JP3148923U - 法面の補修・補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】法面上の旧構造層と新規構造層との一体化を図ると共に、繁雑な作業を軽減し、作業の安全性と効率を図るものであり、又、旧構造層に生じたクラックによる悪影響を排除し、長期的に安定させる法面の補修・補強構造を提供する。【解決手段】法面上の旧構造層12若しくは地山11に、アンカーボルトAを打設し、せん断力を受ける受圧体7を、モルタル若しくはコンクリートから成る旧構造層12表面より突出させて位置させる。旧構造層12の上にモルタル若しくはコンクリートを吹付け或いは打設して、所要の厚さの新規構造層13とする。受圧体7に添って、補強金網33等を固定し、旧構造層12表面とほぼ平行に配置する。受圧体7は、ボルトに螺合した上下のナット6・6によって挟み込んで固定し、受圧体7に補強金網33等を添わす。モルタルなどには短繊維ファイバー30を混入する。【選択図】図1
Description
本考案は、モルタル若しくはコンクリートを吹付け若しくは打設した法面上の旧構造層の上に、新規構造層を形成して補修・補強した構造に関するものである。
特開平6−294133号公報に記載されているような、法面上にコンクリートを層のように吹付け、法面の安定化を図る吹付け工法なるものが広く採用されている。
これら吹付けコンクリート層が老朽化すると、老朽化したモルタルやコンクリートの吹付け層を削り取って取り壊し、新規にモルタルやコンクリートを吹き付けて補修・補強する手段が採用されている。
これら吹付けコンクリート層が老朽化すると、老朽化したモルタルやコンクリートの吹付け層を削り取って取り壊し、新規にモルタルやコンクリートを吹き付けて補修・補強する手段が採用されている。
老朽化したモルタルやコンクリート吹付法面の取り壊し作業は、高所・急傾斜地での作業となるため人力に頼らざるを得ない。この作業は非効率で過酷なばかりでなく、非常に危険性をともなう作業である。
又、取り壊したモルタル塊は産業廃棄物となって、処理コストは高額となる。
又、取り壊したモルタル塊は産業廃棄物となって、処理コストは高額となる。
老朽化した旧モルタル・コンクリート面に新規にモルタルやコンクリートを吹付ける増厚吹付けも採用されてはいるが、吹付けられる新規モルタル・コンクリートは、はね返りを生じ附着性に劣り、このはね返りロスが旧モルタル・コンクリート面に附着して新規モルタル・コンクリートとの密着性を損ない、旧モルタル・コンクリート面と新規吹付モルタル・コンクリートとの一体化の妨げになる。
また従来の増厚吹付けを行う一手段として、図5に示すような手段も採用されている。
旧モルタル・コンクリート吹付層12にラス金網を張設し、これをL字型アンカー15で固定して、さらに新規モルタル・コンクリート層13を増厚吹付けるというものであった。
旧モルタル・コンクリート吹付層12にラス金網を張設し、これをL字型アンカー15で固定して、さらに新規モルタル・コンクリート層13を増厚吹付けるというものであった。
図5のようなL字型アンカー15であると、旧吹付け層12と新規吹付け層13の一体化が十分でなく、ラス金網を固定する手段としても結束するなどの手段を採用しなければならない。
又、スペーサーの取付けられた周囲は正確な高さであっても、凹凸のある法面で全面的に正確な高さや位置に金網や鉄筋を固定することが難しかった。
又、スペーサーの取付けられた周囲は正確な高さであっても、凹凸のある法面で全面的に正確な高さや位置に金網や鉄筋を固定することが難しかった。
更に、旧モルタル・コンクリート吹付層にクラックが多数発生している場合は、そこから水が浸入し易く、新規にモルタル・コンクリートを吹付けても、その新規吹付け層にも悪影響を与え、同様のクラックを生じ易いという問題がある。
特開平6−294133号公報
本考案は、法面上の旧モルタル・コンクリート構造層と新規構造層との一体化を図ると共に、繁雑な斜面での作業を軽減し、作業の安全性と効率の向上を図ろうとするものである。
