JP5823009B1 - モルタル吹付による擁壁の構築工法 - Google Patents

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【課題】モルタルなどの吹付によって擁壁を構築する工法を提供する。【解決手段】地山表層を補強するロックボルト打設工程と、ロックボルト頭部にアンカープレートを介して縦横方向に鉄筋格子を固定する鉄筋取り付け工程と、この鉄筋格子の上から合成樹脂短繊維を混入したモルタルを吹付ける吹付工程と、吹付けたモルタルの表面にシラン・シロキサン系の浸透性吸水防止剤を塗布する塗布工程からなるモルタル吹付による擁壁の構築工法を特徴とするものである。【選択図】図1

Description

本発明はモルタルやコンクリートを吹付けて行う擁壁の構築工法に関するものである。なお、以下の明細書、特許請求の範囲で「モルタル」とはコンクリートを含めた意味で使用する。
モルタルの吹付けによって擁壁を構築する工法は未だ確立していない。
それに代わって、たとえば特許文献1に示すように、法面にロックボルトを打設し、そのロックボルトに鉄筋を縦横に取り付けて鉄筋組体を構築し、この鉄筋組体に網体を取り付け、その網体と法面の間にコンクリートを打設する工法が知られている。
その場合にコンクリートやモルタルは、吹き付けるのではなく、法肩側面開口から網体と斜面の間に、網体の網目から流出しない物性のものを充填して擁壁を形成する工法である。
特開2004−251072号公報。
このように、コンクリートやモルタルを吹き付けるのではなく、肩口の開口部から流し込む工法を採用した理由は、特許文献1の効果の欄[0016]に以下のように記載してある。
すなわち、勾配が急な岩盤斜面や風化の著しい斜面では吹付によってモルタル吹付壁を構築したのでは、表層滑り、地滑り等が発生してモルタル壁が崩落する危険性が少なくないこと、また、表面の凹凸が多い斜面やオーバーハングしている斜面等においては、モルタルを斜面に吹付けることが困難であること、から擁壁の構築に際して、コンクリートはモルタルを吹付ける工法は採用できなかったのである。
このように、コンクリートやモルタルの吹付けによって擁壁の構築を試みる場合の限界を整理すると以下の通りである。
<1>吹付モルタルは、吹き付けという作業であるため厚吹きは不可能であり、ダレや剥落を生ずる。
<2>それなら硬化を待って二度吹きをすればよい、ということになるが、二度吹きをすると、一度目の吹付け層の表面のリバウンド粒子が両層の間に挟在してしまい剥離や強度低下の要因となる。したがってある程度の厚みを必要とする擁壁工には適さない。
<3>施工直後から風雨にさらされるため、良好な養生期間を維持できず、その結果、強度低下やクラックが発生し易い。
<4>表層崩壊や地辷りに対し抵抗性が低い。
<5>斜面表層からの湧水等によって水和反応が阻害され、内部空隙やクラックが発生する。
<6>上記のような問題から、モルタル吹付工は岩盤表面の風化防止や侵食防止の工法としてはともかく、擁壁を構築する工法としては採用が不可能であるとみなされてきた。
上記のような課題を解決する本発明の請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法は、地山表層を補強するロックボルト打設工程と、ロックボルト頭部にアンカープレートを介して縦横方向に鉄筋格子を固定する鉄筋取り付け工程と、この鉄筋格子の上から合成樹脂短繊維を混入したモルタルを吹付ける吹付工程と、吹付けたモルタルの表面にシラン・シロキサン系の浸透性吸水防止剤を塗布する塗布工程からなるモルタル吹付による擁壁の構築工法を特徴とするものである。
また請求項2記載の発明は、上記の工程において、ロックボルトの頭部に固定するアンカープレートは、断面略コの字形状であって、その端部に切欠き部、折り曲げ部、あるいは突起を設け、この切欠き部、折り曲げ部あるいは突起によって鉄筋を固定するものであるモルタル吹付による擁壁の構築工法を特徴とするものである。
また請求項3記載の発明は上記の工程において、合成樹脂短繊維混合モルタルを吹付けた後、その吹付面を高圧洗浄水により洗浄清掃し、その後シラン・シロキサン系の浸透性吸水防止剤を塗布するモルタル吹付による擁壁の構築工法。
また請求項4記載の発明は、上記の工程において、地山表層を補強するロックボルト打設工程の前に、地山からの水を排水する工程と、施工面全体に密着金網を張設する工程、あるいはモルタルもしくはポリマーセメントモルタルを吹付ける工程を備えた、モルタル吹付による擁壁の構築工法を特徴とするものである。
