JP2008037941A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乳酸系樹脂(A)、結晶核剤(B)、結晶化助剤(C)を構成成分とする乳酸系樹脂組成物(D)を成形時あるいは成形後に結晶化させる製造方法において、特に結晶化助剤(C)にポリエチレングリコールユニットとポリプロピレングリコールユニットとのブロック共重合体からなるポリマーを用いる事で、生産性良く該乳酸系樹脂組成物の成形体が得られる。
【選択図】なし
Description
この技術は、多量の無機充填剤の添加により生分解性プラスチックの分解を促進するものであり、ポリマーを結晶化させて耐熱性を向上させる技術ではない。
実施例には、射出成形時に金型温度約100〜110℃で結晶化させて得られた成形品は、耐熱性ある成形品であるものの、成形サイクルが冷却時間30秒と長く必要で、且つ金型から取り出す際に成形品が変形するなどの問題があり、未だ十分な技術とは言えない。
実施例には、該組成物を金型温度 100℃に設定し固化時間を45秒に保ち、射出成形によって試験片を得たことが記載されている。この方法でも、冷却時間が長く必要で生産性は実用的ではない。
(1) 射出成形では、金型内で結晶化させた後に成形品を金型から取り出す際に成形品の形状によっては変形する、
(2) 押出し成形では、フィルム・シートを加熱ロール上で加熱結晶化させる際に引き取り力でフィルム・シートが伸びる、
(3) 射出ブローや真空成形では、加熱した金型で成形した後、成形体を金型から取り出す際に変形する、
などの幾つかの問題があった。
前記ポリアルキレングリコールが、下記式、
a)ポリエチレングリコールユニットの重量平均分子量(Mw)が、50〜20000
b)ポリプロピレングリコールユニットの重量平均分子量(Mw)が、50〜10000
c)ポリエチレングリコールユニットとポリプロピレングリコールユニットの割合(重量%)が、10〜99.9/0.1〜90wt%。
本発明はまた、前記製造方法で得られた成形体を提供する。
[乳酸系樹脂]
本発明において乳酸系樹脂(A)とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体およびそれを主成分とする重合体組成物を意味するものであり、乳酸単位を少なくとも50モル%以上、好ましくは60モル%以上、更に好ましくは75モル%以上、最も好ましくは80%以上含有する重合体を主成分とする重合体組成物をいう。
本発明において結晶核剤(B)とは、乳酸系樹脂(A)の結晶核と成り得る化合物で、無機化合物(B−1)と融点が130℃以上の有機化合物(B−2)が挙げられる。
本発明で示す結晶化助剤(C)とは、乳酸系樹脂(A)の結晶がより低い温度でも成長させ得る効果を有する化合物を意味し、例えば、ポリ乳酸に対し分子内に相溶性の高いユニットと非相容性のユニットを有する化合物を有する化合物が挙げられ、後述するポリエチレングリコールユニット(PEOユニット)とポリプロピレングリコールユニット(PPOユニット)とのブロック共重合体からなるコポリマーが挙げられる。
上記アルキレングリコールは、本願発明で示す効果が最も高く、更に安価且つ容易に入手できるので好ましい。
その結果、従来技術と比較し、より低温で、安定且つ速やかに高度に結晶化させる事ができ、耐熱牲を有する乳酸系樹脂組成物の成形体を低コストで生産性良く得る事ができる。
また、ポリアルキレングリコールが式(1)、(2)のブロックコポリマーとして、市販品も使用することができる例えば、ポリアルキレングリコールが式(1)のブロックポリマーでは、BASF社製のPluronic L31、Pluronic L35、Pluronic L38、Pluronic L42、Pluronic L43、Pluronic L44、Pluronic L61、Pluronic L62、Pluronic L63、Pluronic L64、Pluronic L65、Pluronic L68、Pluronic L72、Pluronic L75、Pluronic L77、Pluronic L81、Pluronic P84、Pluronic P85、Pluronic F87、Pluronic F88、Pluronic L92、Pluronic F98、Pluronic L101、Pluronic P103、Pluronic P104、Pluronic P105、Pluronic F108、Pluronic L121、Pluronic L122、Pluronic P123、Pluronic L127、などが挙げられる。
