能な既設吹付法面に対する補修工法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る既設吹付法面に対する補修工法は、損壊した既設吹付法面を洗浄する洗浄工程と、洗浄後の前記既設吹付法面に対して接着モルタルを吹付けることで吹付法面を施工する吹付工程と、吹付法面の所定箇所に補強鉄筋を打設する打設工程と、打設した補強鉄筋を介し、吹付法面の表面を金網体で覆った後、ワイヤーロープにて金網体を拘持する覆設工程とを備えることを特徴としている。
また、上記の本発明に係る既設吹付法面に対する補修工法においては、吹付法面の表面から露出する補強鉄筋には張架部材が設けられ、吹付法面の表面に敷かれた金網体は補強鉄筋の張架部材間をジグザグ状となるように掛け渡されたワイヤーロープによって拘持されることを特徴としている。
さらに、上記の本発明に係る既設吹付法面に対する補修工法においては、接着モルタルにはカーボン繊維を含む混和剤が配合されることを特徴としている。
さらにまた、上記の本発明に係る既設吹付法面に対する補修工法においては、金網体は平線金網であることを特徴としている。
また、上記の本発明に係る既設吹付法面に対する補修工法においては、吹付法面の所定箇所に補強鉄筋を打設する打設工程では、吹付法面の正面視で略均等間隔のマス目位置に補強鉄筋を打設することを特徴とし、このとき、補助鉄筋は、3.0〜1.0mの間隔、好ましくは2.5m〜1.5mの間隔で打設することを特徴としている。
本発明によれば、大掛かりな仮設防護壁の設置を必要とすることなく、大量の産業廃棄物の発生を抑えるとともに工期の短縮化が可能であり、風化に伴う劣化若しくは老朽化又は自然災害によって吹付面の剥離・崩落や、亀裂といった損壊が生じたとしても、再施工の可能性を低減することが可能な既設吹付法面に対する補修工法を提供することができる。
本実施形態に係る補修工法の施工流れの一例を説明するフローチャートである。 接着モルタルに対する液状ミクロカーボン繊維を含む特殊混和剤の添加の効果を試験した結果である。 本実施形態に係る補修工法のステップS30の吹付工程を模式的に説明する説明図である。 本実施形態に係る補修工法のステップS40の打設工程を模式的に説明する説明図である。 吹付法面50に打設した補助鉄筋60を介し吹付法面50の表面を金網体70で覆った様子を説明する図である。 金網体70をワイヤーロープ80にて拘持した様子を説明する図である。 本実施形態に係る補修工法のステップS40で打設した補助鉄筋60に対しワイヤーロープ80を掛け渡すための張架部材90の取付け手順を説明する図である。 吹付法面50の表面に敷設した金網体70全体をワイヤーロープ80で拘持する拘持方法を説明する図である。 張架部材90に対するワイヤーロープ80の掛け渡し方法の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
図1は本実施形態に係る補修工法の施工流れの一例を説明するフローチャートである。本実施形態に係る補修工法では、損壊した既設吹付法面に対してステップS20の洗浄工程、ステップS30の吹付工程、ステップS40の打設工程、ステップS50覆設工程を順次実施するものである。なお、必要に応じて、生い茂る草木や、既に崩落した法面片の撤去、簡易的な防護シートの敷設といった前処理工程をステップS20の洗浄工程の前工程(ステップS10)として設けてもよい。また、ステップS10の前処理工程にて敷設した防護シートの撤去といった後処理工程をステップS50の覆設工程の後工程(ステップS60)として設けてもかまわない。
ステップS20の洗浄工程は、高圧洗浄機や高圧ポンプを用い高圧の水を吹付けることで補修対象法面である既設吹付法面の表面を洗浄する工程である。この場合、吹付ける洗浄水に溶剤や洗剤等の添加剤を添加してもよく、ステップS30における吹付工程にて、吹付ける接着モルタルの接着が確実となるならば、添加する添加剤に制限はない。なお、本洗浄工程においては、損壊した既設吹付法面の表面に付着した汚れを除去することに加え、損壊により強度が脆くなった箇所(部分)を高圧の洗浄水で剥がし落としてもよい。
