JP5860606B2 - 打抜き刃型 - Google Patents
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Description
例えば、該原反ロールから繰り出した樹脂シートを長手方向先端部から順に熱成形機に供給して該樹脂シートに食品トレーや蓋など形状を熱成形によって形成させつつ該樹脂シートをトムソン刃型(ビク型)などの打抜き刃型で打抜いて食品トレーや蓋などの成形品を順次切り出すことが行われている(下記特許文献1参照)。
また、このような打抜き刃型による打抜きにおいては、通常、熱成形によって凹凸形状を形成させた部分の僅かに外側の樹脂シートが平坦になっている部分を切断する関係上、打抜き後の成形品の外周には外側に突出する鍔部が設けられることになり、この鍔部先端が抜き刃の内側に引っ掛かって成形品が打抜き型から外れなくなる場合がある。
このように成形品が打抜き刃型に引っ掛かってしまうと、製造ラインを止めるなどして処理しなければならず、成形品の生産性を低下させることになる。
即ち、この弾性体シートのように圧縮変形可能な部材を抜き刃内に設け、打抜き時に前記部材に成形品を当接させることにより、該部材に生じる反発力を利用して打抜き後に成形品を抜き刃の内側から押し出させるように構成された打抜き刃型が用いられたりしている。
そのような成形品を熱成形によって樹脂シートに形成させると、シート平面からの隆起高さを異ならせることになり、弾性体シートのような部材を抜き刃内部に備えさせた打抜き刃型で成形品を切り出そうとすると最も高さの高い部分が集中的に反発力を受けることになり、例えば、樹脂発泡シートを用いた容器であれば、シワや割れを発生させるおそれを有し、透明な樹脂フィルムを用いた容器であれば、部分的に白化を生じさせるおそれを有する。
従って、複雑な形状の成形品にも対応することができ、当該成形品を効率よく打抜くことができる。
このような好ましい構成を有することにより打抜き時において成形品に局所的な反発力の集中が生じることをより一層抑制させることができる。
このような好ましい構成によれば、前記樹脂板によって成形品の位置決めがされやすく、成形品の抜きズレが抑制され得る。
このような好ましい構成によれば、例えば、設計変更等が生じて輪郭形状が同じで表面の凹凸形状が異なるような成形品を打抜く必要が生じた場合に2種類の樹脂板を用意しておけばよく、打抜き刃型の本体部分を共用させることができる。
即ち、打抜き刃型の抜き刃内から成形品を排出させるには、抜き刃の内側で、より抜き刃に近い箇所、即ち成形品の外周縁内側部分に打抜き方向とは逆向きに力を加えることが有効になるためこのような箇所において高さを異ならせている成形品に利用されることで前記の効果が顕著に発揮される。
このような好ましい態様によれば、一般に大量消費されており、高い生産効率で製造されることが要求されている発泡トレーに対して有用な打抜き刃型を提供しうる。
しかも、樹脂フィルムの積層されていない単なる樹脂発泡シートからなる発泡トレーと違って表面にシワ等が形成されやすい積層発泡シートからなる発泡トレーを外観良好なものとすることができる。
前記発泡トレーは、熱可塑性樹脂が用いられてなる樹脂発泡シートと黒色の樹脂フィルムとが積層された積層発泡シートが熱成形されて形成されたものであり、前記樹脂フィルムが容器内側となるように熱成形されたものである。
本実施形態に係る発泡トレー1は、平面視における輪郭形状が横長の長方形となるように形成されており、外周部には外側に短く突出する鍔部13が形成され、該鍔部13の先端によって当該発泡トレー1の外周縁が画定されている。
そして、この鍔部13は、その先端が本実施形態に係る打抜き刃で切断されることによって形成されたものである。
なお、本実施形態に係る発泡トレー1には前記鍔部13の内側を前記収容凹部10の開口縁まで該鍔部13よりも上方に隆起させた隆起部14が備えられており、該隆起部14は、前記収容凹部10の開口縁の外側を周回するように形成されている。