また請求項5記載の発明は、上記の工程において、モルタルの吹付け工程の前に、所望の長さのさや管もしくはスペーサーを取り付けたアンカーボルトによって、隔離金網を固定して、隔離金網を地山から一定幅離れた位置で固定する工程を備えた、モルタル吹付による擁壁の構築工法。
また請求項6記載の発明は、上記の工程において、吹付工程で吹き付ける合成樹脂短繊維材が、長さ20〜50mm、太さ0.5〜2mmであって、その表面が凹凸加工、もしくは突起を設けた合成樹脂短繊維材であるモルタル吹付による擁壁の構築工法を特徴とするものである。
また請求項7記載の発明は、上記の工程において、地山表層を補強するロックボルト打設工程の前に、法面に透水パイプ、あるいは透水マットを設置する工程を備えたモルタル吹付による擁壁の構築工法を特徴とするものである。
本発明のモルタル吹付による擁壁の構築工法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1>全工程の工程数が少なく施工が簡単なため工期を大幅に短縮することができ、法面工のみで施工可能なため工程管理をスムーズに行うことができる。このため切土した地山を早く安定させることができる。
<2>地山に打設したロックボルトの頭部を埋設型アンカープレートと、縦横に配筋した鉄筋で連結する。そのために地山全体を連続的一体的に補強して、表層崩壊や地辷りに対抗することができる。さらに、ロックボルトやアンカーの間の土圧には短繊維混合モルタルが抵抗して中抜けを防ぐことができる。
<3>地質や岩質が一定でない地山であっても、これを連続的一体的に補強することによって、より安定した補強効果を得ることができる。
<4>工程が簡単であり、施工性に優れるため、従来のもたれ擁壁工や積ブロック工に比較してより安価に安定した擁壁工を構築することができる。
<5>吹付けた擁壁の表面に、コンクリート保護材としてシラン・シロキサン系浸透性吸水防止剤を全面塗布する工法を採用すれば、水や水蒸気の侵入を抑制し、アルカリ骨材反応を抑制し、長寿命化を図ることができる。さらにシラン・シロキサン系浸透性吸水防止剤の塗布によって風による急激な乾燥収縮をも抑制してクラックの発生を抑制することもできる。
<6>背面の排水工を設置した後に、施工面全体に密着金網を張設する工法を採用すれば、不安定な石・礫の落石による施工中の事故を防止し、安全な作業をすすめることができる。
<7>張設した密着金網にモルタルもしくはポリマーセメントモルタルを1〜3cm程度で吹付ける工法を採用すれば、風化の激しい地山や侵食され易い地山を短期に密閉して、より安全かつ地山の安定を図る事ができる。殊にポリマーセメントモルタルを吹付けると附着力が高くなり、地山に密着し、密閉性も高いため効果が高い。
<8>合成樹脂短繊維モルタルの吹付けに先立ってさや管もしくはスペーサーを取付けたアンカーボルトを採用すれば、隔離金網を吹付面近傍に固定して、短繊維混合モルタルを吹付けることによって急勾配の斜面においてもダレや剥離を防ぎ、所望の厚さまで一度で吹付けることができ、より安定した吹付擁壁を構築することができる。
<9>合成樹脂短繊維を0.5VOL%〜2.0VOL%モルタルに混入する方法を採用すれば、じん性の高いより安定した吹付擁壁を構築することができる。殊に短繊維表面に凹凸や突起を設けた短繊維は拘束力が高く、吹付擁壁の使用限界をより高めることができ、さらにロックボルトで連接された鉄筋によって終局限界も向上し安定した品質の吹付擁壁が構築できる。
<10>モルタルに合成樹脂短繊維を混入して、モルタルの曲げ強度を向上し、じん性の高いモルタル壁を構築することで、30cm程度以下の比較的薄い厚さで、じん性の高いモルタル壁を構築することができると共に、ダレやクラックの発生を大幅に抑制することができる。
<11>背面排水工を実施すれば、斜面表面の湧水によるクラックや空隙発生を抑制して表面の湧水を擁壁外へ排出することができる。
<12>30cm程度までの厚さで一層で吹付けて、剥離の発生や強度低下を抑制するため表面から吹付ける事が可能な概ね5cm以上網目の網状体を斜面から所定の距離だけ離して設置し、さや管を取付けたアンカーボルトで固定すると共に、法肩部や側面および/もしくは網体の継手部を斜面側に幅25〜30cmで略90°折り曲げて網状体を設置すれば、ダレを抑制しつつ、一層吹きで30cm厚程度までの厚さの擁壁を構築する事が可能である。
