JP5305693B2 - 容器 - Google Patents
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Description
すなわち、内側に突出する突起部を蓋体に設けて、該突起部をフランジ状の突出部に係合させて蓋体を容器本体部に外嵌させることが下記特許文献1に記載されている。
しかしながら、このように熱収縮させる処理が施された容器は、熱による収縮量の調整が困難であることから、寸法精度の良好なものとは言い難いものである。
更に、熱盤と接触させたものに於いては、熱盤に樹脂カスが付着し易く、これら樹脂カスが外側端面部に付着することもあり、かえって硬い樹脂カスが裂傷などを引き起こすという問題も有している。
しかし、このように突出部の上下面にジグザグとなる凹凸を形成すると、蓋体を外嵌させる際に突起部が係合される突出部の下面側にも凹凸形状が形成されることとなる。
特に、熱可塑性樹脂フィルムが内表面となるように発泡積層シートを成形した容器本体部の突出部の下面側に凹凸形状を形成させると、蓋体の突起部が、突出部の下面側の発泡シート表面に形成された凸部先端と接触することとなるため、凸部が潰れやすく、強固な係合状態を形成させることが困難となる。
すなわち、従来の容器構成では、発泡積層シートを成形した容器において、端縁部での怪我を防止しつつ蓋体などを強固に止着させることが困難であるという問題を有している。
また、従来の容器製造方法は、端縁部での怪我が抑制され、蓋体などが強固に止着され得る容器を簡便なる方法で製造することが困難であるという問題を有している。
そして、本発明の容器は、前記発泡積層シートが成形加工されて、被収容物が収容される収容凹部と、該収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した突出部とが形成された容器本体部を有している。
さらに、突出部の上面側には前記熱可塑性樹脂フィルムが配され、下面側には熱可塑性樹脂発泡シートが配され、熱可塑性樹脂フィルムが配される端縁部の上面側に凹凸形状を形成させ且つ熱可塑性樹脂発泡シートの配される下面側を平坦に形成させている。
したがって、断熱性に優れ、上面側に凹凸形状を形成させて熱可塑性樹脂フィルムの端縁を上下にジグザグとなるように形成させることにより利用者の怪我などを抑制させ、下面側が平坦に形成されていることから蓋体を外嵌させる際に強固な係合状態を形成できる。
すなわち、本発明の容器は、端縁部での怪我を防止しつつ蓋体などを強固に止着させうる。
図1は、本実施形態における蓋付容器を示す斜視図であり、図中の符号1は、蓋付容器を示している。
図中の符号10は、容器本体部を示しており、20は、該容器本体部10とともに蓋付容器1を構成する蓋体である。
図2は、前記容器本体部10の端縁の様子を説明すべく、図中の丸印“A”部を拡大して示した斜視図である。
また、図3は、図1における蓋体20のX−X’線矢視断面図ならびに容器本体部10のY−Y’線矢視断面図である。
まず、容器本体部10について説明する。
本実施形態の容器本体部10は、底部11と、該底部11から立設された側周壁部12と、該側周壁部の上端縁13から外側に向けて張り出した突出部14とを有している。
前記側周壁部12は、前記底部11の外周縁からやや外向きに傾斜された状態に立設されており、本実施形態の蓋付容器1においては、該側周壁部12と前記底部11とにより被収容物を収容するための収容凹部が形成されている。
すなわち、本実施形態の容器本体部10は、前記側周壁部12の上端縁13がこの収容凹部の開口縁となるように形成されている。
この突出部14の端縁部15には凹凸形状が形成されており、突出部14の端面は、図2にも示されているように上部側の輪郭線が波形となり、下部側の輪郭線が直線となるように形成されている。
すなわち、突出部14の端縁部15の上面側15uには、断面形状が波形となる突起15aが突出部14の端縁に沿って複数列設されて前記凹凸形状が形成されている。
そして、この端縁部15の下面側15dは、平坦に形成されている。
すなわち、収容凹部の内表面から突出部14の上面側にかけての領域が、前記端縁部15の上面側15uを含めて熱可塑性樹脂フィルムで形成されており、前記底部11の外表面(裏面)から突出部14の下面側にかけての領域が、前記端縁部15の下面側15dを含めて熱可塑性樹脂発泡シートで形成されている。
そして、前記端縁部15の上面は、収容凹部の開口縁13近傍の突出部14の上面に比べて下位となるように端縁部15が圧縮された状態となっている。
すなわち、前記突出部14は、開口縁13近傍から端縁部15にかけて厚みが減少されており、この厚みが減少している領域において丸みを帯びた形状が形成されている。
しかも、熱可塑性樹脂フィルムの端縁を上下にジグザグとなるように形成させることにより利用者の怪我などを防止できる。
例えば、スチレン樹脂単独、あるいは、スチレンモノマーと共重合可能なブタジエンなどのモノマーとスチレンモノマーとの共重合体樹脂単独、または、スチレン樹脂と前記共重合体樹脂との混合物、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを、ブタンやペンタンなどの物理的発泡剤や、アゾジカルボンアミドなどの化学的発泡剤とともに押出機で混練して押出し発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させたものを挙げることができる。
