JP2018202794A - 樹脂成形品の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形後の打ち抜き工程において切断不良の発生を抑制することが可能な樹脂成形品を得ることができる樹脂成形品の成形方法を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂シート4に対して真空成形等の熱成形を施すことによって、その後の打ち抜き工程において複数の打ち抜き刃により個々に打ち抜かれる複数の樹脂成形品を並べて形成する。このとき、それらの複数の樹脂成形品それぞれの周囲に、打ち抜き工程における打ち抜き予定ラインに沿った薄肉部411を形成する。【選択図】図2A
Description
本発明は、熱可塑性樹脂シートを熱成形することにより得られる樹脂成形品の成形方法に関する。
合成樹脂製のトレイ等の樹脂成形品は、熱可塑性樹脂シートの所定の箇所を、真空成形、圧空成形、又は真空圧空成形等の熱成形により延伸することによって得られる(例えば、特許文献1参照)。このようにして得られた樹脂成形品は通常、1つのシートにおいて複数成形され、その後に打ち抜き型によって個々の樹脂成形品に打ち抜かれる(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載されているように、打ち抜き型は、打ち抜くべき所定形状に曲げられた帯状の打ち抜き刃が基台に固定されたものである。この打ち抜き型の打ち抜き刃の刃先とまな板として機能する受け板との間にシートが挟み込まれ、押し切られることによって切断加工される。ここで、打ち抜き刃の刃先は高さが揃っており、また、受け板の表面は平らであるため、打ち抜く形状は同一の平面形状となる。このように、シートの切断部分は平面形状となるため、熱成形の際に延伸されて厚みが小さくなる部分ではなく、殆ど延伸されることなく熱成形前のシートとほぼ同じ大きさの厚みを有する部分となる。
ところで、シートの厚みが大きい場合、打ち抜き型により打ち抜くときの抵抗が大きくなるため、切断不良が生じやすい。そのため、シートの厚みは小さい方が望ましいが、上記のとおり、熱成形により得られた樹脂成形品を打ち抜く場合、シートの切断部分は元の厚みが保たれたままであるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる樹脂成形品の成形方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の樹脂成形品の成形方法は、熱可塑性樹脂シートを熱成形することによって、その後の打ち抜き工程において打ち抜き刃により打ち抜かれる樹脂成形品を成形するとともに、前記樹脂成形品の周囲に、当該打ち抜き工程における打ち抜き予定ラインに沿った薄肉部を形成する。
この態様において、熱可塑性樹脂シートを熱成形することによって、前記その後の打ち抜き工程において複数の打ち抜き刃により個々に打ち抜かれる複数の樹脂成形品を並べて成形するとともに、前記複数の樹脂成形品それぞれの周囲に、当該打ち抜き工程における打ち抜き予定ラインに沿った薄肉部を形成し、隣り合う複数の樹脂成形品が当該複数の樹脂成形品間に形成される前記薄肉部を共有するように、当該薄肉部を形成してもよい。
また、上記態様において、前記複数の打ち抜き刃が互いに当接される当接領域を有しており、前記当接領域を含むように前記薄肉部を形成してもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部の幅方向における断面が前記打ち抜き予定ラインを含む直線部分を有するように、当該薄肉部を形成してもよい。
また、上記態様において、前記直線部分が所定角度傾斜するように、前記薄肉部を形成してもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部の幅方向における断面が前記打ち抜き予定ラインを含む円弧部分を有するように、当該薄肉部を形成してもよい。
また、上記態様において、前記薄肉部における最薄肉部の厚みが熱成形前の前記熱可塑性樹脂シートの厚みの15パーセント以上70パーセント以下となるように、当該薄肉部を形成してもよい。
