以下に、本発明について、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の製造方法は、複数のシート片10bhを有する吸収体の製造方法である。本発明で製造する吸収体は、吸収性物品用の吸収体である。吸収性物品とは、主として尿、経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。吸収性物品は、典型的には、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。該吸収体が、本発明の吸収体の製造方法で形成された吸収体である。
図1には、本発明の実施形態の吸収体の製造方法で製造される一実施形態の吸収体100の断面図が示されている。吸収体100は、合成繊維10bを含むものである。吸収体100は、図1に示すように、合成繊維10bのみならず、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cを含む集積体100aを備えている。ここで、「合成繊維10bを含む」とは、合成繊維10bを含むシート片10bhを有する意味である。吸収体100は、合成繊維10bを含む形態であれば単層でも2層以上の複数層でもよいが、親水性繊維10a、合成繊維10b及び吸収性粒子10cが均一に分散された単層の集積体100aを有している。集積体100aは、吸収体100の構成部材であり、吸収体100は、集積体100aをコアラップシート100bで被覆して形成されている。吸収体100は、吸収性物品の着用時に、着用者の前後方向に対応する縦方向に長い形状となっている。
集積体100aは、合成繊維10bを含むシート片10bh(以下、単にシート片10bhともいう)を複数含み、各シート片10bhは、略矩形状の形状を有している。各シート片10bhの平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。ここで平均長さとは、各シート片10bhが長方形状の場合には、長手方向の辺の長さの平均値を示している。各シート片10bhが正方形状の場合には、四辺の内のどちらか1辺の長さの平均値を示している。シート片10bhの平均長さが、0.3mm以上である場合には吸収体100に疎な構造を形成し易い。30mm以下である場合には着用者に吸収体100による違和感を与え難く、吸収体100内の位置によって吸収性能にムラを生じ難い。また、各シート片10bhの平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。ここで平均幅とは、各シート片10bhが長方形状の場合には、短手方向の辺の長さの平均値を示している。各シート片10bhが正方形状の場合には、四辺の内のどちらか1辺の長さの平均値を示している。シート片10bhの平均幅が、0.1mm以上である場合には吸収体100に疎な構造を形成し易い。10mm以下である場合には着用者に吸収体100による違和感を与え難く、吸収体100内の位置によって吸収性能にムラを生じ難い。
吸収体100を形成する繊維材料としては、従来、吸収性物品用の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。親水性繊維10aとしては、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等が挙げられる。合成繊維10bとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の短繊維等が挙げられる。シート片10bhとしては、シート形状であれば特に限定されるものではないが、不織布であることが好ましく、本実施形態では、合成繊維10bを有する不織布から形成されている。また、吸収体100を構成する原料には、親水性繊維10a及び合成繊維10b以外に、吸収性粒子10cも含まれている。吸収性粒子10cとしては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系、高吸収性ポリマー系のものが挙げられる。高吸収性ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体からなるもの等を用いることができる。吸収体100を構成する構成部材としては、更に、消臭剤、抗菌剤等を必要に応じて用いることもできる。コアラップシート100bとしては、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等が挙げられる。
次に、本発明の吸収体の製造方法を、前述した一実施形態の吸収体100の製造方法を例にとり図2〜図8を参照して説明する。図2及び図3には、本実施形態の製造方法の実施に用いる一実施形態の製造装置1の全体構成が示されている。吸収体100の製造方法を説明するにあたり、先に製造装置1を説明する。
製造装置1は、図2及び図3に示すように、搬送方向の上流側から下流側に向かって、親水性繊維10aを含む親水性シート10asを解繊機21を用いて解繊する解繊部2と、吸収体100の原料を空気流に乗せて搬送する搬送部としてのダクト3と、シート片10bhを形成する切断装置50と、切断装置50にて形成されたシート片10bhをダクト3の途中からダクト3の内部に供給する吸引ノズル58と、ダクト3の下流側に隣接して配置され、吸収体100の原料を集積する集積部を有する回転ドラム4と、回転ドラム4におけるダクト3と反対側に位置する外周面4fに沿って配された押さえベルト7と、回転ドラム4の下方に配されたバキュームコンベア8とを備えている。集積部の一例である集積用凹部41が、回転ドラム4の外周面に配されている。
以下の説明では、図2に示すように、合成繊維10bを含む帯状のシート10bs及び吸収体100を搬送する方向である第1方向をY方向、第1方向と直交する方向並びに搬送されるシート10bs及び吸収体100の幅方向をX方向、搬送されるシート10bsの厚み方向をZ方向とする。第2方向は、第1方向に交差する方向であるが、本実施形態では、第2方向は、第1方向に直交する方向であり、搬送するシート10bs及び吸収体100の幅方向Xと平行な方向に一致している。
解繊部2は、図2及び図3に示すように、帯状の親水性シート10asを解繊する解繊機21と、解繊機21の上側を覆うケーシング22とを備えている。解繊部2は、ダクト3の内部に、吸収体100の原料である解繊された親水性繊維10aを供給する部分である。また、解繊部2は、親水性シート10asを解繊機21に供給する一対のフィードローラ23,23を有している。
一対のフィードローラ23,23のうち、少なくとも一方のローラは図示しない駆動装置により回転される構成を有する。一対のフィードローラ23,23はニップ式のローラである。前記駆動装置としては、例えばサーボモータが挙げられる。親水性シート10asのスリップを防止する観点から、一対のフィードローラ23,23の両方が駆動装置により回転されていることが好ましい。この場合、一対のフィードローラ23,23を直接駆動装置により駆動してもよいし、一方のローラを駆動装置で駆動し他方のローラにはギヤ等の伝道手段で駆動を伝達してもよい。また、一対のフィードローラ23,23は、親水性シート10asとのスリップを一層防止する観点から、その表面に軸方向に延びる溝を全周にわたって形成することにより、滑りにくくしてもよい。なお、一対のフィードローラ23,23の他、親水性シート10asの搬送を補助するローラを有していてもよい。
