JP7229603B1 - 熱成形機 - Google Patents
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Abstract
Description
熱成形機で3列の容器を含む成形単位が、次工程のトリミング装置に搬送され、容器の大きさにトリミングされる。トリミング装置は、熱成形機と比較して高速であるため、3列同時に打ち抜くことはせずに、1列ごとに打ち抜いていく方式を採っている。この場合、熱成形機とトリミング装置との間には、成形済みのPETシートの撓みがバッファとして形成され、熱成形機とトリミング装置の稼働状態を調整している。
すなわち、結晶化されたPETは剛性が高いと共に、靭性が低下していて、割れやすくなっている。そのため、特にPETシートがトリミング装置に進入していくときの1列ごとに形成される撓みにより、容器の間のスクラップ部が大きく変形すると、大きく変形した部分で亀裂が発生する恐れがある。亀裂の発生によりトリミング工程への搬送が困難になるという問題、搬送されたとしても、亀裂の発生により容器の間の距離が変化するため、容器のトリミング位置が狂い、精度よく容器を打ち抜くことができない問題があった。
(1)連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、前記薄肉部形成手段は、冷却手段を有し、ヒートセット熱成形の時に、前記薄肉部を結晶化温度まで上昇させないこと、を特徴とする。ここで、ヒートセット熱成形とは、容器を結晶化させる熱成形を言う。
(2)(1)に記載する熱成形機において、前記薄肉部は、前記樹脂シートの一方の端面から他方の端面に渡って連続的に形成されていることを特徴とする。
(4)連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、前記薄肉部は、凸状突起の先端部に形成されていること、を特徴とする。
(5)連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、前記薄肉部形成手段は、冷却機構を備える先行クランプを有すること、を特徴とする。
(1)連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有することを特徴とするので、1列毎の容器の間に薄肉部が形成されているため、特に結晶化されたPETシートがトリミング装置に進入していくときの1列ごとに形成される撓みにより、容器の間のスクラップ部において、薄肉部が大きく変形可能であるため、亀裂が発生することがない。そして、亀裂が発生しないため、トリミング工程への搬送が困難になることがない。また、トリミング装置に供給される容器の間の距離が変化することがなく、容器のトリミング位置が狂うことがなく、精度よく容器を打ち抜くことができる。
図1に熱成形機3が使用される全体システムの構成を示す。樹脂シートS1は、供給ローラ1から供給される。供給ローラ1の下流に輻射式の加熱装置2が樹脂シートS1を挟んで上下に配置され、その下流直近にヒートセット熱成形を行う熱成形機3が配置されている。熱成形機3から一定距離離れてトリミング装置4が配置され、トリミング装置4の下流にスクラップシートS3を巻き取るための巻取ローラ5が配置されている。トリミング装置4でトリミングされた容器は、搬送コンベア7によりトリミング装置4の外に搬出され人手により集積される。
熱成形機3は、樹脂シートS1の幅方向で3個(3行)、搬送方向で3列の9個同時熱成形する熱成形機である。トリミング装置4は、幅方向3個(3行)、搬送方向で1列の3個打ち抜きを行うトリミング装置である。トリミング装置4のタクトタイムは、熱成形機3のタクトタイムと比べて3倍以上速いため、トリミング装置4は、オンオフ制御されており、熱成形機3とトリミング装置4都の間には、成形後の樹脂シートS2を撓ませて保持するバッファ部6が配置されている。
熱成形機3の主要部を図2に断面図で示す。雌型である上型20と雄型である下型30の間に樹脂シートS1が保持されている。樹脂シートS1と下型30の間には、先行クランプ40が配置されている。
また、下面の左端側にクランプ部24が形成され、雌型凹部21と雌型凹部22の間にクランプ部25が形成され、雌型凹部22と雌型凹部23の間にクランプ部26が形成され、右端側にクランプ部27が形成されている。
先行クランプ40の構成を図8に斜視図で示す。図9に、上型20、先行クランプ40、及び下型30の構成を分解斜視図で示す。
先行クランプ40の内部には、水冷用流路(図示せず)が形成されており、冷却水入口48と冷却水出口49が形成されている。先行クランプ40には、下型30の雄型凸部31A、31B、31Cに対応する位置に、開口部45A、45B、45Cが開口され、下型30の雄型凸部32A、32B、32Cに対応する位置に、開口部46A、46B、46Cが開口され、下型30の雄型凸部33A、33B、33Cに対応する位置に、開口部47A、47B、47Cが開口されている。
上型20のクランプ部25、及びクランプ部26の中間位置に凸状直線部25a、26aが各々形成されている。図9に示すように、凸状直線部42aは、凸状直線部25aに対向する位置にあり、凸状直線部43aは、凸状直線部26aに対向する位置にある。
本実施形態では、左端部41、及び右端部44には、凸状直線部を設けていないが、設けても良い。
次のクランプ工程を図3に示し、次工程である熱成形工程を図4に示す。さらに、図4のA部拡大図を図5に示す。
加熱された樹脂シートS1に対して、上型20が下降し、先行クランプ40が上昇することにより、上型20の右端部(クランプ部24)と先行クランプ40の左端部41が、樹脂シートS1を挟んで押圧し、図5に示すように、厚みW1=1.5mmとする。同様に、上型20の右端部(クランプ部27)と先行クランプ40の右端部44が、樹脂シートS1を挟んで押圧し、厚みW1=1.5mmとする。