又、旧構造層に生じたクラックによる悪影響を排除し、長期的に法面全体が安定するよう補修・補強しようとするものである。
又、旧構造層に生じたクラックによる悪影響を排除し、長期的に法面全体が安定するよう補修・補強しようとするものである。
本考案にかかる法面の補修・補強構造は、
法面上の旧構造層若しくは地山に、アンカーボルトを打設し、
前記アンカーボルトが備えるせん断力を受ける受圧体を、モルタル若しくはコンクリートから成る旧構造層表面より突出させて位置させ、
旧構造層の上にモルタル若しくはコンクリートを吹付け或いは打設して、
前記アンカーボルトの受圧体と一体となった所要の厚さの新規構造層とするものである。
本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
前記アンカーボルトの旧構造層表面より突出させた受圧体に添って、補強鉄筋若しくは補強金網を固定し、
当該補強鉄筋若しくは補強金網を旧構造層表面とほぼ平行に配置し、
当該補強鉄筋若しくは補強金網を埋設するよう新規構造層を形成することを特徴とする。
本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
アンカーボルトの受圧体は、ボルトに螺合した上下のナットによって挟み込んで固定し、
当該受圧体に補強鉄筋若しくは補強金網を添わすことを特徴とする。
本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
前記旧構造層と新規構造層との間に、シーリング層を設けることを特徴とする。
更に、本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
前記新規に吹付け或いは打設するモルタル若しくはコンクリートとして、短繊維ファイバーを混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを使用することを特徴とする。
法面上の旧構造層若しくは地山に、アンカーボルトを打設し、
前記アンカーボルトが備えるせん断力を受ける受圧体を、モルタル若しくはコンクリートから成る旧構造層表面より突出させて位置させ、
旧構造層の上にモルタル若しくはコンクリートを吹付け或いは打設して、
前記アンカーボルトの受圧体と一体となった所要の厚さの新規構造層とするものである。
本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
前記アンカーボルトの旧構造層表面より突出させた受圧体に添って、補強鉄筋若しくは補強金網を固定し、
当該補強鉄筋若しくは補強金網を旧構造層表面とほぼ平行に配置し、
当該補強鉄筋若しくは補強金網を埋設するよう新規構造層を形成することを特徴とする。
本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
アンカーボルトの受圧体は、ボルトに螺合した上下のナットによって挟み込んで固定し、
当該受圧体に補強鉄筋若しくは補強金網を添わすことを特徴とする。
本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
前記旧構造層と新規構造層との間に、シーリング層を設けることを特徴とする。
更に、本考案にかかる他の法面の補修・補強構造は、
前記新規に吹付け或いは打設するモルタル若しくはコンクリートとして、短繊維ファイバーを混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを使用することを特徴とする。
本考案は以上のような構成より成り、以下の効果を得ることができる。
<a>アンカーボルトが備えるせん断力を受ける受圧体を、モルタル若しくはコンクリートから成る旧構造層表面より突出させて位置させ、新規構造層と一体化させるため、新規構造層が旧構造層から剥離しようとするとき作用するせん断力を受圧体によって受け止めて、旧構造層と新規構造層との剥離を防止し、旧構造層と新規構造層との一体化を図ることができる。
