JP2007077746A - 鋼床版の補強構造及び補強工法 - Google Patents

鋼床版の補強構造及び補強工法 Download PDF

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久美子 須田
Noboru Sakata
昇 坂田
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Abstract

【課題】トラフリブ形式などの鋼床版の下面からの補強において、比較的軽量の補強部材により鋼床版を容易かつ確実に補強することができ、鋼床版の疲労耐久性の向上を図れる鋼床版の補強構造及び補強工法を提供する。
【解決手段】Uリブ3とUリブ3との間のデッキプレート2の下面に繊維補強型セメント系材料からなるプレキャストコンクリートブロック10を配置し、ブロック10の上面の薄板鋼板12を接着剤11を介してデッキプレート2の下面に密着固定して補強する。ブロック10とUリブ3との隙間には、セメント系材料からなる充填材を充填し、剛性を高める。接着剤が硬化するまでブロック10が落下しないようにデッキプレート2下面に溶植したスタッドジベル15でブロック10を固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、道路橋、橋梁、その他の構造物の鋼床版を下面から補強する補強構造及び補強方法に関するものである。
近年、高速道路等においては、大型車交通量の増加と車両の大型化・重量化も相まって、道路橋の中で疲労損傷を最も受けやすい構造の鋼床版に疲労亀裂が発生してきている。鋼床版は、デッキプレートの下面に橋軸方向に連続するトラフリブ(閉断面のU字状の縦リブ、以下ではUリブと記載する)が橋軸直角方向に所定の間隔をおいて平行に配列されたトラフリブ形式が一般的である。なお、Uリブの他に、横リブ、縦桁、横桁などが設けられている。
疲労亀裂は、デッキプレートとUリブとの橋軸方向に連続する溶接部、デッキプレートと縦桁の垂直補剛材との橋軸方向に点在する溶接部、Uリブと横リブとの交差部などに発生しており、このうちデッキプレートとUリブとの溶接部に発生する疲労亀裂に対する疲労耐久性向上の対策技術が求められている。
このデッキプレートとUリブとの溶接部に発生する疲労亀裂の主な発生原因は、輪荷重によって、デッキプレートがUリブを節とした局部変形を起こし、その局部変形に起因して発生する溶接ルート部の応力集中と考えられている。このような応力性状に対しては、鋼床版上面(舗装厚内での対策)又は下面からの補強により、その応力集中の緩和を図れる疲労耐久性の向上技術が考えられる。そして、既設道路の交通に影響を与えないようにするためには、鋼床版の下面からの補強が望ましい。
この疲労耐久性向上技術に関連する先行技術文献としては、特許文献1〜3がある。特許文献1の発明は、道路橋等のコンクリート床版の下面に鋼板を接着剤を用いて一体化し、さらに前記鋼板を床版を支持する桁にボルト等で連結・固定する補強方法であり、前記接着剤に付着力と適当な弾性などを有する特定の材料を用いるものである。
特許文献2の発明は、道路橋等のコンクリート床版の下面に補強用網鉄筋を含む補強用被覆層で補強し、補強用網鉄筋が床版に直接接触しないような固定治具を用いて、床版の撓み変形による補強用網鉄筋の無用な位置変動や変形がないようにし、固定治具のアンカーピンのテーパを利用して補強用網鉄筋に対するプレストレスの減衰も抑制可能としたものである。
特許文献3の発明は、橋梁や高速道路の鋼床版の疲労亀裂等の発生を抑制する補強方法及び装置であり、縦リブ(Uリブ)の内部に軽量発泡コンクリート等の充填材を充填し、縦リブの断面疲労強度を向上させ、デッキプレートと縦リブとの溶接継手部を補強するものである。
特許第2645445号公報 特開平10−317325号公報 特開2001−248114号公報
トラフリブ形式の鋼床版の下面からの補強に関しては、軽量化などの点からコンクリートやモルタルを用い、施工性などの点からUリブの外部におけるUリブ間の補強が考えられるが、吹き付け工法は、鋼床版への実績が少なく、接合面での変形や繰返し応力に対する長期安定性や強度などの信頼性確保が難しい。また、場所打ちあるいは注入も、現場で型枠を設置することは、施工に時間がかかり、施工管理も難しく、また鋼床版下面とコンクリート上面間の隙間が無いように確実に施工することが難しい。
