JP5305693B2 - 容器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、食品容器等として使用される、熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートが用いられてなる容器、詳しくは、該発泡積層シートを用いて成形することにより、収容凹部と該収容凹部から外側に向けて張り出した突出部とが形成されてなる容器に関する。
従来、熱可塑性樹脂発泡シートに、非発泡の熱可塑性樹脂フィルムを積層した発泡積層シートを用いて成形された容器は、優れた断熱性及び軽量性を備え且つ低価格であるといった熱可塑性樹脂発泡シート製容器(例えば、スチレン系樹脂発泡シート製容器)の特性の他、熱可塑性樹脂フィルムが積層されていることにより、容器強度が向上し、表面が平滑となり、かつ各種の印刷を施すことが可能となる等の特徴が加味され、弁当、惣菜等の食品容器等に使用されている。
そして、この種の発泡積層シートを用いた容器は、通常、シート成形により製造されている。即ち、発泡積層シートを加熱し、これを雄型と雌型との間に送り、該雄型と雌型とで挟み押圧することにより該シートに凹形状(容器形状)を形成させた後、凹形状が形成されている部位の外側をトリミング刃等による打ち抜き等によって切断し、シートから凹部及び該凹部から外側に向けて張り出したフランジ状の突出部を分断するシート成形により製造されている。
ところで、上記の如き容器に於いては、フランジ状の突出部の外側に蓋体が外嵌装着されたり、この突出部の外側端部を覆い隠すようにラップフィルムが被せられて使用されたりしており、下記特許文献1には、外側から内側へと凹入させた係合凹所を有する蓋体を容器本体部に止着させることが記載されている。
すなわち、内側に突出する突起部を蓋体に設けて、該突起部をフランジ状の突出部に係合させて蓋体を容器本体部に外嵌させることが下記特許文献1に記載されている。
上述のごとく、斯かる容器は、トリミング刃等で打ち抜いて製造されるため、熱可塑性樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの硬さの差により、切断面(外側端面)に於いて硬い熱可塑性樹脂フィルムが柔らかい熱可塑性樹脂発泡シートよりも外側に突き出た状態となり、且つ熱可塑性樹脂フィルムの切断面の形状が鋭利になりやすく、容器に触れた際に、硬いフィルムで指等を裂傷する虞がある。
このような問題に対し、下記特許文献2には、フィルム端縁で指等を裂傷するという課題を解決するために、突出部の端縁部を熱盤と接触させて又は熱線に曝して熱収縮させ、該突出部の外側端面(切断面)上下の角を丸く処理することが開示されている。
しかしながら、このように熱収縮させる処理が施された容器は、熱による収縮量の調整が困難であることから、寸法精度の良好なものとは言い難いものである。
更に、熱盤と接触させたものに於いては、熱盤に樹脂カスが付着し易く、これら樹脂カスが外側端面部に付着することもあり、かえって硬い樹脂カスが裂傷などを引き起こすという問題も有している。
また、下記特許文献3には、フィルム端縁で指等を裂傷するという課題を解決するために、突出部の上下面にジグザグとなる凹凸を形成させることが記載されている。
しかし、このように突出部の上下面にジグザグとなる凹凸を形成すると、蓋体を外嵌させる際に突起部が係合される突出部の下面側にも凹凸形状が形成されることとなる。
特に、熱可塑性樹脂フィルムが内表面となるように発泡積層シートを成形した容器本体部の突出部の下面側に凹凸形状を形成させると、蓋体の突起部が、突出部の下面側の発泡シート表面に形成された凸部先端と接触することとなるため、凸部が潰れやすく、強固な係合状態を形成させることが困難となる。
すなわち、従来の容器構成では、発泡積層シートを成形した容器において、端縁部での怪我を防止しつつ蓋体などを強固に止着させることが困難であるという問題を有している。
また、従来の容器製造方法は、端縁部での怪我が抑制され、蓋体などが強固に止着され得る容器を簡便なる方法で製造することが困難であるという問題を有している。
特開平7−285531号公報 特開平9−94875号公報 特開2004−67122号公報
本発明は、断熱性に優れた発泡積層シートを成形してなる容器において、端縁部での怪我を防止しつつ蓋体を強固に止着させうる容器の提供を課題としている。