即ち、本実施形態に係る発泡トレー1は、平坦な台上に載置した際に、収容凹部10の前記開口縁を画定する周側壁部12の頂部の高さが、発泡トレー1の外縁を画定している鍔部13よりも高位置になるように形成されている。
より具体的には、横長長方形の平面視における4つの角部14cにおける隆起高さ(h3)と、長辺の中央部14aにおける隆起高さ(h1)とが全周の中で最も高く6〜12mm程度となっており、この中点部14aと角部14cの中間となる4等分点部14bの隆起高さ(h2)、及び短辺部分の中点部14dの隆起高さが最も低く2〜5mm程度となって前記角部14c等との間に1〜10mm程度の高低差が形成されている。
また、本実施形態に係る発泡トレー1を形成させる際には、積層発泡シートの一面側(樹脂発泡シート側)に前記収容凹部の外表面側を突出させ、他面側(黒色樹脂フィルム側)において該収容凹部の外周を周回するように前記隆起部を突出させて熱成形がなされており、前記隆起部14は、前記鍔部13に対して上記のような隆起高さとなるように積層発泡シートが折り返されて形成されたものである。
そうすると、図2において符号“θ”で示した前記角部14cにおける周側壁部12の角度を変化させるような変形を生じ、打抜き後に前記角部内側の樹脂フィルムに縦ジワを生じさせるおそれを有する。
これが一般的な白色の発泡トレーであれば、表面において光が乱反射されるためにシワが生じても目立つことはないが、黒色樹脂フィルムで内面を形成させた発泡トレーでは、光の反射によるシワの存在が顕著になり、場合によっては商品価値を大きく損なうおそれを有する。
また、当然のことながら抜き刃内部に発泡トレー1が引っ掛かってしまうことも抑制されることから連続的な打ち抜きを実施することができ、効率良く発泡トレーが作製されることになる。
以下にこの発泡トレー1の打抜きに用いる打抜き刃型について図3〜5を参照しつつ説明する。
この図にも示されているように、本実施形態に係る打抜き刃型1は、熱成形された積層発泡シートを打抜いて該樹脂発泡シートから前記熱成形によって形成された発泡トレー1を切り出すべく、前記発泡トレー1の輪郭形状に相当する環形状に形成された抜き刃110と、該抜き刃110を支持する板状の刃台120とを備えている。
前記抜き刃110は、長板状の板刃が前記環形状に折り曲げられて形成されており、前記板刃の一側縁に相当する側の一端縁に刃先111が形成され、他端側が刃元112となっている。
この抜き刃110は、平面視における形状が発泡トレー1の輪郭形状と同じ長方形となるように形成されており、前記刃元112には、刃先111の方向に向けて切り欠かれた切欠部112aが、前記長方形の各辺中央部に相当する位置に設けられている。
即ち、前記刃元112には、合計4箇所の切欠部112aが設けられている。
この刃台120には、前記抜き刃110の環形状に相当するスリット123が設けられており前記抜き刃110は、該スリット123に前記刃元側を挿入させて前記刃台120に固定されている。
ただし、前記切欠部112aに相当する位置においては裏面120bにまで貫通されていない。
従って、本実施形態に係る打抜き刃型100においては、その裏面側の様子を示す図5にも示されているように、抜き刃110の刃元側の端面を刃台120の裏面120bに露出させているものの周方向においては前記切欠部112aに相当する部分で不連続となるように露出させており、前記抜き刃110の内側の領域と外側の領域とが抜き刃110によって縁切りされてはおらず、前記切欠部112aにおいて前記領域どうしが連結された状態になっている。
また、前記刃台120は、抜き刃110の高さ(刃先から刃元までの幅)に対してその厚みが薄く前記刃元側の端面が刃台120の裏面120bに面一になるまで抜き刃110をスリット123に挿入させた場合でも、当該抜き刃110の刃先111を表面120aから突出させ得るようになっている。
そして、この抜き刃110の外側には、発泡ポリウレタンからなる弾性体シート130が前記刃台120の表面120a全体を覆うような形で敷設されているとともに前記抜き刃110の内側にも弾性体シート141が敷設されている。