本発明は、トラフリブ形式などの鋼床版の下面からの補強において、比較的軽量の補強部材により鋼床版を容易かつ確実に補強することができ、鋼床版の疲労耐久性の向上を図れる鋼床版の補強構造及び補強工法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の発明は、デッキプレートの下面に縦リブが間隔をおいて複数配列されている鋼床版の補強構造であり、縦リブと縦リブの間におけるデッキプレートの下面にプレキャストコンクリートブロック(以下、単にブロックと記載する)が接着剤により接合されていることを特徴とする鋼床版の補強構造である。
本発明は、トラフリブ形式、その他の形式の鋼床版において、既設道路の交通に影響を与えない下面からの補強に適用されるものであり、Uリブ(閉断面のU字トラフ状の縦リブ)とUリブの間、あるいはその他の縦リブと縦リブとの間に、工場製作の薄板状のブロックを縦リブ側板との間に隙間をおいて配置し、ブロックの上面を接着剤を介してデッキプレートの下面に密着固定するものである。接着剤には、エポキシ系やアクリル系など、接着性に優れた接着剤を用いる。既往の研究によれば、スタッドジベルだけでは、完全合成構造としての剛性を期待できないが、接着剤接合であれば、完全合成構造として剛性を向上させることができる。
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の補強構造において、ブロックが薄板鋼板を埋設型枠として製作され、前記薄板鋼板がデッキプレートの下面に接着剤により接合されていることを特徴とする鋼床版の補強構造である。
デッキプレートとブロックの接着面を鋼板同士の接着となるようにしたものである。コンクリートはフレッシュ状態では鉄と良く付着するという性質を利用し、箱枠状の薄板鋼板内にコンクリート類(コンクリートやモルタル)を充填して、厚さが薄く、剛性の大きい複合構造のブロックを工場製作する。埋設型枠としての薄板鋼板の内面(接着面の反対側のコンクリート打設面)にはプレートジベルを突設し、コンクリートの一体化を図るようにしてもよい。現場でこの複合構造のブロックをひっくり返し、デッキプレートの下面に薄板鋼板の上面を接着剤を介して密着固定する。鋼板同士の接着は実績が多く、また接着は現場作業となることから、鋼−コンクリートの接着に比べ信頼性の高い鋼−鋼の接着が好ましい。
また、薄板鋼板のないブロック、薄板鋼板とコンクリートの複合構造のブロックを工場において製作する際、例えば鋼製型枠内にコンクリートやモルタルを流し込んだ後に、孔開き鋼板、ラス網、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどの開口部を有する薄い鋼板をコンクリートやモルタル中に押し込んで埋設し、サンドイッチ構造とすることにより、厚さが薄く、剛性の大きいブロックを製作することもできる。
本発明の請求項3の発明は、請求項1に記載の補強構造において、ブロックとリブとの間の隙間に充填材が充填されていることを特徴とする鋼床版の補強構造である。
輪荷重による鋼床版の疲労損傷は、デッキプレートとUリブの溶接部における応力の局所化によるものである。この溶接部以外の剛性を高めるとかえって溶接部への応力集中が顕著になる可能性があるため、溶接部のあるUリブとブロックの端部との間の隙間に充填材を充填し、剛性を高める。充填材には、充填性に優れ、無収縮性・早強性を有するモルタルなどのセメント系材料を用いる。
本発明の請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の補強構造において、ブロックは繊維補強型のセメント系材料で製作されていることを特徴とする鋼床版の補強構造である。
鋼床版の剛性を高めるためには、ブロックに使用する材料のヤング係数が大きい方が有利であり、また重量増加を防ぐためには、できるだけ軽量であることが望ましい。また、ブロック片の剥落を長期間にわたって防ぐためには繊維補強型のセメント系材料を用いる必要がある。これらの点から、鋼繊維補強コンクリート(SFRC)、有機系(ポリプロピレン)繊維補強コンクリート(PPFRC)、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)、高靭性繊維補強セメント複合材料(ECC)が好ましい。さらに、ひび割れが発生するような引張り応力が発生するようであれば、引張ひずみ硬化型の材料で伸び性能があり、ひび割れ発生後も剛性低下が少ないセメント系材料が望ましく、高靭性繊維補強セメント複合材料(ECC)が好適である。
本発明の請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の補強構造において、縦リブ内に軽量のセメント系材料が充填されていることを特徴とする鋼床版の補強構造である。
トラフリブ形式の鋼床版の場合であり、Uリブ内を充填すると応力低減に効果があることが知られており、Uリブ外のブロック接着とリブ内の軽量コンクリートの充填を併用すれば補強効果がさらに高まる。
