JP5846722B2 - 鉛筆芯 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献4に記載される黒色光輝性薄片は、きれいな色調を有するものであるが、鉛筆芯に用いた場合に、更なる発色性と強度とを備えることが必要となるものであり、未だ開発すべき課題が多くある鉛筆芯となるものであった。
(1) 焼成前の配合組成物として無機顔料、有機顔料、染料から選ばれる少なくとも1種の微粒子(但し、ガラス粉体を除く)を分散又は内包させた平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であるガラス粉体又は平均粒径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmの粒状であるガラス粉体を鉛筆芯全量に対して、3〜80重量%含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
(2) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体は、母材がシリカであることを特徴とする上記(1)記載の焼成鉛筆芯。
(3) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する微粒子の平均粒子径が1〜300nmの範囲であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の焼成鉛筆芯。
(4) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する前記微粒子の含有量がガラス粉体中に5〜80重量%であることを特徴とする上記1〜(3)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(5) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に体質材及びセラミック結合材が含有されることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(6) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に黒鉛が含有されることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(7) 前記黒鉛の体積平均径(mv値)が0.2〜1μmであることを特徴とする上記(6)に記載の焼成鉛筆芯。
(8) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に水性顔料インキ、水性染料インキ、油性染料インキ又は油性染料インキのうち何れかが含有されることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(9) 前記焼成鉛筆芯には、α−オレフィンオリゴマー、脂肪酸エステル、スピンドル油、ワックス、シリコーンオイル、金属石鹸から選ばれる含浸油が含浸されていることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(10) 前記焼成鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯であることを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
(11) 前記無機顔料がカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載の焼成鉛筆芯。
(12) 気孔内に潤滑剤を配置してなる非焼成鉛筆芯であって、該非焼成鉛筆芯の配合組成物として無機顔料、有機顔料、染料から選ばれる少なくとも1種と、有機高分子とからなる微粒子(但し、ガラス粉体を除く)を分散又は内包させた平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であるガラス粉体又は平均粒径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmの粒状であるガラス粉体を鉛筆芯全量に対して、3〜80重量%含有することを特徴とする非焼成鉛筆芯。
(13) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体は、母材がシリカであることを特徴とする上記(12)記載の非焼成鉛筆芯。
(14) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する微粒子の平均粒子径が1〜300nmの範囲であることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の非焼成鉛筆芯。
(15) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する前記微粒子の含有量がガラス粉体中に5〜80重量%であることを特徴とする上記(12)〜(14)の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
(16) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に黒鉛が含有されることを特徴とする上記(12)〜(15)の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
(17) 前記黒鉛の体積平均径(mv値)が0.2〜1μmであることを特徴とする上記(16)に記載の非焼成鉛筆芯。
(18) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に水性顔料インキ、水性染料インキ、油性染料インキ又は油性染料インキのうち何れかが含有されることを特徴とする上記(12)〜(15)の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
(19) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に潤滑油及び/又はグリースが含有されることを特徴とする上記(12)〜(15)の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
(20) 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に熱可塑性樹脂が含有されることを特徴とする上記(12)〜(15)の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
