JP5812190B2 - リチウムイオン二次電池用活物質及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用活物質及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の実用化の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、リチウムイオン二次電池の開発が鋭意行われている。しかしながら、車載電源として電池を広く普及するためには、電池を高性能にして、より安くする必要がある。また、電気自動車の一充電走行距離をガソリンエンジン車に近づける必要があり、より高エネルギーの電池が望まれている。
電池のエネルギー密度を高めるためには、正極と負極の単位質量あたりに蓄えられる電気量を大きくする必要がある。この要請に応えられる可能性のある正極材料(正極用活物質)として、いわいる固溶体系正極が検討されている。なかでも、電気化学的に不活性の層状のLiMnOと、電気化学的に活性な層状のLiAO(Aは、Co、Niなどの遷移金属)との固溶体(いわゆるLi過剰層状正極材料)は、200mAh/gを超える大きな電気容量を示しうる高容量正極材料の候補として期待されている(下記特許文献1参照)。
特開平9−55211号公報 特開2006−93067号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のLiMnOを用いた固溶体系の正極では、放電容量は大きいものの、サイクル特性が充放電の繰り返しで容易に劣化してしまうという問題があった。
また、特許文献2においてもLi[LiCoNiMn]O固溶体系の正極を用いているが、こちらについてはサイクル特性が良好であるものの、初期放電容量が低いという問題がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高容量でかつサイクル特性に優れた活物質、及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る活物質は、層状の結晶構造を有し、下記組成式(1)で表され、
LiNiCoMn (1)
上記式(1)中、元素MはAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,Ba及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b+c+d+y)≦2.1、1.05≦y≦1.35、0<a≦0.3、0<b≦0.25、0.3≦c≦0.7、0≦d≦0.1、1.9≦x≦2.1であって、活物質一次粒子の中心部のNi組成量をNiα表面近傍のNi組成量をNiβとした場合、0.69≦Niβ/Niα≦0.85であることを特徴とする。
上記特徴を備える本発明の活物質を用いると充放電に伴うリチウムの脱離・挿入がスムーズに行われるものと考えられる。一般的なニッケル、コバルト、マンガン系の正極活物質は層状の結晶構造を有しており、リチウム層と遷移金属層が交互に重なる構造となっているが、本発明の組成を有する活物質は遷移金属層の一部がリチウムで置換されている。本発明における活物質の0.69≦Niβ/Niα≦0.85という構造的特徴は一次粒子表面のNi組成量が少ないため、一次粒子表面においてリチウムが遷移金属層に入りやすい、あるいは遷移金属層から電解液中に移動しやすいものと考えられる。すなわち、充放電に伴うリチウムの移動が容易になることで、高容量且つ優れたサイクル特性を発揮することができると推察している。
本発明に係る活物質は、上記元素Mが、FeまたはVであり、dが0<d≦0.1であることが好ましい。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極集電体と、正極活物質を含む正極活物質層と、を有する正極と、負極集電体と、負極活物質を含む負極活物質層と、を有する負極と、正極活物質層と負極活物質層との間に位置するセパレータと、負極、正極、及びセパレータに接触している電解質と、を備え、正極活物質が上記本発明に係る活物質を含む。
上記本発明の活物質を正極活物質層に含む上記本発明のリチウムイオン二次電池は、高容量であり、かつサイクル特性に優れたものである。
本発明によれば、高容量でかつサイクル特性に優れた活物質、及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る前駆体から形成した活物質を含む正極活物質層を備えるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 図2(a)は、実施例1の活物質一次粒子を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で撮影した写真であり、写真内の+部分はSTEMに付属のエネルギー分散型X線分光装置(EDS)で点分析をした部分である。 図2(b)は、比較例1の活物質一次粒子を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で撮影した写真でであり、写真内の+部分はSTEMに付属のエネルギー分散型X線分光装置(EDS)で点分析をした部分である。 図3は、本発明の活物質の実施例1〜10及び比較例1及び2のNiβ/Niαとサイクル特性の関係を示す分布図である。 図4は、本発明の活物質の実施例11〜19の初期放電容量とサイクル特性の関係を示す分布図である。