<b>前記アンカーボルトの旧構造層表面より突出させた受圧体に添って、補強鉄筋若しくは補強金網を固定し、当該補強鉄筋若しくは補強金網を旧構造層表面とほぼ平行に配置するため、補強鉄筋若しくは金網によって新規構造層の強度の補強とともに、クラックなどの発生も抑制出来る。
<c>アンカーボルトの受圧体は、ボルトに螺合した上下のナットによって挟み込んで固定し、当該受圧体に補強鉄筋若しくは補強金網を添わすことで、補強鉄筋や補強金網を適宜高さや位置に維持でき、最適な位置でのモルタルやコンクリートを補強できる。
<d>旧構造層と新規構造層との間に、シーリング層を設けることにより、旧構造層に生じたクラックを伝って昇ってきた水が新規構造層に悪影響を及ぼさないようにシーリングすることができる。
<e>短繊維ファイバーを混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを使用することにより、新規構造層を補強し、その強度の補強とともにクラックの発生も抑制する。
<a>アンカーボルトが備えるせん断力を受ける受圧体を、モルタル若しくはコンクリートから成る旧構造層表面より突出させて位置させ、新規構造層と一体化させるため、新規構造層が旧構造層から剥離しようとするとき作用するせん断力を受圧体によって受け止めて、旧構造層と新規構造層との剥離を防止し、旧構造層と新規構造層との一体化を図ることができる。
<b>前記アンカーボルトの旧構造層表面より突出させた受圧体に添って、補強鉄筋若しくは補強金網を固定し、当該補強鉄筋若しくは補強金網を旧構造層表面とほぼ平行に配置するため、補強鉄筋若しくは金網によって新規構造層の強度の補強とともに、クラックなどの発生も抑制出来る。
<c>アンカーボルトの受圧体は、ボルトに螺合した上下のナットによって挟み込んで固定し、当該受圧体に補強鉄筋若しくは補強金網を添わすことで、補強鉄筋や補強金網を適宜高さや位置に維持でき、最適な位置でのモルタルやコンクリートを補強できる。
<d>旧構造層と新規構造層との間に、シーリング層を設けることにより、旧構造層に生じたクラックを伝って昇ってきた水が新規構造層に悪影響を及ぼさないようにシーリングすることができる。
<e>短繊維ファイバーを混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを使用することにより、新規構造層を補強し、その強度の補強とともにクラックの発生も抑制する。
以下、図に示す実施例に基づき、この考案を詳細に説明する。
<1> アンカーボルト
アンカーボルトAは、鋼棒1、孔9、打込み材2、スリット8、支圧板5、ナット6、受圧体7などから構成されている。
1はアンカーボルトAの鋼棒であり、円柱形状の金属製部材であって、その頭部外周には雄ネジ3が螺設されている。
また、先端部であるロック部4の先端側は、鋼棒Aの長手方向に伸びる複数のスリット8によって複数に先割れている。
先割れとは、スリット8によって先端側が分割された状態で、このスリット8を境に、先端が拡くようになっていることである。
この先端部の周囲には凹凸が形成されている。
<1> アンカーボルト
アンカーボルトAは、鋼棒1、孔9、打込み材2、スリット8、支圧板5、ナット6、受圧体7などから構成されている。
1はアンカーボルトAの鋼棒であり、円柱形状の金属製部材であって、その頭部外周には雄ネジ3が螺設されている。
また、先端部であるロック部4の先端側は、鋼棒Aの長手方向に伸びる複数のスリット8によって複数に先割れている。
先割れとは、スリット8によって先端側が分割された状態で、このスリット8を境に、先端が拡くようになっていることである。
この先端部の周囲には凹凸が形成されている。
<2>孔
鋼棒1の頭部から、先端部近傍の中間部にかけて、その軸心方向に、孔9が穿孔されている。
この孔9に、先端が丸く成形された打込み材2が挿入してあり、打込み材2の先端は前記孔9の底に当接して、その底はスリット8を境に割れることが可能となっている。
