JPH0976691A - 焼成鉛筆芯及びその製造方法 - Google Patents

焼成鉛筆芯及びその製造方法

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JPH0976691A
JPH0976691A JP7239899A JP23989995A JPH0976691A JP H0976691 A JPH0976691 A JP H0976691A JP 7239899 A JP7239899 A JP 7239899A JP 23989995 A JP23989995 A JP 23989995A JP H0976691 A JPH0976691 A JP H0976691A
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extrusion
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nozzle
lead
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Hideo Odajima
英夫 小田島
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆記描線が純黒で、光沢度が小さく、書き味
に優れ、かつ曲げ強度、曲げ弾性率、フレーク状体質材
の配向度の優れた焼成鉛筆芯及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 結合剤炭素化物としての炭素と、体質材
として窒化ホウ素が配合されている焼成鉛筆芯におい
て、X線回折より求めた窒化ホウ素の押出軸方向の配向
度(π)が0.85以上で、かつ芯の曲げ弾性率が60
GPa以上、曲げ強度が250MPa以上である焼成鉛
筆芯であり、製造方法としては、押出成形時の押出ノズ
ル直上の背面圧力が300kg/cm2以上で、かつ溶融ス
ラリー化した混練物がノズルを通過する時のせん断速度
が5×104(1/sec)以上となるように押出成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャープペンシル
用芯に関する。詳しくは、体質材である窒化ホウ素と焼
成時に炭素化する結合材を主材とし、これに気孔形成剤
を配合し、混練、押出成形後高温で熱処理を施す焼成鉛
筆芯に関するもので、芯体中の窒化ホウ素が押出軸方向
に高度に配向し、筆記描線が純黒で光沢度が少なく、か
つ曲げ強度の優れた焼成鉛筆芯及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の木軸鉛筆芯、シャープペンシル用
の芯は、黒鉛、カーボンブラックなどの着色材に、粘
土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルトな
どの結合材を加え、さらに必要に応じて所要の溶剤及び
可塑剤を添加して、これらを混練し、この混練物を線状
体に押出成形した後、900〜1,200℃の温度で焼
成し、得られた焼結体の気孔中に油脂類を含浸させて完
成されている。従来の鉛筆芯には、体質材兼着色材とし
て、結晶性潤滑材として機能する黒鉛が一般的に使用さ
れており、その配合や焼成条件などの工程設計によっ
て、書き味や曲げ強度の向上が図られてきた。
【0003】しかし、黒鉛を主たる着色材として使用し
ているために筆記の際、崩れた摩耗粉が紙面に水平方向
にこすりつけられ、黒鉛結晶のベーサル面が紙面に水平
に並ぶ。このため、描線には黒鉛のベーサル面での光の
反射があり、描線を見る角度によっては判読が困難にな
るとともに、描線色は黒灰色を呈するといった問題があ
った。この描線色をより純黒色に近づけようとする試み
は種々なされているが、カーボンブラックを添加する方
法が主に検討されて来た。
【0004】カーボンブラックは、ボールペンやサイン
ペンのインキ顔料などに使用されており、その黒さや光
の反射が少ないことは周知である。カーボンブラックは
黒鉛と同じくほぼ炭素のみで構成され、基本的には結晶
子の大きさが数十オングストロームの黒鉛微結晶が球状
に配列した構造の物質であり、潤滑性には劣る。表面に
は比較的多くの官能基を有し、表面活性である。
【0005】一方、鉛筆芯に使用される黒鉛は天然鱗片
状黒鉛、天然鱗状黒鉛、キッシュ黒鉛などで、結晶子の
大きさが1,000オングストローム以上の黒鉛結晶子
