JP5833463B2 - ポリ乳酸樹脂組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕 ポリ乳酸樹脂、可塑剤、式(1):
R1−O(A1O)p−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基、総炭素数8〜22のアシル基、又は水素原子を示し、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は総炭素数2〜4のアシル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0<p≦300を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い〕
で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2):
及び/又は、式(3):
で表される結晶核剤を含有してなるポリ乳酸樹脂組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載のポリ乳酸樹脂組成物を含有してなる、相対結晶化度が80%以下であるシート、
〔3〕 前記〔2〕記載のシートを真空成形又は圧空成形してなる成形体、
〔4〕 前記〔2〕記載のシートを真空成形又は圧空成形することを特徴とする、シートの二次加工方法、ならびに
〔5〕 前記〔3〕記載の成形体からなる包装材
に関する。
本発明における可塑剤としては、特に限定はなく公知のものが挙げられ、例えば、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステルやコハク酸ジオクチル等のコハク酸エステル、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステルといった多価カルボン酸エステル、グリセリン等脂肪族ポリオールの脂肪酸エステル等が挙げられるが、ポリ乳酸樹脂組成物の透明性、耐熱性、耐ブリード性を向上させる観点から、式(4):
R9−O(A2O)m−CORCOO−(A2O)n−R10 (4)
(式中、R9及びR10は炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦5、0≦n≦5であり、かつ1≦m+n≦8を満足する数を示す)
で表される化合物、及び/又は、式(5):
R11O−CO−R12−CO−〔(OR13)sO−CO−R12−CO−〕tOR11 (5)
〔式中、R11は炭素数が1〜4のアルキル基、R12は炭素数が2〜4の直鎖アルキレン基、R13は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜6の整数であり、tは(OR13)sO−CO−R12−CO−の繰り返し数を示す1〜6の数であり、但し、全てのR12は同一でも異なっていてもよく、全てのR13は同一でも異なっていてもよい〕
で表される化合物を含有していることが好ましい。
平均分子量=56108×(エステル基の数)/鹸化価
<1> R9及びR10は炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦5、0≦n≦5であり、かつ1≦m+n≦8を満足する数である化合物が好ましく、
<2> R9及びR10は炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦5、0≦n≦5であり、かつ4≦m+n≦8を満足する数である化合物がより好ましく、
<3> R9及びR10は炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦5、0≦n≦5であり、かつ6≦m+n≦8を満足する数である化合物がさらに好ましく、
<4> R9及びR10は炭素数1〜2のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数2〜3のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、m=3、n=3である化合物がさらにより好ましい。
<1> R11は炭素数が1〜4のアルキル基、R12は炭素数が2〜4の直鎖アルキレン基、R13は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜6の整数であり、tは(OR13)sO−CO−R12−CO−の繰り返し数を示す1〜6の数であり、但し、全てのR12は同一でも異なっていてもよく、全てのR13は同一でも異なっていてもよい化合物が好ましく、
<2> R11は炭素数が1〜2のアルキル基、R12はエチレン基、R13は炭素数が2〜3のアルキレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜3の整数であり、tは(OR13)sO−CO−R12−CO−の繰り返し数を示す1〜4の数であり、但し、全てのR12は同一でも異なっていてもよく、全てのR13は同一でも異なっていてもよい化合物がより好ましい。
本発明における非イオン性界面活性剤としては、式(1):
R1−O(A1O)p−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基、総炭素数8〜22のアシル基、又は水素原子を示し、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は総炭素数2〜4のアシル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0<p≦300を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い〕
で表される化合物である。
<1> R1は炭素数8〜22のアルキル基又は総炭素数8〜22のアシル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は総炭素数2〜4のアシル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0<p≦300を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物が好ましく、
<2> R1は炭素数8〜22のアルキル基又は総炭素数8〜22のアシル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、2≦p≦50を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物がより好ましく、
<3> R1は炭素数8〜22のアルキル基又は総炭素数8〜22のアシル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、2≦p≦50を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物がさらに好ましく、
