JP5945473B2 - シート成形容器とその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、熱可塑性樹脂シートを変形可能な軟化状態となるように加熱する加熱ゾーンと、該加熱ゾーンで軟化された熱可塑性樹脂シートを熱成形するための成形型を備えた成形ゾーンと、前記熱可塑性樹脂シートに成形型で製品形状を形成させて得られた半製品シートを打ち抜いて製品と製品外の部分とを切り分けるトリミングゾーンとを有する製造設備に前記原反ロールから繰り出した帯状の熱可塑性樹脂シートを供給して食品用の容器などを連続的に大量生産することが従来広く行われている。
このときに用いられる前記成形型には、通常、成形後の半製品シートを容易に脱離させ得るように抜き勾配が設けられている。
従って、このような成形型を用いて形成されるシート成形容器は、通常、周側壁が下端側から上端側に向けて外広がりになるように形成されている。
このようなことから、通常、この種の容器には、前記成形用凹部によって形成された収容凹部の周囲に容器外方に向けて延出する鍔部が備えられている。
このとき容器どうしを緊密な状態で積層させるほど容積を減少させることができるものの過度に緊密に積層させると容器スタックから個々の容器を単離することが難しくなるために、容器どうしに一定の間隔が保たれるように容器外方に向けて膨出させたスタック部を周側壁の上端部に形成させることが行われている(下記特許文献1参照)。
即ち、そのまま容器どうしを重ね合わせると上位の容器の外側の膨らみ部分が下位の容器の窪みに入り込んでしまう結果スタック部を設けない場合と何等変わらない状況になってしまうおそれを有する。
一方で、アンダーカット形状を有するスタック部は、成形型に抜き勾配とは逆勾配となる形状を設けて形成させることになるために、脱型性を考えるとその下端部を上端部よりも大きく外側に膨出させることが難しく、容器スタックにおいて積層方向に隣接する上位側の容器と下位側の容器とのスタック部どうしの係合を浅くさせてしまいやすいという問題を有している。
また、図2(a)は、図1におけるX−X’線矢視における概略断面図であり(b)は図2(a)において破線丸囲いZで示した部分を拡大した概略拡大図である。
これらの図にも示されているように、本実施形態における充填豆腐用容器100は、平面視略正方形の底部111と、該底部111の外周縁から上方に起立した角筒状の周側壁112と、該周側壁112の上端部から外向きに延出する平板状の鍔部113とを有している。
なお、厳密には、前記底部111は、平面視における形状が角部に丸みを持たせた正方形となっており、前記周側壁112も角部に丸みを持たせた角筒状となっている。
また、前記周側壁112の上縁内側における容器開口はその開口縁110e(以下「容器開口縁110e」ともいう)の形状も前記底部111などと同じように角部に丸みを持たせた正方形となっている。
さらに、本実施形態の充填豆腐用容器は、成形型から脱型性を考慮して、充填豆腐用容器100に抜き勾配を形成させるべく前記周側壁112が底部側から上端側に向けて僅かに拡径する角筒状に形成されており、前記収容凹部110がその内側に逆四角錘台形状の収容スペースを形成させている。
従って、前記鍔部113の外縁113eによって画定される充填豆腐用容器100の上面視における輪郭形状は、容器開口縁110eが描く正方形に比べて鍔部の延出長さ分だけ大きな正方形となっている。
なお、本実施形態における充填豆腐用容器100は、前記周側壁112の上端部において外側に膨出するスタック部114が前記周側壁112の周方向に互いに距離を隔てて4箇所に形成されており、それぞれ前記容器開口縁110eの角部に位置するように配されている。
該スタック部114は、周側壁112の上端縁から数mm下方にかけて形成されており、その下端には水平方向外側に張り出したスタック水平部114aを有し、さらに、前記容器開口縁110eから前記スタック水平部114aの外縁にかけて垂下するスタック下降部114bとを有している。
前記スタック下降部114bは、容器開口縁110eの角部に設けた丸みを有したままの状態で前記スタック水平部114aの外縁にかけて垂下しており、且つ、前記抜き勾配とは逆勾配となって垂下している。
即ち、前記スタック下降部114bは、水平方向における断面形状が円弧状で、前記スタック水平部114aに向けて外広がりとなるように垂下し、その下端において前記スタック水平部114aの外縁を前記容器開口縁110eよりも一回り大きな円弧状に形成させている。
従って、本実施形態における前記スタック水平部114aは、外縁がスタック下降部114bの下端によって円弧状に形成されているとともに内縁が周側壁112の角部と同じく円弧状に形成されており、平面視三日月形状となっている。
例えば、前記収容凹部110の形状に相当する内面形状を有する成形用凹部が鍔部113の延出長さの2倍を超える間隔を保って縦横に複数ずつ配列された多面取り成形型を用意し、この成形型よりも大面積のポリプロピレン系樹脂シートを成形可能な軟化状態となるように加熱して前記成形型に重ね、この状態で成形型側から真空引きするか、成形型とは逆側から圧空をかけて成形型の型面形状に沿うようにポリプロピレン系樹脂シートを変形させ、この状態でポリプロピレン系樹脂シートを成形型で冷却して製品形状が縦横に複数配列された半製品シートを作製し、該半製品シートを成形型から脱離させた後にトムソン刃型やパンチャーなどによって個々の製品を切り出すトリミングを実施して充填豆腐用容器を得ることができる。
