JP2000303479A - ロックボルトによる斜面安定工法、ロックボルトの頭部定着部構造およびワイヤ掛け台 - Google Patents

ロックボルトによる斜面安定工法、ロックボルトの頭部定着部構造およびワイヤ掛け台

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JP2000303479A
JP2000303479A JP11110405A JP11040599A JP2000303479A JP 2000303479 A JP2000303479 A JP 2000303479A JP 11110405 A JP11110405 A JP 11110405A JP 11040599 A JP11040599 A JP 11040599A JP 2000303479 A JP2000303479 A JP 2000303479A
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lock bolts
lock bolt
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slope
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JP11110405A
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Takamitsu Takeuchi
孝光 竹内
Masaaki Mantoku
昌昭 萬徳
Hiroshi Yamada
浩 山田
Masayoshi Fukai
正良 深井
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Nittoc Constructions Co Ltd
Moritani Industrial Products Co Ltd
Original Assignee
Nittoc Constructions Co Ltd
Moritani Industrial Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜面に対する抑止効果の向上をはかる。 【構成】 ロックボルト10を略千鳥状に連設し、1本の
ロックボルトを囲む上下位置、左右位置の計4本のロッ
クボルトにワイヤ32を掛け渡し、そのワイヤの端末間を
緊結部材34で連結、緊張することによって1組の連結体
36を形成するとともに、各ロックボルトのアンカープレ
ート20にこのワイヤをそれぞれ固定する。そして、この
連結体36の形成を、他の連結体をなすロックボルト10を
部分的に共用することで、斜面に連設したほぼ全てのロ
ックボルトに対して行い、この連結体間のワイヤ32の交
差部を各交差部毎に締結部材38で一体的に締結して、ロ
ックボルトの打設領域内全体を、連結体の連続する一面
の網状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロックボルトを
所定の間隔で多数打設することによって斜面の安定化を
はかる斜面安定工法、およびこの斜面安定工法において
使用されるロックボルトの頭部定着部構造、ならびにワ
イヤ掛け台に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤等の斜面の安定化をはかる斜面安定
工法の一つとして、ロックボルトによる補強土工法が知
られている。このロックボルトによる斜面安定工法にお
いては、地盤等に対するロックボルトの打設長さが比較
的短いため、すべり規模が中程度以上の斜面には不向き
である反面、他の工法、たとえばアンカー工法等に比べ
て比較的安価であることから、斜面のすべり深さが比較
的浅く、そのすべり規模が中程度以下である斜面を対象
とする場合に、このロックボルトによる斜面安定工法が
広く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロックボル
トによる斜面安定工法においては、ロックボルトが、通
常、1.5〜3.0m程度のピッチで斜面に多数打設される。
