以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1に示すように、隊列走行システムは、複数の車両に対して、各車両同士に所定の車間距離を隔てさせつつ、所定の速度で隊列走行を行わせるためのシステムである。このため、隊列に参加している車両は、多少の加速、減速はあるものの、一定の速度(予め設定された隊列走行速度)で走行している。従って、複数の車両からなる隊列は、一定の速度で走行していると言うことができる。
また、隊列走行システムは、複数の車両で隊列を形成し、隊列内の車両間で伝達される制御情報に基づいて、先行車両に後続車両が順次追従する隊列走行を行うためのシステムと言い換えることができる。つまり、隊列走行とは、複数の車両が互いに一つの群を形成した状態で走行するものである。よって、隊列走行は、車群走行とも言い換えることができる。隊列走行システムを採用している車両(例えばCS1〜CS3など)は、車載装置100を備えている。なお、本実施形態では、全ての車両がマスタとなり、隊列走行制御を行うマルチマスタ方式を採用する。
本実施形態における隊列は、一例として、複数の車両を含む第1車群と、複数の車両を含む第2車群とからなるものを採用している。更に、第1車群に含まれる車両と、第2車群に含まれる車両とは、体格が異なる。つまり、第1車群には、体格が所定の範囲(第1範囲)内の車両が含まれる。一方、第2車群には、第1範囲よりも小さい第2範囲内の車両が含まれる。よって、第1車群に含まれる車両同士は略同じ体格を有している。同様に、第2車群に含まれる車両同士は略同じ体格を有している。しかしながら、第1車群に含まれる車両と第2車群に含まれる車両とは体格が異なる。以下、隊列に参加している車両を纏めて隊列車両とも称する。また、車群は、グループと言い換えることもできる。
なお、車両の体格とは、車両のボディサイズと言い換えることもできる。更に、車両の体格は、車両の投影面積と言い換えることもできる。ここでの投影面積とは、車両の車幅と全高(地面から車両の最も高い位置までの長さ)との積に相当する面積である。
具体的には、本実施形態では、図8に示す隊列を用いる。この隊列は、3台の大型車CL1〜CL3を含む大型車群(第1車群)と、3台の小型車CS1〜CS3を含む小型車群(第2車群)とを含むものである。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数台の中型車を含む中型車群(第1車群)と、複数台の小型車を含む小型車群(第2車群)とから構成された隊列であっても採用することができる。同様に、複数台の大型車を含む大型車群(第1車群)と、複数台の中型車を含む中型車群(第2車群)とから構成された隊列であっても採用することができる。さらに、各車群に含まれる車両の台数は、3台に限定されるものではない。また、第1車群に含まれる車両の台数と、第2車群に含まれる車両の台数とは、異なっていても良い。なお、大型車は、トラックやバスなどを含むものとする。また、中型車は、大型乗用車などを含むものとする。そして、小型車は、中型乗用車や小型乗用車などを含むものとする。
また、図8に示す隊列は、隊列の現在位置から地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eを通るものとする。よって、隊列の走行経路は、現在位置、地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eを含むものである。また、大型車CL1は、地点Bで隊列から離脱する。大型車CL2は、地点Cで隊列から離脱する。大型車CL3は、地点Dで隊列から離脱する。小型車CS1は、地点Dで隊列から離脱する。小型車CS2は、地点Cで隊列から離脱する。小型車CS3は、地点Bで隊列から離脱する。なお、図8におけるn値に関しては、後ほど詳しく説明する。
ここで、図2を用いて、車載装置100の構成に関して説明する。車載装置100は、隊列走行制御装置10、通信装置20、周辺情報センサ40、記憶部50、ユーザインターフェース60、挙動情報センサ70、走行系装置80などを備えて構成されている。
隊列走行制御装置10は、CPU、ROM、RAM等(何れも図示せず)を備えたコンピュータである。以下、隊列走行制御装置10を単にECU10とも称する。ECU10は、CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されたプログラムを実行することで、通信装置20、走行系装置80を制御し、これらを制御することで隊列走行制御を行う。また、ECU10は、例えば、走行系装置80に対して走行状態を指示する。なお、このECU10に関しては、後ほど詳しく説明する。
通信装置20(通信手段)は、アンテナ21(通信手段)を備え、自車の周辺にある車両(周辺車両)との間で無線通信を行うものであり、送信機および受信機として機能するものである。つまり、通信装置20は、車車間通信機としての機能を備えており、例えばDSRC(Dedicated ShortRange Communication、狭域通信とも呼ばれる)により、他車両との間で情報の送受信が可能である。また、通信装置20は、例えば、通信領域内のすべての車両に同じ情報を送信する同報通信と、相手を特定して送信する個別通信とが可能であるものを採用することができる。この通信装置20は、アンテナ21を介して周辺車両から周辺車両情報、周辺車両の加入情報、周辺車両の離脱情報などを受信し、受信した各種情報をECU10に出力する。また、通信装置20は、ECU10からの指示に応じて、アンテナ21を介して周辺車両に自車の車両情報、加入情報、離脱情報などを送信する。また、通信装置20は、車車間通信機としての機能に加えて、路車間通信機としての機能を備えているものであっても採用することができる。
なお、周辺車両とは、隊列走行システムを採用しており、且つ、自車の周辺にある車両である。よって、周辺車両は、車載装置100を備えるものである。また、周辺車両には、隊列に参加している車両だけでなく、隊列に参加していない車両も含まれる可能性がある。
また、上述の車両情報は、自車の投影面積を示す情報(投影面積情報)、自車の案内経路を示す情報などを含むものである。また、車両情報は、自車の投影面積を示す情報、自車の案内経路を示す情報に加えて、離脱地点を示す情報(離脱地点情報)を含むものであってもよい。周辺車両情報とは、周辺車両が出力した周辺車両の自車情報である。加入情報とは、自車の隊列への加入意思を示す情報であり、図3などにおいては自車加入意思情報と記載している。離脱情報とは、自車の隊列からの離脱意思を示す情報であり、図3などにおいては自車離脱意思情報と記載している。周辺車両の離脱情報は、図3などにおいて他車離脱意思情報と記載している。周辺車両の加入情報は、図3などにおいて他車加入意思情報と記載している。
また、後ほど説明する隊列情報とは、各隊列車両の投影面積を示す情報、各隊列車両の走行経路(案内経路)を示す情報、隊列における各隊列車両の位置を示す情報、各隊列車両の離脱地点を示す情報を含むものである。さらに、隊列情報は、隊列の走行経路を示す情報、第1車群に含まれる車両の台数を示す情報、第2車群に含まれる車両の台数を示す情報などを含むものである。また、この隊列情報は、全ての隊列車両で共有される情報である。また、後ほど説明する再編成要求情報は、隊列の再編成を要求する情報である。
ナビゲーション装置30は、自車の現在位置を検出して、この現在位置と地図データなどを用いて、現在位置から目的地までの案内経路を演算するとともに、案内経路に基づいて走行案内を行うものである。また、ナビゲーション装置30は、自車の案内経路と、隊列の走行経路とから、自車が隊列から離脱する地点である離脱地点を算出する。そして、ナビゲーション装置30は、案内経路を示す情報、隊列からの離脱地点を示す情報などをECU10に対して出力する。
なお、ECU10は、自車の案内経路と、周辺車両から取得した周辺車両情報(周辺車両の走行経路)とから、隊列の走行経路を算出するものであってもよい。また、ECU10は、周辺車両から隊列情報を受信した場合、その隊列情報から隊列の走行経路を取得(算出)することができる。このような場合、ECU10は、算出した隊列の走行経路をナビゲーション装置30に出力する。この隊列の走行経路の算出に関しては、周知技術であるため詳しい説明を省略する。
また、離脱地点を示す情報は、後ほど説明するユーザインターフェース60からECU10に出力されるものであってもよい。つまり、離脱地点は、乗員がユーザインターフェース60を操作することで指定できるものであってもよい。この場合、乗員がユーザインターフェース60を操作することで離脱地点を示す情報がECU10に出力される。そして、ECU10は、ユーザインターフェース60から出力された離脱地点を採用する。また、離脱地点は、ECU10が自車の案内経路と隊列の走行経路とから算出してもよい。
さらに、ナビゲーション装置30は、自車が隊列に参加している場合、この隊列に新たに加入する加入車の離脱地点を算出するものであってもよい。この場合、ナビゲーション装置30は、加入車の車両情報に含まれる案内経路と、現在の隊列の隊列情報に含まれる隊列の走行経路とから、加入車の離脱地点を算出する。ナビゲーション装置30は、算出した加入車の離脱地点を示す情報をECU10に出力する。ECU10は、加入車の離脱地点を示す情報を受信すると、現在の隊列情報に加入車の離脱地点を示す情報を加えて、隊列情報を更新する。
周辺情報センサ40は、例えば、レーダー、カメラなどで構成されており、自車の前方又は後方の車両との車間距離を検出する。つまり、周辺情報センサ40としては、自車の前方の車両との車間距離を検出するセンサ、又は、自車の後方の車両との車間距離を検出するセンサを採用することができる。この周辺情報センサ40は、検出結果を示す情報をECU10に出力する。
さらに、周辺情報センサ40は、検出した車間距離の変化を検出し、車間距離の変化を示す情報をECU10に出力するようにしてもよい。なお、隊列車両に設けられたECU10は、車間距離を示す情報、車間距離の変化を示す情報を通信装置20及びアンテナ21を介して、自車以外の隊列車両に送信する。なお、制御情報は、この車間距離や、車間距離の変化量などを含むものである。
記憶部50は、車両情報などを記憶するものであり、ハードディスクなどを採用することできる。
ユーザインターフェース60は、車室内に設けられるものであり、乗員が操作可能な操作装置であり。ユーザインターフェース60は、例えば、ジョイステックや、ディスプレイに設けられたタッチパネルなどを採用することができる。なお、タッチパネルが設けられるディスプレイは、インストルメントパネルや地図データなどを表示するディスプレイなどを採用することができる。
乗員は、ユーザインターフェース60の操作装置を操作することによって、例えば、離脱地点を示す情報や、隊列への加入意思を示す信号や、隊列からの離脱意思を示す信号などを入力することができる。ECU10は、このユーザインターフェース60によって加入意思を示す信号が入力されると、隊列への加入意思を示す加入情報の送信を通信装置20に対して指示する。また、ECU10は、このユーザインターフェース60によって離脱意思を示す信号が入力されると、隊列からの離脱意思を示す情報、及びナビゲーション装置30から出力された離脱地点を示す情報を含む離脱情報の送信を通信装置20に対して指示する。
挙動情報センサ70は、自車の挙動を検出するために用いられ、例えば自車の前後方向に加わる加速度を検出する加速度センサ、自車の走行速度(車速)を検出する車速センサ、自車の直進方向に対する操舵角を検出する操舵角センサ、ブレーキの踏み込み量を検出するブレーキセンサなどを含むものである。挙動情報センサ70は、これらのセンサの検出結果を示す情報をECU10に出力する。なお、制御情報は、この検出結果を示す情報を含むものであってもよい。
なお、符号80は、走行系装置であり、駆動装置や制動装置などを含む。つまり、符号80は、自車のエンジン、モータジェネレータ、ブレーキ、トランスミッション等を示すものである。
ここで、図3,図4を用いて、ECU10に関して説明する。ECU10は、機能ブロックとして、通信部11、入力部12、隊列状態管理部13、加入制御処理部14、離脱制御処理部15、出力部16を備えて構成されている。ECU10は、図3などに示すように、これらの各部同士で情報の送受信を行うことによって、隊列走行制御を行う。なお、隊列状態管理部13は、以下、単に管理部13とも称する。また、加入制御処理部14は、以下、単に加入処理部14とも称する。さらに、離脱制御処理部15は、以下、離脱処理部15とも称する。
通信部11は、通信装置20と接続されており、各部からの送信指示に基づいて通信装置20に対して自車の車両情報などの送信を指示したり、通信装置20が受信した周辺車両情報などを取得したりする。なお、通信部11は、通信装置20から取得した情報を各部に出力したり、保持したりする。通信部11が通信装置20から取得した情報を保持しておく場合、各部は、ポーリングで通信部11に保持されている情報を取得する。
通信部11は、図3に示すように、隊列情報、再編成要求情報、他車加入意思情報、加入前処理/加入中処理の各種情報、他車離脱意思情報、離脱前処理/離脱中処理の各種情報、再編成前処理/再編成中処理の各種情報を出力する。また、通信部11は、離脱前処理/離脱中処理の各種情報、加入前処理/加入中処理の各種情報、再編成前処理/再編成中処理の各種情報が入力される。なお、加入前処理/加入中処理の各種情報とは、図5〜図7に示すフローチャートで取り扱う情報である。離脱前処理/離脱中処理の各種情報とは、図10に示すフローチャートで取り扱う情報である。再編成前処理/再編成中処理の各種情報とは、図12に示すフローチャートで取り扱う情報である。
入力部12は、ナビゲーション装置30などから各種情報が入力され、入力された情報を各部に出力するものである。入力部12は、図3に示すように、再編成要求情報、自車加入意思情報、自車離脱意思情報などを出力する。
管理部13は、図4に示すように、隊列再編成発信処理、隊列再編成受信処理を行うものである。管理部13は、再編成前処理時に扱う各種情報、再編成中処理時に扱う各種情報、走行系装置80に対する駆動情報などを出力する。また、管理部13は、再編成要求情報、隊列情報、再編成要求情報、離脱後隊列情報などが入力される。なお、隊列再編成発信処理、隊列再編成受信処理に関しては、後ほど図12に示すフローチャートなどを用いて説明する。
加入処理部14は、図4に示すように、加入発信処理、加入受信処理を行うものである。加入処理部14は、加入前処理時に扱う各種情報、加入中処理時に扱う各種情報、走行系装置80に対する駆動情報などを出力する。加入処理部14は、自車加入意思情報、他車加入意思情報、加入前処理時に扱う各種情報、加入中処理時に扱う各種情報などが入力される。なお、加入発信処理、加入受信処理に関しては、後ほど図5に示すフローチャートなどを用いて説明する。
離脱処理部15は、図4に示すように、離脱発信処理、離脱受信処理を行うものである。離脱処理部15は、離脱後隊列情報、離脱前処理時に扱う各種情報、離脱中処理時に扱う各種情報、走行系装置80に対する駆動情報などを出力する。離脱処理部15は、自車離脱意思情報、他車離脱意思情報、離脱前処理時に扱う各種情報、離脱中処理時に扱う各種情報などが入力される。なお、離脱発信処理、離脱受信処理に関しては、後ほど図10に示すフローチャートなどを用いて説明する。
出力部16は、走行系装置80と接続されており、管理部13、加入処理部14、離脱処理部15からの駆動情報を走行系装置80に出力することで、ブレーキ指示、減速指示などを行う。
ここで、図5〜図16を用いて、ECU10の処理動作(隊列走行制御)に関して説明する。また、この処理動作に関しては、これから説明するフローチャートと共に、図3,図4を参照されたい。
まず、図5〜図9を用いて、ECU10の加入時処理に関して説明する。なお、本実施形態で採用している隊列は、図8に示すように、3台の大型車CL1〜CL3を含む大型車群(第1車群)と、3台の小型車CS1〜CS3を含む小型車群(第2車群)とを含むものである。この隊列に対して、図9に示すように、小型車CS4が参加の意思を示しており、且つ小型車CS4が許可された場合を一例として説明する。つまり、この例では、小型車CS4が加入車に相当するものである。よって、以下、加入車CS4とも記載する。
図5に示す、ステップS10〜S17は、加入処理部14が実行する加入発信処理を示すものである。加入処理部14は、ユーザインターフェース60から入力部12を介して、自車加入意思情報が入力されると、隊列加入意思があるとみなして加入発信処理を実行する。このように、この加入発信処理は、これから隊列に参加する車両に搭載されたECU10の加入処理部14が実行する処理である。図9の例では、加入車CS4に搭載されたECU10の加入処理部14が実行する処理である。
