JP2015115244A - リチウム二次電池用正極、リチウム二次電池、バッテリーモジュール、及びバッテリーモジュールを搭載した自動車 - Google Patents

リチウム二次電池用正極、リチウム二次電池、バッテリーモジュール、及びバッテリーモジュールを搭載した自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】4.4V(vs.Li/Li)以上で充電を行った場合でも、放電中に正極合材が集電箔から脱落することが防止できる正極を提供する。
【解決手段】正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層と集電箔を備えたリチウム二次電池用正極において、前記正極合材層は、二層以上であり、少なくとも一層の前記正極合材層3には、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、Liのモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれ、かつ集電箔1に接する前記正極合材層2には、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、Liのモル比Li/Me'が1.2以下であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用正極、その正極を備えたリチウム二次電池、そのリチウム二次電池で構成されたバッテリーモジュール、そのバッテリーモジュールを搭載した自動車に関する。
現在、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池、特にリチウム二次電池は、従来、ノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器の電源として用いられてきたが、近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの自動車用電源としても用いられている。
従来の非水電解質二次電池には、正極活物質として主にLiCoOが用いられていた。しかし、LiCoOの放電容量は120〜130mAh/g程度である。リチウム二次電池用正極活物質材料として、LiCoOと他の化合物との固溶体が知られている。α−NaFeO型結晶構造を有し、LiCoO、LiNiO及びLiMnOの3つの成分の固溶体であるLi[Co1−2xNiMn]O(0<x≦1/2)」が、2001年に発表された。前記固溶体の一例である、LiNi1/2Mn1/2やLiCo1/3Ni1/3Mn1/3は、150〜180mAh/gの放電容量を有しており、充放電サイクル性能の点でも優れる。
上記のようないわゆる「LiMeO型」活物質に対し、遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)の組成比率Li/Meが1より大きく、例えばLi/Meが1.25〜1.6であるいわゆる「リチウム過剰型」活物質が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。このような材料は、Li1+αMe1−α(α>0)と表記することができる。ここで、遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)の組成比率Li/Meをβとすると、β=(1+α)/(1−α)であるから、例えば、Li/Meが1.5のとき、α=0.2である。
特許文献1及び2には、上記のような活物質が記載されている。また、これらの特許文献には、前記活物質を用いた電池の製造方法として、4.3V(vs.Li/Li)を超え4.8V以下(vs.Li/Li)の正極電位範囲に出現する、電位変化が比較的平坦な領域に少なくとも至る充電を行う製造工程を設けることにより、使用時において、充電時の正極の最大到達電位が4.3V(vs.Li/Li)以下又は4.4V(vs.Li/Li)未満である充電方法が採用された場合であっても、200mAh/g以上の放電容量が得られる電池を製造できることが記載されている。
このように、いわゆる「LiMeO型」正極活物質の場合とは異なり、いわゆる「リチウム過剰型」正極活物質では、少なくとも最初の充電において4.3Vを超える比較的高い電位、特に4.4V以上の電位に至って行うことにより、高い放電容量が得られるという特徴がある。
特許文献3には、「Li[Li1/3Mn2/3]OとLiM1O(M1は1つ以上の遷移金属である)との固溶体であって、金属価数の合計が4である、固溶体と、LiM2O(M2は価数の合計が3である1つ以上の遷移金属である)で表される副活物質とが混合されてなる正極材料を正極活物質として含む、リチウムイオン電池用正極。」(請求項1)の発明が記載され、また、この発明の効果として「本発明のリチウムイオン電池用正極によれば、前記固溶体に前記副活物質を混合することでタップ密度が改善される。また、前記副活物質を混合した場合であっても、前記固溶体の高い耐久性が維持される。このため、電池の高耐久性を保持した上で、体積当りの容量密度が改善されうる。」(段落[0011])と記載されている。
また、種々の目的で異なる正極活物質を積層した多層正極を有するリチウム二次電池の発明が公知である(例えば、特許文献4〜8参照)。
特許文献4には、「正極集電体にLiX Co1-Y NiY Z (0<X≦1.3、0≦Y≦1、1.8≦Z≦2.2)で表される正極材料の層が設けられた正極を使用したリチウム電池において、上記の正極集電体に上記の正極材料の層が複数層積層され、正極集電体に近い正極材料の層中におけるCoの原子比に比べて、正極集電体から離れた正極材料の層中におけるCoの原子比が多くなっていることを特徴とするリチウム電池。」(請求項1)の発明が記載され、また、この発明の課題として、「正極における正極材料に、リチウムとコバルトとニッケルの複合酸化物を用いたリチウム電池において、充放電を繰り返して行なった場合においても、その正極における正極材料が非水電解液等と反応して次第に放電容量が低下するということが少なく、サイクル特性に優れたリチウム電池が得られるようにすること」(段落[0007])が示されている。
特許文献5には、「複数の正極活物質を含む正極活物質層が正極集電体表面に形成された正極と、負極活物質層を備えた負極と、これら両極間に介装されたセパレータとを備えた非水電解質電池において、上記正極活物質層は正極活物質成分が異なる複数の層から成り、且つ、これら複数の層のうち正極最表面層には、正極活物質種の中で最も熱安定性が高いものが主成分として含まれると共に、上記セパレータの破膜温度が180℃以上に規制されることを特徴とする非水電解質電池。」(請求項1)、「上記正極最表面層における主正極活物質として、スピネル型マンガン酸リチウムを用いる、請求項1記載の非水電解質電池。」(請求項2)、「上記正極活物質層には、正極活物質としてのコバルト酸リチウムが含まれる、請求項1〜3記載の非水電解質電池。」(請求項4)の発明が記載され、また、この発明の目的として「従来の電池構成を大きく損なうことなく安全性、特に過充電特性の向上を図ることができる非水電解質電池の提供」(段落[0011])が示されている。
特許文献6には、「集電体に活物質層が設けられた正極であって、前記活物質層は、異なる活物質を含む多層構造を有することを特徴とする正極。」(請求項1)、「前記活物質層は、第1の活物質を含む第1層と、前記第1の活物質よりも高い熱安定性を有する第2の活物質を含む第2層とを有することを特徴とする請求項1記載の正極。」(請求項2)、「前記第1の活物質は、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを含む複合酸化物であり、第2の活物質は、リチウムと鉄(Fe)とを含むリン酸化合物であることを特徴とする請求項2記載の正極。」(請求項5)の発明が記載され、この発明の目的として「連続充電特性あるいは高温保存特性などの電池特性を向上させることができる正極およびそれを用いた電池を提供すること」(段落[0006])が示されている。