<4> R1は総炭素数8〜22の飽和又は不飽和のアシル基を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、2≦p≦50を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物がさらに好ましく、
<5> R1は総炭素数10〜18の飽和又は不飽和のアシル基を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、2≦p≦50を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物がさらに好ましく、
<6> R1は総炭素数10〜18の飽和又は不飽和のアシル基を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、5≦p≦20を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物がさらに好ましい。
<1> R1は水素原子を示し、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は総炭素数2〜4のアシル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0<p≦300を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物が好ましく、
<2> R1は水素原子を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦p≦200を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物がより好ましく、
<3> R1は水素原子を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦p≦200を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は同一ではなく、繰り返し単位はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン型のブロック型であり、各ブロックユニットを構成するp’は5≦p’≦80を満足する数である化合物がさらに好ましく、
<4> R1は水素原子を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦p≦200を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は同一ではなく、繰り返し単位はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型であり、各ブロックユニットを構成するp’は5≦p’≦80を満足する数であり、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)の重量比(EO/PO)が5/95〜70/30である化合物がさらに好ましく、
<5> R1は水素原子を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、20≦p≦100を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は同一ではなく、繰り返し単位はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型であり、各ブロックユニットを構成するp’は5≦p’≦60を満足する数であり、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)の重量比(EO/PO)が5/95〜70/30である化合物がさらに好ましい。
本発明における結晶核剤としては、式(2):
及び/又は、式(3):
で表される化合物である。
<1> R3は炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R4及びR5は置換基を有していてもよい炭素数5〜21の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、同一でも異なっていても良い、化合物が好ましく、
<2> R3はエチレン基、ヘキサメチレン基、又はメタキシリレン基を示し、R4及びR5はウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセル基、又は11−ヒドロキシペンタデシル基を示し、同一でも異なっていても良い、化合物がより好ましく、
<3> R3はエチレン基を示し、R4及びR5はいずれも11−ヒドロキシペンタデシル基を示す化合物がさらに好ましい。
<1> R6は炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R7及びR8は置換基を有していてもよい炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、同一でも異なっていても良い、化合物が好ましく、
<2> R6はエチレン基、テトラメチレン基、又はオクタメチレン基を示し、R7及びR8はドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセル基、又は12−ヒドロキシオクタデシル基を示し、同一でも異なっていても良い、化合物がより好ましく、
<3> R6はエチレン基又はテトラメチレン基を示し、R7及びR8はヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセル基、又は12−ヒドロキシオクタデシル基を示し、同一でも異なっていても良い、化合物がさらに好ましい。
本発明におけるポリ乳酸樹脂とは、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。
<1> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び/又は式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)及び/又は式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<2> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)で表される結晶核剤を含有する態様