<13>著しく風化の早い斜面では、擁壁の構築に先立って薄層のモルタル吹付やポリマーセメントモルタル吹付けを行えば、より安定した擁壁の構築が可能である。
本発明のモルタル吹付による擁壁の構築工法の施工状態の説明図。 モルタル吹付による擁壁の断面図。 モルタル吹付け前の鉄筋格子の説明図。 アンカープレートの斜視図。 アンカープレートに鉄筋を取り付けた状態の説明図。 短繊維混合モルタルのテストピースの強度試験装置の説明図。 試験結果を示す図。
以下図面を参照にしながら本発明のモルタル吹付による擁壁の構築工法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>全体の工程。
本発明の吹付による擁壁の構築工法の主要工程は、1)地山からの湧水を排出する工程、2)地山表層を補強するロックボルトを打設する工程、3)ロックボルトの頭部に鉄筋を固定して鉄筋格子を形成する工程、4)鉄筋格子の上面に合成樹脂短繊維を混入したモルタルを吹付ける工程、5)吹付モルタルの表面にシラン・シロキサン系浸透性吸水防止剤を塗布する工程によって構成する。以下各工程について説明する。
<2>湧水を排出する工程。
擁壁の施工予定の面の清掃を行い、モルタルの附着を阻害する根株や浮石、土砂を除去し、施工する上部境界地点附近に略水平方向に透水マット60を布設する。
この透水マット60に連接して鉛直方向に法面の下部に向けて透水マット60を、例えば1.5mピッチで張設し、アンカーボルト等によって固定する。
さらに縦方向に設置した透水マット60の下部、端部では塩ビパイプに連接して、擁壁下部で排出する。
<3>密着金網の敷設工程。
上記の背面排水工の設置後、施工面全体にアンカーボルト等で固定する密着金網70を張設することも可能である。
特に風化の激しい岩盤法面や膨張性法面、侵食され易い法面では地山全体に密着するように、例えば菱形金網径2.0mm、網目50×50の亜鉛メッキ金網を、径16mm×400mm及び径9mm×200mmのアンカーボルトを用いて地山に固定する。
この密着金網70上に厚さ2cm程度でモルタルの吹付けを行うと、切土して侵食され易い法面や風化の激しい岩盤法面では、切土直後に密閉する事になり風化や侵食を受けることなく、安定を確保することができる。
また、密着金網70が未だ露出しているため、後述の工程において短繊維混合モルタル10を吹き付けた場合にその附着が容易となる。
<4>ロックボルトを打設する工程。
次いで、法面に地山表層を補強するロックボルト40を打設する。
そのために削孔位置を、例えば上下1.5mピッチで均等に割り付け、所定の長さまで削孔する。
削孔終了後はセメントミルクを注入し、ロックボルト40もしくは異形鉄筋を挿入して固定する。
例えば、D19×3000mmのロックボルト40、異形鉄筋を、法面のX、Y方向均等に1.5mピッチで打設し、セメントミルクを注入して固定する。
固定したロックボルト40の頭部にアンカープレート20を取り付ける。
例えば、厚さ9mm、160×160、高さ90mmの断面形状が略コの字形状の埋設型アンカープレート20を取付け、ナットで固定する方法を採用できるが、アンカープレート20の構造の詳細については後述する。
<5>鉄筋格子を形成する工程。
ロックボルト40の露出端に固定したアンカープレート20には、くさび状の切欠き部と折り曲げ部を形成してある。
その部分に、例えば異形鉄筋D10を固定すると、法面に沿って、かつ法面から一定の距離だけ離した状態で、XY方向に配置した鉄筋格子を形成することができる。
<6>隔離金網の敷設工程。
次いで、法面から一定距離だけ離れた位置に、すなわち法面から浮いた状態で隔離金網50を敷設する。
この隔離金網50は例えば、径2.6mm網目、100×100の溶接金網を使用する。
法面から一定の距離だけ離すために、さや鋼管51を使用して設置する。
さや鋼管51は、例えば外径34mm、長さ150mmのさや鋼管51を使用し、このさや鋼管51を貫通して地山にアンカーボルト52を打設する。
アンカーボルト52は、例えばφ16×400mmの頭部に略L字状のフックを設けたものである。
その結果、隔離金網50を、地山から150mm程度離れた位置に、全面にわたって敷設することができる。
<7>モルタルの吹付工程。
完成した鉄筋格子の上面に、合成樹脂製の短繊維を混入したモルタルあるいはコンクリートを吹付ける。
その場合に、例えば合成樹脂短繊維材が、長さ20〜50mm、太さ0.5〜2mmであって、その表面が凹凸加工/もしくは突起を設けた合成樹脂短繊維材を採用することができる。
