JP6387054B2 - リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
そこで、近年、上記のような「LiMeO2型」活物質に対し、遷移金属(Me)に対するリチウムのモル比Li/Meが1を超え、マンガン(Mn)のモル比Mn/Meが0.5を超え、充電をしてもα−NaFeO2構造を維持できる、いわゆる「リチウム過剰型」活物質(特許文献1〜3参照)が提案された。この活物質は、LiwMeO1+w(w>1)と表すことができる。
(1)0.03≦y/x≦0.25である。
(2)Ni、CoおよびMnの合計に対するLiの比率aが2z+y−0.1≦a≦2z+y+0.1である。
(3)前記複合酸化物がリチウム過剰相を含み、b=3(z−x)/(x+2y+3z)で表されるリチウム過剰相の比率bが0.18≦b<0.36である。」(請求項1)と記載されている。
また、特許文献1には、「表2に示すように、条件(1)〜(3)を満たし、比表面積が4.5m2/g以上である例3、4、9〜11では、いずれかの条件を満たさない例1、2、5〜8、12〜15に比べて、充分なレート特性と高い充放電効率とを兼ね備えていた。」(段落[0103])と記載されている。
そして、例3、4、9〜11には、それぞれ、yが0.03、0.02、0.03、0.06、0.09であり、Li/X(a)が1.140、1.203、1.125、1.125、1.125であり、xが0.41、0.38、0.42、0.40、0.38である上記の複合酸化物が示されている(表1及び表2参照)。
(1)b=3(z−x)/(x+2y+3z)で表される、複合酸化物中のリチウム過剰相の比率bが0.36≦b≦0.45である。
(2)0.03≦y/x≦0.25である。
(3)Ni、CoおよびMnの合計に対するLiの比率aが2z+y−0.1≦a≦2z+y+0.1である。」(請求項1)と記載されている。
また、特許文献2には、「表2に示すように、条件(1)〜(3)を満たし、かつ比表面積が4.5m2/g以上である例5、9、10では、いずれかの条件を満たさない例1〜4、6〜8、11〜14に比べて、4.5V初期容量が高く、レート特性に優れていた。また、例5、9、10では、充分な充放電効率も得られた。」(段落[0100])と記載されている。
そして、例5、9、10には、それぞれ、yが0.02、0.02、0.06であり、Li/X(a)が1.29、1.28、1.28であり、xが0.34、0.33、0.31である上記の複合酸化物が示されている(表1及び表2参照)。
また、特許文献3には、「上の節で論じたように、これらの組成物に関する全体の組成式は、xLi2MnO3・(1−x)LiNiuMnvCowO2(組成式I)またはLi1+bNiαCoγMnβO2(組成式II)と書くことができる。2組の組成物を生成した。第1の組に関しては、u=vを有する組成物タイプを合成した。表3で見られるように、Xが0.1〜0.5の範囲内であり、Mn%が35%〜70%の範囲内である総計34種のカソード組成物を合成した。組成物中に存在するNi、Co、およびMnの関係を図2にさらに示す。第2の組の組成物に関しては、uはvと等しくなく、ここでもx=0.1、0.2、0.3、0.4、または0.5である。表4は、合成された5つの異なるカソード組成物と、それらの対応するMn%を示す。」(段落[0085])と記載されている。そして、図2からは、Mnが0.35〜0.70であるとき、Coは、0.125〜0.625であることが読み取れる。
さらに、「X=0.2、X=0.3、およびX=0.5を有するカソード材料を用いて作製されたコイン電池を、それぞれ225、350、および400サイクルにわたって4.5Vと2ボルトの間でサイクルさせた。最初の2回のサイクルは速度C/10で行い、その後のサイクルは速度C/3で行った。比放電容量を図27にプロットする。X=0.5の組成物を用いた電池は、始めはかなり大きい比容量を有するが、これらの電池はまた、サイクルと共に、より速い容量減少を示した。225サイクルで、最初のサイクル性能と比べた電池の比容量に関するサイクル効率は、X=0.2に関して約90%、X=0.3に関して87%、X=0.5に関して81%であった。同様に、これらの電池に関して平均電圧をサイクルと共に測定した。3つのコイン電池に関して、サイクル数の関数としての平均電圧を図28にプロットする。X=0.5のカソード組成物を用いて作製された電池は、他の2つの電池に比べてすべてのサイクルで大幅に低い平均電圧を示し、また、X=0.5のカソード材料を用いた電池に関して、平均電圧はサイクルと共により急速に降下した。より低い平均電圧は、一般に、電池から利用可能なエネルギーおよび電力の対応する減少をもたらす。X=0.2の組成物を用いた電池は、X=0.3を有する電池によって示される平均電圧に比べて、すべてのサイクルでわずかだけ大きい平均電圧を示した。」(段落[0125])と記載されている。
リチウム遷移金属複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、
α−NaFeO2型結晶構造を有し、
式LiwNixCoyMnzO1+w(w>1、x+y+z=1)
0.30<x<0.345、
0≦y<0.05、
0.655<z<0.70、
0.47<(w−2x−y)/w<0.51
で表される但し、前記式において、0.03≦y/x≦0.25、2z+y−0.1≦w≦2z+y+0.1、且つ、b=3(z−x)/(x+2y+3z)が0.18≦b≦0.45を満たすリチウム遷移金属複合酸化物を除く。)、
リチウム二次電池用正極活物質。
リチウム遷移金属複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、Ni、Co、Mnのモル比x、y、zが、0.30<x<0.345、0≦y<0.05、0.655<z<0.70(x+y+z=1)となるように調整した、Ni及びMn、又は、Ni、Co及びMnを含む遷移金属化合物の水溶液、並びにアルカリ水溶液を反応槽へ供給し、遷移金属を含む前駆体を製造し、前記前駆体(但し、0.03≦y/x≦0.25、2z+y−0.1≦w≦2z+y+0.1、且つ、b=3(z−x)/(x+2y+3z)が0.18≦b≦0.45を満たすものを除く。)とリチウム化合物を、リチウム遷移金属複合酸化物中のLiのモル比をwとしたとき、(w−2x−y)/wの値が0.47<(w−2x−y)/w<0.51(w>1)の範囲となるように混合し焼成して、α−NaFeO2型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を製造することを備える、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
本実施形態に係る正極活物質は、α−NaFeO2型結晶構造を有し、式LiwNixCoyMnzO1+w(w>1、x+y+z=1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物である。
本実施形態に係る正極活物質は、その特性を著しく損なわない範囲で、少量の金属M(Mg、Sr、Ba、Cd、Zn、Ga、B、Zr、Ti、Ca、Ce、Y、Nb、Cr、Fe、Vの一種、又はそれらの二種以上の組み合わせ)を含んでいてもよい。
「Li過剰型」活物質をLi2MnO3(以下、「Liα(Li1/3Mn2/3)O2+β」と表記する。)とLiMeO2の固溶体と仮定する。具体的には、LiwNixCoyMnzO1+w(x+y+z=1)と表される「Li過剰型」活物質をA・Liα(Li1/3Mn2/3)O2+β−B・LiNix'Coy'Mnx'O2と置く。ここで、LiMeO2中に存在するNiの酸化数は常に2価であり、Ni2+とMn4+は常に等モルで存在すると仮定する。すると、x'+y'+x'=1、B・x'=x、B・y'=yの関係式が導かれる。このとき、LiwNixCoyMnzO1+wで表される「Li過剰型」活物質全体に含まれるLi量のうち、上記式中、LiNix'Coy'Mnx'O2に含まれるLi量の割合は、