特許文献7には、「集電基材と、前記集電基材上に複数の合剤層からなる正極塗膜とを備えたリチウム二次電池用正極であって、前記正極塗膜は、正極活物質として発熱開始温度が異なる2種以上のリチウム含有化合物を含有し、前記2種以上のリチウム含有化合物のうち、少なくとも1種のリチウム含有化合物は300℃以上の発熱開始温度を有し、前記集電基材に最も近い第1合剤層中に、前記発熱開始温度が300℃以上のリチウム含有化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするリチウム二次電池用正極。」(請求項1)、「前記発熱開始温度が300℃以上のリチウム含有化合物が、リチウムマンガン系酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系酸化物、及びオリビン型リン酸リチウム系化合物からなる群から選ばれる1種である請求項1〜3の何れか1項に記載のリチウム二次電池用正極。」(請求項4)、「前記リチウムニッケルコバルトマンガン系酸化物が、LiaNi1-(b+c)MnbCoc2(ただし、1≦a≦1.2であり、0.1≦b≦0.5であり、0.1≦c≦0.5である)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物である請求項4に記載のリチウム二次電池用正極。」(請求項6)の発明が記載され、この発明の課題として「過酷な使用環境を想定した内部短絡条件の下で行う釘刺し試験においても、リチウム二次電池の過熱を確実に抑制し得るリチウム二次電池用正極を提供すること、およびそれを用いて、信頼性に優れ、かつ高容量なリチウム二次電池を提供すること」(段落[0010])が示されている。
特許文献8には、「正極電極と負極電極をセパレータを介して積層したリチウムイオン電池において、正極集電体上に複数の正極層を有し、前記正極集電体に近い側の前記正極層の正極活物質のリチウム挿入脱離反応電位が、前記正極集電体から遠い側の前記正極層の正極活物質のリチウム挿入脱離反応電位より低いことを特徴とするリチウムイオン二次電池。」、「正極電極と負極電極をセパレータを介して積層したリチウムイオン電池において、正極集電体上に二層の正極層を有し、前記正極集電体に接する第一の正極層の正極活物質のリチウム挿入脱離反応電位が、前記正極集電体から遠い側の第二の正極層の正極活物質のリチウム挿入脱離反応電位より低く、前記第一の正極層の塗布量が第二の正極層の塗布量以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。」(請求項2)、「前記第一の正極層の正極活物質がLiCo1/3Ni1/3Mn1/32であることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。」(請求項3)、「前記第二の正極層の正極活物質がLiCoO2であることを特徴とする請求項2または3に記載のリチウムイオン二次電池。」(請求項4)の発明が記載され、この発明の課題として「複数の正極活物質を使用してレート特性、ならびにサイクル特性等の電気特性を向上したリチウムイオン二次電池を提供すること」(段落[0010])が示されている。
WO2012/091015 WO2013/084923 特開2012−59527号公報 特開平10−255762号公報 特開2006−32279号公報 特開2006−134770号公報 特開2007−48744号公報 特開2007−250499号公報
上記特許文献1及び2に記載されているような「リチウム過剰型」正極活物質を用いた正極板は、4.4V(vs.Li/Li)より低い電圧で充放電を行った場合には,正極合材は脱落しないが、4.4V(vs.Li/Li)以上で充電を行うと、集電箔と正極合材界面の密着性が著しく低下し,放電中に正極合材が集電箔から脱落するという課題を有することがわかった。上記の課題は、特許文献3に記載されているように「リチウム過剰型」正極活物質に「LiMeO型」活物質を混合しても、解決することは難しい。特許文献4〜8には、異なる正極活物質を積層した多層正極を有するリチウム二次電池の発明が記載されているが、「リチウム過剰型」正極活物質を用いることについては具体的な記載がなく、「リチウム過剰型」正極活物質を用いた正極の上記のような課題についても示されていない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、4.4V(vs.Li/Li)以上で充電を行った場合でも、放電中に正極合材が集電箔から脱落することが防止できる正極、及びそのような正極を備えたサイクル性能、高率放電性能に優れたリチウム二次電池、リチウム二次電池を搭載した自動車を提供することを課題とする。
本発明の構成及び作用効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施の形態若しくは実験例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明においては、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層と集電箔を備えたリチウム二次電池用正極において、
前記正極合材層は、二層以上であり、
少なくとも一層の前記正極合材層には、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれ、
かつ集電箔に接する前記正極合材層には、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Me'が1.2以下であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれることを特徴とするリチウム二次電池用正極。
(2)前記集電箔に接する前記正極合材層に含まれる、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Me'が1.2以下であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4であるリチウム遷移金属複合酸化物は、さらにAlを含むことを特徴とする前記(1)のリチウム二次電池用正極。
(3)前記集電箔に接する正極合材層には、さらに、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれることを特徴とする前記(1)又は(2)のリチウム二次電池用正極。
(4)前記集電箔に接する正極合材層に含まれる、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物は、10質量%以下であることを特徴とする前記(3)のリチウム二次電池用正極。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項のリチウム二次電池用正極を備えたリチウム二次電池。
(6)前記(5)のリチウム二次電池を複数個集合して構成されたバッテリーモジュール。
(7)前記(6)のバッテリーモジュールを搭載した自動車。
本発明によれば、4.4V(vs.Li/Li)以上で充電を行った場合でも、放電中に正極合材が集電箔から脱落することが防止できる正極を提供することができ、サイクル性能、高率放電性能に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明の基本構成を示す概略図 実施例1、比較例1〜3における正極合材層の集電箔からの剥がれの有無を示す図 実施例2〜7及び比較例4、5における正極合材層の集電箔からの剥がれの有無を示す図 本発明のリチウム二次電池を集合してなるバッテリーモジュールを示す図 バッテリーモジュールを搭載した自動車を示す図
正極合材層と集電箔を備えた正極において、正極合材層に、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれる場合、このような正極を備えたリチウム二次電池を4.4V(vs.Li/Li)以上で充電を行った後、解体すると、初期充電を行っただけの状態でも正極合剤層が集電箔から簡単に剥がれてしまうことを本発明者らは知見した。実際の電池では電極は捲回され押圧力がかかっているから、早期にこの問題が顕在化することはないが、この現象は、充放電サイクルを長期繰り返せば必ずや性能低下に影響するはずであると考えて、本発明に到達した。
本発明の基本構成を図1に示す。