が層状に積層配位した物質で潤滑性がある。しかも表面
には極く僅かな官能基しか有さず不活性である。黒鉛を
使用する鉛筆芯において、黒鉛の全量をカーボンブラッ
クに置き換えた場合、カーボンブラックの比表面積に対
して、バインダー樹脂が不足した状態となり、曲げ強度
の極端に低い鉛筆芯となる。
【0006】逆に、カーボンブラックの比表面積に対し
て適正なバインダー樹脂量で鉛筆芯を作ると、カーボン
ブラックが表面活性なため、バインダー樹脂が炭素化す
る際に強固に結合し、潤滑性が無いこともあって、全く
筆記出来ない鉛筆芯となる。黒鉛とカーボンブラックを
併用した場合、カーボンブラックの色相を発現させるた
めには、カーボンブラックを多量に使用しなければなら
ず、カーボンブラック単独で使用した場合と同様な理由
で、極端に曲げ強度の低いものとなってしまう。
【0007】カーボンブラックの使用量が少ない場合に
は、カーボンブラックの色は発現しないばかりか、板状
の黒鉛粒子の間に球状のカーボンブラックが挟まった構
造となり、粗な組織であるため曲げ強度が発現しない。
さらに曲げ強度が低いにも関わらず、カーボンブラック
がバインダー樹脂の炭素化物と強固に結合するため、濃
度が薄いものとなる。以上の様に、カーボンブラックを
使用して鉛筆芯の筆記描線を純黒色の色相にすることは
困難である。黒鉛のかわりに窒化ホウ素やタルク、マイ
カを用いると、バインダー樹脂の炭素化物の色が発現
し、純黒色を呈することは古くから知られていたが、タ
ルクやマイカは高温で焼成した際に、結晶水が離脱して
粉体の潤滑性を消失し、そのために書き味の劣るものと
なり、実用に耐えない。
【0008】黒鉛と類似の構造を持ち、潤滑性や耐熱性
に優れた窒化ホウ素を用い、焼成時炭素化して炭素を残
すバインダー樹脂を用いて、炭素化物の黒色を発現させ
る方法は公知である。特公平5−9472号公報は、窒
化硼素と炭素化性有機化合物から得られた炭素よりなる
焼結体と、この焼結体の気孔中に充填されているモンタ
ンワックスとから構成された鉛芯である。この鉛芯は専
ら製図用フィルム用の鉛芯を目的とし、曲げ強度、曲げ
弾性率の高い鉛芯を目的としておらず、曲げ強度も19
6〜231MPaであり、黒鉛を使用した芯と比べて、
まだ曲げ強度不足である。
【0009】特公平5−10397号公報は、同様に窒
化硼素と炭素化性有機化合物から得られた炭素よりなる
焼結体と、この焼結体の気孔中に充填されている粘着物
とから構成され、この粘着物と製図用フィルムとのはく
離強さが50g/2.5cm以上の鉛芯である。従ってこ
れ又曲げ強度は特公平5−9472号公報なみと考えら
れる。
【0010】また、芯体中の窒化ホウ素の配向状態に着
目した方法も提案されている。特公平1−49750号
公報では、潤滑材として窒化ほう素を主材とする芯にお
いて、芯の押出軸方向に対して垂直にX線を照射して得
られるX線回折における六方晶窒化ほう素の(002)
面のピーク高さと(100)面のピーク高さとの比が4
0以下である低荷重用芯が提案されている。X線回折か
ら得られる知見と発明の詳細な説明によれば、板状の窒
化ほう素が押出方向にランダムに並び、その結果として
押出軸方向に垂直となる窒化ほう素が増加することを意
味しており、低荷重で筆記するプロッター用芯であり、
本発明とはその思想が全く異なるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、筆記
描線が純黒で、光沢度が小さく、書き味に優れかつ曲げ
強度、曲げ弾性率、フレーク状体質材の配向度の優れた
焼成鉛筆芯及びその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、芯の曲げ弾性率
及びX線回折より求めた芯体中の窒化ホウ素の押出軸方
向の配向度(π)と、芯の強度との間に極めて高い相関
性を有している事を見い出した。体質材として用いる窒
化ホウ素を窒化ホウ素/炭素結合材によって構成される
焼成鉛筆芯において押出軸方向に高度に配向させること
により、高い曲げ弾性率と強度を発現させることが出来
る。
【0013】焼成鉛筆芯において必要且つ十分な強度を
発現させるためには、芯体中の窒化ホウ素の押出軸方向
の配向度(π)は0.85以上、好ましくは0.87以
上であることが望ましく、芯の曲げ弾性率は60GPa
以上、好ましくは70GPa以上であることが望まし
い。これによって芯の強度を250MPa以上にするこ
とができる。尚、配向度(π)は芯体中の窒化ホウ素の
