JP5536947B1 - 打ち抜き型 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート材の打ち抜き加工を繰り返しても、隣り合う刃の間に隙間が生じることを抑制することが可能な打ち抜き型を提供する。
【解決手段】
打ち抜き型1は、2次元の環状を形成するように屈曲された帯状刃311と、環状の一部が欠落した2次元形状を形成するように屈曲され、前記環状の欠落部分を帯状刃311の前側部分311aで塞ぐように、その両端312aが帯状刃311に当接される帯状刃312と、帯状刃312の両端312aのそれぞれに固着され、帯状刃312の両端312aを繋ぐことにより帯状刃の形状を保持する形状保持部材6とを備える。
【選択図】図3B

Description

本発明は、合成樹脂製のトレイ等に用いられるシート材を切断加工するための打ち抜き型に関する。
合成樹脂製のトレイ、紙箱、ダンボール箱等は、打ち抜き型によって材料であるシート材を切断することにより製作される(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているように、打ち抜き型は、打ち抜くべき平面形状に曲げられた帯状のトムソン刃(以下、「帯状刃」という。)が基台に固定されたものである。通常、1つのシート材からは複数の製品が打ち抜かれるため、打ち抜き型には複数の同一の平面形状を構成するように帯状刃が配置される。
また、同一の環状の2つの帯状刃を並べるのではなく、2つの隣り合う帯状刃において一方の帯状刃の一部を共用し、打ち抜かれる製品間の隙間をなくして材料の無駄を抑制することが行われている。図10は、従来の打ち抜き型の構成を示す斜視図であり、図11はその分解斜視図である。図10に示すように、2つの製品を打ち抜くためには、帯状刃が2つの閉空間100,200を形成するように配置される。1つの帯状刃10は閉空間100を形成するように環状に構成され、これに隣り合う帯状刃20は、一部が欠落した2次元形状に構成され、この欠落部分を挟む2つの端部22が前記閉空間100を形成した帯状刃10に密着され、閉空間100と同一形状の閉空間200が形成される(図11参照)。
特開2012−71373号公報
しかしながら、上述のような従来の打ち抜き型では、シート材を切断するときに、帯状刃20の両端22が広がる方向に力が生じ、このため、帯状刃10と帯状刃20の端部22との接続部分に隙間が生じやすい。これに起因して、シート材の打ち抜き加工を繰り返すことにより、帯状刃10と両端22との間にシート材の切りくずが挟まり、さらに隙間が大きくなっていくという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる打ち抜き型を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の打ち抜き型は、2次元の環状を形成するように屈曲された第1帯状刃と、環状の一部が欠落した2次元形状を形成するように屈曲され、前記環状の欠落部分を前記第1帯状刃の一部で塞ぐように、その両端が前記第1帯状刃に当接される第2帯状刃と、前記第2帯状刃の両端のそれぞれに固着され、前記第2帯状刃の両端を繋ぐことにより、前記両端が互いに離反することを防ぐように前記第2帯状刃の形状を保持する形状保持部材と、を備える。
この態様において、前記形状保持部材は、前記第2帯状刃の前記第1帯状刃に当接される面の反対面に固着されていてもよい。
また、上記態様において、前記第2帯状刃は、実質的に厚さが均一な板状部と、前記板状部に連続して設けられ、厚さが刃先へ向かうにしたがって小さくなる刃部と、を具備し、前記形状保持部材は、前記板状部と前記刃部との境界よりも前記板状部側に設けられていてもよい。
また、上記態様において、前記形状保持部材は、前記第2帯状刃の刃先側の端部が、先端に向かうにしたがって厚さが小さくなるように構成されていてもよい。
また、上記態様において、前記第1帯状刃と前記形状保持部材との間に配置される中間部材をさらに備えていてもよい。
また、上記態様において、前記形状保持部材は、板状をなしていてもよい。
また、上記態様において、前記形状保持部材は、金属によって構成されており、前記第2帯状刃の両端に溶接されていてもよい。
また、上記態様において、前記形状保持部材は、前記第2帯状刃の端面に固着されていてもよい。
また、上記態様において、前記第2帯状刃は、実質的に厚さが均一な板状部と、前記板状部に連続して設けられ、厚さが刃先へ向かうにしたがって小さくなる刃部と、を具備し、前記形状保持部材は、前記板状部の厚さ以下の厚さを有していてもよい。
