以下に、本発明について、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の製造方法は、吸収性物品用の製造方法である。本発明で製造する吸収性物品は、主として尿、経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。吸収性物品は、典型的には、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。吸収性物品は、該吸収性物品の着用時に、着用者の前後方向に対応する縦方向に長い形状となっている。
図1には、本実施形態の吸収性物品の製造方法で製造される一実施形態の吸収性物品200の断面図が示されている。吸収性物品200は、吸収体100と吸収体100の肌対向面側に配された加熱処理表面シート201kと、吸収体100の非肌対向面側に配された裏面シート201bとを有している。尚、肌対向面とは、吸収性物品200を構成する各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、非肌対向面とは、吸収性物品200を構成する各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
吸収体100は、合成繊維10bを含んでおり、本実施形態では図1に示すように、合成繊維10bのみならず、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cを含む吸収性コア100aを備えている。ここで、「合成繊維10bを含む」とは、合成繊維10bを含むシート片10bhを有する意味である。吸収体100は、合成繊維10bを含む形態であれば単層でも2層以上の複数層でもよいが、本実施形態では、親水性繊維10a、合成繊維10b及び吸収性粒子10cが分散して配された単層の吸収性コア100aを有している。吸収体100は、吸収性コア100aをコアラップシート100bで被覆して形成されている。吸収体100は、吸収性物品200と同様に、着用者の前後方向に長い形状となっている。
吸収性コア100aは、合成繊維10bを含むシート片10bh(以下、単にシート片10bhとも言う)を複数含み、各シート片10bhは、略矩形状の形状を有している。各シート片10bhの平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。ここで平均長さとは、各シート片10bhが長方形状の場合には、長手方向の辺の長さの平均値を示している。各シート片10bhが正方形状の場合には、四辺の内の何れか1辺の長さの平均値を示している。シート片10bhの平均長さが、0.3mm以上である場合には吸収体100に疎な構造を形成し易く、30mm以下である場合には着用者に吸収体100による違和感を与え難く、吸収体100内の位置によって吸収性能にムラを生じ難い。また、各シート片10bhの平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。ここで平均幅とは、各シート片10bhが長方形状の場合には、短手方向の辺の長さの平均値を示している。各シート片10bhが正方形状の場合には、四辺の内の何れか1辺の長さの平均値を示している。シート片10bhの平均幅が、0.1mm以上である場合には吸収体100に疎な構造を形成し易く、10mm以下である場合には着用者に吸収体100による違和感を与え難く、吸収体100内の位置によって吸収性能にムラを生じ難い。
吸収体100を形成する繊維材料としては、従来、吸収性物品用の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。親水性繊維10aとしては、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等が挙げられる。合成繊維10bとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の短繊維等が挙げられる。シート片10bhとしては、シート形状であれば特に限定されるものではないが、不織布であることが好ましい。また、吸収体100を構成する構成部材には、親水性繊維10a及び合成繊維10b以外に、吸収性粒子10cも含まれている。吸収性粒子10cとしては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系、高吸収性ポリマー系のものが挙げられる。高吸収性ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体からなるもの等を用いることができる。吸収体100を構成する構成部材としては、更に、消臭剤、抗菌剤等を必要に応じて用いることもできる。コアラップシート100bとしては、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等が挙げられる。
加熱処理表面シート201kは、液透過性の表面シート201に加熱処理を施したものである。表面シート201としては、後述する加熱処理を施すことによって厚みが増加しやすい観点から、合成繊維を含み、構成繊維どうしを融着する熱融着部が三次元に分散したシートを用いることが好ましい。具体的に、表面シート201としては、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、レジンボンド不織布、およびニードルパンチ不織布等が挙げられる。
次に、本発明の吸収性物品の製造方法を、前述した吸収性物品200の製造方法を例にとり図2〜図4を参照して説明する。図2及び図3には、本実施形態の製造方法の実施に用いる一実施形態の製造装置1の全体構成が示されている。吸収性物品200の製造方法を説明するに当たり、先に製造装置1を説明する。
吸収性物品を製造する製造装置1は、図2及び図3に示すように、吸収体100を形成する吸収体形成装置100Aと、吸収体100を含む吸収性物品の連続体200rを形成する物品連続体形成部100Bとを備えている。