<3> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<4> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)及び式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<5> ポリ乳酸樹脂、式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)で表される結晶核剤を含有する態様
<6> ポリ乳酸樹脂、式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<7> ポリ乳酸樹脂、式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)及び式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<8> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)で表される結晶核剤を含有する態様
<9> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<10> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)及び式(3)で表される結晶核剤を含有する態様
<11> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)で表される結晶核剤を含有するものであって、
式(1)で表される化合物が、R1は総炭素数10〜18の飽和又は不飽和のアシル基を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、5≦p≦20を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い化合物である態様、
<12> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2)で表される結晶核剤を含有するものであって、
式(1)で表される化合物が、R1は水素原子を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、20≦p≦100を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は同一ではなく、繰り返し単位はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型であり、各ブロックユニットを構成するp’は5≦p’≦60を満足する数であり、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)の重量比(EO/PO)が5/95〜70/30である化合物である態様
が好適例として挙げられる。
<1’> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び/又は式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)及び/又は式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<2’> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<3’> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<4’> ポリ乳酸樹脂、式(4)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)及び式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<5’> ポリ乳酸樹脂、式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<6’> ポリ乳酸樹脂、式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<7’> ポリ乳酸樹脂、式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)及び式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<8’> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<9’> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
<10’> ポリ乳酸樹脂、式(4)及び式(5)で表されるカルボン酸エステルを含む可塑剤、式(1)で表される非イオン性界面活性剤、式(2)及び式(3)で表される結晶核剤、ならびに、加水分解抑制剤を含有する態様
平均分子量は、JIS K0070に記載の方法で鹸化価を求め、次式より計算で求める。
平均分子量=56108×(エステル基の数)/鹸化価
攪拌機、温度計、脱水管を備えた3Lフラスコに、無水コハク酸500g、トリエチレングリコールモノメチルエーテル2463g、パラトルエンスルホン酸一水和物9.5gを仕込み、空間部に窒素(500mL/分)を吹き込みながら、減圧下(4〜10.7kPa)、110℃で15時間反応させた。反応液の酸価は1.6(KOHmg/g)であった。反応液に吸着剤キョーワード500SH(協和化学工業社製)27gを添加して80℃、2.7kPaで45分間攪拌してろ過した後、液温115〜200℃、圧力0.03kPaでトリエチレングリコールモノメチルエーテルを留去し、80℃に冷却後、残液を減圧ろ過して、ろ液として、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル〔(MeEO3)2SA〕を得た。得られたジエステルは、重量平均分子量410、粘度(23℃)27mPa・s、酸価0.2KOHmg/g、鹸化価274KOHmg/g、水酸基価1KOHmg/g以下、色相APHA200であった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にジエチレングリコール999g(9.41モル)、及び28%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液23.6g(ナトリウムメトキシド0.122モル)を入れ、常圧(101.3kPa)、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留出させた後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)4125g(28.2モル)を3時間かけて滴下し反応させながら、同時に反応により生じるメタノールを留出させた。次に、圧力50〜760mmHg、75℃でメタノールを留出させた後、さらに、28%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液4.4g(ナトリウムメトキシド0.023モル)を添加し、圧力22〜760mmHg、100℃でメタノールを留出させた。キョーワード600S(協和化学工業社製)41gを添加し、圧力30mmHg、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力2mmHg、70〜190℃で加熱して、未反応のコハク酸ジメチルを留去し、コハク酸とジエチレングリコールのオリゴエステル〔MeSA−DEG(t=1.5)〕を得た。