(21) 前記無機顔料がカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(12)に記載の非焼成鉛筆芯。
なお、以下において「分散又は内包」を「分散・内包」と略する。
本発明の鉛筆芯は、配合組成物として微粒子を分散・内包させたガラス粉体を鉛筆芯全量に対して、3〜90重量%含有することを特徴とするものである。
用いるガラス粉体において、母材となる金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどから選ばれる少なくとも1種を主成分とするものが挙げられる。また、金属酸化物コロイド粒子としては、シリカコロイド粒子、酸化アルミニウムコロイド粒子、酸化亜鉛コロイド粒子、酸化ジルコニウムコロイド粒子または二酸化チタンコロイド粒子などが挙げられる。この金属酸化物コロイド粒子に由来する金属酸化物を母材とすることにより母材中に着色剤成分となる微粒子を均一に分散した状態で含有させることができ、得られるガラス粉体の隠蔽性(可視光に対する)を高めることができる。
なお、母材として金属アルコキシドまたは金属有機酸塩に由来する金属酸化物を使用した場合には、この母材中に含有させた着色剤成分となる微粒子の分散性は不十分となり、得られるガラス粉体の隠蔽性はそれほど高くないものとなる。
カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びランプブラックなどが挙げられる。ダイヤモンド粒子としては、例えば、爆発法、静圧法、衝撃圧縮法、EACVD法、気相合成法及び液相成長法で作製したダイヤモンド粒子が挙げられ、形態としては、例えば、多結晶ダイヤモンド粒子、単結晶ダイヤモンド粒子およびクラスターダイヤモンドなどが挙げられる。具体的には、ナノ炭素研究所社製の商品名「ナノアマンドB」、東名ダイヤモンド工業社製のMDシリーズ、住石マテリアルズ社製のSCMナノダイヤ、SCMファインダイヤ、ナノテックシステムズ社製CD(Cluster Diamond)、CDS(Cluster Diamond Slurry)、GCD(Graphite Cluster Diamond)、GCDS(graphite Cluster Diamond slurry)、JETRO社製人口ダイヤモンド等を用いることができる。
カーボンナノチューブとしては、例えば、単層ナノチューブ(SWNT)、2層ナノチューブ(DWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)からなるものが挙げられ、具体的には、三井物産社製のカーボンナノチューブ、CNT.Ltd社製のSWNT、DWNT、MWNT、GSI Creos社製のカルベール、昭和電工社製のVGCFなどを用いることができ、これらは非晶質であっても、フッ素等の添加物が添加されているものであってもよい。
カーボン粒子であるフラーレンとしては、例えば、C60、70、76、78、82、C84、C90等、種々の炭素数のものが挙げられ、具体的には、フロンティアカーボン社製ナノムパープル、ナノムブラック、ナノムスペクトラなどの種々のフラーレン製品を使用でき、金属内包フラーレン、分子内包フラーレン等炭素以外の物質を含むものも用いることができる。
金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化銀などが挙げられ、その他の無機顔料、有機顔料、染料として、例えば、鉄黒、紺青、群青、青色1号、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化チタン、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、青色2号、青色404号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、DPPレッド、黄色4号、黄色5号、緑色3号、溶性・不溶性アゾ系、銅フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、染付顔料、金ナノ粒子などが挙げられる。
有機高分子としては、特に、ワックス類、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カスターワックス、ベヘニルアルコールなどが挙げられ、有機高分子としては、カルボキシルメチルセルロース、デンプン、タラカントガム、ポリエチレンなどが挙げられる。
また、用いる微粒子の形状としては、不定形、球状、円柱状、紡錘状等、特に限定はされないが、好ましくは、上記平均粒径の範囲となるものが望ましい。なお、上記微粒子の含有量(含有率、重量%)は、〔(ガラス粉体の重量)/(微粒子の重量)〕×100によって算出した。
ガラス粉体がフレーク状の場合には、平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下となるものが好ましく、更に好ましくは、平均厚さ0.1〜1μm、アスペクト比5〜100であり、かつ、平面度が0.1〜100nmとなるものが望ましい。
この平均厚さが0.1μm未満では、製造が困難で、かつ、破砕され易いなどの問題が生じることとなり、一方、2μmを超えると、鉛筆芯に含有した場合、強度が弱く、書き味が悪くなる。また、アスペクト比が5未満では、凝集を起こし易くなり、一方、平均アスペクト比が150を超えると、強度が弱くなる。更に、平面度が200nmを越えると、筆記時の滑りが悪く、描画材の密度低下が発生する結果として強度も低下する
この平均粒径が0.1μm未満では、ガラス粉体が凝集し易いため、むらとなりやすく、一方、50μmを超えると、強度が弱くなる。また、真球度0.1μm未満では粒子の製造が困難でコストアップの割りに強度が出ない結果となり、一方、50μmを越えると、強度、書き味とも著しく低下する結果となり、好ましくない。
なお、上記ガラス粉体の平均粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックII(日機装(株)製)により、平均厚さは電子顕微鏡による黒色光輝性薄片50個測定の単純平均により、平均アスペクト比は上記平均粒径の値を上記平均厚さ値で除することによりそれぞれ求めることができる。また、本発明(後述する実施例等を含む)において、「真球度」とは、JIS B 1501に玉軸受用鋼球の測定方法として規定されているものと同等のものをいう。これによると真球度は、測定する鋼球1個を真円度測定機で互いに90°をなす2または3赤道平面上の鋼球表面の輪郭を測定し、それぞれの最小外接円から鋼球表面までの半径方向の距離の最大値として求めるとあるが、本発明のガラス粉体は微小過ぎるためこの方法では計れないためJISに準拠した測定を行うこととした。SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の1赤道平面についてのみ、最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として真円度を画像処理によって測定し、真球度の値とした。
