JP5525884B2 - 補強材の継手構造及びその継手構造の構築方法 - Google Patents

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本発明は、鉄道や道路等の高架橋に設置されている高欄等の壁体の強度・機能向上を図る補強や補修の際に用いる補強板の継手構造及びその構築方法に関する。
鉄道や道路の高架橋に設置されている高欄等の壁体は、コンクリートの中性化等の経年劣化によって強度低下が生じたり、風や地震等によって作用する水平力の見直しに伴う耐力の増強化や、車両の高速化に伴う防音対策に起因した高さ寸法の嵩上げ等の要求が生じたりした場合に、改修補強が必要となる。
例えば、特許文献1には、高欄の側面に沿って設置された複数の補強板と、隣接する補強板同士を連結するための裏当て板と、通路側から補強板及び裏当て板を貫通してこれらを固定するためのボルトと、を備えた継手構造が開示されている。この構造では、隣接する補強板同士を接着剤で接続することにより、短時間で補強板及び裏当て板の設置作業を行うことができる。
また、特許文献1には記載されていないが、一般的には、図20に示すように、補強板及び裏当て板の設置作業が容易となるように、裏当て板は高欄本体に接着剤で接着される。
特開2003−253752号公報
しかしながら、上述した継手構造や接着剤を利用した方法では、次に示すような問題点があった。
(1)時間の経過とともに接着剤が劣化して付着強度が低下するおそれがあるため、長期的に利用する構造物への適用には、不安が残る。
(2)車両の通過や風等による振動でボルトが緩んで高架橋下に落下したり、通路側に露出しているボルトの頭部が損傷により高架橋下に落下するおそれがある。
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接着剤を用いなくても補強板を壁体に容易に取り付けることができる補強板の継手構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
本発明は、既設構造物の壁体側面に沿って、前記壁体側面との間に間隔をおいて取り付けられる第1補強板と、前記第1補強板と端面同士が接した状態で前記壁体側面に沿って取り付けられる第2補強板とを継ぎ合わせる継手構造であって、
前記第1補強板及び前記第2補強板の前記壁体側の面に、前記第1補強板と前記第2補強板とに接した裏当て板と、
頭部が前記裏当て板側に設置され、軸部が前記裏当て板と前記第1補強板又は前記第2補強板とに挿通されたネジ部材と、
前記第1補強板及び前記第2補強板と前記壁体側面との間の空間に、裏込材を充填して形成された裏込部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、裏当て板と各補強板とをネジ部材で固定するので、接着材を用いること無くこれらの板を壁体の側方に設置することができる。
また、ネジ部材の頭部が補強板よりも壁体側に設けられているので、この頭部がストッパーとしても機能し、ネジ部材が各補強板から抜け出すことを防止できる。
また、ネジ部材の頭部は各補強板と壁体の間に設けられており、従来のように頭部が補強板から外方に突出していないので、頭部が通路等に落下することを防止できる。
また、本発明において、前記第1補強板及び前記第2補強板は、前記軸部が挿通されるとともに前記軸部の直径よりも大径の貫通孔を備え、前記貫通孔と前記軸部との間に間詰め材を充填することで間詰め部を形成した場合には、各補強板とネジ部材とによる支圧接合構造が形成され、各補強板に作用する引張力又は圧縮力を裏当て板を介して隣接する補強板に伝達することができ、各補強板への機械的な負担を軽減できる。
また、本発明において、前記軸部の先端面を、前記第1補強板及び前記第2補強板における外側側面と面一に設けることとすれば、各補強板の外側表面に突起部が存在しないので、ネジ部材の劣化を防止できるとともに意匠性を向上させることができる。
また、本発明は、既設構造物の壁体側面に沿って、前記壁体側面との間に間隔をおいて取り付けられる第1補強板と、前記第1補強板と端面同士が接した状態で前記壁体側面に沿って取り付けられる第2補強板とを継ぎ合わせる継手構造の構築方法において、
前記第1補強板と前記第2補強板とを継ぎ合わせるための裏当て板を、前記第1補強板及び前記第2補強板の前記壁体側の面に前記第1補強板と前記第2補強板とに接した状態で、前記第1補強板と前記第2補強板とに跨るように設置するとともに、前記裏当て板側から前記第1補強板及び前記第2補強板のそれぞれにネジ部材の軸部を挿通して、前記ネジ部材を締結することで、前記裏当て材を前記第1補強板及び前記第2補強板に固定する組立工程と、