即ち、成形型の成形用凹部の側面にスタック部の膨出形状に相当する凹入部を形成させなければならず、且つ、成形用凹部の底部に向かうに従って側方に向けて深く凹入するように凹入部を形成させることになる。
このために、本実施形態における充填豆腐用容器100の形成には、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体などのプロピレン系樹脂を主成分としたポリプロピレン系樹脂シートを用いることが重要である。
なお、このような収縮に際しては、通常、全体が略均等に収縮することからスタック部114のアンダーカット形状もそのまま保持され、スタック部114の機能が損なわれるおそれは低い。
この脱型作業の作業性の観点からは、図2に示すように、対角に位置するスタック部114の前記下端部どうしを結ぶ距離をA(cm)とし、前記上端部どうしを結ぶ距離をB(cm)とした際に、[ (A×0.99)≦B<A ]の関係を満たすように前記スタック部114が形成されていることが好ましい。
その一方でスタック部114の下端部の張り出しを過度に大きくすると脱型において不利となってしまうおそれを有する。
そのようなことから「B」の値は「A×0.99」以上であることが好ましい。
なお、この「A」、「B」の値は、例えば、充填豆腐用容器の内法を投影機で寸法測定するなどして求めることができる。
即ち、本実施形態においては、成形型の成形用凹部内に嵌まり込んでいるポリプロピレン系樹脂シートをある程度変形させることが容易であるために、前記半製品シートを成形型から脱離させようとした際にスタック部が成形型に引っ掛かってしまうような場合でも該半製品シートに弾性変形を生じさせて成形型から容易に脱離させることができる。
即ち、本実施形態の充填豆腐用容器は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製のものなどに比べて軟質なものとなり易いために、例えば、矩形開口の辺中央部にスタック部を形成させたりすると、容器スタックの積層方向に圧縮力が作用した際に容器開口が拡大するように変形を生じて上下に隣接するシート成形容器間でスタック部が嵌まり合ってしまうおそれを有する。
一方で角部においては、容器スタックに前記圧縮力が作用したとしても変形を生じ難く、充填豆腐用容器のスタック部どうしが嵌まり込んでしまうおそれを抑制させることができる。
従って、積層して容器スタックを形成させる際や、容器スタックから個々の充填豆腐用容器を単離させて利用するような場合の作業性を良好なものとさせることができる。
なお、ここではこれ以上の詳述を行わないが、熱成形用成形型や、熱成形による容器製造方法などに関して従来公知の技術事項を、本発明に適宜採用しうることは説明するまでもなく当然の事柄である。
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂シート製の熱成形品たるシート成形容器であって、
平面視矩形の底部と、該底部の外周縁から上方に起立した周側壁と、該周側壁の上端縁から外向きに延出する鍔部とを有し、前記底部と前記周側壁とによって上部に矩形開口を有する収容凹部が形成されており、
前記周側壁の上端部には外側に膨出するスタック部が形成され、複数の前記スタック部が前記周側壁の周方向に互いに距離を隔てて配されているとともに該スタック部がその下端部における膨出長さが上端部における膨出長さよりも長いアンダーカット形状を有しており、
前記熱可塑性樹脂シートがポリプロピレン系樹脂シートで、前記スタック部が前記矩形開口の4つの角部に配され、且つ、対角に位置するスタック部の前記下端部どうしを結ぶ距離をA(cm)とし、前記上端部どうしを結ぶ距離をB(cm)とした際に、 (A×0.99)≦B<A の関係を満たすように前記スタック部が形成されていることを特徴とするシート成形容器。 - 熱可塑性樹脂シートを熱成形してシート成形容器を作製するシート成形容器の製造方法であって、
前記シート成形容器は、平面視矩形の底部と、該底部の外周縁から上方に起立した周側壁と、該周側壁の上端縁から外向きに延出する鍔部とを有し、前記底部と前記周側壁とによって上部に矩形開口を有する収容凹部が形成されており、前記周側壁の上端部には外側に膨出するスタック部が形成され、複数の前記スタック部が前記周側壁の周方向に互いに距離を隔てて配されているとともに該スタック部がその下端部における膨出長さが上端部における膨出長さよりも長いアンダーカット形状を有しており、
前記熱可塑性樹脂シートがポリプロピレン系樹脂シートで、前記スタック部が前記矩形開口の4つの角部に配され、且つ、対角に位置するスタック部の前記下端部どうしを結ぶ距離をA(cm)とし、前記上端部どうしを結ぶ距離をB(cm)とした際に、 (A×0.99)≦B<A の関係を満たすように前記スタック部が形成されていることを特徴とするシート成形容器の製造方法。
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