JP5811861B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5811861B2
JP5811861B2 JP2012011128A JP2012011128A JP5811861B2 JP 5811861 B2 JP5811861 B2 JP 5811861B2 JP 2012011128 A JP2012011128 A JP 2012011128A JP 2012011128 A JP2012011128 A JP 2012011128A JP 5811861 B2 JP5811861 B2 JP 5811861B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
back surface
layer
crystal defect
semiconductor substrate
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012011128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013149909A (ja
Inventor
智英 志賀
智英 志賀
雅紀 小山
雅紀 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012011128A priority Critical patent/JP5811861B2/ja
Publication of JP2013149909A publication Critical patent/JP2013149909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5811861B2 publication Critical patent/JP5811861B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/70Bipolar devices
    • H01L29/72Transistor-type devices, i.e. able to continuously respond to applied control signals
    • H01L29/739Transistor-type devices, i.e. able to continuously respond to applied control signals controlled by field-effect, e.g. bipolar static induction transistors [BSIT]
    • H01L29/7393Insulated gate bipolar mode transistors, i.e. IGBT; IGT; COMFET
    • H01L29/7395Vertical transistors, e.g. vertical IGBT
    • H01L29/7396Vertical transistors, e.g. vertical IGBT with a non planar surface, e.g. with a non planar gate or with a trench or recess or pillar in the surface of the emitter, base or collector region for improving current density or short circuiting the emitter and base regions
    • H01L29/7397Vertical transistors, e.g. vertical IGBT with a non planar surface, e.g. with a non planar gate or with a trench or recess or pillar in the surface of the emitter, base or collector region for improving current density or short circuiting the emitter and base regions and a gate structure lying on a slanted or vertical surface or formed in a groove, e.g. trench gate IGBT