本発明に係る打ち抜き型によれば、シート材の打ち抜き加工を繰り返しても、隣り合う刃の間に隙間が生じることを抑制することが可能となる。
実施の形態1に係る打ち抜き型の概略構成を示す平面図。 加工対象のシート材の一例を示す斜視図。 加工後の製品の一例であるトレイを示す斜視図。 環状をなす帯状刃の構成を示す斜視図。 一部が欠落した環状をなす帯状刃の構成を示す斜視図。 実施の形態1に係る打ち抜き型における隣り合う2つの帯状刃の当接部分を示す部分拡大斜視図。 両刃の帯状刃の断面図。 実施の形態1に係る打ち抜き型における隣り合う2つの帯状刃の接続部分の平面図。 形状保持部材が設けられた箇所でのシート材の切断を説明するための打ち抜き型の部分断面図。 実施の形態2に係る打ち抜き型における隣り合う帯状刃の接続部分の構成を示す斜視図。 実施の形態3に係る打ち抜き型における隣り合う帯状刃の接続部分の構成を示す斜視図。 従来の打ち抜き型の構成を示す斜視図。 従来の打ち抜き型の構成を示す分解斜視図。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る打ち抜き型の概略構成を示す平面図である。打ち抜き型1は、木製の基台2の一面に帯状の打ち抜き刃3が配置されて構成されている。以下、基台2の打ち抜き刃3が配置されている側を「表側」、その反対側を「裏側」といい、図1中の上側を「後側」、下側を「前側」、右側を「右側」、左側を「左側」という。
基台2の表面は、平坦面であり、この表面にレーザ加工によって打ち抜くべき形状の溝(図示せず)が形成され、当該溝に帯状の打ち抜き刃3が嵌合されることで、打ち抜き型1が構成される。かかる打ち抜き刃3は、表側に刃先が位置づけられるように、刃先と反対側の端部が基台2の溝に嵌入される。
図2Aは、加工対象のシート材の一例を示す斜視図であり、図2Bは、加工後の製品の一例であるトレイを示す斜視図である。打ち抜き型1が使用される場合には、加工対象のシート材4が打ち抜き型1の打ち抜き刃3の表側に配置され、シート材4が打ち抜き型1とまな板として機能する受板(図示せず)との間に挟み込まれ、押し切られることによって切断加工される。シート材4に設けられた凹部41は、打ち抜き型1の各四角形状に対応している。つまり、シート材4の凹部41が打ち抜き型1の四角形の内部に収まるように、シート材4が打ち抜き型1に対して配置され、各凹部41の周囲が打ち抜き刃3によって切断される。こうして、図2Bに示すトレイ5が作成される。
図1に示すように、本実施の形態に係る打ち抜き刃3は角が丸みを帯びた複数の四角形を形成するように配置されている。各四角形が、シート材4が打ち抜かれる形状、即ち、製品であるトレイ5の形状である。このように、打ち抜き刃3は、打ち抜くべき形状に沿って配置されるのであり、その形状は四角形に限られない。
図1において、前後方向に5つの四角形が、左右方向に6つの四角形がマトリックス状に並ぶように、打ち抜き刃3は配置される。以下、打ち抜き刃3について詳細に説明する。
打ち抜き刃3は、前後方向に5つの四角形でシート材を切断可能な刃ユニット31が左右方向に6つ並べて構成されている。刃ユニット31は、5つの帯状刃311乃至315によって構成されている。
図3Aは、帯状刃311の構成を示す斜視図であり、図3Bは、帯状刃312の構成を示す斜視図である。
刃ユニット31を構成する帯状刃311乃至315のうち、最も後側に位置する帯状刃311は、角が丸みを帯びた四角環状に屈曲されている。他の帯状刃312乃至315のそれぞれは、後側の一辺が欠落した四角環状に屈曲されている。なお、図3Bにおいては、帯状刃312の構成のみを示しているが、帯状刃313乃至315も同様の構成である。また、本実施の形態では刃ユニット31の最も後側に環状の帯状刃311を配置し、この帯状刃311の前側に一部が欠落した環状の帯状刃312乃至315を直列的に配置する構成としたが、これに限定されるものではない。複数の帯状刃が直列的に配置されてなる刃ユニットの両端以外の位置に環状の帯状刃311を配置し、当該帯状刃311の両側それぞれに一部が欠落した帯状刃312乃至315を直列的に配置する構成とすることも可能である。
帯状刃311に隣接される帯状刃312は、四角環状の欠落した後側部分を帯状刃311の前側部分311a(図3A参照)で塞ぐように、その両端312a(図3B参照)が帯状刃311に当接される。これにより、帯状刃312と、帯状刃311の前側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成される(図1参照)。なお、帯状刃311の前側部分311aとは、四角環状をなす帯状刃311の前側の直線部分と、その両端の円弧状部分とを含む部分である。