また、粒状の場合は、上記原液を加熱オイルバス中に滴下して熱硬化させた後、オイルを除去し、200〜1200℃で焼成し、必要に応じて粉砕、分級して目的の平均粒径、真球度等となるガラス粉体を製造することができる。
更に必要に応じて、母材内に微粒子を分散・内包する際に、鉛筆芯に用いられる既知の染料を含有しても良く、また、得られたガラス粉体の表面をシリコーン、フッ素系樹脂等で表面処理して適宜疎水化処理を施してもよい。
特に好ましくは、上記特性の微粒子(ナノ粒子)を分散・内包したガラス粉体〔母材が二酸化ケイ素(シリカ)〕となるものが、光の散乱や反射が抑えられ特に好ましい高発色性、高強度等を発揮せしめる点から望ましい。
このガラス粉体の含有量が3重量%未満であると、十分な発色性が得られず、また、光沢の変化も無い結果となり、一方、90重量%を超えると、強度が著しく低下し、好ましくない。
例えば、鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯では、配合組成物としてガラス粉体以外に、黒鉛を少なくとも含有することが好ましく、また、非焼成鉛筆芯では、油脂とワックス類、樹脂を少なくとも含有することが好ましく、更に、焼成鉛筆芯では、体質材とセラミック結合材とを少なくとも含有することが好ましい。また、シャープペンシル用焼成鉛筆芯では、その他の成分として、結合材としてポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ピッチ、セルロース、ポリアクリロニトリル、安定剤として、ステアリン酸Ca−Zn、ステアリン酸マグネシウム、可塑剤としてジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、焼成後の芯に含浸する油としては、α−オレフィンオリゴマー、脂肪酸エステル、スピンドル油、ワックス類、各種シリコーンオイル、金属石鹸等を用いることができ、非焼成鉛筆芯又は焼成鉛筆芯では、その他の成分として、上記ガラス粉体以外の色材、潤滑剤、バインダー成分、各種シリコーンオイル、ラード、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロイド及びその他の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
潤滑剤としては、一般的に潤滑剤に分類されているものであればいずれも使用することができ、潤滑油であってもグリースであっても使用することができる。潤滑油としては、例えば、エンジンオイル等の鉱物油、α−オレフィンオリゴマー、各種シリコーンオイル、エステルオイル等の合成油、ヒマシオイル等の植物油などが挙げられ、グリースとしては、例えば、カルシウム石鹸グリース、リチウム石鹸グリース等の石鹸系、ベントングリース、シリカゲルグリース等の非石鹸系、ジメチルシリコーンオイルなどが挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
用いる有機溶剤は、上記熱可塑性樹脂を溶解し得る可塑剤となるものが好ましく、具体的には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジアリルイソフタレート、プロピレンカーボネート、アルコール類、ケトン類、エステル類などを用いることができる。
例えば、鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯の製造では、好ましくは、強度、濃度、書き味の点から、(a)ガラス粉体、又はガラス粉体と黒鉛とが合計で30〜90重量%と、(b)熱可塑性合成樹脂、無機合成樹脂、あるいはそのハイブリッド樹脂とが合計で30〜60重量%と、(c)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤(可塑剤)10〜30重量%及び(d)その他(安定剤などの成分)0.01〜5重量%とをヘンシェルミキサーで分散混合し、加圧ニーダー、二本ロールで混練し、押出成型機により成型した後、電気炉で110〜250℃で乾燥し、次いで、非酸化性雰囲気下(窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下)で800〜1400℃、20〜40時間で焼成して鉛筆芯体を得、該鉛筆芯体の気孔内にα−オレフィンオリゴマー、各種シリコーンオイル、エステルオイル等の合成油、ヒマシオイル等の植物油、グリース等の潤滑剤を含浸などにより充填することにより製造することが望ましい。
用いるガラス粉体の平面度、アスペクト比等の物性、微粒子の真球度は、下記測定方法により測定した。
(平面度等の測定方法)
a−b面が直角となってSEMで観察されている図1のような粒子に接し、且つ粒子長軸端部同士を結ぶ線分に平行な線の最大値を測定する。(n=10)
アスペクト比は、図1からc軸長を測定し、a−b面は観察画像から計測し、その比により算出した。
(真球度の測定方法)
SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として求めた。
ガラス粉体A:微粒子酸化チタン分散・内包多孔質シリカフレーク
(ナノフレックスNTS30K3TA、日本板硝子社製、微粒子酸化チタンの大きさ:約φ30nm、内包量30重量%、ガラス粉体の平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10) 40重量部
ポリ塩化ビニル(結合材) 40重量部
ステアリン酸Ca−Zn(安定剤) 1重量部