本発明は、図1に示すように、集電箔(1)に、4.4V(vs.Li/Li)以上の充電を行っても正極合材が剥がれない、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Me'が1.2以下であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4であるリチウム遷移金属複合酸化物(以下、「LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物」という。)が正極活物質として含まれる正極合材層(2)を塗布し,その上に、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物(以下、「リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物」という。)が正極活物質として含まれる正極合材層(3)を塗布するものである。図1には、正極合材層が2層の例を示したが、正極合材層(3)を2層以上とし、集電箔(1)に接する正極合材層(2)を含めて、3層以上とすることもできる。
上記LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物は、典型例として、組成式LiMe'O(但し、Me'はCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含む遷移金属元素、x≦1.2、0≦モル比Mn/Me'≦0.4)で表され、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、典型例として、組成式Li1+αMe1−α(但し、MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、(1+α)/(1−α)>1.2、モル比Mn/Me≧0.5)で表される。
本発明において、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物の(1+α)/(1−α)で表される遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Meは、1.2(α=0.09)より大きく、及び1.6(α=0.23)より小さくすることで、放電容量が大きく、高率放電性能が優れたリチウム二次電池を得ることができるので、1.2<(1+α)/(1−α)<1.6とすることが好ましい。
なかでも、放電容量が特に大きく、高率放電性能が優れたリチウム二次電池を得ることができるという観点から、Li/Me比は1.25≦(1+α)/(1−α)≦1.5とすることがより好ましい。
本発明においては、放電容量が大きく、及び高率放電性能が優れたリチウム二次電池を得ることができるという点で、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属元素Meに対するCoのモル比Co/Meは、0.05〜0.40とすることが好ましく、0.10〜0.30とすることがより好ましい。
また、放電容量が大きく、高率放電性能及びサイクル性能が優れたリチウム二次電池を得るために、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meは0.5以上とする。LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物では、モル比Mn/Meを0.5以上にした場合、充電をするとスピネル型への構造変化が起こり、α−NaFeO構造に帰属される構造を有さないものとなり、リチウム二次電池用活物質として問題があったのに対し、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物では、モル比Mn/Meを0.5以上にして充電をした場合でも、α−NaFeO構造を維持できるものであるから、モル比Mn/Meが0.5以上という構成は、いわゆるリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を特徴付けるものである。モル比Mn/Meは0.5〜0.8が好ましく、0.5〜0.75がより好ましい。
リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、一例として、Li1+α(CoNiMn1−α、但し、α>0、a+b+c=1、a>0、b>0、c≧0.5で表わされるものであり、Li、Co、Ni及びMnからなる複合酸化物であるが、放電容量を向上させるために、Naを1000ppm以上含ませることが好ましい。Naの含有量は、2000〜10000ppmがより好ましい。
Naを含有させるために、水酸化物前駆体又は炭酸塩前駆体を作製する工程において、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物を中和剤として使用し、洗浄工程でNaを残存させるか、及び、その後の焼成工程において炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物を添加する方法を採用することができる。
また、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、本発明の効果を損なわない範囲で、Na以外のアルカリ金属、Mg,Ca等のアルカリ土類金属、Fe,Zn等の3d遷移金属に代表される遷移金属など少量の他の金属を含有することを排除するものではない。
リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有している。合成後(充放電を行う前)の上記リチウム遷移金属複合酸化物は、空間群P312あるいはR3−mに帰属される。このうち、空間群P312に帰属されるものには、CuKα管球を用いたエックス線回折図上、2θ=21°付近に超格子ピーク(Li[Li1/3Mn2/3]O型の単斜晶に見られるピーク)が確認される。ところが、一度でも充電を行い、結晶中のLiが脱離すると結晶の対称性が変化することにより、上記超格子ピークが消滅して、上記リチウム遷移金属複合酸化物は空間群R3−mに帰属されるようになる。ここで、P312は、R3−mにおける3a、3b、6cサイトの原子位置を細分化した結晶構造モデルであり、R3−mにおける原子配置に秩序性が認められるときに該P312モデルが採用される。なお、「R3−m」は本来「R3m」の「3」の上にバー「−」を施して表記すべきものである。
リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、エックス線回折パターンを元に空間群R3−mを結晶構造モデルに用いたときに(003)面に帰属される回折ピークの半値幅が0.18°〜0.22°の範囲であることが好ましい。こうすることにより、正極活物質の放電容量を大きくし、高率放電性能を向上させることが可能となる。なお、CuKα管球を用いたときに現れる2θ=18.6°±1°の回折ピークは、空間群P312及びR3−mではミラー指数hklにおける(003)面に指数付けされる。
また、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、過充電中に構造変化しないことが好ましい。これは、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されることにより確認できる。これにより、充放電サイクル性能が優れたリチウム二次電池を得ることができる。
さらに、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、エックス線回折パターンを基にリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが、2V(vs.Li/Li)の放電末において0.262以下、過充電化成後の4.3V(vs.Li/Li)の充電末において0.267以上であることが好ましい。これにより、高率放電性能が優れたリチウム二次電池を得ることができる。なお、酸素位置パラメータとは、空間群R3−mに帰属されるリチウム遷移金属複合酸化物のα―NaFeO型結晶構造について、Me(遷移金属)の空間座標を(0,0,0)、Li(リチウム)の空間座標を(0,0,1/2)、O(酸素)の空間座標を(0,0,z)と定義したときの、zの値をいう。即ち、酸素位置パラメータは、O(酸素)位置がMe(遷移金属)位置からどれだけ離れているかを示す相対的な指標となる(特許文献1及び2参照)。
リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、炭酸塩前駆体、又は水酸化物前駆体から作製される。
炭酸塩前駆体から作製されるリチウム遷移金属複合酸化物粒子は、2次粒子の粒度分布における累積体積が50%となる粒子径であるD50が、5μm以上であることが好ましく、5〜18μmであることがより好ましい。また、水酸化物前駆体から作製されるリチウム遷移金属複合酸化物粒子は、D50が、8μm以下であることが好ましく、8〜1μmであることがより好ましい。
本発明において、初期効率及びサイクル特性が優れたリチウム二次電池用正極活物質を得るために、炭酸塩前駆体から作製されるリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、窒素ガス吸着法を用いた吸着等温線からBJH法で求めた微分細孔容積が最大値を示す細孔径が30〜40nmの範囲で、ピーク微分細孔容積が0.75mm/(g・nm)以上であることが好ましい(特許文献2参照)。
また、本発明に係る正極活物質のタップ密度は、サイクル特性及び高率放電性能が優れたリチウム二次電池を得るために、1.25g/cc以上が好ましく、1.7g/cc以上がより好ましい。
次に、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物を製造する方法について説明する。
リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、基本的に、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する金属元素(Li,Mn,Co,Ni)を目的とする組成通りに含有する原料を調整し、これを焼成することによって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成の酸化物を作製するにあたり、Li,Co,Ni,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめCo,Ni,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはCo,Niに対して均一に固溶しにくいため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。これまで文献などにおいては固相法によってNiやCoの一部にMnを固溶(LiNi1−xMnなど)しようという試みが多数なされているが、「共沈法」を選択する方が原子レベルで均一相を得ることが容易である。そこで、後述する実施例で用いるリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、「共沈法」を採用して作製した。
共沈前駆体を作製するにあたって、Co,Ni,MnのうちMnは酸化されやすく、Co,Ni,Mnが2価の状態で均一に分布した共沈前駆体を作製することが容易ではないため、Co,Ni,Mnの原子レベルでの均一な混合は不十分なものとなりやすい。特に本発明の組成範囲においては、Mn比率がCo,Ni比率に比べて高いので、水溶液中の溶存酸素を除去することが特に重要である。溶存酸素を除去する方法としては、酸素を含まないガスをバブリングする方法が挙げられる。酸素を含まないガスとしては、限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素(CO)等を用いることができる。なかでも、共沈炭酸塩前駆体を作製する場合には、酸素を含まないガスとして二酸化炭素を採用すると、炭酸塩がより生成しやすい環境が与えられるため、好ましい。
溶液中でCo、Ni及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を製造する工程におけるpHは限定されるものではないが、前記共沈前駆体を共沈水酸化物前駆体として作製しようとする場合には、10〜14とすることができ、前記共沈前駆体を共沈炭酸塩前駆体として作製しようとする場合には、7.5〜11とすることができる。タップ密度を大きくするためには、pHを制御することが好ましい。共沈炭酸塩前駆体については、pHを9.4以下とすることにより、タップ密度を1.25g/cc以上とすることができ、高率放電性能を向上させることができる。さらに、pHを8.0以下とすることにより、粒子成長速度を促進できるので、原料水溶液滴下終了後の撹拌継続時間を短縮できる。
前記共沈前駆体は、MnとNiとCoとが均一に混合された化合物であることが好ましい。また、錯化剤を用いた晶析反応等を用いることによって、より嵩密度の大きな前駆体を作製することもできる。その際、Li源と混合・焼成することでより高密度の活物質を得ることができるので電極面積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
前記共沈前駆体の原料は、Mn化合物としては酸化マンガン、炭酸マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン等を、Ni化合物としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等を、Co化合物としては、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を一例として挙げることができる。
本発明においては、アルカリ性を保った反応槽に前記共沈前駆体の原料水溶液を連続的に滴下供給して共沈前駆体を得る反応晶析法を採用する。ここで、中和剤として、リチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物等を使用することができるが、前記共沈前駆体を共沈水酸化物前駆体として作製する場合には、水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウムと水酸化リチウム、又は、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの混合物を使用することが好ましく、また、前記共沈前駆体を共沈炭酸塩前駆体として作製する場合には、炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムと炭酸リチウム、又は、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの混合物を使用することが好ましい。Naを1000ppm以上残存させるために、炭酸ナトリウム(水酸化ナトリウム)と炭酸リチウム(水酸化リチウム)のモル比であるNa/Li、又は、炭酸ナトリウム(水酸化ナトリウム)と炭酸カリウム(水酸化カリウム)のモル比であるNa/Kは、1/1[M]以上とすることが好ましい。Na/Li又はNa/Kを1/1[M]以上とすることにより、引き続く洗浄工程でNaが除去されすぎて1000ppm未満となってしまう虞を低減できる。
前記原料水溶液の滴下速度は、生成する共沈前駆体の1粒子内における元素分布の均一性に大きく影響を与える。特にMnは、CoやNiと均一な元素分布を形成しにくいので注意が必要である。好ましい滴下速度については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、30ml/min以下が好ましい。放電容量を向上させるためには、滴下速度は10ml/min以下がより好ましく、5ml/min以下が最も好ましい。
また、反応槽内に錯化剤が存在し、かつ一定の対流条件を適用した場合、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続けることにより、粒子の自転および攪拌槽内における公転が促進され、この過程で、粒子同士が衝突しつつ、粒子が段階的に同心円球状に成長する。即ち、共沈前駆体は、反応槽内に原料水溶液が滴下された際の金属錯体形成反応、及び、前記金属錯体が反応槽内の滞留中に生じる沈殿形成反応という2段階での反応を経て形成される。従って、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続ける時間を適切に選択することにより、目的とする粒子径を備えた共沈前駆体を得ることができる。