ダクト3は、図2及び図3に示すように、解繊部2から回転ドラム4に亘って延びており、ダクト3の下流側の開口が、負圧に維持される回転ドラム4の空間Aに位置する外周面4fを覆っている。ダクト3は、天面を形成する天板31、底面を形成する底板32、及び両側面を形成する両側壁33,34を有している。回転ドラム4の吸気ファン(不図示)の作動により、ダクト3の天板31、底板32及び両側壁33,34で囲まれた内部には、回転ドラム4の外周面4fに向けて吸収体100の原料を流す空気流が生じるようになっている。つまり、ダクト3の内部は流路30となっている。
また、製造装置1は、図2及び図3に示すように、ダクト3の天板31には、吸収性粒子10cをダクト3の内部に供給する吸収性粒子散布管36を有している。吸収性粒子散布管36は、吸収性粒子10cがスクリューフィーダー等の装置(不図示)を介して、吸収性粒子散布管36の先端に設けられた散布口から排出され、ダクト3の内部に供給されるようになっている。そして、各スクリューフィーダー等の装置により、吸収性粒子散布管36への吸収性粒子10cの供給量を調整できるようになっている。
本発明で用いる切断装置は、第1方向に搬送される帯状のシートを第1方向と交差する第2方向に延びるカッター刃を周面に複数備えるカッターローラを有していればよいが、シート片10bhを形成する切断装置50は、図2及び図4に示すように、第1方向に延びるカッター刃51を周面に複数備えたスリットローラ53と、第2方向に延びるカッター刃52を周面に複数備えたカッターローラ54と、スリットローラ53及びカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55とを備えている。
スリットローラ53は、図4に示すように、該スリットローラ53の円周方向に沿って該スリットローラ53の外周全周に亘って連続して延びる複数のカッター刃51,51,51,・・・を有している。複数のカッター刃51,51,51・・・は、スリットローラ53の軸方向(X方向)に並んで配されている。スリットローラ53の軸方向に隣り合うカッター刃51,51どうしの間隔は、切断して形成されるシート片10bhの幅(短手方向の長さ、X方向の長さ)に概ね対応している。より厳密に述べると、シート搬送時のテンションによっては、帯状のシート10bsが幅方向Xに縮んだ状態で切断される為、出来上がったシート片10bhにおいては、そのテンションが解放されることで、カッター刃51,51,51,・・・どうしの間隔に比べて、シート片10bhの幅が広くなる場合もある。スリットローラ53の隣り合うカッター刃51,51どうしの間隔は、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、10mm以下が好ましく、6mm以下がより好ましく、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.5mm以上6mm以下がより好ましい。またスリットローラ53は、モータ等の原動機からの動力を受けて、図4に示す矢印R3方向に回転するようになっている。
カッターローラ54は、図4に示すように、該カッターローラ54の軸方向に沿って且つカッターローラ54の全幅に亘って連続して延びる複数のカッター刃52,52,52,・・・を有している。複数のカッター刃52,52,52,・・・はカッターローラ54の円周方向に間隔を空けて配されている。カッターローラ54の隣り合うカッター刃52,52どうしの周方向の間隔は、0.3mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、30mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、0.3mm以上30mm以下が好ましく、1mm以上15mm以下がより好ましい。またカッターローラ54は、モータ等の原動機からの動力を受けて、図4に示す矢印R4方向に回転するようになっている。カッターローラ54の周速V54(m/min)は、該カッターローラ54の周面から複数のシート片10bhを剥がし易くする等の観点から、30m/min以上が好ましく、50m/min以上がより好ましく、1000m/min以下が好ましく、500m/min以下がより好ましく、30m/min以上1000m/min以下が好ましく、50m/min以上500m/min以下がより好ましい。なお、カッターローラ54の周速V54は、該カッターローラ54のカッター刃52の先端での速度である。カッターローラ54の材質としては、金属製でもセラミック製でもよいが、超硬合金、ハイス鋼やダイス鋼を用いることが好ましい。
受けローラ55は、図4に示すように、その表面がフラットな金属製のフラットローラである。受けローラ55は、モータ等の原動機からの動力を受けて、図4に示す矢印R5方向に回転するようになっている。受けローラ55の周速V55(m/min)は、受けローラ55の周面から複数のシート片10bhを剥がしやすくする観点から、30m/min以上が好ましく、50m/min以上がより好ましく、1000m/min以下が好ましく、500m/min以下がより好ましく、30m/min以上1000m/min以下が好ましく、50m/min以上500m/min以下がより好ましい。なお、受けローラ55の周速V55は、該受けローラ55のロール表面での速度である。
カッターローラ54のロール径d1(図4参照)と、受けローラ55のロール径d3(図4参照)とは異なっていることが好ましい。ロール径を異ならせることで、カッターローラ54と受けローラ55とが回転するごとに、カッター刃52が受けローラ55の周面に当たる位置をずらすことができ、受けローラ55の摩耗を局所的に集中してしまうことを避けることができる。カッターローラ54のロール径d1と受けローラ55のロール径d3とを比較して、小さい方のロール径に対する大きい方のロール径の割合が、自然数とならないことが好ましい。
切断装置50は、図4に示すように、受けローラ55の対向面に、矢印R5方向の上流側から下流側に向かって、受けローラ55とスリットローラ53との間に帯状のシート10bsを導入するフリーローラ56と、搬送方向Yに切断された搬送方向Yに延びる複数の帯状のシート片連続体10bh1を受けローラ55とカッターローラ54との間に導入するニップローラ57と、帯状のシート10bsを搬送するフィードローラ(不図示)とを有している。フィードローラは、帯状のシート10bsの搬送速度を制御するようになっている。フィードローラは、例えばサーボモータ等の駆動装置により回転される構成を有しており、該駆動装置を用いたフィードローラの回転制御により帯状のシート10bsの搬送速度が制御されている。帯状のシート10bsのスリップを防止する観点から、フィードローラは、その表面に軸方向に延びる溝を全周にわたって形成したり、摩擦力を向上させるコーティング処理を全周にわたって施すことにより、滑りにくくしてもよい。ニップローラとフィードローラとで挟むことで滑り難くしてもよい。
吸引ノズル58は、図2及び図3に示すように、その吸引口581が、上述したシート片10bhを形成する切断装置50のカッターローラ54の下方、すなわち、カッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりもカッターローラ54の回転方向(矢印R4方向)下流側に配置されている。また、吸引ノズル58は、その吸引口581がカッターローラ54の全幅に亘って延びている。シート片10bhの吸引性向上の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、受けローラ55とカッターローラ54との間に対向するように、受けローラ55及びカッターローラ54の下方に配置されていることが好ましい。そして、シート片10bhの更なる吸引性向上の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、図3に示すように、受けローラ55及びカッターローラ54を側面から視て、受けローラ55に対向する吸引口581の弧の長さよりもカッターローラ54に対向する吸引口581の弧の長さが長くなるようにカッターローラ54の外面を覆っていることが好ましい。吸引ノズル58は、図2及び図3に示すように、吸引管59を介してダクト3の天板31側に繋がれている。そして、吸引ノズル58の吸引口581から吸引されたシート片10bhが、吸引管59を介してダクト3の途中からダクト3の内部に供給されるようになっている。吸引管59とダクト3との接続位置は、ダクト3における解繊部2側と回転ドラム4側との間に位置しており、ダクト3における吸収性粒子散布管36よりも下流側に位置している。尤も、吸引管59とダクト3との接続位置はこれに限るものではなく、例えば、ダクト3の天板31側ではなく、底板32側でも構わない。