同様にして、帯状刃313乃至315は、四角環状の欠落した後側部分を、後側に隣接する帯状刃312乃至314の前側部分で塞ぐように、その両端が帯状刃312乃至314に当接される。つまり、帯状刃313の両端は、帯状刃313の四角形状の欠落部分を塞ぐように帯状刃312の前側部分312b(図3B参照)に当接され、帯状刃314の両端は、帯状刃314の四角形状の欠落部分を塞ぐように帯状刃313の前側部分に当接され、帯状刃315の両端は、帯状刃314の四角形状の欠落部分を塞ぐように帯状刃314の前側部分に当接される。これにより、帯状刃313と帯状刃312の後側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成され、帯状刃314と帯状刃313の後側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成され、帯状刃315と帯状刃314の後側部分とによって、角に丸みを帯びた四角形状が形成される。
図4は、打ち抜き型1における帯状刃311と帯状刃312との当接部分を示す部分拡大斜視図である。帯状刃311の前側部分311aと、帯状刃312の両端312aとは、隙間なく当接される。また、帯状刃312と帯状刃311の前側部分311aとによって、角に丸みを帯びた四角形を形成するためには、帯状刃311の前側の円弧状部分311bの終端部に、帯状刃312の端部が滑らかに連なる必要がある。このため、図4に示すように、帯状刃312の端部312aには、テーパ面312cが設けられる。このテーパ面312cは、帯状刃311の前側の円弧状部分311bの終端部の外形に対応する形状であり、テーパ面312cの全体が、円弧状部分311bの終端部に密着可能である。
図5は、帯状刃の断面図である。本実施の形態においては、帯状刃311乃至315は両刃のトムソン刃とされる。つまり、図5に示すように、帯状刃の刃部301は両側が傾斜しており、先端に向かって細くなるように形成されている。
図6は、帯状刃311と帯状刃312との接続部分の平面図である。帯状刃311と帯状刃312とは、円弧状部分311bの終端部にテーパ面312cが密着するようにして、基台2に取り付けられる。ここで、テーパ面312cが設けられることにより、帯状刃311の刃先の稜線と、帯状刃312の刃先の稜線とが滑らかに連なるように、帯状刃311と帯状刃312とが連結される。これにより、シート材4に切れ残りが生じることなく、帯状刃311と帯状刃312とによって2つの同一の四角形状にシート材4を切断することが可能となる。
ここで、帯状刃312の端部312aは、帯状刃311の前側部分311aに溶接などによって固着されることはない。帯状刃312の端部312aが帯状刃311の前側部分311aに密着した状態を維持するように、帯状刃311及び312が基台2に固定される。これは、帯状刃311及び312の何れかを交換したり、修理したりすることが容易なように、帯状刃311及び312を分離可能とするためである。
上記のような帯状刃311と帯状刃312との取付構造は、他の帯状刃313乃至315においても同様であるので、説明を省略する。
また、図3Bに示すように帯状刃312には、その両端312aを繋ぐように形状保持部材6が取り付けられている。形状保持部材6は、左右方向に長い板状をなしており、帯状刃312の両端312aに溶接によって固着されている。
形状保持部材6は、その高さ(表裏方向の長さ)が帯状刃312の高さよりも小さい板状をなしている。形状保持部材6の構成について、さらに詳しく説明する。帯状刃311乃至315は、上述したように両側に傾斜した刃部301と、厚さが実質的に均一な板状部302とを有している。形状保持部材6の高さは、かかる板状部302の高さよりも小さい。また、形状保持部材6の裏側端は、帯状刃312の裏側端と同一の高さに位置づけられており、形状保持部材6の表側端は、帯状刃312の刃部301と板状部302との間の稜線303よりも裏側に位置づけられている。即ち、形状保持部材6は、帯状刃312の板状部302に取り付けられている。なお、形状保持部材6の裏側端は、帯状刃312の裏側端と同一高さに位置づけられていなくてもよい。但し、形状保持部材6の裏側端が帯状刃312の裏側端よりも裏側に位置づけられている場合には、形状保持部材6が帯状刃312よりも裏側に突出することになるので、帯状刃312を基台2に固定するのに支障が出たり、帯状刃312の形状保持部材6が固着されている部分が基台2に取り付けられた形状保持部材6により持ち上げられて、その他の部分よりも表側に突出したりすることとなる。帯状刃312の一部が他の部分よりも表側に突出すると、シート材4を切断するときに帯状刃312の表側に突出した部分に集中して力が作用することになり、刃の損傷及び製品の不良等が生じ得る。このため、形状保持部材6の裏側端を、帯状刃312の裏側端よりも表側に位置づけることが好ましい。