前記組立工程にて組付けられた前記第1補強板、前記第2補強板及び前記裏当て板の組を、前記裏当て板を前記壁体側面に対向させるとともに、前記壁体側面に沿って前記壁体側面との間に間隔をおいて設置する設置工程と、
前記第1補強板及び前記第2補強板と前記壁体側面との間の空間に充填材を充填する充填工程と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明は、既設構造物の壁体側面に沿って、前記壁体側面との間に間隔をおいて取り付けられる第1補強板と、前記第1補強板と端面同士が接した状態で前記壁体側面に沿って取り付けられる第2補強板とを継ぎ合わせる継手構造の構築方法において、
前記第1補強板と前記第2補強板とを継ぎ合わせるための裏当て板を、前記第1補強板の前記壁体側の面に前記第1補強板に接した状態で、前記裏当て板側から前記第1補強板にネジ部材の軸部を挿通して前記裏当て板を前記第1補強板に固定する第1組立工程と、
前記第1組立工程にて組付けられた前記第1補強板及び前記裏当て板の組を、前記裏当て板を前記壁体側面に対向させるとともに、前記壁体側面に沿って前記壁体側面との間に間隔をおいて設置する設置工程と、
前記第2補強板を、前記第1補強板の前記端面に前記第2補強板の前記端面が接するとともに、前記裏当て板に接するように設置し、前記裏当て板側から前記第2補強板にネジ部材の軸部を挿通することで、前記裏当て材を前記第2補強板に固定する第2組立工程と、
前記第1補強板及び前記第2補強板と前記壁体側面との間の空間に充填材を充填する充填工程と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明において、前記軸部の突出部分を切断して、前記軸部の先端面を前記第1補強板及び前記第2補強板の外側側面と面一にする切断工程を更に備えることとしてもよい。
また、本発明において、前記第1補強板及び前記第2補強板に形成された前記軸部の直径よりも大径の貫通孔に前記軸部を挿通し、前記貫通孔と前記軸部との間に間詰め材を充填する充填工程を更に備えることとしてもよい。
本発明によれば、接着剤を用いなくても補強板を壁体に容易に取り付けることができる補強板の継手構造及びその構築方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る鉄道高架橋の高欄と嵩上げ部との接続部における補強板の継手構造を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る鉄道高架橋の高欄と嵩上げ部との接続部における補強板の継手構造を示す縦断面図である。 図2のA部拡大図であり、補強板の接続部近傍を示す縦断面図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る補強板同士の継手構造を示す縦断面図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 補強板同士の継手構造の構築方法を示す図である。 従来の補強板同士の継手構造を示す縦断面図である。
以下、本発明の継手構造の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、鉄道高架橋1の高欄2(壁体に相当)を改修補強する場合を例に挙げて説明するが、本発明は、壁体を有する他の既設構造物にも適用できる。
図1及び図2は、本発明の第一実施形態に係る鉄道高架橋1の高欄2と嵩上げ部3との接続部における補強板4の継手構造5を示す斜視図及び縦断面図である。また、図3は、図2のA部拡大図であり、隣接する補強板4の接続部近傍を示す縦断面図である。
図1〜図3に示すように、継手構造5は、高欄2の両側に設置された複数の補強板4を継ぎ合わせるためのものである。この継手構造5は、高欄2と補強板4との間に設置された裏当て板6と、裏当て板6を補強板4に固定するためのネジ部材7と、高欄2と補強板4との間にモルタル(充填材に相当)を充填して形成されたモルタル部(充填部に相当)8とを備える。
高欄2は、床版9上にこれと一体的に所定の高さで形成された地覆部2aと、地覆部2aの上に所望の高さで形成されたコンクリートブロック部2bとからなる。地覆部2aは、鉄筋が配筋されて床版9とともにRC造で一体的に形成される。また、コンクリートブロック部2bは、予め工場などで形成されて地覆部2a上に一体的に設置される。