以下、本発明の一実施形態に係る活物質、活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池について説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
(活物質)
本実施形態の活物質は、層状の結晶構造を有し、下記組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物である。
LiNiCoMn (1)
上記式(1)中、元素MはAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,Ba及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b+c+d+y)≦2.1、1.05≦y≦1.35、0<a≦0.3、0<b≦0.25、0.3≦c≦0.7、0≦d≦0.1、1.9≦x≦2.1であって、活物質一次粒子の中心部のNi組成量をNiα、表面近傍のNi組成量をNiβとした場合、0.69≦Niβ/Niα≦0.85であることを特徴とする。
ここで表面近傍とは、標準的には例えば活物質の表面から深さ方向に30nm程度までの領域を意味し、活物質の断面を顕微鏡で見たときに表面から30nm幅の領域を示す。もちろん活物質の1次粒子径にもよるが、1次粒子径に対し表面から約15%までの深さ領域を意味する。
Liの組成範囲としては、好ましくは1.10≦y≦1.35であり、より好ましくは1.15≦y≦1.35であり、更により好ましくは1.20≦y≦1.35である。Niβ/Niαについてはその値が低くなりすぎると、結晶構造へのストレスが大きくなってしまうため、範囲としては0.69≦Niβ/Niα≦0.80が良く、好ましくは0.69≦Niβ/Niα≦0.76が良い。また、活物質一次粒子の平均粒径については0.2〜1.0μmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmの範囲である。更には10μm以上の粗大粒子が無いことが好ましい。
上記活物質のMの組成として、好ましくは様々な価数形態をもつFe、またはVが添加されていることが望ましい。
また、Fe、またはVの添加は、上述した組成式(1)において、dが0<d≦0.1であることが好ましい。
上記活物質は、X線回折パターンにおける(003)のピーク半値幅FWHM(003)がFWHM(003)≦0.13であり、(010)のピーク半値幅FWHM(010)がFWHM(010)≦0.15であり、更に(104)のピーク半値幅FWHM(104)がFWHM(104)≦0.20であることが好ましく、更にFWHM(003)/FWHM(104)が0.57°以下であることがより好ましい。
ここでいう層状の結晶構造とは一般的にLiAO(Aは、Co、Ni、M nなどの遷移金属)と表され、リチウム層、遷移金属層、酸素層が一軸方向に積層した構造である。代表的なものとしてLiCoO、LiNiOのようなα−NaFeO型に属するものがあり、これらは菱面体晶系であり、その対称性から空間群R(−3)mに帰属される。またLiMnOは斜方晶系であり、その対称性から空間群Pm2mに帰属され、LiMnOは、Li[Li1/3Mn2/3]Oとも表記でき、単斜晶系の空間群C2/mであるが、Li層と[Li1/3Mn2/3]層及び酸素層が積層した層状化合物である。
本実施形態の活物質は、LiAOで表されるリチウム遷移金属複合酸化物の固溶体であって、遷移金属サイトを占める金属元素としてLiをも許容する系であり、いわゆるLi過剰層状正極材料である。なお、言うまでもないが「固溶体」とは、化合物の混合物とは区別される。例えばLiNi0.5Mn0.5粉末やLiNi0.33Co0.33Mn0.34粉末等の混合物は、見かけ上、組成式(1)を満たすものとなったとしても「固溶体」には含まれない。単なる混合物であれば、X線回折測定を行った場合に観察される各格子常数に対応するピーク位置がそれぞれ異なるため、1本のピークが2本又は3本にスプリットする。一方、「固溶体」では、1本のピークがスプリットしていない。したがって、X線回折測定のピークのスプリットの有無をもって、「固溶体」と混合物を識別できる。
詳細に説明するため、以下層状の結晶構造を菱面体晶系、空間群R(−3)m構造に仮定して説明する。
(活物質の製造方法)
活物質の製造では、まず活物質の前駆体を調製する。前駆体は、下記組成式(1)に対応する組成を有する。
LiNiCoMn (1)
上記式(1)中、元素MはAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,Ba及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b+c+d+y)≦2.1、1.05≦y≦1.35、0<a≦0.3、0<b≦0.25、0.3≦c≦0.7、0≦d≦0.1、1.9≦x≦2.1。
本実施形態の前駆体は、例えば、Li,Ni,Co,Mn,M(Mは上述のもの)及びOを含み、上記組成式(1)と同様に、Li,Ni,Co,Mn,M及びOのモル比がy:a:b:c:d:xである物質である。前駆体の具体例としては、Li,Ni,Co,Mn,Mそれぞれの化合物(例えば塩)及びOを含む化合物を上記のモル比を満たすように配合し、混合及び必要に応じて加熱をして得られる混合物である。また、前駆体が含む化合物の一つが、Li,Ni,Co,Mn,M及びOからなる群より選ばれる複数の元素から構成されていてもよい。なお、前駆体の焼成条件(たとえば雰囲気、温度等)により前駆体におけるOのモル比が変化するため、前駆体におけるOのモル比は上記xの数値範囲外であってもよい。