ステップS30の吹付工程は、セメントと砂との配合比が大凡1:4となるように調整した接着モルタルを既設吹付法面に吹付けることにより吹付法面を施工する工程である。既設吹付法面に対して吹付ける接着モルタルとして、本願出願人は鋭意検討を行った結果、通常の接着モルタルで吹付ける場合に比べ、液状ミクロカーボン繊維を含む特殊混和剤を添加し、吹付けることで既設吹付法面との接着効果を高め、クラックのある既設吹付法面を一体化させることが可能であることを見出した。
ここで、図2は、接着モルタルに対する液状ミクロカーボン繊維を含む特殊混和剤の添加の効果を試験した結果である。具体的には、通常の接着モルタルと特殊混和剤を添加した接着モルタルとをそれぞれ吹付けた吹付モルタル供試体(4cm×4cm×1cm)を3本ずつ作成し、28日間養生後、剥離試験器に供して引張り接着強さを測定した。なお、本試験はJIS A 1171に準じて行い、試験器での読み値から引張り接着強さを算出した(引張り接着強さ(N/mm)=((読み値(kN)×1000)/1600))。
図2に示されるように、通常の接着モルタルで吹付けた場合、3本の吹付モルタル供試体の引張り接着強さは、それぞれ、0.81N/mm、0.75N/mm、0.50N/mmであり平均引張り接着強さは0.69N/mmであった。これに対して、特殊混和剤を添加した接着モルタルで吹付けた場合、3本の吹付モルタル供試体の引張り接着強さは、それぞれ、1.06N/mm、1.00N/mm、0.88N/mmであり平均引張り接着強さは0.98N/mmであった。これらの結果から、特殊混和剤を添加した接着モルタルは、通常の接着モルタルよりも約1.4倍の引張り接着効果を有することが明らかとなった。よって、ステップS30の吹付工程では、セメントと砂との配合比が大凡1:4となるように調整したモルタルに液状ミクロカーボン繊維を含む特殊混和剤をモルタル1mに対し約250gとなるように添加したものを接着モルタルとして用いることとした。
図3は、ステップS30の吹付工程を模式的に説明する説明図である。例えば、山腹の斜面に形成され、その表面に損壊した箇所dを有する細長の台形形状で示される領域を補修対象法面10としたとき、ステップS30の吹付工程では、既設吹付法面20に対し、図示せぬ高圧ポンプ等に接続された吹付ホース30を用いて特殊混和剤を含む接着モルタル40を吹付けることにより2cm〜5cm、好ましくは3cm〜4cmの程度の層厚で吹付法面50を形成する。液状ミクロカーボン繊維を含む特殊混和剤をモルタルに添加することで繊維同士が密着した状態でセメント粒子に絡み、セメント粒子の動きを堰き止め、この結果吹付けたモルタルがダレることを防止することができる。これにより、通常の工法で用いられるラス金網無しでも施工が可能であり、コスト削減を図ることができる。
ステップS40の打設工程は、吹付法面50に対して補助鉄筋60を打設する工程である。図4は、ステップS40の打設工程を模式的に説明する説明図である。ステップS30の吹付工程で施工した吹付法面50に対し、平面視で略均等間隔のマス目位置となるよう所定の間隔wをもって削孔した孔(例えば、φ40mm×900mm等)に、吹付法面50表面から頭部が突出するように補助鉄筋60を装入し、孔隙間にグラウトを注入することにより補助鉄筋60を固定する。なお、隣り合う補助鉄筋60の間隔wは、補修対象法面10の施工領域面積に応じて適宜変更可能であるが、後述するワイヤーロープによる金網体の拘持の容易性、施工の安全性等を鑑みて約3.0m〜1.0m、好ましくは約2.5〜1.5mの範囲とするのが好ましい。補助鉄筋60としては、例えば、後述する六角ナット92との螺合が可能となるように、頭部にねじ溝(M16:外径16mm、長さ40mm)が形成され、表面に防錆用の亜鉛めっきを施した異形鉄筋(D19:外径19.1mm、長さ1000mm)を用いることができる。なお、必要に応じて、地中にしみ出す雨水等を抜くための水抜きパイプを所定間隔で複数本設けてもかまわない。