Plronic 10R5、Pluronic 10R8、Pluronic 12R3、Plronic 17R1、Pluronic 17R2、Pluronic 17R4、Pluronic 17R8、Plronic 22R4、Pluronic 25R1、Pluronic 25R2、Pluronic 25R4、Pluronic 25R5、Pluronic 25R8、Pluronic 31R1、Pluronic 31R2、Pluronic 31R4、などが挙げられる。
結晶化助剤(C)の添加量は、乳酸系樹脂(A)100重量部に対して、0.1重量部〜20重量部であり、好ましくは0.5重量部〜15重量部以下、より好ましくは0.5重量部〜10重量部、さらに好ましくは1重量〜7重量部、最も好ましくは1重量〜5重量部が好ましい。
本発明にかかる乳酸系樹脂組成物は、乳酸系樹脂(A)、結晶核剤(B)、及び結晶化助剤(C)を含んでなる組成物をいう。
本発明の乳酸系樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤など)、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、メラミン化合物など)、滑剤、離形剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、染料や顔料を含む着色剤、および可塑剤、末端封鎖剤(エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物)、その他の熱可塑性樹脂や改質剤など添加できる。これらの添加剤は1種または2種以上を含有させて使用することができる。
これらの熱可塑剤樹脂も、1種または2種以上を含有させて使用することができる。
例えば、生分解性が要求される用途の場合は、乳酸単位の含有量が50%未満であるヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸と多価アルコールからなるホモポリマーやコポリマー(例えば、ポリカプロン酸、ポリブチレンテレフタレートアジペート、乳酸と他の成分とのコポリマー等)が挙げられ、特に、ポリブチレンテレフタレートアジペートや、プラメートPD−150(商品名、大日本インキ社製)、プラメートPD−350(商品名、大日本インキ社製)が好適に用いる事ができる。
この範囲で、本発明の効果を損なう事無く、乳酸系樹脂組成物(D)の耐熱牲と耐衝撃性を効果的に向上させる事ができる。
本発明において、乳酸系樹脂組成物(D)を製造する方法は、公知公用の混練技術、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等で乳酸系樹脂(A)、結晶核剤(B)、及び結晶化助剤(C)必要に応じて他の添加剤を固体状で混合させたり、又、さらに押出機等を用いてポリマーを溶融させながら混練させる方法など、を採用することができる。
(1)パウダー状もしくはペレット状の乳酸系樹脂(A)、結晶核剤(B)および結晶化助剤(C)、必要に応じて他の添加剤をリボンブレンダーなどで一括混合した後、2軸押出機で組成物を加熱溶融しながら押出しペレット化する方法;
(2)パウダー状もしくはペレット状の乳酸系樹脂(A)を押出ペレット化する際に、結晶核剤(B)および結晶化助剤(C)、必要に応じて他の添加剤を、サイドフィードや液体注入ポンプで押出し機のシリンダー内に添加混合する方法;
