JP5856832B2 - 吸収体の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の各種の吸収性物品に用いられる吸収体の製造方法及び製造装置に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に用いられる吸収体の製造においては、空気流に乗せて供給した吸収体の原料(例えば解繊パルプ等の繊維材料や吸水性ポリマー等)を、回転ドラムの外周面に形成された凹状の吸引堆積部に吸引して堆積させ、該吸引堆積部に対応する形状に成形された堆積物を、コンベア等に転写させることが行われている。吸引堆積部の底部は、通気性を有する部材で形成されており、吸引堆積時には、該通気性の部材を介して回転ドラムの外方から内方へ向かう空気流によって、吸収体の原料を吸引堆積部に堆積させる。堆積物を転写させ、空になった吸引堆積部には、再び吸収体の原料が堆積される。その際、コンベアに転写しきれなかった吸収体原料が吸引堆積部の底部に残留していると、その残留した原料が吸引堆積部における底部の通気性を阻害して、新たに吸引堆積部に堆積されて転写される堆積物の形状に影響する場合がある。
回転ドラムの吸引堆積部に残留した原料を除去する技術としては、例えば特許文献1に記載されているとおり、堆積物を吸引ドラムから回収装置に受け渡した後に、受け渡し切れなかった該構成材料を、ドラムに設けたクリーニング用ブロー領域における、ドラム内部から外方へのエア吹き付けによって除去する方法が知られている。
特開2006−340940号公報
特許文献1には、クリーニングブロー領域に設けられたエアブロー装置の具体的な形状は記載されていない。しかし、当該技術分野におけるこれまでの技術を考慮すると、ドラム外周面上の吸引堆積部に対し、ドラム内部からエアを吹き付ける場合には、単一のノズルが用いられていると考えられる。しかしながら、単一のノズルでクリーニングブローを行う場合、該ノズルの噴出口は、回転ドラムの幅方向における吸引堆積部の幅に合わせて該方向に一定の長さを有するように形成せざるを得ず、そのようなノズルによって、吸引堆積部の背面に面状又は線状にエアを吹き付ける場合、吸引堆積部の前記幅方向の両端部に対する風量が小さくなる傾向があり、該端部のクリーニングが不十分になってしまう場合がある。ノズルに供給するエアの圧力や風量を高くすれば前記端部へ吹き付ける風量も高くなるが、その場合には、装置が大型化したり、製造コストが増大したりする場合がある。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収体の製造装置及び製造装置を提供することにある。
本発明は、吸収体原料を吸引して堆積させる吸引堆積部を外周面に有する回転ドラムを備え、該回転ドラムを一方向に回転させつつ該回転ドラムの外周面に吸収体原料を供給して前記吸引堆積部に堆積させた後、該堆積物を該吸引堆積部から離型させて搬送部上に転写させるように構成されている吸収体の製造装置であって、
前記転写後の吸引堆積部に残留している吸収体原料を、回転ドラムの内部から外部に向けてエアを吹き付けることで除去するクリーニングブロー装置を、回転ドラムの内部に備えており、
前記クリーニングブロー装置は、前記エアを吹き付けるための複数のノズルを、前記回転ドラムの幅方向に沿って備えている、吸収体の製造装置を提供することにより前記課題を解決したものである。
また本発明は、空気流に乗せて供給した吸収体原料を、一方向に回転する回転ドラムの外周面に設けた吸引堆積部に吸引して該吸引堆積部内に堆積させる堆積工程、該吸引堆積部内の堆積物を搬送部上に転写させる転写工程、及び転写後の該吸引堆積部内に残留している吸収体原料を、回転ドラムの内部から外部に向けたエアの吹き付けにより除去するクリーニング工程を具備する吸収体の製造方法であって、
前記クリーニング工程において、前記エアの吹き付けを、前記回転ドラムの幅方向に沿って該回転ドラムの内部に複数配置されたクリーニングブローノズルによって行う、吸収体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ノズルに供給するエアの圧力や風量を高くしなくても、転写後の吸引堆積部に残留した吸収体原料を、効果的に除去できる吸収体の製造装置及び製造装置が提供される。
図1は、本発明の吸収体の製造装置の一実施形態の構造を示す側断面図である。 図2は、図1に示す製造装置における回転ドラムの要部を示す分解斜視図である。 図3(a)及び(b)は、図1に示す製造装置における回転ドラム内に設置されているクリーニングブロー装置を示す模式図である。 図4(a)ないし(c)は、本発明の吸収体の製造装置に用いられるクリーニングブロー装置の別の実施形態を示す模式図である。 図5(a)及び(b)は、本発明の吸収体の製造装置に用いられるクリーニングブロー装置の更に別の実施形態を示す模式図である。 図6(a)及び(b)は、本発明の吸収体の製造装置に用いられるクリーニングブロー装置の更に別の実施形態を示す模式図である。 図7は、本発明の吸収体の製造装置に用いられるクリーニングエアブロー装置の更に別の実施形態を示す模式図である。 図8(a)及び(b)は、本発明の吸収体の製造装置に用いられる吸引堆積部の別の例を示す模式図である。 図9(a)及び(b)は、本発明の吸収体の製造装置に用いられる吸引堆積部の更に別の例を示す模式図である。 