前駆体は、下記の化合物を上記組成式(1)に示すモル比を満たすように配合することにより得られる。具体的には、粉砕・混合、熱的な分解混合、沈殿反応、または加水分解等の方法により、下記化合物から前駆体を製造することができる。特に、マンガン化合物、ニッケル化合物及びコバルト化合物とリチウム化合物とを水などの溶媒に溶解した液状の原料を混合・撹拌、熱処理する方法が好ましい。これを乾燥することにより、前駆体として、均一な組成を有し、低温で結晶化し易い複合酸化物(前駆体)を作製し易くなる。
具体的な前駆体製造のための原料は、以下のものが挙げられ、
リチウム化合物は、酢酸リチウム二水和物、水酸化リチウム一水和物、炭酸リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム等。
ニッケル化合物は、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケル六水和物、硝酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物等。
コバルト化合物は、酢酸コバルト四水和物、硫酸コバルト七水和物、硝酸コバルト六水和物、塩化コバルト六水和物等。
マンガン化合物は、酢酸マンガン四水和物、硫酸マンガン五水和物、硝酸マンガン六水和物、塩化マンガン四水和物、酢酸マンガン四水和物、等が挙げられ、
M化合物は、Al源、Si源、Zr源、Ti源、Fe源、Mg源、Nb源、Ba源、V源からなる酸化物、またはフッ化物等が挙げられ、、例えば、硝酸アルミニウム九水和物、フッ化アルミニウム、硫酸鉄七水和物、二酸化ケイ素、硝酸酸化ジルコニウム二水和物、硫酸チタン水和物、硝酸マグネシウム六水和物、酸化ニオブ、炭酸バリウム、酸化バナジウム、等の化合物が挙げられる。これらの原料の配合量を調整することによって表面のニッケル濃度が少ない活物質を作製できる。
上記化合物を溶解した溶媒に錯化剤を加えて調製した原料混合物を、さらに混合・撹拌、熱処理してもよい。また、必要に応じて、pHを調整するために、酸を原料混合物に加えても良い。錯化剤の種類は問わないが、入手のしやすさやコストを考えると、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などが好ましい。
前駆体の比表面積は0.5〜6.0m/gであることが好ましい。これにより、前駆体の結晶化(焼結)が進行し易くなり、サイクル特性が向上し易くなる。前駆体の比表面積が0.5m/gより小さい場合、焼成後の前駆体の粒径(リチウム遷移金属酸化物の粒径)が大きくなり、最終的に得られる活物質の組成分布が不均一になる可能性がある。また前駆体の比表面積が6.0m/gより大きい場合、前駆体の吸水量が多くなり、焼成工程が困難になる。前駆体の吸水量が多い場合、ドライ環境整備が必要となり、活物質製造のコストが増加する。なお、比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置によって測定できる。前駆体の比表面積が上記の範囲外である場合、前駆体が結晶化する温度が高くなる傾向がある。なお、前駆体の比表面積は、粉砕方法、粉砕用メディア、粉砕時間等により調整できる。
上記の方法で製造した前駆体を焼成する。前駆体の焼成によって、層状の結晶構造を有し、下記記組成式(1)で表されるリチウム遷移金属酸化物の固溶体(活物質)を得ることができる。
LiNiCoMn (1)
上記式(1)中、元素MはAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,Ba及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b+c+d+y)≦2.1、1.05≦y≦1.35、0<a≦0.3、0<b≦0.25、0.3≦c≦0.7、0≦d≦0.1、1.9≦x≦2.1となるものである。
前駆体の焼成温度は、好ましくは800〜1100℃、より好ましくは850〜1050℃である。前駆体の焼成温度が500℃未満であると、前駆体の焼結反応が十分進行せず、得られるリチウム遷移金属酸化物の結晶性が低くなるから、好ましくない。前駆体の焼成温度が1100℃を超えると、リチウムの蒸発量が大きくなる。その結果、リチウムが欠損した組成のリチウム遷移金属酸化物が生成し易くなる傾向があり、好ましくない。また、1100℃を超えると一次粒子同士が焼結し、比表面積が著しく低下するため好ましくはない。
前駆体の焼成雰囲気としては、酸素を含む雰囲気が好ましい。具体的な雰囲気としては、不活性ガスと酸素との混合気体、空気等の酸素を含む雰囲気を挙げることができる。前駆体の焼成時間は、3時間以上であることが好ましく、5時間以上であることがさらに好ましい。
これまで、本発明の一製造方法について説明してきたが、本発明の特徴である一次粒子内部よりも表面の方がニッケル濃度が低い活物質構造を作るには、他にもいくつか方法がある。例えば、前駆体完成後に炭酸リチウムを更に添加して焼成したり、焼成時の酸素含有量を調整したり、あるいは、それらを組み合わせることによっても、本発明の構造的特徴を作ることができる。
正極活物質粉体の平均粒子径は、0.2〜1.0μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmの範囲とする。また、10μm以上の粗大粒子が無いことが更に好ましい。
負極活物質の粉体の平均粒子径は100μm以下であることが好ましい。このような微小な正極活物質を用いることで、リチウムイオン二次電池では、高出力特性がより向上する。