回転ドラム4は、図2及び図3に示すように、その外周面4fに吸収体の原料を集積して集積体を得る集積部としての集積用凹部41を有している。回転ドラム4は、円筒状をなし、モータ等の原動機(不図示)からの動力を受けて、その外周面4fを形成する部材40が水平軸回りを矢印R1方向に回転する。回転ドラム4は、外周面4fを形成する部材40と、部材40よりも内側に位置するドラム本体42とを有している。ドラム本体42は固定されていて回転しないものである。回転ドラム4の集積用凹部41は、回転ドラム4の周方向(2Y方向)の全周に亘って連続的に配置されている。図中、2Yが回転ドラム4の周方向、Xが回転ドラム4の幅方向(回転ドラム4の回転軸と平行な方向)である。このように集積用凹部41は、回転ドラム4の周方向2Yの全周に亘って連続的に配置されている形態であるが、回転ドラム4の周方向2Yに所定の間隔で複数配置されている形態であってもよい。
回転ドラム4のドラム本体42は、図2及び図3に示すように、内部に相互に独立した複数の空間を有しており、例えば3つの空間A〜Cを有している。空間A〜Cどうしの間は、回転ドラム4の回転軸側から外周面4f側に向かって設けられたプレートにより仕切られている。回転ドラム4には吸気機構としての吸気ファン(不図示)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、回転ドラム4内の仕切られた複数の空間の圧力が調整できるようになっている。製造装置1においては、外周面4fがダクト3で覆われた領域に位置する上流側領域である空間Aに対応する領域の吸引力を、下流側領域である空間B〜Cに対応する領域の吸引力よりも強くしたり弱くしたりすることができ、空間Aが負圧に維持されるようになっている。
外周面4fを形成する部材40は、図2及び図3に示すように、ドラム本体42の外周全周を覆って配されており、モータ等の原動機からの動力を受けて、ドラム本体42の水平軸回りを矢印R1方向に回転する。外周面4fを形成する部材40に集積用凹部41が形成されている。
集積用凹部41の底面は、多孔性部材から構成されており、外周面4fの内の集積用凹部41が、回転ドラム4内における負圧に維持された空間上を通過している間、該多孔性部材が吸収体100の原料を吸引する吸引孔として機能する。
押さえベルト7は、図2及び図3に示すように、ダクト3の位置よりも下流側に隣接して回転ドラム4の空間Bに位置する外周面4fに沿って配されている。空間Bは、回転ドラム4の空間Aよりも弱い負圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定されている。押さえベルト7は、無端状の通気性又は非通気性のベルトであり、ローラ71及びローラ72に架け渡されて、回転ドラム4の回転と共に連れ回るようになっている。尚、押さえベルト7が通気性のベルトである場合には、実質的に集積用凹部41内の原料を通過させないものであることが好ましい。押さえベルト7により、空間Bの圧力を大気圧に設定しても、集積用凹部41内の集積体100aをバキュームコンベア8上に転写するまで、集積用凹部41内に保持できる。
バキュームコンベア8は、図2及び図3に示すように、回転ドラム4の弱い陽圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定されている空間Cに位置する外周面4fに配されている。例えば、ドラム本体42の内部から外周面4fの外側へ向かってエアブローすることで、弱い陽圧とすることができる。バキュームコンベア8は、駆動ローラ81及び従動ローラ82,82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んで回転ドラム4の空間Cに位置する外周面4fと対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。バキュームコンベア8上には、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等からなるコアラップシート100bが導入されるようになっている。
尚、製造装置1は、バキュームコンベア8よりも下流側に、コアラップシート100bと、コアラップシート100b上に転写された集積体100aを覆うようにコアラップシート100bを幅方向(X方向)に折り返す折りガイド板(不図示)を有している。折りガイド板は、コアラップシート100bの搬送方向(Y方向)に沿う両側部を集積体100a上に折り返すものである。また、製造装置1は、折りガイド板よりも下流側に切断装置(不図示)を備えており、該切断装置によって、個々の吸収体100が製造される。切断装置としては、例えば、生理用ナプキン、軽失禁パッド、パンティライナー、おむつ等の吸収性物品の製造において、吸収体連続体の切断に従来使用されているもの等を特に制限なく使用することができる。切断装置としては、例えば、一対の周面に切断刃を備えたカッターローラ及び該切断刃を受ける周面平滑なアンビルローラ等が挙げられる。
次に、上述した製造装置1を用いて、吸収性物品用の吸収体100を製造する方法、即ち、本発明の吸収体の製造方法の一実施形態について説明する。
先ず、回転ドラム4内の空間A、及びバキュームコンベア8用のバキュームボックス84内を、それぞれに接続された吸気ファン(不図示)を作動させて負圧にする。空間A内を負圧にすることで、ダクト3の内部に、吸収体100の原料を、回転ドラム4の外周面4fに搬送する空気流が生じる。また解繊機21及び回転ドラム4を回転させ、且つスリットローラ53、カッターローラ54及び受けローラ55を回転させ、押さえベルト7及びバキュームコンベア8を作動させる。
次いで、帯状の親水性シート10asをフィードローラ23を用いて解繊機21に供給して解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を行う。一対のフィードローラ23,23は、親水性シート10asの解繊機21への供給速度を制御するようになっている。解繊工程においては、親水性シート10asの解繊機21への供給が制御して行われる。
解繊工程では、図2及び図3に示すように、解繊機21に供給された親水性シート10asは解繊され、解繊された繊維材料である親水性繊維10aが、解繊機21からダクト3に供給される。
また、本製造方法は、解繊工程とは別に、第1方向に搬送される帯状のシートとしての帯状のシート片連続体10bh1を、前記第1方向と交差する第2方向に延びるカッター刃を周面に複数備えるカッターローラを用いて切断し、第1方向に所定の長さを有する複数のシート片10bhを形成する切断工程を行うようになっている。切断工程においては、図4に示すように、30m/min以上の周速で回転させたカッターローラ54によって、帯状のシート片連続体10bh1を、第1方向Yと交差する第2方向Xに切断して、第1方向Yに所定の長さを有するシート片10bhを複数形成する。帯状のシートは、合成繊維を有する不織布であることが好ましい。