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、ライフタイム制御を目的に半導体基板内に結晶欠陥を生成する工程を備える半導体装置の製造方法に関する。
半導体基板に形成される半導体素子のスイッチング損失やリカバリ特性を改善するため、半導体基板中に存在するキャリアのライフタイム制御が行われる。このライフタイム制御は、例えば、半導体基板に電子線やヘリウム線等の粒子線(あるいは放射線)を照射して結晶欠陥を生成し、キャリアのトラップ量等を制御することにより実現することができる。
同一の半導体基板に、異なる種類の半導体素子が形成される半導体装置においても、粒子線照射によるライフタイム制御が可能である。そして、従来は、半導体基板の全面に粒子線を照射することによって結晶欠陥を生成させていた。しかしながら、全面照射を行うと、半導体基板のうち、ライフタイム制御を必要としない半導体素子に対応する部分にも結晶欠陥が生じてしまう。
これを回避するために、特許文献1,2には、ダメージ層(結晶欠陥が生じた層)が選択的に形成された半導体基板を備えた半導体装置およびその製造方法が開示されている。具体的に、特許文献1では、フリーホイールダイオード(FWD)を内蔵した絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)において、FWD領域に対応する部分が開口したマスクを用いて、FWD領域にのみダメージ層を形成している。これにより、IGBTの電流能力の低下やオン電圧の上昇を抑制しつつ、FWDのリカバリ特性を改善することができる。また、特許文献2では、IGBT領域とFWD領域とで、ダメージ層の形成深さを変えることにより、特許文献1と同様の効果を発揮させている。
特開2008−192737号公報 特開2011−129619号公報
特許文献1の方法では、荷電粒子の照射位置が開口した遮蔽マスクを用いている。この遮蔽マスクとして、遮蔽効果の高いメタルマスクやシリコンマスクが用いられる。しかしながら、これらのマスクは、機械加工により成形されるため、半導体プロセスルールに較べて照射位置の精度が悪く、パターンの最小寸法も大きい。また、島状のパターンを成形することができない等のパターン自由度の制限がある。
また、特許文献2の方法では、半導体基板における荷電粒子の照射面に、境界層を介してマスク層を形成している。すなわち、荷電粒子の照射時において、照射面に、半導体基板と異なる材料が貼り付けられた構造となっている。このため、熱等の外力によって半導体基板が湾曲して、照射精度が低下する虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ライフタイム制御のための結晶欠陥を半導体基板に選択的に形成する半導体装置の製造方法において、粒子線あるいは放射線を遮蔽するマスクを用いることなく、異なる深さの結晶欠陥層を、位置精度よく形成することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
半導体基板の一面側に、半導体素子の少なくとも一部を形成する表面形成工程と、
表面形成工程の後に、一面と反対の裏面側から粒子線あるいは放射線を照射して結晶欠陥層を形成する照射工程と、を備える半導体装置の製造方法であって、
照射工程の前に、裏面側の一部をエッチングして凹部を形成する裏面加工工程と、
照射工程の後に、裏面側から半導体基板のバックグラインドを行い、結晶欠陥層の少なくとも一部を残しつつ、裏面を研削して平坦化する平坦化工程と、
平坦化工程の後に、平坦化された裏面に不純物をドープして拡散層を形成する拡散層形成工程と、を備え、
表面形成工程にあっては、半導体素子として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタとフリーホイールダイオードとを形成し、
裏面加工工程にあっては、フリーホイールダイオードの形成位置に対応する裏面側に、深さが前記粒子線あるいは放射線の半導体基板に対する飛程未満とされた凹部を形成し、
照射工程にあっては、粒子線あるいは放射線を遮蔽するマスクを用いることなく、裏面側から半導体基板の全面に粒子線あるいは放射線を照射し、
平坦化工程にあっては、絶縁ゲートバイポーラトランジスタに対応する位置に形成された結晶欠陥層と、フリーホイールダイオードに対応する位置に形成された結晶欠陥層と、を残して裏面を研削することを特徴としている。