所望の粒子径及び形状を有する活物質の粉体を得るためには、粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には、水又はヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、ふるいや風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
(リチウムイオン二次電池)
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える発電要素30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される負極リード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される正極リード60とを備える。
負極20は、負極集電体22と、負極集電体22上に形成された負極活物質層24と、を有する。また、正極10は、正極集電体12と、正極集電体12上に形成された正極活物質層14と、を有する。セパレータ18は、負極活物質層24と正極活物質層14との間に位置している。
正極活物質層14が含有する正極活物質は、層状の結晶構造を有し、上記組成式(1)で表される。
リチウムイオン二次電池の負極に用いる負極活物質材料としては、リチウムイオンを析出又は吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]Oに代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
正極活物質層14及び負極活物質層24には、上述した主要構成成分の他に、導電助剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電助剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料が挙げられる。これらの導電助剤を単独で用いてもよく、これらの混合物を用いてもよい。
特に、導電助剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが好ましい。導電助剤の添加量は、正極活物質層または負極活物質層の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、0.5重量%〜30重量%がより好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると、必要炭素量を削減できるため好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極活物質層または負極活物質層の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、2〜30重量%がより好ましい。
増粘剤としては、通常、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の多糖類等を1種または2種以上の混合物として用いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反応する官能基を有する増粘剤は、例えばメチル化等によりその官能基を失活させておくことが好ましい。増粘剤の添加量は、正極活物質層または負極活物質層の総重量に対して0.5〜10重量%が好ましく、1〜2重量%がより好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極活物質層または負極活物質層の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極活物質層または負極活物質層は、主要構成成分(正極活物質、または負極活物質)、及びその他の材料(導電助剤、結着剤、増粘剤、フィラー、等)を混練して合剤とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒に混合させた後、得られた混合液を集電体の上に塗布し、または圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
電極の集電体としては、鉄、銅、ステンレス、ニッケル及びアルミを用いることができる。また、その形状として、シート、発泡体、メッシュ、多孔体及びエキスパンド格子などを用いることができる。さらに、集電体には任意の形状で穴を開けて用いることができる。
リチウムイオンを含む電解質溶液は、非水電解質であり、非水電解質は、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、電解液と固体電解質とを組み合わせて使用することができる。固体電解質として、結晶質または非晶質の無機固体電解質を用いることができる。結晶質の無機固体電解質としては、LiI、LiN、Li1+xTi2−x(PO(M=Al、Sc、Y、La)、Li0.5−3x0.5+xTiO(R=La、Pr、Nd、Sm)、またはLi4−xGe1−xに代表されるチオLISICONを用いることができる。非晶質の無機固体電解質としては、LiI−LiO−B系、LiO−SiO系、LiI−LiS−B系、LiI−LiS−SiS系、LiS−SiS−LiPO系などを用いることができる。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO,LiBF,LiAsF,LiPF,LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられる。これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。特に、本実施形態の活物質は、LiBF,LiAsF,LiPFのようなFを含む電解質塩と化学反応し難く、耐久性が高い。