本実施形態の吸収体の製造方法においては、切断装置50は上述のスリットローラ53を更に有しており、切断工程においては、帯状のシート10bsを、スリットローラ53を用いて第1方向Yに切断して、交差方向である幅方向Xに並置された複数の第1方向Yに延びる帯状のシート片連続体10bh1を形成する。その後、形成された帯状のシート片連続体10bh1を、カッターローラ54を用いて第2方向Xに切断してシート片10bhを形成する。このように形成されたシート片10bhは、第1方向Y及び第2方向Xにのみ切断されている。以下、具体的に、本実施形態の切断工程について説明する。
切断工程では、シート片のサイズのバラつきを防止する観点から、モータ等の原動機からの動力を受けて回転するカッターローラ54の周速V54が30m/min以上となってから、帯状のシート10bsを上述したフィードローラを用いて搬送してシート片10bhを形成することが好ましい。
切断工程においては、図4に示すように、フィードローラで搬送された帯状のシート10bsを、フリーローラ56を介して、矢印R5方向に回転する受けローラ55と、矢印R3方向に回転するスリットローラ53との間に導入し、スリットローラ53の複数のカッター刃51,51,51,・・・によって、帯状のシート10bsを、第2方向Xに間隔を空けた位置にて第1方向Yに切断する。このように切断することによって、第2方向Xに並置された複数の第1方向Yに延びる帯状のシート片連続体10bh1が形成される。複数のカッター刃51,51,51,・・・は、それぞれ第2方向Xに等間隔でスリットローラ53の表面に配されている。したがって、シート10bsは等間隔で切断されるので、幅(第2方向の長さ)の等しい帯状のシート片連続体10bh1が複数形成される。切断工程で形成されるシート片連続体10bh1の平均幅は、シート片10bhが所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。本実施形態においては、スリットローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の幅は、最終的に形成されるシート片10bhの短手方向の辺の長さに相当する。しかしながら、スリットローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の幅が、最終的に形成されるシート片10bhの長手方向の辺の長さに相当するように切断してもよく、その場合のスリットローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の平均幅は、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがよりに好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。
本実施形態の吸収体の製造方法においては、第1方向Yに直線に延びるカッター刃51,51,51,・・・を備えるスリットローラ53を用いているため、第1方向Yに直線状に延びるように切断されてシート片連続体10bh1が形成されているが、第1方向Yに延びるのであれば、直線状に限らず、波状のような曲線や、ギザギザ状の連続線であっても構わない。切断工程では、形成された複数の帯状のシート片連続体10bh1を、矢印R5方向に回転する受けローラ55の周面上で搬送し、受けローラ55とニップローラ57との間に搬送する。そして、ニップローラ57を介して、受けローラ55と、カッターローラ54との間に導入する。
そして、切断工程においては、図4に示すように、矢印R5方向に回転する受けローラ55と、矢印R4方向に周速30m/min以上で回転するカッターローラ54との間に、第2方向Xに並置された第1方向Yに延びる複数の帯状のシート片連続体10bh1を導入し、複数のカッター刃52,52,52,・・・によって、複数の帯状のシート片連続体10bh1を、第1方向Yに間欠的に第2方向Xに亘って切断する。このように切断することによって、第2方向Xの長さよりも第1方向Yの長さの方が長い、矩形状のシート片10bhが複数形成される。複数のカッター刃52,52,52,・・・は、それぞれカッターローラ54の円周方向に等間隔で表面に配されている。したがって、複数のシート片連続体10bh1は等間隔で切断されるので、第1方向Yの長さの等しい矩形状のシート片10bhが複数形成される。切断工程で形成されるシート片10bhの平均長さは、シート片10bhが所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。本実施形態においては、カッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さは、シート片10bhの長手方向の辺の長さに相当する。しかしながら、カッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さが、シート片10bhの短手方向の辺の長さに相当するように切断してもよく、その場合のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さ(幅)は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがよりに好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。
複数の帯状のシート片連続体10bh1を、カッターローラ54を用いて切断して複数のシート片10bhを形成する際、切断されたシート片10bhが隣り合うカッター刃52,52の間に挟まったまま留まってしまう虞がある。カッター刃52,52の間に挟まったシート片10bhが多数存在すると、後続して搬送される帯状のシート片連続体10bh1のカット性を阻害し、帯状のシート片連続体10bh1が切断されないままカッターローラ54に巻きついてしまうなどシート片10bhのカット不良が起こる虞がある。そこで、本発明の切断工程においては、カッターローラ54を30m/min以上の周速で回転させた状態下で、複数の帯状のシート片連続体10bh1を切断する。30m/min以上の周速で回転させたカッターローラ54によって、帯状のシート片連続体10bh1を切断してシート片10bhを形成しているので、カッターローラ54の遠心力で、該カッターローラ54の複数のカッター刃52,52,52・・・によって切断された複数のシート片10bhが隣り合うカッター刃52,52から引き剥がされ易い。その為、帯状のシート片連続体10bh1がカッターローラ54に巻きついて、シート片10bhのカット不良が起こることを効果的に抑制することができる。また、切断されたシート片10bhが隣り合うカッター刃52,52の間に挟まった状態で下流工程に供給されなかったり、挟まったシート片10bhがまとめて引き剥がされて下流工程に供給されたりすると、シート片10bhのダクト3の内部への供給ムラが起こってしまうが、本発明の切断工程においては、安定した供給が可能となる。
特に、本実施形態の吸収体100の製造方法においては、帯状のシート10bsをスリットローラ53を用いて切断して、複数の第1方向Yに延びる帯状のシート片連続体10bh1を形成している。このように帯状のシート片連続体10bh1が隙間を開けずに多数並んだ状態のままカッターローラ54に搬送して切断する際に、上述した帯状のシート片連続体10bh1のカッターローラ54への巻きつが生じやすい。このような工程を有する吸収体の製造方法において、30m/min以上の周速で回転させたカッターローラ54によって、帯状のシート片連続体10bh1を切断してシート片10bhを形成することが非常に効果的であることがわかった。尚、カッター刃51を有するスリットローラ53又はカッター刃52を有するカッターローラ54を用いて第1方向Y又は第2方向Xに切断してシート片10bhを形成したとしても、形成されるシート片10bhには、その周辺に、切断により合成繊維による毛羽が生じる場合がある。また、カッター刃51、52の劣化により、帯状のシート10bsがうまく切断されずに、複数のシート片10bhが連なったものが生じる場合がある。