(B・x'+B・y'+Bx')/w=(2x+y)/w
と表され、Liα(Li1/3Mn2/3)O2+βに含まれるLi量の割合は、
1−(2x+y)/w=(w−2x+y)/w
と表される。
(w−2x−y)/wの値は0.475<(w−2x−y)/w<0.510の範囲であることが好ましく、x、y、zは、それぞれ、0.315<x<0.35、0≦y<0.02、0.655<z<0.675の範囲とすることが好ましい。また、wは、1.30≦w≦1.35の範囲とすることが好ましい。
さらに、遷移金属(Ni、Co及びMn)中のNiのモル比率を表すxの値は、0.34以下がより好ましく、また、0.32以上がより好ましい。遷移金属(Ni、Co及びMn)中のCoのモル比率を表すyの値は、0.016以下がより好ましく、0がさらに好ましい。遷移金属(Ni、Co及びMn)中のMnのモル比率を表すzの値は、0.66以上がより好ましく、また、0.67以下がより好ましい。
次に、本実施形態に係る正極活物質の製造方法について述べる。
まず、Ni、Co、Mnのモル比x、y、zが、0.30<x<0.37、0≦y<0.05、0.63<z<0.70(x+y+z=1)となるように調整した、Ni及びMn、又は、Ni、Co及びMnを含む遷移金属化合物の水溶液、並びにアルカリ水溶液を反応槽へ供給し、共沈反応により、遷移金属を含む前駆体粒子(共沈前駆体の粉末)を製造する。次に、前記前駆体粒子とリチウム化合物を、リチウム遷移金属複合酸化物中のLiのモル比をwとしたとき、(w−2x−y)/wの値が0.47<(w−2x−y)/w<0.51(w>1)の範囲となるように混合し焼成して、リチウム遷移金属複合酸化物粒子を製造する。
遷移金属化合物(Ni塩、Mn塩、Co塩)としては、硫酸塩や硝酸塩、塩化物等を用いることができる。
反応槽の温度は、35℃〜60℃に保持することが好ましい。遷移金属化合物の組成が上記の範囲となるように原料を調製し、35℃以上で反応させて得られた前駆体粒子を用いることにより、エネルギー密度が高く、且つ、充放電サイクルに伴うエネルギー密度維持率が高い正極活物質が得られる。
前駆体を製造するときの反応槽の好ましいpHは、炭酸塩の場合、7〜9であり、水酸化物の場合、10〜12である。遷移金属化合物の水溶液と共に、アルカリ水溶液として、炭酸塩前駆体の場合、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液等を用いて共沈前駆体を製造することができ、水酸化物前駆体の場合、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等を用いて共沈前駆体を製造することができる。
なお、錯化剤としては、アンモニウムイオン供給体、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリト三酢酸、ウラシル二酢酸、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセトン又はグリシンから選ばれる1種又は2以上を用いることができる。
また、このリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を硫酸アルミニウム等の水溶液と接触させることにより、周知のように、粒子表面にアルミニウム化合物を存在させて、正極活物質としてもよい。
負極活物質としては、限定されない。リチウムイオンを放出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]O4に代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
正極活物質の粉体および負極活物質の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが好ましい。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出力特性を向上する目的で15μm以下であることが好ましい。粉体を所定の形状で得るためには、所定の大きさの前駆体を作製する方法や粉砕機、分級機などを用いる方法などがある。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
本実施形態に係るリチウム二次電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
電池のその他の構成要素としては、端子、絶縁板、電池ケース等があるが、これらの部品は従来用いられてきたものをそのまま用いて差し支えない。
図5に、本発明の一態様に係る矩形状のリチウム二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図5に示すリチウム二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
本発明の一態様に係るリチウム二次電池の形状については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。
本実施形態は、上記のリチウム二次電池を複数個集合した蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図6に示す。図6において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数のリチウム二次電池1を備えている。前記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.0(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Mnのモル比が0.338:0.662となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、120℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Mn)が1.33となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下930℃で4hr焼成し、中間焼成物(リチウム遷移金属複合酸化物)を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下400℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら40℃に保持した。さらにpH=8.0(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Mnのモル比が0.341:0.659となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、100℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Mn)が1.31となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下900℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを35℃に保持した30mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.04mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液6mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で4hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら40℃に保持した。