吸収体形成装置100Aは、図2及び図3に示すように、合成繊維10bを含む複数のシート片10bhを集積して吸収性コア100aを形成するコア形成部9を有している。コア形成部9は、搬送方向の上流側から下流側に向かって、親水性繊維10aを含む親水性シート10as解繊する解繊部2と、吸収性コア100aの原料を空気流に乗せて搬送する搬送部としてのダクト3と、ダクト3の途中からダクト3の内部にシート片10bhを供給する供給部5と、ダクト3の下流側に隣接して配置され、吸収性コア100aの原料を集積する集積部を有する回転ドラム4と、回転ドラム4におけるダクト3と反対側に位置する外周面4fに沿って配された押さえベルト7と、回転ドラム4の下方に配されたバキュームコンベア8とを備えている。集積部の一例である集積用凹部41が、回転ドラム4の外周面に配されている。
以下の説明では、合成繊維10bを含む帯状の合成繊維シート10bs及び吸収体100を搬送する方向をY方向、搬送する方向と直交する方向並びに搬送される合成繊維シート10bs及び吸収体100の幅方向をX方向、搬送される合成繊維シート10bs及び吸収体100の厚み方向をZ方向とする。
また、後述する第1方向とは、搬送方向Yに延びる方向であり、搬送方向Yとのなす角が45度未満の範囲で延びる方向を意味している。本実施形態では、第1方向は搬送方向Yと平行な方向に一致している。
また、後述する第2方向とは、第1方向に交差する方向である。本実施形態では、第2方向は、第1方向に直交する方向であり、搬送する合成繊維シート10bs及び吸収体100の幅方向Xと平行な方向に一致している。
解繊部2は、図2及び図3に示すように、親水性繊維10aを含む帯状の親水性シート10asを解繊する解繊機21と、解繊機21の上側を覆うケーシング22とを備えている。解繊部2は、ダクト3の内部に、吸収体100の原料である解繊された親水性繊維10aを供給する部分である。また、解繊部2は、親水性シート10asを解繊機21に供給する一対のフィードローラ(不図示)を有している。
ダクト3は、図2及び図3に示すように、解繊部2から回転ドラム4に亘って延びており、ダクト3の下流側の開口が、負圧に維持される回転ドラム4の空間Aに位置する外周面4fを覆っている。ダクト3は、天面を形成する天板31、底面を形成する底板32、及び両側面を形成する両側壁33,34を有している。回転ドラム4の吸気ファン(不図示)の作動により、ダクト3の天板31、底板32及び両側壁33,34で囲まれた内部には、回転ドラム4の外周面4fに向けて吸収体100の原料を流す空気流が生じるようになっている。つまり、ダクト3の内部は流路30となっている。
ダクト3の天板31には、図2及び図3に示すように、吸収性粒子10cをダクト3内に供給する吸収性粒子散布管36が配されている。吸収性粒子散布管36は、吸収性粒子10cがスクリューフィーダー等の装置(不図示)を介して、吸収性粒子散布管36の先端に設けられた散布口から排出され、ダクト3の内部に供給されるようになっている。そして、各スクリューフィーダー等の装置により、吸収性粒子散布管36への吸収性粒子10cの供給量を調整できるようになっている。
供給部5は、図2〜図4に示すように、合成繊維10bを含む帯状の合成繊維シート10bsを第1方向(Y方向)及び第2方向(X方向)に所定の長さで切断してシート片10bhを形成するカッター刃51,52を有している。供給部5は、第1方向に切断する複数のカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向に切断する複数のカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを有している。供給部5は、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55を有している。
第1のカッターローラ53の表面には、図2〜図4に示すように、第1のカッターローラ53の円周方向に沿って第1のカッターローラ53の外周全周に亘って連続して延びる複数のカッター刃51,51,51,・・・が第1のカッターローラ53の軸方向(X方向)に並んで配されている。第1のカッターローラ53は、モータ等の原動機からの動力を受けて、矢印R3方向に回転するようになっている。第1のカッターローラ53の軸方向に隣り合うカッター刃51,51,51,・・・どうしの間隔は、切断により形成されるシート片10bhの幅(短手方向の長さ、X方向の長さ)に概ね対応している。より厳密に述べると、シート搬送時のテンションによっては、合成繊維シート10bsが幅方向Xに縮んだ状態で切断される為、出来上がったシート片10bhにおいては、そのテンションが解放されることで、カッター刃51,51,51,・・・どうしの間隔に比べて、シート片10bhの幅が広くなる場合もある。
第2のカッターローラ54の表面には、図2〜図4に示すように、第2のカッターローラ54の軸方向に沿って且つ第2のカッターローラ54の全幅に亘って連続して延びる複数のカッター刃52,52,52,・・・が第2のカッターローラ54の円周方向に間隔を空けて配されている。第2のカッターローラ54は、モータ等の原動機からの動力を受けて、矢印R4方向に回転するようになっている。
受けローラ55は、図2〜図4に示すように、その表面がフラットなフラットローラである。受けローラ55は、モータ等の原動機からの動力を受けて、矢印R5方向に回転するようになっている。
供給部5は、図2〜図4に示すように、受けローラ55の対向面に、回転方向(矢印R5方向)の上流側から下流側に向かって、受けローラ55と第1のカッターローラ53との間に帯状の合成繊維シート10bsを導入するフリーローラ56、帯状の合成繊維シート10bsを第1方向に切断する第1のカッターローラ53、第1方向に切断された第1方向に延びる複数の帯状のシート片連続体10bh1を受けローラ55と第2のカッターローラ54との間に導入するニップローラ57、帯状のシート片連続体10bh1を第2方向に切断する第2のカッターローラ54を、順に有している。また、供給部5は、帯状の合成繊維シート10bsを搬送するフィードローラ(不図示)を有しており、該フィードローラは、受けローラ55と第1のカッターローラ53との間に帯状の合成繊維シート10bsを導入する。該フィードローラは、例えばサーボモータ等の駆動装置により回転される構成を有する。合成繊維シート10bsのスリップを防止する観点から、該フィードローラは、その表面に軸方向に延びる溝を全周にわたって形成したり、摩擦力を向上させるコーティング処理を全周にわたって施すことにより、滑りにくくしてもよい。ニップローラとフィードローラとで挟むことで滑りにくくしてもよい。
