JP5296663B2 - 吸収体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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そして、その離型された堆積物が、そのまま、又は他のシート材と組み合わされて吸収体として用いられる。また、回転ドラムの凹部内に堆積した堆積物を該凹部から離型させる方法としては、該凹部の底面部からエアーを吹き出させる共に、該堆積物を転写させるトランスファーロールやバキュームコンベア側から吸引を行うことが行われている。
また、特許文献1においては、回転ドラム(回転形成車輪)の外周面に原料が供給される原料供給領域と、該回転形成車輪上に堆積した堆積物をトランスファーロールに転写させる位置との間における回転ドラムの外周面上に気透過性ベルトを当接させ、同時に回転ドラムの内側からの吸引を行うことで、トランスファーロールに転写する前に堆積物から粒子が脱落することを防止している。しかし、その場合においても、堆積物をトランスファーロール等に転写する際に、堆積物の形が崩れたり、堆積物に位置ずれが生じて堆積物相互間の配置に乱れが生じる恐れがある。
本発明の一実施形態である吸収体の製造装置1は、図1に示すように、矢印R2方向に回転駆動される回転ドラム2と、回転ドラム2の外周面に吸収体3の原料である繊維材料31を供給するダクト4と、回転ドラム2の斜め下方に配置され、矢印R5方向に回転駆動されるトランスファーロール5と、回転ドラム2の周方向におけるダクト4とトランスファロール5との間に配置されたバキュームボックス6と、バキュームボックス6と回転ドラム2との間及びトランスファーロール5と回転ドラム2との間を通るように配された、シート状の通気性部材であるメッシュベルト7と、トランスファーロール5の下方に配されたバキュームコンベア8とを備えている。
回転ドラム2の凹部23は、図2に示すように、回転ドラム2の周方向(Y方向)及び幅方向(X方向)に離間させて多数形成されている。
より詳細には、回転ドラム2の周方向(Y方向)に複数個の凹部23が直列してなる凹部列が、回転ドラム2の幅方向(X方向)に複数列形成されている。
多数の凹部23は、この可撓性のプレートを、回転ドラム2の外周面に沿うように円弧又は円筒状に曲げ、ボルトや接着剤等の公知の固定手段により、積繊メッシュ22に重ねた状態に固定することによって形成されている。凹部23の内周面は、可撓性のプレートの前記貫通孔の内周面からなる。可撓性のプレートは、当初から円弧状に形成されているものであっても良い。
積繊メッシュ22は、多数の細孔を有し、空気流に乗せて供給された吸収体の原料を透過させずに空気のみを透過させる得るものである。
他方、回転ドラム2の内側(回転軸側)の空間C及びDには、装置外の空気を取り込み可能な配管(図示せず)が接続されている。
回転ドラム2の個々の凹部23は、負圧に維持された空間B上を通過している間、底面部の細孔が吸引孔として機能する。凹部23の底面部の細孔からの吸引によって、ダクト4内に、繊維材料導入部や吸水性ポリマー導入部から導入された吸収体の原料を回転ドラム2の外周面に搬送する空気流が生じ、該空気流に乗せて搬送された原料が凹部23内に堆積する。
バキュームボックス6は、図3に示すように、上下面、左右の両側面及び背面を有する箱状の形状を有し、背面に対向する部位に、回転ドラム2方向に向かって開口する開口部を有している。
バキュームボックス6は、排気管61を介して、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置の作動により、バキュームボックス6内を負圧に維持可能である。
メッシュベルト7は、バキュームボックス6の開口部の前を通過している間は、回転ドラム2の外周面に接触しており、トランスファーロール5と回転ドラム2とが最も接近している最接近部付近で、回転ドラム2の外周面から離れてトランスファーロール5上へと移行する。
吸収体の製造装置1を用いて吸収体3を製造するためには、回転ドラム2内の空間B、トランスファーロール5内の空間E、及びバキュームボックス6内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。空間B内を負圧にすることで、ダクト4内に、吸収体の原料を回転ドラム2の外周面に搬送する空気流が生じる。また、回転ドラム2及びトランスファロール5を回転させ、また、バキュームコンベア8を作動させる。
そして、回転ドラム2が回転して、凹部23がバキュームボックス6の対向位置にくると、図4に示すように、凹部23内の堆積物32がバキュームボックス6からの吸引によって、メッシュベルト7に吸い付けられた状態となる。凹部23内の堆積物32は、その状態で、トランスファーロール5と回転ドラム2との最接近部Pの直前まで搬送される。なお、凹部23内の堆積物32のメッシュベルト7に対する吸い付けは、図4に示すように、堆積物32と凹部23の底面部との間に隙間が生じることは必須ではないが、そのような隙間を生じさせることが、堆積物32を他の搬送手段に移行させる際の転写性の向上の観点から好ましい。
そして、メッシュベルト7と共にトランスファーロール5上に移行した堆積物32は、トランスファーロール5上のメッシュベルト7に吸着されたまま、バキュームコンベア8との受け渡し部Qまで搬送され、受け渡し部Qにおいて、バキュームボックス84による吸引によりバキュームコンベア8上へと移行する。