さらに、LiPFとLiN(CSOのようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることが好ましい。これにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また自己放電を抑制することができる。
非水電解質には常温溶融塩あるいはイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、0.5mol/l〜2.5mol/lがさらに好ましい。これにより、高い電池特性を有するリチウムイオン二次電池を確実に得ることができる。
リチウムイオン二次電池用セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。リチウムイオン二次電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
リチウムイオン二次電池用セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
リチウムイオン二次電池用セパレータとしては、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。ゲル状態の非水電解質を用いると、漏液を防止する効果がある。
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、リチウムイオン二次電池の形状は、図1に示すものに限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池の形状が角形、楕円形、コイン形、ボタン形、シート形等であってもよい。
本実施形態の活物質は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子の電極材料としても用いることができる。このような、電気化学素子としては、金属リチウム二次電池(本発明により得られた活物質を含む電極を正極として用い、金属リチウムを負極として用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。これらの電気化学素子は、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途に使用することが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[前駆体の作製]
酢酸リチウム二水和物37.10g、酢酸コバルト四水和物8.30g、酢酸マンガン四水和物40.11g、酢酸ニッケル四水和物11.43gを蒸留水に溶解させ、クエン酸を添加した後、加温・攪拌しながら10hr反応させた。この前駆体反応物を120℃、24hr乾燥させ、水分を除去した後に500℃、5hr熱処理し、有機成分を除去することにより、茶渇色の粉末(実施例1の前駆体)が得られた。なお、原料混合物における酢酸リチウム二水和物、酢酸ニッケル四水和物、酢酸マンガン四水和物及び酢酸コバルト四水和物の配合量の調整により、前駆体が含有するリチウム,ニッケル,コバルト及びマンガンのモル数を、0.30molのLi1.20Ni0.15Co0.11Mn0.54に相当するように調整した。つまり、実施例1の前駆体から、0.30molのLi1.20Ni0.15Co0.11Mn0.54が生成するように、原料混合物中の各元素のモル数を調整した。錯化剤としてのクエン酸は、実施例1の前駆体から得られる活物質のモル数0.30molに対して、同等のモル数すなわち0.30mol添加した。
[活物質の作製]
前駆体に0.08mol%相当の炭酸リチウムを添加して30分混合した後、950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成して実施例1のリチウム遷移金属酸化物(活物質)を得た。実施例1のリチウム遷移金属酸化物の結晶構造を粉体X線回折法により解析した。実施例1の活物質は、菱面体晶系、空間群R(−3)m構造の主相を有することが確認された。また、実施例1の活物質のX線回折パターンにおいて2θが20〜25°付近に、LiMnO型の単斜晶系の空間群C2/m構造に特有の回折ピークが観察された。
〈組成分析〉
誘導結合プラズマ法(ICP法)による組成分析の結果、実施例1のリチウム遷移金属酸化物(活物質)の組成は、Li1.28Ni0.15Co0.11Mn0.54であることが確認された。実施例1の活物質中の各金属元素のモル比は、実施例1の前駆体における各金属元素のモル比に一致していることが確認された。つまり、前駆体中の金属元素のモル比の調整により、前駆体から得られるリチウム遷移金属酸化物(活物質)の組成が正確に制御できることが確認された。
〈一次粒子の組成分析〉
実施例1のリチウム遷移金属酸化物(活物質)の一次粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察し、TEMに付属のエネルギー分散型X線分光装置(EDS)を用いて、一次粒子中央部における点分析と粒子表面付近(表面から30nm以内の範囲)の点分析を行い、元素の含有比率を算出する。なお、測定点の数は特に制限されないが、5点以上であることが好ましい。図2(a)に実施例1のTEM像を示す。この場合、+001が粒子表面近傍のNi組成量Niβであり、ポイント+003が粒子中央部におけるNi組成量Niαである。