本発明に係る樹脂成形品の成形方法によれば、成形後に行われる打ち抜き工程において切断不良の発生を抑制することが可能な樹脂成形品を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態では、樹脂成形品の成形後に行われる打ち抜き工程における打ち抜き予定ラインに沿った薄肉部を、その成形の際に樹脂成形品に形成する。以下では、この打ち抜き工程についてまず説明し、その後に、上記の薄肉部の形成を含む樹脂成形品の成形方法について説明する。
(打ち抜き工程)
図1は、樹脂成形品が成形された後に、その樹脂成形品をシート材から打ち抜くときの打ち抜き工程にて用いられる打ち抜き型の概略構成を示す平面図である。打ち抜き型1は、木製の基台2の一面に帯状の打ち抜き刃3が配置されて構成されている。以下、基台2の打ち抜き刃3が配置されている側(図1の手前側)を「表側」、その反対側(図1の奥側)を「裏側」といい、図1中の上側を「後側」、下側を「前側」、右側を「右側」、左側を「左側」という。
図1は、樹脂成形品が成形された後に、その樹脂成形品をシート材から打ち抜くときの打ち抜き工程にて用いられる打ち抜き型の概略構成を示す平面図である。打ち抜き型1は、木製の基台2の一面に帯状の打ち抜き刃3が配置されて構成されている。以下、基台2の打ち抜き刃3が配置されている側(図1の手前側)を「表側」、その反対側(図1の奥側)を「裏側」といい、図1中の上側を「後側」、下側を「前側」、右側を「右側」、左側を「左側」という。
基台2の表面は、平坦面であり、この表面にレーザ加工によって打ち抜くべき形状の溝(図示せず)が形成され、当該溝に帯状の打ち抜き刃3が嵌合されることで、打ち抜き型1が構成される。かかる打ち抜き刃3は、表側に刃先が位置づけられるように、刃先と反対側の端部が基台2の溝に嵌入される。
図2Aは、後述する成形方法により成形された複数の樹脂成形品を含む熱可塑性樹脂シートの一例を示す斜視図であり、図2Bは、打ち抜き後の樹脂成形品の一例であるトレイを示す斜視図である。熱可塑性樹脂シート(以下、単に「シート」という)4は、真空成形等の熱成形により成形可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン樹脂シート、ポリエステル樹脂シート、ポリプロピレン樹脂シート、ポリスチレン樹脂シート等を用いることができる。
打ち抜き型1が使用される場合、打ち抜き対象のシート4が打ち抜き型1の打ち抜き刃3の表側に配置され、打ち抜き型1とまな板として機能する受け板との間にシート4が挟み込まれ、押し切られることによって切断加工される。シート4に設けられた凹部41は、打ち抜き型1の各四角形状に対応している。つまり、シート4の凹部41が打ち抜き型1の四角形の内部に収まるように、シート4が打ち抜き型1に対して配置され、各凹部41の周囲が打ち抜き刃3によって切断される。こうして、図2Bに示すトレイ5が作成される。
図2Aにおける符号411は、シート4に対して熱形成を行うことにより樹脂成形品を得る際に形成される薄肉部を示している。この薄肉部411は所定の幅を有しており、その幅の範囲内で打ち抜き刃3による切断がなされる。そのため、図2Bに示すトレイ5の外周縁は、薄肉部411の一部により形成されることになる。この薄肉部411については、後に詳述する。
図1に示すように、本実施の形態に係る打ち抜き刃3は角が丸みを帯びた複数の四角形を形成するように配置されている。各四角形が、シート4が打ち抜かれる形状、即ち、製品であるトレイ5の形状である。このように、打ち抜き刃3は、打ち抜くべき形状に沿って配置されるのであり、その形状は四角形に限られない。
図1において、前後方向に5つの四角形が、左右方向に6つの四角形がマトリックス状に並ぶように、打ち抜き刃3は配置される。以下、打ち抜き刃3について詳細に説明する。
打ち抜き刃3は、前後方向に5つの四角形でシート材を切断可能な刃ユニット31が左右方向に6つ並べて構成されている。刃ユニット31は、5つの打ち抜き刃311乃至315によって構成されている。