ジオクチルフタレート(可塑剤) 19重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散し、加圧ニーダー、ロールで混練し、成形後、ジオクチルフタレートを乾燥し、窒素ガス雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理した後、直径0.565mm、長さ60mmに切断後、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、屈折率1.401、信越化学社製)を120℃−24時間浸漬し、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aにおける微粒子酸化チタンをカーボンブラック(大きさ:24nm、内包量30重量%)に代えたガラス粉体B(平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10)を用いた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aにおける微粒子酸化チタンを群青(大きさ:100nm、内包量30重量%)に代えたガラス粉体C(平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10)を用いた以外は上記実施例1と同様、但し、焼成温度を1000℃を800℃に変更して、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aにおける微粒子酸化チタンをベンガラ(大きさ:100nm、内包量30重量%)に代えたガラス粉体D(平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10)を用いた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aの形状を平均粒径mv値が5μmで、真球度1μmの粒状したガラス粉体Eを用いた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例2のガラス粉体Bの形状を平均粒径mv値が5μmで、真球度1μmの粒状したガラス粉体Fを用いた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例3のガラス粉体Cの形状を平均粒径mv値が5μmで、真球度1μmの粒状したガラス粉体Gを用いた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aをビーズミルで平均粒径mv値が0.5μmに粉砕し、真球度が0.3μmの粒状したガラス粉体を用いた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aの含有量40重量部のうち、20重量部を平均粒径(mv値)が1μmの黒鉛に代えた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aの平面度30nm、a−b面粒径5μm、c軸の厚さ0.4μm、アスペクト比12.5となるガラス粉体Hに代えた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例2のガラス粉体Bの平面度30nm、a−b面粒径5μm、c軸の厚さ0.4μm、アスペクト比12.5となるガラス粉体Iに代えた以外は上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
鱗片状天然黒鉛A(平面度0.2μmのab面、mv値8μm、c軸の厚さ1μm、アスペクト比8) 40重量部
ポリ塩化ビニル(結合材) 40重量部
ステアリン酸Ca−Zn(安定剤) 1重量部
ジオクチルフタレート(可塑剤) 19重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散し、加圧ニーダー、ロールで混練し、成形後、ジオクチルフタレートを乾燥後、窒素ガス雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理することによって、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を製造した。
次いで、上記実施例1で用いた液体A中に、上記焼成鉛筆芯体を1MPaで加圧含浸し、焼成鉛筆芯を得た。
鱗片状シリカ:製品名「シルリーフ」日本板硝子社製(平面度1μm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1μm、アスペクト比11) 40重量部
ポリ塩化ビニル(結合材) 40重量部
ステアリン酸Ca−Zn(安定剤) 1重量部
ジオクチルフタレート(可塑剤) 19重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散し、加圧ニーダー、ロールで混練し、成形後、ジオクチルフタレートを乾燥し、窒素ガス雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理した後、直径0.565mm、長さ60mmに切断後、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、屈折率1.401、信越化学社製)を120℃−24時間浸漬し、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
比較例2の「シルリーフ」を鱗片状シリカ(製品名「シルキーフレーク」、日本板硝子社製)(平面度0.02μm、a−b面粒径10μm、c軸の厚さ0.4μm、アスペクト比25)に代えた以外は、上記比較例2と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
鱗片状シリカ:製品名「シルキーフレーク」(平面度0.02μm、a−b面粒径10μm、c軸の厚さ0.4μm、アスペクト比25) 30重量部
カーボンブラック 10重量部
ポリ塩化ビニル(結合材) 40重量部
ステアリン酸Ca−Zn(安定剤) 1重量部
ジオクチルフタレート(可塑剤) 19重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散し、加圧ニーダー、ロールで混練し、成形後、ジオクチルフタレートを乾燥し、窒素ガス雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理した後、直径0.565mm、長さ60mmに切断後、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、屈折率1.401、信越化学社製)を120℃−24時間浸漬し、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aの配合量を2重量部とし、他の体質材として黒鉛の配合量を38重量部にした以外は、上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
実施例1のガラス粉体Aの配合量を90重量部とし、他の10重量部を実施例1と同様の比率で各成分を配合し、シャープペンシル用焼成芯体を製造した。
これらの結果を下記表1に示す。
JIS S 6005:2007に規定されている曲げ強さ試験で曲げ強度を測定した(n=100)。
(圧縮強度の測定方法)