また、形状保持部材6の長さは、帯状刃312の欠落部分の長さよりも長い。つまり、形状保持部材6は、その両端において、帯状刃312の両端と長手方向に重なるように配置されており、その重ねられた部分において帯状刃312に溶接されている。
上述したように帯状刃312の端部312aはテーパ面312cが設けられることにより先端に向かうにしたがって薄く形成されており、変形しやすくなっている。このような変形しやすい端部312aに形状保持部材6の一部が重ねられるので、端部312aが形状保持部材6によって補強され、端部312aの変形を抑制することが可能となる。
また、帯状刃312の端部312aは、帯状刃311に密着されているだけで固着されてはいないので、シート材4を切断するときに、帯状刃312の2つの端部312aが互いに離反する方向に力が生じる。しかし、上記のように形状保持部材6によって2つの端部312a同士が連結されるため、端部312aが互いに離反することが阻止され、帯状刃312の形状が保持される。これにより、帯状刃312の端部312aと帯状刃311との間に隙間が生じることが抑制される。
また、形状保持部材6の表側端には、表側に向かうにしたがって細くなるように傾斜したテーパ部61が形状保持部材6の全長に亘って設けられている。図7は、形状保持部材6が設けられた箇所でのシート材4の切断を説明するための打ち抜き型1の部分断面図である。図7に示すように、形状保持部材6にはテーパ部61が設けられることによって表側端に直角又は鋭角の角部が存在しない。このため、製品であるトレイ5が形状保持部材6に接触したときにトレイ5に傷が付くことを防止することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る打ち抜き型は、片刃のトムソン刃である帯状刃が基台に取り付けられたものである。
図8は、本実施の形態に係る打ち抜き型における隣り合う帯状刃の接続部分の構成を示す斜視図である。帯状刃321は、片刃のトムソン刃が環状に屈曲されて構成されており、帯状刃322は、片刃のトムソン刃が一部欠落した環状に屈曲されて構成されている。帯状刃321と帯状刃322とは、帯状刃322の欠落部分を帯状刃321によって塞ぐように、帯状刃322の端部322aが帯状刃321に当接される。図には示さないが、本実施の形態に係る打ち抜き型には、帯状刃322と同一形状の帯状刃が複数設けられており、隣り合う帯状刃のうちの一方の帯状刃の欠落部分を他方の帯状刃で塞ぐように、これらが連鎖的に連なるように配置される。これらの帯状刃は、以下に説明する帯状刃322と同一の構成を有しており、隣り合う帯状刃の接続構造は、帯状刃321及び322の接続構造と同様である。
帯状刃321及び322において、刃部304の傾斜面は、環状に配置された帯状刃321及び322の内側面に設けられる。つまり、帯状刃321及び322の外側面には、非常に微少な傾斜部しか設けられておらず、当該外側面は表裏方向全体において実質的に平坦な面とされる。
このように帯状刃321及び322の外側面は表裏方向について実質的に平坦であるため、帯状刃321及び322の外側面の表側端が刃先となっている。つまり、帯状刃321及び322の刃先は、帯状刃321及び322の外側面に沿って設けられている。このため、帯状刃322の端部322aには、帯状刃321に密着させるためのテーパ面が設けられていない。帯状刃322の端部322aにテーパ面を設けなくても、帯状刃321と帯状刃322の端部322aとの接続部分において、帯状刃321の刃先と帯状刃322の刃先とが実質的に一致する。なお、帯状刃321及び322の接続部分において刃先を一致させるため、帯状刃322の先端に微少なテーパ面を設けてもよい。
また、帯状刃322には、その両端322aを繋ぐように形状保持部材6が取り付けられている。なお、形状保持部材6の構成については、実施の形態1に係る形状保持部材6の構成と同様であるので、その説明を省略する。