表1〜3に示す原料を表1〜3に示す量用いて、PARKER社製二軸押出し混練機(HK−25D)により、混練温度180℃、回転速度90回転/分で10分間混練を行って、ポリ乳酸樹脂組成物を調製した。
<ポリ乳酸樹脂>
NW4032D:ポリ乳酸樹脂、ネイチャーワークスLLC社製、NatureWorks 4032D、光学純度98.5%、融点160℃、重量平均分子量180000
<可塑剤>
(MeEO3)2SA:前記可塑剤の製造例1で製造したコハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル化合物、平均分子量410、式(4)におけるR9及びR10がメチル基、Rがエチレン基、A2がエチレン基、m=3、n=3である化合物
DAIFATTY−101:アジピン酸と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル/ベンジルアルコール=1/1混合物とのジエステル、大八化学工業社製、平均分子量338、式(4)におけるR9がメチル基、R10がベンジル基、Rがテトラメチレン基、A2がエチレン基、m=2、n=0である化合物
MeSA−DEG(t=1.5):前記可塑剤の製造例2で製造したコハク酸とジエチレングリコールのオリゴエステル、平均分子量430、式(5)におけるR11がメチル基、R12がエチレン基、R13がエチレン基、s=2、t=1.5である化合物
<非イオン性界面活性剤>
エマノーン4110:オレイン酸ポリオキシエチレングリコールモノエステル、花王社製、平均分子量680、式(1)におけるR1がオレイン酸由来の不飽和アシル基、R2が水素原子、A1がエチレン基、pが9である化合物
アデカプルロニック25R−2:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ADEKA社製、平均分子量3500、式(1)におけるR1及びR2が水素原子、(A1O)pは、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型であり、ポリオキシプロピレン基の合計p’が47、ポリオキシエチレン基の合計p’が16、式(1)における総計pが63である化合物
ポエムJ−0081HV:デカグリセリンステアレート、理研ビタミン社製
エマノーン1112:ラウリン酸ポリオキシエチレングリコールモノエステル、花王社製、平均分子量685、式(1)におけるR1がラウリン酸由来のアシル基、R2が水素原子、A1がエチレン基、pが11である化合物
アデカプルロニック25R−1:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ADEKA社製、平均分子量3050、式(1)におけるR1及びR2が水素原子、(A1O)pは、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型であり、ポリオキシプロピレン基の合計p’が47、ポリオキシエチレン基の合計p’が7、式(1)における総計pが54である化合物
EmalexGIS−120:イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO20モル)、日本エマルジョン社製
<結晶核剤>
スリパックスH:エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、日本化成社製、式(2)におけるR4及びR5が11−ヒドロキシペンタデシル基、R3がエチレン基である化合物
タルク:マイクロエースP−6、日本タルク社製
スリパックスZHH:ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、日本化成社製、式(2)におけるR4及びR5が11−ヒドロキシペンタデシル基、R3がヘキサメチレン基である化合物
スリパックス8:エチレンビスカプリル酸アミド、日本化成社製、式(2)におけるR4及びR5がヘプチル基、R3がエチレン基である化合物
スリパックス0:エチレンビスカプリル酸アミド、日本化成社製、式(2)におけるR4及びR5がヘプタデセル基、R3がエチレン基である化合物
エヌジェスター TF−1:トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、新日本理化社製
<加水分解抑制剤>
カルボジライトLA−1:ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル社製
得られたポリ乳酸樹脂組成物について、2枚の金属板(フェロ板)と厚さ0.4mm、20cm四方の金属製スペーサー枠(幅1cm)を使用し、枠内の中央に所定量(約22g)のポリ乳酸樹脂組成物を挟み、東洋精機社製のオートプレス成形機を用いて、まず180℃/4MPaの温度/圧力で2分間プレスした後、更に続けて180℃/20MPaの温度/圧力で2分間プレスし、その後、直ちに室温まで急冷してシートを得た。得られたシート(厚さ0.4mm)を15cm×15cmの正方形に切り出した。
得られたポリ乳酸樹脂組成物について、2枚の金属板(フェロ板)と厚さ0.4mm、20cm四方の金属製スペーサー枠(幅1cm)を使用し、枠内の中央に所定量(約20g)のポリ乳酸樹脂組成物を挟み、東洋精機社製のオートプレス成形機を用いて、まず180℃/4MPaの温度/圧力で2分間プレスした後、更に続けて180℃/20MPaの温度/圧力で2分間プレスし、その後、直ちに室温まで急冷して非晶状態のシートを得た。得られたシートを、更に80℃/10MPaの温度/圧力で3分間プレスした後、室温まで放冷しスペーサー枠から取り出し、20cm四方のシートを得た。
各組成物の結晶状態のシートについて、シート表面を目視により観察し、ブリードの有無を確認した。ブリードが全く確認されなかった場合を「A」、ブリードが僅かに確認された場合を「B」、ブリードが多く確認された場合を「C」とした。なお、参考例1については、ポリ乳酸樹脂以外の原料が用いられておらず、ブリードアウトしないため、評価を行わなかった。
