JP5829225B2 - ショウガオールの含有量が高いショウガ抽出物の製造方法 - Google Patents

ショウガオールの含有量が高いショウガ抽出物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ショウガオールの含有量が高いショウガ抽出物の効率的な製造方法に関する。より詳しくは、ショウガ(Zingiber Officinale)から得られた抽出物に、有機酸を添加後減圧下で加熱脱水することにより、ショウガ抽出物中のジンゲロールを効率よくショウガオールに変換し、高濃度のショウガオールを含有するショウガ抽出物を製造する方法に関する。
ショウガ(Zingiber Officinale)はショウガ科ショウガ属の多年草である。熱帯アジアが原産であり、地下に根茎があり地上には葉だけが出る。葉はまっすぐに立った茎から両側に楕円形の葉を互生したように見えるが、この茎はいわゆる偽茎で、各々の葉の葉柄が折り重なるように巻いたものである。ショウガは、主として根茎が古くから保存食や医薬品として用いられると共に、香辛料や生薬としても従来から使用されてきた。
ショウガの根茎には辛味成分としてジンゲロールとショウガオールが含まれているが、ショウガに含まれる辛味成分のほとんどがジンゲロールであり、ショウガオールは僅かしか含まれていないことが知られている。
ジンゲロールは、下記式(1)
Figure 0005829225
(式中nは1〜10の整数を表す)
で表される化合物であり、一般的には、n=4、6、8に相当する[6]−ジンゲロール、[8]−ジンゲロール、[10]−ジンゲロールのことを示す。そのなかでも[6]−ジンゲロールが主要化合物である。
ショウガオールは、下記式(2)
Figure 0005829225
(式中nは1〜10の整数を表す)
で表される化合物であり、一般的には、n=4、6、8に相当する[6]−ショウガオール、[8]−ショウガオール、[10]−ショウガオールのことを示す。そのなかでも[6]−ショウガオールが主要化合物である。
ショウガの根茎を溶媒等で抽出したショウガ抽出物は、ショウガそのものよりジンゲロールやショウガオールが高濃度で含有している。ショウガ抽出物中のショウガオールの質量存在比はジンゲロールの4分の1以下と少ないが、ジンゲロールの3倍程度の辛さを持つことから、有用な辛味素材として知られている。
また、ショウガオールは辛味成分としてだけではなく、糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤(特許文献1)、微小管破壊剤、癌細胞増殖抑制剤(特許文献2)、プロトンポンプ阻害剤(特許文献3)、アレルギー反応を抑制する、TARCの産生抑制剤(特許文献4)、免疫増強剤(特許文献5)としての効能があることが知られている有用な成分である。
ショウガオールの合成方法としては、特許文献6には、バニリンとアセトンのアルドール縮合反応により4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデンアセトンを得る。これの還元成績体であるジンゲロンのフェノール性水酸基をベンジル基で保護し、アルカリ金属対イオン強塩基を作用させてエノラートアニオンを生成させ、n−ヘキサナールに付加させて相当するアルドールを生成させ、保護基を還元により水素に置換させることにより、[6]−ジンゲロールを合成する。さらに、[6]−ジンゲロールを酸触媒存在下で脱水して[6]−ショウガオール得る方法が記載されている。
また、特許文献7には、ジンゲロンをアルカリ金属アルコラート存在下で脂肪族アルデヒドと反応させジンゲロールを合成した後、ジンゲロールを酸触媒存在下で脱水してショウガオールを得る方法が記載されている。しかしながら、特許文献6および7ではジンゲロールの合成法自体が煩雑であるという欠点がある。
一方で、特許文献8には、ショウガ科植物由来の原料を発酵液で混合した後、加熱する事によりショウガ科植物由来の原料中のジンゲロール類をショウガオール類に富化する方法が記載されている。しかしながら、本方法による加熱処理後の抽出液の[6]−ショウガオールと[6]−ジンゲロールの比率は11:1であり、[6]−ジンゲロールから[6]−ショウガオールに完全に変換したとは言えず、また抽出液中の[6]−ショウガオールの含有量も低い。
さらに、特許文献9には、ショウガ抽出物を100〜130℃で24〜60時間加熱する事で脱水を促進し、[6]−ショウガオールの含量を高める方法が記載されている。しかしながら、本方法では加熱時間が24〜60時間と比較的長いため工業的に適しておらず、また、加熱時間が長いにもかかわらず[6]−ショウガオールの含量が15%程度の抽出物しか得られない。