この方法に従えば、裏面から粒子線あるいは放射線を照射することにより生成される結晶欠陥を、凹部が設けられた箇所では、凹部が設けられていない部分よりも、裏面から深い位置に形成することができる。このため、結晶欠陥層を、半導体基板の裏面に形成された凹部の形状および深さに対応した形状および深度で形成することができる。すなわち、半導体基板の一面に沿った方向において、結晶欠陥層の形状を任意に設定することができ、且つ、異なる深さの結晶欠陥層を、一度の照射で形成することができる。また、結晶欠陥層の形状は、裏面に形成する凹部の形状に依存する。従来(特許文献1)では、照射工程時の粒子線および放射線の遮蔽マスクを機械加工により形成している。本発明の方法によれば、凹部をフォトリソグラフィおよびエッチングにより形成するため、凹部の加工精度に半導体製造のプロセスルールを適用することができる。すなわち、結晶欠陥層の形状の加工精度を、機械加工に較べて向上させることができる。以上記載したように、この方法に従えば、より精度よい形状で、深さの異なる結晶欠陥層を形成することができる。したがって、キャリアのライフタイム制御を、選択的、且つ、より高精度に行うことができる。
具体的には、半導体素子として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)とフリーホイールダイオード(FWD)とを形成し、FWDの形成位置に対応する裏面側に凹部を形成する。凹部は、その深さが粒子線あるいは放射線の半導体基板に対する飛程未満とされており、平坦化工程において、絶縁ゲートバイポーラトランジスタに対応する位置に形成された結晶欠陥層とフリーホイールダイオードに対応する位置に形成された結晶欠陥層とを残して裏面を研削する。
これによれば、半導体基板のうち、IGBTに対応する部分と、FWDに対応する部分とで、形成する結晶欠陥層の深さを変えることができる。本発明の製造方法により製造される半導体装置における半導体基板の裏面側表面から結晶欠陥層までの距離(深さ)は、IGBTに対応する結晶欠陥層よりも、FWDに対応する結晶欠陥層が深くなる。換言すれば、半導体基板の一面側表面から結晶欠陥層までの距離は、IGBTに対応する結晶欠陥層よりも、FWDに対応する結晶欠陥層が浅くなる。これにより、FWDのリカバリ時に、ダイオードに流れる逆電流を低減することができるとともに、IGBT動作時において注入されたキャリアが結晶欠陥層にトラップされやすくなるので、スイッチング特性を改善することができる。また、結晶欠陥層の深さ、または欠陥の密度に応じて、IGBTのオン電圧の調整を調整することができる。
請求項2に記載のように、凹部は、底部の面積が最大の第1凹部と、該第1凹部よりも底部の面積が小さい複数の第2凹部とからなり、
第1凹部から離れるほど、半導体基板の裏面に対する底部の面積割合が小さくなるように第2凹部を形成するとよい。
これによれば、結晶欠陥層の深さが遷移する遷移領域において、深さの異なる各結晶欠陥層の、結晶欠陥密度を徐々に増加あるいは減少させることができる。具体的には、裏面側表面から結晶欠陥層までの距離が長い(深い)結晶欠陥層の結晶欠陥の密度を、距離が短い(浅い)結晶欠陥層に向かうに伴って減少させていくことができる。同時に、裏面側表面から結晶欠陥層までの距離が短い(浅い)結晶欠陥層の結晶欠陥の密度を、距離が長い(深い)結晶欠陥層に向かうに伴って増加させていくことができる。これにより、結晶欠陥層の深さの相違によるライフタイムの変化を緩やかにすることができる。
第1実施形態に係る半導体装置の断面概略図である。 表面形成工程を示す断面図である。 裏面加工工程のうち、レジスト形成工程を示す断面図である。 裏面加工工程のうち、エッチング工程を示す断面図である。 裏面加工工程のうち、レジスト除去工程を示す断面図である。 照射工程を示す断面図である。 平坦化工程を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法のうち、照射工程を示す断面図である。 平坦化工程、および、コレクタ層、カソード層、コレクタ電極を形成する工程を示す断面図である。 第3実施形態に係る半導体装置の製造方法のうち、レジスト形成工程を示す断面図である。 エッチング工程およびレジスト除去工程を示す断面図である。 レジスト形成工程を示す断面図である。 エッチング工程およびレジスト除去工程を示す断面図である。 照射工程を示す断面図である。 平坦化工程、および、コレクタ層、カソード層、コレクタ電極を形成する工程を示す断面図である。 第4実施形態に係る半導体装置の断面概略図である。 レジスト形成工程を示す断面図である。 半導体基板の一面に沿ったフォトレジストの平面図である。図17は、XVII−XVII線の沿った断面図である。 エッチング工程およびレジスト除去工程を示す断面図である。 照射工程を示す断面図である。 第5実施形態に係る半導体装置の断面概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る半導体装置の概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置10において、半導体基板20が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)領域11およびフリーホイールダイオード(FWD)領域12を有している。そして、半導体素子として、IGBT領域11にはトレンチゲート構造の縦型IGBTが形成され、FWD領域12には縦型FWDが形成されている。