嵌合性の評価は、単発真空圧空成形機(脇坂製作所社製、FVS−500P WAKITEC)を用いて、前記切り出した非晶状態のシートをガイドに取り付け、ヒーター温度を400℃に設定したヒーター部中での保持時間を変えることで、シート表面の温度が表2に示す温度となるまでシートを加熱した。各温度に加熱したシートを各表に記載した温度に設定した上下金型を用いて真空成形を行い、金型内で10秒間保持して真空成形体(蓋)を取り出した。得られた蓋を市販品の容器(商品名 湯呑み90 志野 シーピー化成社製)の本体部分(φ81mm 高さ51mm 材質 PP入り低発泡PS製)に嵌合させ、容易に嵌合できた場合を「A」とし、それ以外を「B」とした。シート表面の温度は、加熱後のシート表面温度を直接表面温度計にて測定した。なお、使用した金型を図1に示す。
前記嵌合性の評価で、容易に嵌合できた成形体を80℃の熱水の中に30秒浸漬した後、嵌合性に変化が生じない場合は「A」、嵌合性が大きく変化する場合は「B」とした。
前記嵌合性の評価で、容易に嵌合できた成形体の一部を切り取り、ヘイズメーター(HM−150型 村上色彩技術研究所社製)を用いて、Haze値を測定し、これを透明度の指標とした。Haze値の値が小さいほど、透明性に優れることを示す。
前記非晶状態のシート及び前記嵌合性の評価で容易に嵌合できた成形体の一部を切り取り、相対結晶化度を求めた。具体的には、PerkinElmer製 DSCを用いて、25℃から200℃まで15℃/minで昇温させ、観察された冷結晶化発熱ピークの絶対値ΔHcと結晶溶融ピークの絶対値ΔHmから下式より相対結晶化度を求めた。
相対結晶化度(%)=((ΔHm−ΔHc)/ΔHm)×100
非晶状態のシートについて、12cm×12cmのサンプルを切り出し、縦横それぞれ10cm間隔の標線を入れ、JIS K 7133に記載の方法に従い、各温度一定で24時間放置し、それぞれの加熱寸法変化(熱収縮率)を測定した。温度は25℃から60℃まで1℃刻みでそれぞれの温度における熱収縮率を測定し、縦または横方向で大きい方の熱収縮率が0.3%以下となる最大の温度を非晶シートの耐熱性とした。
<1>
ポリ乳酸樹脂、可塑剤、式(1):
R1−O(A1O)p−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基、総炭素数8〜22のアシル基、又は水素原子を示し、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は総炭素数2〜4のアシル基を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0<p≦300を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、異なる場合の繰り返し単位はブロック型、ランダム型のいずれでも良い〕
で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2):
及び/又は、式(3):
で表される結晶核剤を含有してなるポリ乳酸樹脂組成物。
<2>
可塑剤が、式(4):
R9−O(A2O)m−CORCOO−(A2O)n−R10 (4)
(式中、R9及びR10は炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦5、0≦n≦5であり、かつ1≦m+n≦8を満足する数を示す)
で表される化合物、及び/又は、式(5):
R11O−CO−R12−CO−〔(OR13)sO−CO−R12−CO−〕tOR11 (5)
〔式中、R11は炭素数が1〜4のアルキル基、R12は炭素数が2〜4の直鎖アルキレン基、R13は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜6の整数であり、tは(OR13)sO−CO−R12−CO−の繰り返し数を示す1〜6の数であり、但し、全てのR12は同一でも異なっていてもよく、全てのR13は同一でも異なっていてもよい〕
で表される化合物を含有してなる、<1>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<3>
式(4)におけるR9及びR10は、それぞれ独立して、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、又はベンジル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である、<2>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<4>
式(4)におけるRは、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、又はテトラメチレン基であり、より好ましくはエチレン基、プロピレン基、又はイソプロピレン基である、<2>又は<3>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<5>
式(4)におけるA2は、好ましくはエチレン基、プロピレン基、又はイソプロピレン基である、<2>〜<4>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<6>
式(4)におけるm及びnは、好ましくは0≦m≦5、0≦n≦5で、かつ1≦m+n≦8を満足する数であり、より好ましくは0≦m≦5、0≦n≦5で、かつ、4≦m+n≦8を満足する数であり、さらに好ましくは0≦m≦5、0≦n≦5で、かつ、6≦m+n≦8を満足する数であり、さらに好ましくはそれぞれ3である、<2>〜<5>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<7>
式(4)で表される化合物の平均分子量が、好ましくは250以上、より好ましくは250〜700、さらに好ましくは300〜600、さらにより好ましくは330〜500である、<2>〜<6>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<8>
式(4)で表される化合物は、コハク酸エステルが好ましく、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルのジエステルがより好ましい、<2>〜<7>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<9>
式(4)で表される化合物は、アジピン酸と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル/ベンジルアルコール混合物(重量比:1/1)とのエステル化合物が好ましい、<2>〜<7>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<10>
式(5)におけるR11は、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である、<2>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<11>