しかし、これらのロックボルトは、いずれもそのロック
ボルト間での関連性、連続性を持たないため、各ロック
ボルトは斜面に点として存在しているにすぎない。
【0004】そして、樹木や大きな転石等の現存する斜
面においては、これらを避けるべく、ロックボルトの打
設位置をその都度ずらすことが多いため、ロックボルト
が等間隔で均一に打設されることは少なく、打設の必要
な箇所でも、場合によっては打設のできないことも多分
にある。
【0005】つまり、公知のロックボルトによる斜面安
定工法においては、各ロックボルトが所定の間隔毎に独
立して点在しているにすぎないため、いずれか1本のロ
ックボルトに応力が集中した場合や、ロックボルト間に
すべりや浮石等が生じた場合等に、十分な対応、つまり
は十分な抑止効果が得られなくなる虞れがある。
【0006】この発明は、斜面に対する抑止効果の向上
をはかるロックボルトによる斜面安定工法の提供を目的
としている。
【0007】また、上記ロックボルトによる斜面安定工
法においての使用に適し、かつ上記斜面安定工法を円滑
に遂行するためのロックボルトの頭部定着部構造および
ワイヤ掛け台の提供を、この発明の別の目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の実施の一形態におけるロックボルトによ
る斜面安定工法によれば、ロックボルトを略千鳥状に連
設し、所定数のロックボルトを囲む上下位置、左右位置
の計4本のロックボルトにワイヤを掛け渡し、そのワイ
ヤの端末間を緊結部材で連結、緊張することによって1
組の連結体を形成するとともに、各ロックボルトのアン
カープレートにこのワイヤをそれぞれ固定している。そ
して、この連結体の形成を、他の連結体をなすロックボ
ルトを部分的に共用することで、斜面に連設したほぼ全
てのロックボルトに対して行い、この連結体間のワイヤ
の交差部を各交差部毎に締結部材で一体的に締結して、
ロックボルトの打設領域内全体を、連結体の連続する一
面の網状としている。
【0009】また、この発明のロックボルトの頭部定着
部構造によれば、少なくとも上下2段の係留溝を周面に
有した略シーブ形状のワイヤ掛け台を、アンカープレー
トとねじ付きプレートとの間でロックボルトの頭部延出
部回りに装着し、ねじ付きプレート後方からのナットの
締め付けのもとで、ロックボルトの緊張、定着と同時に
このワイヤ掛け台を固定している。
【0010】更に、この発明のワイヤ掛け台によれば、
ロックボルトの頭部延出部を挿通可能とする中央孔を持
つとともに、少なくとも上下2段の係留溝を周面に有す
る略シーブ形状に形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】この発明に係るロックボルトによる斜面安
定工法は、図1に示すように、ロックボルト10を多列、
かつ多段に打設、連設することによって斜面12の安定化
をはかるものであり、この発明においては、一連のロッ
クボルトが、隣接する列間、および段間で互い違いとな
る、いわゆる略千鳥状に打設されている。
【0013】なお、斜面安定工法の基本的な部分、つま
りロックボルト10を斜面12に打設すること自体は、この
発明においても従来と何等変わらず、その方法も従来通
りである。
【0014】図2、図3に示すように、ロックボルト10
は、地盤等14に穿孔されたアンカー孔16に挿入配置さ
れ、アンカー孔内へのグラウト材18、たとえばセメント
ミルク等の注入、充填、つまりはグラウトによって、そ
の定着部が地盤等に固結される。そして、四角形状のア
ンカープレート20がロックボルト10の回りで斜面12上に
設置され、このアンカープレートから延出した頭部延出
端10aに対する、たとえば、アンカープレート後方から
の円板状ねじ付きプレート22の装着、およびその更に後
方からのナット24の締め付けのもとで、ロックボルトは
対応荷重で緊張、定着される。
【0015】なお、ナット24の締め付けにより定着され
たこのロックボルト10の頭部定着部は、ヘッドキャップ
(オイルキャップともいう)26により被装され、このヘ
ッドキャップは、通常、ねじ付きプレート22の周面ねじ
部22aへの内面ねじ部26aの螺着のもとで固定される。