図3Aは、打ち抜き刃311の構成を示す斜視図であり、図3Bは、打ち抜き刃312の構成を示す斜視図である。
刃ユニット31を構成する打ち抜き刃311乃至315のうち、最も後側に位置する打ち抜き刃311は、角が丸みを帯びた四角環状に屈曲されている。他の打ち抜き刃312乃至315のそれぞれは、後側の一辺が欠落した四角環状に屈曲されている。なお、図3Bにおいては、帯状刃312の構成のみを示しているが、帯状刃313乃至315も同様の構成である。
打ち抜き刃311に隣接される打ち抜き刃312は、四角環状の欠落した後側部分を打ち抜き刃311の前側部分311a(図3A参照)で塞ぐように、その両端312a(図3B参照)が打ち抜き刃311に当接される。これにより、打ち抜き刃312と、打ち抜き刃311の前側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成される(図4参照)。なお、打ち抜き刃311の前側部分311aとは、四角環状をなす打ち抜き刃311の前側の直線部分と、その両端の円弧状部分とを含む部分である。
同様にして、打ち抜き刃313乃至315は、四角環状の欠落した後側部分を、後側に隣接する打ち抜き刃312乃至314の前側部分で塞ぐように、その両端が打ち抜き刃312乃至314に当接される。つまり、打ち抜き刃313の両端は、打ち抜き刃313の四角形状の欠落部分を塞ぐように打ち抜き刃312の前側部分312b(図3B参照)に当接され、打ち抜き刃314の両端は、打ち抜き刃314の四角形状の欠落部分を塞ぐように打ち抜き刃313の前側部分に当接され、打ち抜き刃315の両端は、打ち抜き刃314の四角形状の欠落部分を塞ぐように打ち抜き刃314の前側部分に当接される。これにより、打ち抜き刃313と打ち抜き刃312の後側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成され、打ち抜き刃314と打ち抜き刃313の後側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成され、打ち抜き刃315と打ち抜き刃314の後側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成される。
図5は、打ち抜き型1における打ち抜き刃311と打ち抜き刃312との当接部分を示す部分拡大斜視図である。打ち抜き刃311の前側部分311aと、打ち抜き刃312の両端312aとは、隙間なく当接される。また、打ち抜き刃312と打ち抜き刃311の前側部分311aとによって、角に丸みを帯びた四角形を形成するためには、打ち抜き刃311の前側部分の円弧状部分311bの終端部に、打ち抜き刃312の端部312aが滑らかに連なる必要がある。このため、図5に示すように、打ち抜き刃312の端部312aには、テーパ面312cが設けられる。このテーパ面312cは、打ち抜き刃311の前側部分の円弧状部分311bの終端部の外形に対応する形状であり、テーパ面312cの全体が、円弧状部分311bの終端部に密着可能である。このように、打ち抜き刃311の前側部分311aと打ち抜き刃312の両端312aとは隙間なく当接されることが好ましいが、多少の隙間があっても構わない。
図6は、打ち抜き刃の断面図である。本実施の形態においては、打ち抜き刃311乃至315は両刃のトムソン刃とされる。つまり、図6に示すように、打ち抜き刃の刃部301は両側が傾斜しており、先端に向かって細くなるように形成されている。打ち抜き刃311乃至315は、このように両側に傾斜した刃部301と、厚さが実質的に均一な板状部302とを有している。符号303は、刃部301と板状部302との間の稜線を示している。なお、ここででは、打ち抜き刃3として両刃のトムソン刃を用いているが、片刃のトムソン刃であってもよい。
図7は、打ち抜き刃311と打ち抜き刃312との接続部分の平面図である。打ち抜き刃311と打ち抜き刃312とは、円弧状部分311bの終端部にテーパ面312cが密着するようにして、基台2に取り付けられる。ここで、テーパ面312cが設けられることにより、打ち抜き刃311の刃先の稜線と、打ち抜き刃312の刃先の稜線とが滑らかに連なるように、打ち抜き刃311と打ち抜き刃312とが連結される。これにより、シート4に切れ残りが生じることなく、打ち抜き刃311と打ち抜き刃312とによって2つの同一の四角形状にシート4を切断することが可能となる。