上述したように、帯状刃322の端部322aにはテーパ面がなく、端部322aには内側面及び外側面に直交する端面が形成されている。このため、帯状刃322の2つの端面は互いに離隔して対向しており、したがって帯状刃321と形状保持部材6との間は離隔している。本実施の形態2に係る打ち抜き型には、この帯状刃321と形状保持部材6との間に板状の中間部材7が設けられている。即ち、この中間部材7により、帯状刃321と形状保持部材6との間隙が埋められている。帯状刃321と帯状刃322とを分離可能とするため、中間部材7は、帯状刃321,帯状刃322、及び形状保持部材6の何れにも固着されていない。なお、中間部材7を帯状刃321、帯状刃322、及び形状保持部材6に溶接などで固着することも可能である。但し、帯状刃321と帯状刃322とを分離可能とするため、中間部材7を帯状刃321に固着する場合には、中間部材7を帯状刃322及び形状保持部材6に固着せず、中間部材7を帯状刃322又は形状保持部材6に固着する場合には、中間部材7を帯状刃321に固着しないようにすることが好ましい。
中間部材7の表側端は、形状保持部材6の表側端と同一高さに位置づけられる。これにより、中間部材7の位置に帯状刃321と形状保持部材6とで挟まれた凹部が形成されることがなく、シート材4の切りくずが凹部に溜まることがない。なお、中間部材7の表側端を形状保持部材6の表側端とは異なる高さに位置づけることも可能である。但し、中間部材7の表側端が形状保持部材6の表側端よりも裏側に位置づけられていると、上記のように帯状刃321と形状保持部材6とで挟まれた凹部が形成されるため、中間部材7の表側端が形状保持部材6の表側端よりも表側に位置づけられることが好ましい。この場合、シート材4を確実に切断可能とするために、中間部材7の表側端を、帯状刃321の刃先よりも裏側に位置づけることが必要である。
なお、本実施の形態に係る打ち抜き型のその他の構成は、実施の形態1に係る打ち抜き型の構成と同様であるので、その説明を省略する。
(実施の形態3)
図9は、本実施の形態に係る打ち抜き型における隣り合う帯状刃の接続部分の構成を示す斜視図である。本実施の形態において、帯状刃322には、その両端322aの端面を繋ぐように、形状保持部材60が取り付けられている。さらに詳しく説明すると、帯状刃322の2つの端部322aの間の欠落部分に、左右方向に長い板状の形状保持部材60が配置されている。つまり、形状保持部材60は、帯状刃321の前側部分321aに接するように配置されている。また、帯状刃322の端部322aにおける端面と、形状保持部材60の左右方向の端面とは、溶接によって固着される。その一方、形状保持部材60は、帯状刃321に固着されない。
形状保持部材60の高さは、帯状刃322の板状部305の高さよりも小さい。また、形状保持部材60の裏側端は、帯状刃322の裏側端と同一の高さに位置づけられており、形状保持部材60の表側端は、帯状刃322の刃部304と板状部305との間の稜線306よりも裏側に位置づけられている。即ち、形状保持部材60は、帯状刃322の板状部302に取り付けられている。なお、形状保持部材60の裏側端を、帯状刃322の裏側端と異なる高さに位置づけることも可能である。但し、形状保持部材60の裏側端が帯状刃322の裏側端よりも裏側に位置づけられている場合には、形状保持部材60が帯状刃322よりも裏側に突出することになるので、帯状刃322を基台2に固定するのに支障が出たり、帯状刃322の形状保持部材60が固着されている部分が基台2に取り付けられた形状保持部材60により持ち上げられて、その他の部分よりも表側に突出したりすることとなる。帯状刃322の一部が他の部分よりも表側に突出すると、シート材4を切断するときに帯状刃322の表側に突出した部分に集中して力が作用することになり、刃の損傷及び製品の不良等が生じ得る。このため、形状保持部材60の裏側端を、帯状刃322の裏側端よりも表側に位置づけることが好ましい。
また、形状保持部材60の表側端には、表側に向かうにしたがって細くなるように傾斜したテーパ部62が形状保持部材60の全長に亘って設けられている。形状保持部材60にはテーパ部62が設けられることによって表側端に直角又は鋭角の角部が存在しない。このため、製品であるトレイ5が形状保持部材60に接触したときにトレイ5に傷が付くことを防止することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態1乃至3においては、形状保持部材6,60を金属製の板状とする構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、形状保持部材を針金又は金属線のような線状とすることも可能であるし、複数の線状の形状保持部材で帯状刃の両端を繋ぐことも可能である。また、木製又は合成樹脂製の形状保持部材とすることも可能である。さらに、形状保持部材を帯状刃の端部に溶接で固着するのではなく、接着剤によって固着することも可能である。