供給部5は、図2〜図4に示すように、第2のカッターローラ54により形成されたシート片10bhを吸引する吸引ノズル58を有している。吸引ノズル58は、その吸引口581が、第2のカッターローラ54の下方、すなわち、第2のカッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりも第2のカッターローラ54の回転方向(矢印R4方向)下流側に配置されている。また、吸引ノズル58は、その吸引口581が第2のカッターローラ54の全幅に亘って延びている。シート片10bhの吸引性向上の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、受けローラ55と第2のカッターローラ54との間に対向するように、受けローラ55及び第2のカッターローラ54の下方に配置されていることが好ましい。そして、シート片10bhの更なる吸引性向上の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、図4に示すように、受けローラ55及び第2のカッターローラ54を側面から視て、受けローラ55に対向する吸引口581の弧の長さよりも第2のカッターローラ54に対向する吸引口581の弧の長さが長くなるように第2のカッターローラ54の外面を覆っていることが好ましい。
吸引ノズル58は、図2及び図3に示すように、供給管59を介してダクト3の天板31側に繋がれている。そして、吸引ノズル58の吸引口581から吸引されたシート片10bhが、供給管59を介してダクト3の途中からダクト3の内部に供給されるようになっている。供給管59とダクト3との接続位置は、ダクト3における解繊部2側と回転ドラム4側との間に位置しており、ダクト3における吸収性粒子散布管36よりも下流側に位置している。尤も、供給管59とダクト3との接続位置はこれに限るものではなく、例えば、ダクト3の天板31側ではなく、底板32側でも構わない。
回転ドラム4は、図2及び図3に示すように、円筒状をなし、外周面4fを形成する部材40と、部材40よりも内側に位置する固定されたドラム本体42とを有している。外周面4fを形成する部材40は、モータ等の動力を受けて水平軸回りを矢印R1方向に回転する。外周面4fを形成する部材40は、吸収体の原料を集積して集積体を得る集積部としての集積用凹部41を有している。集積用凹部41は、回転ドラム4の周方向(2Y方向)の全周に亘って連続的に配置されている。集積用凹部41の底面は、吸収体100の原料を吸引する吸引孔として機能する多孔性部材で構成されている。ドラム本体42は、内部に相互に独立した複数の空間を有しており、回転ドラム4に接続された吸気ファン(不図示)の駆動により、各空間の圧力が調整される。製造装置1では、3つの空間A〜Cを有しており、空間Aに対応する領域の吸引力を、空間B〜Cに対応する領域の吸引力よりも強くしたり弱くしたりすることができ、空間Aが負圧に維持されている。
押さえベルト7は、図2及び図3に示すように、ダクト3の位置よりも下流側に隣接して回転ドラム4の空間Bに位置する外周面4fに沿って配されている。空間Bは、回転ドラム4の空間Aよりも弱い負圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定されている。押さえベルト7は、無端状の通気性又は非通気性のベルトであり、ローラ71及びローラ72に架け渡されて、回転ドラム4の回転と共に連れ回るようになっている。押さえベルト7により、集積用凹部41内の吸収性コア100aをバキュームコンベア8上に転写するまで、集積用凹部41内に保持できる。
バキュームコンベア8は、図2及び図3に示すように、回転ドラム4の下方に配されており、回転ドラム4の弱い陽圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定されている空間Cに位置する外周面4fに配されている。例えば、ドラム本体42の内部から外周面4fの外側へ向かってエアブローすることで、弱い陽圧とすることができる。バキュームコンベア8は、駆動ローラ81及び従動ローラ82,82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んで回転ドラム4の空間Cに位置する外周面4fと対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。バキュームコンベア8上には、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等からなるコアラップシート100bが導入されるようになっている。
尚、吸収体形成装置100Aは、バキュームコンベア8よりも下流側に、コアラップシート100bと、コアラップシート100b上に転写された吸収性コア100aを覆うようにコアラップシート100bを幅方向(X方向)に折り返す折りガイド板(不図示)を有している。折りガイド板は、コアラップシート100bの搬送方向Yに沿う両側部を吸収性コア100a上に折り返すものである。また、吸収体形成装置100Aは、折りガイド板よりも下流側に切断装置6を備えており、該切断装置6によって、個々の吸収体100が製造される。切断装置6としては、例えば、生理用ナプキン、軽失禁パッド、パンティライナー、おむつ等の吸収性物品の製造において、吸収体連続体の切断に従来使用されているもの等を特に制限なく使用することができる。切断装置6としては、例えば、周面に切断刃を備えたカッターローラ62及び該切断刃を受ける周面平滑なアンビルローラ63等が挙げられる。