なお、一般的な用途の容器に用いる場合には、前記熱可塑性樹脂発泡シートは、その厚みが1〜3mmのいずれかの厚みとされることが好ましく、坪量が、80〜550g/m3のいずれかとされることが好適であるが、このような範囲を超えたものも適宜採用することが可能である。
あるいは、これらのフィルムどうしを複合させたフィルム(複合フィルム)を熱可塑性樹脂フィルムとして用いることができる。
また、要すれば、これらの単独のフィルムあるいは複合フィルムに和紙や金属フィルムなど熱可塑性樹脂以外の素材で形成されたフィルム状物を積層させた積層フィルムも熱可塑性樹脂フィルムとして用いることが可能である。
なお、前記熱可塑性樹脂フィルムは、例えば、数μm〜数百μmの厚みのものを用いることができる。
本実施形態の蓋付容器1の蓋体20には、該蓋体20の天井部を形成する天井壁部21と、該天井壁部21の外周縁から垂設された側周壁部22とが形成されている。
また、前記蓋体20には、前記側周壁部22の下端縁23から外方に向けて張り出した状態に形成され、前記容器本体部10の突出部14と面接される面接部24と、該面接部24の外周縁から垂設された垂直壁部25が形成されている。
さらに、前記蓋体20には、前記垂直壁部25の下端縁から外方に向けて張り出したつば部26と、前記垂直壁部25の一部を他部よりも内側に向けて突出させて形成された突起部27とが設けられている。
前記側周壁部22は、外方に広がった状態に形成されて、その下端縁23が、容器本体部10の収容凹部の開口縁13に重なり合うように形成されている。
また、この面接部24の外周縁の形状は、容器本体部10の突出部14の外周縁と略同形となるように形成されている。
すなわち、外周縁が、角部が丸められた正方形となるよう形成されている。
すなわち、この垂直壁部25は、正面視の形状が容器本体部10の突出部14の外周縁と略同形となる角部に丸みを有する四角枠形状となるように形成されている。
前記突起部27は、図3にも示されているように、断面が内側に向けて突出した円弧状となる形状を有しており、前記垂直壁部25の下端近傍に形成されている。
また、前記突起部27は、前記容器本体部10の突出部14の四つの角部において端縁部15と係合されるべく、前記垂直壁部25の四つの角部に設けられている。
前述のように、垂直壁部25は、容器本体部10の突出部14の外周縁と略同形に形成された四角枠形状を有しており、前記突起部27は、この垂直壁部25の一部を他部よりも内側に突出させて形成されている。
したがって、図4a)に示すように蓋体20を容器本体部10に外嵌する前には、前記突起部27の内面が、容器本体部10の突出部14の上面に当接する状態となっている。
このとき、突出部14の上面が蓋体20の面接部24に面接された状態となるとともに、端縁部15の下面側15dが突起部27の上端部に当接された状態となる。
このように、突出部14の端縁部15と突起部27とが係合されることにより、蓋体20を容器本体部10に強固に止着させうる。
なお、本実施形態で例示しているような蓋付容器1ではなく、容器本体部10をラップフィルムなどで覆って収容凹部を密封するような場合においても、端縁部15の下面側15dが平坦に形成されていることで下面側に凹凸が形成されているような場合に比べてその密着性を向上させうる。
したがって、ラップフィルムなどの止着にも優れた効果が発揮されることとなる。
この図5、図6における符号100は、雄型を示しており、101は、この雄型100の基準面を示している。
また、図7は、前記容器本体部10の形成に用いられる金型の内の雌型の形状を説明するための斜視図であり、図8は、この図7のQ−Q’線矢視断面図を表している。
この図7、図8における200は、この雌型を示しており、201は、この雌型200の基準面を示している。
また、図9は、この雄型と雌型とを用いて、発泡積層シートを成型加工する様子を示した断面図である。
この雄型100には、容器本体部10の形成に用いられる箇所の最も外側部分に位置する箇所に、前記容器本体部10の端縁部15に凹凸形状を形成させるための凹凸形成部102が備えられている。
また、この凹凸形成部102の内側には、端縁部15以外の突出部14を形成するための突出部形成部103が備えられている。
さらに、この突出部形成部103の内側に容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させるための隆起部104が備えられている。
また、凹凸形成部102は、突出部14の端縁部15と同じく、角部の丸められた正方形を形成させた状態で雄型100に設けられており、その凹凸形状を前記基準面101よりも上方に突出させて形成されている。
前記隆起部104は、容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させるべく、前記基準面101よりも突出された状態に形成されており、前記突出部形成部103の内側の領域を容器本体部10の収容凹部の逆形状となる略四角錐台形状となるように突出させて形成されている。
この雌型200には、容器本体部10の形成に用いられる箇所の最も外側部分に位置する箇所に前記容器本体部10の端縁部15の下面側15dを平坦な状態に形成させための平坦面形成部202が備えられている。