打込み材2の基部は、鋼棒1の頭部よりも突き出ている。
鋼棒1の頭部から、先端部近傍の中間部にかけて、その軸心方向に、孔9が穿孔されている。
この孔9に、先端が丸く成形された打込み材2が挿入してあり、打込み材2の先端は前記孔9の底に当接して、その底はスリット8を境に割れることが可能となっている。
打込み材2の基部は、鋼棒1の頭部よりも突き出ている。
<3>支圧板
頭部の雄ネジ3には、ナット6が螺合されており、そのナット6よりも先端側に、ナット6の面積よりも広い面積を有する支圧板5が配してある。
支圧板5は、ナット6と溶接などによって一体化しておいてもよい。
図3に示すのは、支圧板5の取付け状況を示す斜視図であり、4はロック部、5は支圧板、6はナットである。
頭部の雄ネジ3には、ナット6が螺合されており、そのナット6よりも先端側に、ナット6の面積よりも広い面積を有する支圧板5が配してある。
支圧板5は、ナット6と溶接などによって一体化しておいてもよい。
図3に示すのは、支圧板5の取付け状況を示す斜視図であり、4はロック部、5は支圧板、6はナットである。
<4>受圧体
支圧板5よりも鋼棒1の頭部側には、方形板状の受圧体7が配してある。
実施例では、受圧体7の上下に、雄ネジ3に螺合したナット6・6が配してあって、上下から挟むようにして受圧体7が固定されている。
受圧体7は、いずれかのナット6に溶接などによって固定しておき、一つのナット6によって位置決めも可能である。
又、受圧体7は薄板を上下2枚重ねて用い、この間に補強鉄筋32や補強金網33を挟み込むこともできる。
支圧板5よりも鋼棒1の頭部側には、方形板状の受圧体7が配してある。
実施例では、受圧体7の上下に、雄ネジ3に螺合したナット6・6が配してあって、上下から挟むようにして受圧体7が固定されている。
受圧体7は、いずれかのナット6に溶接などによって固定しておき、一つのナット6によって位置決めも可能である。
又、受圧体7は薄板を上下2枚重ねて用い、この間に補強鉄筋32や補強金網33を挟み込むこともできる。
<5>アンカーボルトの定着
以上のようなアンカーボルトAを、法面のモルタルやコンクリート吹付け層である旧吹付け構造層12に定着固定する手順について説明する。
旧構造層12にドリルなどによって所定の削孔10を穿設する。
支圧板5を旧構造層12の表面に当接させ、この状態で打込み材2をハンマーで打込み、その先端を鋼棒1の先端方向へ押し出す。
押し出された打込み材2の先端部分は、削孔10からはみ出てロック部4のスリット8部分を押し拡げる。
これによって鋼棒1の先端部が外周方向に拡がり、削孔10の内壁に圧接してアンカーボルトAが定着する。
打込み材2を打ちこんだとき、支圧板5が旧構造層12に接しているため、その打込み時の圧力が支圧板5から分散して伝達し、旧構造層12が崩れたり、アンカーボルトが削孔10の中に落ち込むようなことがない。
以上のようなアンカーボルトAを、法面のモルタルやコンクリート吹付け層である旧吹付け構造層12に定着固定する手順について説明する。
旧構造層12にドリルなどによって所定の削孔10を穿設する。
支圧板5を旧構造層12の表面に当接させ、この状態で打込み材2をハンマーで打込み、その先端を鋼棒1の先端方向へ押し出す。
押し出された打込み材2の先端部分は、削孔10からはみ出てロック部4のスリット8部分を押し拡げる。
これによって鋼棒1の先端部が外周方向に拡がり、削孔10の内壁に圧接してアンカーボルトAが定着する。
打込み材2を打ちこんだとき、支圧板5が旧構造層12に接しているため、その打込み時の圧力が支圧板5から分散して伝達し、旧構造層12が崩れたり、アンカーボルトが削孔10の中に落ち込むようなことがない。
<6>シーリング層
以上記載したアンカーボルトAの打設前に、予め旧構造層12の表面にはシーリング層31として、ポリマーセメントペーストやアクリル系樹脂プライマーを塗布あるいは吹付けておく。