なお、この抜き刃110の内側においては、発泡トレー1の外周部分(隆起部14)における凹凸形状と逆形状となる凹凸形状を有する樹脂板が前記弾性体シート141の表面に両面粘着テープ150を介して脱着自在に取り付けられている。
したがって、前記樹脂板142は、前記弾性体シート141の厚み等の調整によって前記刃先111から発泡トレー1の隆起部13の高さ以内の位置となるように設けられている。
一方で、前記樹脂板142は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート樹脂などで厚み0.5〜3mm程度に形成されたものであり、タイプDデュロメータ硬さで40以上(通常90以下)となるように形成されたものである。
このとき前記樹脂板142が硬質であるため、積層発泡シートと抜き刃110とに位置ずれを生じていた場合でも矯正作用を発揮させることができる。
そして、打抜き後には、前記反発力によって発泡トレー1が抜き刃内から良好に押出されることになる。
ただし、このとき、樹脂板142の表面に発泡トレー1の隆起部14に対応する凹凸形状が形成されているために、抜き刃110の内側において積層発泡シートと樹脂板とが比較的均一な当接状態となり、局所的に過大な圧力を発生させることがない。
従って、打抜き後の発泡トレー1にシワなどを発生させることなく該発泡トレー1の切り出しを行うことができる。
さらに、押出部材140は、樹脂板と弾性体シートとの2層構造に限定されず、他の層を介装させた積層体であってもよい。
逆に、押出部材140は、弾性体シートのみで構成させることもでき、発泡トレーに対する押出部材140の接触状態をよりソフトなものとするために、発泡トレーの外周部に対応する凹凸形状を弾性体シート自体に形成させて、該弾性体シートを抜き刃110の内側に敷設させるようにしてもよい。
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる樹脂フィルムや樹脂発泡シート、ならびにこれらを積層した積層発泡シートなど、その種類を問うものではない。
その他、熱成形された樹脂シートの打抜きにおいて従来公知の技術事項は本発明の効果を著しく損ねない範囲において適宜採用が可能なものである。
Claims (6)
- 熱成形された樹脂シートを打抜いて該樹脂シートから成形品を切り出すべく用いられ、
前記成形品の外周縁に相当する環形状に形成された抜き刃と、該抜き刃を支持する板状の刃台とを備え、打抜き時に前記成形品に当接される部材が前記抜き刃の内側にさらに備えられており、
前記外周縁の内側に打抜き方向と対向する方向に隆起する隆起部を有し、該隆起部が周方向において外周縁からの隆起高さを異ならせている成形品の切り出しに用いられ、且つ該成形品が食品トレーであり、
前記部材は少なくとも一部が弾性体で構成されて前記隆起部との前記当接によって圧縮変形可能に構成されており、且つ、前記隆起部と接する表面に該隆起部に対応する凹凸形状が形成されていることを特徴とする打抜き刃型。 - 前記部材が表面に前記凹凸形状を有する弾性体シートで、該弾性体シートが抜き刃の内側に敷設されている請求項1記載の打抜き刃型。
- 前記部材が、前記凹凸形状を有する樹脂板を最表面側に積層させた積層体であり、該積層体の内の少なくとも1層が弾性体シートで構成され、前記樹脂板が該弾性体シートよりも硬質である請求項1記載の打抜き刃型。
- 凹凸形状を有する前記樹脂板が前記部材に脱着自在に設けられている請求項3記載の打抜き刃型。
- 前記樹脂シートが、樹脂発泡シートの表面に樹脂フィルムが積層されてなる積層発泡シートであり、前記成形品が、前記樹脂フィルムが容器内面となるように熱成形された発泡トレーである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の打抜き刃型。
- 前記樹脂フィルムが黒色樹脂フィルムである請求項5記載の打抜き刃型。
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