また、この平坦面形成部202の内側には、突出部形成部103とともに容器本体部10の突出部14を形成するための突出部形成部203が備えられている。
さらに、雌型200には、前記雄型100の隆起部104とともに、容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させる掘り込み部204が備えられている。
すなわち、平坦面形成部202は、前記基準面201と面一な状態で雌型200に設けられている。
前記り込み部204は、前記雄型100の隆起部104とともに、容器本体部10の側周壁部12と底部11とを形成させるべく、前記突出部形成部203の内側の領域を前記基準面201に対して凹入させた状態に形成されている。
また、掘り込み部204は、前記雄型100の隆起部104よりも一回り(容器の厚み分)大きな略四角錐台形状に掘り込まれた状態となるように形成されている。
そして、発泡積層シートSを、用いられている樹脂がある程度軟化され得る温度に加熱し、しかも、熱可塑性樹脂フィルム側が上面となるように(熱可塑性発泡シート側が下面となるように)して、この上下に配置した金型(雄型、雌型)の間に挿入させる(図9a)。
この成形においては、前記隆起部104を前記掘り込み部204に侵入させて容器本体部10の収容凹部となる形状を発泡積層シートSに形成させるとともに、雄型100の突出部形成部103と雌型200の突出部形成部203とによって収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した状態となるように突出部14を形成させる。
また、同時に前記の前記凹凸形成部102と前記平坦面形成部202とによりこの突出部14の端縁部15を上面側が凹凸形状となり且つ下面側が平坦となるように形成させる。
このように成形部Pを発泡積層シートSから分断したものをそのまま容器本体部10とすることができ、要すれば、分断されたものに新たなる加工を施して容器本体部10とすることも可能である。
すなわち、端縁部での怪我が抑制され、蓋体などが強固に止着され得る容器を簡便なる方法で製造しうる。
例えば、ラップフィルムなどによって収容凹部の開口部が覆われて用いられるような容器も本発明の意図する範囲である。
また、本実施形態においては、断面形状が波型の突起が突起部の端縁部に沿って列設されている場合を例示しているが、このような突起に代えて、溝を端縁部に沿って列設させて突出部の端縁部の上面側に凹凸形状を形成させても良く、その形状も、波形に限定されるものではない。
ただし、形成する突起や溝の形状が複雑になると製造に要する手間を増大させるおそれがある。
したがって、より簡便に容器を製造させうる点において、形成させる突起や溝の断面形状としては、上記例示の波形の他に、鋸歯形、半円形のいずれかであることが好ましい。
また、これらを組み合わせて用いることも可能である。
さらには、本実施形態においては、線状の突起を外側に向けて延在させている場合を例示しているが、その延在方向も外側方向に限定されるものではない。
例えば、線状の突起や線状の溝を、容器の中心部から外方に向けた方向に対して傾斜する方向に延在させたり、互いに交差させたりして凹凸形状を形成させることも可能である。
10 容器本体部
11 底部
12 側周壁部
13 開口縁
14 突出部
15 端縁部
15a 突起
15d 下面側
15u 上面側
20 蓋体
21 天井壁部
22 側周壁部
23 下端縁
24 面接部
25 垂直壁部
27 突起部
100 雄型
101 基準面
102 凹凸形成部
103 突出部形成部
104 隆起部
200 雌型
201 基準面
202 平坦面形成部
203 突出部形成部
204 掘り込み部
C 切断箇所
P 成形部
S 発泡積層シート
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂発泡シートの片面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された発泡積層シートが用いられ、前記熱可塑性樹脂フィルムが内表面側となるように前記発泡積層シートが成形加工されて、被収容物が収容される収容凹部と、該収容凹部の開口縁から外側に向けて張り出した突出部とが形成された容器本体部を有する容器であって、
前記突出部の端縁部の上面が収容凹部の開口縁近傍の突出部の上面に比して下位となるように、突出部の端縁部において前記熱可塑性樹脂発泡シートが圧縮されて厚みが薄くなっており、しかも、該突出部の少なくとも端縁部の上面側には、凸形状の高さが0.1〜1mmとなり隣り合う凸形状の間隔が0.5〜5mmとなるように凹凸形状が形成され、且つ該端縁部の下面側が平坦に形成されていることを特徴とする容器。 - 前記突出部の端縁部に係合される突起部が設けられ、該突起部を前記端縁部に係合させて前記容器本体部に外嵌される蓋体が備えられている蓋付容器である請求項1記載の容器。
- 断面形状が波形、鋸歯形、半円形のいずれかの形状を有する線状の突起あるいは溝が、互いに交差された状態、または、交差されていない状態で前記突出部の端縁部に沿って列設されて前記凹凸形状が形成されている請求項1または2記載の容器。
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