図10(a)及び(b)は、本発明の吸収体の製造装置に用いられる吸引堆積部の更に別の例を示す模式図である。 図11は、本発明の吸収体の製造装置に用いられる吸引堆積部の更に別の例を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収体の製造装置の一実施形態が示されている。同図に示す製造装置1は、同図中、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム2と、回転ドラム2の外周面に吸収体の原料を供給するダクト3と、回転ドラム2の下方に配置された透気性のコンベアベルト4とを備えている。コンベアベルト4は図1中、矢印R2で示す方向に走行している。コンベアベルト4は、目的とする吸収体を矢印R2の方向へ搬送するための搬送部である。
ダクト3は、解繊機5から供給された繊維材料6を空気流に搬送させて回転ドラム2の外周面に供給する。解繊機5は、パルプ等の繊維材料6を解繊するためのものである。繊維材料6はラチス7によって解繊機5に供給されるようになっている。ダクト4の途中には管状のポリマーシューター8が取り付けられている。ポリマーシューター8は、高吸収性ポリマーの粒子の貯留部(図示せず)から該粒子をダクト3内に供給するためのものである。ダクト3内に供給された高吸収性ポリマーの粒子は、空気流に搬送されてきた繊維材料と混合され、該繊維材料とともに回転ドラム2の外周面に供給される。
回転ドラム2は、円筒状をなし、モータ等の駆動源(図示せず)からの動力を受けて水平軸回りに回転する。回転ドラム2は、その外周面に、吸収体の原料を吸引して堆積させる吸引堆積部22を有している。吸引堆積部22は回転ドラム2の外周面から内側に向けて凹状に陥没した部位である。吸引堆積部22は、回転ドラム2の周方向に沿って形成されており、回転ドラム2の回転に伴い、図中にR1で示す一方向に進行する。
図2には、回転ドラム2の要部の分解斜視図が示されている。回転ドラム2の吸引堆積部22の底部は、多孔性材料からなる多孔性プレート26によって形成されている。吸引堆積部22内には、回転ドラム2の周方向に沿って延びる複数の縦桟22aが配置されている。これとともに吸引堆積部22内には、回転ドラム2の幅方向に沿って延びる複数の横桟22bが配置されている。これによって吸引堆積部22内には縦桟22aと横桟22bとで区画される格子が形成される。対向する一対の縦桟22aと、対向する一対の横桟22bとで画定される平面視矩形の領域は、凹部23となっており、該凹部23の底部が、多孔性プレート26からなる通気部29a(図3参照)となっている。各凹部23、すなわち各通気部29a上には吸収体原料が堆積される。凹部23は、回転ドラム2の周方向に沿って複数個が配置されて凹部列をなしている。そしてこの凹部列が、回転ドラム2の幅方向に沿って多列に配置されている。また、多孔性プレート26上に、縦桟22aと横桟22bが配置されて通気性を有しない部分が、非通気部29b(図3参照)となっている。したがって吸引堆積部22は、回転ドラム2の幅方向に沿って、複数の通気部29aと、該通気部29a間に位置する複数の非通気部29bとを有している。
引き続き図2を参照すると、回転ドラム2は、パターン形成プレート27と、パターン形成プレート27の内面側に重ねて配置された前述の多孔性プレート26と、多孔性プレート26の内面側に重ねて配置されて金属製の剛体からなるフレーム体25とを有する。多孔性プレート26及びパターン形成プレート27は、ボルト等の公知の固定手段により、フレーム体25に脱着可能に設けられている。必要に応じ、パターン形成プレート27の外面側における左右の両側部に、回転ドラム2の周方向に延びるリング部材(図示せず)を配置してもよい。このリング部材と前記のフレーム体25とで、パターン形成プレート27を挟み込んで固定することができる。なお、本明細書中、回転ドラム2の構成部材の内面とは、回転ドラム2の中心を向く面を指す。
パターン形成プレート27は、円環状の一対のリム27aを有している。リム27aの直径は同じになっている。一対のリム27aは、円環の中心位置が一致するように所定の間隔をおいて対向配置されている。リム27aの上面は、回転ドラム2の外周面をなしている。一対のリム27a間には、先に述べた複数の縦桟22a及び複数の横桟22bが配置されている。横桟22bは、各端部が各リム27aに連結している。縦桟22aは、両端部が連結して円環状になっている。縦桟22a及び横桟22bの縦断面形状、つまり回転ドラム2の半径方向に沿って切断した断面の形状は、例えば矩形になっている。しかし、縦断面形状はこれに限られない。縦桟22a及び横桟22bの高さ、つまり回転ドラム2の半径方向に沿う長さは同じになっている。しかし、目的とする吸収体の形状によっては、縦桟22aを横桟22bよりも高くしてもよく、逆に横桟22bを縦桟22aよりも高くしてもよい。また、なっている。吸収体原料は、リム27aの上面の位置まで堆積することが可能である。縦桟22a及び横桟22bの上面の位置は、リム27aの上面の位置よりも低くすることに代えて、リム27aの上面の位置と縦桟22a及び横桟22bの上面の位置を同じ高さとし、リム27aの外面側に前述のリング部材(図示せず)を取り付け、該リング部材の上面を、回転ドラム2の外周面としてもよい。