本発明の請求項6の発明は、デッキプレートの下面に縦リブが間隔をおいて複数配列されている鋼床版の補強工法であり、縦リブと縦リブの間におけるデッキプレートの下面にスタッドジベルを植設し、プレキャストコンクリートブロックを前記スタッドジベルを貫通させて縦リブ間のデッキプレート下面に接着剤を介して取り付け、前記スタッドジベルでプレキャストコンクリートブロックを固定することを特徴とする鋼床版の補強工法である。
本発明のブロックを用いた補強構造においては、接着剤が硬化するまでは、鋼床版の振動、局部変形に対して対応できるように、ブロックをしっかりと固定することが必要である。縦リブに穴をあけたり、溶接したりして固定する方法も考えられるが、疲労耐久性への影響が懸念される。従って、接着剤硬化までのブロック固定・落下防止のためにスタッドジベルを用いてブロックを固定するのが好ましい。デッキプレートの下面には事前にスタッドジベルを溶接で固定しておき、ブロックには製作時にスタッドジベルの貫通孔を設けておき、現場においてスタッドジベルにナットをねじ込んでブロックを固定する。なお、スタッドジベルには完全合成構造化のためのせん断力伝達機能は期待できない。
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果が得られる。
(1) トラフリブ形式などの鋼床版の下面からの補強において、プレキャストコンクリートブロックを縦リブ間のデッキプレート下面に接着剤で密着固定するため、完全合成構造として剛性が向上し、比較的軽量の補強部材により鋼床版を容易かつ確実に補強することができ、鋼床版の疲労耐久性向上を図れる
(2) ブロックと薄板鋼板を一体化させた複合構造のブロックとすることにより、鋼と鋼の接着により補強効果が高まり、またより軽量で剛性の高い補強ブロックが得られる。
(3) ブロックと縦リブの間の隙間にセメント系の充填材を充填することにより、縦リブ間のデッキプレート全面の剛性が向上し、補強効果がより高まる。
(4) ブロックに繊維補強型のセメント系材料を用いることにより、ブロックのさらなる軽量化と剛性向上を図れる。
(5) 縦リブ内に軽量のセメント系材料を充填することにより、縦リブ外のブロック補強と相まって、補強効果がさらに向上する。
(6) デッキプレート下面のスタッドジベルでブロックを固定しておくことにより、ブロック接着工法を容易に低コストで行うことができる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。この実施形態は、トラフリブ形式の鋼床版の下面から補強に適用した例である。図1は、本発明の補強構造の一例を示す部分鉛直断面図である。図2は、本発明が適用される道路橋の一例を示す鉛直断面図と、本発明のプレキャストコンクリートブロックの一例を示す正面図・側面図・下面図と、本発明の補強構造の一例を示す部分鉛直断面図である。
図2(a) の道路橋において、鋼床版1は、デッキプレート2の下面に橋軸方向に連続するUリブ(閉断面のU字トラフ状の縦リブ) 3が橋軸直角方向に所定の間隔をおいて多数平行に配列され、溶接で固定されている。本発明では、図1、図2に示すように、Uリブ3とUリブ3との間のデッキプレート2の下面にプレキャストコンクリートブロック(以下、単にブロックと記載する)10を配置し、ブロック10の上面を接着剤11を介してデッキプレート2の下面に密着固定して補強する。橋軸直角方向の補強範囲は、鋼床版の疲労損傷が顕著になる大型車両走行車線を中心に、断面内において応力緩和が必要な範囲が選定される(図2(a) 参照)。
図2(b)〜(e) に示すように、ブロック10は平面形状が長方形の薄板であり、両側のUリブ3との間に隙間が形成されるような幅とされ、さらにUリブの側板の傾斜に対応した面取り10aを施し、Uリブ3とUリブ3との間のデッキプレート2の下面に容易に配置できるようする。板厚は対象鋼床版の条件によって異なるが、応力低減効果を考慮して例えば30mm程度の薄板を標準としている。長さは作業性を考慮して重量が例えば15kg程度となるようにされており、橋軸方向の継目はコーキング材等で目張りされる。
デッキプレート2とブロック10の接着に関しては、現場作業となることから、鋼−コンクリートの接着に比べ信頼性の高い鋼−鋼の接着が好ましく、図1に示すように、ブロック10の上面に薄板鋼板12を一体的に設けた複合構造とする。薄板鋼板12は例えば板厚が1.2 mm程度のSS400 を用いる。工場においては、箱枠状の薄板鋼板12内にコンクリートやモルタルを充填して製作する。厚さが薄く、剛性の大きい複合構造のブロック10が得られる。現場においては、この複合構造のブロック10をひっくり返して薄板鋼板12をデッキプレート2の下面に接着剤11を介して接着固定する。