【0016】ここで、この発明においては、たとえば上
下2段の係留溝28,29を周面に持つ略シーブ形状、つま
り滑車形状のワイヤ掛け台30が、アンカープレート20と
ねじ付きプレート22との間でロックボルトの頭部延出端
10a回りに装着され、ねじ付きプレート後方からのナッ
ト24の締め付けのもとで、ロックボルトの緊張、定着と
同時にこの頭部延出端、つまりはロックボルトの頭部定
着部に固定されている。
【0017】そして、この発明の斜面安定工法は、上記
のように斜面12に打設、定着された一連のロックボルト
10を使用して、以下のように施工される。
【0018】図4に示すように、この発明においては、
まず、一連のロックボルト10が、斜面12の所定の領域
で、略千鳥状に打設される。
【0019】ロックボルト10の列間隔L1、段間隔L2とし
て、たとえば、1.5m程度が例示でき、通常、列間隔、
段間隔はほぼ同じに設定される。そして、このロックボ
ルト10は、等間隔の略千鳥状に配置、打設されるため、
同列間、同段間におけるロックボルトの打設ピッチL3,L
4は、列間隔L1、段間隔L2の2倍、つまり各間隔を1.5m
とした場合ではいずれも3.0mとなる。
【0020】なお、ここで例示した列間隔L1、段間隔L
2、および打設ピッチL3,L4の数値は、あくまでも設計上
のものであるため、これに限定されることなく、樹木や
転石等の状況によって部分的に適宜変更してもよい。
【0021】そして、図5に示すように、1本のロック
ボルト、たとえばロックボルト10-31を中央に囲む上下
位置、左右位置の計4本のロックボルト10-21,10-22,10
-41,10-42に、ワイヤ32、たとえば亜鉛メッキ鋼より線
を、ワイヤ掛け台30の、たとえば上段係留溝28への係留
を経て掛け渡し、そのワイヤの端末間を所定の緊結部材
34、たとえばターンバックルにより連結、緊張すること
によって、四角形、しいていえば略正方形の1組の連結
体36(36-1)を形成する(図2参照)。
【0022】そして、図6に示すように、これと同様の
連結体36(36-2)を、連結体36(36-1)に交差するように、
たとえばロックボルト10-22を中央に囲む上下位置、左
右位置の4本のロックボルト10-11,10-12,10-31,10-32
へのワイヤ32の掛け渡しにより形成する。
【0023】なお、ロックボルト10-21,10-22,10-41,10
-42での連結体36(36-1)では、上述したようにワイヤ掛
け台の上段係留溝28を使用してワイヤ32を掛け渡してい
るため、ロックボルト10-11,10-12,10-31,10-32での連
結体36(36-2)ではそれを考慮して下段係留溝29を使用す
ることにより、ワイヤどうしの交錯が防止できる(図2
参照)。
【0024】また、図7に示すように、たとえば、連結
体36(36-1)の形成に一度使用したロックボルト10-32を
利用、つまり共用して、ロックボルト10-32,10-33,10-5
2,10-53からなる別の連結体36(36-3)を形成するととも
に、この連結体36(36-3)に交差する連結体36(36-4)を、
連結体36(36-1)とロックボルト10-42を共用するロック
ボルト10-42,10-43,10-62,10-63間でのワイヤ32の掛け
渡し、および連結、緊張のもとで形成する。
【0025】そして、この発明においては、4本のロッ
クボルト10を使用した連結体36の形成を、上述した手順
に従い、図1に示すように、斜面12に打設したロックボ
ルト全てに対して行う。更に、この連結体36間におけ
る、ワイヤ32どうしでの略十字の各交差部を、締結部材
38、たとえばワイヤクリップで一体的に締結することに
よって、ロックボルト10の打設領域内全体を、連結体の
連続する一面の網状としている。
【0026】このように、この発明のロックボルトによ
る斜面安定工法によれば、斜面12に打設された一連のロ
ックボルト10が、ワイヤ32によりなる連結体36の形成の
もとで、斜面一面の網状に連結された形態となるため、
たとえば、1ヶ所のロックボルトに異常土圧が掛かり、
引き抜け状況が発生しても、互いに連結、緊張されたワ
イヤ32を介して、その異常土圧が他のロックボルト、ひ