(3)予め有機結晶核剤(B)および結晶化促進剤(C)、必要に応じて他の添加剤を、高濃度に押出しペレット化したペレット(マスターバッチ)を製造した後、そのマスターバッチを、パウダー状もしくはペレット状の乳酸系樹脂(A)でドライブレンド等により希釈して成形品を加工する方法;
(4)上記方法を組み合わせて混合する方法
などが挙げられる。
以下に、本発明の目的とする耐熱性を有する成形体を生産性良く製造する方法について説明する。
成形方法としては、一般に射出成形、押出成形、ブロー成形(ダイレクトブロー成形品、射出ブロー成形品、延伸ブロー成形品)、インフレーション成形、異形押出成形、射出ブロー成形、熱成形(真空成形、真空圧空成形など)、紡糸等の通常の方法が挙げられるが、本発明で示す乳酸系樹脂組成物(D)においては、いずれの成形方法にも適応でき、何ら制限はない。
乳酸系樹脂組成物(D)を成形時、又は成形後に結晶化させる具体例としては、例えば、成形時に該組成物の溶融物を金型内に充填し、金型内でそのまま結晶化させる方法(以下、金型内結晶化法という)、及び該組成物の非晶性の成形体を一旦得た後、何らかの方法で結晶化させる方法(以下、後結晶化法という)を挙げることができる。
乳酸系樹脂組成物(D)を結晶化する際の最適な温度条件は、該樹脂組成物の示差走査熱量分析におけるガラス転移温度(Tg)〜融点(Tm)の温度範囲が良く、好ましくは結晶化開始温度(以下Tcsと略す)から結晶化終了温度(以下Tceと略す)までの温度範囲、より好ましくは(Tcs+5℃)〜(Tce−5℃)、更に好ましくは(Tcs+10℃)〜(Tce−10℃)、更により好ましくは(Tcs+10℃)〜(Tce−15℃)、最も好ましくは結晶化ピーク温度(Tcc)±5℃が良い。
射出成形(金型内結晶化法)においては、例えば、乳酸系樹脂組成物(D)がポリ乳酸、結晶核剤(B)がタルク、結晶化促進剤(C)がPLronic F108(商品名、BASF社製)からなる混合組成物の場合、そのTgは約58℃、Tmは約165℃、Tcsは約65℃、Tceは約105℃、Tccは約85℃であり、従って、金型の設定温度は58〜165℃が良く、好ましくは65℃〜105℃、より好ましくは70℃〜100℃、更に好ましくは75℃〜95℃、更により好ましくは75〜90℃、最も好ましくは80℃〜90℃であり、この温度範囲に保持された金型内に充填し保持することにより、本発明で目的とする結晶性を有する成形体を短時間に安定に成形することができる。
金型内の冷却時間は成形品の厚みや形状などで若干変わるが、3mm厚のASTM試験片の場合、5〜40秒、好ましくは5〜35秒、より好ましくは5〜30秒、最も好ましくは5〜25秒である。
この範囲で結晶化が高度に進行し、高い耐熱牲を示し、成形品が安定且つ生産性良く得られる。
射出成形(後結晶化法)においては、例えば、上記射出成形用いた乳酸系樹脂組成物(D)を用いる場合、金型温度20℃で成形して得られた非晶状態の成形体を熱処理する事で目的とする成形体を
得ることができる。その熱処理する温度は58〜165℃、好ましくは65℃〜105℃、より好ましくは70℃〜100℃、更に好ましくは75℃〜95℃、更により好ましくは75〜90℃、最も好ましくは80℃〜90℃に保持した雰囲気下に保持するか、固体状物又は適当な熱媒体と接触させることにより、本発明で目的とする高度に結晶化し、高い耐熱牲を有する射出成形体を短時間に得る事ができる。
押出成形(結晶化法)においては、例えば、上記射出成形用いた乳酸系樹脂組成物(D)を用いる場合、一般的なTダイ押出成形機で得られる溶融状態のフィルムやシートを、冷却ロールの温度を上記に示した温度範囲に保持することにより、本発明で目的とする結晶性を有する成形体を短時間に成形することができる。
具体的には、ロールの温度範囲は58〜165℃、好ましくは65℃〜105℃、より好ましくは70℃〜100℃、更に好ましくは75℃〜95℃、更により好ましくは75〜90℃、最も好ましくは80℃〜90℃で、この範囲の温度で熱処理する事により、本発明で目的とする高い結晶化度を有するフィルム・シートを短時間に成形することができる。
冷却ロールとの接触時間は、フィルムやシートの厚みや形状などで若干変わるが、3mm厚のフィルム・シートの場合、5〜40秒、好ましくは10〜35秒、より好ましくは10〜30秒である。