上型20のクランプ部25と先行クランプ40の中間部42が、樹脂シートS1を挟んで押圧し、厚み1.5mmとするが、同時に中間部42の凸状直線部42aと、クランプ部25の凸状直線部25aが挟み込んだ樹脂シート部は、厚みW2=0.7mmの薄肉部S11を形成し、中間部43の凸状直線部43aと、クランプ部26の凸状直線部26aが挟み込んだ樹脂シート部は、厚みW2=0.7mmの厚みの薄肉部S12を形成する。薄肉部S11、S12の位置を図7に示す。
ここで、中間部42の凸状直線部42aと、クランプ部25の凸状直線部25aが挟み込んだ樹脂シート部、及び中間部43の凸状直線部43aと、クランプ部26の凸状直線部26aが挟み込んだ薄肉部S11、S12の近傍は、先行クランプ40が20℃の冷水で冷却されているため、上型20が190℃に加熱されても、ほぼ30~50℃まで加熱される程度なので、結晶化することなく、剛性が低いままで維持される。
9個の容器の成形されたグループG1とグループG2との間は、上型20と下型30との位置する部分が存在し、その部分は、熱成形機3で190℃まで加熱されないので、結晶化することがなく、剛性が低いため柔軟性があり、バッファ工程において樹脂シートS2を撓ませたときに、無理なく変形するため、亀裂が発生する恐れはない。
トリミング装置4では、1列ずつ打ち抜くため、トリミング装置4に入っていく時に、1列ずつの間が大きく撓むことがある。その場合であっても、薄肉部S11、S12は、薄肉であり変形しやすいこと、及び結晶化されておらず変形しやすいことが重なるため、容易に変形するため、亀裂が発生する恐れがない。
(1)連続的に供給される樹脂シートS1を熱成形することにより、樹脂シートS1の送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機3において、2列以上の容器の間にあって、送り方向と直交する方向に、薄肉部S11、S12を形成する先行クランプ40の凸状直線部42a、43a、及び上型20の凸状直線部25a、26aを有することを特徴とするので、1列毎の容器の間に薄肉部S11、S12が形成されているため、特に結晶化されたPETシートがトリミング装置4に進入していくときの1列ごとに形成される撓みにより、容器の間のスクラップ部において、薄肉部S11、S12が大きく変形可能であるため、亀裂が発生することがない。そして、亀裂が発生しないため、トリミング工程への搬送が困難になることがない。また、容器の間の距離が変化することがなく、容器のトリミング位置が狂うことがなく、精度よく容器を打ち抜くことができる。
第2の実施形態における、薄肉部S11、S12の形状、凸状直線部を図6に示す。上型20のクランプ部25においては、凸状ではなく凹状直線部25bが形成されている。凹状直線部25bの凹部の深さW5は、W5=4~5mmである。また、先行クランプ40の中間部42には、第1の実施形態の凸状直線部42aより高い高さを持つ凸状直線部42bが形成されている。
クランプ部25と中間部42の平面部は、W6=1.5mmの厚みの樹脂シートS2を形成する。凸状直線部42bは、凹状直線部25bに入り込んで凸状突起S23を形成する。同時に凸状突起S23の先端部に薄肉部S13を形成する。薄肉部S13の厚みは、W4=1mmである。クランプ部26と中間部43も同様であり、凸状突起が形成され、その先端部に薄肉部S14が形成される。
また、本実施形態では、薄肉部S11、S12を連続的に形成しているが、薄肉部S11、S12を断続的に形成しても良い。
3 熱成形機
4 トリミング装置
6 バッファ部
20 上型
25、26 クランプ部
25a、26a 凸状直線部
25b、26b 凹状直線部
30 下型
40 先行クランプ
42、43 中間部
42a、43a 凸状直線部
42b、43b 凸状直線部
S1 熱成形前の樹脂シート
S2 熱成形後の樹脂シート
S3 トリミング後の樹脂シート(スクラップ)
S11、S12 薄肉部
S13、S14 薄肉部
S23 凸状突起
Claims (5)
- 連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、
前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、
前記薄肉部形成手段は、冷却手段を有し、ヒートセット熱成形の時に、前記薄肉部を結晶化温度まで上昇させないこと、
を特徴とする熱成形機。 - 請求項1に記載する熱成形機において、
前記薄肉部は、前記樹脂シートの一方の端面から他方の端面に渡って連続的に形成されていることを特徴とする熱成形機。 - 連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、
前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、
前記薄肉部は、両面に対向して形成された凹部を有すること、
を特徴とする熱成形機。 - 連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、
前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、
前記薄肉部は、凸状突起の先端部に形成されていること、
を特徴とする熱成形機。 - 連続的に供給される樹脂シートを熱成形することにより、前記樹脂シートの送り方向に2列以上の容器を同時に成形する熱成形機において、
前記2列以上の容器の間にあって、前記送り方向と直交する方向に、薄肉部を形成する薄肉部形成手段を有すること、
前記薄肉部形成手段は、冷却機構を備える先行クランプを有すること、
を特徴とする熱成形機。
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