物品連続体形成部100Bは、図2及び図3に示すように、加熱処理表面シート201kを形成する加熱部210と、吸収体形成装置100Aにより形成された吸収体100の厚み方向Z上側に加熱処理表面シート201kを供給する導入ロール203aと、裏面シート201bを該吸収体100の厚み方向Z下側に導入する導入ロール203bとを備えている。
加熱部210は、その内部に表面シート201aに加熱処理を施す加熱ゾーン(不図示)を備えており、帯状の表面シート201aを該加熱ゾーンに通過させて加熱処理表面シート201kを形成する。加熱部210は、該加熱ゾーン内において、表面シート201aに熱風又は加熱蒸気を吹き付ける吹き付け手段(不図示)と、吹き付け手段により吹き付けられた熱風又は加熱蒸気を吸引する熱風用サクションボックス(不図示)とを備えており、帯状の表面シート201aに熱風又は加熱蒸気を吹き付けて加熱処理表面シート201kを形成する。加熱部210においては、吹き付け手段が搬送される表面シート201aの厚み方向Zの上側に配されていることが好ましく、熱風用サクションボックスが搬送される表面シート201aの厚み方向Zの下側に配されていることが好ましい。
次に、上述した製造装置1を用いて吸収性物品200を製造する方法、即ち、本発明の吸収性物品の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の吸収性物品200の製造方法は、図2及び図3に示すように、吸収体100を形成する吸収体形成工程と、加熱処理表面シート201kを形成する加熱工程と、吸収性物品の連続体200rを形成する物品連続体形成工程とを備える。尚、吸収体形成工程は吸収性コア100aを形成するコア形成工程を有している。より好ましくは、吸収体形成工程は、解繊機21を用いて帯状の親水性シート10asを解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程と、合成繊維10bを含む帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向と第2方向とに所定の長さで切断してシート片10bhを複数形成する切断工程と、該切断工程で得られたシート片10bhを吸引してダクト3の内部に供給する吸引工程と、複数のシート片10bh及び親水性繊維10aを、搬送部としてのダクト3を用いて集積部としての集積用凹部41まで搬送する搬送工程と、搬送工程で搬送された複数のシート片10bh及び親水性繊維10aを、集積用凹部41に集積し、吸収性コア100aを形成するコア形成工程とを有している。また、吸収体形成工程は、好ましくは、コア形成工程により形成された吸収性コア100aをコアラップシート100bで被覆する被覆工程を有している。以下、本実施形態の吸収性物品200の製造方法について詳述する。
先ず、回転ドラム4内の空間A、及びバキュームコンベア8用のバキュームボックス84内を、それぞれに接続された吸気ファン(不図示)を作動させて負圧にする。空間A内を負圧にすることで、ダクト3内に、吸収体100の原料を、回転ドラム4の外周面4fに搬送する空気流が生じる。また解繊機21及び回転ドラム4を回転させ、且つ第1のカッターローラ53、第2のカッターローラ54及び受けローラ55を回転させ、押さえベルト7及びバキュームコンベア8を作動させる。
次いで、図2及び図3に示すように、帯状の親水性シート10asを一対のフィードローラ(不図示)を用いて解繊機21に供給して解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を行う。解繊された繊維材料である親水性繊維10aは、解繊機21からダクト3に供給される。一対のフィードローラは、親水性シート10asの解繊機21への供給速度を制御するようになっている。解繊工程においては、親水性シート10asの解繊機21への供給が制御して行われる。
解繊工程とは別に、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに所定の長さで切断してシート片10bhを複数形成する切断工程を行う。具体的には、本実施形態においては、図2及び図3に示すように、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて切断してシート片10bhを形成する切断工程を行う。切断工程においては、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向に切断する第1のカッターローラ53と、第2方向に切断する第2のカッターローラ54と、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55とを用い、第1のカッターローラ53及び受けローラ55の間に帯状の合成繊維シート10bsを導入して第1方向に切断して帯状のシート片連続体10bh1を形成し、形成された帯状のシート片連続体10bh1を受けローラ55で搬送して第2のカッターローラ54及び受けローラ55の間で第2方向に切断してシート片10bhを形成する。以下、具体的に、切断工程について説明する。
切断工程においては、帯状の合成繊維シート10bsを上述したフィードローラ(不図示)を用いて搬送する。フィードローラは、帯状の合成繊維シート10bsの搬送速度を制御するようになっている。切断工程においては、帯状の合成繊維シート10bsの搬送速度が制御して行われる。