原料水溶液滴下終了後の好ましい攪拌継続時間については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、粒子を均一な球状粒子として成長させるために0.5h以上が好ましく、1h以上がより好ましい。また、粒子径が大きくなりすぎることで電池の低SOC領域における出力性能が充分でないものとなる虞を低減させるため、30h以下が好ましく、25h以下がより好ましく、20h以下が最も好ましい。
また、共沈水酸化物前駆体から作製するリチウム遷移金属複合酸化物の50%粒子径(D50)を1〜8μmとするための好ましい攪拌継続時間、共沈炭酸塩前駆体から作製するリチウム遷移金属複合酸化物の50%粒子径(D50)を5〜18μmとするための好ましい攪拌継続時間は、制御するpHによって異なる。例えば、共沈水酸化物前駆体については、pHを10〜12に制御した場合には、撹拌継続時間は1〜10hが好ましく、pHを12〜14に制御した場合には、撹拌継続時間は3〜20hが好ましい。共沈炭酸塩前駆体については、pHを7.5〜8.2に制御した場合には、撹拌継続時間は1〜20hが好ましく、pHを8.3〜9.4に制御した場合には、撹拌継続時間は3〜24hが好ましい。
共沈前駆体の粒子を、中和剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物を使用して作製した場合、その後の洗浄工程において粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去するが、本発明においては、Naが1000ppm以上残存するような条件で洗浄除去することが好ましい。例えば、作製した共沈前駆体を吸引ろ過して取り出す際に、イオン交換水200mlによる洗浄回数を5回とするような条件を採用することができる。
本発明のリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、前記水酸化物前駆体又は炭酸塩前駆体とLi化合物とを混合した後、熱処理することで好適に作製することができる。Li化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム等を用いることで好適に製造することができる。但し、Li化合物の量については、焼成中にLi化合物の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物中のNaの含有量を1000ppm以上とするために、前記水酸化物前駆体又は炭酸塩前駆体に含まれるNaが1000ppm以下であっても、焼成工程においてLi化合物と共にNa化合物を、前記水酸化物前駆体又は炭酸塩前駆体と混合することで活物質中に含まれるNa量を1000ppm以上とすることができる。Na化合物としては炭酸ナトリウムが好ましい。
焼成温度は、活物質の可逆容量に影響を与える。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って崩壊すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向がある。このような分相が多く含まれすぎると、活物質の可逆容量の減少を導くので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが好ましい。活物質の酸素放出温度は、本発明に係る組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、活物質の組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いほど前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているので注意が必要である。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を痛めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供するのが良い。
一方、焼成温度が低すぎると、結晶化が十分に進まず、電極特性が低下する傾向がある。本発明において、共沈水酸化物を前駆体として用いたときには焼成温度は少なくとも700℃以上とすることが好ましい。また、共沈炭酸塩を前駆体として用いたときには焼成温度は少なくとも800℃以上とすることが好ましい。特に、前駆体が共沈炭酸塩である場合の最適な焼成温度は、前駆体に含まれるCo量が多いほど、より低い温度となる傾向がある。このように1次粒子を構成する結晶子を十分に結晶化させることにより、結晶粒界の抵抗を軽減し、円滑なリチウムイオン輸送を促すことができる。
本発明者らは、本発明活物質の回折ピークの半値幅を詳細に解析することにより、前駆体が共沈水酸化物である場合においては、焼成温度が650℃未満の温度で合成した試料においては格子内にひずみが残存しており、650℃以上の温度で合成することで顕著にひずみを除去することができること、及び、前駆体が共沈炭酸塩である場合においては、焼成温度が750℃未満の温度で合成した試料においては格子内にひずみが残存しており、750℃以上の温度で合成することで顕著にひずみを除去することができることを確認した。また、結晶子のサイズは合成温度が上昇するに比例して大きくなるものであった。よって、本発明活物質の組成においても、系内に格子のひずみがほとんどなく、かつ結晶子サイズが十分成長した粒子を志向することで良好な放電容量を得られるものであった。具体的には、格子定数に及ぼすひずみ量が2%以下、かつ結晶子サイズが50nm以上に成長しているような合成温度(焼成温度)及びLi/Me比組成を採用することが好ましいことがわかった。これらを電極として成型して充放電をおこなうことで膨張収縮による変化も見られるが、充放電過程においても結晶子サイズは30nm以上を保っていることが得られる効果として好ましい。
上記のように、焼成温度は、活物質の酸素放出温度に関係するが、活物質から酸素が放出される焼成温度に至らずとも、900℃以上において1次粒子が大きく成長することによる結晶化現象が見られる。これは、焼成後の活物質を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより確認できる。900℃を超えた合成温度を経て合成した活物質は1次粒子が0.5μm以上に成長しており、充放電反応中における活物質中のLi移動に不利な状態となり、高率放電性能が低下する。1次粒子の大きさは0.5μm未満であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。
以上のことからみて、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物において、Li/Meのモル比(1+α)/(1−α)が1.2<(1+α)/(1−α)<1.6である場合、焼成温度は、750〜900℃とすることが好ましく、800〜900℃とすることがより好ましい。
本発明に係る正極活物質が、高い放電容量を備えたものとするためには、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属元素が層状岩塩型結晶構造の遷移金属サイト以外の部分に存在する割合が小さいものであることが好ましい。これは、焼成工程に供する前駆体において、前駆体コア粒子のCo,Ni,Mnといった遷移金属元素が十分に均一に分布していること、及び、活物質試料の結晶化を促すための適切な焼成工程の条件を選択することによって達成できる。焼成工程に供する前駆体コア粒子中の遷移金属の分布が均一でない場合、十分な放電容量が得られないものとなる。この理由については必ずしも明らかではないが、焼成工程に供する前駆体コア粒子中の遷移金属の分布が均一でない場合、得られるリチウム遷移金属複合酸化物は、層状岩塩型結晶構造の遷移金属サイト以外の部分、即ちリチウムサイトに遷移金属元素の一部が存在するものとなる、いわゆるカチオンミキシングが起こることに由来するものと本発明者らは推察している。同様の推察は焼成工程における結晶化過程においても適用でき、活物質試料の結晶化が不十分であると層状岩塩型結晶構造におけるカチオンミキシングが起こりやすくなる。前記遷移金属元素の分布の均一性が高いものは、X線回折測定結果を空間群R3−mに帰属した場合の(003)面と(104)面の回折ピークの強度比が大きいものとなる傾向がある。本発明において、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物は、X線回折測定による前記(003)面と(104)面の回折ピークの強度比I(003)/I(104)は、放電末において1.0以上、充電末において1.75以上であることが好ましい。