押出軸方向に対する配向の程度を示すもので、この数値
が1に近いほど配向が進んでいることを意味する。
【0014】X線回折は、芯の押出軸方向に対して垂直
にX線を照射し、方位角2θを0〜90゜スキャンし、
六方晶窒化ホウ素の(002)面の強度分布の最大値を
示す方位角の位置を確認する(約26〜27゜近傍)。
次にこの方位角の位置において芯をX線ビームの垂直面
内において180゜回転することにより、(002)面
の強度分布をとり、強度最大値の1/2の点における半
価幅(H)から(1)式により配向度(π)が求められ
る。 配向度(π)=(180−H)/180 (1)式 芯の曲げ弾性率は曲げ強度測定の際の荷重をP、支点間
距離をL、芯の直径をd、歪み量をδ、円周率をπとし
たとき(2)式により求められる。 曲げ弾性率=4PL3/3πd4δ (GPa) (2)式
【0015】本発明者はこれらの知見をもとに、芯体中
の窒化ホウ素の押出軸方向の配向度(π)を高める具体
的手段として、押出成形時の押出条件に着目し鋭意研究
した結果、押出成形時の押出ノズル直上の背面圧力と、
溶融スラリー化した混練物がノズルを通過した時のせん
断速度を制御することにより、芯体中の窒化ホウ素の押
出軸方向の配向度(π)と曲げ弾性率が高まり、その結
果、筆記描線が純黒で光沢度が少なく、かつ曲げ強度の
優れた焼成芯が得られることを見い出し、本発明を完成
した。
【0016】すなわち本発明の要旨は次の通りである。
結合剤炭素化物としての炭素と、体質材として窒化ホウ
素が添加、配合されている焼成鉛筆芯において、X線回
折より求めた窒化ホウ素の押出軸方向の配向度(π)が
0.85以上で、かつ芯の曲げ弾性率が60GPa以
上、曲げ強度が250MPa以上である焼成鉛筆芯であ
り、
【0017】又、その製造方法としては、体質材である
窒化ホウ素と焼成時に炭素化する結合剤を主材とし、こ
れに気孔形成剤を配合して混練し、押出成形後高温で熱
処理を施す焼成鉛筆芯の製造方法において、押出成形時
の押出ノズル直上の背面圧力が300kg/cm2以上で、
かつ溶融スラリー化した混練物がノズルを通過する時の
せん断速度が5×104(1/sec)以上となるように押
出成形することを特徴とする焼成鉛筆芯の製造方法であ
る。
【0018】次に本発明の製造方法について具体的に説
明する。体質材としての窒化ホウ素に、天然高分子、合
成高分子、ピッチ、アスファルト等の結合材を加え、こ
れに気孔形成剤を配合し、さらに必要に応じて所要の溶
剤及び可塑剤を添加して、これらを混練し、この混練物
を線状体に押出成形する際、押出ノズル直上の背面圧力
が300kg/cm2以上、好ましくは350kg/cm2以上
で、かつ混練温度で溶融する配合物が溶融して、窒化ホ
ウ素のスラリー状となった(これを溶融スラリーと称す
ることにする)混練物がノズルを通過する時のせん断速
度が5×104(1/sec)以上、好ましくは7×104
(1/sec)以上となるように押出条件を設定する。押
出条件の制御は、使用する材料の選択、配合の調整など
の他に、押出機のスクリュー形状、押出温度、押出速
度、ノズル径などを任意に組み合わせることによって得
られる。
【0019】尚、溶融スラリー化した混練物がノズルを
通過する時のせん断速度は、流体Q(cm3/sec)、ノズ
ル半径R(cm)、円周率をπとしたとき次式により求め
られる。 せん断速度=4Q/πR3 (1/sec) (3)式 前記の背面圧力及びせん断速度の条件が両方同時に満た
されていなければ、必要且つ十分な曲げ強度を発現させ
ることが出来ない。押出ノズル直上の背面圧力が300
kg/cm2以上でも、溶融スラリー化した混練物がノズル
を通過する時のせん断速度が5×104(1/sec)未満
である場合には、芯体中の窒化ホウ素の押出軸方向の配
向度を十分高めることが出来ず、その結果十分な強度が
発現しない。
【0020】逆にせん断速度が5×104(1/sec)以
上でも、押出ノズル直上の背面圧力が300kg/cm2
満である場合には、十分な強度が発現しない。この条件
の場合は、芯体中の窒化ホウ素の押出軸方向の配向度
(π)は比較的高く、曲げ弾性率も比較的高い物性が得
られるが、十分な強度が発現しない。この理由として
は、押出ノズル直上の背面圧力が低いために混練温度で
溶融する配合物が溶融して、窒化ホウ素のスラリーとな
った混練物に十分な圧縮応力が加えられず、その結果、
芯の横断面組織が緻密な組織とならないために十分な強
度が発現しないものと考えられる。
