JP5102582B2 - 吸収体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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吸水性ポリマーを含む吸収体の製造においては、吸水性ポリマーを、吸収体製造時の流れ方向(MD)に直交する方向(CD,以下「吸収体の幅方向」ともいう)に均一に分散させることが求められることが多い。
本発明の一実施形態である吸収体の製造装置1は、図1に示すように、外周面に複数の集積用凹部21(堆積部)が所定の間隔で形成された回転ドラム2と、回転ドラム2の外周面の一部を覆う一端部を有するダクト3を備えている。ダクト3は、回転ドラム2の外周面に、内部に生じた空気流に載せて、繊維材料42及び吸水性ポリマー51を飛散状態にて供給する。
ダクト3における、回転ドラム2側とは反対側の端部付近には、パルプシート等のシート状の吸収体原料41を粉砕して、繊維材料42としてダクト3内に供給する繊維材料供給装置4が設けられている。繊維材料42は、前記吸気ファンの駆動によりダクト内に生じた空気流に随伴して、回転ドラム2の外周面に向けて搬送される。図1中、符号43は、粉砕機である。
ポリマー供給管5は、図2及び図3に示すように、ポリマー供給管5の内部に圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射口52と、圧縮空気により加速された吸水性ポリマー51を衝突させる分散プレート53と、該分散プレート53に衝突した後の吸水性ポリマー51を、ダクト3内に導入するポリマー導入口54とを有している。
また、ポリマー供給管5の中心軸線Lと分散プレート53とがなす角度θ2(本実施形態においては、筒状本体50の中心軸線Lと分散プレート53とがなす角度,図2参照)は、吸水性ポリマーの分散性向上の点から、100〜170度、特に110〜50度であることが好ましい。
また、図5に示すように、分散プレート53を、ポリマー供給管5の先端部から離間させ、該ポリマー供給管5の延長線上に設けることもできる。この場合、分散プレート53は、例えば、ダクト3の上壁31や左右の側壁等から延びる支持体等(図示せず)に支持させることができる。
分散プレート53の配置位置は、圧縮空気の供給量にもよるが、ダクト3の上壁31からの距離h(図2及び図5参照)が、5〜30cm、特に5〜20cmであることが好ましい。
また、分散プレート53とポリマー供給管5とが分離している場合、分散プレート53とポリマー供給管5の距離L3(図5参照。ポリマー供給管筒状本体50の中心軸線Lに沿って測定)は、ポリマー供給管筒状本体の断面が円形の場合はその径、ポリマー供給管筒状本体の断面が非円形の場合は同面積の円形の径Rとの比R/L3がゼロ(供給管と分散プレートが接触)〜1となる距離が好ましい。
また、ポリマー導入口54は、筒状本体50の中心軸線Lと分散プレート53との交点を中心Pとする左右の開き角度θ3(図3参照)が、100〜360度、特に150〜180度であることが好ましい。
繊維材料は、全体又は一部がパルプ繊維であることが好ましく、繊維材料中のパルプ繊維の割合は20〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、更に好ましくは100質量%である。
尚、集積用凹部21からの離型は、回転ドラム2内の仕切られた空間Dを加圧手段(図示せず)により陽圧に維持して、集積用凹部21の底面部の細孔から空気を吹き出させると共に、バキュームコンベア6から吸引することにより行われる。
本実施形態の吸収体の製造方法は、ダクト3内を流れる空気流中にポリマー供給管5を介して吸水性ポリマー51を導入し、該空気流に載せて搬送した吸水性ポリマー51を所定形状に堆積させる工程を具備しており、当該工程において、圧縮空気の噴射により、前記ポリマー供給管5中の吸水性ポリマーを51加速し、加速した吸水性ポリマー51を、該ポリマー供給管5の先端部に設けた分散プレート53に衝突させた後、ダクト3内に導入する。
本実施形態においては、ポリマー供給管5中に圧縮空気を噴射し、ポリマー供給管5中の吸水性ポリマー51を加速している。
吸収体の製造装置1を用いて吸収体を製造するためには、回転ドラム2を回転させると共に、上記吸気ファンを作動させて空間B及びCを負圧にする。また、バキュームコンベア6を作動させ、更に第1及び第2コアラップシート7A,7Bの供給機構も作動させる。
吸気ファンの作動により、空間B上に位置する集積用凹部20の底面部に吸引力が生じると共に、ダクト3内に、回転ドラム2の外周面に向けて流れる空気流が生じる。
ポリマー投入口58に投入された吸水性ポリマーは、主としてダクトに生じた空気流の影響によりポリマー導入管57及びポリマー供給管5内に生じる空気の流れと、自重によって、ポリマー供給管5内へと導かれる。