前記課題を解決するための容器にかかる本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートが用いられ、前記熱可塑性樹脂フィルムが内表面側となるように前記発泡積層シートが成形加工されて、被収容物が収容される収容凹部と、該収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した突出部とが形成された容器本体部を有する容器であって、前記突出部の端縁部の上面が収容凹部の開口縁近傍の突出部の上面に比して下位となるように、突出部の端縁部において前記熱可塑性樹脂発泡シートが圧縮されて厚みが薄くなっており、しかも、該突出部の少なくとも端縁部の上面側には、凸形状の高さが0.1〜1mmとなり隣り合う凸形状の間隔が0.5〜5mmとなるように凹凸形状が形成され、且つ該端縁部の下面側が平坦に形成されていることを特徴としている。
本発明の容器は、熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートが用いられて形成されており、断熱性に優れた容器である。また、前記熱可塑性樹脂フィルムが内表面側となるように前記発泡積層シートが成形加工されて形成されている。
そして、本発明の容器は、前記発泡積層シートが成形加工されて、被収容物が収容される収容凹部と、該収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した突出部とが形成された容器本体部を有している。
さらに、突出部の上面側には前記熱可塑性樹脂フィルムが配され、下面側には熱可塑性樹脂発泡シートが配され、熱可塑性樹脂フィルムが配される端縁部の上面側に凹凸形状を形成させ且つ熱可塑性樹脂発泡シートの配される下面側を平坦に形成させている。
したがって、断熱性に優れ、上面側に凹凸形状を形成させて熱可塑性樹脂フィルムの端縁を上下にジグザグとなるように形成させることにより利用者の怪我などを抑制させ、下面側が平坦に形成されていることから蓋体を外嵌させる際に強固な係合状態を形成できる。
すなわち、本発明の容器は、端縁部での怪我を防止しつつ蓋体などを強固に止着させうる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について蓋付容器を例示しつつ説明する。
図1は、本実施形態における蓋付容器を示す斜視図であり、図中の符号1は、蓋付容器を示している。
図中の符号10は、容器本体部を示しており、20は、該容器本体部10とともに蓋付容器1を構成する蓋体である。
図2は、前記容器本体部10の端縁の様子を説明すべく、図中の丸印“A”部を拡大して示した斜視図である。
また、図3は、図1における蓋体20のX−X’線矢視断面図ならびに容器本体部10のY−Y’線矢視断面図である。
以下に、この図1乃至3を参照しつつ蓋付容器1の各部の詳細構造について説明する。
まず、容器本体部10について説明する。
本実施形態の容器本体部10は、底部11と、該底部11から立設された側周壁部12と、該側周壁部の上端縁13から外側に向けて張り出した突出部14とを有している。
前記底部11は、前記容器本体部10に被収容物を収容させるべく設けられた収容凹部の底を形成すべく設けらており、本実施形態においては、角部が丸められた(Rが設けられた)正方形に形成されている。
前記側周壁部12は、前記底部11の外周縁からやや外向きに傾斜された状態に立設されており、本実施形態の蓋付容器1においては、該側周壁部12と前記底部11とにより被収容物を収容するための収容凹部が形成されている。
すなわち、本実施形態の容器本体部10は、前記側周壁部12の上端縁13がこの収容凹部の開口縁となるように形成されている。
前記突出部14は、この側周壁部12の上端縁13(以下「開口縁13」ともいう)から外側に張り出して形成されており、該突出部14は、開口縁13からの突出長さが開口縁13全周において略均一となるように形成されており、その外周縁の形状が角部が丸められた正方形となるとなるように形成されている。
この突出部14の端縁部15には凹凸形状が形成されており、突出部14の端面は、図2にも示されているように上部側の輪郭線が波形となり、下部側の輪郭線が直線となるように形成されている。
すなわち、突出部14の端縁部15の上面側15uには、断面形状が波形となる突起15aが突出部14の端縁に沿って複数列設されて前記凹凸形状が形成されている。
そして、この端縁部15の下面側15dは、平坦に形成されている。
前記容器本体部10は、熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートが用いられて形成されており、しかも、前記熱可塑性樹脂フィルムが内表面側となるように前記発泡積層シートが成形加工されて形成されている。