本実施形態において、半導体基板20は単結晶バルクシリコン基板であり、不純物としてリン等を含んでN導電型(n)とされたドリフト層21を有している。そして、半導体基板20の一面20a側表層に、ホウ素等がドープされてP導電型(p)とされたベース層22が形成されている。なお、このベース層22はドリフト層21に隣接するように形成されている。また、半導体基板20の一面20aと反対の裏面20b側表層のうち、IGBT領域11に対応する部分には、ベース層22よりも高濃度のホウ素等がドープされてP導電型(p)とされたコレクタ層23が形成されている。なお、このコレクタ層23はドリフト層21に隣接するように形成されている。また、FWD領域12に対応する部分には、ドリフト層21よりも高濃度のリン等がドープされてN導電型(n)とされたカソード層24が形成され、このカソード層24はドリフト層21に隣接するように形成されている。すなわち、半導体基板20の一面20aに垂直な深さ方向において、IGBT領域11では、一面20a側からベース層22、ドリフト層21、コレクタ層23の順に半導体層が形成されている。また、FWD領域12では、ベース層22、ドリフト層21、カソード層24の順に半導体層が形成されている。そして、半導体基板20の裏面20b側の表面に隣接するように、IGBTおよびFWDの共通の電極であるコレクタ電極(カソード電極)25が、裏面20bの全面に亘って形成されている。
以下に、IGBT領域11およびFWD領域12それぞれの構成について説明する。
IGBT領域11において、図1に示すように、半導体基板20の一面20a側表層に、ベース層22を貫通し、所定方向(本実施形態では紙面垂直方向)に延びるトレンチ30が選択的に形成されている。そして、トレンチ30の壁面に形成されたゲート絶縁膜31を介してトレンチ30内に導電材料(例えば、ポリシリコン)が充填され、トレンチ構造のゲート電極32が形成されている。各ゲート電極32は、トレンチ30の長手方向に沿って延び、且つ、長手方向と垂直な方向に所定ピッチで繰り返し形成されている。このように、ストライプ状に設けられたゲート電極32により、ベース層22は、ゲート電極32の延設方向と垂直な方向に沿って並設され、互いに電気的に分離された複数の領域に区画されている。また、ベース層22の一面20a側表層には、ドリフト層21よりも不純物濃度の高い領域として、ゲート絶縁膜31の側面部位に隣接するN導電型(n)のエミッタ領域26が選択的に形成されている。そして、半導体基板20の一面20a上に、エミッタ領域26の一部、ゲート絶縁膜31、およびゲート電極32を覆うように絶縁膜33が形成されている。
一方、FWD領域12において、図1に示すように、半導体基板20に一面20a側表層には、IGBT領域11に形成されたものと同一形状のトレンチ30、ゲート絶縁膜31、ゲート電極32、および、絶縁膜33が所定ピッチで繰り返し形成されている。なお。FWD領域12におけるトレンチ30のピッチは、IGBT領域11のピッチと同一でもよいし、異なっていてもよい。このように、ストライプ状に設けられたゲート電極32により、ベース層22は、ゲート電極32の延設方向と垂直な方向に沿って並設され、互いに電気的に分離された複数の領域に区画されている。ただし、FWD領域12には、IGBT領域11のようなエミッタ領域26は形成されておらず、ベース層22と、ドリフト層21およびカソード層24と、でPN接合を形成している。そして、FWD領域12におけるドリフト層21には、本発明の特徴部分である結晶欠陥層40が形成されている。
なお、半導体基板20の一面20a上のうち、IGBT領域11におけるベース層22およびエミッタ領域26が露出した表面と、FWD領域12におけるベース層22が露出した表面には、IGBTおよびFWDに共通の電極であるエミッタ電極27(アノード電極)が形成されている。
次に、図1〜図7を参照して、本実施形態に係る半導体装置10の製造方法について説明する。