以上のようにして、後述の実施例及び比較例で用いるリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物を作製した。本発明で用いることができるリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物としては、Li1.18Co0.10Ni0.17Mn0.55(Li/Me=1.46、Mn/Me=0.68)、Li1.18Co0.17Ni0.17Mn0.48(Li/Me=1.42、Mn/Me=0.68)、Li1.20Co0.10Ni0.15Mn0.55(Li/Me=1.5、Mn/Me=0.69)、Li1.13Co0.21Ni0.17Mn0.49(Li/Me=1.3、Mn/Me=0.56)、Li1.2Co0.21Ni0.16Mn0.43(Li/Me=1.5、Mn/Me=0.54)等が挙げられる。
次に、本発明において、LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物としては、4.4V(vs.Li/Li)以上の充電を行っても正極合材が剥がれないものであればよく、周知のものを用いることができる。典型例は、組成式LiMe'Oで表され、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Me'がx(Li/Me')≦1.2であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4である。その一例はLiCo1/3Ni1/3Mn1/3であるが、Co、Ni、Mnの塩の混合溶液をアルカリ溶液中に滴下し、共沈水酸化物を作製し、それをLi塩と混合・焼成するなどの方法により製造することができる。Co、Ni、Mnの比率を変更したLiCo2/3Ni1/6Mn1/6、LiCo0.3Ni0.5Mn0.2等を用いることもできる。
また、Mnを含まないで、Co、Niに少量のAlを含むLiCo0.82Ni0.15Al9.03、Mn、Niを含まないCoのみのLiCoO、Mn、Coを含まないNiのみのLiNiO等を用いることもできる。
本発明においては、図1に示すように、集電箔(1)に、4.4V(vs.Li/Li)以上の充電を行っても正極合材が剥がれない、上記LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として含まれる正極合材層(2)を塗布し,その上に、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として含まれる正極合材層(3)を塗布することにより正極とするが、正極合材層(2)と正極合材層(3)の厚みの比(質量比)は、正極合材層(2)/正極合材層(3)=0.05〜1.00が好ましい。
正極合材層(3)は、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として含まれる正極合材層を2層以上とすることもでき、又は、上記LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として含まれる正極合材層及び上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として含まれる正極合材層の2層以上とすることもできる。
また、集電箔(1)に接する正極合材層(2)に、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれてもよい。集電箔(1)に接する正極合材層(2)に、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物を好ましくは、10%以下、より好ましくは5〜10%混合することにより、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物を混合しない場合よりも高率放電性能が向上する。
集電箔(1)に接する正極合材層(2)に、上記リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が少量混合されることで、正極合材のpHが増大し、アルカリの作用によりアルミニウム製集電箔と正極合材層との界面での密着性が向上し、接触抵抗が低下したために、高率放電性能が向上したと考えられる。
負極材料としては、限定されるものではなく、リチウムイオンを析出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]Oに代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
正極活物質の粉体および負極材料の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望ましい。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出力特性を向上する目的で10μm以下であることが望ましい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
以上、正極及び負極の主要構成成分である正極活物質及び負極材料について詳述したが、前記正極及び負極には、前記主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜30重量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため望ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極または負極の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極においては正極活物質、負極においては負極材料)、およびその他の材料を混練して正極合材及び負極合材とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液を集電体の上に塗布し、または圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが望ましいが、これらに限定されるものではない。
集電体としては、アルミニウム箔、銅箔等の集電箔を用いることができる。正極の集電箔としてはアルミニウム箔が好ましい。集電箔の厚みは10〜30μmが好ましい。また、合材層の厚みはプレス後において、40〜150μm(集電箔厚みを除く)が好ましい。
本発明に係るリチウム二次電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,Li210Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,(CH34NBF4,(CH34NBr,(C254NClO4,(C254NI,(C374NBr,(n−C494NClO4,(n−C494NI,(C254N−maleate,(C254N−benzoate,(C254N−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF6又はLiBF4と、LiN(C25SO22のようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より望ましい。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/l〜2.5mol/lである。
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため望ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、ラジカル開始剤を併用して加熱や紫外線(UV)を用いたり、電子線(EB)等の活性光線等を用いて架橋反応を行わせることが可能である。