すなわち、収容凹部の内表面から突出部14の上面側にかけての領域が、前記端縁部15の上面側15uを含めて熱可塑性樹脂フィルムで形成されており、前記底部11の外表面(裏面)から突出部14の下面側にかけての領域が、前記端縁部15の下面側15dを含めて熱可塑性樹脂発泡シートで形成されている。
前記容器本体部10は、前記突出部14の端縁部15において、前記熱可塑性樹脂発泡シートが圧縮された状態となっており、前記波形の突起15aの高さ(図2、図3の“h1”)が0.1〜1mmとなり、隣り合う突起15aの間隔が0.5〜5mmとなるように形成されていることが怪我防止の観点から好ましい。
そして、前記端縁部15の上面は、収容凹部の開口縁13近傍の突出部14の上面に比べて下位となるように端縁部15が圧縮された状態となっている。
すなわち、前記突出部14は、開口縁13近傍から端縁部15にかけて厚みが減少されており、この厚みが減少している領域において丸みを帯びた形状が形成されている。
このように、突出部14の上面側に前記熱可塑性樹脂フィルムが配され、下面側には熱可塑性樹脂発泡シートが配され、しかも、端縁部15の上面側15uに凹凸形状が形成され且つ下面側15dが平坦に形成されていることから前記蓋体20を外嵌させる際にこの平坦に形成された端縁部15の下面側15dに強固な係合状態を形成させることができる。
しかも、熱可塑性樹脂フィルムの端縁を上下にジグザグとなるように形成させることにより利用者の怪我などを防止できる。
この容器本体部10の形成に用いられる発泡積層シートは、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
例えば、スチレン樹脂単独、あるいは、スチレンモノマーと共重合可能なブタジエンなどのモノマーとスチレンモノマーとの共重合体樹脂単独、または、スチレン樹脂と前記共重合体樹脂との混合物、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを、ブタンやペンタンなどの物理的発泡剤や、アゾジカルボンアミドなどの化学的発泡剤とともに押出機で混練して押出し発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させたものを挙げることができる。
なお、一般的な用途の容器に用いる場合には、前記熱可塑性樹脂発泡シートは、その厚みが1〜3mmのいずれかの厚みとされることが好ましく、坪量が、80〜550g/m3のいずれかとされることが好適であるが、このような範囲を超えたものも適宜採用することが可能である。
この熱可塑性樹脂発泡シートの片面に積層される熱可塑性樹脂フィルムには、例えば、熱可塑性樹脂発泡シートに用いられたスチレン樹脂や共重合体樹脂が用いられてなるフィルムや、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂が用いられてなるフィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂が用いられてなるフィルム、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂などのガスバリア性に優れた樹脂が用いられてなるフィルムをそれぞれ単独で用いることができる。
あるいは、これらのフィルムどうしを複合させたフィルム(複合フィルム)を熱可塑性樹脂フィルムとして用いることができる。
また、要すれば、これらの単独のフィルムあるいは複合フィルムに和紙や金属フィルムなど熱可塑性樹脂以外の素材で形成されたフィルム状物を積層させた積層フィルムも熱可塑性樹脂フィルムとして用いることが可能である。
なお、前記熱可塑性樹脂フィルムは、例えば、数μm〜数百μmの厚みのものを用いることができる。
次に、蓋体20について説明する。
本実施形態の蓋付容器1の蓋体20には、該蓋体20の天井部を形成する天井壁部21と、該天井壁部21の外周縁から垂設された側周壁部22とが形成されている。
また、前記蓋体20には、前記側周壁部22の下端縁23から外方に向けて張り出した状態に形成され、前記容器本体部10の突出部14と面接される面接部24と、該面接部24の外周縁から垂設された垂直壁部25が形成されている。
さらに、前記蓋体20には、前記垂直壁部25の下端縁から外方に向けて張り出したつば部26と、前記垂直壁部25の一部を他部よりも内側に向けて突出させて形成された突起部27とが設けられている。
前記天井壁部21は、前記容器本体部10の底部11と略同形に形成されている。
前記側周壁部22は、外方に広がった状態に形成されて、その下端縁23が、容器本体部10の収容凹部の開口縁13に重なり合うように形成されている。