一方、ステップS20〜S28は、加入処理部14が実行する加入受信処理を示すものである。加入処理部14は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、他車加入意思情報が入力されると、現在の隊列への加入を希望している車両があるとみなして加入受信処理を実行する。このように、この加入受信処理は、隊列車両に搭載されたECU10の加入処理部14が実行する処理である。図9の例では、大型車CL1〜CL3,小型車CS1〜CS3の夫々に搭載されたECU10の加入処理部14が実行する処理である。なお、図3における、通信部11から加入処理部14に出力される加入処理前の各種情報は、他車加入意思情報を含むものである。
ステップS10では、加入意思、加入車情報を発信する。加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入意思を示す加入情報と、加入車情報としての自車の車両情報を送信する。よって、図3における、加入処理部14から通信部11に出力される加入処理前の各種情報は、この加入情報や車両情報を含むものである。
ステップS20では、加入許可禁止判断を行う(加入許可禁止判定手段)。このとき、加入処理部14は、加入車の離脱地点と各隊列車両の離脱地点とに基づいて、加入許可禁止判断を行う。そして、加入処理部14は、加入車の離脱地点が、各隊列車両の離脱地点から所定範囲内であるか否かを判定する。そして、加入処理部14は、所定範囲内である場合は加入許可と判定してステップS22へ進み、所定範囲内でない場合は加入禁止と判定してステップS28へ進む。なお、加入処理部14は、加入車からの車両情報から加入車の離脱地点を把握することができ、隊列情報から各隊列車両の離脱地点を把握することができる。
隊列車両の離脱地点は、近いよりも遠い方が隊列を長時間維持することができる。よって、このように、加入車の離脱地点が、各隊列車両の離脱地点から所定範囲内である場合に、隊列への加入を許可することによって、隊列を長時間維持することができる。また、隊列の維持時間を長くすることができるので、隊列全体の消費エネルギーを長い時間低減することができる。
また、加入処理部14は、隊列車両の台数に基づいて加入許可禁止判断を行うようにしてもよい。そして、加入処理部14は、現在の隊列車両の台数が所定値に達していた場合(所定台数以上)は加入禁止と判定してステップS28へ進み、現在の隊列車両の台数が所定値に達していない場合(所定台数以下)は加入許可と判定してステップS22へ進む。なお、加入処理部14は、隊列情報に含まれる第1車群に含まれる車両の台数を示す情報、第2車群に含まれる車両の台数を示す情報に基づいて、現在の隊列車両の台数を把握することができる。
つまり、隊列走行システムは、隊列車両の台数を制限するものである。このように、隊列車両の台数を制限することによって、複数の車両が所定の車間距離を保ちながら、列になって走行する隊列走行であっても、隊列車両以外の車両の走行を妨害することを抑制することができる。
ステップS21では、ステップS20での判断の結果から、加入許可であるか加入禁止であるかを判定する。加入処理部14は、加入許可と判定した場合はステップS22へ進み、加入禁止と判定した場合はステップS28へ進む。
ステップS22では、加入車情報を発信した車両に対して、隊列への加入許可を示す加入許可情報を発信する。このとき、加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入許可情報を発信する。なお、加入処理部14は、この加入許可情報を含む、現在の隊列における隊列情報を発信するようにしてもよい。一方、ステップS28では、加入車情報を発信した車両に対して、隊列の加入禁止を示す加入禁止情報を発信する。このとき、加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入禁止情報を発信する。このように、図3において、加入処理部14から通信部11に出力される加入処理前の各種情報は、加入許可情報、加入禁止情報を含むものである。
ステップS11では、周辺車両からの応答有無を判定する。加入処理部14は、上述のステップS22,S28で発信された加入許可情報又は加入禁止情報を受信したか否かによって、周辺車両からの応答有無を判定する。加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入許可情報又は加入禁止情報を受信した場合は周辺車両からの応答有りと判定してステップS12へ進む。一方、加入処理部14は、加入許可情報又は加入禁止情報を受信してない場合は周辺車両からの応答無しと判定してステップS17へ進む。このように、図3において、通信部11から加入処理部14に出力される加入処理前の各種情報は、この加入許可情報、加入禁止情報を含むものである。
ステップS17では、受信タイムアウトであるか否かを判定する。加入処理部14は、ステップS10において加入情報と車両情報を送信してから所定時間が経過したか否かによって受信タイムアウトであるか否かを判定する。つまり、加入処理部14は、ステップS10において加入情報と車両情報を送信してから所定時間内に、周辺車両からの応答が有ったか否かによって受信タイムアウトであるか否かを判定する。加入処理部14は、加入情報と車両情報を送信してから所定時間が経過していない場合は受信タイムアウトでないと判定してステップS11へ戻り、所定時間が経過している場合は受信タイムアウトと判定して加入発信処理を終了する。なお、このステップS11,S17は省略することも可能である。
ステップS12では、加入許可であるか加入禁止であるかを判定する。加入処理部14は、周辺車両から受信した加入許可情報、加入禁止情報に基づいて、隊列に加入許可であるか加入禁止であるかを判定する。加入処理部14は、加入許可情報を受信した場合は隊列への加入許可とみなしてステップS13へ進み、加入禁止情報を受信した場合は隊列への加入禁止とみなして加入発信処理を終了する。
一方、隊列に参加している車両のECU10(加入処理部14)は、ステップS22において加入許可情報を発信した後、ステップS23に示す加入位置決定処理(加入検出手段)を行う。ここで、図6,図7を用いて、この加入位置決定処理の一例に関して説明する。
ステップS30では、加入車投影面積を取得する(第1取得手段)。加入処理部14は、受信した加入車情報に含まれる投影面積を示す情報を取得する。つまり、加入処理部14は、ステップS21で隊列への参加を許可した車両の投影面積を示す情報を取得する。言い換えると、加入処理部14は、隊列への参加意思のある車両の投影面積を示す情報を取得する。なお、ECU10は、隊列情報を有している。このため、加入処理部14は、現在の隊列に参加している各車両の投影面積を示す情報は取得済みである。
ステップS31では、加入車の加入先グループを算出する(グループ分け手段)。加入処理部14は、加入車の投影面積と、基準値(第1範囲、第2範囲)とから、加入車の加入先グループを算出する。言い換えると、加入処理部14は、加入車の投影面積と、現在の隊列に参加している各車両の投影面積とから、加入車の加入先グループを算出する。
図8,図9の例においては、加入処理部14は、加入車CS4の投影面積と、現在の隊列に参加している各車両である大型車CL1〜CL3及び小型車CS1〜CS3の投影面積(第1範囲、第2範囲)とから、加入車CS4の加入先グループを算出する。そして、加入車CS4は、小型車である。このため、加入車CS4の投影面積は、第2範囲内である。よって、加入処理部14は、加入車CS4の加入先グループとして第2車群を算出することになる。言い換えると、加入処理部14は、加入車CS4の加入先グループを第2車群に決定する。
ステップS32では、加入車離脱地点を取得する(第2取得手段)。加入処理部14は、自車に搭載されているナビゲーション装置30及び入力部12を介して、加入車の離脱地点を示す情報を取得する。つまり、ナビゲーション装置30は、加入車から受信した加入車情報に含まれる加入車の案内経路と、現在の隊列の隊列情報に含まれる隊列の走行経路とから、加入車の離脱地点を算出する。なお、ナビゲーション装置30は、算出した加入車の離脱地点を示す情報をECU10に出力する。
また、加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入車が算出した離脱地点を示す情報を取得してもよい(第2取得手段)。この場合、隊列車両の加入処理部14は、加入許可情報と共に、現在の隊列における隊列情報を発信しておく。一方、加入車のECU10は、隊列情報を受信すると、この隊列情報に含まれる隊列の走行経路をナビゲーション装置30に出力する。加入車に搭載されたナビゲーション装置30は、自車の案内経路と、隊列の走行経路とから、自車が隊列から離脱する地点である離脱地点を算出する。そして、加入車のECU10は、自車のナビゲーション装置30から離脱地点を示す情報を取得して、この離脱地点を示す情報を通信装置20及びアンテナ21を介して隊列車両に送信する。このようにして、加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入車が算出した離脱地点を取得するようにしてもよい。
なお、加入車のECU10は、ユーザインターフェース60から出力された離脱地点を示す情報を隊列車両に送信するようにしてもよい。このようにしても、加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入車が算出した離脱地点を取得することができる。よって、図3において、通信部11から加入処理部14に出力される加入処理前の各種情報は、この離脱地点を示す情報を含むものであってもよい。
ステップS33では、加入先グループの台数(m台)を取得する。加入処理部14は、隊列情報から加入車の加入先グループの台数を取得する。図9の例では、加入車CS4の加入先グループは第2車群である。よって、加入先グループの台数mは3となる。なお、加入車CS4の離脱地点は地点Eである。
ステップS34では、離脱地点別加入位置決定処理を行う。ここで、この離脱地点別加入位置決定処理に関しては、図7を用いて説明する。この離脱地点別加入位置決定処理は、加入車の離脱地点と、加入先グループに含まれている各車両の離脱地点とを比較して、加入先グループにおける加入車の加入位置を決定する処理である。よって、この離脱地点別加入位置決定処理によって、最終的に加入位置が決定される。従って、離脱地点別加入位置決定処理は、最終加入位置決定処理と言い換えることができる(最終位置決定手段)。
ステップS40では、n=1(初期値)とする。このn値は、各グループにおける車両の位置(何台目の車両か)を示す値である。しかしながら、第1車群と第2車群とでは、n値が示す位置が異なる。図8に示すように、第1車群では、先頭から順番にn=1,2,3・・・が関連付けられている。第1車群では、n=1は大型車CL1であり、n=2は大型車CL2であり、n=3は大型車CL3である。一方、第2車群では、最後尾から順番にn=1,2,3・・・が関連付けられている。第2車群では、n=3は小型車CS1であり、n=2は小型車CS2であり、n=1は小型車CS3である。
なお、ステップS40のn値は、最初に最終加入位置決定処理を実行する場合、初期値である1とする。しかしながら、二回目以降に実行する場合は、後ほど説明するステップS44で設定した値となる。
ステップS41では、加入車の離脱地点が、n台目の離脱地点と同じ、若しくはn台目の離脱地点よりも近いか否かを判定する。加入処理部14は、n台目の離脱地点と同じ、若しくはn台目の離脱地点よりも近いと判定した場合はステップS42に進み、n台目の離脱地点と同じ、若しくはn台目の離脱地点よりも近いと判定しなかった場合はステップS43へ進む。
最初にステップS41の判定を行う場合はn=1となる。よって、加入車の離脱地点と、n=1の車両の離脱地点とを比較する。そして、加入車の離脱地点が、n=1の車両の離脱地点と同じか、若しくはn=1の車両の離脱地点よりも近い場合はステップS42へ進む。加入車の離脱地点が、n=1の車両の離脱地点と同じではなく、n=1の車両の離脱地点よりも通り場合はステップS43へ進む。なお、n=1の車両の離脱地点は、この車両が含まれているグループ内において、最も現在位置から近い地点である。
なお、二回目以降にステップS41の判定を行う場合は、後ほど説明するステップS44での処理によって、n=2,3,4・・となる。
ステップS42では、nの位置を加入位置に決定する。最初に行ったステップS41の判定でYES判定となった場合は、n=1の位置を加入位置に決定する。また、二回目に行ったステップS41の判定でYES判定となった場合は、n=2の位置を加入位置に決定する。以下、同様に、nの位置を加入位置に決定する。
このステップS42での処理が終了すると、図6のフローチャートのステップS35へ進む。図6のステップS35では、n=mであるか否かを判定する。そして、n=mであると判定した場合は加入位置決定処理を終了し、n=mでないと判定した場合はステップS34に戻る。つまり、加入車の離脱地点と、加入先グループの全ての車両の離脱地点との比較が終わった場合(n=mの場合)は加入位置決定処理を終了し、比較が終わってない場合(n≠mの場合)はステップS34へ戻る。
なお、ステップS35は、加入位置が決定したか否かを判定するものであってもよい。つまり、ステップS35では、加入位置が決定したと判定した場合は加入位置決定処理を終了し、加入位置が決定していないと判定した場合はステップS34へ戻る。よって、ステップS42,S45を経てステップS35の判定を行う場合は、YES判定となり加入位置決定処理を終了する。一方、ステップS44を経てステップS35の判定を行う場合は、NO判定となりステップS34へ戻る。
ステップS43では、n=mであるか否かを判定する。そして、n=mであると判定した場合はステップS45へ進み、n=mでないと判定した場合はステップS44へ進む。
ステップS44では、n=n+1として最終加入位置決定処理を終了する。つまり、このステップS44では、次に最終加入位置決定処理を実行する際のn値を設定する。ステップS44での処理が終了すると、図6のフローチャートのステップS35へ進む。ステップS44での処理を経た場合、n≠mとなっているため、ステップS35ではNO判定となる。よって、再度、最終加入位置決定処理を実行することになる。
ステップS45では、m+1の位置を加入位置に決定する。このステップS45での処理が終了すると、図6のステップS35へ進む。ステップS45での処理を経た場合、n=mとなっているため、ステップS35ではYES判定となる。よって、加入位置決定処理を終了することになる。
ここで、図9に示す例を用いて、最終加入位置決定処理に関して説明する。なお、加入車CS4の加入先グループのn=1台目の車両は、小型車CS3である。この小型車CS3の離脱地点は地点Bである。一方、加入車CS4の離脱地点は地点Eである。よって、最初に最終加入位置決定処理を実行した場合、ステップS41では、NO判定となる。また、ステップS43では、n≠3であるためNO判定となる。そして、ステップS44では、n=n+1として最終加入位置決定処理を終了する。
次に、二回目に最終加入位置決定処理を実行した場合、n=2である車両は小型車CS2である。この小型車CS2の離脱地点は地点Cである。よって、ステップS41では、NO判定となる。また、ステップS43では、n≠3であるためNO判定となる。そして、ステップS44では、n=n+1として最終加入位置決定処理を終了する。
更に、三回目に最終加入位置決定処理を実行した場合、n=3である車両は小型車CS1である。この小型車CS1の離脱地点は地点Dである。よって、ステップS41では、NO判定となる。また、ステップS43では、n=3となるためYES判定となる。そして、ステップS45では、n=m+1の位置を加入位置に決定して最終加入位置決定処理を終了する。図9のタイミングt1に示すように、加入車CS4の加入位置200は、m+1の位置、つまり、CS1の直前の位置に決定される。
また、図示は省略するが、大型車が隊列に加入する場合も同様に処理がなされる。例えば、図8示す隊列に対して、離脱地点が地点Aである大型車が加入を希望している場合に関して説明する。この場合、ステップS31において、加入先グループとして第1車群が算出される。その後、ステップS32,S33の処理を実行する。
そして、ステップS34の最終加入位置決定処理を実行する。まず、最初に最終加入位置決定処理を実行した場合、n=1である車両は大型車CL1である。この大型車CL1の離脱地点は地点Bである。一方、加入車の離脱地点は地点Aである。よって、ステップS41では、YES判定となる。従って、n=1の位置を加入位置に決定する。つまり、現在の隊列における大型車CL1の位置を加入位置に決定する。