そして、ポリマー供給管5中の吸水性ポリマーに対して、圧縮空気噴射口52から圧縮空気が噴射され、吸水性ポリマーは、移動速度が急激に上昇し、高い運動エネルギーを持って分散プレート53に衝突する。そして、衝突した吸水性ポリマーは、分散プレートに跳ね返されて多様な方向に飛び散り、飛び散った吸水性ポリマーが、ポリマー導入口54からダクト3内へと導入される。
そして、集積用凹部21から離型された堆積物8は、第1及び第2コアラップシート7A,7B間に配置されて、吸収体の連続体9とされる。この吸収体の連続体9は、公知の搬送手段により後の工程に搬送され、公知の切断手段により切断されて、個々の吸収性物品に使用される吸収体9となる。
例えば、上述した実施形態においては、集積用凹部21から離型させた、繊維材料及び吸水性ポリマーの堆積物8の上下面を、第1及び第2コアラップシート7A,7Bで被覆したが、これに代えて、当該堆積物8の上下面を一枚のコアラップシートで被覆した吸収体を製造しても良く、また、当該堆積物8の上下面の一方又は両方を被覆しない吸収体を製造しても良い。
また、本発明の方法及び装置においては、非凹状の堆積部に、吸水性ポリマーや繊維材料を堆積させても良い。例えば、ダクトに臨む面に凹部が形成されていないメッシュコンベアや外周面に凹部が形成されていない回転ドラムの外周面における一定の領域のみに吸引力を作用させ、該一定領域のみに吸水性ポリマーや繊維材料を堆積させても良い。この場合、その吸引力を作用させる部分が堆積部である。
2 回転ドラム
21 集積用凹部(堆積部)
3 ダクト
4 繊維材料供給装置
41 シート状の吸収体原料
42 繊維材料
5 ポリマー供給管
51 吸水性ポリマー
52 圧縮空気噴射口
53 分散プレート
54 ポリマー導入口
55 噴射ノズル
56 接続管
57 ポリマー導入管
6 バキュームコンベア
7A,7B 第1及び第2コアラップシート
8 繊維材料及び吸水性ポリマーの堆積物
9 吸収体
9A 吸収体の連続体
Claims (10)
- ダクト内を流れる空気流中にポリマー供給管を介して吸水性ポリマーを導入し、該空気流に載せて搬送した吸水性ポリマーを所定形状に堆積させる工程を具備する吸収体の製造方法であって、
圧縮空気の噴射により、前記ポリマー供給管中の吸水性ポリマーを加速し、加速した該吸水性ポリマーを、該ポリマー供給管の先端部に設けた分散プレートに衝突させ、衝突により分散した吸水性ポリマーを、前記空気流中に導入し、
前記分散プレートは、前記ポリマー供給管の先端部に、該ポリマー供給管の中心軸線に対して傾斜させて設けられており、該ポリマー供給管の先端部近傍に、前記分散した吸水性ポリマーを前記空気流中に導入するポリマー導入口が形成されている、吸収体の製造方法。 - 前記ダクトを流れる空気流が繊維材料を含んでいる請求項1記載の吸収体の製造方法。
- 前記ポリマー導入口は、前記ポリマー供給管の中心軸線(L)と前記分散プレートとの交点を中心(P)とする左右の開き角度(θ3)が150〜180度である、請求項1又は2記載の吸収体の製造方法。
- 前記圧縮空気を噴射ノズルから前記ポリマー供給管内に噴射し、
前記噴射ノズルの中心線の延長線(L1)と該ポリマー供給管の中心軸線(L)との交差角度(θ1)が10〜75度である請求項1〜3の何れか1項記載の吸収体の製造方法。 - 前記圧縮空気を噴射ノズルから前記ポリマー供給管内に噴射し、
前記ポリマー供給管は、前記噴射ノズルの中心線の延長線(L1)上に、開口部が存在しない請求項1〜4の何れか1項記載の吸収体の製造方法。 - 外周面に堆積部を有する回転ドラムと、該回転ドラムの外周面に、内部に生じた空気流に載せて繊維材料及び吸水性ポリマーを供給するダクトとを備えた吸収体の製造装置であって、
前記ダクトに、前記吸水性ポリマーを該ダクト内に導入するためのポリマー供給管が設けられ、該ポリマー供給管は、該ポリマー供給管の内部に圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射口を有しており、
前記ポリマー供給管は、先端部に、前記圧縮空気により加速された吸水性ポリマーを衝突させる分散プレートを有すると共に、該分散プレートに衝突した後の吸水性ポリマーを、前記ダクト内に導入するポリマー導入口を有している、吸収体の製造装置。 - 前記ポリマー供給管の中心軸線Lと前記分散プレートとのなす角度(θ2)が、100〜170度である請求項6記載の吸収体の製造装置。
- 前記ポリマー導入口は、該ポリマー供給管の中心軸線(L)と該分散プレートとの交点を中心(P)とする左右の開き角度(θ3)が150〜180度である、請求項6又は7記載の吸収体の製造装置。
- 前記圧縮空気を前記ポリマー供給管内に噴射する噴射ノズルを備えており、
前記噴射ノズルの中心線の延長線(L1)と該ポリマー供給管の中心軸線(L)との交差角度(θ1)が10〜75度である請求項6〜8の何れか1項記載の吸収体の製造装置。 - 前記圧縮空気を前記ポリマー供給管内に噴射する噴射ノズルを備えており、
前記ポリマー供給管は、前記噴射ノズルの中心線の延長線(L1)上に、開口部が存在しない請求項6〜9の何れか1項記載の吸収体の製造装置。
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