前記面接部24は、容器本体部10の収容凹部の開口縁13から突出部14の端縁部15までの突出長さとほぼ同じ長さで側周壁部22の下端縁から外方に向けて張り出して形成されている。
また、この面接部24の外周縁の形状は、容器本体部10の突出部14の外周縁と略同形となるように形成されている。
すなわち、外周縁が、角部が丸められた正方形となるよう形成されている。
前記垂直壁部25は、面接部24の外周縁から垂直方向下方に垂設された状態に形成されている。
すなわち、この垂直壁部25は、正面視の形状が容器本体部10の突出部14の外周縁と略同形となる角部に丸みを有する四角枠形状となるように形成されている。
前記突起部27は、図3にも示されているように、断面が内側に向けて突出した円弧状となる形状を有しており、前記垂直壁部25の下端近傍に形成されている。
また、前記突起部27は、前記容器本体部10の突出部14の四つの角部において端縁部15と係合されるべく、前記垂直壁部25の四つの角部に設けられている。
この蓋体20は、その素材が特に限定されるものではないが、通常、透明な樹脂フィルムなどを用いて形成しうる。
次いで、図4を参照しつつ、蓋体20を容器本体部10に外嵌させる方法について説明する。
前述のように、垂直壁部25は、容器本体部10の突出部14の外周縁と略同形に形成された四角枠形状を有しており、前記突起部27は、この垂直壁部25の一部を他部よりも内側に突出させて形成されている。
したがって、図4a)に示すように蓋体20を容器本体部10に外嵌する前には、前記突起部27の内面が、容器本体部10の突出部14の上面に当接する状態となっている。
この状態で、蓋体20を上方から下方に向けて押圧することにより、図4b)に示すように、突出部14の開口縁13近傍から端縁部15にかけて形成されている丸みを帯びた形状の箇所に前記突起部27の内面が圧接されて、垂直壁部25外方に広がるように変形することともに容器本体部10の突出部14が僅かに下方に撓んだ状態に変形する。
さらに押圧を続けることにより、突起部27は、突出部14の丸みを帯びた形状に沿ってその当接箇所が下方に移動され、やがて突起部27が突出部14の端縁部15よりも下方に移動して、図4c)に示すように、垂直壁部25ならびに突出部14の復元力により端縁部15の下面側15dにまわり込んだ状態となる。
このとき、突出部14の上面が蓋体20の面接部24に面接された状態となるとともに、端縁部15の下面側15dが突起部27の上端部に当接された状態となる。
このように、突出部14の端縁部15と突起部27とが係合されることにより、蓋体20を容器本体部10に強固に止着させうる。
なお、本実施形態で例示しているような蓋付容器1ではなく、容器本体部10をラップフィルムなどで覆って収容凹部を密封するような場合においても、端縁部15の下面側15dが平坦に形成されていることで下面側に凹凸が形成されているような場合に比べてその密着性を向上させうる。
したがって、ラップフィルムなどの止着にも優れた効果が発揮されることとなる。
次いで、容器本体部10を上記のような蓋体20などが強固に止着され得るように形成させて容器を製造する容器製造方法について、図5乃至9を参照しつつ説明する。
図5は、前記容器本体部10の形成に用いられる金型の内の雄型の形状を説明するための斜視図であり、図6は、この図5のP−P’線矢視断面図を表している。
この図5、図6における符号100は、雄型を示しており、101は、この雄型100の基準面を示している。
また、図7は、前記容器本体部10の形成に用いられる金型の内の雌型の形状を説明するための斜視図であり、図8は、この図7のQ−Q’線矢視断面図を表している。
この図7、図8における200は、この雌型を示しており、201は、この雌型200の基準面を示している。
また、図9は、この雄型と雌型とを用いて、発泡積層シートを成型加工する様子を示した断面図である。
まず、雄型100について説明する。
この雄型100には、容器本体部10の形成に用いられる箇所の最も外側部分に位置する箇所に、前記容器本体部10の端縁部15に凹凸形状を形成させるための凹凸形成部102が備えられている。
また、この凹凸形成部102の内側には、端縁部15以外の突出部14を形成するための突出部形成部103が備えられている。
さらに、この突出部形成部103の内側に容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させるための隆起部104が備えられている。
前記凹凸形成部102は、端縁部15の上面側15uに波形の突起15aを形成させるべく、前記容器本体部10の端縁部15に位置する箇所に備えられており、前記波形の突起15aとは逆形状となる凹凸形状が形成されている。