ステップS50の覆設工程は、打設した補助鉄筋60を介し吹付法面50の表面を金網体70で覆った後、ワイヤーロープにて金網体を拘持する工程である。図5は、吹付法面50に打設した補助鉄筋60を介し吹付法面50の表面を金網体70で覆った様子を説明する図であり、図6は、金網体70をワイヤーロープ80にて拘持した様子を説明する図である。本実施形態に係る金網体70としては、通常用いられる丸線金網よりも平線金網を用いるのが好ましい。丸線金網は、吹付法面50に対して点で接触するのに対し、平線金網は面で接触する。これにより、吹付法面50と金網体との接地面積が増え、吹付法面50及び地山を抑える効果が期待される。ここで、平線は、例えば、鉄線の周面を亜鉛鉄合金層(亜鉛−10%アルミ鉄合金層)で被覆後、亜鉛めっき(亜鉛−10%アルミ合金めっき)した丸線を平異圧延機にて平線加工したものである。この平線を金網状に成形した平線金網(1.6×4.5mm、50mm目合)は、丸線を金網状に成形した丸線金網(φ3.2mm、50mm目合)に比べ、引張り強さが1.6〜3.0倍強く、1m単重(g/m)が13%軽量である。そして、200kgの鉄球を用いた垂直落下試験においては、丸線金網は破断する一方、平線金網は破断することなく、丸線金網の1.2倍の強度を示す。ステップS50の覆設工程においては、このような性質を有する平線金網を金網体70として用い吹付法面50の表面を覆う。このとき、金網体70は補助鉄筋60の頭部が金網体70の網目をぬって吹付法面50の表面から突出するように敷設される。
次に、ワイヤーロープ80により金網体70を拘持する方法について図7、8及び9を用いて説明する。図7は、ステップS40で打設した補助鉄筋60に対しワイヤーロープ80を掛け渡すための張架部材90の取付け手順を説明する図である。図8は、吹付法面50の表面に敷設した金網体70全体をワイヤーロープ80で拘持する拘持方法を説明する図である。図9は、補助鉄筋60に取付けた張架部材90に対しワイヤーロープ80を掛け渡した様子を説明する図である。
図7(a)に示すように、本実施形態に係る張架部材90は、所謂パイプ付きプレートであり、略中央部に補助鉄筋60の頭部を挿通可能な開口部90bが形成された円環部90aと内部が中空とされ、ワイヤーロープ80を掛け渡すパイプ部90cと、パイプ部90bに接続され、開口部90bよりも開口径が大きい開口部(不図示)を有する台座部90dとを備える。張架部材90の取付けは、台座部90dの不図示の開口部、パイプ部90c、円環部90aの開口部90bを介して補助鉄筋60の頭部を露出させた後(図7(a))、図7(b)に示すように、ワッシャー91、六角ナット92で補助鉄筋60の頭部(ねじ溝)を螺合・締結することで張架部材90を取付ける。図7(c)は、補助鉄筋60に対して張架部材90を取付けた様子を説明する断面図である。図7(c)に示されるように、張架部材90の台座部90は、既設吹付法面20、当該既設吹付法面20上に直接吹き付けられることにより形成された吹付法面50の表面に敷設した金網体70をその上から押さえ付けるように固定されるため、金網体70を確実に支持することができる。張架部材90の取付けを打設した補助鉄筋60すべてに対して行った後、金網体70の表面にワイヤーロープ80を張架する。なお、ワイヤーロープ80は、張架部材90の円環部90aと台座部90dとの間のパイプ部90bにおいて掛け渡される。
