JP6537050B2 - 血管内皮機能の改善剤 - Google Patents

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本発明は複数種のスパイスを有効成分として含有する血管内皮機能の改善剤に関する。
血管内皮細胞は、一酸化窒素(Nitric Oxide,NO)、内皮由来過分極因子(endothelial derived hyperporlaring factor,EDHF)、プロスタグランジンIといった種々の血管作動性物質を放出することで血管平滑筋緊張を調整するほか、細胞接着や血小板の粘着凝集を抑制するなど血管保護に関わる様々な機能を有する(非特許文献1)。これらの血管保護に関わる血管内皮機能の異常は、高血圧症、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病、喫煙、閉経などで認められ、動脈硬化病変の端緒であると考えられている。
非侵襲かつ反復可能な血管内皮機能測定方法として、FMD(Flow−Mediated Dilation)の測定が臨床的に頻繁に用いられている(非特許文献2)。
FMD値は、食後の一時的な血糖上昇(糖負荷)によって低下することが知られている(非特許文献3、4、5)。これは、一般的に、血糖上昇による酸化ストレスの増加や炎症反応により血管内皮機能が低下することが原因であると考えられている。近年、食後高血糖が心血管イベントのリスクとなることが疫学研究において示されている(非特許文献6)。食後高血糖条件における血管内皮機能の改善は、動脈硬化病変等の予防に繋がることから、糖尿病や肥満傾向にない健常人においても求められている。
これまでに、糖尿病モデル動物において、クルクミンの継続投与により血管内皮機能の低下を改善できることが確認されている(非特許文献7)。また、ヒトにおいて、タマネギエキスの継続投与により、食後の血管内皮機能の低下を改善できることが確認されている(特許文献1)。しかしながら、これらの手法は、有効成分の継続的な投与下において、疾患又は摂取による血管内皮機能の「低下」を改善するのみであり、血管内皮機能のさらなる増進をもたらすことは示されていない。
特開2013−53084号公報
Libby P. Inflammation and cardiovascular disease mechanisms. Am J Clin Nutr, Feb 2006; 83: 456S - 460S T Inoue, H et al Flow-mediated vasodilation as a diagnostic modality for vascular failure. Hypertens Res, 2008; 31(12): 2105 - 2113 Title L. M. et al Oral glucose loading acutely attenuates endothelium-dependent vasodilation in healthy adults without diabetes: an effect prevented by vitamins C and E. J Am Coll Cardiol. 2000 Dec;36(7):2185-91. Kawano H. et al Hyperglycemia rapidly suppresses flow-mediated endothelium-dependent vasodilation of brachial artery. J Am Coll Cardiol. 1999 Jul;34(1):146-54. Lavi T. et al The acute effect of various glycemic index dietary carbohydrates on endothelial function in nondiabetic overweight and obese subjects. J Am Coll Cardiol. 2009 Jun 16;53(24):2283-7. O'Keefe J.H. and Bell D.S. "Postprandial hyperglycemia/hyperlipidemia (postprandial dysmetabolism) is a cardiovascular risk factor." Am. J. Cardiol. 2007 Sep 1;100(5):899-904 Rungseesantivanon S et al Curcumin supplementation could improve diabetes-induced endothelial dysfunction associated with decreased vascular superoxide production and PKC inhibition. BMC Complement Altern Med. 2010 Oct 14;10:57.
