JP2004256593A - 鉛筆またはシャープペンシル用芯 - Google Patents

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貴子 近藤
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Abstract

【課題】高強度、高濃度、良好な筆記感を有し、且つ消字性を有する焼成鉛筆用芯あるいはシャープペンシル用芯の提供
【構成】有機結合剤として熱可塑性樹脂、体質材として黒鉛を配合して成る焼成鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯において、平均粒径2〜40μm、比表面積値5m/g以上、純度97%以上の範囲の熱分解黒鉛を使用した焼成鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯である。

Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は高強度、高濃度で筆記性良好かつ消字性に優れた焼成鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯(単に芯という)は有機結合剤と体質材を主材とし、これに可塑剤、ワックス、溶剤等を添加し、これらをヘンシル、ニーダー、ロール等で混練し、混練物を芯状に押出成形し、100℃〜1300℃の温度で熱処理後、焼成体の気孔中に油脂類を含浸させて完成される。
体質材としては通常天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化カーボン、カーボンブラック等の顔料、雲母、チッ化ホウ素等が主成分として使用されている。体質材の特徴を活かし様々な芯が作られ、特許出願されている。例えば薄層黒鉛とチッ化ホウ素を体質材とし筆記線の色調をより黒くしたり(特許文献1)、チッ化ホウ素を用いて黒灰色を呈さない高強度な黒色芯を得たり(特許文献2)、超扁平黒鉛粉末を用いることで強度、圧縮強さに優れた芯になったり(特許文献3)、またチッ化ホウ素が白色であることを利用しその焼成体にインクを含浸させて色鉛筆を作ったりしている。(特許文献4)
【特許文献1】
特開平7−18213号公報
【特許文献2】
特開平10−17307号公報
【特許文献3】
特開平6−293874号公報
【特許文献4】
特開平11−286643号公報
【0003】
しかしながら黒鉛は六方晶系の六角板状扁平な黒色結晶で軟らかく(モース硬度1〜2)、耐熱性が高く、潤滑性に優れる。非常に芯を作るのに最適な材料であり、高強度で摩耗性の高い構造体が得られる。チッ化ホウ素もタルクや雲母等に比べれば構造的に似ている材料であるが、黒鉛には及ばない。同じ黒鉛でも天然物と人造物が存在する。特許文献5では均一にして操作容易に製造することを目的として人造黒鉛を用いて、鉛筆用芯を製造する方法が提案されているが充分な品質が得られていない。品質的にバランスの取れた芯が得られるものはやはり天然黒鉛を主たる体質材として用い、粘土または天然樹脂、合成樹脂を結合剤とした系である。ここで言う品質的にバランスの取れた芯とは、高強度、高濃度を有し、良好な筆記感が得られる芯のことである。
【特許文献5】
特公昭32−1915号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に芯用の体質材としては天然黒鉛が最も優れていると考えられていた。体質材として人造黒鉛のみ使用すると筆記感が悪く、引っかかり感のある芯しか得ることが出来ず、低強度、低濃度の芯となり、満足出来るものが得られなかった。製鉄所で作られるキッシュ黒鉛を用いて芯径の細い芯を製造した場合は特に低強度低濃度の芯しか得られず、書き味も著しく悪い。それ故人造黒鉛を使用する場合は体質材として天然黒鉛やカーボンブラック等の顔料、タルク、雲母、チッ化硼素等を混合して用いる手法が取られていた。
【0005】
しかしながら人造黒鉛は人工的に作る故に純度や結晶性のコントロールが可能であり、天然黒鉛と違い不純物の混入も少なく出来る。天然物使用の場合、混入する不純物の量もまちまちであり、その影響で品質が不安定になることもしばしばあるため、同品質の黒鉛を得る方法として人造黒鉛が見直されている。特許文献6では膨張黒鉛を粉砕してなる超薄状黒鉛を用いることで濃度、書き味を保持しながら曲げ強度を向上させる方法が提案されている。ここで言う膨張黒鉛とは化学的処理によって黒鉛の層間を広げたもの、若しくはその結果として得られる薄層状に黒鉛を意味するが、例えば結晶性の良い天然鱗状黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛を酸処理し、300℃以上の温度で熱膨張させた黒鉛で、これを粉砕して0.7μm以下の超薄状にして使用すると目的の品質が得られるとある。これら処理をしない上記の黒鉛を使用し物理的に粉砕微粒子化すると比表面積は大きくなるものの粉砕時の衝撃が黒鉛結晶構造に影響を及ぼし、結果的に芯の強度は向上するが、濃度が低下しバランスの悪い芯となることが述べられている。また、芯の重要な性質には前述の高強度、高濃度及び良好な筆記感の他に消字性がある。消字性に関して、既存の芯は筆記線が消しゴム等によって消去可能であるが、弱い力では充分に消去可能とは限らない。これは紙繊維の奥まで芯の摩耗物質が入り込んでしまい、消しゴムの吸着力ではなかなか取り去れないからである。