以上のように、ショウガ抽出物から簡便で工業的に好適な方法で、ショウガ抽出物中のジンゲロールをショウガオールへと完全に変換し、さらに抽出物中のショウガオールの含量を高める方法を開発した例はいまだ知られていないのが現状であり、新たな方法の開発に大きな期待が寄せられている。
特開2008−189571号公報 再公表2008/139952号公報 特開2011−178759号公報 特開2011−225504号公報 特開2012−51811号公報 特公平4−66218号公報 特許第3575705号公報 特開2011−32248号公報 特開2012−50377号公報
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点を解決し、ショウガ抽出物中のジンゲロールをショウガオールへと変換し、ショウガオールを高純度で含有するショウガオール含有エキスを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ショウガ抽出物を、有機酸を添加後、減圧下で加熱脱水することにより、ショウガオール、特に[6]−ショウガオールを高純度で含有するショウガオール含有エキスを製造する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、ショウガ抽出物を、有機酸を添加後、減圧下で加熱脱水することを特徴とする、ショウガオール含有エキスの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記の方法で製造されたショウガオール含有エキスを、分子蒸留することを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、有機酸がリンゴ酸またはクエン酸である前記の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ショウガ抽出物を、有機酸を添加後、減圧下で加熱脱水することにより、高純度のショウガオールを含有するショウガオール含有エキスを、短時間に、低コストで、工業的に生産することができ、汎用性が高く、かつ、安全性の高い方法により提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明で使用されるショウガ(Zingiber Officinale)の品種は特に限定されないが、お多福生姜、近江生姜、インドショウガなどの大生姜;三州生姜、黄生姜、土生姜などの中生姜;金時生姜、谷中生姜、房州赤芽生姜などの小生姜などを挙げることができる。
本発明で使用されるショウガ抽出物は、ショウガの根茎から水蒸気蒸留法、溶剤抽出法、超臨界抽出法、炭酸ガス抽出法を利用することにより得られるが、これらの方法に限定されるものではない。根茎の状態は、生のままであっても乾燥された状態であっても良い。また、抽出する際には、抽出効率を高めるために、根茎を摩り下ろした状態や粉砕した状態、または圧縮して絞り汁とした状態とすることが好ましい。
溶媒抽出する場合、抽出溶媒としては水または有機溶媒を使用することが好ましい。また、水と有機溶媒を任意の混合比で混合した溶媒を使用することもできる。有機溶媒としてはメタノール、エタノールなどの低級アルコール;ヘキサン、アセトン、酢酸エチルなど挙げることができる。
さらに、二酸化炭素を使用した超臨界抽出を利用することができる。超臨界抽出により、抽出物の酸化を防ぐことができる。超臨界抽出は、公知の方法を用いることにより、ショウガ抽出物が得られる。
上記の抽出方法により得られたショウガ抽出物には、ジンゲロールが抽出物の可溶性固形分全体に対して5〜35質量%含有する。含有されるジンゲロールの大部分は[6]−ジンゲロールである。また、この抽出物に含有されるショウガオールは、抽出物の可溶性固形分全体に対して0.5〜7質量%であり、含有されるショウガオールの大部分は[6]−ショウガオールである。
本発明でショウガ抽出物からショウガオールの含有量が高いショウガオール含有エキスを製造する方法は以下の通りである。すなわち、前記ショウガ抽出物に有機酸を添加し、減圧下で加熱攪拌することによりショウガオール含有エキスを製造することができる。