[正極の作製]
実施例1のリチウム遷移金属酸化物(活物質)と、導電助剤と、バインダーを含む溶媒とを混合して、正極用塗料を調製した。正極用塗料を正極集電体であるアルミニウム箔(厚み20μm)にドクターブレード法で塗布後、100℃で乾燥し、圧延した。これにより、リチウム遷移金属酸化物(活物質)の層及び正極集電体から構成される正極を得た。導電助剤としては、カーボンブラック及び黒鉛を用いた。バインダーを含む溶媒としては、PVDFを溶解したN−メチル−2−ピロリドンを用いた。
[負極の作製]
実施例1の活物質の代わりに天然黒鉛を用い、導電助剤としてカーボンブラックだけを用いたこと以外は、正極用塗料と同様の方法で、負極用塗料を調製した。負極用塗料を負極集電体である銅箔(厚み16μm)にドクターブレード法で塗布後、100℃で乾燥し、圧延した。これにより、負極活物質層及び負極集電体から構成される負極を得た。
[リチウムイオン二次電池の作製]
上述したとおり準備した正極、及び負極と、セパレータ(ポリオレフィン製の微多孔質膜)とを所定の寸法に切断した。正極、負極には、外部引き出し端子を溶接するために電極用塗料を塗布しない部分を設けておいた。そして、正極、負極、セパレータをこの順序で積層した。積層する際には、正極、負極、セパレータがずれないようにホットメルト接着剤(エチレン−メタアクリル酸共重合体、EMAA)を少量塗布し固定した。正極、負極には、それぞれ、外部引き出し端子としてアルミニウム箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)、ニッケル箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)を超音波溶接した。この外部引き出し端子に、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付け熱接着させた。これは外部端子と外装体とのシール性を向上させるためである。正極、負極、セパレータを積層した電池要素を封入する電池外装体として、PET層、Al層及びPP層から構成されるアルミニウムラミネート材料を用いた。PET層の厚さは12μmであった。Al層の厚さは40μmであった。PP層の厚さは50μmであった。なお、PETはポリエチレンテレフタレート、PPはポリプロピレンの略称である。電池外装体の作製では、PP層を外装体の内側に配置させ作製した。この外装体の中に電池要素を入れ電解液を適当量注入し、外装体を真空密封した。こうして、実施例1のリチウム遷移金属酸化物を用いたリチウムイオン二次電池を完成させた。なお、電解液としては、エチレンカーボンネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒にLiPFを濃度1M(1mol/L)で溶解させたものを用いた。混合溶媒におけるECとDMCとの体積比は、EC:DMC=30:70とした。
[電気特性の測定]
上記実施例1の電池を、1度充放電した後、電流値として30mA/gにて4.8Vまで低電流で充電した後、電流値として30mA/gにて2.0Vまで定電流放電した。実施例1の初期放電容量は211mAh/gであった。この充放電サイクルを50サイクル繰返すサイクル試験を行った。試験は25℃で行った。実施例1の電池の初期放電容量を100%とすると、50サイクル後の放電容量は96%であった。以降、初期放電容量を100%としたときの、50サイクル後の放電容量の割合をサイクル特性と呼ぶことにする。初期放電容量とは2回目の充放電データ、すなわち1度充放電した後、4.8Vまで定電流充電し、次いで2.0Vまで定電流放電した際の放電容量をいう。サイクル特性が高いことは、電池がサイクル特性に優れていることを示す。なお、初期放電容量が190mAh/g以上であり、且つサイクル特性が85%以上である電池を「A」と評価する。初期放電容量が190mAh/g未満である電池、又はサイクル特性が85%未満である電池を「F」と評価する。
(実施例2〜4)
実施例2、3は前駆体へ添加する炭酸リチウム量を調整してリチウム遷移金属酸化物を作製した。
実施例2では、組成量がLi1.20Ni0.15Co0.11Mn0.54となるよう調整した前駆体に0.04mol%相当の炭酸リチウムを添加して30分混合した後、950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成してリチウム遷移金属酸化物を得た。
実施例3では、組成量がLi1.20Ni0.15Co0.11Mn0.54となるよう調整した前駆体に0.12mol%相当の炭酸リチウムを添加して30分混合した後、950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成してリチウム遷移金属酸化物を得た。
実施例4では、組成量がLi1.20Ni0.15Co0.11Mn0.54となるよう調整した前駆体に0.15mol%相当の炭酸リチウムを添加して30分混合した後、950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成してリチウム遷移金属酸化物を得た。