切断工程においては、図4に示すように、フィードローラで搬送された帯状の合成繊維シート10bsを、フリーローラ56を介して、矢印R5方向に回転するフラットローラである受けローラ55と、矢印R3方向に回転する第1のカッターローラ53との間に導入し、複数のカッター刃51,51,51,・・・によって、帯状の合成繊維シート10bsを、第2方向に間隔を空けた位置にて第1方向に切断する。このように切断することによって、第2方向に並置された複数の第1方向に延びる帯状のシート片連続体10bh1が形成される。複数のカッター刃51,51,51,・・・は、それぞれ第2方向に等間隔で第1のカッターローラ53の表面に配されている。したがって、合成繊維シート10bsは等間隔で切断されるので、幅(第2方向の長さ)の等しい帯状のシート片連続体10bh1が複数形成される。切断工程で形成されたシート片連続体10bh1の平均幅は、シート片10bhが所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。本実施形態においては、第1のカッターローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の幅は、最終的に形成されるシート片10bhの短手方向の辺の長さに相当する。しかしながら、第1のカッターローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の幅が、最終的に形成されるシート片10bhの長手方向の辺の長さに相当するように切断してもよく、その場合の第1のカッターローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の平均幅は、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがよりに好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。形成された複数の帯状のシート片連続体10bh1は、矢印R5方向に回転する受けローラ55の周面上で搬送され、受けローラ55とニップローラ57との間に搬送され、ニップローラ57を介して、受けローラ55と第2のカッターローラ54との間に導入される。
次いで、切断工程においては、図4に示すように、矢印R5方向に回転する受けローラ55と、矢印R4方向に回転する第2のカッターローラ54との間に、第2方向に並置された第1方向に延びる複数の帯状のシート片連続体10bh1を導入し、複数のカッター刃52,52,52,・・・によって、複数の帯状のシート片連続体10bh1を、第1方向に間欠的に第2方向に亘って切断する。このように切断することによって、第2方向の長さよりも第1方向の長さの方が長い、矩形状のシート片10bhが複数形成される。複数のカッター刃52,52,52,・・・は、それぞれ第2のカッターローラ54の円周方向に等間隔で表面に配されている。したがって、複数のシート片連続体10bh1は等間隔で切断されるので、搬送方向Yの長さの等しい矩形状のシート片10bhが複数形成される。切断工程で形成されたシート片10bhの平均長さは、シート片10bhが所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。本実施形態においては、第2のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さは、シート片10bhの長手方向の辺の長さに相当する。しかしながら、第2のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さが、シート片10bhの短手方向の辺の長さに相当するように切断してもよく、その場合の第2のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さ(幅)は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがよりに好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。
切断工程においては、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向に切断し第2方向に所定の長さをあけて切断して、シート片10bhを得ているので、得られるシート片10bhのサイズを意図したサイズに調整し易く、同じサイズのシート片10bhを精度良く多量に製造し易い。このように、意図したサイズのシート片10bhを精度良く形成することができるので、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる。
次いで、第2のカッターローラ54の下方に吸引口581が配された吸引ノズル58を用い、図4に示すように、カッターローラ53,54で切断して得られたシート片10bhを吸引してダクト3の内部に供給する吸引工程を行う。このように第2のカッターローラ54の下方、すなわち、第2のカッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりも第2のカッターローラ54の回転方向(矢印R4方向)下流側に、吸引ノズル58の吸引口581が配されていると、第2のカッターローラ54と受けローラ55とで切断して形成された複数のシート片10bhを効率的に吸引することができる。
次いで、吸引工程で吸引したシート片10bhを空気流に乗せて、回転ドラム4の外周面4fの集積用凹部41に搬送する搬送工程を行う。搬送工程においては、切断工程及び吸引工程を経て、複数のシート片10bhを供給管59を介してダクト3の搬送方向Yの途中の位置にてダクト3の天板31側からダクト3の内部に供給し、供給されたシート片10bhを空気流に乗せて、回転ドラム4の集積用凹部41に飛散状態にて搬送する。
搬送工程においては、先に解繊工程にて得られた親水性繊維10aがダクト3内部に供給され、吸引工程で吸引された複数のシート片10bhがダクト3の途中からダクト3の内部に供給されている。その為、親水性繊維10aを空気流に乗せて、集積用凹部41に飛散状態にて搬送している途中から、シート片10bhを空気流に乗せて搬送するようになり、シート片10bh及び親水性繊維10aを空気流に乗せて飛散状態にて搬送している間に、シート片10bhと親水性繊維10aとが混合される。
また、搬送工程においては、吸収性粒子散布管36を用いて、吸収性粒子10cを供給し、切断工程で得られた合成繊維10bを含むシート片10bh及び吸収性粒子10cを空気流に乗せて、集積用凹部41に搬送している間に、シート片10bh及び吸収性粒子10cを混合する。搬送工程では、吸収性粒子散布管36の位置が、供給管59とダクト3との接続位置よりも上流側に位置しているので、吸収性粒子10cを空気流に乗せて、集積用凹部41に飛散状態にて搬送している間に、シート片10bh、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cが混合される。