本発明は、継続的な投与をしなくても、かつ血管内皮機能の「低下」を抑制するだけでなく、血管内皮機能のさらなる増進をもたらすことを可能とする、血管内皮機能の改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、複数種のスパイスを含む組成物の単回投与により、血管内皮機能の改善及びさらなる増進をもたらすことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1] クローブ、コリアンダー、クミン、ニンニク、ショウガ、タマネギ、トウガラシ及びウコンを有効成分として含有する、血管内皮機能改善剤。
[2] 単回投与により、血管内皮機能の改善をもたらす、[1]の血管内皮機能改善剤。
[3] 食後における血管内皮機能の改善のための、[1]又は[2]の血管内皮機能改善剤。
本発明によれば、継続的な投与をしなくても、かつ血管内皮機能の「低下」を抑制するだけでなく、血管内皮機能のさらなる増進をもたらすことを可能とする、血管内皮機能の改善剤を提供することができる。
図1は、クロスオーバー試験の試験概要を示す。 図2は、コントロール食及び試験食(スパイスミックスを含む)の摂取前後におけるFMD値の測定結果を示す。t検定:有意水準p<0.05。
<有効成分>
本発明の血管内皮機能改善剤は、クローブ、コリアンダー、クミン、ニンニク、ショウガ、タマネギ、トウガラシ及びウコンを有効成分として含有する。なお、本明細書において、クローブは学名Syzygium aromaticumとする植物を指す。本発明に用いられるクローブの品種は限定されない。本発明においてクローブは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている開花前の花蕾部を少なくとも含んでいればよい。
コリアンダーは学名Coriandrum sativumとする植物を指す。本発明に用いられるコリアンダーの品種は限定されない。本発明においてコリアンダーは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている果実部を少なくとも含んでいればよい。
クミンは学名Cuminum cyminumとする植物を指す。本発明に用いられるクミンの品種は限定されない。本発明においてクミンは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている種子部を少なくとも含んでいればよい。
トウガラシは学名Capsicum annuumに分類される植物を指す。本発明に用いられるトウガラシの品種は限定されない。本発明においてトウガラシは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている果実部を少なくとも含んでいればよい。
ウコンは学名Curcuma longaに分類される植物を指す。本発明に用いられるウコンの品種は限定されない。本発明においてウコンは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている根茎部を少なくとも含んでいればよい。
クローブ、コリアンダー、クミン、トウガラシ及びウコンはそれぞれ、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている形態、例えば、乾燥物及び/又は破砕物等の形態のものを利用することができる。「乾燥物」は、風乾、加熱乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等の通常の乾燥手段を用いて得ることができる。「破砕物」は、ミキサー、コミトロール、ミクロマイスター等を用いて粉砕することにより調製することができる。
ニンニクは学名Allium sativumに分類される植物を指す。本発明に用いられるニンニクの品種は限定されない。本発明においてニンニクは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている球の部分(鱗茎部)を少なくとも含んでいればよい。
ショウガは学名Zingiber officinaleに分類される植物を指す。本発明に用いられるショウガの品種は限定されない。本発明においてショウガは、スパイスや漢方薬として一般的に用いられている地下茎部を少なくとも含んでいればよい。