また、凹凸形成部102は、突出部14の端縁部15と同じく、角部の丸められた正方形を形成させた状態で雄型100に設けられており、その凹凸形状を前記基準面101よりも上方に突出させて形成されている。
前記突出部形成部103は、前記凹凸形成部102の内側において前記基準面101よりも僅かに低位のレベル(掘り込まれた状態)となるように形成されている。
前記隆起部104は、容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させるべく、前記基準面101よりも突出された状態に形成されており、前記突出部形成部103の内側の領域を容器本体部10の収容凹部の逆形状となる略四角錐台形状となるように突出させて形成されている。
次いで、雌型200について説明する。
この雌型200には、容器本体部10の形成に用いられる箇所の最も外側部分に位置する箇所に前記容器本体部10の端縁部15の下面側15dを平坦な状態に形成させための平坦面形成部202が備えられている。
また、この平坦面形成部202の内側には、突出部形成部103とともに容器本体部10の突出部14を形成するための突出部形成部203が備えられている。
さらに、雌型200には、前記雄型100の隆起部104とともに、容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させる掘り込み部204が備えられている。
前記平坦面形成部202は、前記容器本体部10の端縁部15に位置する箇所に設けられ、端縁部15の下面側15dを平坦な状態に形成させるべく平坦に形成されており前記基準面201と同一レベルとなるように雌型200に形成されている。
すなわち、平坦面形成部202は、前記基準面201と面一な状態で雌型200に設けられている。
前記突出部形成部203は、前記平坦面形成部202の内側に形成されており、前記基準面201よりも僅かに上位のレベル(突出した状態)となるように形成されている。
前記り込み部204は、前記雄型100の隆起部104とともに、容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させるべく、前記突出部形成部203の内側の領域を前記基準面201に対して凹入させた状態に形成されている。
また、掘り込み部204は、前記雄型100の隆起部104よりも一回り(容器の厚み分)大きな略四角錐台形状に掘り込まれた状態となるように形成されている。
このような雄型100と雌型200を用いて、シート成形法によって上記のような容器本体部10を形成させて容器を製造する容器製造方法の具体的な手順について図9を参照しつつ説明する。
前記雄型100を前記隆起部104などが下面側となるように雌型200の上方に配置するとともに、前記雌型200を前記掘り込み部204が上面側となるように雄型100の下方に配置して、互いの位置を合わせた状態で上下に配置する。
そして、発泡積層シートSを、用いられている樹脂がある程度軟化され得る温度に加熱し、しかも、熱可塑性樹脂フィルム側が上面となるように(熱可塑性発泡シート側が下面となるように)して、この上下に配置した金型(雄型、雌型)の間に挿入させる(図9a)。
そして、雄型100と雌型200とにより発泡積層シートSを挟んで成形する(図9b)。
この成形においては、前記隆起部104を前記掘り込み部204に侵入させて容器本体部10の収容凹部となる形状を発泡積層シートSに形成させるとともに、雄型100の突出部形成部103と雌型200の突出部形成部203とによって収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した状態となるように突出部14を形成させる。
また、同時に前記の前記凹凸形成部102と前記平坦面形成部202とによりこの突出部14の端縁部15を上面側が凹凸形状となり且つ下面側が平坦となるように形成させる。
このようにして容器本体部10の各部形状を有する成形部Pを発泡積層シートSに形成させた後は、雄型100と雌型200とを離間させて(図9c)、前記成形部Pの外周に沿った切断箇所Cをトリミング刃などにより切断して発泡積層シートSから成形部Pを分断させる。
このように成形部Pを発泡積層シートSから分断したものをそのまま容器本体部10とすることができ、要すれば、分断されたものに新たなる加工を施して容器本体部10とすることも可能である。
