JP5526562B2 - 焼成鉛筆芯 - Google Patents
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Description
先行技術物件に記載の天然雲母、タルク、鱗片状低結晶性シリカ、板状アルミナ、窒化ホウ素は全て結晶構造を持つものであり粒子表面の活性が低いため折損強度が低くなる要因となる。これは粒子を形成する分子が分子同士でしっかりと配列を組んで結合している為で、他の物質と結合しにくくなっている。この為鉛筆芯とした時バインダーや体質材自身を含め付着性が弱く折損強度が低下してしまう。
本発明で使用する無機非晶質板状粒子は非晶質(アモルファス)構造である。この為結晶粒界や粒子欠陥などの弱い構造が無く粒子自体が結晶質に比べ高い強度を有する。また、粒子の表面活性の点では粒子を形成する分子同士の結合が粒子形状を維持したまま切れている。この為結合エネルギーが活性化した状態となり他の物質と結合しやすい状態となっている。この為バインダーや他の体質材との結合力が強くなることで、折損強度を維持することが出来る。また鉛筆芯の濃度とは、筆記時の摩耗粉の量と摩耗粉の黒さで決まる。結晶性のものは黒さの面で劣る。これは前述したとおり、粒子表面の活性が低いため、有機結合材が焼成することで黒色化する炭化物が付着しにくい。この為結晶性体質材を覆う炭化物の量が少なくなり摩耗粉が黒くなりにくいので筆記線の濃度・黒さは向上しない。一方、無機非晶質板状粒子の粒子表面の活性は高い為、有機結合材を焼成することで黒色化する炭化物が付着しやすい。この為粒子表面を覆う炭化物の量が多くなり、摩耗粉の黒さも増す。この結果筆記線の濃度・黒さが向上する。更に無機非晶質板状粒子は板状である為、押出成形の際には、黒鉛と同様に押出方向に配向して芯体中に配置されるため、芯体全体を補強する効果も有する。即ち、本発明の無機非晶質板状粒子を使用することにより、曲げ強さの低下を極力抑えて筆記線の黒さと濃度が向上した鉛筆芯、あるいは、筆記線の黒さや濃度を低下させることなく曲げ強さが向上した鉛筆芯を得ることができるのである。さらに無機非晶質板状粒子は劈開性であることが好ましい。鉛筆芯として筆記する際、劈開による自身の摩耗で筆記濃度・黒さが更に向上するからである。
例えば、無機非晶質板状粒子としては非晶質シリカが挙げられる。
一般的なシリカの製法としては、珪酸ソーダ水溶液の酸又はアルカリ金属塩による中和・分解反応によりシリカの析出を行う湿式法や、高温気相反応によりシリカの析出を行う乾式法が知られているが、本発明で使用する非晶質劈開性板状シリカは、バーミキュライトを酸処理することで得られる。バーミキュライトはバーミキュライト群粘土鉱物あるいは雲母群粘土鉱物に分類される加水雲母を主成分とする鉱物であり、蛭石とも呼ばれている。バーミキュライトの化学的組成は、産地等によっても相違するが、代表的な組成は以下の通りである。
SiO2 35〜45重量%
Al2O3 10〜20重量%
MgO3 7〜30重量%
Fe2O3 5〜22重量%
CaO 0〜3重量%
Na2O 0〜1重量%
K2O 0〜10重量%
Fe以外の重金属含有量(Pb、Cr、Cd等) 0.2重量%以下
灼熱原料(1050℃) 3〜25重量%
また、使用量も特に限定されないが、筆記線の黒さや濃度向上を図る場合には体質材全量に対し10重量%以上の使用が好ましく、曲げ強さの向上を図る場合には体質材全量に対して10重量%未満の使用量が好ましい。ただし、1%未満の使用量では効果の度合が小さくなる。
更に、必要に応じて、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリクレジル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、アジピン酸ジオクチル、プロピオンカーボネートなどの可塑剤、カーボンブラック、無定形シリカなどの充填材、ステアリン酸塩などの安定剤、ステアリン酸などの滑材、メチルエチルケトン、水などの溶剤などを適宜併用できる。
<黒さと濃度向上を図る場合>
<実施例1>
ポリ塩化ビニル樹脂(結合材) 30重量部
シルリーフ(体質材、水澤化学工業(株)の非晶質劈開性板状シリカ、
平均粒子径:6μm) 50重量部
フタル酸ジオクチル(可塑剤) 10重量部
ステアリン酸塩(安定剤) 2重量部
ステアリン酸(滑材) 2重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 30重量部