本発明のリチウム二次電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極及びロール状のセパレータを有する円筒型電池、角型電池、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明のリチウム二次電池を電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの自動車用電源として用いる場合には、複数のリチウム二次電池を有するバッテリーモジュール(組電池)として搭載することができる。
図4に示すように、バッテリーモジュール10は、複数(同図では4つ)の矩形状の蓄電ユニット200を備えている。バッテリーモジュール10は、充放電制御装置100をさらに備えてもよい。なお、同図は、蓄電ユニット200の収容ケース220を透視して、収容ケース220の内方を示している。また、バッテリーモジュール10は、放電制御装置100及び複数の蓄電ユニット200を収容するケースなども備えているが、同図では省略して図示している。複数の蓄電ユニット200は、互いの長側面が対向するように並行して並べられており、それぞれの蓄電ユニット200は並列に接続されている。なお、ここでは、蓄電ユニット200は4つ備えられているが、蓄電ユニット200はいくつ備えられていてもかまわない。また、蓄電ユニット200の形状も特に限定されない。
また、それぞれの蓄電ユニット200は、複数(同図では6個)の矩形状のリチウム二次電池210と、当該複数のリチウム二次電池210を収容する収容ケース220とを備えている。複数のリチウム二次電池210は、互いの長側面が対向するように並行して並べられており、それぞれのリチウム二次電池210は直列に接続されている。なお、リチウム二次電池210の個数は6個に限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。また、リチウム二次電池210の形状も特に限定されない。
図5は、前記バッテリーモジュール10を搭載した自動車1000の概念図である。ここで、自動車1000は、バッテリーモジュール10と、バッテリーモジュール10を収容した車体本体20とを備えている。つまり、自動車1000は、バッテリーモジュール10を電源として走行する電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの自動車であり、車体本体20の底部中央部分にバッテリーモジュール10を備えている。
なお、バッテリーモジュール10の配置位置は、車体本体20の底部中央部分には限定されず、車体本体20のフロント部分(前部)やリア部分(後部)などに配置されていてもかまわない。また、自動車1は、バッテリーモジュール10を複数備えていてもかまわない。また、自動車1は、同図のような乗用車の他に、トラック、バスもしくは二輪自動車などであってもよく、また、バッテリーモジュール10を備えて移動するものであればその他どのような形態の自動車であってもかまわない。
(実施例1)
集電箔に接する正極合材層を、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3(LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物)が正極活物質として含まれる正極合材層(第一層)とし、その上に、Li1.18Co0.10Ni0.16Mn0.55(リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物)が正極活物質として含まれる正極合材層(第二層)を設けた。
まず、N−メチルピロリドンを分散媒とし、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3(正極活物質)、アセチレンブラック(AB)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)が質量比90:4:6の割合で混練分散されている塗布用ペーストを作製した。該塗布ペーストをアルミニウム箔(集電箔)の両面に塗布し、120℃で乾燥させて、第一層を形成した後、その上に、同様の組成でLi1.18Co0.10Ni0.16Mn0.55(正極活物質)が混練分散されている塗布用ペーストを塗布し、120℃で乾燥させて、第二層を形成した。第一層/第二層:20/80とした。その後、目的の厚みまで極板をプレスしたのち、真空雰囲気において120℃で乾燥した。このようにして、実施例1に係る正極を作製した。
なお、実施例において,第一層/第二層を20/80に制御する際には塗布厚みではなく塗布質量で制御した。全体の塗付質量は1.68g/100cmを目標としており、第一層と第二層の比を20/80とする場合、まず第一層の塗布質量を目標の20%である0.336g/100cmとして 塗布乾燥させた後、第二層を塗布し1.68g/100cmに合わせた。また、全ての実施例及び比較例において、集電箔の厚みは15μmであり、合材層の厚みはプレス後において75μm(集電箔厚みを除く)を狙いとした。
(比較例1)
LiCo1/3Ni1/3Mn1/3(LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物)が含まれる正極合材層(第一層)を設けないで、Li1.18Co0.10Ni0.16Mn0.55(リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物)が含まれる正極合材層(第二層)のみとしたとした他は、実施例1と同様にして、比較例1に係る正極を作製した。
(比較例2)
Li1.18Co0.10Ni0.16Mn0.55(リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物)/LiCo1/3Ni1/3Mn1/3(LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物)を80/20(質量比)で混合した正極活物質を含むものを正極合材層とした他は、実施例1と同様にして、比較例2に係る正極を作製した。
(比較例3)
集電箔に接する正極合材層を、Li1.18Co0.10Ni0.16Mn0.55(リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物)が含まれる正極合材層(第一層)とし、その上に、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3(LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物)が含まれる正極合材層(第二層)を設けた。第一層/第二層:80/20(質量比)とした。
<リチウム二次電池の作製>
正極の単独挙動を正確に観察する目的のため、対極、即ち負極には金属リチウムをニッケル箔集電体に密着させて用いた。ここで、リチウム二次電池の容量が負極によって制限されないよう、負極には十分な量の金属リチウムを配置した。
電解液として、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジメチルカーボネート(DMC)が体積比6:7:7である混合溶媒に濃度が1mol/lとなるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。セパレータとして、ポリアクリレートで表面改質したポリプロピレン製の微孔膜を用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように電極を収納し、前記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を注液孔となる部分を除いて気密封止し、前記電解液を注液後、注液孔を封止した。
以上の手順にて作製されたリチウム二次電池は、25℃の下、初期充放電工程に供した。充電は、電流0.1CA、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は充電電流が0.02CAまで減衰した時点とした。放電は、電流0.1CA、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。この充放電を1サイクル行った。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。