一方、比較例1では、組成量がLi1.20Ni0.15Co0.11Mn0.54となるよう調整した前駆体に炭酸リチウムを添加せずに950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成してリチウム遷移金属酸化物を得た。図2(b)に比較例1のTEM像を示す。この場合、+004が粒子表面近傍のNi組成量Niβであり、ポイント+005が粒子中央部におけるNi組成量Niαである。なお、比較例1の組成式LiNiCoMnは本発明の範囲内であるが、Ni組成量Niβ/Niαは本発明の範囲外である。
また、比較例2では、組成量がLi1.30Ni0.15Co0.11Mn0.54となるよう調整した前駆体を950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成してリチウム遷移金属酸化物を得た。
(実施例5〜10、比較例3〜5)
実施例5〜10並びに比較例3〜5は前駆体原料混合物のCo源、Ni源、Mn源の量を調整した後、0.08mol%相当の炭酸リチウムを添加して30分混合し、950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成することによりリチウム遷移金属酸化物を作製した。なお、比較例3〜5はNi組成量Niβ/Niαは本発明の範囲内であるが、組成式LiNiCoMnは本発明の範囲外である。
(実施例11〜19)
実施例11〜19では、前駆体の原料混合物の組成を以下のように調整した後、0.08mol%相当の炭酸リチウムを添加して30分混合し、950℃で10時間、酸素濃度50容量%において焼成することによりリチウム遷移金属酸化物を得た。すなわち式(1)で表されるMの源として、実施例11では前駆体の原料混合物にAl源として硝酸アルミニウム九水和物を用いた。実施例12では前駆体の原料混合物にV源として酸化バナジウムを用いた。実施例13では前駆体の原料混合物にSi源として二酸化ケイ素を用いた。実施例14では前駆体の原料混合物にMg源として硝酸マグネシウム六水和物を用いた。実施例15では前駆体の原料混合物にZr源として硝酸酸化ジルコニウム二水和物を用いた。実施例16では前駆体の原料混合物にTi源として硫酸チタン水和物を用いた。実施例17では前駆体の原料混合物にFe源として硫酸鉄七水和物を用いた。実施例18では前駆体の原料混合物にBa源として炭酸バリウムを用いた。実施例19では前駆体の原料混合物にNb源として酸化ニオブを用いた。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜19並びに比較例1〜5の電池の初期放電容量及びサイクル特性を評価した。結果を表1に示す。下記の表において、容量が190mAh/g以上であり、且つサイクル特性が85%以上である高容量且つ充放電サイクル特性に優れた電池を「A」と評価する。容量が190mAh/g未満である電池、又はサイクル特性が85%未満である電池を「F」と評価する。図3に実施例1〜10及び比較例1、2のNiβ/Niαとサイクル特性の関係を示す。また、図4に実施例11〜19の初期放電容量とサイクル特性の関係を示す。
表1に示す通り、実施例1〜19のリチウムイオン二次電池は、高容量で且つサイクル特性に優れるといった本発明の効果が確認された。一方、比較例1と2は、表面のニッケル濃度が高いことにより所望の特性が得られず、比較例3〜5は活物質組成が所定の範囲外であったことから所望の特性が得られなかった。
本発明は、高容量で且つサイクル特性に優れた活物質のみならず、リチウムイオン二次電池等の電気化学素子の製造、使用に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
10・・・正極,20・・・負極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・発電要素、50・・・ケース、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池。

Claims (3)

  1. 層状の結晶構造を有し、下記組成式(1)で表される、活物質であり、
    LiNiCoMn (1)
    [上記式(1)中、元素MはAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,Ba及びVからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b+c+d+y)≦2.1、1.05≦y≦1.35、0<a≦0.3、0<b≦0.25、0.3≦c≦0.7、0≦d≦0.1、1.9≦x≦2.1]、
    活物質の一次粒子の中心部のNi組成量をNiα活物質表面から30nm以下のNi組成量をNiβとした場合、0.69≦Niβ/Niα≦0.85であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用活物質。
  2. 前記元素Mが、FeまたはVであり、dが0<d≦0.1であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用活物質
  3. 正極集電体と、正極活物質を含む正極活物質層と、を有する正極と、
    負極集電体と、負極活物質を含む負極活物質層と、を有する負極と、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に位置するセパレータと、
    前記負極、前記正極、及び前記セパレータに接触している電解質と、を備え、
    前記正極活物質が請求項1〜2のいずれかに記載の活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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