上記材料をヘンシェルミキサーによる分散混合処理、3本ロールによる混練処理をした後、細線状に押出成形し、空気中で室温から300℃まで約10時間かけて昇温し、300℃で約1時間保持する加熱処理をし、更に、密閉容器中で1000℃を最高とする焼成処理を施し、冷却後、流動パラフィンを含浸させて、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例1において、シルリーフの粒径を、平均粒子径がそれぞれ1μm、25μm、45μmのものに変えた以外、すべて実施例1と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例1において、シルリーフの使用量をそれぞれ35重量部、25重量部、15重量部、5重量部に変え、他の体質材として併用する黒鉛の量をそれぞれ15重量部、25重量部、35重量部、45重量部にした以外、すべて実施例1と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例1において、シルリーフの粒径を、平均粒子径がそれぞれ0.5μm、55μm、のものに変えた以外、すべて実施例1と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例1において、シルリーフを使用せずに、黒鉛を50重量部使用した以外、すべて
実施例1と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例6において、シルリーフ25重量部の代わりにCT35((株)山口雲母工業の
タルク、平均粒子径:15μm)を25重量部使用した以外、すべて実施例6と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例6において、シルリーフ25重量部の代わりにセラフYFA05025(YKK(株)製の板状アルミナ、平均粒子径:5μm)を25重量部使用した以外、すべて実施例6と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例6において、シルリーフ25重量部の代わりにサンラブリーC(洞海化学工業(株)製の鱗片状低結晶性シリカ、平均粒子径:6μm)を25重量部使用した以外、すべて実施例6と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
実施例6において、シルリーフ25重量部の代わりにデンカボロンナイトライド(電気化学工業(株)製の窒化ホウ素、平均粒子径:3.5μm)を25重量部使用した以外、すべて実施例6と同様にして、呼び径0.7の鉛筆芯を得た。
<実施例11>
黒鉛(体質材) 73重量部
シルリーフ(体質材、水澤化学工業株式会社製の非晶質劈開性板状シリカ、
平均粒子径:6μm) 2重量部
ポリ塩化ビニル樹脂(結合材) 55重量部
フタル酸ジオクチル(可塑剤) 25重量部
ステアリン酸塩(安定剤) 2重量部
ステアリン酸(滑材) 1重量部
カーボンブラック(充填材) 2重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 20重量部
上記原材料をヘンシェルミキサーによる分散混合処理、3本ロールによる混練処理をした後、細線状に押出成形し、空気中で室温から300℃まで約10時間かけて昇温し、300℃で約1時間保持する加熱処理をし、更に、密閉容器中で1100℃を最高とする焼成処理を施し、冷却後、流動パラフィンを含浸させて、呼び径0.5の鉛筆芯を得た。
実施例11において、シルリーフの粒径を、平均粒子径がそれぞれ1μm、25μm、45μmのものに変えた以外、すべて実施例11と同様にして、呼び径0.5の鉛筆芯を得た。
実施例11において、シルリーフの使用量をそれぞれ1重量部、7重量部に変え、黒鉛の使用量をそれぞれ74重量部、68重量部に変えた以外、すべて実施例11と同様にして、呼び径0.5の鉛筆芯を得た。
実施例11において、シルリーフの粒径を、平均粒子径がそれぞれ0.5μm、55μmのものに変えた以外、すべて実施例11と同様にして、呼び径0.5の鉛筆芯を得た。
実施例11において、シルリーフ2重量部の代わりにサンラブリーC(洞海化学工業(株)製の鱗片状低結晶性シリカ、平均粒子径:6μm)を2重量部使用した以外、すべて実施例11と同様にして、呼び径0.5の鉛筆芯を得た。
実施例11において、シルリーフを使用せずに、黒鉛の使用量を75重量部に変えた以外、すべて実施例11と同様にして、呼び径0.5の鉛筆芯を得た。
強さと濃度を、黒さの評価としてY値を測定した。その結果を表1、表2に示す。
Claims (1)
- 体質材と結合材とを主材として使用し、混練、成形、焼成温度にまで熱処理を施してなる焼成鉛筆芯において、前記体質材として少なくとも劈開性無機非晶質板状粒子を使用し、800℃〜1300℃の焼成温度の焼成処理を施した焼成鉛筆芯。
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