ここで、このブロック製作の際には、薄板鋼板12とコンクリート類の一体性の確保が重要となる。従って、フレッシュコンクリートと鋼板の接着に使用された実績を有するエポキシ樹脂を使用すると共に、コンクリート類と鋼板の一体性の確保に実績のあるプレートジベルなどを必要に応じて併用するのが好ましい。図1に示すように、埋設型枠としての箱枠状の薄板鋼板12の内面(接着面の反対側のコンクリート打設面)にプレートジベル13などを突設しておく。
また、ブロック製作する際、鋼製型枠内にコンクリートやモルタルを流し込んだ後に、孔開き鋼板、ラス網、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどの開口部を有する薄い鋼板をコンクリートやモルタル中に押し込んで埋設し、サンドイッチ構造とすることにより、厚さが薄く、剛性の大きいブロック10とすることもできる。
接着剤11は、接着強度、疲労耐久性、耐水性など、共用期間中に要求される性能を満足する材料を用いる。鋼−鋼の接着性に優れるエポキシ系またはアクリル系の樹脂接着剤が好ましい。
図1に示すように、Uリブ3とブロック10との間には隙間があるため、輪荷重による応力の局所化を緩和する目的で、この隙間に充填材14を充填する。即ち、輪荷重による鋼床版1の疲労損傷は、デッキプレート2とUリブ3の溶接部Aにおける応力の局所化によるものであり、ブロック10によりこの溶接部以外の剛性を高めるとかえって溶接部Aへの応力集中が顕著になる可能性があるため、Uリブ3とブロック10との間の隙間に充填材14を充填し、剛性を高める。充填材14には、充填性に優れ、無収縮性・早強性を有するモルタルなどのセメント系材料を用いる。
ブロック10に使用する材料には、軽量で、ヤング係数が比較的大きく、ブロック片の剥落防止を可能とする繊維補強型のセメント系材料を用いる。応力低減効果、重量増加、コストなどの要求性能に応じて適切なコンクリート類を選定する。以下の性能を有する鋼繊維補強コンクリート(SFRC)、有機系(ポリプロピレン)繊維補強コンクリート(PPFRC)、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)、高靭性繊維(高強度ビニロン繊維)補強セメント複合材料(ECC)が考えられる。
(1)引張力の負担…SFRCは、ひび割れ発生後の靭性改善効果が期待できる(評価△)。PPFRCは、繊維混入による補強効果は期待できない(評価×)。ECCは、ひび割れ発生後においても引張力の負担を期待できる(評価◎)。
(2)ヤング係数…SFRC・PPFRCは、普通コンクリートと同等(評価◎)。ECCは、普通コンクリートの1/2〜2/3程度(評価○)。
(3)圧縮強度…SFRC・PPFRCは、普通コンクリートと同等(評価○)。ECCは、若干小さい(評価○)。
(4)単位容積質量…SFRC(評価△)。PPFRC(評価△)。ECC(評価◎)。
(5)材料コスト…SFRC(評価○)。PPFRC(評価◎)。ECC(評価△)。
(6)剥落防止性能…SFRC(評価○)。PPFRC(評価○)。ECC(評価○)。
(7)美観…SFRC(評価×発錆)。PPFRC(評価○)。ECC(評価○)。
以上のような性能比較から、優れたひび割れ分散性能を有し、引張応力を負担することが可能な高靭性繊維補強セメント複合材料(ECC)が好適である。
ブロック10は、接着剤11が硬化するまで、固定して落下を防止するために、図1に示すように、ねじ付きのスタッドジベル15で固定する。スタッドジベル15は事前にデッキプレート2の下面に溶接で固定しておき、ブロック10には製作時にスタッドジベル15の貫通孔16を設けておき、現場においてスタッドジベル15にナット17をねじ込んでブロック10を固定する。スタッドジベル15及び溶植の熱影響部は防錆のために接着剤と同種の材料で塗装を行う。また、スタッドジベル15はブロック10を支えるのに必要な量とし(図2(c)参照)、せん断伝達を期待しない。
図3、図5(a)は、本発明のUリブ外での補強工法の一例を示したものであり、次のような手順で施工する。
(1)準備工事を行う。吊足場工・昇降設備工・資機械搬入設備工・照明設備工など。次いで、図3(a)に示すように、補強部位のUリブ3間におけるデッキプレート2の下面と左右のUリブ側面のバキュームブラスト工法による表面処理工(ケレン工)で塗装を撤去する。
(2)測量調査工によりスタッドジベルの位置出しを行う。次いで、図3(b)に示すように、補強部位のデッキプレート2の下面にねじ付きスタッドジベル15を溶植し、デッキプレート2の下面と左右のUリブ側板付け根部に接着剤11を塗布する。
(3)図3(c)に示すように、ブロック10をその貫通孔16にスタッドジベル15が挿通されるように取付け、ナット17で固定し、デッキプレート2の下面に接着剤11を介して密着させる。