そして、更に、堆積物32の上面側に第2コアラップシート34が導入された後、第1及び第2コアラップシート33,34に被覆された状態の堆積物32が、所定の間隔で切断され、吸収性物品1枚分の寸法に切断された吸収体3が得られる。
第1及び第2コアラップシート33,34は、何れも折り返さずに両者を接合することもできるが、一方のシートの両側部を、他方のシート側に巻き上げ又は巻き下げて接着剤等により固定することもできる。図5(a)及び図5(b)に示す吸収体3は、第1コアラップシート33の両側部を、第2コアラップシート34側に巻き上げ又は巻き下げて製造した吸収体である。
なお、バキュームボックス6によって吸引される領域の幅(回転ドラムの幅方向と同方向の長さ)は、回転ドラムの凹部のある領域の幅(回転ドラムの幅方向の長さ)に対して、同じ又は広い。
トランスファーロール5との間に吸引しない領域はトランスファーロール5を用いずに、凹部23内の堆積物32をバキュームコンベア8上に直接離型する場合の吸引搬送距離は、前記点Sから、バキュームコンベア8と回転ドラム2の最接近部に達するまでの移動距離である。
整流プレートは、例えば、板状の複数枚のプレートを、シート状の通気性部材に対して略垂直となるように、該通気性部材に臨む開口部に配置したり、公知のハニカムパネルを、筒状の流通路が、シート状の通気性部材に対して略垂直とあるように、該通気性部材に臨む開口部に配置したりすることができる。板状の複数枚のプレートは、各プレートの面が上下を向くように互いに平行に配置したり、断面形状が三角形、矩形、菱形等の角筒状の流通路が多数生じるように組み合わせて配置することもできる。
また、その場合、回転ドラム2の周方向に並ぶ複数の小空間は、少なくとも2つの小空間で、凹部23内の堆積物32に作用させる吸引力が異なることが好ましい。
また、回転ドラム2の周方向に並ぶ小空間の個数は、2以上、特に2〜5個とすることが好ましい。なお、図1には、仕切り壁62により内部が2つの小空間に分割されたバキュームボックス6が示されている。
また、トランスファーロール5と回転ドラム2との間のクリアランス(厳密にはトランスファーロール5の外周面に接触したメッシュベルト7と回転ドラム2の外周面との間の間隔)は3.0〜7.0mm、特に5.0〜6.5mmであることが好ましい。
例えば、図2(a)に示す回転ドラム2には、回転ドラムの周方向(Y方向)に直列に並んだ複数の凹部23からなる凹部列(以下、周方向凹部列ともいう)が、回転ドラムの軸方向(X方向)に複数列形成されているが、これに代えて、周方向凹部列が、回転ドラムの軸方向(X方向)に一列のみ形成されていても良い。また、一つの回転ドラム2に、周方向凹部列と、回転ドラムの周方向(Y方向)に連続的に形成された溝状の凹部との両者が形成されていても良い。
また、回転ドラム2の外周面に、該周方向の長さが異なる複数種類の凹部が形成されている場合、前記吸引搬送距離は、最も短い凹部の長さに対する割合が、上述した割合となっていることが好ましい。
また、凹部23は、回転ドラム2の周方向の全周に亘って一定のピッチで形成されていても良いし、複数の凹部23が相互に異なるピッチで配されている領域が、回転ドラム2の周方向に複数形成されていても良い。
2 回転ドラム
21 外周面
22 積繊メッシュ
23 凹部
24 仕切り部材
3 吸収体
31 繊維材料(原料)
32 堆積物
33 第1のコアラップシート
34 第2のコアラップシート
4 ダクト
5 トランスファーロール
6 バキュームボックス
7 メッシュベルト(シート状の通気性部材)
8 バキュームコンベア
Claims (8)
- 空気流に乗せて供給した原料を、回転ドラムの外周面に形成された凹部に吸引して堆積させる堆積工程、及び該凹部内の堆積物を他の搬送手段上に移行させる転写工程を具備する吸収体の製造方法であって、
前記堆積工程と前記転写工程との間に、前記凹部内の堆積物を、該凹部上に供給したシート状の通気性部材に吸い付けつつ搬送する工程を具備する吸収体の製造方法。 - 前記転写工程は、前記凹部内の堆積物をトランスファーロール上に移行させる工程である請求項1記載の吸収体の製造方法。
- 前記凹部は、前記回転ドラムの周方向及び幅方向のそれぞれに複数形成されている、請求項1又は2記載の吸収体の製造方法。
- 底面に多数の細孔を有する凹部を外周面に有する回転ドラムを備え、回転ドラムの外周面上に原料を供給する原料供給領域で前記凹部内に堆積させた堆積物を、該回転ドラムの回転によりトランスファーロールまで搬送して該トランスファーロール上に転写させるように構成されている吸収体の製造装置であって、
前記原料供給領域と前記トランスファーロールとの間に、前記回転ドラム側とは反対側から前記凹部内の堆積物を吸引するバキュームボックスが設けられている、吸収体の製造装置。 - 前記堆積物が内部に堆積した前記凹部上に、シート状の通気性部材を供給する機構を備えており、前記バキュームボックスは、該通気性部材を介して前記凹部内の堆積物を吸引するようになされている請求項4記載の吸収体の製造装置。
- 前記シート状の通気性部材は、無端状のメッシュベルトである、請求項5記載の吸収体の製造装置。
- 前記シート状の通気性部材は、前記バキュームボックスと前記トランスファーロールを連続して通過するようになされている請求項5記載の吸収体の製造装置。
- 前記凹部は、前記回転ドラムの周方向及び幅方向のそれぞれに複数形成されている、請求項4〜7の何れかに記載の吸収体の製造装置。
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