次いで、切断装置50の有するカッターローラ54の下方に配された吸引ノズル58を用い、カッターローラ54で切断して得られたシート片10bhを吸引してダクト3の内部に供給する吸引工程を行う。このようにカッターローラ54の下方、すなわち、カッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりもカッターローラ54の回転方向(図4に示す矢印R4方向)下流側に、吸引ノズル58の吸引口581が配されていると、隣り合うカッター刃52、52に挟み込まれたシート片10bhをカッターローラ54から効率的に引き剥がすことができる。また、カッターローラ54から引き剥がされた複数のシート片10bhを効率的に吸引することができる。
次いで、ダクト3の内部に供給されたシート片10bhを集積部としての集積用凹部41まで搬送する搬送工程を行う。ところで、シート片10bhがダクト3の内部に供給される際に、上述のように、周辺に毛羽が生じたシート片10bhが形成されていたり、複数のシート片10bhが連なった状態であると、毛羽が生じたシート片10bhどうしが連結してしまうなどして、図5に示すようなシート片10bhの塊10Kが形成されるおそれがある。そこで、搬送工程では、ダクト3の内部に発生させた空気流によってシート片10bhを飛散状態で搬送する。吸引工程で吸引された複数のシート片10bhは、図2及び図3に示すように、吸引ノズル58の吸引管59を介して、ダクト3の天板31側からダクト3の流路30内に供給されるようになっている。またダクト3の流路30内には、既に吸収体100の原料を、回転ドラム4の外周面4fに向けて搬送する空気流が生じている。したがって、複数のシート片10bhは、ダクト3における空気流の流れ方向の途中の位置にて、ダクト3の内部に供給されるようになっている。
図5に示すように、意図せずにシート片10bhの塊10Kが供給されたとしても、ダクト3の流路30内を既に流れている空気流の下流側への速度は、吸引管59を介してダクト3の流路30内に途中から供給される複数のシート片10bhの下流側への速度よりも大きいため、シート片10bhの塊10Kがダクト3の流路30内に供給されると、シート片10bhの塊10Kが既に流れている空気流と衝突する。空気流と衝突したシート片10bhの塊10Kは、図5に示すように、空気流との接触の衝撃により、切断時に形成された毛羽による過剰な絡まりや切断不良でシート片10bhどうしが連なった部分等が解され、個々のシート片10bhに分離して下流側に向かって飛散状態で搬送される。このように搬送工程では、個々のシート片10bhに分離してシート片10bhを飛散状態で搬送するので、シート片10bhが均一に分布した吸収体100の集積体100aを安定的に製造し易い。
吸収体100の製造方法で製造される吸収体100は、上述のシート片10bh及び親水性繊維10aを含んでおり、搬送工程においては、切断工程で得られたシート片10bh及び解繊工程で得られた親水性繊維10aを集積用凹部41まで搬送している間に、空気流によって、親水性繊維10aとシート片10bhとを空気流中で衝突させて、該シート片10bhと該親水性繊維10aとを両者が混合された飛散状態で空気流によって搬送する。
搬送工程では、ダクト3の内部(流路30)における空気流の流れ方向に沿う異なる位置で、親水性繊維10aと、シート片10bhとをそれぞれ供給しており、親水性繊維10aを、シート片10bhを供給する位置よりも空気流の流れ方向の上流側で供給して搬送する。即ち、解繊工程に用いられる解繊機21は、図2及び図3に示すように、吸引ノズル58よりもダクト3における空気流の流れ方向の上流側に配されている。搬送工程では、解繊工程にて得られた親水性繊維10aをダクト3の上流側から該ダクト3の流路30内に供給し、吸引工程を経た複数のシート片10bhをダクト3の途中からダクト3の流路30内に供給する。そして、搬送工程では、ダクト3の流路30内を流れる空気流により、解繊機21からダクト3の流路30内に供給された親水性繊維10aを、複数のシート片10bhを供給する位置よりも空気流の流れ方向の上流側から回転ドラム4の外周面4fに向けて搬送する。
ここで、搬送工程では、シート片10bhと親水性繊維10aとがダクト3の内部で合流する際に、シート片10bhの搬送速度Vbと親水性繊維10aの搬送速度Vaとが異なっている。そして、親水性繊維10aの搬送速度Vaにおける下流側への速度成分Va1は、シート片10bhの搬送速度Vbにおける下流側への速度成分Vb1よりも大きくなっている。なお、親水性繊維10aの搬送速度Vaにおける下流側の速度成分Va1とは、図6に示すようにダクト3を側面側から視て投影視した際に、搬送速度Vaを水平方向の速度成分Vb1と鉛直方向の速度成分Va2とに分解した場合における水平方向の速度成分である。同様に、シート片10bhの搬送速度Vbにおける下流側への速度成分Vb1とは、図6に示すようにダクト3を側面側から視て投影視した際に、搬送速度Vbを水平方向の速度成分Vb1と鉛直方向の速度成分Vb2とに分解した場合の水平方向の速度成分である。搬送工程では、親水性繊維10aがシート片10bhよりも上流側から供給されるので、シート片10bhと親水性繊維10aとが合流する際においては、親水性繊維10aの下流側の速度成分Va1がシート片10bhの下流側への速度成分Vb1よりも大きい。特に、本実施形態においては、ダクト3の空気流の流れ方向とは交差方向に延びる吸引管59により、シート片10bhがダクト3の流路30に供給されるようになっている。したがって、ダクト3の流路30に供給される直前のシート片10bhの移動速度は、ダクト3における流れ方向下流側への速度成分が大きくならないので、親水性繊維10aの搬送速度Vaにおける下流側への速度成分Va1は、シート片10bhの搬送速度Vbにおける下流側への速度成分Vb1よりも大きくなりやすい。その為、シート片10bhの塊10Kがダクト3の流路30内に意図せず供給されたとしても、シート片10bhの塊10Kが既に流れている親水性繊維10aと衝突する。親水性繊維10aと衝突したシート片10bhの塊10Kは、図6に示すように、親水性繊維10aとの接触の衝撃により、切断時に形成された毛羽による絡まり等が更に解され、個々のシート片10bhに分離して下流側に向かって飛散状態で搬送される。搬送工程では、シート片10bhの塊10Kが親水性繊維10aと空気流中で衝突することで、個々のシート片10bhが更に分離して親水性繊維10aとシート片10bhとが飛散状態で混合されながら空気流によって搬送されるので、周辺に毛羽が生じたシート片10bhが形成されていたり、ダクト3の内部に供給される前に複数のシート片10bhが連なった状態であっても、シート片10bhと親水性繊維10aとが均一に分布した吸収体100の集積体100aを安定的に製造し易い。
また、吸収体100の製造方法で製造される吸収体100は、親水性繊維10a以外に吸収性粒子10cを含んでいる。搬送工程においては、シート片10bhと親水性繊維10aとの衝突に加えて、切断工程で得られたシート片10bh及び吸収性粒子10cを集積用凹部41に搬送している間に、シート片10bhと吸収性粒子10cとを空気流中で衝突させて、シート片10bhと吸収性粒子10cとを、両者が混合された飛散状態で空気流によって搬送する。