多孔性プレート26は、多数の細孔を有する多孔性材料からなり、空気流に乗せて供給された吸収体原料を透過させずに空気のみを透過させ得るものである。多孔性プレート26としては、この種の積繊装置に従来用いられているものを特に制限なく使用することができる。例えば、金属又は樹脂製のメッシュプレートや、金属又は樹脂製の板にエッチングやパンチングで多数の細孔を形成したもの等を用いることができる。
フレーム体25は、一対のリング状枠部材25a,25aを有している。各リング状枠部材25aは円環状をしており、その直径は同じになっている。各リング状枠部材25aは、円環の中心位置が一致するように所定の間隔をおいて対向配置されている。またフレーム体25は、リング状部材25aの周方向に沿って所定の間隔をおいて配置された複数の横架部材25bも有している。横架部材25bは、一対のリング状枠部材25a,25aを連結するように両リング状枠部材25aの間に架けわたされている。
再び図1に戻ると、回転ドラム2の内部(回転軸側)には、該回転ドラム2の半径方向に延びる仕切り板2a,2b,2c,2dによって相互間が仕切られた空間2A,2B,2C及び2Dが形成されている。空間2Aは、主として回転ドラム2における吸引堆積部22のうち、ダクト3によって覆われている部位に対応している。空間2Bは、空間2Aよりも回転ドラム2の回転方向における下流側に位置している。空間2Bは、吸引堆積部22に堆積した堆積物が、搬送部としてのコンベアベルト4に転写する前までの部位に対応している。空間2Cは、吸引堆積部22に堆積した堆積物が、コンベアベルト4に転写する前後の間の部位に対応している。空間2Dは、堆積物がコンベアベルト4に転写した後、回転ドラム2の吸引堆積部22に新たな原料が堆積するまでの間の部位に対応している。回転ドラム2は、上述した吸引堆積部22を含む外周面21、具体的には、前述のパターン形成プレート27、多孔性プレート26及びフレーム体25が、駆動源(図示せず)からの動力を受けて、その周方向に回転する。しかし、回転ドラム2内に位置する各仕切り板2a,2b,2c,2dは回転しないように配置されている。したがって、これらの仕切り板によって画成される各空間2A,2B,2C及び2Dも回転せず、これらの空間は回転ドラム2の回転とは無関係に一定の位置を保っている。また、回転ドラム2は、その回転軸の軸長方向の一端及び他端が側板24(図3(a)参照)で封鎖されている。この側板24は、回転ドラム2とともに回転しないようになっている。
空間2Aは、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)に接続されている。装置1の運転時に該排気装置を作動させることによって、該空間2A内は吸引によって負圧に維持されるようになっている。この空間2Aに隣接する空間2Bは、吸引されていないか、又は吸引されているとしても、空間2Aの吸引力よりも弱い吸引力で吸引されていることが好ましい。空間2Bを、空間2Aと同じ吸引力で吸引すると、吸引堆積部22内に形成された吸収体原料の堆積物を転写するときに、残圧の影響で転写不良が生じることがある。このような理由で、空間2Aとは別に、空間2Aと空間2Cとの間に空間2Bを設けている。空間2Cには、離型用エアブロー装置(図示せず)が設置されている。離型用エアブロー装置は、吸引堆積部22内に形成された吸収体原料の堆積物を空気の吹き付けによって離型させて、コンベアベルト4に転写させるために用いられるものである。空間2Dには、図3にその詳細を示すクリーニングブロー装置30が設置されている。空間2C及び2Dではいずれも、外部から回転ドラム2の内部へ向けての吸引は行われていない。離型用エアブロー装置及びクリーニングブロー装置30は、エア源(図示せず)に接続されている。離型用エアブロー装置及びクリーニングブロー装置30におけるエアの吹き出し口はいずれも、回転ドラム2における多孔性プレート26の2つの面のうち、該回転ドラム2の中心を向く面、すなわち内面に近接した位置において、該内面に臨むように開口している。エア源から離型用エアブロー装置及びクリーニングブロー装置30に供給されたエアは、回転ドラム2の吸引堆積部22における多孔性プレート26を介して、回転ドラム2の内部から外方へ向けて吹き出すようになっている。
図3(a)及び(b)には、回転ドラム2における空間2Dに設置されているクリーニングブロー装置30Aが示されている。図3(a)は、回転ドラム2をその幅方向に沿って切断した状態を示すものであり、図3(b)は、図3(a)に示すクリーニングブロー装置30Aを、図3(a)の下方からみた図であり、図の横方向が回転ドラム2の幅方向に一致する。図3に示すように、クリーニングブロー装置30Aは、回転ドラム2の幅方向に沿って、エアの吹き出し口が分岐した複数のノズル32を備えている。幅方向に沿って備えるとは、幅方向にわたってノズルが存在することを意味し、必ずしも各ノズルは同一直線上に配置されることは要しない。図3に示すクリーニングブロー装置30Aにおいては、各ノズル32は、回転ドラム2の幅方向に沿って同一直線上に配置されている。クリーニングブロー装置30Aは、エア源(図示せず)に接続している一の導管31によって、該導管31から分岐している複数のノズル32にエアを供給している。そして、クリーニングブロー装置30Aにおいては回転ドラム2の空間2Dにおいて、回転ドラム2の幅方向に沿って点列状にエアが吹き付けられるように構成されている。