式(5)におけるR12は、好ましくはエチレン基、1,3−プロピレン基、又は1,4−ブチレン基であり、より好ましくはエチレン基である、<2>又は<10>記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<12>
式(5)におけるR13は、好ましくはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−イソプロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、1,2−ペンチレン基、1,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,2−ヘキシレン基、1,5−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、2,5−ヘキシレン基、又は3−メチル−1,5−ペンチレン基であり、より好ましくはエチレン基、1,2−プロピレン基、又は1,3−プロピレン基である、<2>、<10>〜<11>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<13>
式(5)におけるsは、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数である、<2>、<10>〜<12>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<14>
式(5)におけるtは、好ましくは1〜6の数、より好ましくは1〜4の数である、<2>、<10>〜<13>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<15>
式(5)で表される化合物は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれる少なくとも1つの二塩基酸と、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンンジオールから選ばれる少なくとも1つの2価アルコールとのオリゴエステル〔式(5)中、t=1.2〜3〕が好ましい、<2>、<10>〜<14>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<16>
式(4)及び/又は式(5)で表されるカルボン酸エステルの含有量は、ポリ乳酸樹脂組成物中、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である、<2>、<10>〜<15>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<17>
式(1)におけるR1は、好ましくは炭素数8〜22のアルキル基、総炭素数8〜22のアシル基、又は水素原子であり、より好ましくは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のアルキル基、総炭素数が8〜22の飽和又は不飽和のアシル基、又は水素原子であり、さらに好ましくは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のアルキル基、総炭素数が10〜18の飽和又は不飽和のアシル基、又は水素原子である、<1>〜<16>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<18>
式(1)におけるR2は、好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は総炭素数2〜4のアシル基であり、より好ましくは水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基;又はアセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基である、<1>〜<17>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<19>
式(1)におけるR2は、R1が炭素数8〜22のアルキル基又は総炭素数8〜22のアシル基の場合には、好ましくは水素原子又はメチル基、より好ましくは水素原子である、<1>〜<18>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<20>
式(1)におけるR2は、R1が水素原子の場合には、好ましくは水素原子である、<1>〜<19>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<21>
式(1)におけるA1は、好ましくはエチレン基、プロピレン基、又はイソプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基又はイソプロピレン基である、<1>〜<20>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<22>
式(1)におけるp個のA1Oは同一でも異なってもよく、異なる場合の繰り返し単位が好ましくはブロック型又はランダム型であり、より好ましくはブロック型であり、さらに好ましくは、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン型のブロック型であり、さらに好ましくはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型である、<1>〜<21>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<23>
式(1)におけるpは、好ましくは0<p≦300であり、R1が炭素数8〜22のアルキル基又は総炭素数8〜22のアシル基の場合には、好ましくは2≦p≦50、より好ましくは5≦p≦20であり、R1が水素原子の場合は、好ましくは10≦p≦200、より好ましくは20≦p≦100である、<1>〜<22>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<24>
式(1)におけるR1が水素原子の場合は、(A1O)pは異なるA1Oを含有することが好ましく、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン型のブロック型がより好ましく、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型がさらに好ましく、その場合の各ブロックユニットを構成するp’の数はそれぞれ5≦p’≦80が好ましく、5≦p’≦60がより好ましく、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)の重量比(EO/PO)は、5/95〜70/30が好ましく、5/95〜60/40がより好ましく、10/90〜50/50がさらに好ましく、10/90〜40/60がさらに好ましく、10/90〜30/70がさらに好ましく、15/85〜25/75がさらに好ましい、<1>〜<23>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<25>