なお、隊列車両の加入処理部14は、加入位置決定処理が完了すると、決定した加入車の位置や、各車群の台数や、隊列の走行経路などを反映させるために、自身が保持してきる隊列情報を更新する。この隊列情報は、各隊列車両の夫々が更新するものである。また、各隊列車両が保持している隊列車両は、全て同じである。しかしながら、各隊列車両のECU10は、誤処理などすることもありうる。このように、ECU10が誤処理などした場合、隊列情報が他の隊列車両のECU10が保持している隊列情報と異なる可能性がある。そこで、隊列車両の加入処理部14は、更新した隊列情報を、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して他の隊列車両に送信するようにしてもよい。そして、各隊列車両のECU10は、自身が保持している隊列情報と、他の隊列車両から受信した隊列情報とを比較して、自身が保持している隊列情報と、他の隊列車両から受信した隊列情報とが一致しているか否かを判定する(例えば、多数決などによって判定する)。このとき、ECU10は、自身が保持している隊列情報と、他の隊列車両から受信した隊列情報とが不一致であると判定した場合は、自身が保持している隊列情報を、他の隊列車両から受信した隊列情報(正しいと思われる隊列情報)で書き換える。このようにすることによって、各隊列車両が保持している隊列車両を、全て同じ情報にすることができる。なお、この隊列情報の更新及び送信は、加入位置決定処理が完了した後であれば、どのタイミングで行ってもよい。
なお、本発明は、ここで採用した加入位置決定処理に限定されない。隊列走行システムは、複数の車両から各車両の投影面積を示す投影面積情報を取得して、投影面積情報に基づいて、投影面積が大きい車両から順に隊列の先頭から配置することで、隊列を編成するものであれば採用することができる(隊列編成手段)。つまり、隊列走行システムは、グループ分けや、離脱地点を考慮することなく、投影面積が大きい車両から順に隊列の先頭から配置することで、隊列を編成するものであれば採用することができる。この場合、隊列車両のECU10(加入処理部14)は、隊列情報を有しており、加入車のECU10から加入車情報を取得するので、隊列における加入位置200を検出することができる(加入検出手段)。
このようにして、加入位置決定処理が終了すると、図5のステップS24以降の処理を実行する。ステップS24では、周辺車情報を発信する。隊列車両の加入処理部14は、加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入車に対して自車の車両情報を送信する。
このステップS24に対応して、ステップS13では、周辺車両情報を受信する。加入車の加入処理部14は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、隊列車両から送信された周辺車両情報を受信する。
ステップS25では、加入位置情報を発信する。隊列車両の加入処理部14は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、加入車に対して加入位置情報を送信する。よって、図3における加入処理前の各種情報は、この加入位置情報を含むものである。この加入位置情報は、隊列における加入車が加入する位置を示す情報である。
このステップS25に対応して、ステップS14では、加入位置情報を受信する。加入車の加入処理部14は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、隊列車両から送信された加入位置情報を受信する。
なお、加入位置情報は、加入車の乗員に対して加入位置を知らせることができる情報であればよい。例えば、隊列の先頭から何台目を示す加入位置情報を用いることができる。また、この時点で、加入車が隊列情報を有している場合は、加入先グループとn値を示す加入位置情報を用いることができる。
ステップS15及びステップS26では、加入車と隊列車両とで同期処理を行う。この同期処理は、隊列に加入車を参加させるために、加入車と隊列車両とで同期を取ると共に、隊列車両間で同期を取る処理である。加入車の加入処理部14と隊列車両の夫々における加入処理部14は、各車両に設けられたアンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、隊列加入処理の同期を取る。ステップS16及びステップS27では、加入車と隊列車両の夫々は、隊列加入処理を行う(第1駆動手段、減速手段)。
なお、ステップS26及びステップS27では、隊列への新たな車両の加入時に、隊列を構成する各車両同士(隊列車両間)の車間距離を所定の車間距離に調整する(車間距離調整手段)。また、隊列への新たな車両の加入時には、加入位置の直前の車両と加入位置の直後の車両との車間距離を、加入車が加入可能な車間距離に調整する(車間距離調整手段)。さらに、隊列への新たな車両の加入時には、隊列を構成している車両のうち加入位置よりも後方の隊列車両を減速対象車として減速させることで車間距離を調整する(車間距離調整手段)。ここでの隊列を構成する車両とは、車両が加入する前の隊列車両を示す。
なお、各減速対象車は、減速する際に、直後の減速対象車に対して、減速することを通知するようにしてもよい。このとき、各減速対象車のECU100は、通信装置20を用いた車車間通信によって通知する。これによって、減速の通知を受けた各減速対象車は、スムーズに減速制御に移行することができる。また、以下においても同様に、各減速対象車は、減速することを通知するようにしてもよい。
上述のように、隊列走行システムでは、複数の車両に対して、各車両同士に所定の車間距離を隔てさせて隊列走行させる。この車間距離は、予め設定されており、設定距離と称することもできる。また、加入車が加入可能な車間距離とは、図9に示す加入スペース210に相当する。よって、ステップS26及びステップS27では、隊列への新たな車両の加入時に、加入位置よりも後方の隊列車両を減速対象車として減速させることで、加入スペース210を確保しつつ、車間距離を設定距離に調整すると言い換えることができる。
ここで、図9の例を用いて、この隊列加入処理を説明する。図9の例では、タイミングt1に示すように、現在の小型車CS1の位置、言い換えると、大型車CL3と小型車CS1との間が加入位置200に決定した。
図9の例では、加入位置200は、隊列の先頭或いは最後尾でない。このような場合、加入車CS4を参加させるために、加入位置200の前後の車両間に加入スペース210を設ける必要がある。つまり、隊列に新たな車両が加入する場合、隊列に加入する車両である加入車のために、加入スペース210を確保する必要がある。
そこで、タイミングt2に示すように、加入位置200の後方の隊列車両である小型車CS1〜CS3は、減速して加入スペース210を確保する(減速制御、減速手段、車間距離調整手段)。このとき、小型車CS1〜CS3に設けられた加入処理部14は、出力部16を介して走行系装置80に一定速度で減速することを示す駆動情報を出力する(第1駆動手段)。つまり、本発明は、隊列への新たな車両の加入時に、隊列を構成する車両を減速させることで車間距離を調整する。
なお、小型車CS1〜CS3は、減速して加入スペース210を確保できると、一定速度で加速して減速前の速度に戻すと好ましい。このとき、小型車CS1〜CS3に設けられた加入処理部14は、出力部16を介して走行系装置80に一定速度で加速することを示す駆動情報を出力する。ただし、ここでの加速は、加入スペース210を確保するために減速させた車両(ここでは小型車CS1〜CS3)の速度を、減速前の速度に戻すためである。よって、この車両の速度は、減速前の速度を上回る速度ではない。
ここで、周辺情報センサ40として、前方の車両との車間距離を検出するセンサを採用した場合において、加入スペース210を確保するために減速対象車を減速させる方法に関して説明する。なお、減速対象車のうち、加入位置200の直後の車両を直後車とも称する。
各隊列車両のECU10は、周辺情報センサ40から前方車両との車間距離を示す情報を取得する(第1取得手段)。そして、直後車におけるECU10は、車間距離を示す情報を用いて直前の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を車両が加入可能な車間距離に調整する(車間距離調整手段)。また、その他の減速対象車におけるECU10は、車間距離を示す情報を用いて直前の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。
詳述すると、各隊列車両におけるECU10の加入処理部14は、入力部12を介して、周辺情報センサ40から前方車両との車間距離を示す情報を取得する。そして、直後車の加入処理部14は、取得した情報を用いて自車の直前の車両との車間距離を確認しつつ、出力部16を介して走行系装置80に減速することを示す駆動情報を出力して自車を減速させる。直後車の加入処理部14は、このように自車を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を車両が加入可能な車間距離に調整する。なお、車両が加入可能な車間距離は、加入車の体格や、加入車の台数によって、予め設定しておくことができる。
一方、その他の減速対象車の加入処理部14は、取得した情報を用いて自車の直前の車両との車間距離を確認しつつ、出力部16を介して走行系装置80に減速することを示す駆動情報を出力して自車を減速させる。その他の減速対象車の加入処理部14は、このように自車を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を設定距離に調整する。
つまり、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、加入位置200よりも後方の全車両を減速対象車として減速させることで、車間距離を調整する(車間距離調整手段)。このとき、隊列走行システムは、加入位置200の直前の車両と加入位置200の直後の車両との車間距離を、車両が加入可能な車間距離に調整する(車間距離調整手段)。さらに、隊列走行システムは、各減速対象車同士の車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。
このように、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、各減速対象車が自身で車間距離を検出して、加入スペース210を確保することができる。つまり、各減速対象車は、他車両と車車間通信を行うことなく、加入スペース210を確保することができる。よって、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用することで、車車間通信による応答遅れなどの影響を受けにくいので、車間距離を調整する際の精度を向上させることができる。
なお、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40は、既に市場に流通しているレーダークルーズ用のセンサを流用できる。このため、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用することで、特別な周辺情報センサを用いる必要がなく低コストで実現できる。
次に、周辺情報センサ40として、後方の車両との車間距離を検出するセンサを採用した場合において、加入スペース210を確保するために減速対象車を減速させる方法に関して説明する。
各隊列車両のECU10は、周辺情報センサ40から後方車両との車間距離を示す情報を取得する(第2取得手段)。また、各隊列車両のECU10は、取得した車間距離を示す情報を、通信装置20を用いた車車間通信によって、自車の直後の車両に送信する(第2送信手段)。なお、各隊列車両のECU10は、取得した車間距離を示す情報を送信する場合、所定の時間毎に逐次送信する。
そして、直後車のECU10は、自車の直前の車両から送信された車間距離を示す情報を用いて、直前の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させる(車間距離調整手段)。つまり、加入位置200の直後の車両が減速対象車である。そして、直後車のECU10は、車両を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を車両が加入可能な車間距離に調整する(車間距離調整手段)。
詳述すると、各隊列車両におけるECU10の加入処理部14は、入力部12を介して、周辺情報センサ40から後方車両との車間距離を示す情報を取得する。加入処理部14は、取得した車間距離を示す情報を、通信部11及び通信装置20を介して、自車の直後の車両に送信する。
そして、直後車の加入処理部14は、取得した情報を用いて自車の直前の車両との車間距離を確認しつつ、出力部16を介して走行系装置80に減速することを示す駆動情報を出力して自車を減速させる。直後車の加入処理部14は、このように自車を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を車両が加入可能な車間距離に調整する。
つまり、隊列走行システムは、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、加入位置の直後の車両を減速対象車として減速させることで車間距離を調整する(車間距離調整手段)。このとき、隊列走行システムは、加入位置200の直前の車両から送信された情報が示す車間距離を、車両が加入可能な車間距離に調整する(車間距離調整手段)。なお、加入位置200の直前の車両から送信された情報が示す車間距離とは、加入位置200の直前の車両と加入位置200の直後の車両との車間距離に相当する。
さらに、隊列走行システムは、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、加入位置よりも後方の全車両を減速対象車としてもよい。つまり、隊列走行システムは、隊列における加入位置200よりも後方の全車両を減速対象車として減速させて、各車両同士の車間距離を所定の車間距離に調整してもよい(車間距離調整手段)。この場合、直後車のECU10は、上述と同様に車間距離を調整する。
一方、その他の減速対象車におけるECU10は、自車の直前の車両から送信された車間距離を示す情報を用いて、直前の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させることで、直前の車両との車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。詳述すると、その他の減速対象車の加入処理部14は、取得した車間距離を示す情報を用いて、自車の直前の車両との車間距離を確認しつつ、出力部16を介して走行系装置80に減速することを示す駆動情報を出力して自車を減速させる。この加入処理部14は、このように自車を減速させることで、自車の直前の車両との車間距離を設定距離に調整する。なお、自車の直前の車両から送信された情報が示す車間距離とは、自車と直前の車両との車間距離に相当する。
さらに、隊列走行システムは、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、加入スペース210が確保できた際には、減速対象車を加速させて、減速対象車の速度を減速前の速度に戻すようにしてもよい。つまり、隊列走行システムは、加入スペース210が確保できた場合、減速対象車を所定の速度に戻すことで、隊列を構成する各車両同士の車間距離を所定の車間距離に調整するようにしてもよい(車間距離調整手段)。
この場合、加入位置200の直後の減速対象車におけるECU10は、直前の車両との車間距離が、車両が加入可能な車間距離になった場合、自車を加速させることで、自車の速度を所定の速度に戻す。このとき、その他の減速対象車におけるECU10は、自車を加速させることで、自車の速度を所定の速度に戻し、直前の車両との車間距離を設定距離に調整する。
詳述すると、直後車の加入処理部14は、自車の直前の車両との車間距離が、車両が加入可能な車間距離になったと判断すると、出力部16を介して走行系装置80に加速することを示す駆動情報を出力して自車を加速させる。直後車の加入処理部14は、このように自車を加速させることで、自車の速度を所定の速度に戻す。
一方、その他の減速対象車の加入処理部14は、自車の直前の車両との車間距離が、設定距離になったと判断すると、出力部16を介して走行系装置80に加速することを示す駆動情報を出力して自車を加速させる。直後車の加入処理部14は、このように自車を加速させることで、自車の速度を所定の速度に戻す。
このようにすることで、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合であっても、車両を減速させて、加入スペース210を確保することができる。
なお、現在の車両では、後方監視には近距離レーダーを採用することが主流である。しかしながら、周辺情報センサ40として、上記レーダークルーズ用のセンサを車両の後方に設けることによって、この隊列走行システムを実現できる。また、この隊列走行システムでは、近距離レーダーではなく、レーダークルーズ用のセンサを採用することによって、近距離レーダーを採用した場合よりも、検出精度を向上することができる。