ノズル32は、回転ドラム2の幅方向に沿って複数配置された通気部29aのそれぞれに個別にエアを吹き付けるように配置されている。すなわち、1つの通気部29aに対して1つ又は2つ以上のノズル32が対応するように配置されている。図3(a)では、1つの通気部29aに対して1つのノズル32が対応するように配置されている。したがって装置1の運転時には、1つのノズル32から吹き出したエアが多孔性プレート26を介して1つの通気部29aに吹き付けられるようになっている。したがって各ノズル32の幅は、各通気部29aの幅と略同等か又はそれよりも小さくなっている。図示していないが、回転ドラム2の回転方向に沿うノズル32の長さは、同方向に沿う通気部29aの長さよりも長くてもよく、あるいは短くてもよい。ここで、通気部29aの幅及び長さそれぞれは、凹部23の幅及び長さそれぞれと略等しい。
図3(a)及び図3(b)に示すように、クリーニングブロー装置30Aにおいては、複数のノズル32はいずれも、導管31の同一端部31aから分岐している。複数のノズル32は、いずれも同形の円筒状をしているが、ノズル32の形状は、これに限らない。
図3(b)に示すように、複数のノズル32は、回転ドラム2の幅方向に沿う直線状の列状に並んでおり、導管31の向く方向に対して、複数のノズル32それぞれの向く方向がなす角度は異なっている。ここでノズル32の向く方向とは、ノズル32における導管31からの分岐点32bから噴出口32aへ向かう方向であり、導管31の向く方向は、導管31のノズル32側の端部31aが向く方向であり、回転ドラム2の径方向外方である。具体的には、複数のノズル32のうち、回転ドラム2の幅方向中央に位置するノズル32cは、導管31と同方向を向いている。回転ドラム2の幅方向において、該ノズル32cから離間して配置されたノズル32ほど、その向きが導管31の向く方向となす角度は、大きくなっている。その結果、各ノズル32の噴出口32aと、吸引堆積部22の背面との距離Lは、中央に位置するノズル32cにおいて最も小さく、回転ドラム2の幅方向外方に位置するノズル32ほど距離Lは大きくなっている。吸引堆積部22の背面とは、多孔性プレート26の内面のことである。
図1に戻ると、装置1は、クリーニングブロー装置30Aを用いたエアブローによって、吸引堆積部22から除去された吸収体原料を吸引して回収するバキューム手段50を有する。バキューム手段50に接続する原料受け用のフード51は、空間2Dにおける回転ドラム2の外周面に近接して設けられている。
以上の構造を有する製造装置1を用いた吸収体の製造方法について説明すると、回転ドラム2を一方向(図1における矢印R1で示す方向)に回転させつつ、該回転ドラム2の内部における空間2Aを、これらの空間に接続された排気装置を作動させて負圧にする。空間2Aを負圧にすることで、ダクト3内に、吸収体原料を回転ドラム2の外周面に搬送する空気流が生じる。これらの操作とともに、空間2Cに設置された離型用エアブロー装置(図示せず)、及び空間2Dに設置されたクリーニングブロー装置30をそれぞれ作動させて、回転ドラム2の内部から外方を向けてエアを吹き出させる。更に、バキューム手段50を作動させ、またベルトコンベア4を一方向(図1における矢印R2で示す方向)に走行させる。ベルトコンベア4を走行させるときは、その上面に、コアラップシート9(図1参照)を載置し、該シート9をベルトコンベア4とともに走行させる。コアラップシート9は例えば紙や不織布等の透液性を有するシート材料から構成されている。
そして、解繊機5(図1参照)を作動させてダクト3内に繊維材料を供給し、更にポリマーシューター8を通じて高吸収性ポリマーの粒子を供給すると、これらは、ダクト3内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム2の外周面に向けて供給される。
ダクト3に覆われた部分を搬送されている間に、回転ドラム2の吸引堆積部22の凹部23内に原料が吸引されて堆積した堆積物42は、コンベアベルト4とともに搬送されるコアラップシート9の上に転写される。図示しないが、該堆積物42は、凹部23内が原料で満たされて形成されたブロック状堆積物と、更に各ブロック状堆積物の外側に形成されて各ブロック状堆積物を連結する連続堆積層とからなる。
図3(a)に示すように、堆積物42をコンベアベルト4に受け渡して空になった吸引堆積部22には、特に回転ドラム2の幅方向における両端部に原料が残留しやすい。そこで、空間2Dを通る吸引堆積部22の背面に、クリーニングブロー装置30における回転ドラム2の幅方向に沿って備えられた複数のノズル32によってエアが吹き付けられ、吸引堆積部22に残留していた原料を除去する。詳細には、複数のノズル32は、吸引堆積部22の複数の通気部29aそれぞれに、個別にエアを吹き付ける。このため、回転ドラム2の回転方向に延びる非通気部29bに向かってエアを吹き付けず、通気部29aにピンポイントでエアを吹き付けることができる。このように、クリーニングエアブロー装置30から、吸引堆積部22の背面に向け、回転ドラム2の幅方向に沿う点列状にエアを吹き付けるので、面状にエアを吹き付ける従来技術に比べ、非通気部29bに吹き付けていた無駄な風量を省き、その省いた風量を通気部29aへの吹き付けに振り向けることができるので、吸収体原料に対するブローを強くすることができ、それゆえ、吸引堆積部22の両端部に対して吹き付けるエアの風量を大きくすることができる。これによって、エア源からノズルに供給するエア圧を高くしなくても、吸引堆積部22の前記両端部の原料を効果的に除去できる。吸引堆積部22から除去された原料は、フード51を介してバキューム手段50に回収される。回収された原料は再利用可能である。ノズル32から噴出するエアも、フード51を介してバキューム手段によって吸引されるため、コンベアベルト4上に転写された堆積物42の形状が乱されることはない。