<充放電試験>
次に、充電電圧を変更して、1サイクルの充放電試験を行った。電圧制御は全て正極電位に対して行った。この充放電試験の条件は、充電は、電流0.1CA、電圧4.3Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は0.02CAの時点とした。放電は、電流0.1CA、1.0CA、2.0CAの3種類とし、終止電圧はいずれも2.0Vの定電流放電とした。それぞれのレートで放電したときの放電電気量を「放電容量(mAh/g)」として記録し、2.0CAで放電したときの放電容量の、0.1CAで放電したときの放電容量に対する比率を高率放電容量比率として算出した。
<正極合材層の集電箔からの剥がれの有無の評価>
上記の充放電試験を行った電池を解体して正極を取り出し、目視により、正極合材層の集電箔からの剥がれの有無、程度を観察して、剥がれの無いものを○、完全に剥がれたものを×、部分的に剥がれたものを△として、評価した。
<正極表面抵抗の評価>
上記の充放電試験を行った電池を解体して取り出した正極の表面抵抗を測定した。測定には表面抵抗測定器(三菱化学アナリティック製、Loresta-HP)を用いた。取り出した正極をジメチルカーボネートで洗浄後、乾燥し、正極の合材表面に二端子プローブを押し当て、測定器に表示された抵抗値を正極表面抵抗として記録した。これらの操作は全てドライエアー中で行った。
実施例1、比較例1〜3で作製した正極を備えたリチウム二次電池について、上記の充放電試験を行った後、電池を解体して正極を取り出し、目視により、正極合材層の集電箔からの剥がれの有無を観察した結果を図2に示す。
実施例1以外は完全に剥がれてしまった。実施例1が湾曲しているのは、合剤の膨張収縮に耐えて密着が維持されたために生じた応力が大気中で圧力解放されたためである。
(実施例2〜7、比較例4、5)
次に、表1に示すように、第一層のLiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物の組成を変化させた正極、第二層のリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物の組成を変化させた正極について試験を行った。
実施例1〜7、比較例4、5について、正極合材層の集電箔からの剥がれの有無、正極表面抵抗、高率放電容量比率の結果を、表1に示す。また、実施例2〜7、比較例4、56の正極合材層の集電箔からの剥がれの有無を、図2に示す。
表1、図3より、集電箔に接する正極合材層(第一層)に、LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層を設け、その上にリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層(第二層)を設けた実施例1〜7の正極は、正極表面抵抗が低く、正極合材層の集電箔からの剥がれが無く、高率放電容量比率が高いことがわかる。これに対して、LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層(第一層)を設けないで、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層のみを設けた比較例4、5の正極は、正極表面抵抗が高くなり、正極合材層の集電箔からの剥がれが有り、第一層を設けた場合と比較して、高率放電容量比率が低くなる。
(実施例8〜11)
第一層にリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物がどこまで混入しても効果があるのかを調べるため、第一層に含まれるLiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物とリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物の混合比率(質量比)を変化させて実験を行った。その結果を表2に示す。
表2より、正極合材層の集電箔からの剥がれの点(即ち、長期充放電サイクル性能の点)及び高率放電性能の点で、集電箔に接する正極合材層(第一層)にリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が10%以下含まれる場合(実施例8、9参照)に、効果があることがわかる。特に、5〜10%含まれることが好ましい。第一層にリチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が20%以上含まれる正極(実施例10、11参照)では、正極合材層の集電箔からの剥がれが目立つようになるが、リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層のみを設けた正極(比較例1参照)と比較すると高率放電容量性能は優れている。
(符号の説明)
1 集電箔
2 LiMeO型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層
3 リチウム過剰型リチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層
10 バッテリーモジュール
20 車体本体
100 充放電制御装置
200 蓄電ユニット
210 矩形状のリチウム二次電池
220 収容ケース
1000 自動車
本発明の正極を備えたリチウム二次電池は、長期充放電サイクル性能及び高率放電性能が優れているから、特に自動車用のリチウム二次電池として有用である。本発明に係るリチウム二次電池は、複数個集合してバッテリーモジュールを構成し、自動車に搭載して使用することができる。

Claims (7)

  1. 正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物が含まれる正極合材層と集電箔を備えたリチウム二次電池用正極において、
    前記正極合材層は、二層以上であり、
    少なくとも一層の前記正極合材層には、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれ、
    かつ集電箔に接する前記正極合材層には、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Me'が1.2以下であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれることを特徴とするリチウム二次電池用正極。
  2. 前記集電箔に接する前記正極合材層に含まれる、遷移金属(Me')がCo、Ni及びMnから選択される1種以上を含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Me'が1.2以下であり、モル比Mn/Me'が0≦Mn/Me'≦0.4であるリチウム遷移金属複合酸化物は、さらにAlを含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用正極。
  3. 前記集電箔に接する正極合材層には、さらに、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極。
  4. 前記集電箔に接する正極合材層に含まれる、α−NaFeO構造を有し、遷移金属(Me)がCo、Ni及びMnを含み、前記遷移金属に対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1.2より大きく、モル比Mn/MeがMn/Me≧0.5であるリチウム遷移金属複合酸化物は、10質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池用正極。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極を備えたリチウム二次電池。
  6. 請求項5記載のリチウム二次電池を複数個集合して構成されたバッテリーモジュール。
  7. 請求項6記載のバッテリーモジュールを搭載した自動車。
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