このポリマーセメントペースト等を旧構造層12の表面に塗布あるいは吹付ける事によって、その接着力によって、旧構造層12と新規構造層13との接着性を向上させ、一体化すると共に、旧構造層12に発生したクラック(ひび割れ)を修復接着してシーリング効果を発揮すると共に、はね返りロスを少なくして接着効果を高める事ができる。
又、ポリマーセメントに替えてアクリル系樹脂プライマーを用いる事で吹付量を節約する事もできる。
遮水層31は、旧構造層13の表面に、厚さ5mmから30mm程度吹付ける。
以上記載したアンカーボルトAの打設前に、予め旧構造層12の表面にはシーリング層31として、ポリマーセメントペーストやアクリル系樹脂プライマーを塗布あるいは吹付けておく。
このポリマーセメントペースト等を旧構造層12の表面に塗布あるいは吹付ける事によって、その接着力によって、旧構造層12と新規構造層13との接着性を向上させ、一体化すると共に、旧構造層12に発生したクラック(ひび割れ)を修復接着してシーリング効果を発揮すると共に、はね返りロスを少なくして接着効果を高める事ができる。
又、ポリマーセメントに替えてアクリル系樹脂プライマーを用いる事で吹付量を節約する事もできる。
遮水層31は、旧構造層13の表面に、厚さ5mmから30mm程度吹付ける。
<7>補強金網
前記した旧構造層12に打設した多数本のアンカーボルトAの受圧体7に添わして、補強鉄筋を溶接した溶接金網32、若しくは補強金網であるラス金網33を配置する。
アンカーボルトAの受圧体7を上下から挟み込むナット6・6のうち上方のナット6と受圧体7を取り外し、溶接金網32やラス金網33を下側のナット6によって支えた状態で、受圧体7と上方のナット6を取付け、溶接金網32やラス金網33を固定する。
受圧体7を二枚使用する場合は、上下の受圧体7のうち上方の受圧体7と、上下のナット6のうち上方のナット6を取り外し、溶接金網32やラス金網33を下側の受圧体7の上に載せた後、上方の受圧体7とナット6を取り付けて上下から挟み込む。
このようにして、溶接金網32やラス金網33を、旧構造層12にほぼ平行に、適宜高さ、適宜位置に配置することができる。
溶接金網32やラス金網33は、受圧体7を下側にして、その上面に添わして固定してもよい。
要するに、溶接金網32やラス金網33は、受圧体7の上下面のいずれに添わしてもよい。
前記した旧構造層12に打設した多数本のアンカーボルトAの受圧体7に添わして、補強鉄筋を溶接した溶接金網32、若しくは補強金網であるラス金網33を配置する。
アンカーボルトAの受圧体7を上下から挟み込むナット6・6のうち上方のナット6と受圧体7を取り外し、溶接金網32やラス金網33を下側のナット6によって支えた状態で、受圧体7と上方のナット6を取付け、溶接金網32やラス金網33を固定する。
受圧体7を二枚使用する場合は、上下の受圧体7のうち上方の受圧体7と、上下のナット6のうち上方のナット6を取り外し、溶接金網32やラス金網33を下側の受圧体7の上に載せた後、上方の受圧体7とナット6を取り付けて上下から挟み込む。
このようにして、溶接金網32やラス金網33を、旧構造層12にほぼ平行に、適宜高さ、適宜位置に配置することができる。
溶接金網32やラス金網33は、受圧体7を下側にして、その上面に添わして固定してもよい。
要するに、溶接金網32やラス金網33は、受圧体7の上下面のいずれに添わしてもよい。
<8>短繊維補強モルタル若しくはコンクリート
旧構造層12の表面上に、新規構造層13を増厚するもので、短繊維ファイバー30を混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを所望厚さ吹付け、或いは打設して構築する。
このとき、新規構造層13とアンカーボルトAの受圧体7とを一体化させる。
一体化させるとは、モルタル等の厚さを、前記したアンカーボルトAの受圧体7が十分埋め込まれる厚さとして、受圧体7をその厚みの中に埋め込むか、或いは受圧体7を新規構造層13の表面に位置させて、受圧体7によって新規構造層13を押えるようにしてせん断力を受けるようにする。