式(1)で表される化合物の平均分子量は、300〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましく、500〜10000がさらに好ましく、500〜6000がさらに好ましい、<1>〜<24>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<26>
式(1)で表される化合物は、炭素数8〜22の脂肪族アルコールとポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコールとのモノ又はジエーテル化物、あるいは炭素数8〜22の脂肪酸とポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコールとのモノ又はジエステル化物の他、それらのメチルエーテル体が好ましく、脂肪酸ポリオキシエチレングリコールエステルや脂肪酸とメチルポリグリコールとのエステルがより好ましく、オレイン酸等の長鎖脂肪酸とポリグリコールとのエステルがさらに好ましい、<1>〜<25>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<27>
式(1)で表される化合物の含有量は、ポリ乳酸樹脂組成物中、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい、<1>〜<26>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<28>
式(1)で表される化合物の含有量は、式(4)及び式(5)で表される可塑剤の総量100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましく、5〜45重量部がさらに好ましい、<2>〜<27>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<29>
式(2)におけるR3は、好ましくはエチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、又はメタキシリレン基であり、より好ましくはエチレン基、ヘキサメチレン基、又はメタキシリレン基であり、さらに好ましくはエチレン基である、<1>〜<28>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<30>
式(2)におけるR4及びR5は、それぞれ独立して、好ましくはヘプチル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘンイコシル基、ヘプタデセル基、又は11−ヒドロキシペンタデシル基であり、より好ましくはウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセル基、又は11−ヒドロキシペンタデシル基であり、さらに好ましくは11−ヒドロキシペンタデシル基である、<1>〜<29>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<31>
式(2)で表される化合物は、エチレンビス脂肪酸アミドやプロピレンビス脂肪酸アミド、ブチレンビス脂肪酸アミド、ヘキサメチレンビス脂肪酸アミド、メタキシレンビス脂肪酸アミドが好ましく、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミド、ヘキサメチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミド、メタキシレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミドがより好ましく、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミド、ヘキサメチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミド、メタキシレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸)アミドがさらに好ましい、<1>〜<30>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<32>
式(3)におけるR6は、好ましくはエチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、又はオクタメチレン基であり、より好ましくはエチレン基、テトラメチレン基、又はオクタメチレン基であり、さらに好ましくはエチレン基又はテトラメチレン基である、<1>〜<31>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<33>
式(3)におけるR7及びR8は、それぞれ独立して、好ましくは、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタデセル基、又は12−ヒドロキシオクタデシル基であり、より好ましくは、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセル基、又は12−ヒドロキシオクタデシル基であり、さらに好ましくは、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセル基、又は12−ヒドロキシオクタデシル基である、<1>〜<32>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<34>
式(3)で表される化合物は、コハク酸パルミチルビスアミド、コハク酸ステアリルビスアミド、コハク酸オレイルビスアミド、コハク酸12−ヒドロキシステアリルビスアミド、アジピン酸パルミチルビスアミド、アジピン酸ステアリルビスアミド、アジピン酸オレイルビスアミド、アジピン酸12−ヒドロキシステアリルビスアミドが好ましく、コハク酸パルミチルビスアミド、コハク酸ステアリルビスアミド、コハク酸オレイルビスアミド、コハク酸12−ヒドロキシステアリルビスアミドがより好ましい、<1>〜<33>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<35>
ポリ乳酸樹脂組成物における式(2)及び/又は式(3)で表される結晶核剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.01〜3重量部が好ましく、0.01〜2重量部がより好ましく、0.01〜1重量部がさらに好ましい、<1>〜<34>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<36>