芯を平面上に横置き固定し、テンシロン(ORIENTEC RTC−1150A)で横幅2mm、縦幅5mmの圧縮治具で上から圧縮試験して破壊強度を測定した(n=100)。
筆記角度75°、荷重300gf、筆記距離5m筆記した際の芯の摩耗長さを測定した(n=10)。
(濃度の測定方法)
磨耗試験で筆記した描線を濃度計(sakura DENSITO METER PDA65小西六写真工業株式会社)で測定した値である(n=10×4ヵ所)。
摩耗試験で筆記した描線を消しゴム(EP−105E)で5往復させた後の描線消去率を求めた(n=10)。
(摩擦係数の測定方法)
JIS S 6005:2007に規定されている画線機を用いた画線方法における画線中の全摩擦力の平均値を筆記荷重で割った値(n=10)を「動摩擦係数」とし、摩擦の最大値を筆記荷重で割った値を「静摩擦係数」とした。
摩耗試験で筆記した描線を分光測色計(分光測色計:CM−3600d コニカミノルタ製)で測定したL*値である(n=10×4ヵ所)。
10人の被験者が400字詰め原稿用紙を1枚「三菱鉛筆芯」と繰り返し筆記し、当社既存品(三菱鉛筆芯社製、「SHU」0.5mm−HB)と比較して下記各項目の相対評価を行った。
筆記感は、滑らかに感じるか否かで比較し下記評価基準で評価した。
評価基準(平均値):
◎:非常に良い
○:既存品より良い
△:既存品と同等
×:既存品より悪い
色見は、当社既存品(三菱鉛筆芯社製、「SHU」0.5mm−HB)と比較して、肉眼による官能評価した。
Claims (21)
- 焼成前の配合組成物として無機顔料、有機顔料、染料から選ばれる少なくとも1種の微粒子(但し、ガラス粉体を除く)を分散又は内包させた平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であるガラス粉体又は平均粒径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmの粒状であるガラス粉体を鉛筆芯全量に対して、3〜80重量%含有することを特徴とする焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体は、母材がシリカであることを特徴とする請求項1記載の焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する微粒子の平均粒子径が1〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する前記ナノ微粒子の含有量がガラス粉体中に5〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に体質材及びセラミック結合材が含有されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に黒鉛が含有されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 前記黒鉛の体積平均径(mv値)が0.2〜1μmであることを特徴とする請求項6に記載の焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に水性顔料インキ、水性染料インキ、油性染料インキ又は油性染料インキのうち何れかが含有されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 前記焼成鉛筆芯には、α−オレフィンオリゴマー、脂肪酸エステル、スピンドル油、ワックス、シリコーンオイル、金属石鹸から選ばれる含浸油が含浸されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 前記焼成鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の焼成鉛筆芯。
- 前記無機顔料がカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の焼成鉛筆芯。
- 気孔内に潤滑剤を配置してなる非焼成鉛筆芯であって、該非焼成鉛筆芯の配合組成物として無機顔料、有機顔料、染料から選ばれる少なくとも1種と、有機高分子とからなる微粒子(但し、ガラス粉体を除く)を分散又は内包させた平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であるガラス粉体又は平均粒径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmの粒状であるガラス粉体を鉛筆芯全量に対して、3〜80重量%含有することを特徴とする非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体は、母材がシリカであることを特徴とする請求項12記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する微粒子の平均粒子径が1〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項請求項12又は13に記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体に分散又は内包する前記微粒子の含有量がガラス粉体中に5〜80重量%であることを特徴とする請求項12〜14の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に黒鉛が含有されることを特徴とする請求項12〜15の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記黒鉛の体積平均径(mv値)が0.2〜1μmであることを特徴とする請求項16に記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に水性顔料インキ、水性染料インキ、油性染料インキ又は油性染料インキのうち何れかが含有されることを特徴とする請求項12〜15の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に潤滑油及び/又はグリースが含有されることを特徴とする請求項12〜15の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記フレーク状であるガラス粉体又は前記粒状であるガラス粉体と共に、更に熱可塑性樹脂が含有されることを特徴とする請求項12〜15の何れか一つに記載の非焼成鉛筆芯。
- 前記無機顔料がカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項12に記載の非焼成鉛筆芯。
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