JP6890801B2 - ショウガ加工品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ショウガオールの含有量を高めたショウガ加工品の製造方法に関するものである。より詳しくは、ショウガ乾燥物を有機酸と混合したものに、エタノールを加え、過熱水蒸気で加熱することで、ショウガ乾燥物中のジンゲロールをショウガオールに変換し、ショウガ加工品を製造することに関する。
ショウガ(Zingiber Officinale)はショウガ科ショウガ属の多年草である。ショウガの根茎は特有の辛味と香りから世界中で香辛料として用いられている。また薬味の他に、飲料、菓子などの加工食品としても消費される。近年においては冷え性改善の食品素材として、大きな市場を形成している。一方で、漢方としても古くから用いられ、かぜ薬、健胃消化薬、鎮吐薬、鎮痛薬などとして処方される。
ショウガの辛味の主成分としてジンゲロールとショウガオールが知られる。生の根茎ではほとんどがジンゲロールであり、ショウガオールは僅かしか含まれていない。両成分は、抗炎症作用など様々な薬理・食品機能を有することが知られている(非特許文献1)。
ジンゲロールには、冷え性の改善、免疫機能の向上、発がんプロモーション抑制作用、胆汁の分泌促進、殺菌作用、エネルギー消費の促進、脂肪細胞の分化促進などの効果が知られている。
ジンゲロールの冷え性改善効果は、ジンゲロールの血管拡張作用に由来し、体の末端部分の細い血管にまで十分な血液が送られるようになるためとされる。
ショウガを加熱や、乾燥させることで、ジンゲロールの一部がショウガオールへと変化する。ショウガオールにもジンゲロールと同様、冷え症改善効果がある。ショウガオールが胃壁を刺激することで、胃が活発になり、体内での熱産生が高まるためとされる。
ジンゲロールとショウガオールは、高温、酸性条件で可逆反応することが報告されている(非特許文献2)。一方で、特許文献1には生姜抽出物に有機酸を添加後、減圧下で加熱脱水することにより6-ショウガオールを高める方法が記載されている。特許文献2には、ショウガ抽出物を酸の存在下、系内の水分量が5〜10%の状態で、110〜150℃で加熱する工程を含む、ショウガオールの含有量を高めたショウガ抽出処理物の製造方法が記載されている。
これらのようにショウガオールを高含有にするためには、有機酸存在下での高温処理が有効であるが、その加熱時間は数時間を要する。また生姜抽出物からの処理となれば、抽出工程をふむ必要がある。
以上のことから、より短時間、および抽出工程を経ずにショウガオール含有量を高めたショウガ加工品を得る方法を示した例はいまだなく、新たな方法の開発に大きな期待が寄せられている。
特開2014-152130号公報 特開2015-044766号公報
食品機能性の科学(株式会社産業技術サービスセンター) S. Bhattarai, V. H. Tran, C. C. Duke, J. Pharm. Sci., 2001,90,1658-1664.
本発明の課題は、ショウガオールの含有量を高めたショウガ加工品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ショウガ乾燥物を有機酸と混合したものに、アルコールを加え、過熱水蒸気で加熱することで、ショウガオール類、特に6-ショウガオールを高含有するショウガ加工品を製造する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、ショウガ乾燥物を有機酸と混合したものに、アルコールを加え、過熱水蒸気で加熱することを特徴とする、ショウガ加工品の製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、前記の方法において、有機酸がクエン酸であることを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記の方法において、アルコールがエタノールであることを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
本発明は、前記の製造方法において加熱温度が170℃以上250℃以下であることを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
本発明により、様々な生理活性を有するショウガオールの高有量を高めたショウガ加工品の提供が可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。開示する条件は一例であり、これに限定されるものではない。
本願発明は、ショウガ乾燥物を有機酸と混合したものに、アルコールを加え、過熱水蒸気で加熱することを特徴とする、ショウガ加工品の製造方法である。
ショウガは、乾燥物であれば特に形態は制限されるものではなく、ショウガの乾燥粉末、搾汁した残渣の乾燥物、ショウガから水またはエタノールなどの有機溶媒で抽出したショウガ抽出物の乾燥物でも良い。加工性や簡便さから、原料としてはショウガ乾燥粉末を用いた場合が最も効率的に目的とするショウガ加工品を製造できると考えるが、ショウガの産地や品種は特に制限されない。
ショウガ乾燥物に添加する有機酸は特には限定されないが、ギ酸、酢酸、酪酸、シュウ酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸などを挙げることができる。特に好ましくはクエン酸を用いる。
ショウガと有機酸との混合割合は、特に限定されるものではなく、その商品形態にあった混合比をとるのがよい。ショウガと有機酸との重量比は、ショウガ乾燥物100部に対し、有機酸を1〜1000部、さらにショウガオール生成効率を考えると有機酸を100部以上300部以下が好まししい。
本発明では、ショウガ乾燥物と有機酸の混合物に添加するアルコールとしてエタノール、メタノールなどを挙げることができる。特に好ましくは、エタノールを用いる。アルコール濃度は70%以上が望ましい。
アルコールの添加量としては、重量比としてショウガ乾燥物100部に対し、アルコールを80〜800部、より好ましくは240〜550部添加するのがよい。
本発明に係るショウガ加工品は、そのまま食したり、水等に懸濁し飲用したりしてもよい。また二次加工することにより各種の飲食品として用途を広げることができる。他の食物繊維などの健康素材と組み合わせた健康食品、ゼリー、スナック菓子、飴、グミ、アイスクリーム、シャーベットなど幅広く適用できる。錠剤、カプセルなどに含有させたサプリメントの製造も可能であり、適用範囲は極めて広い。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これにより本発明はなんら限定されるものではない。
実施例1
原料として皮をむいたショウガ(和歌山県産)をペースト状にし、凍結乾燥機(東京理化器械株式会社 FDU-2100)にて乾燥した後、ミルミキサー(大阪ケミカル社製 WDL-1)で粉末化したものをショウガ乾燥物として用いた。そのショウガ乾燥物10gに乳鉢で粉砕したクエン酸(無水、和光純薬工業株式会社)10g〜50gを加え混合した。続いて混合物にエタノール50mlを加えた。さらに、その混合物を220℃の過熱水蒸気で2分間加熱した。過熱水蒸気発生機としては直本工業株式会社製 スチームDCオーブン DFC-460-Rを用いた。これにより固体物として本発明品1-1〜1-4を得た。すなわちショウガ乾燥物を処理し、乾燥物としてショウガ加工品を得た。
比較例1
上記の実施例1-1と同様にショウガ乾燥物と有機酸とアルコールを混合し、加熱処理を施さないショウガ加工品を調整した(比較品1)。
比較例2
上記の実施例1-1に対して、ショウガ粉末のみに加熱処理したもの、クエン酸のみを加えて加熱処理したもの、エタノールのみを加えて加熱処理したものを調整した(比較品2-1〜2-3)。
本発明品1-1〜1-4および比較品1及び2-1〜2-3に含まれる6-ジンゲロールと6-ショウガオールの含有量を、超高速液体クロマトグラフィー(以下、UPLC)を用いて測定した。含有量はショウガ乾燥物の単位重量あたりに換算した重量パーセントとして算出し、結果を表1に示す。UPLCの測定条件を以下に示す。
(UPLC法による6-ジンゲロール、6-ショウガオールの測定)
測定試料の調整
ショウガ加工品1gにエタノール100 mlを加え、ホモジナイズした後、超音波に30分掛け、0.2μmのPTFEフィルターにてろ過し被験試料とした。
UPLC(Waters)分析条件
検出器:PDA検出器(Waters)。検出波長228 nm。
カラム: BEH C18, 1.7μm 2.1mm×100mm(Waters製)、
カラム温度:30℃
移動相:A液:0.05%トリフルオロ酢酸を含む30%アセトニトリル
B液:0.05%トリフルオロ酢酸を含む90%アセトニトリル
上記の溶媒の混合割合を、B液0%から100%まで、1%/分の条件でグラジェントを行った。
流速:0.25mL/min