このとき、プレストレス力をアンカーボルトAに与えて、受圧体7によって新規構造層13表面を押えることもある。
これにより、受圧体7は新規構造層13が旧構造層12から剥離しようとするせん断力を受け止め、旧構造層12と新構造層13との一体化を高める。
短繊維ファイバー30としては、スチールファイバー(鋼繊維)や、ナイロン、ビニロン、ポリプロピレンファイバーなどの合成樹脂繊維や、カーボンファイバーなどが使用可能である。
この短繊維材の混入によって新設されるモルタルやコンクリートの曲げ圧縮強度は大幅に向上すると共に、ダレや収縮によるクラックの発生を抑制して安定した新規構造層13を造成できる。
旧構造層12の表面上に、新規構造層13を増厚するもので、短繊維ファイバー30を混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを所望厚さ吹付け、或いは打設して構築する。
このとき、新規構造層13とアンカーボルトAの受圧体7とを一体化させる。
一体化させるとは、モルタル等の厚さを、前記したアンカーボルトAの受圧体7が十分埋め込まれる厚さとして、受圧体7をその厚みの中に埋め込むか、或いは受圧体7を新規構造層13の表面に位置させて、受圧体7によって新規構造層13を押えるようにしてせん断力を受けるようにする。
このとき、プレストレス力をアンカーボルトAに与えて、受圧体7によって新規構造層13表面を押えることもある。
これにより、受圧体7は新規構造層13が旧構造層12から剥離しようとするせん断力を受け止め、旧構造層12と新構造層13との一体化を高める。
短繊維ファイバー30としては、スチールファイバー(鋼繊維)や、ナイロン、ビニロン、ポリプロピレンファイバーなどの合成樹脂繊維や、カーボンファイバーなどが使用可能である。
この短繊維材の混入によって新設されるモルタルやコンクリートの曲げ圧縮強度は大幅に向上すると共に、ダレや収縮によるクラックの発生を抑制して安定した新規構造層13を造成できる。
図1に示すA2は、ロックボルト型のアンカーボルトであって、地山11に掘削した削孔内に長尺の鋼棒を挿入し、その孔隙にセメントペースト等のグラウト注入材11aを注入する事により、地山11に定着してある。
地山11からの突出部分に受圧体7が取付けられて、補強金網32やラス金網33に添わしてある。
その頭部を新規構造層13の表面あるいは中間位置に突出させ、プレストレス力を与えて新規構造層13表面で支圧板5とナット6によって定着してある。
旧構造層12を貫通して地山11に打設されるロックボルト型アンカーボルトA2によって、老朽化して剥離、剥落の恐れのある旧構造層12を地山11に固定すると共に、一次削孔された孔口より貫入試験器によって地山の緩み層の厚さを測定して適切な長さのロックボルト型アンカーボルト21長を設定し、より効果的なロックボルト型アンカーボルトA2を設置して、地山11と旧構造層12と新規構造層13とをより強固に一体化させて安定を図ることができる。
地山11からの突出部分に受圧体7が取付けられて、補強金網32やラス金網33に添わしてある。
その頭部を新規構造層13の表面あるいは中間位置に突出させ、プレストレス力を与えて新規構造層13表面で支圧板5とナット6によって定着してある。
旧構造層12を貫通して地山11に打設されるロックボルト型アンカーボルトA2によって、老朽化して剥離、剥落の恐れのある旧構造層12を地山11に固定すると共に、一次削孔された孔口より貫入試験器によって地山の緩み層の厚さを測定して適切な長さのロックボルト型アンカーボルト21長を設定し、より効果的なロックボルト型アンカーボルトA2を設置して、地山11と旧構造層12と新規構造層13とをより強固に一体化させて安定を図ることができる。
老朽化の進んだ旧構造層12は、地山11からかい離している場合があり、地山11の一部に空洞を生じている場合がある。