上記のような打ち抜き刃311と打ち抜き刃312との接続構造は、他の打ち抜き刃313乃至315においても同様であるので、説明を省略する。
なお、ここでは前後方向に隣り合う打ち抜き刃3が当接するように配置されているが、この配置構成は特に限定されるものではなく、左右方向に隣り合う打ち抜き刃3が当接するように配置される等、他の構成であっても構わない。また、すべての打ち抜き刃3が相互に当接することなく所定距離離間して設けられていてもよい。
(樹脂成形品の成形方法)
次に、本実施の形態の樹脂成形品の成形方法について説明する。本実施の形態では、プラグアシストを伴う真空成形により樹脂成形品の成形を行う。但し、これに限定されるわけではなく、プラグアシストを伴わない真空成形を採用してもよく、圧空成形、真空圧空成形、及びプラグアシストを伴うこれらの成形法のいずれか等、他の熱成形法を採用してもよい。
次に、本実施の形態の樹脂成形品の成形方法について説明する。本実施の形態では、プラグアシストを伴う真空成形により樹脂成形品の成形を行う。但し、これに限定されるわけではなく、プラグアシストを伴わない真空成形を採用してもよく、圧空成形、真空圧空成形、及びプラグアシストを伴うこれらの成形法のいずれか等、他の熱成形法を採用してもよい。
図8は、本実施の形態の樹脂成形品の成形方法に用いられる成形装置の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、この成形装置は、マトリクス状に並べられた複数の樹脂成形品を成形すべく、各樹脂成形品に対応する位置に設けられた複数の成形用型を有している。図8には、その複数の成形用型のうちの1つを含む領域の構成が示されている。
図8に示すとおり、成形装置6は、成形用型7を有している。この成形用型7は、製造予定の樹脂成形品の外径とほぼ同じ形状の凹部71を有しており、この凹部71の下部には複数の吸引孔72が設けられている。これらの吸引孔72は吸引管73に連結されており、この吸引管73を介して図示しない真空ポンプに接続されている。
上述した成形用型7の上方には、プラグ8が配置される。プラグ8は、成形用型7の凹部71に挿入可能な外形をなすとともに、その凹部71の外周よりも一回り大きい外周部81を有している。その外周部81には、上述した打ち抜き型1の打ち抜き刃3による打ち抜き予定ラインに沿った環状の凸部82が形成されている。この凸部82は、断面視V字状をなしており、その頂部は打ち抜き予定ラインと一致するように配設されている。後述するように、この凸部82によってシート4に薄肉部411が形成されることになる。
以下、本実施の形態の樹脂成形品の成形方法の詳細について説明する。
図8に示すように、シート4は、成形用型7上に載置され、その後に図示しない加熱装置によって加熱されて軟化する。その後、プラグ8を降下させ、軟化したシート4に接触させて押し付ける。また、これとともに、真空ポンプにより吸引孔72及び吸引管73を介して成形用型7の凹部71内の空気が吸引される。これにより、シート4が、プラグ8によって押し下げられながら、成形用型7の凹部71に密着して成形される。このとき、図9に示すように、プラグ8の凸部82がシート4に押し付けられる。これにより、その押し付けられた箇所が延伸され、凸部82に応じた環状の凹部がシート4に形成される。
図8に示すように、シート4は、成形用型7上に載置され、その後に図示しない加熱装置によって加熱されて軟化する。その後、プラグ8を降下させ、軟化したシート4に接触させて押し付ける。また、これとともに、真空ポンプにより吸引孔72及び吸引管73を介して成形用型7の凹部71内の空気が吸引される。これにより、シート4が、プラグ8によって押し下げられながら、成形用型7の凹部71に密着して成形される。このとき、図9に示すように、プラグ8の凸部82がシート4に押し付けられる。これにより、その押し付けられた箇所が延伸され、凸部82に応じた環状の凹部がシート4に形成される。