ショウガ抽出物に添加する有機酸は特には限定されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、カプリル酸、カプロン酸、エナント酸、ペラルゴン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、グリコール酸、リンゴ酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、酒石酸、クエン酸、メバロン酸、アクリル酸、プロピオール酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、アスコルビン酸、ヒドロキシピバリン酸、レブリン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、桂皮酸などを挙げることができる。
上記のショウガ抽出物に添加する有機酸は、そのままショウガ抽出物に添加するかまたは、任意の有機溶媒に溶解して使用することもできるが、有機酸をそのまま使用することが好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
ショウガ抽出物に添加する有機酸の添加量は、ショウガ抽出物全体量に対して1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%添加することにより、ジンゲロールからショウガオールへの脱水反応が促進される。
有機酸を添加後、減圧下で加熱攪拌する際の減圧度は0.05〜2kPa、好ましくは0.1〜1kPaの条件によりジンゲロールからショウガオールへの脱水反応が促進される。
また、加熱攪拌時の温度は130〜170℃、好ましくは140〜160℃の条件によりジンゲロールからショウガオールへの脱水反応が促進される。攪拌時間は1.5〜5時間、好ましくは2〜4時間が好適である。攪拌時間が1.5時間未満であると脱水反応が不十分であり、ショウガオール含有エキスのジンゲロールに対するショウガオールの比率を十分に高めることができない。
さらに、ショウガオール含有エキスのショウガオールの含有量を高めるためには、前記ショウガオール含有エキスに植物油または中鎖脂肪酸トリグリセリドを添加し、分子蒸留を行うことにより高めることができる。植物油は特には限定されないが、大豆油、ゴマ油、米サラダ油、ピーナッツ油、コーン油、菜種油、ヤシ油、パーム油、オリーブ油などを挙げることができる。
植物油または中鎖脂肪酸トリグリセリドの添加量は、ショウガオール含有エキス全体量に対して30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%を挙げることができる。また、分子蒸留を行うショウガオール含有エキスの温度は70〜90℃、好ましくは75〜85℃の条件が好適である。
分子蒸留を行うにあたっては、分子蒸留の原料供給器に前記ショウガオール含有エキスを仕込み、原料供給器から加温減圧下の分子蒸留部へ滴下することにより蒸留を行う。分子蒸留の原料供給器の温度は90〜110℃、好ましくは95〜105℃、分子蒸留部の減圧度は3〜20Pa、好ましくは5〜15Pa、分子蒸留部の温度は180〜220℃、好ましくは190〜210℃、原料供給器からの滴下速度は1〜3g/min、好ましくは1.5〜2.5g/minが好適である。
上記方法で得られたショウガオール含有エキスは、[6]−ショウガオールと[6]−ジンゲロールの合計量が、可溶性固形分全体に対して25質量%以上、好ましくは、30質量%以上含有し、および[6]−ショウガオールと[6]−ジンゲロールの質量比が90:10〜99:1、好ましくは93:7〜99:1である。さらに、必要に応じて他の精製方法を組み合わせることにより、[6]−ショウガオールの含有率を高めることができる。精製方法としては、例えば、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどが挙げられる。
本発明で得られたショウガオール含有エキスは、そのままで食品素材、特に辛味増強素材、あるいは、機能性素材または皮膚外用剤として使用することができる。所望により、これに乳化剤、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステルおよび蔗糖脂肪酸エステルなどを添加し、ホモジナイズすることにより乳化状態にすることや、さらに、アラビアガム、澱粉、デキストリン、キサンタンガム、サイクロデキストリンなどの粉末化助剤と混合して噴霧乾燥および真空乾燥などの乾燥手段を用いて乾燥することにより、乳化形態あるいは粉末形態として使用することができる。