タマネギは学名Allium cepaに分類される植物を指す。本発明に用いられるタマネギの品種は限定されない。本発明に用いられるタマネギは、通常食用される球の部分(鱗茎部)を少なくとも含んでいればよい。鱗茎部の外皮、タマネギの他の部位(葉、根)を含んでいるか否かは問わない。本発明に用いられるタマネギは、典型的には、外皮を有するタマネギ鱗茎部、又は外皮が除去されたタマネギ鱗茎部である。
ニンニク、ショウガ及びタマネギは、上記乾燥物及び/又は破砕物の形態、或いは電子レンジ加熱、ボイリング、蒸気加熱、焼く、炒める等により加熱処理された形態のものを利用することができる。加熱処理されたものは適当な寸法及び形状にカットされた状態のものを用いることができる。
上記の各有効成分は、搾汁、抽出液、あるいは前記搾汁若しくは抽出液又はそれら混合物を濃縮又は乾燥した濃縮物又は乾燥物の形態であってもよい。「搾汁」は、各有効成分を破砕・圧搾して、液体画分と細胞壁等の固体画分とを分離し、液体画分を取得することにより調製することができる。液体画分と固体画分との分離は遠心分離、ろ過(例えば珪藻土ろ過)等の通常の固液分離手段により行うことができる。「抽出液」は、各有効成分を抽出媒体により抽出することにより調製することができる。抽出媒体としては有機溶媒、水等の溶媒、超臨界二酸化炭素等の超臨界流体が挙げられ、溶媒が特に好ましい。溶媒としては水や、エタノール等のアルコール、アセトン等の親水性有機溶媒、ヘキサン、あるいはそれらの混合溶媒を用いることができる。溶媒抽出により抽出液を製造する場合には、各有効成分を適量の溶媒(例えば各有効成分に対して重量基準で0.5〜20倍量)中に浸漬し、適宜撹拌又は静置して溶媒中に溶媒可溶性成分を溶出させる。抽出時間は特に限定されないが、5分間〜120分間、例えば、15分間〜30分間とすることができる。抽出温度は特に限定されないが、0℃〜125℃、例えば60℃〜125℃とすることができる。抽出後、溶媒可溶性成分を含む溶媒画分と細胞壁等の固体画分とを上述の固液分離手段により分離し、溶媒画分を抽出液として取得する。抽出に用いる各有効成分の形状は、原型のまま、或いは適当な寸法又は形状にカットした状態、或いは上記の乾燥物、破砕物、又は搾汁の形状であることができる。前記「濃縮物又は乾燥物」は、前記搾汁又は抽出液あるいはそれら混合物を濃縮又は乾燥することにより製造することができる。ここで濃縮とは搾汁又は抽出液あるいはこれらの混合物中の液体(水及び/又は抽出溶媒)を減少させて最終糖濃度を50%以上とすることを指す。糖濃度は市販の糖度計で測定することができる。濃縮の方法としては、例えば真空蒸発濃縮、膜濃縮が採用できる。真空蒸発濃縮は一般的に減圧濃縮と呼ばれる。濃縮時の真空度は最終品を糖度50%と以上とすることができる範囲で選択でき、特に限定されない。膜濃縮は、例えば逆浸透膜(RO)、限外ろ過膜(UF)等の膜を使用して行うことができる。使用する膜の種類は糖度50%以上とすることができる範囲で選択でき、特に限定されない。乾燥は前記搾汁又は抽出液あるいはそれら混合物を前記通常の乾燥手段を用いて乾燥することにより実施することができる。濃縮又は乾燥に際して、前記搾汁、前記抽出液、又は前記濃縮物と賦形剤等の他の成分とを組み合わせて濃縮又は乾燥を行ってもよい。
本発明の血管内皮機能改善剤に含まれる各有効成分の含有量は特に限定されないが、単回投与による投与量にして、例えば以下の範囲よりそれぞれ選択される量(乾燥重量に基づく)を含めることができる。
クローブ:0.01〜3g、好ましくは0.5〜2g。
コリアンダー:0.01〜20g、好ましくは1〜5g。
クミン:0.01〜20g、好ましくは0.5〜5g。
ニンニク:0.01〜20g、好ましくは1〜5g。
ショウガ:0.01〜20g、好ましくは1〜5g。
トウガラシ:0.001〜2g、好ましくは0.05〜0.5g。
ウコン:0.01〜20g、好ましくは1〜10g。
タマネギ:0.01〜20g、好ましくは1〜10g。
一実施形態において、本発明の血管内皮機能改善剤は、クローブ:0.5〜1g、コリアンダー:1〜2g、クミン:0.5〜1g、ニンニク:2〜5g、ショウガ:2〜5g、トウガラシ:0.05〜0.2g、ウコン:2〜5gを含み、タマネギを:5〜15g含む(ここで、クローブ、コリアンダー、クミン、ニンニク、ショウガ、トウガラシ、及びウコンは乾燥粉末の形態にて、タマネギは加熱処理された形態にて含む)。