この範囲で結晶化が高度に進行し、高い耐熱牲を示すフィルム・シーが安定且つ生産性良く得られる。
押出成形(後結晶化法)においては、例えば、上記に示した乳酸系樹脂組成物(D)を、一般的なTダイ押出成形機で成形して得られた非晶状態のフィルム・シートを得た後、上記(2)押出し成形に示した温度範囲に保持されたオーブン中に保持したり、金属ロールや適当な熱媒体に連続的に通過させたり、あるいはバッチ的に熱処理したりすることにより、本発明で目的とする高い結晶化度を有するフィルム・シートを短時間に得る事ができる。
この時の保持時間 あるいは接触時間は、フィルムやシートの厚みや形状などで若干変わるが、3mm厚のフィルムやシートの場合、5〜40秒、好ましくは10〜35秒、より好ましくは10〜30秒である。この範囲で結晶化が高度に進行し、高い耐熱牲を示すフィルム・シーが安定且つ生産性良く得られる。
この成形方法では、上記(4)と同様な方法により得られた非晶状態のフイルムやシートを、通常PSやPETなどで用いられる真空(圧空)成形機やOPSなどで用いられる熱板加熱圧空成形等により、一旦フィルム・シートを予備加熱した後、上記に示した温度範囲に保持された金型に腑形させて成形する。
この成形方法の場合の好適な温度範囲は、前記(4)押出成形に示した温度範囲と同じである。
また金型に接触させる時間は、予め予備加熱時に結晶化が進行するため、その時間は比較的短く、1〜20秒、好ましくは1〜10秒、より好ましくは1〜5秒である。この範囲で結晶化が高度に進行し、高い耐熱牲を有する熱成形品が、安定且つ生産性良く得られる。
ここで、圧力空気として、高温[例えば、Tg(60℃)以上からTm(165℃)以下の温度、より好ましくは70〜140℃の温度、より好ましくは80℃〜130℃の温度、更に好ましくは80℃〜120℃の温度、最も好ましくは80℃〜100℃の温度のものを用いると、成形体の結晶化に要する時間を短縮させることができる。
本ブロー成形(後結晶化法)においては、例えば、乳酸系樹脂組成物(D)のペレットを、一般的な射出成形機で溶融して金型に充填することにより非晶状態の予備成形体(パリソン)を得た後、得られたパリソンをオーブン(加熱炉)中で予備加熱した後に、上記(4)押出成形に示した温度範囲に保持された金型内に入れて、圧力空気を送出してブローすることにより、本発明で目的とする結晶性を有するブローボトルを短時間に成形することができる。
この成形方法の場合も好適な温度範囲は、前記した範囲と同じである。
また金型に接触させる時間は前記熱成形の場合と同様、予め予備加熱時に結晶化が進行するため、その時間は比較的短く、1〜20秒、好ましくは1〜10秒、より好ましくは1〜5秒である。この範囲で結晶化が高度に進行し、高い耐熱牲を示ブローボトルが安定且つ生産性良く得られる。
ここで、上記熱成形の場合と同様、圧力空気として高温[例えば、Tg(60℃)以上からTm(165℃)以下の温度、より好ましくは70〜140℃の温度、より好ましくは80℃〜130℃の温度、更に好ましくは80℃〜120℃の温度、最も好ましくは80℃〜100℃の温度のものを用いると、成形体の結晶化に要する時間を短縮させることができる。
本発明の乳酸系樹脂組成物(D)からなる成形体は、上記各成形方法によって硬く高耐熱性を有する物性を示す。例えば、射出成形で得られる試験片の物性は、ASTM D790に準じた方法での曲げ弾性率が、2000MPa〜5000MPaを示し、好ましくは2500〜4500MPaを示し、より好ましくは3000〜4000MPaを示す。
本発明の乳酸系樹脂組成物(D)からなる成形体は、公知、公用の成形法で得られる射出成形品、フィルム、袋、チューブ、シート、カップ、ボトル、トレー、繊維、発泡体、積層体、テープ・ヤーン、不織布成形(スパンボンド法、メルトブローン法)、糸等を包含し、その形状、大きさ、厚み、意匠等に関して何ら制限はない。
なお、本発明において各種物性は下記の方法で測定し評価した。