補強板4は、高欄2の両側面(外側側面,内側側面)との間にそれぞれ所定の間隔を隔てるとともに、高欄2の側面に沿って端面4a同士が互いに接するように設置されている。また、補強板4の上端部には、高欄2の両側に設置された補強板4の上端部同士を相互に一体的に繋ぐとともに、高欄2の上端部を覆うように笠板11が設けられている。
本実施形態においては、補強板4として高靭性セメント板を用いた。この高靱性セメント板は、高強度ビニロン繊維等の補強繊維を抄造法によりセメントに混練して形成され、高靱性・高曲げ強度の特性を与えつつ6〜9mm程度の薄板に成形して工場等で高品質に廉価に大量生産することができ、孔明けや切断等の加工も現場で容易になし得、運搬・施工性に優れたものである。
なお、本実施形態においては、補強板4として高靱性セメント板を用いたが、これに限定されるものではなく、繊維補強樹脂板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板、高耐食溶融メッキ鋼板等の高耐食性の金属板を用いてもよい。
また、本実施形態においては、8mmの高靭性セメント板を用いたが、この厚さに限定されるものではない。
以下、継手構造5について詳しく説明する。なお、高欄2の両側は、高欄2を中心として左右対称の継手構造5を形成するので、通路側の継手構造5を例にして説明する。
図3に示すように、高欄2をB方向に視て、裏当て板6は、隣接する補強板4同士(第1補強板、第2補強板)の接続側端部間に跨って、補強板4の高欄2側(以下、補強板4の内側という)の側面4dに接するように設けられる。本実施形態においては、裏当て板6として鋼板を用いたが、これに限定されるものではなく、補強板4と同じ材料からなるものやプラスチック等を用いてもよい。
ネジ部材7は、補強板4及び裏当て板6内に挿通されたボルト7aと、このボルト7aの端部に螺合されるナット7b(図6等を参照)と、からなる。詳細は後述するが、このナット7bは改修補強中に撤去されるため、施工後の継手構造5には存在しない(このため図1〜図3中にも図示しない)。
ボルト7aが挿通される裏当て板6、補強板4には、それぞれネジ孔6a、貫通孔4bが穿孔される。補強板4の貫通孔4bは、ボルト7aの軸部が挿通可能な内径を備えている。すなわち、貫通孔4bの内径はボルト7aの軸部よりも大径であって、頭部7cよりも小径に形成されている。
ボルト7aは、裏当て板6及び補強板4内を挿通するように裏当て板6側から挿通されているため、ボルト7aの頭部7cはモルタル部8内に埋設される。
ボルト7aの軸部先端面7dは、補強板4の裏当て板6と反対側(以下、補強板4の外側という)の側面4cと面一になっている。
ボルト7aと補強板4の貫通孔4bとの間に形成される隙間10には、ボルト7aと補強板4とが一体化するように遅延硬化性を有する間詰め材が充填されて間詰め部12が形成される。
モルタル部8は、補強板4と高欄2との間の空間に高流動モルタルを充填することにより形成される。その高流動モルタルは、高欄2、補強板4及び裏当て板6の各側面に密着した状態で硬化するため、補強板4は、モルタル部8を介して高欄2に一体化するように取り付けられる。
次に、上述した補強板4の継手構造5の構築方法について施工手順に従って説明する。
図4〜図10は、補強板4の継手構造5の構築方法を示す図である。この構築方法では、まず、図4に示すように、裏当て板6のネジ孔6aにボルト7aを挿通する。
次に、組立工程を実施する。この組立工程では、図5に示すように、補強板4の貫通孔4b内に裏当て板6から突出しているボルト7aを挿通し、端面同士が接した状態の補強板4を跨ぐように裏当て板6を当接させる。
次に、図6に示すように、補強板4の側面4cから突出しているボルト7aにナット7bを螺合して締め付けて、補強板4と裏当て板6とを一体的に締結固定する。
次に、設置工程を実施する。この設置工程では、図7に示すように、一体的に組立てられた補強板4及び裏当て板6の組を、裏当て板6が高欄2側になるように設置するとともに、高欄2の側面に沿うように高欄2の側面から所定の間隔を隔てて設置する。かかる際に、補強板4及び裏当て板6は、図2に示すように、高欄2の両側にそれぞれ配置されて、ボルトとナットとからなる固定部材13にて固定される。
次に、モルタル充填工程を実施する。このモルタル充填工程では、図8に示すように、補強板4と高欄2との間の空間にモルタルを充填してモルタル部8を形成する。
次に、撤去工程を実施する。この撤去工程では、図9に示すように、ナット7bをボルト7aから取り外し、補強板4の側面4cから突出した軸部を切断(切断)して、ボルト7aの軸部先端面7dを補強板4の外側側面4cと面一にする。
最後に、間詰め充填工程を実施する。この間詰め充填工程では、図10に示すように、ボルト7aの軸部と貫通孔4bとの間に間詰め材を充填して間詰め部12を形成する。