さらにpH=8.4(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Mnのモル比が0.341:0.659となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、100℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Mn)が1.32となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下880℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを35℃に保持した30mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸アルミニウム濃度0.5mol/Lとなるように調整した混合水溶液6mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で4hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.4(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Mnのモル比が0.34:0.66となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Mn)が1.30となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを35℃に保持した30mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸アルミニウム濃度0.5mol/L、となるように調整した混合水溶液6mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で4hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を6L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.4(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.319:0.016:0.666となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.32となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを35℃に保持した30mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸アルミニウム濃度1.5mol/L、となるように調整した混合水溶液6mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で4hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.0(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.290:0.061:0.649となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、120℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.33となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で4hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下400℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.283:0.095:0.622となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.28となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で4hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.347:0.152:0.501となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、120℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.11となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下950℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸アルミニウム濃度0.5mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下500℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.296:0.152:0.552となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、120℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.21となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で5hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度0.5mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.383:0.102:0.515となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.13となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下900℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下500℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.247:0.152:0.601となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.31となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.10mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.5mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下400℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.244:0.099:0.657となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、120℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.36となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で6hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、120℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.193:0.201:0.605となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、100℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.36となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下900℃で5hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.5mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下400℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.193:0.302:0.505となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.30となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下900℃で5hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸アルミニウム濃度0.5mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下450℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