図10は、上述したようにして成形された樹脂成形品を含むシートの一例を示す平面図である。なお、この図10には、その後の打ち抜き工程によって打ち抜き刃311及び312によって切断加工される2つの樹脂成形品を含む領域のみが示されている。図10とともに図2Aも参照すると、シート4には、成形用型7の凹部71と同様の凹部41が形成されている。そして、この凹部41の外周の外側には、プラグ8の凸部82に応じた凹部である環状の薄肉部411が形成されている。薄肉部411は、上述したように凸部82が押し付けられることによりシート4が延伸されて形成されるため、凸部82の幅に応じた幅を有している。凸部82は、上述したようにその頂部が打ち抜き予定ラインLと一致するように設けられているため、薄肉部411の幅の範囲内に打ち抜き予定ラインLが存在することになる。図10では、その打ち抜き予定ラインLが一点鎖線により示されている。
(薄肉部の形状)
図11は、図10のA−A矢視断面図である。図11に示すように、薄肉部411の幅方向における断面はV字状をなしており、その頂部に打ち抜き予定ラインLが位置している。このように、薄肉部411が打ち抜き予定ラインLを含んでいるため、打ち抜き型1による打ち抜き工程の際、打ち抜き刃3によって薄肉部411内が切断されることになる。薄肉部411の厚みは、熱成形前のシート4よりも小さくなっているため、それに応じて、薄肉部411内を打ち抜くときの抵抗は熱成形前のシート4を打ち抜く場合よりも小さくなる。そのため、切断不良の発生を抑制することが可能になる。
図11は、図10のA−A矢視断面図である。図11に示すように、薄肉部411の幅方向における断面はV字状をなしており、その頂部に打ち抜き予定ラインLが位置している。このように、薄肉部411が打ち抜き予定ラインLを含んでいるため、打ち抜き型1による打ち抜き工程の際、打ち抜き刃3によって薄肉部411内が切断されることになる。薄肉部411の厚みは、熱成形前のシート4よりも小さくなっているため、それに応じて、薄肉部411内を打ち抜くときの抵抗は熱成形前のシート4を打ち抜く場合よりも小さくなる。そのため、切断不良の発生を抑制することが可能になる。
ところで、上述したように、後側の一辺が欠落した打ち抜き刃312の両端312aは、打ち抜き刃311に当接されている。薄肉部411は、打ち抜き予定ラインLに沿って設けられているため、図10に示すように、2つの打ち抜き刃311及び312が当接されている領域を含んでいる(矢符B部分)。従来、シート4を切断するとき、その箇所の厚みが大きいと、打ち抜き刃312の両端312aが広がる方向に力が生じるため、当接状態を維持することができずに打ち抜き刃311,312間に隙間が生じ、その結果切断されずに残る切りくずが発生しやすい。これに対し、本実施の形態の場合、打ち抜き刃311及び312が当接している領域に薄肉部411が形成されているため、打ち抜き刃312の両端312aが広がる方向に作用する力を低減することができる。これにより、この当接されている領域における切断不良の発生を抑制することが可能になる。
薄肉部411の厚みは、熱成形前のシート4の厚みよりも小さければ限定はされない。しかし、薄肉部411の厚みが大きすぎると切断加工時の抵抗が大きくなるため、切断不良を招きやすくなる。また、その場合、上述した打ち抜き刃312の両端312aが広がる方向に作用する力が大きくなるという問題も起き得る。他方、薄肉部411の厚みが小さすぎると、打ち抜き刃3の刃先の高さを厳格に調整しなければならないという問題が起きる。また、シートの強度が十分でなくなるおそれもある。そのため、薄肉部411の最薄肉部の厚みは、熱成形前のシート4の厚みの15パーセント以上70パーセント以下であることが好ましい。