搬送工程では、空気流の流れ方向に沿う異なる位置で、吸収性粒子10cと、シート片10bhとをそれぞれ供給しており、吸収性粒子10cを、シート片10bhを供給する位置よりも空気流の流れ方向の上流側で供給して搬送する。即ち吸収性粒子散布管36が、図2及び図3に示すように、吸引ノズル58よりもダクト3の上流側に配されている。搬送工程では、吸収性粒子10cを吸引ノズル58よりもダクト3の上流側から該ダクト3の流路30内に供給し、吸引工程を経た複数のシート片10bhを、吸収性粒子散布管36の配置位置よりもダクト3の下流側から該ダクト3の流路30内に供給する。そして、搬送工程では、ダクト3の流路30内を流れる空気流により、吸収性粒子散布管36からダクト3の流路30内に供給された吸収性粒子10cを、複数のシート片10bhを供給する位置よりも空気流の流れ方向の上流側から回転ドラム4の外周面4fに向けて搬送する。
ここで、搬送工程では、シート片10bhと吸収性粒子10cとが合流する際に、シート片10bhの搬送速度Vbと吸収性粒子10cの搬送速度Vcとが異なっている。そして、吸収性粒子10cの搬送速度Vcにおける下流側への速度成分Vc1は、シート片10bhの搬送速度Vbにおける下流側への速度成分Vb1よりも大きくなっている。なお、吸収性粒子10cの搬送速度Vcにおける下流側の速度成分Vc1とは、図7に示すようにダクト3を側面側から視て投影視した際に、搬送速度Vaを水平方向の速度成分Va1と鉛直方向の速度成分Va2とに分解した場合における水平方向の速度成分である。搬送工程では、吸収性粒子10cがシート片10bhよりも上流側から供給されるので、シート片10bhと吸収性粒子10cとが合流する際においては、吸収性粒子10cの下流側の速度成分Vc1がシート片10bhの下流側への速度成分Vb1よりも大きい。その為、シート片10bhの塊10Kがダクト3の流路30内に供給されると、シート片10bhの塊10Kが既に流れている吸収性粒子10cと衝突する。吸収性粒子10cと衝突したシート片10bhの塊10Kは、図7に示すように、吸収性粒子10cとの接触の衝撃により、切断時に形成された毛羽による絡まり等が更に解され、個々のシート片10bhに分離して下流側に向かって飛散状態で搬送される。搬送工程では、シート片10bhの塊10Kが、親水性繊維10aと空気流中で衝突すると共に吸収性粒子10cとも衝突することで個々のシート片10bhがより一層分離して、親水性繊維10a、シート片10bh及び吸収性粒子10cが飛散状態で混合されながら空気流によって搬送されるので、親水性繊維10a、シート片10bh及び吸収性粒子10cが均一に分布した吸収体100の集積体100aを安定的に製造し易い。特に、吸収性粒子10cはシート片10bhに比べて比重が大きいので、個々のシート片10bhがより一層分離しやすい。
次いで、搬送工程で空気流によって飛散状態で搬送されたシート片10bhのみならず親水性繊維10a及び吸収性粒子10cも、回転ドラム4の外周面4fに配された集積用凹部41に集積し、吸収体の構成部材である集積体100aを得る集積工程を行う。集積工程においては、搬送工程にて個々のシート片10bhが分離して飛散状態で搬送するので、平面視して集積体100aの略全域にシート片10bhが均一に混合されて集積される。
以上のようにして、回転ドラム4の集積用凹部41の全域にシート片10bhが略均一に配されるように搬送され、親水性繊維10a、シート片10bh及び吸収性粒子10cが混合されて集積された吸収体の構成部材の集積体100aが形成される。このように集積用凹部41内に形成された集積体100aを、回転ドラム4の周方向(2Y方向)の全周に亘って連続的に製造する。このように、集積用凹部41内に親水性繊維10a、合成繊維10b及び吸収性粒子10cが集積した集積体100aを得た後、図2に示すように、更に回転ドラム4を回転させ、回転ドラム4の空間Bに位置する外周面4fに配された押さえベルト7で集積用凹部41内の集積体100aを押さえつけながら、バキュームコンベア8上まで搬送する。
そして、集積用凹部41内の集積体100aは、図2及び図3に示すように、回転ドラム4の空間Cに位置するバキュームボックス84の対向位置にくると、バキュームボックス84からの吸引によって、集積用凹部41から離型する。そして、バキュームコンベア8上に導入されたコアラップシート100bの幅方向Xの中央部分上に、搬送方向Yに沿って連続して延びる集積体100aを受け渡す。
次いで、図2に示すように、コアラップシート100bの搬送方向Yに沿う両側部の内の一方の側部を、折りガイド板(不図示)により幅方向X内側に集積体100a上に折り返す。そして、他方の側部を、折りガイド板により幅方向X内側に集積体100a上に折り返し、集積体100aをコアラップシート100bで被覆してなる帯状の吸収体100を製造する。
その後、切断装置(不図示)によって、帯状の吸収体100を、搬送方向Yに所定の間隔にて切断して、個々の吸収体100を製造する。このように製造された吸収体100は、図1に示すように、親水性繊維10a、シート片10bh及び吸収性粒子10cが略全域に均一に混合されて集積され、コアラップシート100bで被覆された集積体100aを有している。このような吸収体100を有する吸収性物品は、シート片10bhが均一に分布して配されているので、該吸収性物品の使用中での異物感が少なく、使用感が向上する。
尚、本実施形態の吸収体100の製造方法では、図4に示すカッターローラ54を用いたが、図8(a)及び図8(b)に示すカッターローラ54Aでもよい。図4に示すカッターローラ54は、該カッターローラ54の軸方向に沿って且つ該カッターローラ54の全幅に亘って連続して延びる複数のカッター刃52,52,52・・・を有するところ、図8(a)及び図8(b)に示すカッターローラ54Aは、該カッターローラ54の軸方向に対して傾斜し且つ該カッターローラ54Aの全幅に亘って連続して延びる複数のカッター刃52A,52A,52A・・・を有している。複数のカッター刃52A,52A,52Aは、カッターローラ54Aの周方向に間隔を空けて配されている。
図8(a)及び図8(b)に示すカッターローラ54Aを用いた吸収体100の製造方法では、矢印R5方向に回転する受けローラ55と、矢印R4方向に周速30m/min以上で回転するカッターローラ54Aとの間に、第2方向Xに並置された第1方向Yに延びる複数の帯状のシート片連続体10bh1を導入する。複数のカッター刃52A,52A,52A・・・が第1方向と直交する第2方向である軸方向に対して傾斜する方向に延びているので、受けローラ55とカッターローラ54Aとの間に導入された複数の帯状のシート片連続体10bh1は、該カッターローラ54Aの軸方向の一方側から他方側に順番に切断されていく。その為、例えば、スリットローラ53で切断された隣り合うシート片連続体10bh1どうしが毛羽等で僅かに繋がっていたとしても、カッターローラ54Aと受けローラ55との間に、複数のシート片連続体10bh1がスムーズに導入され易い。従って、複数のシート片連続体10bh1を安定して切断でき、シート片10bhが安定的に形成できる。
また、複数のカッター刃52A,52A,52A・・・がカッターローラ54Aの軸方向に対して傾斜する方向に延びているということは、複数のカッター刃52A,52A,52A・・・の延びる方向と、カッターローラ54Aの回転方向とが90度未満で交差することになる。このような構成の場合、カッターローラ54Aが回転することにより、隣り合うカッター刃52Aどうしの間の空間に空気流が発生しやすくなる。したがって、たとえカッター刃の間にシート片10bhが挟まったとしても、発生した空気流によって、カッター刃の間に挟まったシート片10bhを効率的に引き剥がすことができ、複数のカッター刃52,52,52・・・がカッターローラ54の軸方向に沿って延びている図4に示すカッターローラ54に比べて、シート片10bhのカット不良を効果的に抑制することができる。