いては斜面全体のロックボルトに分散される。つまり、
1ヶ所のロックボルト10に発生した異常土圧、つまり荷
重は、他のロックボルトでの分担により、全ロックボル
トの引き抜き耐力の合計のもとで支えられることになる
ため、従来のような点ではなく、面での補強が確保可能
となる。
【0027】従って、斜面12の崩れ等に対する抑止効果
が確実に向上し、更には、斜面の安定化の確実性が向上
する。
【0028】そして、ワイヤ32の掛け渡しのもとで連結
体36を形成し、この連結体間を交差部で互いに連結すれ
ば足りるため、作業の複雑化を伴うこともない。
【0029】更に、この発明によれば、比較的高価な緊
結部材(ターンバックル)34を、ロックボルト10の4本に
1個の割合で使用すれば足りるため、施工自体を安価に
行うことができる。
【0030】また、中央に1本のロックボルト10を囲う
4本のロックボルトにワイヤ32を掛け渡し、緊結するこ
の発明の工法によれば、緊結部材34を緊結する作業者
が、ロックボルトに対するワイヤの係留箇所を確認しな
がらその作業を行えるため、作業の向上、更には作業の
確実性の向上がはかられる。
【0031】そして、この発明のロックボルトの頭部定
着部構造においては、上下2段の係留溝28,29を有する
略シーブ形状のワイヤ掛け台30をアンカープレート20と
ねじ付きプレート22との間でロックボルトの頭部延出端
10a回りに装着、固定しているため、ロックボルト10へ
のワイヤ32の掛け渡し、係留が円滑、容易に行える。そ
して、ワイヤ掛け台30が2段の係留溝28,29を有するこ
とで、交差するワイヤ32の交錯が確実に防止可能とな
る。
【0032】従って、ロックボルトの頭部定着部構造に
よれば、上記ロックボルトによる斜面安定工法が確実に
遂行可能となり、作業性、および作業の確実性の向上が
容易にはかられる。
【0033】ここで、この発明の斜面安定工法において
は、ロックボルト10に掛け渡されたワイヤ32を、アンカ
ープレート20にそれぞれ押し付けて固定している。図3
に加えて図8を見るとわかるように、アンカープレート
20に対するワイヤ32の固定手段として、たとえば、ボル
ト40によりアンカープレートに連結可能な溝付きの押え
プレート42が利用でき、この押えプレートでワイヤ32の
交差部を押え、ボルトで締め付けることにより、ワイヤ
をその緊張状態でアンカープレートに押し付けて固定す
ることが可能となる。
【0034】この種のロックボルト10においては、その
軸力がアンカープレート20を反力としているため、ワイ
ヤ32をロックボルト10毎に固定すれば、ワイヤには、ロ
ックボルトの引き抜き耐力がほぼ100%伝達されること
になる。従って、ワイヤ32をロックボルト10毎に固定す
ることによって、斜面全体でのワイヤを介した荷重分担
が円滑、かつ確実に可能となる。
【0035】ところで、この発明においては、ワイヤ掛
け台30を利用して4本のロックボルト10へのワイヤ32の
掛け渡しを行っているが、これに限定されず、ワイヤ掛
け台を利用することなく、4本のロックボルトへのワイ
ヤの掛け渡し、つまり連結体36の形成を行ってもよい。
しかし、この発明の実施の形態のように、ワイヤ掛け台
30を利用すれば、ワイヤ掛け台が略シーブ形状であるこ
とから、その緊張がワイヤ32に過剰な負担をかけること
なく行えるため、ワイヤの安全性が向上する。
【0036】そして、ワイヤ掛け台30は少なくとも上下
2段の係留溝28,29を有しているため、ワイヤ32の掛け
渡し、および係留の際に各係留溝を使い分けることによ
って、ワイヤの交錯が確実に防止可能となる。従って、
作業の煩雑化が防止でき、作業の確実性が防止される。
【0037】ここで、図2、図3を見るとわかるよう
に、ワイヤ掛け台30は、中央孔44へのロックボルトの頭
部延出端10aの挿通のもとで頭部延出端回りに装着され
る。そして、この形態においては、中央孔44の開口端縁
に、アンカープレート20の挿通孔20aに挿入、係合可能
な係合突起46を少なくとも部分的に突設することが好ま
しい。
【0038】このような構成によれば、挿通孔20aに対
する係合突起46の挿入、係合が、アンカープレート20に