短繊維混入モルタル10の吹付けに際しては、プラントで製造したモルタルのアジテーター車の上部投入口より、径0.7mm 長さ30mmで表面エンボス加工したポリプロピレン短繊維材を1VOL%の割合で投入し、充分混練した後モルタル・コンクリート吹付機によって、厚さ100mm〜200mmとなるまで一層で吹付ける。
<8>吸水防止剤を塗布する工程。
モルタルを吹付けた上記の工程で擁壁の構築は完了するが、さらに吹き付けたモルタルの表面にシラン・シロキサン系浸透性吸水防止剤80を塗布することができる。
その際に事前の処理として、例えば水量120L/min、吐出圧8MPa以上の高圧洗浄水によってモルタル吹付けの表面のリバウンドを清掃しておく。
その後、吹付表層30mm程度の乾燥を確認してシラン・シロキサン系浸透性吸水防止剤80をエアレスガンを用いて、1平方メートル当たり例えば200gの割合で塗布する。
<9>載荷実験。
上記したように本発明の施工方法は、短繊維を混合したモルタルの吹付によって擁壁を構築するものである。
この工法の実用性を確認するためにテストピースTを作成して載荷実験を行った。
実験装置90の仕様は図6に示す通りである。
テストピースTの材料は、1:4のモルタル、混入したポリプロピレン短繊維は長さ3cm、太さ0.7mmで、混入量はモルタルの1.0%VOLである。
テストピースTの寸法は、1.5m×1.5m、厚さ7cmである。
荷重は、荷重用タンク91に投入した砂であり、3,270kgである。
<10>実験の結果。
3,270kgの荷重を載荷した直後の、テストピースTにおける初期弾性歪撓みは635μm、その後の変化は図7に示す通りであり、200日経過したところで表面にクラックが発生した。
その時点での撓みは4800μm、クラックの中央付近で間隔幅が0.8〜1.2mm、深さ6〜10mm、その他の部分では間隔幅0.2〜0.4mm、深さ4〜5mm程度であった。
その後、クラックは若干増加しているが、発生後1年経過してもクラック間隔幅は広がらず、剥離、剥落は発生していない。
<11>実験のまとめ。
実験の結果によって本発明の短繊維混合モルタル10を擁壁構築用に吹き付けた場合、下記のような機能を達成できると推測される。
1)クラックは発生するが、剥離や剥落は発生せず、繊維の引張応力により吹付け時の擁壁の形状を維持する。
2)擁壁に、脆性崩落は発生しない。
3)モルタルの引張抵抗力より、ポリプロピレン短繊維の引張抵抗力の方が大きく、曲げタフネスが機能して、擁壁の形状を維持する。
4)短繊維混合モルタル10は、引張応力を受ける擁壁として十分に機能を発揮する。
<12>アンカープレートの構造。
次に本願発明において、縦横の鉄筋30を把持するアンカープレート20の実施例の詳細を図4、5において説明する。
<13>基本的構成。
本発明のアンカープレート20は、鋼製の部材であり、基板21と、その一部に形成した鉄筋把持部22と、他の部分に形成した鉄筋受溝23とで構成する。
なおアンカープレート20自体では「上下」「左右」「鉛直」「水平」といった方向は決められないが、図に沿った説明の便宜のために、明細書、および特許請求の範囲では図のようなアンカープレート20の平面視を前提としてそのように称呼することにする。
その際に「鉛直」と称しても数学的な鉛直性を意味するものではなく、縦方向という程度の意味である。
<14>基板。
本発明のアンカープレート20はほぼ矩形の鋼製の板の上下を帯状に折り上げて形成した部材である。
このように鋼板の上下の縁をほぼ直角に折り上げて鉄筋把持部22と鉄筋受溝23を位置させる構造であると、特にこれをプレス加工で一度に形成すると経済的に製造することができる。
製造工程の順に説明すると、まず矩形の板体の上下の縁を帯状に直角に折り上げると、側面視で平皿状の部材を形成することができる。
側面視で平皿状の底板に当たる平面部が基板21である。
基板21の上下の縁に折り上げた帯状部に、後述する鉄筋把持部22と鉄筋受溝23が位置する。
ただし製造工程はプレスに限定するものではなく、鉄筋把持部22も鉄筋受溝23も、例えばU字状のパイプを基板21の周囲に溶接して製造すること等も可能である。
基板21のほぼ中央には、ロックボルト40を直交方向に貫通するための貫通孔24を開口する。
<15>鉄筋把持部。
基板21の上下で折り上げた縁の両端には、外向きに開口した切り込みを、鉄筋把持部22として形成する。
この鉄筋把持部22の切り込みは、その内部に鉄筋鉛直31を収納できる幅と深さを備えた、有底のスリットである。