上記のように構成された本実施形態に係る補強板4の継手構造5によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)ボルト7aが、裏当て板6及び補強板4内に裏当て板6側から挿入されているので、ボルト7aの頭部7cは、補強板4と高欄2との間のモルタル部8内に存在する。したがって、ボルト7aが緩んで通路に落下する事、及びボルト7aの頭部7cが損傷により通路に落下する事を防止できる。
(2)ボルト7a及びナット7bで裏当て板6と補強板4とを固定するため、接着剤を用いることなく補強板4及び裏当て板6を高欄2の側面に沿って設置できる。
(3)貫通孔4bとボルト7aの軸部との隙間10には間詰め材が充填されて間詰め部12が設けられているため、補強板4とボルト7aとによる支圧接合構造が形成され、補強板4に作用する引張力又は圧縮力を裏当て板6を介して隣接する補強板4に伝達することができる。
(4)ボルト7aに螺合するナット7bは、撤去工程で撤去されるので、補強板4の外側側面4cには落下されるものが存在しない。また、ボルト7aの先端面7dは、補強板4の外側側面4cと面一であり、通路側に突起部が存在しないので、意匠性を向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。以下の説明において、上記の実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図11は、本発明の第二実施形態に係る補強板4の継手構造25を示す縦断面図である。
図11に示すように、補強板4の継手構造25は、補強板4及び高欄2に接するように設置された裏当て板26と、頭部27cが裏当て板26内に埋設されたネジ部材27と、モルタル部8と、を備える。
高欄2を第一実施形態と同様に、B方向に視て、裏当て板26は、隣接する補強板4同士(第1補強板,第2補強板)の接続側端部間に跨って、補強板4の内側側面と高欄2の側面のそれぞれに接するように設けられる。本実施形態においては、裏当て板26として、補強板4と同じ高靭性セメント板を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、鋼板を用いてもよい。
裏当て板26の厚さは、予め設計等によって決められたモルタル部8の厚さと同じにする。本実施形態においては、裏当て板26の厚さを8mmとしたが、これに限定されるものではない。
ネジ部材27は皿ネジ27aからなり、裏当て板26及び補強板4内を挿通するように裏当て板26側から挿通されて、裏当て板26を補強板4に固定する。
皿ネジ27aの頭部27cは、裏当て板26の高欄2側(以下、裏当て板26の内側という)に設けられた座グリ穴内に埋設されていて、その頭部27cの端面27eは、裏当て板26の内側の側面26cと面一になっている。また、皿ネジ27aのネジ部の先端面27dも、補強板4の外側の側面4cと面一になっている。
図11中の上側の補強板4の貫通孔4bと皿ネジ27aのネジ部との間に形成される隙間10には、皿ネジ27aと補強板4とが一体化するように遅延硬化性を有する間詰め材が充填されて間詰め部12が形成される。
一方、図11中の下側の補強板4にはネジ切りされたネジ孔4eが設けられていて、そのネジ孔4eに皿ネジ27aのネジ部が螺合している。したがって、補強板4のネジ孔4eと皿ネジ27aとの間には、間詰め材は充填されていない。
次に、上述した補強板4の継手構造25の構築方法について施工手順に従って説明する。
図12〜図19は、補強板4の継手構造25の構築方法を示す図である。この構築方法では、まず、図12に示すように、裏当て板26のネジ孔26aに皿ネジ27aを挿通する。
次に、第1組立工程を実施する。この第1組立工程では、図13に示すように、補強板4のネジ孔4eに、裏当て板26から突出している皿ネジ27aの軸部を螺合して、補強板4に裏当て板26を当接させる。係る際に、皿ネジ27aの端面27eが裏当て板26の内側の側面26bと面一になるまで皿ネジ27aを締め付けて、補強板4と裏当て板26とを一体的に締結固定する。
次に、設置工程を実施する。この設置工程では、図14に示すように、一体的に組立てられた補強板4及び裏当て板26を、裏当て板26が高欄2側になるように設置するとともに、裏当て板26を高欄2に当接させる。
次に、モルタルの第1充填工程を実施する。この第1充填工程では、図15に示すように、補強板4と高欄2との間の空間にモルタルを充填してモルタル部8を形成する。係る際に、モルタルは、補強板4の上端を越えない程度に充填される。