対するワイヤ掛け台30の位置決めとなるため、ワイヤ掛
け台の装着作業が容易化される。そして、挿通孔20aに
対する係合突起46の係合によって、アンカープレート20
に対するワイヤ掛け台30のずれが確実に防止できるた
め、装着、固定の際の作業の確実性が一層向上する。
【0039】また、この発明の実施の形態においては、
ワイヤ32として、亜鉛メッキ鋼より線を例示している
が、これに限定されず、たとえばPC鋼より線、ジンカー
ルメッキ鋼より線、あるいはカーボンファイバー、アラ
ミド繊維等の他のワイヤ体を、この発明でのワイヤとし
て利用してもよい。
【0040】しかし、この発明における斜面安定工法で
のワイヤ32に対しては、長さが任意に設定可能であるこ
と、および経年での緩みの少ないこと、ならびにその防
錆効果が優れていること等が望まれるため、後加工等を
要することなく防錆効果の得られる亜鉛メッキ鋼より
線、あるいはジンカールメッキ鋼より線が、現時点では
好ましいと考えられる。
【0041】ところで、この発明の実施の形態において
は、連結体36をほぼ正方形の四角形とし、この四角形の
組み合わせのもとで、斜面12の網状面を具体化している
(図1参照)。しかし、これに限定されず、図9に示すよ
うに、たとえば、全てのロックボルト10を少なくとも2
組の連結体の一部として共用化するべく、1条掛けのロ
ックボルト間、たとえばロックボルト10-41,10-31,10-5
1,10-61間や、ロックボルト10-23,10-24,10-33間等にワ
イヤ32を掛け渡して、菱形や三角形状等の、中央にロッ
クボルトを囲わない異形連結体48を形成し、これを四角
形の通常の連結体36と組み合わせることによって網状面
を形成してもよい。
【0042】このように、斜面12に打設したロックボル
ト10の全てを、ワイヤ32の、いわゆる2条掛けとすれ
ば、ワイヤを介した軸力の伝達確実性が一層向上する。
従って、ロックボルト10の打設領域全体の斜面強化が、
一層確実にはかられる。
【0043】なお、ワイヤ32の係留が2条以上である場
合は、ワイヤ掛け台30の係留溝を上下2段以上の3段、
あるいは4段等とすることで容易に対応可能となる。
【0044】また、この発明の実施の形態においては、
1本のロックボルト10を囲う上下位置、左右位置の4本
のロックボルトにワイヤ32を掛け渡して連結体36を形成
している。しかし、これに限定されず、たとえば、2
本、3本等のロックボルト10を囲う位置の4本のロック
ボルト間にワイヤ32を掛け渡して、連結体36としてもよ
い。
【0045】更に、連結体の形状は四角形に限定され
ず、連結体を、たとえばロックボルト10を囲わない三角
形として形成し、これを連続して形成することで、斜面
12の網状面としてもよい。
【0046】また、三角形、四角形等に限定されず、他
の多角形状、たとえば八角形状に連結体を形成してもよ
いことはいうまでもない。
【0047】そして、斜面12に打設されるロックボルト
10の数、配列、および形成される連結体36の数等は、こ
の実施の形態で例示するものに限定されないことは、い
うまでもない。
【0048】上述した実施の形態は、この発明を説明す
るためのものであり、この発明を何等限定するものでな
く、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたも
のも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るロックボ
ルトによる斜面安定工法によれば、斜面全体が面で補強
され、1ヶ所のロックボルトに発生した異常土圧等の荷
重を他のロックボルトでも分担可能であるため、斜面崩
れ等に対する抑止効果が確実に向上し、更には、斜面の
安定化の確実性が向上する。
【0050】そして、ワイヤの掛け渡しのもとで連結体
を形成し、この連結体間を交差部で互いに連結すれば足
りるため、作業の複雑化を伴うこともない。
【0051】また、各ロックボルトのアンカープレート
に、ワイヤをそれぞれ固定しているため、ワイヤには、
ロックボルトの引き抜き耐力がほぼ100%伝達される。
従って、斜面全体でのワイヤを介した荷重分担が円滑、
かつ確実に可能となる。