また、上述した実施の形態1及び2においては、帯状刃311,321と形状保持部材6との間に中間部材7を設ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。中間部材7を設けず、帯状刃311,321と形状保持部材6との間を間隙とすることも可能である。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、形状保持部材6,60の表側端にテーパ部61,62を設ける構成について述べたが,これに限定されるものではない。例えば、形状保持部材の表側端を、全長に亘って円弧面等の曲面とすることも可能であるし、形状保持部材の表側端を、全長に亘って主面に直交する平坦面とすることも可能である。特に、製品の材質又は形状によっては、形状保持部材6,60にテーパ部61,62を設けず、面取りされていない角部が設けられていても、製品に傷が付いたり製品が破損したりすることはない。このため、かかる場合には形状保持部材6,60にテーパ部61,62を設けない構成とすることで、形状保持部材6,60の製造が容易となり好ましい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、形状保持部材6,60を帯状刃312,322の刃部301,304と板状部302,305との間の稜線303,306よりも裏側に配置する構成について述べたが、これに限定されるものではない。形状保持部材の表側端が、帯状刃の刃部と板状部との境界の稜線と同じ位置か、前記稜線よりも表側に位置づけることも可能である。但し、形状保持部材の表側端が、少なくとも加工対象のシート材の厚さ分は、帯状刃の刃先よりも裏側に位置づけられている必要がある。
本発明の打ち抜き型は、紙箱及びダンボール箱等に用いられるシート材を切断加工するための打ち抜き型として有用である。
1 打ち抜き型
2 基台
3 打ち抜き刃
4 シート材
5 トレイ
31 刃ユニット
311〜315 帯状刃
311a 前側部分
311b 円弧状部分
312a 端部
312c テーパ面
301 刃部
302 板状部
303 稜線
6 形状保持部材
61 テーパ部
7 中間部材

Claims (9)

  1. 2次元の環状を形成するように屈曲された第1帯状刃と、
    環状の一部が欠落した2次元形状を形成するように屈曲され、前記環状の欠落部分を前記第1帯状刃の一部で塞ぐように、その両端が前記第1帯状刃に当接される第2帯状刃と、
    前記第2帯状刃の両端のそれぞれに固着され、前記第2帯状刃の両端を繋ぐことにより、前記両端が互いに離反することを防ぐように前記第2帯状刃の形状を保持する形状保持部材と、
    を備える、
    打ち抜き型。
  2. 前記形状保持部材は、前記第2帯状刃の前記第1帯状刃に当接される面の反対面に固着されている、
    請求項1に記載の打ち抜き型。
  3. 前記第2帯状刃は、実質的に厚さが均一な板状部と、前記板状部に連続して設けられ、厚さが刃先へ向かうにしたがって小さくなる刃部と、を具備し、
    前記形状保持部材は、前記板状部と前記刃部との境界よりも前記板状部側に設けられている、
    請求項2に記載の打ち抜き型。
  4. 前記形状保持部材は、前記第2帯状刃の刃先側の端部が、先端に向かうにしたがって厚さが小さくなるように構成されている、
    請求項3に記載の打ち抜き型。
  5. 前記第1帯状刃と前記形状保持部材との間に配置される中間部材をさらに備える、
    請求項2乃至4の何れかに記載の打ち抜き型。
  6. 前記形状保持部材は、板状をなしている、
    請求項1乃至5の何れかに記載の打ち抜き型。
  7. 前記形状保持部材は、金属によって構成されており、前記第2帯状刃の両端に溶接されている、
    請求項1乃至6の何れかに記載の打ち抜き型。
  8. 前記形状保持部材は、前記第2帯状刃の端面に固着されている、
    請求項3に記載の打ち抜き型。
  9. 前記第2帯状刃は、実質的に厚さが均一な板状部と、前記板状部に連続して設けられ、厚さが刃先へ向かうにしたがって小さくなる刃部と、を具備し、
    前記形状保持部材は、前記板状部の厚さ以下の厚さを有する、
    請求項8に記載の打ち抜き型。
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