次いで、搬送工程で搬送された合成繊維10bを含むシート片10bhを、回転ドラム4の外周面4fに配された集積用凹部41に集積して吸収性コア100aを形成するコア形成工程を行う。本実施形態においては、シート片10bhのみならず、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cを集積用凹部41に集積して吸収性コア100aを形成する。
吸収性コア100aにおいて、シート片10bhと親水性繊維10aとの含有質量比(シート片10bh/親水性繊維10a)は特に限定されず、シート片10bhに含まれる合成繊維10b及び親水性繊維10aの種類等に応じて適宜調整すればよい。例えば、シート片10bhに含まれる合成繊維10bがエアスルー不織布、親水性繊維10aがパルプ繊維である場合、吸収性コア100aの中に意図したサイズのシート片10bhが分散し易くする観点から、シート片10bhと親水性繊維10aとの含有質量比は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることが更に好ましく、0.99以下であることが好ましく、0.95以下であることが更に好ましく、0.1以上0.99以下であることが好ましく、0.2以上0.95以下であることが更に好ましい。
吸収性コア100aにおけるシート片10bhの含有量は、乾燥状態の吸収性コア100aの全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることが更に好ましく、1質量%以上99質量%以下であることが好ましく、5質量%以上95質量%以下であることが更に好ましい。
吸収性コア100aにおける親水性繊維10aの含有量は、乾燥状態の吸収性コア100aの全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることが更に好ましく、1質量%以上99質量%以下であることが好ましく、5質量%以上95質量%以下であることが更に好ましい。
吸収性コア100aにおけるシート片10bhの坪量は、20g/m2以上であることが好ましく、50g/m2以上であることが更に好ましく、800g/m2以下であることが好ましく、750g/m2以下であることが更に好ましく、20g/m2以上800g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以上750g/m2以下であることが更に好ましい。
吸収性コア100aにおける親水性繊維10aの坪量は、20g/m2以上であることが好ましく、50g/m2以上であることが更に好ましく、800g/m2以下であることが好ましく、750g/m2以下であることが更に好ましく、20g/m2以上800g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以上750g/m2以下であることが更に好ましい。
以上のようにして、回転ドラム4の集積用凹部41内には、厚み方向Zに、シート片10bh、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cが厚み方向Zに分散した状態で集積された、吸収体の原料の吸収性コア100aが形成される。そして、集積用凹部41内に形成された吸収性コア100aを、回転ドラム4の周方向2Yの全周に亘って連続的に製造する。集積用凹部41内に親水性繊維10a、合成繊維10b及び吸収性粒子10cが集積した吸収性コア100aを得た後、図2に示すように、更に回転ドラム4を回転させ、回転ドラム4の空間Bに位置する外周面4fに配された押さえベルト7で集積用凹部41内の吸収性コア100aを押さえつけながら、バキュームコンベア8上まで搬送する。
そして、集積用凹部41内の吸収性コア100aは、図2及び図3に示すように、回転ドラム4の空間Cに位置するバキュームボックス84の対向位置にくると、バキュームボックス84からの吸引によって、集積用凹部41から離型し、バキュームコンベア8上に導入された帯状のコアラップシート100bの幅方向Xの中央部分上に受け渡される。
次いで、吸収性コア100aをコアラップシート100bで被覆する被覆工程を行う。具体的には、図2に示すように、コアラップシート100bの搬送方向Yに沿う両側部の内の一方の側部を、折りガイド板(不図示)により幅方向X内側に吸収性コア100a上に折り返す。そして、他方の側部を、折りガイド板により幅方向X内側に吸収性コア100a上に折り返し、一方の側部の側縁部と他方の側部の側縁部とを重ね合わせて吸収性コア100aの全体をコアラップシート100bで被覆してなる帯状の吸収体100rを製造する。
その後、切断装置6によって、帯状の吸収体100rを、搬送方向Yに所定の間隔にて切断して、個々の吸収体100を製造する。このように製造された吸収体100は、図1に示すように、コアラップシート100bで被覆された吸収性コア100aを有している。吸収性コア100aは、親水性繊維10a、合成繊維10bを含むシート片10bh、及び吸収性粒子10cが混合して形成された集積層となっている。このように製造される吸収体100を備えた吸収性物品200を使用すれば、吸収体100の吸収性コア100aの中に意図したサイズのシート片10bhが分散しているので、使用中に異物感が生じ難く、吸収体100が体液を吸収した際に、安定的に体液を吸収することができる。
吸収体形成工程とは別に、原反ロール202aから帯状の表面シート201aを繰り出し、加熱部210内に搬入する。加熱部210内に、図2及び図3に示すように、表面シート201aを通過させながら、加熱ゾーンにおいて、表面シート201aの幅方向Xの全域に向けて吹き付け手段から所定温度に加熱された熱風を吹き付ける。吹き付けられた熱風が搬送される表面シート201aの厚み方向Zに貫通して流れることによって、表面シート201aに加熱処理が施される。このように加熱処理を施すことによって、表面シート201aを構成する繊維どうしの間の空気が温められたり、該構成する繊維が伸長又は捲縮して変形したりすることで、加熱前の表面シート201aよりも厚みが増加している加熱処理表面シート201kを形成する加熱工程を行う。尚、本製造方法では、熱風を直接表面シート201aに吹き付けることで表面シート201aに加熱処理を施しているが、表面シート201aの高速搬送による加熱時間の確保の観点から、加熱ゾーンを吹き付け手段によって予め加熱しておき、該加熱ゾーンに表面シート201aを通過させることで、表面シート201aに加熱処理を施してもよい。また、本製造方法では、熱風を吹き付けて表面シート201aに加熱処理を施しているが、加熱蒸気を吹き付けて表面シート201aを加熱してもよい。