<血管内皮機能改善剤>
本発明の血管内皮機能改善剤は、血管内皮機能を改善する能力を有する。血管内皮機能とは、上記したとおり、一酸化窒素(NO)、内皮由来過分極因子(EDHF)、プロスタグランジンIといった種々の血管作動性物質を放出することで血管平滑筋緊張を調整するほか、細胞接着や血小板の粘着凝集を抑制するなど血管保護に関わる様々な機能を意味する。血管内皮機能は、手又は足の駆血後の血流依存性血管拡張反応(FMD(Flow−Mediated Dilation))による血管径の増大率(FMD値(%))に基づき評価することができる。FMD値の値が大きいほど血管内皮機能が高いことを示す。FMD値の測定は通常のFMD検査装置により行うことができる。
ヒトでの血管内皮機能の測定方法としてはFMDが一般的であるが、他にストレインゲージ・プレチスモグラフィを用いる方法、指尖容積脈波を用いる方法(Endo−PAT)等のFMD以外の方法を用いても構わない。また、血管内皮機能はヒトで測定することが好ましいが、in vivoまたはex vivo動物試験や内皮細胞を用いたNO産生能等のin vitroの指標で確認しても構わない。
本発明の血管内皮機能改善剤は、動脈硬化症、慢性腎臓病(CKD)、高血圧、脂質代謝異常症、糖尿病、肥満・メタボリック症候群、冠動脈疾患、脳血管疾患、播種性血管内凝固症候群(DIC)、膠原病等の疾患の予防又は治療のために用いることができる。本発明の血管内皮機能改善剤は、糖尿病患者や、肥満傾向にある対象者だけでなく、健常な対象者に対しても有効である。
本発明の血管内皮機能改善剤は、食後の血糖上昇による血管内皮機能の低下を抑制することが可能である。さらに、本発明の血管内皮機能改善剤は、血管内皮機能を増進することができる。「血管内皮機能を増進する」とは、食後の血糖上昇による血管内皮機能の低下を抑制する以上の効果を意味し、血管内皮機能を低下する以前の水準を上回る水準にまで向上させることを意味する。
本発明の血管内皮機能改善剤の対象は典型的にはヒトであるが、ヒトには限定されず他の非ヒト動物、例えばヒト以外の哺乳類であってもよい。
本発明の血管内皮機能改善剤は医薬品(医薬部外品に分類されるものも含む。以下同じ)の形態で用いることができる。
本発明の血管内皮機能改善剤は、上記の所定の量にて上記各有効成分を含み、全体が上記有効成分のみからなるものであってもよいし、上記有効成分と他の成分とを含むものであってもよい。「他の成分」は、医薬品において許容される成分である限り特に限定されず、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などの製剤素材を挙げることができ、本発明の血管内皮機能改善剤の剤形に応じて、適当なものを選択し、適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の血管内皮機能改善剤の剤形は、特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプレット、散剤、液剤、トローチなどの剤形が挙げられる。経口投与可能な形態であることが好ましいが、これには限定されず、他の経路、例えば舌下投与、吸入等の経路で投与される形態であってもよい。
本発明の血管内皮機能改善剤は、単回投与により、血管内皮機能の低下の抑制効果、及び/又は、血管内皮機能の増進の効果を得ることができる。より詳細には、単回投与後、4時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、又は30分間以内には上記効果を得ることができる。「単回投与」とは、一度に投与されること、あるいは短い時間(例えば2時間以下、1時間以下、30分間以下、20分間以下、10分間以下、又は5分間以下)の間に連続的に複数回で投与されることを意味する。なお、本発明の血管内皮機能改善剤は天然由来の成分を有効成分とし、継続的な投与を可能とするものであり、用法を単回投与に限定するものではない。本発明の血管内皮機能改善剤は、特に限定されないが、食事の前後2時間以内、1時間以内、又は30分間以内、あるいは食事と同時に投与されることが好ましい。これにより、食後の血糖上昇による血管内皮機能の低下を抑制すると共に、血管内皮機能を増進することができる。また、本発明の血管内皮機能改善剤は、飲食品に含めて提供・摂取されてもよい。