ここまでに説明したようにして加入スペース210が確保できると、図9のタイミングt3に示すように、加入車CS4は、加入スペース210に入る。このとき、加入車CS4に設けられた加入処理部14は、出力部16を介して走行系装置80に対して、小型車CS4の加入前の位置から加入スペース210に走行することを示す駆動情報を出力する。従って、加入時は、隊列内の加入位置200より後方の隊列車両が、一定速度で徐々に減速して加入スペース210を構成しつつ、空間構成完了に近づくと徐々に加速し元の一定速に戻り、その空間に加入車が加入することで隊列が再編成される。
このように、隊列車両を減速させて加入スペース210を確保することによって、加入位置200の前方の車両を加速させて加入スペース210を確保するよりも、走行抵抗を低減することができ、消費エネルギーの悪化を抑制することができる。また、消費エネルギーの悪化を抑制することができるため、隊列に参加している車両の走行距離を伸ばすことができる。
また、加入位置200の前方の車両を加速させて加入スペース210を確保する場合、隊列の速度を上回る速度で、加入位置200の前方の車両を走行させる必要がある。しかしながら、加入位置200の前方の車両が非力な場合(例えば軽自動車などの場合)は、加入スペース210を確保することが困難となることも考えられる。これに対して、本発明は、隊列車両を減速させて加入スペース210を確保するので、加入位置200の前方の車両が非力な場合であっても、加入スペース210を確保できる。
また、一般的に、各種交通インフラには、法定速度が設定されている。このため、通常の隊列走行速度は、加速時の速度余裕度を確保する為に、法定速度に対して一定速度低くした速度が設定されことが考えられる。例えば、法定速度が80km/hの道路であれば、通常の隊列走行速度は、70km/h程度に設定される。従って、通常の隊列走行速度では、時間的な移動効率が低下する可能性がある。
これに対して、本発明の隊列走行システムは、隊列に参加している車両の時間的な移動効率を向上させることが出来る。上述のように、本発明の隊列走行システムは、加入スペース210を確保する際に、隊列車両を減速させて加入スペース210を確保するので、加速時の速度余裕度を確保する必要がない。よって、本発明の隊列走行システムでは、隊列走行速度を法定速度に設定することができる。なお、本発明の隊列走行システムは、加入時に限らず、離脱時及び再編成時においても、隊列に参加している車両の時間的な移動効率を向上させることが出来る。
このように、隊列走行システムは、車両の投影面積に基づいて、投影面積が大きい方の車群を先頭グループとし、投影面積が小さい方の車群を最後尾グループとする。そして、隊列走行システムは、このような隊列に対して加入車が加入する際には、加入車の投影面積で加入先グループを決めるとともに、加入車の離脱地点と加入先グループに含まれる車両の離脱地点とで、加入先グループにおける加入車の加入位置を決定する。
さらに、隊列走行システムは、離脱地点情報に基づいて、複数の車両の各車群における位置を決定する。具体的には、隊列走行システムは、隊列の先頭グループである第1車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように、加入車の加入位置を決定する。つまり、先頭車群においては、離脱地点が近い順に、隊列の先頭から配置されるように位置を決定する。一方、隊列走行システムは、隊列の最後尾グループである第2車群では、逆に離脱地点が近い車両ほど隊列における後方、すなわち、進行方向に対して後方(最後尾側)となるように、加入車の加入位置を決定する。つまり、最後尾車群においては、離脱地点が近い順に、隊列の最後尾から配置されるように位置を決定する。
これによって、本実施形態における隊列走行システムでは、隊列の先頭或いは隊列の最後尾から車両が離脱する隊列を編成することができる。なお、離脱地点が近いとは、離脱地点が現在位置から近いことを示す。よって、離脱地点が近いとは、現在位置から離脱地点までの走行距離が短いと言い換えることもできる。
なお、ここでは、加入車が隊列に参加する例を採用している。しかしながら、図5〜図7のフローチャートは、新たに隊列を編成する際にも適用することができる。例えば、図8に示す隊列を新たに編成する際にも適用することができる。この場合、隊列走行を希望する複数の車両に設けられた加入処理部14は、上述の加入発信処理と加入受信処理の両方の処理を実行する。これによって、隊列走行システムは、隊列の先頭グループである第1車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方に配置し、隊列の最後尾グループである第2車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における後方に配置する。この結果、隊列走行システムは、例えば図8に示すような隊列を新たに編成することができる。
つまり、隊列全体でみると、隊列の先頭から隊列の中盤に向かって、離脱地点が遠くなるように車両が配置されており、更に、隊列の最後尾から隊列の中盤に向かって、離脱地点が遠くなるように車両が配置されている。つまり、隊列走行システムでは、隊列の先頭、及び隊列の最後尾の少なくともいずれか一方から車両が離脱する隊列を編成することができる。
また、隊列の先頭グループである第1車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方に配置し、隊列の最後尾グループである第2車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における後方に配置することを、編成ルールと言い換えることができる。よって、隊列走行システムは、この編成ルールに従って隊列を編成すると言い換えることができる。
次に、図8、図10、図11を用いて、隊列走行制御装置10の離脱時処理に関して説明する。図11に示すように、大型車CL1と小型車CS3が図8に示す隊列から離脱する場合を一例として説明する。
図10に示す、ステップS50〜S58は、離脱処理部15が実行する離脱発信処理を示すものである。離脱処理部15は、ユーザインターフェース60から入力部12を介して、隊列離脱意思情報が入力されると、隊列離脱意思があるとみなして離脱発信処理を実行する。このように、この離脱発信処理は、隊列から離脱する車両に搭載されたECU10の離脱処理部15が実行する処理である。以下、隊列から離脱する車両を離脱車とも称する。図11の例では、大型車CL1に搭載されたECU10の離脱処理部15と、小型車CS3に搭載されたECU10の離脱処理部15とが実行する処理である。
なお、ナビゲーション装置30は、現在位置から離脱位置までの残り距離を所定時間毎に算出し、離脱位置までの残り距離が所定値に達した場合に、隊列離脱意思情報を出力するようにしてもよい。この場合、隊列車両に搭載されたECU10の離脱処理部15は、ナビゲーション装置30から入力部12を介して、隊列離脱意思情報が入力されると、離脱発信処理を実行する。なお、ここでの離脱位置とは、隊列が走行する経路上の位置を示す。
一方、ステップS60〜S67は、離脱処理部15が実行する離脱受信処理を示すものである。離脱処理部15は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、他車離脱意思情報が入力されると、現在の隊列から離脱を希望している車両があるとみなして離脱受信処理を実行する。このように、この離脱受信処理は、離脱車以外の隊列車両に搭載されたECU10の離脱処理部15が実行する処理である。図11の例では、大型車CL2,CL3,小型車CS1,CS2の夫々に搭載されたECU10の離脱処理部15が実行する処理である。なお、図3における、通信部11から離脱処理部15に出力される離脱処理前の各種情報は、他車離脱意思情報を含むものである。また、離脱車以外の隊列車両は、離脱車が隊列から離脱した後も、隊列に残る隊列車両であり、以下、離脱車以外の隊列車両を非離脱車とも称する。
ステップS50では、離脱意思、離脱車情報を発信する。離脱処理部15は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱意思を示す離脱情報と、離脱車情報としての自車の車両情報を送信する。よって、図3における、離脱処理部15から通信部11に出力される離脱処理前の各種情報は、この離脱情報や車両情報を含むものである。
ステップS51では、離脱位置情報を発信する。離脱処理部15は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱位置情報、つまり、隊列における自車の位置を示す情報を送信する。よって、図3における、離脱処理部15から通信部11に出力される離脱処理前の各種情報は、この離脱位置情報を含むものである。
図11の例では、大型車CL1に搭載されたECU10の離脱処理部15は、離脱情報、車両情報、及び離脱位置情報(第1車群のn=1を示す情報)を送信する。また、小型車CS3に搭載されたECU10の離脱処理部15は、離脱情報、車両情報、及び離脱位置情報(第2車群のn=1を示す情報)を送信する。
これに対応して、非離脱車に搭載されたECU10の離脱処理部15は、ステップS60の処理を実行する(離脱検出手段)。ステップS60では、離脱位置情報を受信する。このとき、離脱処理部15は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、離脱位置情報を受信する。なお、隊列車両のECU10は、隊列情報を有しており、離脱車のECU10から離脱位置情報を取得するので、隊列における離脱車の位置を検出することができる(離脱検出手段)。
ステップS61では、離脱情報受信の応答を行う。このとき、離脱処理部15は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱車に対して、離脱情報を受信したことを示す応答情報を発信する。このように、図3における、離脱処理部15から通信部11に出力される離脱処理前の各種情報は、この応答情報を含むものである。
ステップS62では、他の離脱車有無を確認する。そして、ステップS63では、他の離脱車が有ると判定した場合はステップS62に戻り、他の離脱車がないと判定した場合はステップS64へ進む。なお、図示は省略するが、離脱処理部15は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱車に対して、他の離脱車有無を確認した結果を送信する。
なお、マルチマスタ方式の場合、隊列に参加している各車両に搭載されたECU10は、同じ情報を有しており、この情報を他の隊列車両に搭載されたECU10とやり取りする。このため、離脱予定の車両に搭載されたECU10から離脱情報が発信された場合に、それに同期して他の離脱予定の車両に搭載されたECU10も離脱情報を発信する。これによって、他の離脱車有無を確認することができる。
また、マルチマスタ方式であれば、隊列車両に搭載されたECU10は、他車の離脱地点情報を有しているので、同地点で離脱する車両は予め分かっており、他の離脱車有無を確認することができる。
更に、後ほど説明するマスタースレーブ方式の場合、マスタ車両に搭載されたECU10は、スレーブ車両に搭載されたECU10から離脱情報を受信する。これによって、他の離脱車有無を確認することができる。
ステップS64では、離脱承諾情報を発信する。このとき、離脱処理部15は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱車に対して、離脱承諾情報を発信する。
一方、ステップS52では、非離脱車からの応答有無を判定する。離脱処理部15は、上述のステップS61で発信された応答情報を受信したか否かによって、非離脱車からの応答有無を判定する。離脱処理部15は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、応答情報を受信した場合は非離脱車からの応答有りと判定してステップS53へ進む。一方、離脱処理部15は、応答情報を受信してない場合は非離脱車からの応答無しと判定してステップS57へ進む。このように、図3における、通信部11から離脱処理部15に出力される離脱処理前の各種情報は、この応答情報を含むものである。
ステップS57では、受信タイムアウトであるか否かを判定する。離脱処理部15は、ステップS50、S51において離脱情報、車両情報、離脱位置情報を送信してから所定時間が経過したか否かによって受信タイムアウトであるか否かを判定する。つまり、離脱処理部15は、ステップS50において離脱意思と離脱車情報を送信してから所定時間内に、周辺車両からの応答が有ったか否かによって受信タイムアウトであるか否かを判定する。離脱処理部15は、これらの情報を送信してから所定時間が経過していない場合は受信タイムアウトでないと判定してステップS52へ戻り、所定時間が経過している場合は受信タイムアウトと判定してステップS58へ進む。
ステップS58では、離脱処理部15は、離脱異常処理を行う。ステップS50、S51において離脱情報、車両情報、離脱位置情報を送信したにもかかわらず、周辺車両からの応答がないこともありうる。このような場合、隊列状態としては異常であり、隊列から正常に離脱できない。そこで、離脱処理部15は、離脱異常処理の一例として、隊列走行を中止して、マニュアル走行モードへ移行させる。つまり、車両の運転者に対して、アクセル操作、ステアリング操作によって隊列から離脱するように指示する。なお、このステップS52,S57,S58は省略することも可能である。
ステップS53では、他の離脱車確認が完了か否かを判定する。このとき、離脱処理部15は、非離脱車から送信された、他の離脱車有無を確認した結果に基づいて判定する。そして、他の離脱車有無が完了したと判定した場合はステップS54へ進み、まだ完了していないと判定した場合はステップS53での判定を繰り返す。ステップS54では、離脱承諾情報を受信する。このとき、離脱処理部15は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して離脱承諾情報を受信する。
ステップS55及びステップS65では、離脱車と非離脱車とで同期処理を行う。この同期処理は、隊列から離脱を希望している車両を離脱させるために、離脱車と非離脱車とで同期を取ると共に、隊列車両間(非離脱車間)で同期を取る処理である。離脱車の離脱処理部15と非離脱車の夫々における離脱処理部15は、各車両に設けられたアンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、隊列加入処理の同期を取る。
ステップS56及びステップS65では、離脱車と非離脱車の夫々は、隊列離脱処理を行う。ここで、図11の例を用いて、この隊列離脱処理を説明する。図11の例では、タイミングt2に示すように、隊列が大型車CL1と小型車CS3の離脱地点である地点Bに到着すると、大型車CL1と小型車CS3とが隊列から離脱する。なお、タイミングt3に示すように、大型車CL1と小型車CS3とが離脱した後の隊列は、大型車CL2,CL3、及び小型車CS1,CS2で編成されることになる。
上述のように、隊列走行システムでは、隊列の先頭或いは隊列の最後尾から車両が離脱する隊列を編成することができる。よって、ステップS56及びステップS65における隊列離脱処理では、隊列の先頭、及び隊列の最後尾の少なくともいずれか一方から車両を離脱させることができる。本実施形態においては、図11に示すように、隊列の先頭、及び隊列の最後尾から車両を離脱させることができる。
なお、隊列車両の離脱処理部15は、隊列離脱処理が終了すると、離脱後の各隊列車両の位置や、各車群の台数などを反映させるために、自身が保持してきる隊列情報を更新する。つまり、離脱車が隊列から離脱した後、非離脱車の離脱処理部15は、隊列情報を更新する。この更新した隊列情報は、離脱後隊列情報とも称することができる。また、上述のように、隊列車両の離脱処理部15は、更新した隊列情報を、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して他の隊列車両に送信するようにしてもよい。そして、各隊列車両のECU10は、自身が保持している隊列情報と、他の隊列車両から受信した隊列情報とを比較して、自身が保持している隊列情報と、他の隊列車両から受信した隊列情報とが一致しているか否かを判定する。このとき、ECU10は、自身が保持している隊列情報と、他の隊列車両から受信した隊列情報とが不一致であると判定した場合は、自身が保持している隊列情報を、他の隊列車両から受信した隊列情報で書き換える。このようにすることによって、各隊列車両が保持している隊列車両を、全て同じ情報にすることができる。なお、この隊列情報の更新及び送信は、隊列離脱処理が完了した後であれば、どのタイミングで行ってもよい。
ここまで説明したように、隊列走行システムでは、投影面積が第1範囲内である車両を先頭車群に、投影面積が第2範囲内である車両を最後尾車群にグループ分けすることによって、投影面積が第1範囲内である車両の後に、投影面積が第2範囲内である車両を走行させることができる。よって、最後尾車群にグループ分けされた車両は、先頭車群がない場合よりも走行抵抗が低減される。よって、本発明においては、隊列全体の消費エネルギーを低減することができる。
