JP6979293B2 - 土のう積構造物 - Google Patents
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Description
また、土のう積構造物の遮へい性を利用して放射線を遮へいすることが考えられる。このため、遮へい性についても長期に渉って良好に維持することができる土のう積構造物が望まれている。
また、土のう部の表面がモルタル部に被覆されていることにより、長期に渉って土のう積構造物の耐火性を良好に維持することができる。経年劣化した土のう部が自然発火する虞もない。
また、モルタル部が土のう間の隙間を確実に塞ぐことができるため、遮水性および遮へい性を向上させることができる。これにより、長期に渉って土のう積構造物の遮水性および遮へい性を良好に維持することができる。
また、本発明に係る土のう積構造物では、前記地盤被覆部は、前記土のう部の全周を囲むように設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、モルタル部を容易に形成することができる。
また、本発明に係る土のう積構造物では、前記短繊維は、ポリプロピレン製であってもよい。
このような構成とすることにより、モルタル部の耐久性を向上させることができる。また、短繊維によってモルタル部にひび割れが発生することを抑制したり、短繊維がモルタル部に設けられるラス金網の代わりとなってラス金網の施工が不要となり工期を短縮したりすることができる。
このような構成とすることにより、複数種類の短繊維それぞれの機能が発揮され、モルタル部をより良好な状態に形成することができる。
図1に示すように、本実施形態による土のう積構造物1は、地盤11の上に構築された壁体で、放射線の遮へいおよび遮水を目的として設けられている。
土のう積構造物1が地盤11に沿って延びる方向を長さ方向とし、長さ方向に直交する方向を厚さ方向とし、上下を結ぶ方向を上下方向とする。
土のう部2は、土のう積構造物1の長さ方向、厚さ方向および上下方向の全体にわたるように形成されている。土のう部2の複数の土のう21,21…は、それぞれフレコンバッグなどの袋体211に土砂212が詰められて形成されている。
土のう被覆部31は、土のう部2の上面および側面(地盤と対向する面以外全体)を隙間なく被覆している。なお、図1では、モルタル部3の一部を省略している。
地盤被覆部32は、土のう部2の全周を囲むように設けられている。
土のう被覆部31と地盤被覆部32とは隙間なく連続して一体に形成されている。
第1短繊維は、ポリプロピレン製の短繊維で、土のう部や地盤へのモルタルの付着を高めるためにモルタルに混入されている。本実施形態では、第1短繊維は、「のりファイバー」と称される短繊維を用いている。第1短繊維は、モルタルに混入することにより、モルタル部のラス金網を不要とすることができる。
第2短繊維は、ポリプロピレン製の短繊維で、モルタル部のクラックを防止するためにモルタルに混入されている。本実施形態では、テザック社製商品名「タフライト」などが採用されている。モルタルに第1短繊維および第2短繊維を混入したものをモルタル吹き付け材とする。
まず、土のう部2を構築する。
袋体211に土砂212を詰めて複数の土のう21を作る。
複数の土のう21を所定の長さ、所定の厚さおよび所定の高さに積み上げて、土のう部2を構築する。
続いて、モルタル部3を形成する。
土のう部2の表面、および土のう部2の周囲の地盤11の表面に一体にモルタル吹き付け材を吹き付け、モルタル部3の土のう被覆部31および地盤被覆部32を一体に形成する。土のう部2の表面、および土のう部2の周囲の地盤11の表面に吹き付けられたモルタル吹き付け材が硬化することでモルタル部3が形成され、土のう積構造物1が構築される。
本実施形態による土のう積構造物1では、土のう部2の表面がモルタル部3に被覆されていることにより、外力による土のうの変形を防止できるとともに、経年劣化や飛来物による土のう21の損傷を防止することができる。これにより、長期に渉って土のう積構造物1の耐久性を良好に維持することができる。
また、土のう部2の表面がモルタル部3に被覆されていることにより、長期に渉って土のう積構造物1の耐火性を良好に維持することができる。経年劣化した土のう21が自然発火する虞もない。
また、モルタル部3が土のう21,21間の隙間を確実に塞ぐことができるため、遮水性および遮へい性を向上させることができる。これにより、長期に渉って土のう積構造物1の遮水性および遮へい性を良好に維持することができる。
また、モルタル吹き付け材には、第1短繊維が混入されていることにより、土のう被覆部31と地盤被覆部32との境界部分に継手処理を行う必要がなく、土のう被覆部31と地盤被覆部32とを連続した状態に容易に形成することができる。
また、モルタル吹き付け材には、第1短繊維および第2短繊維が混入されていることにより、吹き付け時にモルタル吹き付け材が垂れることが防止され、施工性が良い。
また、モルタル部3には、第2短繊維が混入されていることにより、第2短繊維によってモルタル部3にひび割れが発生することを抑制できる。
モルタル部3(モルタル吹き付け材)には、第1短繊維および第2短繊維の2種類の短繊維が混入されていることにより、第1短繊維および第2短繊維の機能がそれぞれ発揮され、モルタル部3をより良好な状態に形成することができる。
例えば、上記の実施形態では、土のう積構造物1は、放射線の遮へいおよび遮水を目的とした壁部を構成しているが、他の目的のために設けられたり、他の形態に構築されていたりしてもよい。例えば、土のう積構造物が、のり面などに沿って構築された土留めを構成していてもよい。また、土のう積構造物において土のう部2が積み上げられる段数や範囲は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、地盤被覆部32は、土のう部2の全周囲の地盤11の表面を被覆するように構成されているが、土のう部2の周囲の地盤11のうちの一部や複数の部分の表面を被覆するように構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、モルタル部3には、第1短繊維および第2短繊維が混入されているが、第1短繊維および第2短繊維の両方またはいずれか一方が混入されていなくてもよい。また、モルタル部3に混入される繊維の形態や、モルタル吹き付け材の配合は、適宜設定されてよい。
また、モルタル部には、ラス金網が設けられていてもよい。また、土のう積構造物には、モルタル部の土のう部への付着を向上させるための部材が設けられていてもよい。
2 土のう部
3 モルタル部
11 地盤
21 土のう
31 土のう被覆部
32 地盤被覆部
Claims (6)
- 土のうを積み上げて構築する土のう積構造物において、
前記土のうを積み上げた土のう部と、
前記土のう部の表面を被覆するモルタル部と、を有し、
前記土のう部は、地盤の上に構築されていて、
前記モルタル部は、前記土のう部の表面を被覆する土のう被覆部と、
前記土のう部の周囲の地盤の表面を被覆する地盤被覆部と、を有し、
前記土のう被覆部と前記地盤被覆部とは、連続して一体に形成されていることを特徴とする土のう積構造物。 - 前記地盤被覆部は、前記土のう部の全周を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の土のう積構造物。
- 前記モルタル部は、モルタルを吹き付けることで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の土のう積構造物。
- 前記モルタル部には、合成樹脂製の短繊維が混入されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の土のう積構造物。
- 前記モルタル部には、複数種類の前記短繊維が混入されていることを特徴とする請求項4に記載の土のう積構造物。
- 前記短繊維は、ポリプロピレン製であることを特徴とする請求項4または5に記載の土のう積構造物。
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