材料と方法
被験者と試験デザイン
14名の健常男性(45±9歳、BMI23.7±2.7kg/m)を被験者とし、第1群(7名)及び第2群(7名)に無作為に振り分け、クロスオーバー試験を行った。なお、被験者は試験開始のおよそ12時間前から飲食が禁じられ(水のみ摂取可)、空腹状態にて試験に参加した。
クロスオーバー試験の概要を図1に示す。すなわち、第1群はまず、コントロール食を摂取する第1回試験を行い、コントロール食摂取前の空腹時におけるFMD値及びコントロール食摂取から1時間後のFMD値を測定した。次いで、第1回試験から1週間後に、試験食を摂取する第2回試験を行い、試験食摂取前の空腹時におけるFMD値及び試験食摂取から1時間後のFMD値を測定した。一方、第2群はまず、試験食を摂取する第1回試験を行い、試験食摂取前の空腹時におけるFMD値及び試験食摂取から1時間後のFMD値を測定した。次いで、第1回試験から1週間後に、コントロール食を摂取する第2回試験を行い、コントロール食摂取前の空腹時におけるFMD値及びコントロール食摂取から1時間後のFMD値を測定した。
試験食
クローブ0.9g、コリアンダー1.8g、クミン0.9g、ニンニク3.6g、ショウガ2.7g、タマネギ9g、トウガラシ0.09g、及びウコン4.5gを含むスパイスミックスをミートソース180g及び米飯200gと混合し、試験食を得た。クローブ、コリアンダー、クミン、ニンニク、ショウガ、トウガラシ、及びウコンは乾燥粉末の形態のものを用いた。タマネギは皮をむき、1/4カットしたものをソテーし、加熱処理したものを用いた。
コントロール食
コントロール食は、上記試験食よりスパイスミックスを除いたものを使用した。すなわち、ミートソース180g及び米飯200gとを混合し、コントロール食を得た。
FMD値の測定
FMD値の測定には(株)ユネクス社のFMD測定装置を用いた。測定方法は、既に報告されているFMD値測定のガイドラインに準じて行った(T Inoue, H et al Flow-mediated vasodilation as a diagnostic modality for vascular failure. Hypertens Res, 2008; 31(12): 2105-2113; 及び Mary C. et al Guidelines for the ultrasound assessment of endothelial-dependent flow - mediated vasodilation of the brachial artery: A report of the International Brachial Artery Reactivity Task Force. J. Am. Coll. Cardiol., 2002; 39(2): 257-265)。
すなわち、ベッドに移動し、20分間の安静の後、定法にてFMD値を測定した。なお、試験食又はコントロール食の摂取前の測定時にサージカルテープにて測定位置をマークし、摂取後の測定時にも同じ位置で測定を行った。検査時には、肘からの測定位置までの距離を計測し、第2回試験時の測定においても、測定位置を揃えるようにした。
結果
結果を図2に示す。各結果は、測定されたFMD値の平均値を示す。
コントロール食の摂取によりFMD値は5.8%から5.1%へと有意な低下が確認された。一方、試験食の摂取においては、FMD値は5.2%から6.6%へと有意な上昇が確認された。
これらの結果は、食後の血糖値の上昇により生じる酸化ストレスによって血管内皮機能が低下するのに対して、スパイスミックスを摂取した場合には、前記食後の血管内皮機能の低下を抑制するだけでなく、血管内皮機能のさらなる増進が確認された。また、その効果は、スパイスミックスの単回投与により、直ちに確認することができた。

Claims (2)

  1. クローブ、コリアンダー、クミン、ニンニク、ショウガ、タマネギ、トウガラシ及びウコンを有効成分として含有する、食後の血糖上昇時の血管内皮機能を、空腹時の血管内皮機能よりも向上させるための、血管内皮機能増進剤。
  2. 単回投与により、血管内皮機能を向上させるための、請求項1に記載の血管内皮機能増進剤。
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