さらに、隊列走行システムは、先頭車群では、離脱地点が近い順に、隊列の先頭から配置されるようにし、最後尾車群では、離脱地点が近い順に、隊列の最後尾から配置されるようにすることで、隊列全体の消費エネルギーが悪化することを抑制することができる。
つまり、上述のように隊列を編成することによって、隊列から車両が離脱する場合、隊列の先頭、及び隊列の最後尾の少なくともいずれか一方から車両が離脱することになる。よって、隊列が崩れる頻度を減らすことができる。言い換えると、隊列から車両が離脱することによって離脱後スペース220が発生する頻度を減らすことができる。
このため、隊列走行システムでは、離脱後スペース220が発生することによって隊列全体の消費エネルギーが悪化することを抑制することができる。言い換えると、隊列走行システムでは、隊列が崩れてから隊列を再構築するまでの間に、隊列全体での消費エネルギーが悪化することを抑制することができる。
しかしながら、本発明は、上記のように、グループ分けや、離脱地点を考慮することなく、投影面積が大きい車両から順に隊列の先頭から配置することで、隊列を編成するものであれば採用することができる。この場合、ステップS56及びステップS65における隊列離脱処理では、隊列の先頭の車両や隊列の最後尾の車両以外の車両が離脱することもありうる。
そこで、ステップS65及びステップS66では、隊列からの車両の離脱時に、隊列を構成する各車両同士(隊列車両間)の車間距離を所定の車間距離に調整する(車間距離調整手段)。特に、隊列からの車両の離脱時には、離脱車の直前の車両と離脱車の直後の車両との車間距離を、所定の車間距離に調整する(車間距離調整手段)。さらに、隊列からの車両の離脱時には、隊列を構成している車両のうち離脱車よりも前方の隊列車両を減速対象車として減速させることで車間距離を調整する(車間距離調整手段、減速手段)。なお、ここでの隊列を構成する車両とは、車両が離脱した後の隊列車両を示す。
ここで、図11のタイミングt1に示す隊列から小型車CS1が離脱した場合を想定して離脱時処理を説明する。図11のタイミングt1に示す隊列から、小型車CS1が離脱した場合、大型車CL3と小型車CS2との間に、離脱後スペース220が出来てしまう。
そこで、離脱車の前方の隊列車両である大型車CL1〜CL3は、減速して離脱後スペース220を小さくする(減速制御、車間距離調整手段)。このとき、大型車CL1〜CL3に設けられた離脱処理部15は、出力部16を介して走行系装置80に一定速度で減速することを示す駆動情報を出力する。つまり、本発明は、隊列からの車両の離脱時に、隊列を構成する車両を減速させることで車間距離を調整する。なお、大型車CL1〜CL3は、減速して離脱後スペース220を小さくすることができると、一定速度で加速して減速前の速度に戻すと好ましい。ただし、ここでの加速は、離脱後スペース220を小さくするために減速させた車両(ここでは大型車CL1〜CL3)の速度を、減速前の速度に戻すためである。よって、この車両の速度は、減速前の速度を上回る速度ではない。
このように、隊列車両を減速させて離脱後スペース220を小さくすることによって、離脱車の後方の車両を加速させて離脱後スペース220を小さくするよりも、走行抵抗を低減することができ、消費エネルギーの悪化を抑制することができる。また、加速の為に更に無駄にエネルギーを消費することを抑制できるため。さらに、隊列に参加している車両の走行距離を伸ばすことができる。
また、離脱車の後方の車両を加速させて離脱後スペース220を小さくする場合、隊列の速度を上回る速度で、離脱車の後方の車両を走行させる必要がある。しかしながら、離脱車の後方の車両が非力な場合(例えば軽自動車などの場合)は、離脱後スペース220を小さくすることが困難となることも考えられる。これに対して、本発明は、隊列車両を減速させて離脱後スペース220を小さくするので、離脱車の後方の車両が非力な場合であっても、離脱後スペース220を小さくすることができる。
ここで、周辺情報センサ40として、後方の車両との車間距離を検出するセンサを採用した場合において、離脱後スペース220を小さくするために減速対象車を減速させる方法に関して説明する。各隊列車両のECU10は、周辺情報センサ40から後方車両との車間距離を示す情報を取得する(第2取得手段)。
そして、離脱後スペース220よりも前方の減速対象車におけるECU10は、車間距離を示す情報を用いて直後の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させることで、自車の直後の車両との車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。特に、離脱後スペース220の直前の減速対象車におけるECU10は、車間距離を示す情報を用いて、自車の直後の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させることで、離脱後スペース220を小さくする(車間距離調整手段)。つまり、離脱後スペース220の直前の減速対象車におけるECU10は、直後の車両との車間距離を設定距離に調整する。
なお、隊列から車両が離脱する際の処理は、離脱処理部15が主体となって行う処理である。また、離脱処理部15は、車間距離を示す情報を取得する際、車間距離を示す情報を送信する際、及び自車を加減速させる際、加入処理部14と同様に行う。よって、離脱処理部15の詳細な説明は省略する。
つまり、隊列走行システムは、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、離脱車よりも前方の全車両を減速対象車として減速させることで、車間距離を調整する(車間距離調整手段)。このとき、隊列走行システムは、車両が離脱したことによって広がった車間距離を所定の車間距離に戻しつつ、隊列を構成する各車両同士の車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。
このように、隊列走行システムは、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、各減速対象車が自身で車間距離を検出して、離脱後スペース220を小さくすることができる。つまり、各減速対象車は、他車両と車車間通信を行うことなく、離脱後スペース220を小さくすることができる。よって、隊列走行システムは、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、車車間通信による応答遅れなどの影響を受けにくいので、車間距離を調整する際の精度を向上させることができる。
次に、周辺情報センサ40として、前方の車両との車間距離を検出するセンサを採用した場合において、離脱後スペース220を小さくするために減速対象車を減速させる方法に関して説明する。
各隊列車両のECU10は、周辺情報センサ40から前方車両との車間距離を示す情報を取得する(第1取得手段)。また、各隊列車両のECU10は、取得した車間距離を示す情報を、通信装置20を用いた車車間通信によって、自車の直前の車両に送信する(第1送信手段)。なお、各隊列車両のECU10は、取得した車間距離を示す情報を送信する場合、所定の時間毎に逐次送信する。
そして、離脱車の直前の減速対象車におけるECU10は、自車の直後の車両から送信された車間距離を示す情報を用いて、自車の直後の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させる(車間距離調整手段)。つまり、離脱後スペース220の直前の車両が減速対象車である。そして、離脱後スペース220の直前の減速対象車におけるECU10は、車両を減速させることで、自車の直後の車両との車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。このECU10は、車両を減速させる際には、出力部16を介して走行系装置80に減速することを示す駆動情報を出力する。
つまり、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、離脱車の直前の車両を減速対象車として減速させることで車間距離を調整する(車間距離調整手段)。このとき、隊列走行システムは、離脱車の直後の車両から送信された情報が示す車間距離を、設定距離に調整する(車間距離調整手段)。なお、離脱後スペース220の直後の車両から送信された情報が示す車間距離とは、離脱車の直前の車両と離脱車の直後の車両との車間距離に相当する。
さらに、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、離脱車よりも前方の全車両を減速対象車としてもよい。この場合、離脱車の直前の減速対象車におけるECU10は、上述と同様に車間距離を調整する。一方、その他の減速対象車におけるECU10は、自車の直後の車両から送信された車間距離を示す情報を用いて、直後の車両との車間距離を確認しつつ車両を減速させることで、直後の車両との車間距離を設定距離に調整する(車間距離調整手段)。なお、自車の直後の車両から送信された情報が示す車間距離とは、自車と直後の車両との車間距離に相当する。その他の減速対象車におけるECU10は、車両を減速させる際には、出力部16を介して走行系装置80に減速することを示す駆動情報を出力する。つまり、隊列走行システムは、隊列における離脱車よりも前方の全車両を減速対象車として減速させて、各車両同士の車間距離を所定の車間距離に調整してもよい(車間距離調整手段)。
さらに、隊列走行システムは、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合、離脱後スペース220を小さくできた際には、減速対象車を加速させて、減速対象車の速度を減速前の速度に戻すようにしてもよい。つまり、離脱後スペース220の前後の隊列車両の車間距離を設定距離にできた際には、減速対象車を加速させて、減速対象車の速度を減速前の速度に戻すようにしてもよい。
この場合、離脱後スペース220の直前の減速対象車におけるECU10は、直後の車両との車間距離が、設定距離になった場合、自車を加速させることで、自車の速度を所定の速度に戻す。このとき、その他の減速対象車におけるECU10は、自車を加速させることで、自車の速度を所定の速度に戻し、直後の車両との車間距離を設定距離に調整する。減速対象車におけるECU10は、車両を加速させる際には、出力部16を介して走行系装置80に加速することを示す駆動情報を出力する。つまり、隊列走行システムは、離脱後スペース220を小さくできた場合、減速対象車を所定の速度に戻すことで、隊列を構成する各車両同士の車間距離を所定の車間距離に調整するようにしてもよい(車間距離調整手段)。
また、このようにすることで、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用した場合であっても、車両を減速させて、離脱後スペース220を小さくすることができる。
なお、隊列走行システムが編成ルールに従って編成した隊列であっても、隊列から車両が離脱することによって、編成ルールに合致しない隊列になることもありうる。例えば、図13に示すように、第1車群、第2車群に加えて、中型車の車群である第3車群を有する隊列を一例として説明する。なお、第3車群を有する隊列を編成する際の処理に関しては、後ほど説明する。また、図13に示す隊列を離脱前隊列とも称する。
この例では、第1車群は、離脱地点が地点Cである大型車CL1、離脱地点が地点Dである大型車CL2、離脱地点が地点Eである大型車CL3を含む。また、第3車群は、離脱地点が地点Cである中型車CM1、離脱地点が地点Dである中型車CM2、離脱地点が地点Eである中型車CM3を含む。そして、第2車群は、離脱地点が地点Bである小型車CS1、離脱地点が地点Bである小型車CS2、離脱地点が地点Aである小型車CS3を含む。
この隊列は、地点Bを通過した場合、第2車群の全ての車両が隊列から離脱することになる。そして、第2車群の全ての車両が隊列から離脱した後の隊列は、大型車群と中型車群とによって構成される。つまり、離脱後隊列は、大型車CL1〜CL3を含む第1車群と、中型車CM1〜CM3を含む第2車群とから構成されることになる。このように、離脱後隊列の第2車群は、離脱前隊列の第3車群である。
この隊列後隊列の第1車群は、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方に配置されており、編成ルールに合致している。しかしながら、隊列後隊列の第2車群は、離脱地点が近い車両よりも離脱地点が遠い車両が後方に配置されており、離脱地点が近い車両ほど隊列における後方に配置するという編成ルールに合致していない。
このような場合、ECU10は、隊列が編成ルールに合致した隊列となるよう再編成処理を実行する。ここで、図12,図14,図15を用いて、ECU10の再編成処理に関して説明する。なお、図14のタイミングt1に示す隊列は、上述の離脱後隊列を示すものである。
図10に示す、ステップS70〜S74は、管理部13が実行する隊列再編成発信処理を示すものである。管理部13は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して再編成要求情報が入力されると、隊列を再編成する必要があるとみなして隊列再編成発信処理を実行する。又は、管理部13は、ユーザインターフェース60から入力部12を介して再編成要求情報が入力されると、隊列を再編成する必要があるとみなして隊列再編成発信処理を実行する。又は、管理部13は、離脱処理部15から再編成要求情報が入力されると、隊列を再編成する必要があるとみなして隊列再編成発信処理を実行する。一方、ステップS81〜S88は、管理部13が実行する隊列再編成受信処理を示すものである。管理部13は、アンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して隊列再編成情報が入力されると、隊列を再編成する必要があるとみなして隊列再編成受信処理を実行する。この隊列再編成発信処理、隊列再編成受信処理は、離脱後隊列に参加している車両に搭載されたECU10の管理部13が実行する処理である。
ステップS70では、隊列再編成情報を発信する。管理部13は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、隊列再編成情報を送信する。
これに対応して、隊列再編成情報を受信したECU10の管理部13は、ステップS80の処理を実行する。ステップS80では、隊列再編成情報受信の応答を行う。このとき、管理部13は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱後隊列に参加している他車両に対して、隊列再編成情報を受信したことを示す応答情報を発信する。このように、図3における、管理部13から通信部11に出力される再編成処理前の各種情報は、この応答情報を含むものである。
一方、ステップS71では、離脱後隊列に参加している他車両からの応答有無を判定する。管理部13は、上述のステップS80で発信された応答情報を受信したか否かによって応答有無を判定する。管理部13は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、応答情報を受信した場合は応答有りと判定してステップS72へ進む。一方、管理部13は、応答情報を受信してない場合は応答無しと判定してステップS74へ進む。このように、図3における、通信部11から管理部13に出力される再編成前処理の各種情報は、この応答情報を含むものである。
ステップS74では、受信タイムアウトであるか否かを判定する。管理部13は、ステップS70において隊列再編成情報を送信してから所定時間が経過したか否かによって受信タイムアウトであるか否かを判定する。つまり、管理部13は、ステップS70において隊列再編成情報を送信してから所定時間内に、周辺車両からの応答が有ったか否かによって受信タイムアウトであるか否かを判定する。管理部13は、この情報を送信してから所定時間が経過していない場合は受信タイムアウトでないと判定してステップS71へ戻り、所定時間が経過している場合は受信タイムアウトと判定して隊列再編成発信処理を終了する。
一方、隊列再編成受信応答を行った管理部13は、ステップS81において、離脱後隊列に参加している他車両(自車を除く全車)に対して、隊列再編成地点を確認する。このとき、管理部13は、次に車両が離脱する地点で再編成するか、次の休憩地点で再編成するかを確認する。
ECU10は、隊列車両の離脱地点情報を他のECU10と共有しているので、この離脱地点情報によって、次に車両が離脱する地点を認識することができる。また、ECU10は、ナビゲーション装置30によって、中継地点としてサービスエリア、道の駅などが設定されている場合は、次の休憩地点を認識することができる。そして、ECU10は、次に車両が離脱する地点と、次の休憩地点とのうち、近い方を隊列再編成予定地点として認識する。