近年環境問題が騒がれ、天然資源保全の動きが盛んになっている。鉛筆用あるいはシャープペンシル用の体質材として天然黒鉛の使用をやめ、人造黒鉛での芯製造が可能になれば微量ではあるが保全に貢献できるメリットがある。なお、体質材として人造黒鉛を使用した出願の中心は人造黒鉛の体質材としての特徴を活かして曲げ強度や濃度の工夫、色の調節などを行ったものがほとんどであって、消字性を向上させようと言う目的で体質材の特徴を利用したものはない。
【特許文献6】
特開平8−238887号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は高強度、高濃度で良好な筆記感を有し、且つ、消字性に優れた芯を得べく、種々検討した結果、本発明を完成するに至ったもので、本発明の目的は高強度、高濃度で良好な筆記感を有し、且つ、消字性に優れた黒鉛を体質材とする芯を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、有機結合剤として熱可塑性樹脂、体質材として黒鉛を配合して成る鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯において、平均粒径2〜40μm、比表面積値5m/g以上、純度97%以上の範囲の熱分解黒鉛を使用した鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯である。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明について詳細に述べる。
本発明で使用する体質材は平均粒径2〜40μm、比表面積値5m/g以上、純度97%以上の範囲の熱分解黒鉛である。様々な実験を行った結果、本発明で使用する体質材の平均粒径が2〜40μm以外のものでは高強度低濃度になったり、低強度高濃度になったりして筆記用の芯としてはバランスの悪いものしか得られないことが分かった。従って、本発明に使用される黒鉛としては平均粒径2〜40μm、比表面積値5m/g以上、純度97%以上の熱分解黒鉛を使用する。ここで言う熱分解黒鉛とはpyrographite(パイログラファイト)と一般的に呼ばれるもので、人工的に作りうる最も単結晶に近い多結晶体であり、天然黒鉛と類似した結晶配列を示す高純度黒鉛のことである。一般的には熱分解黒鉛の強度は結晶平行方面では通常の人造黒鉛の約10倍、垂直面は製法上層状剥離を起こしやすいと言われている。熱分解黒鉛は様々な製造方法があり、得られる黒鉛は層状、円柱状、粒状、等方性を示すものなど様々な種類があるが、上述した範囲の熱分解黒鉛であれば同じような効果が得られる。
【0009】
熱分解黒鉛は製法上の性質で層状剥離しやすいため、材料同士を混練しても微細化されず効果的な層状剥離が起こり、芯構造中にアスペクト比の大きな黒鉛を存在させることが出来る。それ故より高配向になり高強度を保つことが出来る。また筆記時に芯の摩耗によって紙面上に付着した芯の摩耗物質(黒鉛)も通常のものよりも大きいものが付着するため紙の繊維中に入りづらくなり結果的に消字性を高められる。
【0010】
本発明で用いる熱可塑性樹脂はポリビニルエステル系樹脂、含ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、含ハロゲン系樹脂等が良好であり、具体的にいうとポリビニルエステル系樹脂としてはポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、ポリアセタール樹脂としてはポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニル系樹脂としては、ポリビニルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、含ハロゲン系樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ポリエチレン、塩化ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。そのほかにもフラン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や天然高分子物質、コールタールピッチなどに代表されるピッチ類がある。これらは単独もしくは二種以上組み合わせて使用する。