検量線作成
検量線:6-ジンゲロール(東京化成工業株式会社製)と6-ショウガオール(シグマアルドリッチ社製)の標準品を用いて作成した。

Figure 0006890801
表1に示した本発明品の結果より、ショウガ粉末とクエン酸、エタノールを混合、過熱水蒸気で加熱処理を施せば、ショウガ中の6-ショウガオールを2分間で増加できることが示された。特にショウガ粉末に対しクエン酸を重量にして2倍量加えた場合において、6-ショウガオールの生成量が最も多くなった。
表1に示した比較例1より、6-ショウガオールを増加させるには、加熱が必要であることが示された。また比較例2-1〜2-3よりショウガ粉末のみ、エタノールのみ添加し加熱処理しても、6-ショウガオールは増加しないことが示された。またクエン酸のみを加え加熱処理すると、6-ショウガオールは増加する。しかしながら実施例1−1と比較すると6-ジンゲロールと6ショウガオールの合計量(G+S)が減少している。このことからクエン酸、エタノールを混合して加熱すると6-ショーガオールを増やすとともに、(G+S)の合計量も保持することが出来た。
実施例2
実施例1-2の条件において、加熱温度と時間を変え参考例1、2及び実施例2を得た。またそれらの6-ジンゲロール、6-ショウガオールの含有量をUPLCで測定し、表2に示した。
Figure 0006890801
表2に示した本発明品の結果より、過熱水蒸気による加熱は2分間220℃以上250℃以下が好ましいことが示された。

本発明により、簡便かつ短時間でショウガオールの含有量を高めたショウガ加工品の製造方法を提供することができる。

Claims (1)

  1. ショウガ乾燥物とクエン酸を混合したものに、エタノールを加え、220℃以上250℃以下の過熱水蒸気で2分間加熱することを特徴とするショウガ加工品の製造方法。
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