ステップS82では、管理部13は、隊列再編成地点に到着したか否かを確認する。このとき、管理部13は、ステップS81で確認した隊列再編成地点と、入力部12を介してナビゲーション装置30から取得した現在位置とを比較して、隊列再編成地点に到着したか否かを確認する。そして、隊列再編成地点に到着したと判定した場合はステップS83へ進み、隊列再編成地点に到着してないと判定した場合はステップS85へ進む。なお、隊列車両に搭載されたECU10同士で、隊列が隊列再編成予定地点に到着したことを相互に確認するようにしてもよい。
ステップS85では、隊列再編成が不要となる隊列加入が有るか否かを判定する。管理部13は、現在の隊列に対して参加を希望している車両があり、その車両が隊列に参加することによって、隊列の再編成が不要になるか否かを判定する。そして、隊列再編成が不要となる隊列加入が有ると判定した場合はステップS86へ進み、隊列再編成が不要となる隊列加入が無いと判定した場合はステップS82に戻る。
再編成が必要な隊列に対して、新たな車両が加入することで、再編成を行う必要がなくなる可能性もある。そこで、加入車がある場合、上述の図5に示すステップS10以降の処理、及びステップS20以降の処理が実行される。管理部13は、通信部11から隊列情報を取得して、この隊列情報を確認することで、隊列再編成が不要となる隊列加入車があるか否かを判定することができる。このように、図3において、通信部11から管理部13に出力される再編成中処理の各種情報は、隊列情報を含むものである。
ステップS86では、隊列再編成地点をリセットし隊列走行中の全車に通知する。このとき、管理部13は、通信部11、通信装置20、及びアンテナ21を介して、離脱後隊列に参加している他車両に対して、隊列再編成地点のリセットを示すリセット信号を発信する。
ステップS72、ステップS82では、離脱後隊列に参加している車両間で同期処理を行う。この同期処理は、隊列を再編成するために、離脱後隊列に参加している車両間で同期を取る処理である。離脱後隊列に参加している各車両の管理部13は、各車両に設けられたアンテナ21、通信装置20、及び通信部11を介して、隊列再編成処理の同期を取る。
ステップS73、ステップS84では、離脱後隊列に参加している各車両は、隊列再編成処理を行う(第3駆動手段)。ここで、図14、図15の例を用いて、この隊列再編成を説明する。図14は、次の離脱車がある地点(地点C)で、隊列が走行中に隊列再編成処理を実行する際のイメージ図である。図15は、次の休憩地点で隊列再編成処理を実行する際のイメージ図である。
まず、図14の例を説明する。図14のタイミングt1に示す隊列は、図13に示す隊列が地点Bに到達して、この隊列から第2車群の全ての車両が離脱した場合の離脱後隊列を示すものである。図14に示す隊列は、地点Cに到達すると、大型車CL1と中型車CM1が離脱することになる。
図14に示す隊列から大型車CL1と中型車CM1が離脱した後の離脱後隊列は、隊列再編成処理を実行しない場合、大型車CL2、大型車CL3、中型車CM2、中型車CM3の順で配列されることになる。この離脱後配列は、第1車群が大型車CL2と大型車CL3であり、第2車群が中型車CM2と中型車CM3となり、投影面積が大きい車両が進行方向の前方に配置されているため投影面積の点では問題はない。しかしながら、第2車群において、離脱地点が地点Dである中型車CM2よりも後方に、離脱地点が地点Eである中型車CM3が配置されている。つまり、この離脱後隊列は、地点Dに到達すると、隊列の最後尾に配置されている中型車CM3よりも先に中型車CM2が隊列から離脱するので、隊列が崩れることになる。このように、この離脱後隊列は、本発明における編成ルールと合致しない。
そこで、図14のタイミングt2に示すように、隊列が地点Cに到達すると隊列再編成処理を実行する(第3駆動手段)。なお、隊列が地点Cに到達して、大型車CL1と中型車CM1が離脱すると、隊列の先頭(大型車CL1がいた位置)と、大型車CL3と中型車CM2との間に離脱後スペース220が形成される。この場合、中型車CM2と中型車CM3の走行順を変更するために、中型車CM3は、一旦車線変更する(駆動制御)。その後、この離脱後スペース220に中型車CM3を再加入させる(駆動制御)。
このように、隊列が走行している間に再編成を行うことによって、隊列が崩れる回数を少なくし、エネルギー消費量を減らすことができる。
なお、必要に応じて、大型車CL3と中型車CM2との間に、中型車CM3が入れる程度の加入スペース210を設けるようにしてもよい。このように、一旦車線変更させた車両を再加入させる際には、再加入位置の後方に配置されている車両を減速させて再加入のための加入スペース210を設けると好ましい。このようにすることによって、車両を加速させてスペースを設けるよりも、走行抵抗を低減することができ、隊列全体の消費エネルギーの悪化を抑制することができる。
また、隊列再編成処理を行った場合、車間距離が必要以上に開いてしまうこともありうる。このような場合、車両を減速させて、必要以上に開いた車間距離を縮めると好ましい。図14の例の場合、隊列再編成処理のために車両位置の入れ替えを行なっていない第1車群と、車両位置の入れ替えを行なった第2車群とは、車間距離が必要以上に開いてしまうこともありうる。よって、第1車群の大型車CL2,大型車CL3は、減速して、第2車群との車間距離を縮めると好ましい。このようにすることによって、車両を加速させて車間距離を縮めるよりも、走行抵抗を低減することができ、隊列全体の消費エネルギーの悪化を抑制することができる。
つまり、隊列再編成処理時には、隊列車両が一時的に隊列から離脱したり、隊列から一時的に離脱していた隊列車両が再び隊列に加入したりすることが起こりうる。このような場合、ステップS72,S73,S83,S84では、上述のS26,S27や、S65,S66と同様の処理を行うようにしてもよい。
例えば、ステップS72,S73,S83,S84では、隊列から一時的に離脱していた隊列車両が再び隊列に加入する場合、隊列を構成する各車両同士(隊列車両間)の車間距離を所定の車間距離に調整する(車間距離調整手段)。また、隊列への新たな車両の加入時には、加入位置の直前の車両と加入位置の直後の車両との車間距離を、加入車が加入可能な車間距離に調整する(車間距離調整手段)。さらに、隊列への新たな車両の加入時には、隊列を構成している車両のうち加入位置よりも後方の隊列車両を減速対象車として減速させることで車間距離を調整する(車間距離調整手段、減速手段)。このようにすることで、上述のステップS26,S27で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
また、ステップS72,S73,S83,S84では、隊列車両が一時的に隊列から離脱する場合、隊列を構成する各車両同士(隊列車両間)の車間距離を所定の車間距離に調整する(車間距離調整手段)。特に、隊列からの車両の離脱時には、離脱車の直前の車両と離脱車の直後の車両との車間距離を、所定の車間距離に調整する(車間距離調整手段)。さらに、隊列からの車両の離脱時には、隊列を構成している車両のうち離脱車よりも前方の隊列車両を減速対象車として減速させることで車間距離を調整する(車間距離調整手段、減速手段)。このようにすることで、上述のステップS65,S66で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
なお、隊列から車両が離脱する際の処理は、管理部13が主体となって行う処理である。また、管理部13は、車間距離を示す情報を取得する際、車間距離を示す情報を送信する際、及び自車を加減速させる際、加入処理部14と同様に行う。よって、管理部13の詳細な説明は省略する。
次に、図15の例を説明する。図15のタイミングt1に示す隊列は、図13に示す隊列が地点Bに到達して、この隊列から第2車群の全ての車両が離脱した場合の離脱後隊列を示すものである。よって、この離脱後隊列は、図15のタイミングt2に示すように地点Cに到達すると、大型車CL1と中型車CM1が離脱して、図15のタイミングt3に示すように本発明における編成ルールと合致しない隊列となる。なお、この離脱後隊列の全車両は、休憩のために、タイミングt4に示すように駐車スペースで一旦駐車するものとする。また、隊列が駐車スペースで一旦駐車したか否かを判定は、ナビゲーション装置30の現在位置と地図データとに基づいて行うことができる。なお、駐車スペースの一例としては、道の駅、パーキングエリア、サービスエリアなど休憩施設の駐車場をあげることができる。
そして、タイミングt5に示すように、休憩を終えて再出発する際に、本発明の編成ルールに合致するように再編成処理を実行する(第3駆動手段)。言い換えると、編成ルールに合致するように、順番に出発させる。図15の例では、大型車CL2、大型車CL3、中型車CM3、中型車CM2の順番で出発させる。
このように、隊列から車両が離脱したことで、編成ルールに合致しない隊列になった場合でも、図12に示す隊列再編成発信処理、隊列再編成受信処理を行うことによって、編成ルールに合致する隊列にすることができる。また、このように、隊列がパーキングエリアやサービスエリアで一旦駐車した後に出発する際に、隊列を再編成することによって、走行負荷が無い場所で再編成することでエネルギー消費量を減らすことができる。
ところで、ここまで説明したように、複数の車両で隊列を編成して走行する場合、隊列全体の消費エネルギーを低減することができる。これは、自車の前方に車両が走行していることによって、自車の空気抵抗が低減されるためである。つまり、隊列の先頭から二台目以降に配置されている車両は、消費エネルギーを抑制することができる。しかしながら、隊列の先頭を走行する車両は、自車の前方に車両が配置されないので、消費エネルギーを抑制することができない。
そこで、隊列の先頭を走行する車両には、インセンティブを与えるようにしてもよい(インセンティブ付与手段)。このようにインセンティブを設けることで、先頭を希望する車両を増加させることができる。この結果、隊列に参加する車両が増えて、隊列全体でのエネルギー消費を少なくすることができる。
なお、インセンティブを与えるためには、ECU10は、隊列情報とナビゲーション装置30から取得した情報とに基づいて、隊列の先頭で走行した走行履歴を示す先頭走行記録を保存しておく(保存手段)。各隊列車両に搭載されたECU10は、隊列情報を有しているため、自車の隊列における位置、他車の隊列における位置を把握することができる。また、各隊列車両に搭載されたECU10は、ナビゲーション装置30から取得した隊列の走行経路から走行距離を計算することができる。よって、ECU10は、隊列の先頭であるときの走行距離を累積することで、先頭走行記録を生成することができる。
そして、ECU10は、通信装置20及びアンテナ21を介して、IDなどの識別情報とともに先頭走行記録を、車両の外部に設けられた管理センターに送信する。管理センターでは、各車両から送信された先頭走行記録における走行履歴に応じて、インセンティブを与える。例えば、管理センターでは、走行履歴に応じてインセンティブを与えるか否かを判定する。そして、管理センターでは、インセンティブの付与を決定した車両(ID)とインセンティブとを関連付けて保存する。このようにすることによって、管理センターでは、隊列走行システムを採用している全ての車両における走行履歴含及び車両情報などを纏めて一括管理することが可能となる。
なお、管理センターとは、ETCシステムの管理センターを採用することができる。この場合、インセンティブとしては、高速道路料金の所定金額割引を採用することができる。つまり、管理センター(インセンティブ付与手段)は、インセンティブとして、高速道路料金の所定金額割引を与える。この高速道路料金の所定金額割引は、即時適応の為、個人、比較的小規模の事業体などメリットを感じやすい。
また、管理センターとは、国や地方自治体の管理センターを採用することができる。この場合、インセンティブとしては、自動車に関わる税金の減税を採用することができる。
つまり、管理センター(インセンティブ付与手段)は、インセンティブとして、自動車に関わる税金の所定減税を与える。この自動車に関わる税金の減税は、まとまった形の為、大規模事業体等がメリットを感じやすい。
さらに、隊列車両に搭載されたECU10は、互いに先頭走行記録の内容が正しいか否かの確認を行って、正しい場合に承認を行う(承認手段)ものであってもよい。この承認は、例えば、隊列情報に基づいて行うことができる。この場合、インセンティブは、この承認を示す情報(承認結果)に基づいて与えられるようにする。
このようにすることによって、管理センターが走行履歴を管理する必要がなくなる。よって、管理センターは、インセンティブの実績管理のみ行えばよいので、管理側のシステムコストを減らすことができる。
また、インセンティブを与える場合、車両の種別によって重み付けをしてもよい。例えば、小型車群や中型車群に含まれる車両よりも、大型車群に含まれ車両の方が、高いインセンティブが与えられるように重み付けする。また、小型車群に含まれる車両よりも、中型車群に含まれ車両の方が、高いインセンティブが与えられるように重み付けする。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述の実施形態では、2車種の車群によって構成された隊列を採用して説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。図16などに示すように、3車種の車群によって構成された隊列であっても採用することができる。
なお、変形例1における隊列走行システムの構成は、上述の実施形態によるものと同じである。また、変形例1における隊列走行システムの処理動作は、上述の実施形態によるものと同様な点が多い。ここでは、変形例1における隊列走行システムの処理動作において、上述の実施形態によるものと異なる点を中心に説明する。
図16に隊列は、第1車群、第2車群に加えて、中型車の車群である第3車群を有する隊列の一例である。なお、図16における第1車群は、図8の第1車群と同様である。また、図16における第2車群は、図8の第2車群と同様である。
第3車群は、体格が第1範囲よりも小さく、第2範囲よりも大きい中型車が含まれる。つまり、隊列走行システムは、体格が第1範囲よりも小さく、第2範囲よりも大きい第3範囲に含まれる車両の加入先グループを第3車群とする。ここでは、図16に示すように、中型車CM1〜中型車CM3を含む第3車群を採用している。なお、中型車CM1は、地点Aで隊列から離脱する。中型車CM2は、地点Cで隊列から離脱する。中型車CM3は、地点Dで隊列から離脱する。
隊列走行システムは、車両の投影面積に基づいて、投影面積が大きい方の車群を先頭グループとし、投影面積が小さい方の車群を最後尾グループとする。従って、3車種の車群の場合、隊列の先頭側から、大型車群である第1車群、中型車群である第3車群、小型車群である第2車群の順番で配置される。つまり、第3車群は、第1車群と第2車群との間に配置される。よって、第3車群は、中盤車群と言い換えることができる。
さらに、隊列走行システムは、隊列の先頭グループである第1車群では、上述の実施形態と同様に、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方となるように配置する。これによって、図16の例の場合、第1車群では、隊列の先頭側から、大型車CL1、大型車CL2、大型車CL3の順番で配置される。
また、隊列走行システムは、隊列の最後尾グループである第2車群では、上述の実施形態と同様に、離脱地点が近い車両ほど隊列における後方に配置する。これによって、図16の例の場合、第2車群では、隊列の先頭側から、小型車CS1、小型車CS2、小型車CS3の順番で配置される。
そして、隊列走行システムは、隊列の中盤に位置する第3車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方となるように配置する。これによって、図16の例の場合、第3車群では、隊列の先頭側から、中型車CM1、中型車CM2、中型車CM3の順番で配置される。
ここで、図17を用いて、3車種に車群を有する隊列の第3車群に対して、加入車が加入する場合の走行システムにおける処理動作に関して説明する。隊列に対して車両が参加する場合、加入車CM4に搭載されたECU10の加入処理部14は、上述のように加入発信処理を行う。一方、隊列車両に搭載されたECU10の加入処理部14は、上述のように加入受信処理を行う。
なお、図17のタイミングt1に示す隊列は、図16に示す隊列と同様である。また、図17の例では、隊列に対して、中型車CM4が参加の意思を示しており、且つ中型車CM4が加入許可された場合を一例として説明する。つまり、この例では、中型車CM4が加入車に相当するものである。よって、以下、加入車CM4とも記載する。なお、加入車CM4は、離脱地点が地点Eである。
隊列車両における加入処理部14は、加入車CM4の投影面積と、現在の隊列に参加している各車両である大型車CL1〜CL3、中型車CM1〜CM3、及び小型車CS1〜CS3の投影面積とから、加入車CM4の加入先グループを算出する。そして、加入車CM4は、中型車である。このため、加入車CM4の投影面積は、第3範囲内である。よって、加入処理部14は、加入車CM4の加入先グループとして第3車群を算出することになる。言い換えると、加入処理部14は、加入車CM4の加入先グループを第3車群に決定する。