加熱処理前の表面シート201aの厚みに対する、加熱処理表面シート201kの厚みの割合は、加熱処理以降の加工工程でのプレスによる潰れの観点から、110%以上であることが好ましく、150%以上であることが更に好ましく、吸収性能のバラツキの観点から、400%以下であることが好ましく、300%以下であることが更に好ましく、上述の効果をより一層奏する観点から110%以上400%以下であることが好ましく、150%以上300%以下であることが更に好ましい。表面シート201a及び加熱処理表面シート201kの厚みは下記方法により測定される。
<表面シート及び加熱処理表面シートの厚みの測定方法>
加熱処理前の表面シート201aの厚みは、該表面シート201aから所定の面積のサンプルを切り出し、0.05kPaの荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定する。厚み測定器としては、例えばオムロン社製のレーザー変位計を用いることができる。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して表面シート201aの厚さとする。その他に、切り出したサンプルの断面をデジタルマイクロスコープ等により拡大することで、表面シート201aの厚さを測定することもできる。加熱処理表面シート201kの厚みは、前記表面シート201aの厚みの測定方法と同様にして測定する。
加熱処理表面シート201kを効率的に形成する観点から、加熱部210の有する吹き付け手段によって表面シート201aに吹き付けられる熱風又は加熱蒸気の温度は、加熱処理表面シート201kに含まれる合成繊維のガラス転移点Tg以上であることが好ましく、Tg+100℃以下であることが更に好ましい。尚、表面シート201aに吹き付けられる熱風又は加熱蒸気の上限の温度としては、加熱処理表面シート201kに含まれる合成繊維の融点Tm未満以下とすることが好ましく、Tm−50℃であることが更に好ましい。
尚、吹き付け手段により予め加熱した加熱ゾーンに表面シート201aを通過させて加熱処理を施す場合においては、該加熱ゾーンの温度は、加熱処理表面シート201kに含まれる合成繊維のガラス転移点Tg以上であることが好ましく、Tg+120℃以下であることが更に好ましい。また、表面シート201aを通過させる加熱ゾーンの上限の温度としては、加熱処理表面シート201kに含まれる合成繊維の融点Tm未満以下とすることが好ましく、Tm−30℃であることが更に好ましい。
次いで、加熱工程により形成された加熱処理表面シート201kを導入ロール203aによって吸収体形成工程により形成された吸収体100の厚み方向Z上側に供給し、搬送する加熱処理表面シート201kと搬送する吸収体100とを重ね合わせる。そして、裏面シート201bを導入ロール203bによって吸収体100の厚み方向Z下側に供給し、搬送する裏面シート201bと搬送する吸収体100とを重ね合わせる。このようにして、吸収体100の厚み方向Zの上下面に加熱処理表面シート201k及び裏面シート201bが配された吸収性物品の連続体200rを形成する物品連続体形成工程を行う。
このように形成された吸収性物品の連続体200rを例えば公知の搬送手段により搬送した後、吸収体100の周囲において加熱処理表面シート201kと裏面シート201bとを公知の接合手段により製品の外周形状に接合する。そして該接合された吸収性物品の連続体200rをロータリーダイカッター等の公知の切断手段によって製品形状に分断し、個々の吸収性物品200を連続的に製造する。
以上のようにして製造された吸収性物品200は、その後、例えば一対のコンベアベルトで挟持されて搬送されたり、折り板によって個装シートと共に折りたたまれて個装体としてパッケージングされたり、或いは、2つ折りされた複数個の吸収性物品200が1つの包装体内にパッケージングされる。ここで、吸収性物品200は、表面シートとして加熱工程にて形成された加熱処理表面シート201kを有している。加熱処理表面シート201kは、加熱前の表面シート201aよりも厚みの厚いシートとなっている。その為、吸収性物品200がコンベアベルトによって挟持されて搬送されているとき、吸収性物品200が個装状態とされているとき、又は吸収性物品200が2つ折りされているときに、シート片10bhを含む吸収体100がその厚みを回復したとしても、吸収性物品200の加熱処理表面シート201kが厚み方向Zに潰れ難い。このように加熱処理表面シート201kが厚み方向Zに潰れ難いので、該加熱処理表面シート201kを備える吸収性物品200は、肌触りがよく、吸収体100に体液が移行し易く、高い吸収性能を発揮することができる。
本発明は、前記実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、本実施形態の切断工程では、切断工程を行いシート片10bhを製造しているが、予め製造したシート片10bhを用いてもよく、カッター刃以外の方法で製造したシート片10bhを用いてもよい。また、前記実施形態の切断工程では、図2に示すように、第1方向に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54と、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55を用いて、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向と第2方向とに所定の長さで切断し、合成繊維10bを含むシート片10bhを製造している。それに対し、第1のカッターローラ53と第2のカッターローラ54とに対向して配された別々の受けローラを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造してもよい。