【0011】
本発明の芯の製法について述べる。体質材としての黒鉛と結合剤としての熱可塑性樹脂とを混練し、芯状の形状に成形する。混練時や成形時に有用な働きのあるDOP、DBP、TCP、DOA、DAP、プロピレンカーボネイト、アルコール類、ケトン類、エステル類等の可塑剤、ワックス、溶剤の一種または2種以上を用いると良好な結果が得られた。また特開平7−179806号で示されているナフテン酸金属塩と高級脂肪族炭化水素の塩化物及び高級脂肪酸エステルの塩化物とを併用して用いても良好な効果が得られた。本発明は体質材として熱分解黒鉛を使用することで天然黒鉛使用の芯と同等な強度を持ち、濃度が向上し、なおかつ消字性に優れている事を特徴とするものである。以下に実施例を示して本発明を更に詳しく説明する。
【0012】
先ず、各実施例及び各比較例の配合例を示す。
Figure 2004256593
【0013】
Figure 2004256593
【0014】
Figure 2004256593
【0015】
Figure 2004256593
【0016】
Figure 2004256593
【0017】
Figure 2004256593
【0018】
Figure 2004256593
上記材料を実施例1と同様の方法で焼成芯の気孔中にパラフィン油を含浸させ、完成させた。
【0019】
上記材料をヘンシル、ニーダーで混合し、3本ロールミルで充分混練した後、芯状に成形した。これを110℃24時間、200℃12時間処理を行ない、その後不活性雰囲気下1200℃で焼成を行った。焼成芯の気孔中にパラフィン油を含浸させ、完成させた。
以上の実施例1〜3、比較例1〜4の配合組成で得られた芯の曲げ強度及び濃度、筆記官能試験、消字性(消去率)の試験を行った。これらの結果を表1に示す。
曲げ強度及び濃度の測定はJIS−S−6005、消字率の測定はJIS−S−6050に従って行った。
【0020】
【表1】
Figure 2004256593
【0021】
実施例1〜3では平均粒径2〜4μm、比表面積5m/g以上の熱分解黒鉛を使用した。これら3種は高強度を有し、筆記感も滑らかで高濃度の芯となった。また消字性も良好であった。比較例1の平均粒径が40μm以上の熱分解黒鉛を使用した場合では、強度が低下し、濃度は同等、筆記感も滑らかで消字性も良好であったが脆く感じた。比較例2の平均粒径が2μm以下の熱分解黒鉛を使用した場合では、強度も濃度も低くなり筆記時にやや引っかかり感のある芯となった。粒径の細かな黒鉛を使用している影響からか消字性が熱分解黒鉛使用の系で最も劣った結果となった。比較例3の天然黒鉛を使用した場合では、強度は同等であるが、濃度が低くなり硬い書き味となった。消字性においても熱分解黒鉛使用の系と比べると比較例2と同レベルの劣る結果となった。比較例4の人造黒鉛であるキッシュ黒鉛を使用した場合では、強度も濃度も低くなり、筆記時にはっきりと引っかかり感を感じる芯となった。消字性は一番劣る結果となった。以上のことから上記範囲の熱分解黒鉛を使用することで高い曲げ強度を有し、滑らかで筆記感の良好なバランスの良い芯が得られ、消字性においても優れることが分かった。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は一定範囲の人造黒鉛である熱分解黒鉛を体質材として使用することにより、何らの前処理も入らず、結果的に高強度、高濃度でかつ消字性に優れた鉛筆用芯またはシャープペンシル用芯が得られた。

Claims (1)

  1. 有機結合剤として熱可塑性樹脂、体質材として黒鉛を配合して成る焼成鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯において、平均粒径2〜40μm、比表面積値5m/g以上、純度97%以上の範囲の熱分解黒鉛を使用した焼成鉛筆芯あるいはシャープペンシル用芯。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007302773A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Pentel Corp 鉛筆芯の製造方法
JP2010116451A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Mitsubishi Pencil Co Ltd 鉛筆芯及びその製造方法

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