なお、熱成形の場合、熱収縮及び製造条件のばらつきにより寸法誤差が生じやすいため、打ち抜き予定ラインと実際の打ち抜きラインとの位置ずれが生じやすい。上記のように、V字の頂部が打ち抜き予定ラインLと一致するように薄肉部411が形成される場合、実際の打ち抜きラインとの位置ずれが生じたときは、例えば図12に示すように、樹脂成形品の外周部が、薄肉部411のV字の頂部を含む領域を有することがある。この頂部はもっとも厚みが小さい部分であるため、この場合、厚みが大から小へ変化する領域及び小から大へ変化する領域の両方の領域が樹脂成形品の外周部に存在することとなり、美粧性が損なわれるという問題がある。この点を考慮した場合、薄肉部411の厚みが徐々に小さくなる領域における特定の位置が打ち抜き予定ラインLと一致していることが好ましい。すなわち、図13に示すように、V字の頂部から樹脂成形品側(紙面の左側)に少しずれた直線上の位置(例えば、当該頂部から0.5mm乃至3mm程度樹脂成形品側にずれた位置)に打ち抜き予定ラインLが配置される方が好ましい。
上述したように、厚みが徐々に小さくなる領域における特定の位置が打ち抜き予定ラインLと一致している場合、寸法誤差に起因して打ち抜き予定ラインLと実際の打ち抜きラインとの間に位置ずれが若干生じたとしても、図14に示すように、樹脂成形品の外周部には、厚みが大から小へ変化する領域のみが存在することになるため、美粧性が損なわれることを防止できる。
プラグ8の凸部82の形状を変更することにより、所望の断面形状の薄肉部411を形成することができる。そのため、上記のV字状以外にも、様々な断面形状の薄肉部411を得ることができる。例えば、図15に示すように、厚みが一定となる直線部分を所定の長さ有する断面形状を採用することができる。この場合、その直線部分の所定の位置が打ち抜き予定ラインLと一致するように薄肉部411が形成される。ここで、打ち抜き予定ラインLと実際の打ち抜きラインとが多少ずれたとしても、その打ち抜きラインが当該直線部分の範囲内であれば、樹脂成形品の外周部の断面は厚さが一定となるため、美粧性が損なわれることを防止できる。この場合、その直線部分の中央位置に打ち抜き予定ラインLが配置されることが好ましく、当該直線部分の幅は、打ち抜き予定ラインLを中心に0.5mm乃至5mm程度とすることができる。
また、図16及び図17に示すように、薄肉部411の幅方向における断面が円弧部分を有していてもよい。この場合も、厚みが大から小へ変化する領域の特定の位置が打ち抜き予定ラインLと一致するように薄肉部411が形成されるようにすることによって、打ち抜き予定ラインLと実際の打ち抜きラインとの間に多少の位置ずれが生じたとしても、厚みが一方向へ変化する領域のみから構成されることになるため、美粧性が損なわれることを回避できる。
その他にも、薄肉部411の幅方向における断面は様々な形状をとり得る。例えば、一部が直線部分となっており、残りがその他の形状となっていてもよく、一部が円弧部分となっており、残りがその他の形状となっていてもよい。
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、薄肉部411の形状に対応する凸部82を有するプラグ8によって薄肉部411の形成を行っているが、それ以外の手法で薄肉部411の形成を行ってもよい。例えば、圧空成形(又は真空圧空成形)において使用される上下の型のうちの上の型に、上述した凸部82と同様の凸部を形成しておくことにより、上記と同様にして薄肉部411をシート4に形成することが可能である。
上記の実施の形態では、薄肉部411の形状に対応する凸部82を有するプラグ8によって薄肉部411の形成を行っているが、それ以外の手法で薄肉部411の形成を行ってもよい。例えば、圧空成形(又は真空圧空成形)において使用される上下の型のうちの上の型に、上述した凸部82と同様の凸部を形成しておくことにより、上記と同様にして薄肉部411をシート4に形成することが可能である。
また、上記の実施の形態では、1つのシート4から複数の樹脂成形品を成形しているが、1つのシート4から1つの樹脂成形品を成形する場合にも本発明を適用することは可能である。その場合、1つの成形用型を有する成形装置によって熱成形が行われることになる。