特に、本実施形態においては、上述したように、各ノズル32の噴出口32aと、吸引堆積部22の背面との距離Lは、回転ドラム2の幅方向外方に位置するノズル32ほど大きくなっている。これによって、クリーニングブロー装置30Aから噴出するエアは、吸引堆積部22の回転ドラム2幅方向外方に位置する通気部に対してよりも、該幅方向の中央部に位置する通気部に対して、より押し出し力の強いものとなる。それゆえ、クリーニングブロー装置30Aは、例えば、該幅方向の中央部に位置する通気部により多くの原料を堆積させる吸引堆積部における残留原料の除去に適している。
このように、本実施形態のクリーニングブロー装置30Aは、幅方向の中央部に位置する通気部に対して押し出し力が強いものの、各ノズルの噴出口32aから噴出する風量は等しい。その理由は、複数のノズル32は、いずれも導管31の同一端部31aから分岐しており、導管31から各ノズル32の噴出口32aまでの経路がいずれも同形状となっているためである。各ノズルの噴出口32aから噴出する風量が等しいので、クリーニングブロー装置30Aは、吸引堆積部22における回転ドラム2の幅方向両端部に到達するエアの風量を確保でき、該幅方向両端部に残留する原料を、更に確実に除去することができる。
本発明においては、図3(a)及び(b)に示すクリーニングブロー装置30Aの代わりに、図4ないし図7に示すクリーニングブロー装置30Bないし30Eを用いてもよい。図4(a)、図5(a)、図6(a)及び図7は図4(a)相当図であり、図4(b)、図5(b)、図6(b)は図3(b)相当図である。
図3に示すクリーニングブロー装置30Aは、導管31の同一端部31aから複数のノズル32が分岐していたが、図4(a)に示すクリーニングブロー装置30Bは、導管31と複数のノズル32との間に、内部に中空室が設けられた中空部材33を備えている。中空部材33に設けられた中空室は、導管31側から複数のノズル32側に向けて回転ドラム2の幅方向の寸法が漸次拡大した形状を有している。図4(a)及び図4(b)に示すように、中空室は、導管31側に位置する先端域33aと、該複数のノズル32側に位置して略平面状に形成された底面域33bとを含んでいる。先端域33aには導管31のノズル側の端部31aが接続されており、底面域33bからは複数のノズル32が分岐している。このように、中空室においては、先端域33aから底面域33bに向けてエアが拡散するようになっている。
図4(b)に示すように、クリーニングブロー装置30Bにおける複数のノズル32は、回転ドラム2の幅方向に沿った直線状の列状に配されている。中空室の底面域33bは、回転ドラム2の幅方向に長い細長な略長方形状をしている。また、回転ドラム2の幅方向に沿ってみたとき、底面域33bと多孔性プレート26との距離は一定になっている。更に、各ノズル32は同形であって、いずれも導管31の端部31aの向く方向(回転ドラム2の径方向外方)と同方向を向いている。各ノズル32の噴出口32aと、吸引堆積部22の背面との距離Lは、いずれも同距離となっている。
図4に示すクリーニングブロー装置30Bにおいては、複数のノズル32と導管31との間に、前述した形状の中空部材33内に形成されたエア拡散用の中空室を有しているので、該中空室においてエアが回転ドラム2の幅方向に広がることにより、該方向の両端に位置するノズル32から噴出される風量を確保できるそれゆえ、吸引堆積部22の前記両端部に残留する原料を効果的に除去できる。
本実施形態においては、図4(c)に示すように、回転ドラム2における一対のリング状枠部材25a,25aを連結する横架部材25bは、その内端縁が櫛歯状のスリットとなっていてもよい。同図には、回転ドラム2を多孔性プレート26の内面側からみた斜視図が示されている。同図に示すように、横架部材25bは、回転ドラム2の幅方向に延びる板状のものであり、その主板面の方向が、回転ドラム2の半径方向と一致している。主板面とは、板状である横架部材25bにおける板面のうち、面積の最も広い板面のことである。横架部材25bにおいて、回転ドラム2の外周面寄りに位置する外端縁は、多孔性プレート26の内面と接している。また、横架部材25bにおける、該回転ドラムの中心寄りに位置する内端縁が櫛歯状スリットになっている。櫛歯状スリットになっている内端縁のうち、隣り合う櫛歯28の間に位置するスリット部の深さは、いずれも同じになっている。換言すれば、各櫛歯28の高さは同じになっている。またスリット部の幅はいずれも同じになっており、同様に櫛歯28の幅もいずれも同じになっている。スリット部の幅と櫛歯28の幅とは同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。回転ドラム2の周方向に沿ってみたとき、すべての横架部材25bにおいて、スリット部及び櫛歯28が形成されている位置は同じになっている。各ノズル32は、櫛歯状スリットになっている該内端縁における隣り合う櫛歯28の間に位置するスリット内に配置されている。それゆえ、各ノズル32の先端が、吸引堆積部22の凹部23に近接するようになる。その結果、吹き付けるエアの風量を高めなくても、吸引堆積部22に残留した原料の除去を安定して行うことができる。