【0021】また、同一配合組成物で押出成形時に押出
ノズル径のみを変えて押出成形した場合、ノズル径が小
さいほど強度が高くなる傾向を有する。この理由は、ノ
ズル径が小さくなるほど、押出機のスクリュー径とノズ
ル径の比(ラム比)が大きくなり、その結果、押出ノズ
ル直上の背面圧力が高くなることと、(3)式からも判
るように、ノズル径が小さくなる程、溶融スラリー化し
た混練物がノズルを通過する時のせん断速度が高く設定
できることに依存する。
【0022】このようにして押出成形によって得られた
線状体を900〜1200℃の温度で焼成し、得られた
焼結体の気孔中に油脂類を含浸させることにより本発明
の鉛筆芯を得ることが出来る。
【0023】本発明に用いられる窒化ホウ素は、平均粒
径50μm以下、好ましくは1〜10μmの粒子径のも
のを用いると良い。粒子径が50μm超の場合には十分
な強度が発現せず、また粒子径が1μm未満の場合には
体質材の配向が劣り、強度が発現しないばかりでなく硬
度だけが硬くなる傾向を有するので好ましくない。
【0024】また、本発明に用いられる結合材として
は、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、ポリビニ
ルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグニ
ン、セルロース、トラガントガムなどの天然高分子物
質、石油アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分
解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチなどのピッチ類から選
択される一種または二種以上を用いると良い。
【0025】本発明の鉛筆芯の書き味は、窒化ホウ素の
滑り良さに依存するだけでなく、鉛筆芯の中に存在する
気孔が微妙に書き味を左右するものである。そこで、結
合材、可塑剤等の分解による気孔ばかりでなく、気孔率
や気孔分布を人為的に調整するため、必要に応じて気孔
形成剤を配分、分散させても良い。気孔形成剤として
は、アントラキノン、フマール酸、イソフタール酸等の
昇華性有機化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リテトラフルオロエチレン等の解重合型高分子物質の一
種又は二種以上を必要に応じて添加してもよい。
【0026】さらには、高せん断力を加えて行う混練時
の特性向上及び/または押出成形の特性の向上の目的
で、DOP,DBP,TCP,DOA,DAP,プロピ
レンカーボネート、アルコール類、ケトン類、エステル
類などの可塑剤または溶剤の一種または二種以上を、必
要に応じて添加しても良い。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定され
るものではない。
【0028】(実施例1〜3,比較例1) (重量部) 窒化ホウ素粉末(平均粒径3μm) 50部 ポリ塩化ビニル 50部 ステアリン酸塩 3部 ジオクチルフタレート 20部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散し、加圧ニー
ダー、二本ロールで混練した後、スクリュー式押出機に
呼び径0.5φ用の押出ノズルを装着し、押出温度を1
00℃に設定し、4通りのせん断速度が得られるように
スクリュー回転数を随時変化させ線状体に押出成形した
後、これから残留する可塑剤を除去すべく空気中で18
0℃にて10時間熱処理して固化して、しかるのち窒素
雰囲気中にて300℃迄は10℃/Hr、300℃から
1000℃迄は30℃/Hrで昇温させ、1000℃に
て1時間焼成し、最後にアルファーオレフィンオリゴマ
ー(ライオン(株)製、リポルーブ20)中に浸漬して
油浸させて直径0.570mmのシャープペンシル用芯を
それぞれ得た。
【0029】(実施例4〜6,比較例2)実施例1〜3
と同一の配合で、スクリュー式押出機に呼び径0.3φ
用の押出ノズルを装着し、押出温度を100℃に設定
し、4通りのせん断速度が得られるようにスクリュー回
転数を随時変化させ線状体に押出成形した以外、同様の
工程を経て、直径0.380mmのシャープペンシル用芯
をそれぞれ得た。
【0030】(比較例3〜6)実施例1〜3と同一の配
合で、押出温度を125℃に設定し、4通りのせん断速
度が得られるようにスクリュー回転数を随時変化させ線
状体に押出成形した以外、同様の工程を経て、直径0.