次に、隊列車両における加入処理部14は、加入位置決定処理を行う。このように、加入車CM4の加入先グループを第3車群に決定した場合、隊列車両における加入処理部14は、加入車の離脱地点と、加入先グループの全ての車両の離脱地点との比較を行い、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方となるように加入位置を決定する。図17の例では、加入車CM4は、中型車CM1〜CM3よりも離脱地点が遠い。よって、隊列車両における加入処理部14は、中型車CM3と小型車CS1との間を加入位置200として決定する。
なお、この図17の例では、加入位置200は、隊列の先頭或いは最後尾でない。よって、このように加入位置200を決定した後は、上述の実施形態と同様に、加入位置200の後方の隊列車両である小型車CS1〜CS3は、減速して加入スペース210を確保する(タイミングt2)。これによって、図17のタイミングt3に示すように、隊列の先頭側から、第1車群、第3車群、第2車群の順番で配置され、且つ、第3車群では、隊列の先頭側から、中型車CM1、中型車CM2、中型車CM3、中型車CM4の順番で配置された隊列とすることができる。
次に、図18を用いて、3車種に車群を有する隊列の第3車群から車両が離脱する場合の走行システムにおける処理動作に関して説明する。隊列から離脱する車両に搭載されたECU10の離脱処理部15は、上述のように離脱発信処理を行う。一方、離脱車以外の隊列車両に搭載されたECU10の離脱処理部15は、上述のように離脱受信処理を行う。
なお、図18のタイミングt1に示す隊列は、図16に示す隊列と同様である。そして、この図18のタイミングt1に示す隊列は、地点Aに到達した場合、中型車CM1が離脱することになる。この場合、上述の実施形態とは異なり、中型車CM1が離脱することによって、隊列の中盤に離脱後スペース220が形成される(タイミングt2)。
そこで、上述のステップS56及びステップS65と同様に、離脱車と非離脱車の夫々は、隊列離脱処理を行うことで、この離脱後スペース220を小さくする(第2駆動手段)。つまり、離脱後スペース220の前後に配置されている車両同士の車間距離を縮める。このとき、離脱後スペース220よりも前方の隊列車両に搭載されたECU10の離脱処理部15は、タイミングt2に示すように、出力部16を介して走行系装置80に一定速度で減速(減速制御)することを示す駆動情報を出力する(第2駆動手段)。図18の例では、大型車CL1〜CL3が一定速度で減速する。なお、離脱後スペース220よりも前方の隊列車両は、減速して離脱後スペース220を小さくすると、一定速度で加速して減速前の速度に戻す。このようにすることによって、離脱後スペース220の後方の車両を加速させて離脱後スペース220を小さくするよりも、走行抵抗を低減することができ、消費エネルギーの悪化を抑制することができる。
また、離脱後スペース220の前方の隊列車両を減速させ、離脱後スペース220の後方の隊列車両を加速させることで、離脱後スペース220を小さくするようにしてもよい。このようにすることによって、隊列車両を減速させて離脱後スペース220を小さくする場合よりも、早く離脱後スペース220を小さくすることができる。よって、隊列車両を減速させて離脱後スペース220を小さくする場合よりも、隊列が崩れている時間を短くすることができる。なお、離脱後スペース220の後方の隊列車両を加速させることで、離脱後スペース220を小さくするようにしてもよい。
この変形例1における隊列走行システムであっても、上述と同様の効果を奏することができる。更に、隊列の中盤に位置する第3車群では、離脱地点が近い車両ほど隊列における前方となるように配置することによって、中型車と小型車との間の車列の乱れを抑制することができる。よって、大型車や中型車に比べて、非力な小型車の走行をスムーズにすることができる。
また、中型車は、離脱地点が近い車両を進行方向における前方に配置することで、中型車が離脱する際の小型車への空気抵抗の乱れによる消費エネルギーの悪化の頻度を低減することができる。
(変形例2)
隊列走行システムは、隊列に加入車が加入する際、及び隊列から離脱車が離脱する際には、減速対象車を減速させるための減速計画を示す減速計画情報を用いて減速制御を行い、車間距離を調整してもよい。変形例2では、この減速計画を用いる隊列走行システムに関して説明する。また、変形例2では、自車の前方の車両の存在、及び、前方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用する。つまり、隊列車両のECU10は、周辺情報センサ40から前方車両との車間距離を取得する(第1取得手段)。言い換えると、隊列車両は、自車の前方を監視する(前方監視手段)。なお、変形例2では、上述の実施形態と同様の構成に関しては同じ符号を用いるなどして詳しい説明は省略し、異なる箇所を重点的に説明する。
減速計画情報は、減速を開始する時刻を示す減速時刻情報と、減速前の速度への復帰を開始する時刻を示す復帰時刻情報と、減速前の速度への復帰完了時刻を示す完了時刻情報からなる時刻情報を含む。さらに、減速計画情報は、減速中の減速度を示す減速度情報と、減速前の速度への復帰中の加速度を示す加速度情報からなる速度情報を含む。なお、減速を開始する時刻は、減速開始時刻、減速前の速度への復帰を開始する時刻は、定速復帰開始時刻、減速前の速度への復帰完了時刻は、定速復帰完了時刻と称することもできる。
また、上述の実施形態でも説明したように、隊列に加入車が加入する際、及び隊列から離脱車が離脱する際には、全隊列車両のうち、一部の隊列車両が減速を行う。この減速計画情報を用いて減速制御を行うのは、減速対象車である。さらに、全隊列車両の中には、減速計画情報を作成する主隊列車両が含まれる。なお、減速対象車の中で、減速計画情報を作成しない車両を副隊列車両と称する。
ここで、図19のフローチャートに示す同期処理に関して説明する。ECU10は、上述のステップS26、S65、S72、S83における同期処理時に、図19のフローチャートに示す処理を実行する。よって、管理部13、加入処理部14、離脱処理部15の夫々は、図19のフローチャートに示す処理を実行する。なお、図19におけるステップS261〜S267は、主隊列車両に設けられたECU10が行う処理であり、ステップS268,S269は、副隊列車両に設けられたECU10が行う処理である。
主隊列車両に設けられたECU10は、ステップS261〜S265で減速計画情報を作成する。まず、ステップS261では、車間距離を算出する(作成手段)。この車間距離は、広げるべき車間距離又は縮めるべき車間距離である。つまり、隊列に加入車が加入する際には、加入スペース210を確保する必要がある。よって、隊列に加入車が加入する際には、広げるべき車間距離を算出する。このとき、ECU10は、周辺情報センサ40から前方車両との車間距離を示す情報を取得する。ECU10は、周辺情報センサ40から取得した情報が示す車間距離と、予め決められた加入スペース分の車間距離とから、広げるべき車間距離を算出する。
一方、隊列から離脱車が離脱する際には、離脱後スペース220を小さくする必要がある。よって、隊列から離脱車が離脱する際には、縮めるべき車間距離を算出する。このとき、ECU10は、周辺情報センサ40から前方車両との車間距離を示す情報を取得する。ECU10は、周辺情報センサ40から取得した情報が示す車間距離と、予め決められた隊列車両間の車間距離(設定距離)とから、縮めるべき車間距離を算出する。
ステップS262では、現在時刻を取得する(作成手段)。なお、ECU10は、自身が備えるリアルタイムクロックを用いて現在時刻を取得してもよいし、ナビゲーション装置30から現在時刻を取得してもよい。このように現在時刻を取得するのは、減速を開始する時刻、減速前の速度への復帰を開始する時刻、減速前の速度への復帰完了時刻を隊列車両間で同期をとるためである。なお、ステップS262で現在時刻を取得した時点で、減速を開始する時刻を算出してもよい。
ステップS263では、定速復帰開始時刻を算出する(作成手段)。言い換えると、復帰時刻情報を作成する。ステップS264では、定速復帰完了時刻を算出する(作成手段)。言い換えると、完了時刻情報を作成する。
なお、減速を開始する時刻、減速前の速度への復帰を開始する時刻、減速前の速度への復帰完了時刻は、現在時刻と、予め決められた設定時間とに基づいて算出する。減速を開始する時刻を算出するための設定時間を設定時間A、減速前の速度への復帰を開始する時刻を算出するための設定時間を設定時間B、減速前の速度への復帰完了時刻を算出するための設定時間を設定時間Cとする。この場合、減速を開始する時刻は、現在時刻から設定時間Aが経過した時刻を算出することで求めることができる。同様に、減速前の速度への復帰を開始する時刻は、現在時刻から設定時間Bが経過した時刻を算出することで求めることができる。そして、減速前の速度への復帰完了時刻は、現在時刻から設定時間Cが経過した時刻を算出することで求めることができる。
更に、設定時間Aは、広げるべき車間距離や、縮めるべき車間距離に応じて、異なる時間を採用することもできる。この場合、設定時間Aは、広げるべき車間距離や、縮めるべき車間距離に応じて、予め複数の時間を決めておいてもよい。なお、設定時間Bや設定時間Cに関しても、同様に、広げるべき車間距離や、縮めるべき車間距離に応じて、異なる時間を採用することができる。
ステップS265では、減速中の減速度と、減速前の速度への復帰中の加速度とを算出する(作成手段)。言い換えると、減速度情報と加速度情報とを作成する。この減速度は、上記のように算出した、減速開始時刻、定速復帰開始時刻から算出する。また、加速度は、上記のように算出した、定速復帰開始時刻、定速復帰完了時刻から算出する。
そして、ステップS266では、減速計画情報を送信する(共有手段)。主隊列車両に設けられたECU10は、ステップS265までに作成した減速計画情報を、副隊列車両に設けられたECU10に送信する。よって、副隊列車両に設けられたECU10は、ステップS268で減速計画情報を受信することになる(共有手段)。このように、ステップS266、S268の処理を実行することで、減速計画情報を減速対象車間で共有する。
ステップS269では、承諾情報を送信する。つまり、副隊列車両に設けられたECU10は、受信した減速計画情報に基づいて減速制御を行うことを承諾すると共に、承諾したことを示す承諾情報を、主隊列車両に設けられたECU10に送信する。よって、主隊列車両に設けられたECU10は、ステップS267で承諾情報を受信することになる。
ECU10は、同期処理が終了すると、上述の実施形態で説明したようにステップSS27,S66,S73,S84の処理を実行する。このとき、各減速対象車に設けられたECU10は、減速計画情報に従って、減速して加入スペース210を確保すると共に、減速して加入スペース210を確保できると、一定速度で加速して減速前の速度に戻す。つまり、隊列走行システムは、減速計画情報に従って、減速対象車間で同期させながら減速対象車を減速させる(減速手段)。
なお、減速対象車間で減速計画情報を共有する際には、減速計画情報を数珠繋ぎ的に送信するようにしてもよい。つまり、主隊列車両のECU10は、副隊列車両の一台である第1副隊列車両に減速計画情報を送信する。そして、第1副隊列車両のECU10は、その他の副隊列車両である第2副隊列車両のECU10に減速計画情報を送信すると共に、主隊列車両のECU10に承諾情報を送信する。また、第2副隊列車両のECU10は、その他の副隊列車両である第3副隊列車両のECU10に減速計画情報を送信すると共に、第1副隊列車両のECU10に承諾情報を送信する。このようにして、全ての減速対象車に減速計画情報を送信する。
隊列車両は、この減速計画情報を用いて減速制御を行う場合、図20のグラフに示すように動作することになる。つまり、隊列車両は、減速時刻情報で決められた時刻(タイミングt10)に減速を開始する。また、隊列車両は、減速する際には(タイミングt10〜t20)、減速度情報で決められた減速度で走行する。そして、隊列車両は、復帰時刻情報で決められた時刻(タイミングt20)になると、減速前の速度への復帰を開始する。また、隊列車両は、減速前の速度への復帰する際には(タイミングt20〜t30)、加速度情報で決められた加速度で走行する。さらに、隊列車両は、完了時刻情報で決められた復帰時刻(タイミングt30)になると、減速前の速度で走行する。
ここで、図21の例を用いて、隊列への車両加入時における隊列車両の動作を説明する。この図21の例では、中型車CM1〜CM6からなる隊列に、中型車CM7が加入する例を採用している。また、中型車CM7の加入位置200は、中型車CM3と中型車CM4との間である。なお、隊列車両のECU10は、隊列情報を有しており、加入車のECU10から加入車情報を取得するので、隊列における加入位置200を検出することができる(加入検出手段)。
図21の例では、加入位置200は、隊列の先頭或いは最後尾でない。このような場合、加入車CM7を入れるために、加入位置200の前後の車両間に加入スペース210を設ける必要がある。つまり、隊列に新たな車両が加入する場合、隊列に加入する車両である加入車のために、加入スペース210を確保する必要がある。
この場合、減速対象車は、中型車CM4〜中型車CM6である。そして、中型車CM4が主隊列車両となり、中型車CM5,中型車CM6が副隊列車両となる。なお、中型車CM4は、自車が有している隊列情報と、中型車CM7から取得した加入車情報とから、自車の直前が加入位置200であることを検出することができる。つまり、隊列車両が自車の前方を監視するものであり、且つ、隊列に加入する車両がある場合は、加入位置の後方にある車両が減速対象車となる。そして、減速対象車のうち、加入位置200の直後の車両が主隊列車両となり、主隊列車両の後方の車両が副隊列車両となる。
まず、タイミングt1では、中型車CM4のECU10が減速計画情報を作成すると共に、この減速計画情報を中型車CM4〜CM6間で共有する。なお、中型車CM4のECU10は、タイミングt1で、減速計画情報に従って減速制御を開始してもよい。
タイミングt2では、加入位置200の後方の隊列車両である中型車CM4〜CM6は、減速計画情報に従って、減速して加入スペース210を確保する(減速制御、減速手段、車間距離調整手段)。つまり、中型車CM4〜CM6は、減速開始時刻になると、減速度情報が示す減速度で走行する。その後、中型車CM4〜CM6は、定速復帰開始時刻になると、加速度情報が示す加速度で走行する。そして、中型車CM4〜CM6は、定速復帰完了時刻になると、減速前の速度で走行する。言い換えると、中型車CM4〜CM6は、減速した後に、徐々に加速して、一定速度で走行する。
中型車CM4〜CM6は、このように減速計画情報に従って走行することで、タイミングt3に示すように、加入スペース210を確保する。そして、加入スペース210が確保できると、タイミングt4に示すように、加入車CM7は、加入スペース210に入る。
次に、図22の例を用いて、隊列からの車両離脱時における隊列車両の動作を説明する。この図22の例では、中型車CM1〜CM7からなる隊列から、中型車CM4が離脱する例を採用している。また、中型車CM4の隊列における位置は、中型車CM3と中型車CM5との間である。なお、隊列車両のECU10は、隊列情報を有しており、離脱車のECU10から離脱位置情報を取得するので、隊列における離脱車を検出することができる(離脱検出手段)。言い換えると、隊列車両のECU10は、離脱車の隊列における位置を検出することができる(離脱検出手段)。
図22の例では、離脱車は、隊列の先頭或いは最後尾でない。このような場合、離脱車CM4が隊列から離脱することによって、離脱後スペース220が出来てしまう。よって、この離脱後スペース220を小さくする必要がある。
この場合、減速対象車は、中型車CM1〜CM3である。そして、主隊列車両は、中型車CM5である。なお、中型車CM5は、減速計画情報を作成するものの、減速対象車ではない。つまり、隊列車両が自車の前方を監視するものであり、且つ、隊列から離脱する車両がある場合は、離脱車の前方にある車両が減速対象車となり、離脱車の直後にある車両が主隊列車両となる。
まず、タイミングt1では、隊列から中型車CM4が離脱する。タイミングt2〜t3では、中型車CM5が減速計画情報を作成すると共に、この減速計画情報を中型車CM1〜CM3間で共有する。このとき、中型車CM5は、減速計画情報を作成しているため、中型車CM1〜CM3と共に減速計画情報を共有することになる。なお、中型車CM3のECU10は、タイミングt2で、減速計画情報に従って減速制御を開始してもよい。