カッターローラ54のカッター刃52Aの延びる方向における、カッターローラ54Aの軸方向に対する傾斜角度としては、3°以上が好ましく、5°以上がより好ましく、50°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、また、3°以上50°以下が好ましく、5°以上30°以下がより好ましい。
本発明は、前記実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、本実施形態のシート片10bh及び吸収体の製造方法では、図2に示すように、スリットローラ53とカッターローラ54と用いて帯状のシート10bsを切断してシート片を形成しているが、スリットローラ53及びカッターローラ54に替えて、第1方向Yに切断するカッター刃51と第2方向Xに切断するカッター刃52とを同一周面上に備えた1個のカッターローラと、受けローラ55とを用いて帯状のシート10bsを切断していてもよい。前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置では、吸引ノズル58の吸引口581が該1個のカッターローラの下方に配置されていることが好ましい。
また、本実施形態のシート片10bh及び吸収体の製造方法では、図2に示すように、第1方向Yに切断するカッター刃51を備えたスリットローラ53と、第2方向Xに切断するカッター刃52を備えたカッターローラ54と、スリットローラ53及びカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55を用いて、帯状のシート10bsを、第1方向Yと第2方向Xとに所定の長さで切断し、シート片10bhを形成している。それに対し、スリットローラ53とカッターローラ54とに対向して配された別々の受けローラを用いて、帯状のシート10bsを切断してシート片10bhを形成してもよい。
また、本実施形態のシート片10bh及び吸収体の製造方法では、図2に示すように、それぞれ等間隔に配置された複数のカッター刃51を備えたスリットローラ53と、それぞれ等間隔に配置された複数のカッター刃52を備えたカッターローラ54とを用いて、帯状のシート10bsを切断して同じサイズのシート片10bhを形成しているが、2種類以上の間隔を有するように複数のカッター刃51を備えたスリットローラ53又は2種類以上の間隔を有するように複数のカッター刃52を備えたカッターローラ54とを用いて、帯状のシート10bsを切断してシート片10bhを形成してもよい。このように形成した場合は、2種類以上のサイズのシート片10bhを形成することができるが、カッターミル方式を用いた形成とは違い、意図したサイズのシート片を精度良く形成することができ、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して形成することができる。
また、本実施形態の吸収体100の製造方法では、帯状の親水性シート10asを解繊機21を用いて解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を備えているが、該解繊工程を備えていなくてもよい。また、吸収体100の製造方法においては、吸収性粒子散布管36を用いて、吸収性粒子10cを供給しているが、吸収性粒子10cを供給しなくてもよい。即ち、本実施形態の吸収体100の製造方法においては、シート片10bhの塊10Kが意図せず供給されたとしても、空気流のみならず、異種材料である親水性繊維10a及び吸収性粒子10cをシート片10bhの塊10Kに衝突させてシート片10bhに分離させているが、シート片10bhの塊10Kに空気流のみを衝突させて分離させてもよい。また、空気流と、親水性繊維10a又は吸収性粒子10cとをシート片10bhの塊10Kに衝突させてシート片10bhに分離させてもよい。
また、製造される集積体100aの形状は、集積用凹部41の形状を変更することにより柔軟に変更してもよい。また、合成繊維10bに用いられる繊維を親水化処理しても良い。
上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収体の製造方法及び製造装置を開示する。
<1>
複数のシート片を有する吸収体の製造方法であって、第1方向に搬送される帯状のシートを、前記第1方向と交差する第2方向に延びるカッター刃を周面に複数備えるカッターローラを用いて切断し、前記第1方向に所定の長さを有する複数のシート片を形成する切断工程と、複数の前記シート片を集積部に集積し、前記吸収体の構成部材である集積体を得る集積工程とを備え、前記切断工程においては、30m/min以上の周速で回転させた前記カッターローラによって、前記帯状のシートを切断して複数の前記シート片を形成する、吸収体の製造方法。
<2>
前記第1方向に延びるカッター刃を周面に複数備えるスリットローラを更に有し、前記切断工程においては、前記帯状のシートを、前記スリットローラを用いて前記第1方向に切断して、前記第1方向に延びる帯状のシート片連続体を複数形成し、形成された帯状の前記シート片連続体を、前記カッターローラを用いて切断し、複数の前記シート片を形成する、前記<1>に記載の吸収体の製造方法。
<3>
前記切断工程においては、前記カッターローラと、該カッターローラに対向して配された受けローラとを用い、該カッターローラ及び該受けローラの間に前記帯状のシートを導入して前記第2方向に切断して複数の前記シート片を形成する、前記<1>又は<2>に記載の吸収体の製造方法。
<4>
前記カッターローラのロール径と、前記受けローラのロール径とが異なる、前記<3>に記載の吸収体の製造方法。
<5>
前記切断工程では、前記カッターローラの周速が30m/min以上となってから、前記帯状のシートを、前記カッターローラを用いて切断し、複数の前記シート片を形成する、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<6>
前記帯状のシートは、合成繊維を有する不織布である、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<7>
前記切断工程で形成されたシート片を吸引して搬送部に供給する吸引工程と、該搬送部に供給された前記シート片を、空気流によって集積部まで搬送する搬送工程とを有し、前記集積工程においては、前記搬送工程で搬送された前記シート片を、前記集積部に集積する、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<8>
前記カッターローラのカッター刃は、前記カッターローラの軸方向に対して傾斜する方向に延びており、前記切断工程においては、前記カッターローラの軸方向に対して傾斜する方向に切断して、複数の前記シート片を形成する、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<9>
前記切断工程で形成された各前記シート片の平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<10>
前記切断工程で形成された各前記シート片の平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<11>
前記切断工程において、前記カッターローラの周速は、30m/min以上が好ましく、50m/min以上がより好ましく、1000m/min以下が好ましく、500m/min以下がより好ましく、30m/min以上1000m/min以下が好ましく、50m/min以上500m/min以下がより好ましい、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<12>