式(2)及び/又は式(3)で表される結晶核剤の含有量は、式(4)及び式(5)で表される可塑剤の総量100重量部に対して、0.5〜50重量部が好ましく、0.5〜30重量部がより好ましく1.0〜20重量部がさらに好ましく、2〜10重量部がよりさらに好ましい、<1>〜<35>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<37>
さらに、加水分解抑制剤を含有する、<1>〜<36>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<38>
加水分解抑制剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、0.10〜2重量部がより好ましい、<1>〜<37>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<39>
ポリ乳酸樹脂組成物の溶融混練物のガラス転移温度(Tg)は、30〜60℃が好ましく、30〜55℃がより好ましく、35〜55℃がさらに好ましい、<1>〜<38>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<40>
ポリ乳酸樹脂組成物の溶融混練物の結晶化温度(Tc)は、50〜110℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、60〜90℃がさらに好ましい、<1>〜<39>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
<41>
<1>〜<40>いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物を含有してなる、相対結晶化度が80%以下であるシート。
<42>
<41>記載のシートを真空成形又は圧空成形してなる成形体。
<43>
<41>記載のシートを真空成形又は圧空成形することを特徴とする、シートの二次加工方法。
<44>
<42>記載の成形体からなる包装材。
Claims (12)
- ポリ乳酸樹脂、可塑剤、式(1):
R1−O(A1O)p−R2 (1)
〔式中、R1 は水素原子を示し、R2は水素原子を示し、A1は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、pはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、10≦p≦200を満足する数であり、(A1O)で表されるp個のオキシアルキレン基は、同一ではなく、繰り返し単位はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型のブロック型であり、各ブロックユニットを構成するp’は5≦p’≦80を満足する数であり、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)の重量比(EO/PO)が5/95〜70/30である〕
で表される非イオン性界面活性剤、ならびに、式(2):
及び/又は、式(3):
で表される結晶核剤を含有してなるポリ乳酸樹脂組成物。 - 可塑剤が、式(4):
R9−O(A2O)m−CORCOO−(A2O)n−R10 (4)
(式中、R9及びR10は炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示し、但し、R9及びR10は同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、A2は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、但し、m又はn個のA2は同一でも異なってもよく、m及びnは各々オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦5、0≦n≦5であり、かつ1≦m+n≦8を満足する数を示す)
で表される化合物、及び/又は、式(5):
R11O−CO−R12−CO−〔(OR13)sO−CO−R12−CO−〕tOR11 (5)
〔式中、R11は炭素数が1〜4のアルキル基、R12は炭素数が2〜4の直鎖アルキレン基、R13は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜6の整数であり、tは(OR13)sO−CO−R12−CO−の繰り返し数を示す1〜6の数であり、但し、全てのR12は同一でも異なっていてもよく、全てのR13は同一でも異なっていてもよい〕
で表される化合物を含有してなる、請求項1記載のポリ乳酸樹脂組成物。 - ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、式(4)で表される化合物の含有量が1〜30重量部、式(1)で表される非イオン性界面活性剤の含有量が0.1〜10重量部、かつ、式(2)及び/又は式(3)で表される結晶核剤の含有量が0.01〜3重量部である、請求項2記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 式(4)で表される化合物100重量部に対して、式(1)で表される非イオン性界面活性剤が1〜50重量部である、請求項2又は3記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 結晶核剤が式(2)で表される化合物を含む、請求項1〜4いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 可塑剤が式(4)で表される化合物を含む、請求項2〜5いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 結晶核剤が式(2)で表される化合物を含み、かつ、可塑剤が式(4)で表される化合物を含む、請求項2〜6いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 結晶化温度(Tc)が60〜90℃である、請求項1〜7いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 請求項1〜8いずれか記載のポリ乳酸樹脂組成物を含有してなる、相対結晶化度が80%以下であるシート。
- 請求項9記載のシートを真空成形又は圧空成形してなる成形体。
- 請求項9記載のシートを真空成形又は圧空成形することを特徴とする、シートの二次加工方法。
- 請求項10記載の成形体からなる包装材。
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