本実施形態のクリーニングブロー装置30Bにおいては、先に述べたとおり、各ノズル32の噴出口32aから吸引堆積部22の背面までの距離Lはいずれも等しい。しかし、導管のノズル側の端部31aから各ノズル噴出口32aまでの距離は、回転ドラム2の幅方向中央に位置するノズル32cが最も小さく、該幅方向の外側に位置するノズル32ほど、該端部31aから噴出口32aまでの距離は大きくなる。このため、クリーニングブロー装置30Bから噴出するエアは、吸引堆積部22の回転ドラム2幅方向外方に位置する通気部に対してよりも、該幅方向の中央部に位置する通気部に対して、より押し出し力の強いものとなる。したがってクリーニングブロー装置30Bも、例えば、該幅方向の中央部に位置する通気部により多くの原料を堆積させる吸引堆積部における残留原料の除去に適している。
これに対し、以下に詳述する図5及び図6に示す実施形態のクリーニングブロー装置30C,30Dにおいては、導管31のノズル側の端部31aからノズル噴出口32aまでの経路はいずれも同形状であり、それによって該端部31aから各ノズル噴出口32aまでの距離はいずれも等しく、しかも、各ノズル噴出口32aから吸引堆積部22までの距離Lもいずれも等しい。このことは、クリーニングブロー装置30B,30Cにおいて、複数のノズル32を、導管31と同一直線上にないように配置することで実現される。複数のノズル32が導管31と同一直線上にないとは、導管31の延長線と、各ノズル32の延長線とが、同一線上に位置していないことを意味する。導管31の延長線は、導管31のノズル側の端部31aを更に回転ドラムの径方向外方に延長させた仮想線である。なおクリーニングブロー装置30C,30Dにおいても、各ノズル32は同形となっている。
図5に示す実施形態のクリーニングブロー装置30Cにおいては、図3に示す実施形態のクリーニングブロー装置30Aと同様に、各ノズル32が導管31の端部31aから分岐し、回転ドラム2の幅方向に沿って複数のノズル32を備えている。図5(b)に示すようにクリーニングブロー装置30Cにおいて、導管31が向く方向(すなわち導管31のノズル側の端部31aが向く、回転ドラム2の径方向外方)に対して、各ノズル32が向く方向がなす角度はいずれも等しく、これによって、複数のノズル32を、導管31と同一直線上に位置しないように構成している。図5(b)に示すようにクリーニングブロー装置30Cは5つのノズル32を備えているが、各ノズル32は導管31のノズル側端部31aを中心として互いに向く方向及び噴出口32aの位置を変えることでそれぞれの回転ドラム2の幅方向における位置が異なっており、それにより回転ドラム2の幅方向に沿ってノズル32を備えるものである。
図6に示す実施形態のクリーニングブロー装置30Dにおいては、図4に示す実施形態のクリーニングブロー装置30Bと同様に、各ノズル32が底面域33bから分岐した中空部材33を介して、導管31と複数のノズル32とが連通している。底面域33bと吸引堆積部22の背面との距離は各ノズル32において一定である。また各ノズル32はいずれも、導管31の端部31aが向く方向と同方向を向いている。
図6(b)に示すように、回転ドラム2の径方向に沿う底面視において、中空部材33の底面域33bにおける各ノズル32の分岐点32bは、該底面部33bと、導管31の前記延長線との交点31a’を中心とする円の同一円周上に位置するように配されている。これによって、クリーニングブロー装置30Dにおいて、複数のノズル32のいずれもが、導管31と同一直線上に位置しないように構成されている。図6(b)に示すように、クリーニングブロー装置30Dは5つのノズル32を備えているが、各ノズル32は導管31のノズル側端部31aを中心として互いに分岐点32b及び噴出口32aの位置を変えることでそれぞれの回転ドラム2の幅方向における位置が異なっており、それにより回転ドラム2の幅方向に沿ってノズル32を備えるものである。また、図6(b)に示すように、中空部材33の底面域33bは略円形に形成されている。中空部材33の内部に形成された中空室は、先端域33aから底面部33bに向かって広がった漏斗状をしている。
図5及び図6に示す実施形態のクリーニングブロー装置30C,30Dにおいては、導管31のノズル32側の端部31aから、各ノズル32の噴出口32aまでの経路を同形状にすることによって、各ノズル32から噴出されるエアの風量がいずれも等しくなっている。しかも、これらクリーニングブロー装置30C,30Dにおいては、各ノズル32において、ノズル噴出口32aから吸引堆積部22の背面までの距離Lがいずれも等しくなっているので、回転ドラム2の幅方向において、吸引堆積部22の底部が受けるエアの風量を均一にすることができる。これによって、吸引堆積部22の全体から、確実に残留している原料を除去することができる。