前記カッターローラのロール径と前記受けローラのロール径とを比較して、小さい方のロール径に対する大きい方のロール径の割合が、自然数とならない、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<13>
前記カッターローラのカッター刃の延びる方向における、該カッターローラの軸方向に対する傾斜角度としては、3°以上が好ましく、5°以上がより好ましく、50°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、また、3°以上50°以下が好ましく、5°以上30°以下がより好ましい、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<14>
複数のシート片を有する吸収体の製造装置であって、第1方向に搬送される帯状のシートを、前記第1方向と交差する第2方向に延びるカッター刃を周面に複数備えるカッターローラを有し、前記帯状のシートを切断して前記第1方向に所定の長さを有する複数のシート片を形成する切断装置と、複数の前記シート片を集積し、前記吸収体の構成部材である集積体を得る集積部とを備え、前記切断装置は、30m/min以上の周速で回転させた前記カッターローラによって、前記帯状のシートを切断して複数の前記シート片を形成する、吸収体の製造装置。
<15>
前記切断装置は、前記第1方向に延びるカッター刃を周面に複数備えるスリットローラを更に有し、前記帯状のシートを、前記スリットローラを用いて前記第1方向に切断して、前記第1方向に延びる帯状のシート片連続体を複数形成し、形成された帯状の前記シート片連続体を、前記カッターローラを用いて切断し、複数の前記シート片を形成する、前記<14>に記載の吸収体の製造装置。
<16>
前記切断装置は、前記カッターローラに対向して配された受けローラを更に有し、前記カッターローラ及び該受けローラの間に前記帯状のシートを導入して前記第2方向に切断して複数の前記シート片を形成する、前記<14>又は<15>に記載の吸収体の製造装置。
<17>
前記カッターローラのロール径と、前記受けローラのロール径とが異なる、前記<16>に記載の吸収体の製造装置。
<18>
前記切断装置で形成された前記シート片を吸引して搬送部の内部に供給する吸引ノズルと、供給された前記シート片を、空気流によって集積部まで搬送する搬送部とを備える、前記<14>〜<17>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<19>
前記カッターローラのカッター刃は、前記カッターローラの軸方向に対して傾斜する方向に延びている、前記<14>〜<18>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<20>
前記切断装置で形成される各前記シート片の平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい、前記<14>〜<19>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<21>
前記切断装置で形成される各前記シート片の平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい、前記<14>〜<20>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<22>
前記カッターローラの周速は、30m/min以上が好ましく、50m/min以上がより好ましく、1000m/min以下が好ましく、500m/min以下がより好ましく、30m/min以上1000m/min以下が好ましく、50m/min以上500m/min以下がより好ましい、前記<14>〜<21>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<23>
前記カッターローラのロール径と前記受けローラのロール径とを比較して、小さい方のロール径に対する大きい方のロール径の割合が、自然数とならない、前記<14>〜<22>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<24>
前記カッターローラのカッター刃の延びる方向における、該カッターローラの軸方向に対する傾斜角度としては、3°以上が好ましく、5°以上がより好ましく、50°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、また、3°以上50°以下が好ましく、5°以上30°以下がより好ましい、前記<14>〜<23>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
以下、本発明の吸収性物品を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
<実施例1>
実施例1の製造方法に用いる切断装置としては、図4に示すカッターローラ54、スリットローラ53及び受けローラ55を有する切断装置50と同様の基本構成を有する切断装置を用意した。カッターローラ54の材質としては、ダイス鋼(SKD−11相当)を用いた。そして、実施例1の切断装置を用いて、帯状のシート10bsを搬送方向に切断して帯状のシート片連続体10bh1を形成し、帯状のシート片連続体10bh1を搬送方向と直交する幅方向に切断して、シート片10bhを形成した。
帯状のシート10bsとしては、単一樹脂であるポリプロピレン樹脂からなる短繊維から構成された不織布を用いた。不織布の坪量は20g/m2であった。
カッターローラ54のロール径d1は115mmであり、隣り合うカッター刃52,52どうしの間隔は5mmであった。カッターローラ54の周速V54は30m/minであった。
スリットローラ53のロール径d2は115mmであり、隣り合うカッター刃51,51どうしの間隔は1mmであった。
<実施例2>
カッターローラ54の周速V54を50m/minとした以外は、実施例1と同様にして実施例2のシート片を形成した
<実施例3>
カッターローラ54の周速V54を60m/minとした以外は、実施例1と同様にして実施例3のシート片を形成した
<実施例4>
カッターローラ54の周速V54を70m/minとした以外は、実施例1と同様にして実施例4のシート片を形成した
<比較例1>
カッターローラ54の周速V54を20m/minとした以外は、実施例1と同様にして比較例1のシート片を形成した
<比較例2>
カッターローラ54の周速V54を10m/minとした以外は、実施例1と同様にして比較例2のシート片を形成した
〔剥離状況の評価〕
カッターローラ54の周面におけるシート片10bhの剥離状況を、以下の3段階で目視により評価した。
A:カッターローラの周面からシート片が剥離している
B:カッターローラの周面にシート片が付着している
C:カッターローラの周面にシート片が大量に付着している
表1に示す結果から、実施例1〜4の製造方法に用いる切断装置では、比較例1及び2の製造方法に用いる切断装置に比べ、カッターローラ54の周面にシート片10bhが付着し難いことが分かった。このことから、実施例1〜4の製造方法は、比較例1及び2の製造方法に比べ、シート片のカット不良を抑制することができる。このような切断装置を備えた吸収体の製造装置を用いた製造方法によれば、一定サイズのシート片を効率的に製造できるので、一定サイズのシート片が分散された吸収体を安定して製造し得ることが期待できる。