乳酸系樹脂組成物(D)を用いて製造した成形体の物性の評価条件は、以下のとおりである。
示差走査熱量分析装置(島津製作所製、DSC−50)を用いて、乳酸系樹脂組成物(A)を10℃/minの条件下で昇温した時のゴム状に変わる点をガラス転移点(Tg)、結晶化ピークの頂点を結晶化温度(Tc)、その結晶化エネルギー(ΔHc)、また、結晶化融解ピークの頂点を融点(Tm)と融解エネルギー(Hm)を測定した。また、結晶化が開始する温度を結晶化開始温度(Tcs)、終了する温度を結晶化終了温度(Tce)とした。結晶化度は、ΔHmとΔHcの値を用い、以下の式にて算出した。
結晶化度=(ΔHm−ΔHc)/93×100
乳酸系樹脂組成物(D)から射出成形によって得られる厚み3.2mmのASTM試験片を用いて、ASTM D−256に準拠した条件で測定した。尚、ノッチは成形ノッチである。
乳酸系樹脂組成物(D)から射出成形によって得られる厚み3.2mmのASTM試験片を用いて、ASTM D−638に準拠した条件で測定した。
乳酸系樹脂組成物(D)から射出成形によって得られる厚み3.2mmのASTM試験片を用いて、ASTM D−790に準拠した条件で測定した。
乳酸系樹脂組成物(D)から射出成形によって得られる厚み3.2mmのASTM試験片を用いて、ASTM D−648に準拠した方法で、荷重 0.45MPaの条件下で測定した。
乳酸系樹脂組成物(D)から得られる成形体を50℃から10℃刻みに昇温し、各温度に設定されたオーブンに各2時間放置し、その後目視にて、その成形体の形状が変形しているかを観察し、変形が起った温度を熱変形温度-2とした。
乳酸系樹脂組成物(D)を用い厚み3.2mmのASTM試験片を射出成形した後、成形品を金型より取出す際の様子を観察した。
○:成形品を変形させる事なしに、良好に取出しが出来る
△:成形品は少し変形するが取り出しが出来る
×:成形品が変形し、良好に取出しが出来ない
乳酸系樹脂(A)として LACEA H−100(ポリ乳酸)(商品名:三井化学社販売、Mw=14.5万、D体量=1.6%) 100重量部、結晶核剤(B)として無機結晶核剤のタルク 5重量部、結晶化助剤(C)としてプルロニックL31(商品名,BASF社製) 3重量部をヘンシェルミキサーで混合後、押出し機シリンダー設定温度170〜210℃の条件にてペレット化した。得られたペレットの結晶化ピーク温度(Tc)は95℃であった。
金型内での冷却時間を28secとした時の成形性(取出し時に変形の有無)は良好で、得られた試験片の結晶化度は48%、加熱変形温度−1は110℃、Izod衝撃強度は45J/mであった。他のASTM物性を併せて表1に示した。
乳酸系樹脂(A)、結晶核剤(B)、結晶化助剤(C)の種類と添加量、また金型温度や冷却時間を変えた他は、実施例1.1と同様な方法で行った。結果を表1に示す。
乳酸系樹脂(A)としてLACEA H−100 100重量部、結晶核剤(B)として無機結晶核剤のタルク(XE71、富士タルク社製) 5重量部、とした他は、実施例1と同様な方法で行った。
得られたペレットの射出成形性は、金型からASTM試験片を取り出す時に変形するなど、その成形性は不良であった。また、得られた試験片の結晶化度は18%であった。他の物性は、試験片の変形が大きく測定できなかった。結果を表2に示す。
乳酸系樹脂(A)、結晶核剤(B)、他の添加剤の種類と添加量、また金型温度や冷却時間を変えた他は、比較例1.1と同様な方法で行った。試験片の変形が大きかった場合は、結晶化度以外の物性は測定できなかった。結果を表2に示す。
H−100:ポリ乳酸(三井化学社販売 商品名:LACEA H−100、Mw=14.5万、D体量=1.6%))
L31 : Plronic L31(商品名、BASF社製、PEOユニットのMw=110、PPOユニットのMw=990、PEO/PPO=10/90)
L35 : Plronic L35(商品名、BASF社製、PEOユニットのMw=950、PPOユニットのMw=950、PEO/PPO=50/50)
L38 : Plronic L38(商品名、BASF社製、PEOユニットのMw=3760、PPOユニットのMw=940、PEO/PPO=80/20)