吹付法面50の表面に敷設した金網体70全体のワイヤーロープ80による拘持は、図8で示す手順に従って行われる。ここで、説明を容易とするために、図中左上側の打設位置に位置する補助鉄筋60に取付けられた張架部材90を張架部材90aとし、当該張架部材90aと同列に配された張架部材90を上から順に、張架部材90a、90a、90a、90a、90aとする。そして、張架部材90aの右隣りの打設位置に位置する補助鉄筋60に取付けられた張架部材90を張架部材90bとし、張架部材90bと同列に配された張架部材90を上から順に、張架部材90b、90b、90b、90b、90bとする。さらに、張架部材90bの右隣りの打設位置に位置する補助鉄筋60に取付けられた張架部材90を張架部材90cとし、張架部材90cと同列に配された張架部材90を上から順に、張架部材90c、90c、90c、90c、90cとする。本実施形態においては、ワイヤーロープ80を2列の張架部材90間をジグザグ状となるよう掛け渡して張架する。具体的には、まず、φ8.0mmの可撓性のあるワイヤーロープ80aを張架部材90aに係止固定後、図中実線矢印(1)で示す右下方向に位置する張架部材90bに掛け渡した後、図中実線矢印(2)で示す左下方向に位置する張架部材90aに掛け渡す。次いで、図中実線矢印(3)で示す右下方向に位置する張架部材90bに掛け渡した後、図中実線矢印(4)で示す左下方向に位置する張架部材90aに掛け渡し、最後に図中実線矢印(5)で示す右下方向に位置する張架部材90bで係止固定させる。同様に、ワイヤーロープ80bを張架部材90bに係止固定後、図中点線矢印(1)’で示す左下方向に位置する張架部材90aに掛け渡した後、図中点線矢印(2)’で示す右下方向に位置する張架部材90bに掛け渡す。次いで、図中点線矢印(3)’で示す左下方向に位置する張架部材90aに掛け渡した後、図中点線矢印(4)’で示す右下方向に位置する張架部材90bに掛け渡し、最後に図中点線矢印(5)’で示す左下方向に位置する張架部材90aで係止固定させる。なお、張架部材90に対するワイヤーロープ80の係止固定は、ワイヤークリップ100を用いることで行うことができる。これと同様な操作を張架部材90b1−6と張架部材90c1−6間、張架部材90c1−6と張架部材90d1−6間、張架部材90d1−6と張架部材90e1−6間、張架部材90e1−6と張架部材90f1−6間の間で順次行い、最後にワイヤーロープ80と金網体70とを複数の結合コイル110にて結合させ、金網体70全体のワイヤーロープ80による拘持を完成させる。
図8で示したように、張架部材90間をワイヤーロープ80で掛け渡すと、例えば、張架部材90b、90bにおけるワイヤーロープ80a及び80d又は張架部材90b、90bにおけるワイヤーロープ80b及び80cといったように、1つの張架部材90を2本のワイヤーロープ80で共有する箇所が生じる。この場合、図9(a)の平面図、同図(b)の斜視図に示すように、2本のワイヤーロープ80のそれぞれを張架部材90のパイプ部90bに巻回するのではなく、2本のワイヤーロープ80がX字状にクロスするように張架部材90のパイプ部90bに沿って掛け渡すのが好ましい。これにより、ワイヤーロープ80や金網体70の予期せぬ動きに対する張架部材90(補助鉄筋60)の追従を防ぎ、生じた外力に対する応力の発生位置が局所的となることを抑制することができるため、平線金網及びワイヤーロープからなる拘持体の堅牢生を維持することが可能となる。
ここで、平線金網及びワイヤーロープからなる拘持体の耐荷重性を確認するために、2.0m×2.0mの平線金網をワイヤーロープで拘持した供試体の上に、重さ1.0tの土嚢を1袋ずつ積荷し強度確認を行った。その結果、供試体は、8.0tまでの荷重に破断することなく、耐え得ることが確認された。なお、耐荷重限界を8.0tと設定したのは、背面風化部分を1.0mと想定した場合、約8.0t(2.0m×2.0m×1.0m×20kN/m=80kN≒8.0t)の荷重となるためである。本強度確認により、平線金網及びワイヤーロープからなる拘持体は、地山の風化に伴う崩落土砂等に対して十分な耐荷重性を有することが確認された。