また、上記の実施の形態では、隣り合う打ち抜き刃311及び312が当接されているが、これらの打ち抜き刃311及び312が当接されておらず、両刃間に隙間が形成されていてもよい。その場合でも、上記の実施の形態と同様に、打ち抜き刃311及び312により打ち抜かれる2つの樹脂成形品の間に形成される薄肉部411が、これらの2つの樹脂成形品によって共有されることが考えられる。具体的には、図18に示すように、隣り合う凹部41,41の間に形成される1つの薄肉部411に、各凹部41についての打ち抜き予定ラインL,Lの両方が含まれていてもよい。この場合、各打ち抜き予定ラインLを含む薄肉部411を2つ形成する場合と比べて、凹部41,41間の距離を小さくすることができる、成形用型7の形状を簡素化することができる等のメリットがある。
図19は、図18のC−C矢視断面図である。図19に示すように、薄肉部411の幅方向における断面は、厚みが一定となる直線部分を所定の長さ有する形状をなしている。これ以外にも、図11及び図13に示すようなV字状をなしていたり、図16及び図17に示すような円弧状部分を有していたり等、様々な断面形状を採用することができる。
本発明の樹脂成形品の成形方法は、食品用のトレイ等の樹脂成形品の成形方法として有用である。
1 打ち抜き型
2 基台
3 打ち抜き刃
31 刃ユニット
311〜315 打ち抜き刃
311a 前側部分
311b 円弧状部分
312a 端部
312c テーパ面
301 刃部
302 板状部
303 稜線
4 シート材
411 薄肉部
5 トレイ
6 成形装置
7 成形用型
8 プラグ
82 凸部
2 基台
3 打ち抜き刃
31 刃ユニット
311〜315 打ち抜き刃
311a 前側部分
311b 円弧状部分
312a 端部
312c テーパ面
301 刃部
302 板状部
303 稜線
4 シート材
411 薄肉部
5 トレイ
6 成形装置
7 成形用型
8 プラグ
82 凸部
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂シートを熱成形することによって、その後の打ち抜き工程において打ち抜き刃により打ち抜かれる樹脂成形品を成形するとともに、前記樹脂成形品の周囲に、当該打ち抜き工程における打ち抜き予定ラインに沿った薄肉部を形成する、
樹脂成形品の成形方法。 - 熱可塑性樹脂シートを熱成形することによって、前記その後の打ち抜き工程において複数の打ち抜き刃により個々に打ち抜かれる複数の樹脂成形品を並べて成形するとともに、前記複数の樹脂成形品それぞれの周囲に、当該打ち抜き工程における打ち抜き予定ラインに沿った薄肉部を形成し、
隣り合う複数の樹脂成形品が当該複数の樹脂成形品間に形成される前記薄肉部を共有するように、当該薄肉部を形成する、
請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法。 - 前記複数の打ち抜き刃が互いに当接される当接領域を有しており、
前記当接領域を含むように前記薄肉部を形成する、
請求項2に記載の樹脂成形品の成形方法。 - 前記薄肉部の幅方向における断面が前記打ち抜き予定ラインを含む直線部分を有するように、当該薄肉部を形成する、
請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂成形品の成形方法。 - 前記直線部分が所定角度傾斜するように、前記薄肉部を形成する、
請求項4に記載の樹脂成形品の成形方法。 - 前記薄肉部の幅方向における断面が前記打ち抜き予定ラインを含む円弧部分を有するように、当該薄肉部を形成する、
請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂成形品の成形方法。 - 前記薄肉部における最薄肉部の厚みが熱成形前の前記熱可塑性樹脂シートの厚みの15パーセント以上70パーセント以下となるように、当該薄肉部を形成する
請求項1乃至6の何れかに記載の樹脂成形品の成形方法。
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2017
- 2017-06-08 JP JP2017113387A patent/JP2018202794A/ja active Pending
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