L61 : Plronic L61(商品名、BASF社製、PEOユニットのMw=200、PPOユニットのMw=1800、PEO/PPO=10/90)
L64 : Plronic L64(商品名、BASF社製、PEOユニットのMw=1160、PPOユニットのMw=1740、PEO/PPO=40/60)
F108 : PlronicF108(商品名、BASF社製、PEOユニットのMw=11680、PPOユニットのMw=2920、PEO/PPO=80/20)
タルク:タルクXE71(商品名;富士タルク社製)
乳酸系樹脂(A)として LACEA H−100(商品名:三井化学社販売)100重量部、結晶核剤(B)として無機結晶核剤のタルク(XE71、富士タルク社製) 5重量部、結晶化助剤(C)としてプルロニックL35 3重量部をヘンシェルミキサーで混合後、押出し機シリンダー設定温度170〜210℃の条件にてペレット化した。得られたペレットの結晶化ピーク温度(Tc)は95℃ であった。
このペレットを用い、Φ50mmのTダイ押出し機でシリンダー温度180〜210℃の条件下で、厚み250μmのシートを得た。
このシートを金型温度を90℃ に設定した真空圧空成形機を用い、ヒーター温度350℃、時間5secの予熱条件下にて加熱し、成形サイクル5秒で真空成形した。この時の金型形状は、縦×横×高さが12×12×4cmのトレーであった。
得られたトレーの結晶化度は45%、熱変形温度−2は100℃であった。
乳酸系樹脂(A)として LACEA H−100(商品名:三井化学社販売)100重量部、結晶核剤(B)として無機結晶核剤のタルク 5重量部、とした他は、実施例2と同様な方法で、厚み250μmシートを得た後、真空圧空成形を行った。
このシートを、金型温度を90℃ に設定した真空圧空成形機を用いて、縦×横×高さが、12×12×4cmのトレーを成形したが、成形サイクルが5秒では成形体は柔らかく変形し良好なものは得られなかった。
また、金型温度を100℃に上げ、成形サイクル20秒にした時に、成形体は安定に得られるようになり、その時の結晶化度は42%で、熱変形温度−2は100℃であった。
Claims (9)
- 乳酸系樹脂(A)100重量部に対して、結晶核剤(B)0.1〜100重量部、及び結晶化助剤(C)として分子内にポリエチレングリコールユニットとポリプロピレングリコールユニットとをブロック状に含有するポリアルキレングリコール0.1〜20重量部を含んでなる乳酸系樹脂組成物(D)
- ポリアルキレングリコールが、以下のa)〜c)を満足するポリアルキレングリコールである請求項1、2記載の乳酸系樹脂組成物(D)
a)ポリエチレングリコールユニットの重量平均分子量(Mw)が、50〜20000
b)ポリプロピレングリコールユニットの重量平均分子量(Mw)が、50〜10000c)ポリエチレングリコールユニットとポリプロピレングリコールユニットの割合(重量%)が、10〜99.9/0.1〜90wt% - 結晶核剤(B)が、SiO2成分を50%以上含む結晶性無機化合物である請求項1〜3記載の乳酸系樹脂組成物(D))
- 結晶核剤(B)が、タルク、クレー、カオリン、カオリンクレー、珪酸塩化合物からなる群から選ばれる請求項1〜4記載の乳酸系樹脂組成物(D)
- 請求項1〜5記載の乳酸系樹脂組成物(D)を、成形時または成形後に該樹脂組成物のTg〜Tmの温度範囲で結晶化する事を特徴とする成形体の製造方法
- 請求項1〜5記載の乳酸系樹脂組成物(D)を、該樹脂組成物の結晶化開始温度〜結晶化終了温度の温度に保持された金型内に挿入し、そのまま結晶化する事を特徴とする成形体の製造方法
- 請求項1〜5記載の乳酸系樹脂組成物(D)を、一旦冷却固化し非晶成形体を得た後、該樹脂組成物を(Tg+10)℃ 〜(Tm−20)℃ の温度で熱処理し結晶化させる事を特徴とする、成形体の製造方法
- 請求項6〜8記載の製造方法で得られた成形体
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