【0052】更に、ワイヤとして亜鉛メッキ鋼より線を
使用すれば、後加工等を要することなく防錆効果の得ら
れるため、作業の煩雑化が防止できる。
【0053】そして、ロックボルトの頭部定着部構造に
よれば、上記ロックボルトによる斜面安定工法が円滑に
遂行可能となり、作業性、および作業の確実性の向上が
容易にはかられる。
【0054】このロックボルトの頭部定着部構造におい
ては、少なくとも上下2段の係留溝を有する略シーブ形
状のワイヤ掛け台がロックボルトの頭部定着部に設けら
れるため、交差するワイヤの交錯が確実に防止可能とな
り、ロックボルトへのワイヤの掛け渡し、係留が円滑、
容易に行える。
【0055】そして、このワイヤ掛け台の係留溝への係
留を経てワイヤを掛け渡すことにより、その緊張がワイ
ヤに過剰な負担をかけることなく行えるため、ワイヤの
安全性が向上する。
【0056】更に、この発明のワイヤ掛け台によれば、
少なくとも上下2段の係留溝を設ければ足りるため、構
成の複雑化を招くことなく、上記斜面安定工法が遂行で
きるとともに、上記頭部定着部構造が得られる。
【0057】そして、アンカープレートの挿通孔に挿
入、係合可能な係合突起を、中央孔の一方の開口端縁に
少なくとも部分的に突設すれば、挿通孔に対する係合突
起の挿入、係合が、アンカープレートに対するワイヤ掛
け台の位置決めとなるため、ワイヤ掛け台の装着作業が
容易化される。更に、挿通孔に対する係合突起の係合に
よって、アンカープレートに対するワイヤ掛け台のずれ
が確実に防止できるため、装着、固定の際の作業の確実
性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るロックボルトによる斜面安定工
法を示す、斜面の概略正面図である。
【図2】この発明に係るロックボルトの頭部定着部構造
を示す、頭部定着部の概略縦断面図である。
【図3】ロックボルトの頭部定着部の、一部省略した概
略分解斜視図である。
【図4】ロックボルトによる斜面安定工法でのロックボ
ルト打設時を示す、斜面の概略正面図である。
【図5】ロックボルトによる斜面安定工法での単体の連
結体形成時を示す、斜面の概略正面図である。
【図6】ロックボルトによる斜面安定工法での連続した
連結体形成時を示す、斜面の概略正面図である。
【図7】ロックボルトによる斜面安定工法での更に連続
した連結体形成時を示す、斜面の概略正面図である。
【図8】ロックボルトの頭部定着部の、一部破断の概略
正面図である。
【図9】ロックボルトによる斜面安定工法の変形例を示
す、斜面の概略正面図である。
【符号の説明】
10 ロックボルト 12 斜面 20 アンカープレート 22 ねじ付きプレート 24 ナット 28,29 係留溝 30 ワイヤ掛け台 32 ワイヤ 34 緊結部材(ターンバックル) 36 連結体 38 締結部材(ワイヤクリップ) 42 押えプレート 46 係合突起
フロントページの続き (72)発明者 萬徳 昌昭 東京都千代田区霞が関3−3−2 日本道 路公団内 (72)発明者 山田 浩 東京都世田谷区喜多見5−14−25−402 (72)発明者 深井 正良 東京都江東区南砂5−8−13−1701 Fターム(参考) 2D044 CA04 EA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックボルトを多列、かつ多段に打設、
    連設して斜面の安定化をはかる斜面安定工法において、 ロックボルトを略千鳥状に連設し、 所定数のロックボルトを囲む上下位置、左右位置の計4
    本のロックボルトにワイヤを掛け渡し、そのワイヤの端
    末間を緊結部材で連結、緊張することによって1組の連
    結体を形成するとともに、各ロックボルトのアンカープ
    レートにこのワイヤをそれぞれ固定し、 この連結体の形成を、他の連結体をなすロックボルトを
    部分的に共用することで、斜面に連設したほぼ全てのロ
    ックボルトに対して行い、この連結体間のワイヤの交差
    部を各交差部毎に締結部材で一体的に締結して、ロック
    ボルトの打設領域内全体を、連結体の連続する一面の網
    状としたことを特徴とするロックボルトによる斜面安定
    工法。