本発明で得られたショウガオール含有エキスには食品素材原料として、様々な成分を配合することができる。例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。
本発明で得られたショウガオール含有エキスは、例えば、わさび、カラシ、おろししょうが、おろしにんにく、ねりわさび、ねりカラシ、カレー、シチュー、豆板醤、キムチ、ハム、ソーセージ、マヨネーズ、ドレッシング、ホワイトソース、テリヤキソース、即席麺スープ、野菜スープ、トマトソース、ピザ、焼き鳥、焼き豚、焼き肉、しょうが焼き、うなぎ蒲焼き、ショウガ入り飲料、ジンジャーブレッド、菓子、ジャム、その他のショウガ入り加工食品などの食品に添加することにより、辛味増強効果を付与することができ、また機能性効果を促進することができる。
本発明で得られたショウガオール含有エキスは、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料などの皮膚外用剤に添加することにより、機能性効果を促進することができる。
本発明で得られたショウガオール含有エキスは、従来のジンゲロールの含有量が高いショウガ抽出物に比べて少量で辛味増強効果や機能性促進効果が得られる。
以下、参考例、比較例および実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1:ショウガ抽出物の製造方法
粉砕した三州生姜の根茎10Kgと水4Kgを均一に混合し、内容量50Lの超臨界抽出装置に仕込み、抽出温度40℃、圧力20MPa、抽出助剤として95%エタノールを2.5%含有した超臨界二酸化炭素により、流速5Kg/hの条件で8時間抽出した。ショウガ抽出物含有二酸化炭素流体を分離槽に導き、分離槽の温度20℃、圧力5MPaの条件で分離し、これを減圧濃縮して溶媒を留去することにより、超臨界二酸化炭素抽出物である、ショウガ抽出物1253g(参考品1)を得た。
実施例1:ショウガオール含有エキスの製造方法(参考品1にリンゴ酸を添加後減圧下で加熱)
500mLの4つ口フラスコに、ショウガ抽出物(参考品1)172.8gを仕込み、さらに、リンゴ酸5.0g(扶桑化学工業社製)を添加し、減圧度0.1−0.3kPa、容器温度150℃で2時間攪拌することにより、ショウガオール含有エキス169.5g(本発明品1)を得た。
実施例2:ショウガオール含有エキスの製造方法(本発明品1を分子蒸留)
実施例1で製造された、ショウガオール含有エキス169.5g(本発明品1)を100℃以下に放置冷却後、米サラダ油86.0g(ボーソー油脂社製)を添加し、80℃まで加温した。これを分子蒸留の原料供給器に仕込み、原料供給器を100℃に設定し、減圧度7−11Pa、蒸留部200℃、原料供給速度2g/minで分子蒸留することにより、ショウガオール含有エキス106.1g(本発明品2)を得た。参考品1に対する収率61.3%。
実施例3:ショウガオール含有エキスの製造方法(参考品1にクエン酸を添加後減圧下で加熱)
500mLの4つ口フラスコに、ショウガ抽出物(参考品1)173.4gを仕込み、さらに、クエン酸5.0g(扶桑化学工業社製)を添加し、減圧度0.1−0.3kPa、容器温度150℃で2時間攪拌することにより、ショウガオール含有エキス170.2g(本発明品3)を得た。
実施例4:ショウガオール含有エキスの製造方法(本発明品3を分子蒸留)
実施例3で製造された、ショウガオール含有エキス170.2g(本発明品3)を100℃以下に放置冷却後、米サラダ油87.0g(ボーソー油脂社製)を添加し、80℃まで加温した。これを分子蒸留の原料供給器に仕込み、原料供給器を100℃に設定し、減圧度7−11Pa、蒸留部200℃、原料供給速度2g/minで分子蒸留することにより、ショウガオール含有エキス103.3g(本発明品4)を得た。参考品1に対する収率59.6%。
比較例1:ショウガオール含有エキスの製造方法(参考品1にリンゴ酸と米サラダ油を添加後分子蒸留)
500mLの4つ口フラスコに、ショウガ抽出物(参考品1)167.7gを仕込み、さらに、リンゴ酸8.3g(扶桑化学工業社製)と米サラダ油83.0g(ボーソー油脂社製)を添加し、100℃にて1.5時間攪拌した。80℃以下に放置冷却した後、分子蒸留の原料供給器にチャージした。原料供給器を100℃に設定し、減圧度7−10Pa、蒸留部200℃、原料供給速度2g/minで分子蒸留することにより、ショウガオール含有エキス104.0g(比較品1)を得た。参考品1に対する収率62.0%。
比較例2:ショウガオール含有エキスの製造方法(参考品1を減圧下で加熱)