570mmのシャープペンシル用芯をそれぞれ得た。
【0031】(比較例7)実施例1の窒化ホウ素を平均
粒径7μmの天然鱗状黒鉛粉末に置き換えた以外、実施
例1と同一の配合で、同一の押出条件で線状体に押出成
形し、同様の工程を経て、直径0.570mmのシャープ
ペンシル用芯を得た。
【0032】前記により製造した実施例1〜6、比較例
1〜7について、押出成形時の背面圧力および(3)式
より得られるせん断速度を測定し、得られた芯について
は、(2)式から求められる曲げ弾性率、及びX線回折
より(1)式から求められる配向度(π)をそれぞれ試
験し、さらにJIS S6005に準拠して、曲げ強度
(MPa)を試験した。また光沢度は上質紙に3cm四方
に手塗りで左右方向、上下方向に紙面が均一に塗りつぶ
されるよう反復して塗りつぶして作成した試験片をスガ
試験機製光沢度計UGV−5Dを用いて45゜の角度で
試験した。その結果を次の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】実施例の結果より明らかなように、本発
明による、押出成形時の押出ノズル直上の背面圧力が3
00kg/cm2以上で、かつ溶融スラリー化した混練物が
ノズルを通過する時のせん断速度が5×104(1/se
c)以上になるように押出条件を制御して得られた焼成
鉛筆芯は、X線回折より求めた窒化ホウ素の押出軸方向
の配向度(π)が0.85以上で、かつ芯の曲げ弾性率が
60GPa以上で、曲げ強度が250MPa以上である
焼成鉛筆芯であり、従来黒鉛を用いなければ得られなか
った曲げ強度を有し、なおかつ筆記描線が純黒で、光沢
度が小さく、なめらかな書き味を与える理想的な鉛筆芯
を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤炭素化物としての炭素と、体質材
    として窒化ホウ素が添加、配合されている焼成鉛筆芯に
    おいて、X線回折より求めた窒化ホウ素の押出軸方向の
    配向度(π)が0.85以上で、かつ芯の曲げ弾性率が
    60GPa以上、曲げ強度が250MPa以上である焼
    成鉛筆芯。
  2. 【請求項2】 体質材である窒化ホウ素と焼成時に炭素
    化する結合剤を主材とし、これに気孔形成剤を配合して
    混練し、押出成形後高温で熱処理を施す焼成鉛筆芯の製
    造方法において、押出成形時の押出ノズル直上の背面圧
    力が300kg/cm2以上で、かつ溶融スラリー化した混
    練物がノズルを通過する時のせん断速度が5×10
    4(1/sec)以上となるように押出成形することを特徴
    とする焼成鉛筆芯の製造方法。
JP7239899A 1995-09-19 1995-09-19 焼成鉛筆芯及びその製造方法 Withdrawn JPH0976691A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104002586A (zh) * 2014-05-22 2014-08-27 福建农林大学 一种铅笔材及其制作方法
JP2015221869A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 三菱鉛筆株式会社 替芯式ホルダー鉛筆芯

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