図7に示すクリーニングブロー装置30Eにおいては、複数のノズル32へのエア供給は、エア源から各ノズル32に個別に供給可能になされている。これによってクリーニングブロー装置30Eにおいては、ノズル32から吹き出されるエアの風量が、ノズル毎に個別に調整可能になっている。クリーニングブロー装置30Eにおいては、個別にエア源(図示せず)に接続されている複数の導管31a,31b,31c,31d,31eを用い、各導管の先端のノズル32からエアが吹き出す構造になっている。各ノズル32の先端部32aは、回転ドラム2の幅方向に沿って直線状に配置されている。各先端部32aと吸引堆積部22の背面との距離はいずれも等しくなっている。各導管には、その途中にエアの風量を調節するためのバルブ34a,34b,34c,34d,34eが取り付けられている。このバルブの開度を調節することで、各ノズル32から吹き出されるエアの風量を個々に独立して調節することができる。例えば、堆積物のうち、回転ドラム2の幅方向中心域に位置する部位へのエアの吹き付け風量を、回転ドラム2の幅方向側部域に位置する部位へのエアの吹き付け風量よりも高くしたり、逆に低くしたりすることができる。これによって、吸引堆積部22のうち原料が残留しやすい部位のエアの吹き付け風量を大きくして効果的に原料除去を行うことができる。
図8ないし図10には、吸引堆積部の別の実施形態が示されている。図8(a),図9(a),図10(a)は、吸引堆積部における、回転ドラム2の外方に向けられる面側を示す平面図であり、図8(b),図9(b),図10(b)は、図8(a),図9(a),図10(a)におけるb−b線断面図である。図8(b),図9(b),図10(b)に記載の多孔性プレート26においては、これらの図中、上側の面が、吸収体原料が堆積する面となっている。図8ないし図10に示すように、吸引堆積部22Aないし22Cにおいても、底部に、回転ドラム2の幅方向に沿って、複数の通気部29aと、該複数の通気部間に位置する一以上の非通気部29bとが設けられている。これらの図においては、図示していないが、クリーニングブロー装置のノズルは、回転ドラム2の幅方向に沿って、各通気部29aに対向するように配置されている。ノズルから噴出するエアは、図8に示す吸引堆積部22Aに対して、凸部22cを避けるようにエアを吹き付けることが好ましい。同様に、図9に示す吸引堆積部22Bに対しては、無孔領域26aを避けるようにエアを吹き付けることが好ましく、図10に示す吸引堆積部22Cに対しては、凸部22eを避けるようにエアを吹き付けることが好ましい。
図8に示す吸引堆積部22Aは、その底部を形成する多孔性プレート26上に、回転ドラム2の径方向外方に突出する複数の凸部22cが配置されている。凸部22cは、回転ドラム2の周方向及び幅方向に間欠的に配されている。吸引堆積部22Aにおいては、吸引堆積部22A内の多孔性プレート26上における、凸部22cが位置する部分が非通気部29b、凸部22cが位置しない部分が通気部29aとなっている。
図9に示す吸引堆積部22Bは、その底部を形成する多孔性プレート26における一部に無孔領域26aを有している。そして、吸引堆積部22B内の多孔性プレート26上における、無孔領域26aが非通気部29bを構成し、無孔領域26a以外の部分が通気部29aを構成している。無孔領域26aは、多孔性プレート26を樹脂等の目止め剤で目止めすることで形成されている。
図10に示す吸引堆積部22Cは、その底部を形成する多孔性プレート26に、回転ドラム2の周方向に延びる一対の凸条部67が固定されている。凸条部67は、目的とする吸収体において、該吸収体の長手方向に延びる一対の線状のスリットを形成するためのものである。凸条部67は例えば樹脂製であり、多孔性プレート26の一面側に凸部22eを形成する一方、その一部を溶融させ、その溶融した樹脂を、多孔性プレート26の貫通孔68に貫通させて該多孔性プレート26の他面側に移行させ、該他面側において、各孔よりも広い面積に広がらせて固化させて形成されている。
図11に示す吸引堆積部22Dは、パターン形成プレート27に、回転ドラム2の回転方向(R1)に長い略長円形状の主開口部が設けられている。更に、該主開口部における回転方向R1の前後に、一対の副開口部が設けられている。副開口部は、主開口部の側に弦部を向けた略弓形状をしており、かつ該弦部は円弧側に向けて凸状に湾曲した曲線状をなしている。各開口部において、多孔性プレート26が露出しており、露出した該多孔性プレート26が通気部29aを形成している。パターン形成プレート27における略長円形状の主開口部と略弓形状の副開口部との間に位置する部分は、平面視して円弧状をなしており、第1非通気部291bとなっている。パターン形成プレート27における第1非通気部291b以外の部分が、第2非通気部292bとなっている。
以上の各実施形態において用いられる吸収体原料のうち、主たる原料である繊維材料としては、従来、生理用ナプキンやパンティライナー、使い捨ておむつ等の吸収性物品の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、解繊パルプ等のパルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン等の合成繊維の短繊維等が用いられる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、吸収体原料として、ダクト3内に、繊維材料とともに、消臭剤や抗菌剤等を必要に応じて供給することもできる。また、繊維状の原料として、繊維状の吸水性ポリマーを単独又は繊維材料と混合して用いることもできる。