このように、本実施形態に係る補修工法では、既設吹付面を残したまま接着モルタルを吹付け、吹付法面の表面を金網体で覆った後、ワイヤーロープにて前記金網体を拘持することにより、既設吹付と背面の風化土砂を併せて抑えることができる。
そして、本実施形態に係る補修工法では、従来の補修工法に比べ大幅の工期短縮も期待することができる。例えば、従来の補修工法では、施工領域面積が1000mとした場合、仮設防護柵設置に約8日、既設吹付法面の取り壊しに約13日、吹付殻運搬・処理に約3日、法面整形(風化層除去に約17日、ラス金網張り工を含むモルタル・コンクリート吹付けに約10日、仮設防護柵撤去に約5日で合計約56日程度を要する。これに対して、本実施形態に係る補修工法では、同じく施工領域面積を1000mとした場合、簡易な仮設防護柵の設置工程に1日、既設吹付法面の洗浄工程に約5日、洗浄後の既設吹付法面に対して接着モルタルを吹付けることで吹付法面を施工する吹付工程に約6日、吹付法面の所定箇所に補強鉄筋を打設する打設工程に約19日、補強鉄筋を介し、吹付法面の表面を金網体で覆った後、ワイヤーロープにて金網体を拘持する覆設工程に約8日の合計約39日で全ての施工を終えることができる。これに加え、本実施形態に係る補修工法では、大掛かりな仮設防護壁の設置を必要とすることなく、大量の産業廃棄物の発生を抑えることが可能であることから、大幅なコスト削減も図ることができる。
これらのことから、本発明によれば、大掛かりな仮設防護壁の設置を必要とすることなく、大量の産業廃棄物の発生を抑えるとともに工期の短縮化が可能であり、風化に伴う劣化若しくは老朽化又は自然災害によって吹付面の剥離・崩落や、亀裂といった損壊が生じたとしても、再施工の可能性を低減することが可能な既設吹付法面に対する補修工法を提供することができる。
10 補修対象法面、20 既設吹付法面、30 吹付ホース、40 接着モルタル、50 吹付法面、60 補助鉄筋、70 金網体、80 ワイヤーロープ、90 張設部材、90a 円環部、90b パイプ部、90c パイプ部、90d 台座部、91 ワッシャー、92 六角ナット

Claims (6)

  1. 損壊した既設吹付法面を洗浄する洗浄工程と、
    洗浄後の前記既設吹付法面に対して接着モルタルを吹付けることで吹付法面を施工する吹付工程と、
    前記吹付法面の所定箇所に補強鉄筋を打設する打設工程と、
    打設した前記補強鉄筋を介し、前記吹付法面の表面を金網体で覆った後、ワイヤーロープにて前記金網体を拘持する覆設工程とを備えること
    を特徴とする既設吹付法面に対する補修工法。
  2. 前記吹付法面の表面から露出する前記補強鉄筋には張架部材が設けられ、
    前記吹付法面の表面に敷かれた前記金網体は前記補強鉄筋の前記張架部材間をジグザグ状となるように掛け渡された前記ワイヤーロープによって拘持されること
    を特徴とする請求項1に記載の既設吹付法面に対する補修工法。
  3. 前記接着モルタルにはカーボン繊維を含む混和剤が配合されること
    を特徴とする請求項1に記載の既設吹付法面に対する補修工法。
  4. 前記金網体は平線金網であること
    を特徴とする請求項1に記載の既設吹付法面に対する補修工法。
  5. 前記吹付法面の所定箇所に補強鉄筋を打設する打設工程では、
    前記吹付法面の正面視で略均等間隔のマス目位置に前記補強鉄筋を打設すること
    を特徴とする請求項1に記載の既設法面に対する補修工法。
  6. 前記補助鉄筋は、3.0〜1.0mの間隔、好ましくは2.5m〜1.5mの間隔で打設すること
    を特徴とする請求項5に記載の既設法面に対する補修工法。
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