(4)図3(c)に示すように、複合構造のブロック10の左右両側から埋設型枠としての薄板鋼板12の端部が下方に延びており、この薄板鋼板12の先端部分の外面に接着用構造用両面テープ18を予め貼り付けておき、ブロック取付けと同時に伸縮支柱などの棒状の治具19を用いてUリブ3の側面に接着する。
(5)ブロック10の橋軸方向の継目は、コーキング材等で目張りする。
(6)図3(d)に示すように、Uリブ3とブロック10との間の隅角部には隙間が形成されており、この橋軸方向に連続する隙間空間に注入孔と排出孔を形成し、充填材14を充填する。
(7)仕上塗装を実施して終了する。
次に、Uリブ内を充填すると応力低減に効果があることが知られており、図4に示すように、Uリブ3の内部に、軽量で、ヤング係数が比較的大きく、ブリージングの無いセメント系材料20を充填する。セメント系材料20には、気泡モルタル、軽量高流動コンクリート、高流動コンクリートなどを用いる。Uリブ3内にセメント系材料が充填されることによって、Uリブ3の変形が抑えられ、それが鋼床版の変形を小さくしていると考えられる。従って、デッキプレート2の下面とセメント系材料20の上面との間には多少の隙間は許容する。
施工は、図4、図5(b)に示すように、Uリブ外と同様に準備工事をした後、Uリブ3を削孔して注入孔21・排出孔22を形成し、Uリブ3内を橋軸方向に仕切るダイアフラム23で区切られた空間内に、注入孔21からセメント系材料20を注入し、排出口22から排出させる。注入孔・排出孔の跡処理及び仕上塗装を実施して終了する。
なお、Uリブの下側の切断が許される場合には、Uリブ外の補強と同じブロック接着工法を適用することも可能である。
なお、以上はトラフリブ形式の鋼床版の補強に適用した例を示したが、これに限らず、本発明のブロック接着工法はその他の縦リブ形式にも適用することができる。
本発明の補強構造の一例を示す部分鉛直断面図である。 (a)は本発明が適用される道路橋の一例を示す鉛直断面図、(b)、(c)、(d)は本発明のブロックの一例を示す正面図・側面図・下面図と、(e)は本発明の補強構造の一例を示す部分鉛直断面図である。 図1の補強構造による補強工法の一例を工程順に示す鉛直断面図である。 Uリブ内の補強構造を示したものであり、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。 本発明の補強構造の施工フロー図である。
符号の説明
1……鋼床版
2……デッキプレート
3……Uリブ
10……ブレキャストコンクリートブロック
11……接着剤
12……薄板鋼板
13……プレートジベル
14……充填材
15……スタッドジベル
16……貫通孔
17……ナット
18……接着用構造用両面テープ
19……治具
20……セメント系材料
21……注入孔
22……排出孔
23……ダイアフラム
A……溶接部

Claims (6)

  1. デッキプレートの下面に縦リブが間隔をおいて複数配列されている鋼床版の補強構造であり、縦リブと縦リブの間におけるデッキプレートの下面にプレキャストコンクリートブロックが接着剤により接合されていることを特徴とする鋼床版の補強構造。
  2. 請求項1に記載の補強構造において、プレキャストコンクリートブロックが薄板鋼板を埋設型枠として製作され、前記薄板鋼板がデッキプレートの下面に接着剤により接合されていることを特徴とする鋼床版の補強構造。
  3. 請求項1に記載の補強構造において、プレキャストコンクリートブロックと縦リブとの間の隙間に充填材が充填されていることを特徴とする鋼床版の補強構造。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の補強構造において、プレキャストコンクリートブロックは繊維補強型のセメント系材料で製作されていることを特徴とする鋼床版の補強構造。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の補強構造において、縦リブ内に軽量のセメント系材料が充填されていることを特徴とする鋼床版の補強構造。
  6. デッキプレートの下面に縦リブが間隔をおいて複数配列されている鋼床版の補強工法であり、縦リブと縦リブの間におけるデッキプレートの下面にスタッドジベルを植設し、プレキャストコンクリートブロックを前記スタッドジベルを貫通させて縦リブ間のデッキプレート下面に接着剤を介して取り付け、前記スタッドジベルでプレキャストコンクリートブロックを固定することを特徴とする鋼床版の補強工法。
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