密閉型反応槽に水を8L入れ、窒素ガスを流通させながら50℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるように撹拌しながら、連続的にNi、Co、Mnのモル比が0.182:0.124:0.694となるように調整した混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、80℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。
得られた共沈前駆体の粉末と炭酸リチウム粉末をLi/(Ni+Co+Mn)が1.39となるように秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下950℃で5hr焼成し、中間焼成物を得た。
この中間焼成物100gを30℃に保持した20mLの純水に攪拌しながら投入した。次に硫酸濃度0.05mol/L、硫酸アルミニウム濃度1.0mol/L、となるように調整した混合水溶液3mLを、中間焼成物のスラリーに滴下し、濾過、水洗後、100℃で乾燥した。これを電気炉を用いて、空気流通下500℃で5hr焼成し、正極活物質の粉末を得た。
この正極活物質の粉末は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にアルミニウム化合物が存在している。
前記実施例及び比較例に係る正極活物質(活物質)の粉末をそれぞれ用いて、以下の手順でリチウム二次電池を作製した。
次に、25℃にて、1サイクルの初期充放電工程に供した。充電は、電流0.1C、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/50に減衰した時点とした。放電は、電流0.1C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。この充放電を1サイクル行った。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。このようにして、リチウム二次電池を作製した。
25℃にて、1Cでの放電試験を行った。充電は、電流0.1C、電圧4.45Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/50に減衰した時点とした。放電は、電流1C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。このときの放電容量及び平均電圧(V)、並びに、これらの積として算出されるエネルギー密度をそれぞれ「1Cでの放電容量(mAh/g)」、及び「1Cでの平均電圧(V)」、並びに、「1Cでのエネルギー密度(mWh/g)」として記録した。
25℃環境下において、25サイクルの充放電試験を行った。充電は、電流0.33CAの定電流充電とし、充電終止電圧は4.45Vとした。放電は、電流0.33CAの定電流放電とし、放電終止電圧は2.0Vとした。ここで充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止期間を設けた。当該充放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量と平均電圧の積として算出されるエネルギー密度に対する、25サイクル目の放電容量と平均電圧の積として算出されるエネルギー密度の百分率を「エネルギー密度維持率(%)」として記録した。
また、前記実施例及び比較例における(w−2x−y)/wに対して、それぞれエネルギー密度及びエネルギー密度維持率をプロットしたグラフを図1、図2に示す。また、前記実施例及び比較例におけるエネルギー密度とエネルギー密度維持率の関係を図3に、(w−2x−y)/wと格子定数aの関係を図4に示す。
(w−2x−y)/wが、0.47<(w−2x−y)/w<0.51を満たし、0.30<x<0.37、0≦y<0.05、0.63<z<0.70を満たす実施例1〜5に係る正極活物質は、1Cでのエネルギー密度が高く、且つエネルギー密度維持率も高い。
比較例2、6及び9は、(w−2x−y)/wが本実施形態の範囲内であるが、x、y、zがいずれも本実施形態の範囲を満たしておらず、いずれも1Cでのエネルギー密度が低い。
1Cでのエネルギー密度とエネルギー密度維持率とがともに優れているのは、実施例1〜5のみである(図3参照)。
2 電極群
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
Claims (5)
- リチウム遷移金属複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、
α−NaFeO2型結晶構造を有し、
式LiwNixCoyMnzO1+w(w>1、x+y+z=1)
0.30<x<0.345、
0≦y<0.05、
0.655<z<070、
0.47<(w−2x−y)/w<0.51
で表される(但し、前記式において、0.03≦y/x≦0.25、2z+y−0.1≦w≦2z+y+0.1、且つ、b=3(z−x)/(x+2y+3z)が0.18≦b≦0.45を満たすリチウム遷移金属複合酸化物を除く。)、
リチウム二次電池用正極活物質。 - 前記リチウム遷移金属酸化物は、wが1.30≦w≦1.35である、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム遷移金属酸化物は、格子定数aが2.870Å以上である、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
- リチウム遷移金属複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、Ni、Co、Mnのモル比x、y、zが、0.30<x<0.345、0≦y<0.05、0.655<z<0.70(x+y+z=1)となるように調整した、Ni及びMn、又は、Ni、Co及びMnを含む遷移金属化合物の水溶液、並びにアルカリ水溶液を反応槽へ供給し、遷移金属を含む前駆体を製造し、前記前駆体(但し、0.03≦y/x≦0.25、2z+y−0.1≦w≦2z+y+0.1、且つ、b=3(z−x)/(x+2y+3z)が0.18≦b≦0.45を満たすものを除く。)とリチウム化合物を、リチウム遷移金属複合酸化物中のLiのモル比をwとしたとき、(w−2x−y)/wの値が0.47<(w−2x−y)/w<0.51(w>1)の範囲となるように混合し焼成して、α−NaFeO2型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を製造することを備える、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の正極活物質を含む正極を備える、リチウム二次電池。
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