次に、第2組立工程を実施する。この第2組立工程では、図16に示すように、新たに設置される補強板4の貫通孔4b内に、裏当て板26から突出している皿ネジ27aを挿通して、新たな補強板4を既設の補強板4の上に設置する。
なお、本実施形態においては、新たに設置される補強板4用の皿ネジ27aを第2組立工程よりも前に裏当て板26に予め取り付けたが、第2組立工程にて取り付けてもよい。
そして、新たな補強板4の側面4cから突出している皿ネジ27aにナット7bを螺合して締め付けて、新たな補強板4と裏当て板26とを一体的に締結固定する。
次に、モルタルの第2充填工程を実施する。この第2充填工程は、図17に示すように、新たな補強板4と高欄2との間の空間にモルタルを充填し、既設のモルタル部8の上方に新たなモルタル部8を形成する
次に、撤去工程を実施する。この撤去工程では、図18に示すように、ナット7bを皿ネジ27aから取り外し、皿ネジ27aの軸部のうち、補強板4の外側側面4cから突出した部分を切断して、軸部先端面27dを外側側面4cと面一にする
最後に、間詰め充填工程を実施する。この間詰め充填工程では、図19に示すように、補強板4の貫通孔4bと皿ネジ27aの軸部との間に間詰め材を充填して間詰め部12を形成する。
上記のように構成された本実施形態に係る補強板4の継手構造25によれば、第1実施形態に係る効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
隣接する2枚の補強板4のうち、片側(本実施形態では下側)の補強板4にネジ孔6aを設けることにより、皿ネジ27aを螺合するだけで裏当て板26を補強板4に固定することができる。したがって、第1実施形態で示したように、隣接する2枚の補強板の両方をボルト7a・ナット7bで固定する場合と比べて、ナット7bの着脱作業を1回分省くことができる。改修補強には、多数の補強板4を接続しなければならないので、ナット7bの着脱作業を1回でも省くことにより、作業効率が各段に向上する。
なお、上述した各実施形態においては、接着剤を用いなかったが、隣接する補強板4の端面4a、補強板4と裏当て板6、26との間、裏当て板26と高欄2との間等に接着剤を塗布してもよい。
本発明に係る継手構造5、25は、接着剤による付着力を期待せずとも充分に圧縮力や引張力等の耐力を有する構造なので接着剤を用いなくてもよいが、接着剤を用いることによって、より強固に各部材同士を接続することができる。
なお、上述した各実施形態においては、高欄2のコンクリートブロック部2bと嵩上げ部3との接続部で補強板4を接続する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、高欄2に沿って補強板4同士を接続する場合であれば本発明を適用することができる。
なお、上述した各実施形態においては、他の実施形態で示した施工手順を適用してもよい。
例えば、第1実施形態においては、上下に隣接する補強板4を同時に裏当て板6に取り付けて高欄2の側方に設置し、補強板4と高欄2との間の空間にモルタルを充填した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第2実施形態のように、まず、下側の補強板4に裏当て板6を取り付けて高欄2の側方に設置し、下側の補強板4の上端付近までモルタルを充填し、その後で、新たな補強板4を下側の補強板4上に設置し、最後に、新たな補強板4と高欄2との間の空間にモルタルを充填してもよい。
また、第2実施形態においては、第1実施形態のように、上下に隣接する補強板4を同時に裏当て板26に取り付けて高欄2の側方に設置し、補強板4と高欄2との間の空間にモルタルを充填してもよい。
なお、上述した各実施形態においては、モルタルを充填材として用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、コンクリートでもよい。要は、高欄2、補強板4に対するモルタルの付着力と同等の力を発揮するものであればよい。
なお、上述した各実施形態において、風等によって水平方向の荷重が高欄2の外側に配置された補強板4に作用すると、水平方向の継手構造5に引張力が作用するので、裏当て板6、26を水平方向に延設することが望ましい。
1 鉄道高架橋
2 高欄
2a 地覆部
2b コンクリートブロック部
3 嵩上げ部
4 補強板
4a 端面
4b 貫通孔
4c 外側の側面
4d 内側の側面
4e ネジ孔
5 継手構造
6 裏当て板
6a ネジ孔
7 ネジ部材
7a ボルト
7b ナット
7c 頭部
7d ネジ部の先端面
8 モルタル部
9 床版
10 隙間
11 笠板