本発明に従い製造される吸収体は、吸収性物品の吸収体として用いられる。吸収性物品は、主として尿や経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。吸収体は、上下面が一枚又は複数枚のコアラップシートに被覆されていても良い。裏面シートは水蒸気透過性を有していても有しなくても良い。吸収性物品は更に、該吸収性物品の具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、吸収体の起立した両側部の更に外側に、一対又は二対以上の立体ガードを配置することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1及び図2に示す実施形態の装置1によって製造される吸収体は、該吸収体の一方の面において、回転ドラム2の幅方向と同方向にわたり間欠的に配置された複数のブロック状堆積物からなる凸部と、該幅方向において隣り合う凸部間に低坪量の堆積物からなる凹部とが交互に位置する形状のものであったが、これに代えて、ブロック状堆積物からなる凸部が、回転ドラム2の幅方向と同方向にわたり間欠的に配置され、該方向において隣り合うブロック状堆積物間が、堆積物が実質的に存在していない空間になっている形状の吸収体を製造することもできる。また、表裏のいずれもが平坦な形状の吸収体を製造することもできる。
また図3ないし図7に示すクリーニングブロー装置の変形例として、各ノズル32に個別にバルブが取り付けられたクリーニングブロー装置を用いることもできる。そのようなクリーニングブロー装置においては、エア源(図示せず)に接続される導管は1本であるが、各ノズルに取り付けられたバルブの開度を個別に調節することで、各ノズルからのエアの吹き出し風量を個別に調整することができる。
また図3ないし図7に示す複数のノズルはいずれも同じ直径を有する円筒状であったが、必ずしも同じ直径でなくてもよく、例えばノズルの直径を個別に変更して各ノズルからのエアの吹き出し風量を個別に調整することができる。ノズルは円筒状でなくてもよいし、また直線状でなく、湾曲していてもよい。
1 製造装置
2 回転ドラム
3 ダクト
4 コンベアベルト
5 解繊機
6 繊維材料
7 ラチス
8 ポリマーシューター
22,22A〜22C 吸引堆積部
22a 縦桟
22b 横桟
23 原料堆積用凹部
30 クリーニングブロー装置
31 導管
31a 導管のノズル側の端部
32 ノズル
32a 噴出口
33 中空部材
33a 先端域
33b 底面域

Claims (4)

  1. 繊維材料と高吸収性ポリマーとを有する吸収体原料を吸引して堆積させる吸引堆積部を外周面に有する回転ドラムと、前記吸収体原料を空気流に搬送させて前記回転ドラムの外周面に供給するダクトとを備え、該回転ドラムを一方向に回転させつつ該回転ドラムの外周面に吸収体原料を供給して前記吸引堆積部に堆積させた後、該堆積物を該吸引堆積部から離型させて搬送部上に転写させるように構成されている吸収体の製造装置であって、
    前記転写後の吸引堆積部に残留している吸収体原料を、回転ドラムの内部から外部に向けてエアを吹き付けることで除去するクリーニングブロー装置を、回転ドラムの内部に備えており、
    前記クリーニングブロー装置は、前記エアを吹き付けるための複数のノズルを、前記回転ドラムの幅方向に沿って備えており、前記複数のノズルへのエア供給が、エア源から各ノズルに個別に供給可能になされており、前記回転ドラムの幅方向側部域に位置する部位へのエアの吹き付け風量を、前記回転ドラムの幅方向中心域に位置する部位へのエアの吹き付け風量よりも高くするようになされている、吸収体の製造装置。
  2. 前記吸引堆積部は、その底部に、前記回転ドラムの幅方向に沿って、複数の通気部と、該複数の通気部間に位置する一以上の非通気部とを有しており、
    前記複数の通気部それぞれに、個別にエアを吹き付けるための前記複数のノズルを、前記幅方向に沿って備えている、請求項1に記載の吸収体の製造装置。
  3. 一方向に回転する回転ドラムの外周面に配置されたダクトによって、空気流に乗せて供給した繊維材料と高吸収性ポリマーとを有する吸収体原料を、回転ドラムの外周面に設けた吸引堆積部に吸引して該吸引堆積部内に堆積させる堆積工程、該吸引堆積部内の堆積物を搬送部上に転写させる転写工程、及び転写後の該吸引堆積部内に残留している吸収体原料を、回転ドラムの内部から外部に向けたエアの吹き付けにより除去するクリーニング工程を具備する吸収体の製造方法であって、
    前記クリーニング工程において、前記エアの吹き付けを、前記回転ドラムの幅方向に沿って該回転ドラムの内部に複数配置されたクリーニングブローノズルによって行い、前記複数のノズルへのエア供給が、エア源から各ノズルに個別に供給可能になされ、前記回転ドラムの幅方向側部域に位置する部位へのエアの吹き付け風量を、前記回転ドラムの幅方向中心域に位置する部位へのエアの吹き付け風量よりも高くする、吸収体の製造方法。
  4. 前記吸引堆積部として、その底部に、前記回転ドラムの幅方向に沿って、複数の通気部と、該複数の通気部間に位置する一以上の非通気部とを有するものを用い、
    前記クリーニング工程においては、前記通気部それぞれに、個別にエアを吹き付けて該通気部上に残留していた吸収体原料を除去する、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
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