この鉄筋把持部22によって、基板21の左右に鉛直に位置させた鉛直鉄筋31を把持することができる。
切込みをクサビ状のすることで、施工時、鉛直鉄筋31をクサビ内部に軽く打ち込めば、鉄筋把持部22に鉛直鉄筋31を仮止めすることができる。
<16>鉄筋受溝。
基板21の上で折り上げた縁の上側、および基板21の下側で折り上げた縁の下側には鉄筋受溝23を形成する。
鉄筋受溝23は折り上げた縁から側面視で水平に、すなわち基板21と平行に庇状に外向きに張り出した板体で構成することができる。
外向きに張り出しただけでは、水平鉄筋32を把持できないが、後述するようにアンカープレート20は法面に直接、あるいは間接に張り付けるから、上側の鉄筋受溝23では法面との間隔で、水平鉄筋32を収納して位置を維持することができる。
下側の鉄筋受溝23では水平鉄筋32を維持できないから、作業員が結束線で結束して固定する。
また、下側の鉄筋受溝23は、縁を上に折り上げて形成することもできる。
この場合、下側の鉄筋受溝23は縁の上方に形成されるため、結束線等を使用しなくても、水平鉄筋32を載せて維持することができる。
10 短繊維混合モルタル
20 アンカープレート
21 基板
22 鉄筋把持部
23 鉄筋受溝
24 貫通孔
30 鉄筋
31 鉛直鉄筋
32 水平鉄筋
40 ロックボルト
50 隔離金網
51 さや鋼管
52 アンカーボルト
60 透水マット
70 密着金網
80 シラン・シロキサン系浸透性吸水防止剤
90 実験装置
91 荷重用タンク
92 架台
93 撓み計測装置
T テストピース

Claims (7)

  1. 地山表層を補強するロックボルト打設工程と、
    ロックボルト頭部にアンカープレートを介して縦横方向に鉄筋格子を固定する鉄筋取り付け工程と、
    この鉄筋格子の上から合成樹脂短繊維を混入した短繊維混合モルタルを吹付ける吹付工程と、
    吹付けた短繊維混合モルタルの表面にシラン・シロキサン系の浸透性吸水防止剤を塗布する塗布工程からなる、
    モルタル吹付による擁壁の構築工法。
  2. 請求項1記載の工程において、
    ロックボルトの頭部に固定するアンカープレートは、
    断面略コの字形状であって、その端部に切欠き部、折り曲げ部、あるいは突起を設け、
    この切欠き部、折り曲げ部あるいは突起によって鉄筋を固定するものである、請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法。
  3. 請求項1記載の工程において、
    短繊維混合モルタルを吹付けた後、
    その吹付面を高圧洗浄水により洗浄清掃し、
    その後シラン・シロキサン系の浸透性吸水防止剤を塗布する、
    請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法。
  4. 請求項1記載の工程において、
    地山表層を補強するロックボルト打設工程の前に、
    地山からの水を排水する工程と、
    施工面全体に密着金網を張設する工程、あるいはモルタルもしくはポリマーセメントモルタルを吹付ける工程を備えた、
    請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法。
  5. 請求項1記載の工程において、
    モルタルの吹付け工程の前に、
    所望の長さのさや管もしくはスペーサーを取り付けたアンカーボルトによって、隔離金網を固定して、隔離金網を地山から一定幅離れた位置で固定する工程を備えた、
    請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法。
  6. 請求項1記載の工程において、
    吹付工程で吹き付ける合成樹脂短繊維材が、長さ20〜50mm、太さ0.5〜2mmであって、その表面に凹凸加工、もしくは突起を設けた合成樹脂短繊維材である、
    請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法。
  7. 請求項1記載の工程において、
    地山表層を補強するロックボルト打設工程の前に、
    法面に透水パイプ、あるいは透水マットを設置する工程を備えた、
    請求項1記載のモルタル吹付による擁壁の構築工法。
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