上記に説明したように、前記突出部14の形成に用いられる箇所に凹凸形状が形成されている雄型100と、前記突出部14の形成に用いられる箇所が平坦に形成されている雌型200とを用いて、熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートSを成型加工し、しかも、雄型100を前記熱可塑性樹脂フィルム側から当接させ、前記雌型200を前記熱可塑性樹脂発泡シート側から当接させて成型加工することにより前記突出部14の端縁部15の上面側15uに凹凸形状が形成された容器本体部を形成させて容器を製造することにより、収容凹部などの形成と同時に裂傷を防止するための構造(凹凸形状)をあわせて端縁部15に形成させることができる。
すなわち、端縁部での怪我が抑制され、蓋体などが強固に止着され得る容器を簡便なる方法で製造しうる。
なお、本実施形態においては、本発明の効果をより顕著に発揮させ得る点において、蓋付容器を例示して本発明を説明しているが、本発明は、容器を蓋付容器に限定するものではない。
例えば、ラップフィルムなどによって収容凹部の開口部が覆われて用いられるような容器も本発明の意図する範囲である。
また、本実施形態においては、断面形状が波型の突起が突起部の端縁部に沿って列設されている場合を例示しているが、このような突起に代えて、溝を端縁部に沿って列設させて突出部の端縁部の上面側に凹凸形状を形成させても良く、その形状も、波形に限定されるものではない。
ただし、形成する突起や溝の形状が複雑になると製造に要する手間を増大させるおそれがある。
したがって、より簡便に容器を製造させうる点において、形成させる突起や溝の断面形状としては、上記例示の波形の他に、鋸歯形、半円形のいずれかであることが好ましい。
また、これらを組み合わせて用いることも可能である。
さらには、本実施形態においては、線状の突起を外側に向けて延在させている場合を例示しているが、その延在方向も外側方向に限定されるものではない。
例えば、線状の突起や線状の溝を、容器の中心部から外方に向けた方向に対して傾斜する方向に延在させたり、互いに交差させたりして凹凸形状を形成させることも可能である。
また、本明細書には詳述しないが、従来公知の技術事項を本発明の効果が損なわれない範囲において、本発明の容器ならびに容器製造方法に採用することが可能である。
一実施形態の容器を示す斜視図。 容器本体部の端縁部の構造を詳細に示した斜視図。 a)図1のX−X’線矢視断面図、b)図1のY−Y’線矢視断面図。 蓋体を容器本体部に外嵌させる方法を示す断面図。 一実施形態の容器製造方法に用いる金型(雄型)を示す斜視図。 図5のP−P’線矢視断面図。 一実施形態の容器製造方法に用いる金型(雌型)を示す斜視図。 図7のQ−Q’線矢視断面図。 一実施形態の容器製造方法を示す断面図。
符号の説明
1 蓋付容器
10 容器本体部
11 底部
12 側周壁部
13 開口縁
14 突出部
15 端縁部
15a 突起
15d 下面側
15u 上面側
20 蓋体
21 天井壁部
22 側周壁部
23 下端縁
24 面接部
25 垂直壁部
27 突起部
100 雄型
101 基準面
102 凹凸形成部
103 突出部形成部
104 隆起部
200 雌型
201 基準面
202 平坦面形成部
203 突出部形成部
204 掘り込み部
C 切断箇所
P 成形部
S 発泡積層シート

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートが用いられ、前記熱可塑性樹脂フィルムが内表面側となるように前記発泡積層シートが成形加工されて、被収容物が収容される収容凹部と、該収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した突出部とが形成された容器本体部を有する容器であって、
    前記突出部の端縁部の上面が収容凹部の開口縁近傍の突出部の上面に比して下位となるように、突出部の端縁部において前記熱可塑性樹脂発泡シートが圧縮されて厚みが薄くなっており、しかも、該突出部の少なくとも端縁部の上面側には、凸形状の高さが0.1〜1mmとなり隣り合う凸形状の間隔が0.5〜5mmとなるように凹凸形状が形成され、且つ該端縁部の下面側が平坦に形成されていることを特徴とする容器。
  2. 前記突出部の端縁部に係合される突起部が設けられ、該突起部を前記端縁部に係合させて前記容器本体部に外嵌される蓋体が備えられている蓋付容器である請求項1記載の容器。
  3. 断面形状が波形、鋸歯形、半円形のいずれかの形状を有する線状の突起あるいは溝が、互いに交差された状態、または、交差されていない状態で前記突出部の端縁部に沿って列設されて前記凹凸形状が形成されている請求項1または2記載の容器。
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