また、本実施形態の切断工程では、図2に示すように、それぞれ等間隔に配置された複数のカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、それぞれ等間隔に配置された複数のカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて、合成繊維シート10bsを切断して同じサイズのシート片10bhを製造しているが、2種類以上の間隔を有するように複数のカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53又は2種類以上の間隔を有するように複数のカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造してもよい。このように製造した場合は、2種類以上のサイズのシート片10bhを形成することができるが、カッターミル方式を用いた製造とは違い、意図したサイズのシート片10bhを精度良く形成することができ、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる。
また、本実施形態の切断工程では、図2に示すように、第1方向に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53を用いて、合成繊維シート10bsを切断して帯状のシート片連続体10bh1を形成し、次いで、第2方向に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54を用いて、帯状のシート片連続体10bh1を切断して矩形状のシート片10bhを製造しているが、逆でも良い。すなわち、第2方向に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54を用いて、合成繊維シート10bsを切断して第2方向に延びる帯状のシート片連続体10bh1を形成し、次いで、第1方向に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53を用いて、帯状のシート片連続体10bh1を切断して矩形状のシート片10bhを製造しても良い。
また、図2に示す製造装置1では、供給部5が、第1のカッターローラ53と第2のカッターローラ54とを有しているが、2個のカッターローラに代えて、第1方向に切断するカッター刃51と第2方向に切断するカッター刃52とを同一周面上に備えた1個のカッターローラを有していてもよい。供給部5は、前記1個のカッターローラを有する場合、該1個のカッターローラに対向して配された1個の受けローラを有していることが好ましい。前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置では、吸引ノズル58の吸引口581が該1個のカッターローラの下方に配置されていることが好ましい。具体的には、吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラと受けローラとの最近接点よりも該1個のカッターローラの回転方向下流側に配置されていることが好ましい。そして、吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っていることが好ましい。
前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置を用いる場合、切断工程では、第1方向に切断するカッター刃51と第2方向に切断するカッター刃52とを同一周面上に備えた1個のカッターローラを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを形成する。具体的には、1個の該カッターローラと、該カッターローラに対向して配された1個の受けローラとを用い、該カッターローラ及び該受けローラの間に帯状の合成繊維シート10bsを導入して第1方向及び第2方向に切断してシート片10bhを形成する。このように、第1方向に切断するカッター刃51と第2方向に切断するカッター刃52との2種類のカッター刃を周面に有する1個のカッターローラを用いれば、設備の規模をコンパクト化でき、製造装置のコストも抑えることができる。
前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置を用いてシート片10bhを形成する場合、吸引工程においては、吸引ノズル58の吸引口581を該1個のカッターローラの下方に配置して、得られたシート片10bhを吸引することで、該1個のカッターローラの周面上に残存する複数のシート片10bhを効率的に吸引できる。吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラと受けローラとの最近接点よりも該1個のカッターローラの回転方向下流側に配置されていると、該1個のカッターローラの周面上に残存する複数のシート片10bhを更に効率的に吸引できる。そして、同様の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っていることが好ましい。
また、本実施形態の切断工程では、図2に示すように、第1のカッターローラ53と第2のカッターローラ54とを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造しているが、カッターローラを用いずに、第1方向に切断するカッター刃51を備えるプレス機と、第2方向に切断するカッター刃52を備えるプレス機とを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造してもよい。
また、本実施形態においては、吸収性粒子散布管36を用いて、吸収性粒子10cを供給しているが、吸収性粒子10cを供給しなくてもよい。