タイミングt3では、離脱車の前方の隊列車両である中型車CM1〜CM3は、減速計画情報に従って、減速して離脱後スペース220を小さくする(減速制御、減速手段、車間距離調整手段)。つまり、中型車CM1〜CM3は、減速開始時刻になると、減速度情報が示す減速度で走行する。その後、中型車CM1〜CM3は、定速復帰開始時刻になると、加速度情報が示す加速度で走行する。そして、中型車CM1〜CM3は、定速復帰完了時刻になると、減速前の速度で走行する。言い換えると、中型車CM1〜CM3は、減速した後に、徐々に加速して、一定速度で走行する。中型車CM1〜CM3は、このように減速計画情報に従って走行することで、タイミングt4に示すように、離脱後スペース220を小さくする。
この変形例2における隊列走行システムは、上述の実施形態における効果を奏することができる。さらに、変形例2における隊列走行システムでは、各減速対象車が減速計画情報を共有し、且つ、各減速対象車が減速計画情報に従って走行する。このため、各減速対象車は、同期して減速制御を行い、車間距離を調整できる。これによって、変形例2における隊列走行システムでは、例えば、各減速対象車における車載装置100の性能などから、車速のばらつきが大きくなったとしても、車間距離を調整する為に加減速を頻繁に行う必要がない。よって、変形例2における隊列走行システムでは、円滑に車間距離を調整できる。
但し、隊列走行を行っている際には、急な車間の変化などの予期せぬ自体が発生する可能性もある。このような場合、各減速対象車のECU10は、減速計画情報に従うことなく、走行系装置80に駆動情報を出力するようにしてもよい。つまり、各減速対象車のECU10は、車載装置100に含まれる周辺情報センサ40からの情報、挙動情報センサ70からの情報、及び通信装置20による車車間通信を用いることで、フェールセーフ制御するようにしてもよい。
(変形例3)
周辺情報センサ40は、自車の後方の車両の存在、及び、後方の車両との車間距離を検出するセンサを採用することができる。変形例3では、自車の後方の車両の存在、及び、後方の車両との車間距離を検出する周辺情報センサ40を採用しつつ、減速計画情報を用いる隊列走行システムに関して説明する。つまり、隊列車両のECU10は、周辺情報センサ40から後方車両との車間距離を取得する(第2取得手段)。言い換えると、隊列車両は、自車の後方を監視する(後方監視手段)。なお、変形例3では、上述の実施形態と同様の構成に関しては同じ符号を用いるなどして詳しい説明は省略し、異なる箇所を重点的に説明する。また、減速計画情報の作成方法に関しては、変形例2と同様であるため、説明は省略する。
まず、図23の例を用いて、隊列への車両加入時における隊列車両の動作を説明する。この図23の例では、中型車CM1〜CM6からなる隊列に、中型車CM7が加入する例を採用している。また、中型車CM7の加入位置200は、中型車CM3と中型車CM4との間である。なお、隊列車両のECU10は、隊列情報を有しており、加入車のECU10から加入車情報を取得するので、隊列における加入位置200を検出することができる(加入検出手段)。
図23の例では、加入位置200は、隊列の先頭或いは最後尾でない。このような場合、加入車CM7を入れるために、加入位置200の前後の車両間に加入スペース210を設ける必要がある。つまり、隊列に新たな車両が加入する場合、隊列に加入する車両である加入車のために、加入スペース210を確保する必要がある。
この場合、減速対象車は、中型車CM4〜中型車CM6である。そして、中型車CM3が主隊列車両となり、中型車CM4〜CM6が副隊列車両となる。なお、中型車CM3は、自車が有している隊列情報と、中型車CM7から取得した加入車情報とから、自車の直前が加入位置200であることを検出することができる。つまり、隊列車両が自車の後方を監視するものであり、且つ、隊列に加入する車両がある場合は、加入位置200の後方にある車両が減速対象車となる。また、隊列車両のうち、加入位置200の直前の車両が主隊列車両となり、加入位置200の後方の車両が副隊列車両となる。
まず、タイミングt1では、中型車CM3のECU10が減速計画情報を作成すると共に、この減速計画情報を中型車CM4〜CM6間で共有する。なお、中型車CM4のECU10は、タイミングt1で、減速計画情報に従って減速制御を開始してもよい。
タイミングt2では、加入位置200の後方の隊列車両である中型車CM4〜CM6は、減速計画情報に従って、減速して加入スペース210を確保する(減速制御、減速手段、車間距離調整手段)。つまり、中型車CM4〜CM6は、減速開始時刻になると、減速度情報が示す減速度で走行する。その後、中型車CM4〜CM6は、定速復帰開始時刻になると、加速度情報が示す加速度で走行する。そして、中型車CM4〜CM6は、定速復帰完了時刻になると、減速前の速度で走行する。言い換えると、中型車CM4〜CM6は、減速した後に、徐々に加速して、一定速度で走行する。
中型車CM4〜CM6は、このように減速計画情報に従って走行することで、タイミングt3に示すように、加入スペース210を確保する。そして、加入スペース210が確保できると、タイミングt4に示すように、加入車CM7は、加入スペース210に入る。
次に、図24の例を用いて、隊列からの車両離脱時における隊列車両の動作を説明する。この図24の例では、中型車CM1〜CM7からなる隊列から、中型車CM4が離脱する例を採用している。また、中型車CM4の隊列における位置は、中型車CM3と中型車CM5との間である。なお、隊列車両のECU10は、隊列情報を有しており、離脱車のECU10から離脱位置情報を取得するので、隊列における離脱車を検出することができる(離脱検出手段)。
図24の例では、離脱車は、隊列の先頭或いは最後尾でない。このような場合、離脱車CM4が隊列から離脱することによって、離脱後スペース220が出来てしまう。よって、この離脱後スペース220を小さくする必要がある。
この場合、減速対象車は、中型車CM1〜CM3である。そして、主隊列車両は、中型車CM3である。つまり、隊列車両が自車の後方を監視するものであり、且つ、隊列から離脱する車両がある場合は、離脱車の前方にある車両が減速対象車となり、離脱車の直前にある車両が主隊列車両となる。
まず、タイミングt1では、隊列から中型車CM4が離脱する。タイミングt2〜t3では、中型車CM3が減速計画情報を作成すると共に、この減速計画情報を中型車CM1〜CM2間で共有する。なお、中型車CM3のECU10は、タイミングt1で、減速計画情報に従って減速制御を開始してもよい。
タイミングt2では、離脱車の前方の隊列車両である中型車CM1〜CM3は、減速計画情報に従って、減速して離脱後スペース220を小さくする(減速制御、減速手段、車間距離調整手段)。つまり、中型車CM1〜CM3は、減速開始時刻になると、減速度情報が示す減速度で走行する。その後、中型車CM1〜CM3は、定速復帰開始時刻になると、加速度情報が示す加速度で走行する。そして、中型車CM1〜CM3は、定速復帰完了時刻になると、減速前の速度で走行する。言い換えると、中型車CM1〜CM3は、減速した後に、徐々に加速して、一定速度で走行する。中型車CM1〜CM3は、このように減速計画情報に従って走行することで、タイミングt4に示すように、離脱後スペース220を小さくする。この変形例3においても、変形例2と同様の効果を奏することができる。
(変形例4)
なお、上述の実施形態及び変形例1の最終加入位置決定処理においては、加入車と隊列車両の離脱地点に基づいて加入位置を決定していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。変形例4に示すように、最終加入位置決定処理において、加入車の残エネルギーと隊列車両の残エネルギーとに基づいて加入位置を決定してもよい。なお、変形例4における隊列走行システムは、上述の実施形態によるものと同様な点が多い。ここでは、変形例4における隊列走行システムの処理動作において、上述の実施形態によるものと異なる点を中心に説明する。
変形例4における隊列走行システムは、ECU10(加入処理部14)に自車の残エネルギーを示す情報が入力される点、この残エネルギーを示す情報を周辺車両との間で送受信する点、及び最終加入位置決定処理の内容が、上述の実施形態によるものと異なる。例えば、変形例4では、図6のステップS32において、残エネルギーを示す情報(残エネルギー情報)を取得する。
なお、ECU10に自車の残エネルギーを示す情報を出力する構成に関しては、例えば、挙動情報センサ70が自車の残エネルギーを取得し、この挙動情報センサ70が自車の残エネルギーを出力するなどを採用することができる。また、残エネルギーとは、走行に必要な走行エネルギーの残量である。よって、ガソリン車やディーゼル車では、残燃料が残エネルギーに相当する。ハイブリッド自動車では、残燃料と残電力が残エネルギーに相当する。電気自動車では、残電力が残エネルギーに相当する。
ここで、図25を用いて、変形例4における最終加入位置決定処理に関して説明する。なお、上述の実施形態における最終加入位置決定処理は、ステップS40において、加入車の離脱地点が、n台目の離脱地点と同じ、若しくはn台目の離脱地点よりも近いか否かを判定していた。これに対して、変形例4における最終加入位置決定処理は、ステップS410において、加入車の残燃料が、n台目の残エネルギーより多いか否かを判定する。よって、図25のフローチャートにおいて、上述の実施形態における最終加入位置決定処理と同様な点は、図7と同じステップ番号を付与して説明を省略する。
ステップS410では、加入処理部14は、加入車の残エネルギーが、n台目の残エネルギーより多いか否かを判定する。そして、n台目の残エネルギーよりも多いと判定した場合はステップS42に進み、n台目の残エネルギーよりも少ないと判定した場合はステップS43へ進む。
これによって、隊列走行システムは、隊列の先頭グループである第1車群では、残エネルギーが多い車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように配置する。また、隊列走行システムは、隊列の最後尾グループである第2車群では、残エネルギーが少ない車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように配置する。
各隊列車両における走行抵抗は、隊列の先頭や後方よりも中盤の方が少ない。よって、このように、残エネルギーが少ない車両を隊列中盤位置に置くことで、中盤に配置された車両は、走行距離を伸ばすことが出来る。
なお、3車種の車群によって構成された隊列の場合、隊列走行システムは、第1車群と第2車群との間に配置される第3車群では、残エネルギーが多い車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように配置する。
(変形例5)
なお、上述の実施形態及び変形例1の最終加入位置決定処理においては、加入車と隊列車両の離脱地点に基づいて加入位置を決定していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。変形例5に示すように、最終加入位置決定処理において、加入車と隊列車両の走行出力に基づいて加入位置を決定してもよい。なお、変形例5における隊列走行システムは、上述の実施形態によるものと同様な点が多い。ここでは、変形例5における隊列走行システムの処理動作において、上述の実施形態によるものと異なる点を中心に説明する。
変形例5における隊列走行システムは、ECU10(加入処理部14)に自車の走行出力を示す情報が入力される点、この走行出力を示す情報を周辺車両との間で送受信する点、及び最終加入位置決定処理の内容が、上述の実施形態によるものと異なる。例えば、変形例5では、図6のステップS32において、走行出力を示す情報(走行出力情報)を取得する。
なお、ECU10に自車の走行出力を示す情報を出力する構成に関しては、例えば、挙動情報センサ70に自車の走行出力を記憶させておき、この挙動情報センサ70が自車の走行出力を出力するなどを採用することができる。また、ECU10の加入処理部14に自車の走行出力を示す情報を出力する構成に関しては、例えば、ECU10の記憶部に自車の走行出力を記憶させておき、この記憶部が自車の走行出力を出力するなどを採用することができる。
ここで、図26を用いて、変形例5における最終加入位置決定処理に関して説明する。なお、上述の実施形態における最終加入位置決定処理は、ステップS40において、加入車の離脱地点が、n台目の離脱地点と同じ、若しくはn台目の離脱地点よりも近いか否かを判定していた。これに対して、変形例5における最終加入位置決定処理は、ステップS411において、加入車の走行出力が、n台目の走行出力より高いか否かを判定する。よって、図26のフローチャートにおいて、上述の実施形態における最終加入位置決定処理と同様な点は、図7と同じステップ番号を付与して説明を省略する。
ステップS411では、加入処理部14は、加入車の走行出力が、n台目の走行出力より高いか否かを判定する。そして、n台目の走行出力よりも高いと判定した場合はステップS42に進み、n台目の走行出力よりも少ないと判定した場合はステップS43へ進む。
これによって、隊列走行システムは、隊列の先頭グループである第1車群では、走行出力が高い車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように配置する。また、隊列走行システムは、隊列の最後尾グループである第2車群では、走行出力が低い車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように配置する。
各隊列車両における走行抵抗は、隊列の先頭や後方よりも中盤の方が少ない。よって、このように、走行出力が低い車両を隊列中盤位置に配置することで、中盤に配置された車両は、より少ないエネルギーで走行することが出来る。よって、隊列全体の消費エネルギーが悪化することを抑制することができる。また、このように、走行出力が高い車両を先頭及び最後尾に配置し、走行出力が低い車両を隊列の中盤に置くことで、スムーズな(より高速な)隊列を構成することが出来る。
なお、3車種の車群によって構成された隊列の場合、隊列走行システムは、第1車群と第2車群との間に配置される第3車群では、走行出力が高い車両ほど隊列における前方、すなわち、進行方向に対して前方(先頭側)となるように配置する。
(変形例6)
上述の実施形態などでは、マルチマスタ方式を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の隊列走行システムは、図27に示すように、マスタースレーブ方式を採用することもできる。このマスタースレーブ方式の隊列走行システムであっても、上述と同様の効果を奏することができる。ただし、安全に関する情報は、車車間通信によって各隊列車両間で送受信される。なお、安全に関する情報とは、車両の衝突を防ぐために必要な情報であり、車間距離を示す情報、車間距離の変化を示す情報、及びブレーキの踏み込み量を示すブレーキ情報などを含む。
なお、このマスタースレーブ方式の場合、上述の加入受信処理、離脱受信処理、隊列再編成受信処理は、マスタ車両に搭載されたECU10が実行する。ただし、加入受信処理における同期処理及び隊列加入処理は、マスタ車両に搭載されたECU10、スレーブ車両に搭載されたECU10、加入車に搭載されたECU10が行う。また、離脱受信処理における同期処理及び隊列離脱処理は、マスタ車両に搭載されたECU10、スレーブ車両に搭載されたECU10、離脱車に搭載されたECU10が行う。そして、隊列再編成受信処理における同期処理及び隊列再編成処理は、マスタ車両に搭載されたECU10、スレーブ車両に搭載されたECU10が行う。
(変形例7)
上述の実施形態などでは、マルチマスタ方式を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の隊列走行システムは、図28に示すように、データセンター方式を採用することもできる。このデータセンター方式の隊列走行システムであっても、上述と同様の効果を奏することができる。ただし、安全に関する情報は、車車間通信によって各隊列車両間で送受信される。
なお、このデータセンター方式の場合、上述の加入受信処理、離脱受信処理、隊列再編成受信処理は、データセンター300が実行する。ただし、加入受信処理における同期処理及び隊列加入処理は、マスタ車両に搭載されたECU10、スレーブ車両に搭載されたECU10、加入車に搭載されたECU10が行う。また、離脱受信処理における同期処理及び隊列離脱処理は、マスタ車両に搭載されたECU10、スレーブ車両に搭載されたECU10、離脱車に搭載されたECU10が行う。そして、隊列再編成受信処理における同期処理及び隊列再編成処理は、マスタ車両に搭載されたECU10、スレーブ車両に搭載されたECU10が行う。
なお、データセンター300は、加入受信処理、離脱受信処理、隊列再編成受信処理を実行可能であり、隊列走行システムを採用している車両の車載装置と無線通信可能であるサーバーなどのコンピュータが設けられている。よって、入受信処理、離脱受信処理、隊列再編成受信処理は、データセンター300に設けられたコンピュータが実行するものである。また、データセンター方式の場合、隊列走行システムを採用している車両の通信装置20は、データセンター300との路車間通信機としての機能を備えているものを採用する。