500mLの4つ口フラスコに、ショウガ抽出物(参考品1)170.2gを仕込み、減圧度0.1−0.3kPa、容器温度150℃で1時間攪拌することにより、ショウガオール含有エキス162.8g(比較品2)を得た。
実施例5
参考品1、比較品1〜2および本発明品1〜4に含まれる[6]−ジンゲロールおよび[6]−ショウガオールの含有率をHPLC法にて測定した。分析結果を下記表1に示す。
[HPLC法による[6]−ジンゲロールおよび[6]−ショウガオールの測定]
標準液調製
5mLのメスフラスコに[6]−ジンゲロール標準品または[6]−ショウガオール標準品を約5.5mg精密に量りとり、アセトニトリルでメスアップし、[6]−ジンゲロールまたは[6]−ショウガオールの標準液を調製した。
HPLC測定試料調製
ショウガオール含有エキス約25mgを5mLのメスフラスコに精密に量りとり、アセトニトリルでメスアップした後、PTFE膜フィルター(ミリポア社、孔径0.45μm)処理を行った。この調製液をHPLC分析に供した。
HPLC分析条件
機種 :HP−1100(アジレント・テクノロジー)
カラム :Inertsil ODS−3(ジーエルサイエンス)
内径4.6mm×長さ250mm、粒子径5μm
カラム温度 :40℃
移動相 :A液 アセトニトリル:水:リン酸=100:900:2
B液 アセトニトリル=100
グラジェント条件:(A):(B)=50:50(0分)〜0:100(30分),
0:100(50分)〜50:50(60分),50:50(70分)
流速 :0.8mL/min
注入量 :10μL
測定時間 :70min.
保持時間 :[6]−ジンゲロール、約8.5分
[6]−ショウガオール、約14.1分
検出器 :UV(測定波長:280nm)
[HPLC測定用標準品の合成]
HPLC測定用[6]−ジンゲロール標準品および[6]−ショウガオール標準品は、特許文献6に記載されている方法を参考に合成した。合成した[6]−ジンゲロールおよび[6]−ショウガオールをシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製し、HPLC測定用[6]−ジンゲロール標準品および[6]−ショウガオール標準品とした。
Figure 0005829225
S:[6]−ショウガオール
G:[6]−ジンゲロール
実施例1は、参考品1を減圧下加熱する前にリンゴ酸を添加したショウガオール含有エキスの製造方法である。実施例1の製造方法では、表1より[6]−ショウガオールと[6]−ジンゲロールの比率は94:6であり、[6]−ショウガオールと[6]−ジンゲロールの合計の含有率は参考品1と比較してそれほど変わっていないため、ジンゲロールからの脱水はほぼ完了していることが示された。
実施例3は、実施例1のリンゴ酸添加をクエン酸添加に変更した製造方法である。実施例3でも表1に示す本発明品3の分析結果より、ジンゲロールからの脱水はほぼ完了しているとことが示された。
また、本発明品2および本発明品4は、[6]−ショウガオールと[6]−ジンゲロールの合計の含有率が、本発明品1および本発明品3と比較して高くなっていることより、分子蒸留を行うことによって、さらにショウガオールの含有量が高いショウガオール含有エキスを製造することができる。
比較例1の参考品1にリンゴ酸を添加し攪拌するショウガオール含有エキスの製造方法では、表1に示す比較品1の分析結果より、[6]−ショウガオールの含有率は参考品1と比較してそれほど高くならず、ジンゲロールからの脱水はあまり進行していなかった。また、比較例2の参考品1を減圧下加熱するショウガオール含有エキスの製造方法では、[6]−ショウガオールの含有率は参考品1と比較してほとんど変化しないため、ジンゲロールからの脱水はほとんど進行していなかった。
よって、ショウガ抽出物中のジンゲロールを脱水してショウガオールにするためには、有機酸の添加、加熱、減圧のすべてが必須であることが示された。

Claims (3)

  1. ショウガ抽出物を、有機酸を添加後、減圧下で加熱脱水することを特徴とする、ショウガオール含有エキスの製造方法。
  2. 請求項1の方法で製造したショウガオール含有エキスを、さらに、分子蒸留することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 有機酸がリンゴ酸またはクエン酸である請求項1または2のいずれかに記載の製造方法。
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