さらに地山11の岩盤も風化が進み緩みを生じている場合もあり、この様な場合は単に表面に新規にモルタルやコンクリートを吹付けただけでは安定は確保できないだけでなく、作業中の振動等によって部分的に剥離や剥落を生ずる危険性がある。
このような場合に、図4に示すように、アンカーボルトAの削孔時一次削孔12aとして旧構造層12部分を地山11の表面まで削孔し、これにより地山11に発生した空隙部14の深さを測定してグラウト注入材11aを注入する事ができる。
又、必要に応じて該一次削孔部12aより貫入試験機等を用いて地山11の緩み層の層厚を測定して、二次削孔時の削孔深さを決定するための資料を得る事ができる。
これによって設置されるアンカーボルトは確実に安定した地山11に固定され、適切な長さのロックボルト型アンカーボルトA2の設置が可能となる。
さらに地山11の岩盤も風化が進み緩みを生じている場合もあり、この様な場合は単に表面に新規にモルタルやコンクリートを吹付けただけでは安定は確保できないだけでなく、作業中の振動等によって部分的に剥離や剥落を生ずる危険性がある。
このような場合に、図4に示すように、アンカーボルトAの削孔時一次削孔12aとして旧構造層12部分を地山11の表面まで削孔し、これにより地山11に発生した空隙部14の深さを測定してグラウト注入材11aを注入する事ができる。
又、必要に応じて該一次削孔部12aより貫入試験機等を用いて地山11の緩み層の層厚を測定して、二次削孔時の削孔深さを決定するための資料を得る事ができる。
これによって設置されるアンカーボルトは確実に安定した地山11に固定され、適切な長さのロックボルト型アンカーボルトA2の設置が可能となる。
A:ロックボルト
1:鋼棒
2:打込み材
3:雄ネジ
4:ロック部
5:支圧板
6:ナット
7:受圧体
8:スリット
9:孔
10:削孔
11:地山
11a:グラウト注入材
12:旧構造層
12a:一次削孔部
13:新規構造層
14:空隙部
15:L型アンカー
21:ロックボルト型アンカー
30:ファイバー
31:シーリング層
32:溶接金網
33:ラス金網
1:鋼棒
2:打込み材
3:雄ネジ
4:ロック部
5:支圧板
6:ナット
7:受圧体
8:スリット
9:孔
10:削孔
11:地山
11a:グラウト注入材
12:旧構造層
12a:一次削孔部
13:新規構造層
14:空隙部
15:L型アンカー
21:ロックボルト型アンカー
30:ファイバー
31:シーリング層
32:溶接金網
33:ラス金網
Claims (5)
- 法面上の旧構造層若しくは地山に、アンカーボルトを打設し、
前記アンカーボルトが備えるせん断力を受ける受圧体を、モルタル若しくはコンクリートから成る旧構造層表面より突出させて位置させ、
旧構造層の上にモルタル若しくはコンクリートを吹付け或いは打設して、
前記アンカーボルトの受圧体と一体となる所要の厚さの新規構造層としてなる、
法面の補修・補強構造。 - 前記アンカーボルトの旧構造層表面より突出させた受圧体に添って、補強鉄筋若しくは補強金網を固定し、
当該補強鉄筋若しくは補強金網を旧構造層表面とほぼ平行に配置し、
当該補強鉄筋若しくは補強金網を埋設するよう新規構造層を形成することを特徴とする、
請求項1記載の法面の補修・補強構造。 - アンカーボルトの受圧板は、ボルトに螺合した上下のナットによって挟み込んで固定し、
当該受圧板に補強鉄筋若しくは補強金網を添わすことを特徴とする、
請求項2記載の法面の補修・補強構造。 - 前記旧構造層と新規構造層との間に、シーリング層を設けることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の法面の補修・補強構造。 - 前記新規に吹付け或いは打設するモルタル若しくはコンクリートとして、短繊維ファイバーを混入した短繊維補強モルタル若しくはコンクリートを使用することを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の法面の補修・補強構造。
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