12 間詰め部
13 固定部材
25 継手構造
26 裏当て板
26a ネジ孔
26b 内側の側面
27 ネジ部材
27a 皿ネジ
27c 頭部
27d 軸部の先端面
27e 端面

Claims (7)

  1. 既設構造物の壁体側面に沿って、前記壁体側面との間に間隔をおいて取り付けられる第1補強板と、前記第1補強板と端面同士が接した状態で前記壁体側面に沿って取り付けられる第2補強板とを継ぎ合わせる継手構造であって、
    前記第1補強板及び前記第2補強板の前記壁体側の面に、前記第1補強板と前記第2補強板とに接した裏当て板と、
    頭部が前記裏当て板側に設置され、軸部が前記裏当て板と前記第1補強板又は前記第2補強板とに挿通されたネジ部材と、
    前記第1補強板及び前記第2補強板と前記壁体側面との間の空間に、裏込材を充填して形成された裏込部と、
    を備えることを特徴とする補強板の継手構造。
  2. 前記第1補強板及び前記第2補強板は、前記軸部が挿通されるとともに前記軸部の直径よりも大径の貫通孔を備え、
    前記貫通孔と前記軸部との間に間詰め材を充填することで間詰め部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の補強板の継手構造。
  3. 前記軸部の先端面を、前記第1補強板及び前記第2補強板における外側側面と面一に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の補強板の継手構造。
  4. 既設構造物の壁体側面に沿って、前記壁体側面との間に間隔をおいて取り付けられる第1補強板と、前記第1補強板と端面同士が接した状態で前記壁体側面に沿って取り付けられる第2補強板とを継ぎ合わせる継手構造の構築方法において、
    前記第1補強板と前記第2補強板とを継ぎ合わせるための裏当て板を、前記第1補強板及び前記第2補強板の前記壁体側の面に前記第1補強板と前記第2補強板とに接した状態で、前記第1補強板と前記第2補強板とに跨るように設置するとともに、前記裏当て板側から前記第1補強板及び前記第2補強板のそれぞれにネジ部材の軸部を挿通して、前記ネジ部材を締結することで、前記裏当て材を前記第1補強板及び前記第2補強板に固定する組立工程と、
    前記組立工程にて組付けられた前記第1補強板、前記第2補強板及び前記裏当て板の組を、前記裏当て板を前記壁体側面に対向させるとともに、前記壁体側面に沿って前記壁体側面との間に間隔をおいて設置する設置工程と、
    前記第1補強板及び前記第2補強板と前記壁体側面との間の空間に充填材を充填する充填工程と、
    を備えることを特徴とする補強板の継手構造の構築方法。
  5. 既設構造物の壁体側面に沿って、前記壁体側面との間に間隔をおいて取り付けられる第1補強板と、前記第1補強板と端面同士が接した状態で前記壁体側面に沿って取り付けられる第2補強板とを継ぎ合わせる継手構造の構築方法において、
    前記第1補強板と前記第2補強板とを継ぎ合わせるための裏当て板を、前記第1補強板の前記壁体側の面に前記第1補強板に接した状態で、前記裏当て板側から前記第1補強板にネジ部材の軸部を挿通して前記裏当て板を前記第1補強板に固定する第1組立工程と、
    前記第1組立工程にて組付けられた前記第1補強板及び前記裏当て板の組を、前記裏当て板を前記壁体側面に対向させるとともに、前記壁体側面に沿って前記壁体側面との間に間隔をおいて設置する設置工程と、
    前記第2補強板を、前記第1補強板の前記端面に前記第2補強板の前記端面が接するとともに、前記裏当て板に接するように設置し、前記裏当て板側から前記第2補強板にネジ部材の軸部を挿通することで、前記裏当て材を前記第2補強板に固定する第2組立工程と、
    前記第1補強板及び前記第2補強板と前記壁体側面との間の空間に充填材を充填する充填工程と、
    を備えることを特徴とする補強板の継手構造の構築方法。
  6. 前記軸部の突出部分を切断して、前記軸部の先端面を前記第1補強板及び前記第2補強板の外側側面と面一にする切断工程を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の補強板の継手構造の構築方法。
  7. 前記第1補強板及び前記第2補強板に形成された前記軸部の直径よりも大径の貫通孔に前記軸部を挿通し、前記貫通孔と前記軸部との間に間詰め材を充填する充填工程を更に備えることを特徴とする請求項4〜6のうち何れか一項に記載の補強板の継手構造の構築方法。
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