  2. 【請求項2】 ロックボルトを多列、かつ多段に打設、
    連設して斜面の安定化をはかる斜面安定工法において、 ロックボルトを略千鳥状に連設し、 所定数のロックボルトを囲む上下位置、左右位置の計4
    本のロックボルトにワイヤを掛け渡し、そのワイヤの端
    末間を緊結部材で連結、緊張することによって1組の連
    結体を形成するとともに、各ロックボルトのアンカープ
    レートにこのワイヤをそれぞれ固定し、 この連結体の形成を、他の連結体をなすロックボルトを
    部分的に共用することで、斜面に連設したほぼ全てのロ
    ックボルトに対して行い、この連結体間のワイヤの交差
    部を各交差部毎に締結部材で一体的に締結するととも
    に、 全てのロックボルトを少なくとも2組の連結体の一部と
    して共用化するべく、1条掛けのロックボルトの適当数
    毎にワイヤを掛け渡し、四角形の連結体と組み合わせる
    ことによって、ロックボルトの打設領域内全体を、連結
    体の連続する一面の網状としたことを特徴とするロック
    ボルトによる斜面安定工法。
  3. 【請求項3】 ロックボルトを多列、かつ多段に打設、
    連設して斜面の安定化をはかる斜面安定工法において、 ロックボルトを略千鳥状に連設し、 少なくとも3本のロックボルト間にワイヤを掛け渡し、
    そのワイヤの端末間を緊結部材で連結、緊張することに
    よって1組の連結体を形成するとともに、各ロックボル
    トのアンカープレートにこのワイヤをそれぞれ固定し、 この連結体の形成を、他の連結体をなすロックボルトを
    部分的に共用することで、斜面に連設したほぼ全てのロ
    ックボルトに対して行い、この連結体間のワイヤの交差
    部を各交差部毎に締結部材で一体的に締結して、ロック
    ボルトの打設領域内全体を、連結体の連続する一面の網
    状としたことを特徴とするロックボルトによる斜面安定
    工法。
  4. 【請求項4】 全てのロックボルトが、少なくとも2組
    の連結体の一部として共用化された請求項3記載のロッ
    クボルトによる斜面安定工法。
  5. 【請求項5】 ワイヤが、亜鉛メッキ鋼より線である請
    求項1ないし4のいずれか記載のロックボルトによる斜
    面安定工法。
  6. 【請求項6】 ヘッドキャップの螺着、固定されるねじ
    付きプレートを、斜面に設置したアンカープレート後方
    からロックボルトの頭部延出端回りに装着し、ねじ付き
    プレート後方からのナットの締め付けによってロックボ
    ルトの緊張、定着をはかるロックボルトの頭部定着部に
    おいて、 少なくとも上下2段の係留溝を周面に有した略シーブ形
    状のワイヤ掛け台を、アンカープレートとねじ付きプレ
    ートとの間でロックボルトの頭部延出部回りに装着し、
    ねじ付きプレート後方からのナットの締め付けのもと
    で、ロックボルトの緊張、定着と同時にこのワイヤ掛け
    台を固定したことを特徴とするロックボルトの頭部定着
    部構造。
  7. 【請求項7】 ロックボルトの頭部延出部を挿通可能と
    する中央孔を持つとともに、少なくとも上下2段の係留
    溝をその周面に有する略シーブ形状のワイヤ掛け台。
  8. 【請求項8】 アンカープレートの挿通孔に挿入、係合
    可能な係合突起が、中央孔の一方の開口端縁に少なくと
    も部分的に突設された請求項7記載のワイヤ掛け台。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010174598A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Shigeru Sezaki 斜面の地滑り防止安定化工法
JP2013185395A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Okabe Co Ltd 斜面安定化工法および支圧板

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