先ず、表面形成工程を実施する。図2に示すように、不純物としてリンを含んでN導電型とされた半導体基板20の一面20a側表層に、ホウ素を不純物としてドープしてP導電型としたベース層22を形成する。そして、一面20a側からベース層22を貫通し、所定方向に延びる様態でトレンチ30を形成する。そして、トレンチ30の内壁に、例えば酸化シリコン(SiO)からなるゲート絶縁膜31を形成した後、トレンチ30内部に、例えばドープトポリシリコンを充填してゲート電極32を形成する。
そして、IGBTとして機能するIGBT領域11におけるベース層22の表層に、リンを不純物としてドープしてエミッタ領域26を複数形成する。このとき、エミッタ領域26を、トレンチ30の延設方向に垂直な方向のトレンチ30の側面部位に隣接し、トレンチ30の延設方向に沿って延びるように形成する。なお、トレンチ30とエミッタ領域26の形成順は上記に限られるものではない。すなわち、エミッタ領域26を、一面20aに露出しつつ、ベース層22に囲まれるように形成した後に、エミッタ領域26およびベース層22を貫通するようにトレンチ30を形成し、その後、ゲート絶縁膜31、ゲート電極32を形成するようにしてもよい。
一方、FWDとして機能するFWD領域12においては、エミッタ領域26は形成しない。
そして、半導体基板20の一面20a上に、エミッタ領域26、ゲート絶縁膜31、およびゲート電極32を覆うように絶縁膜33を形成する。絶縁膜33の構成材料としては、例えば、酸化シリコンを用いることができる。
次いで、裏面加工工程を実施する。本実施形態において、裏面加工工程は、半導体基板20の裏面20bにフォトレジスト50を形成するレジスト形成工程と、レジスト形成工程で形成したフォトレジスト50をマスクとして半導体基板20を裏面20b側からドライエッチングして裏面20bに凹部60を形成するエッチング工程と、フォトレジスト50を除去するレジスト除去工程と、から成る。
まず、レジスト形成工程を行う。図3に示すように、半導体基板20の裏面20bのうち、IGBT領域11に対応する部分の表面のみにフォトレジスト50を形成する。フォトレジスト50を形成するためのレジストの塗布、露光、および現像の工程は、通常の半導体製造プロセスに従うため、詳細の記載を省略する。
つぎに、エッチング工程を行う。図4に示すように、レジスト形成工程で形成したフォトレジスト50をマスクとして、半導体基板20の裏面20bをドライエッチングして凹部60を形成する。本実施形態においては、このエッチング工程によるエッチング量(裏面20bからのエッチング深さ)が、後述する照射工程における粒子線あるいは放射線のシリコンに対する飛程以上となるようにドライエッチングを行う。
つぎに、レジスト除去工程を行う。図5に示すように、溶剤を用いてフォトレジスト50を除去する。レジスト除去工程についても、通常の半導体製造プロセスに従うため、詳細の記載を省略する。
上記した裏面加工工程により、半導体基板20の裏面20bには凹部60が形成され、段差が生じている。具体的には、半導体基板20は、FWD領域12に対応する部分がIGBT領域11に対応する部分よりも薄い構造となっている。
次いで、照射工程を実施する。図6に示すように、結晶欠陥層40を形成するために、半導体基板20の裏面20b側から粒子線あるいは放射線を照射する。本実施形態では、例えば、ヘリウム3イオン(He)を照射する。この照射工程では、粒子線あるいは放射線を選択的に遮蔽する遮蔽マスクを用いることなく、半導体基板20の裏面20b全面に亘って照射する。裏面加工工程により、裏面20bには凹部60が形成され、段差が生じているため、この照射工程により形成される結晶欠陥層40は、IGBT領域11に対応する部分よりもFWD領域12に対応する部分が一面20aに近い位置に形成される。なお、本実施形態では、エッチング工程において、エッチング量(裏面20bからのエッチング深さ)が、照射工程における粒子線あるいは放射線のシリコンに対する飛程以上となるようにドライエッチングを行う。すなわち、IGBT領域11に対応する結晶欠陥層40の一面20aからの距離は、凹部60の底部60bの一面20aからの距離よりも長くなっている。
次いで、平坦化工程を実施する。図7に示すように、半導体基板20の裏面20bが全面に亘って平坦になるようにバックグラインドを行う。このバックグラインドでは、少なくともIGBT領域11の裏面20bの部分が、FWD領域12の凹部60の底部60bと面一となるように研削する。好ましくは、底部60bと結晶欠陥層40との間の所定位置まで研削する。本実施形態においては、この平坦化工程により、IGBT領域11に対応する結晶欠陥層40も研削されて失われる。なお、半導体基板20の平坦度、および、厚さの均一性をより向上させるために、バックグラインドには、CMPを用いることができる。また、バックグラインドの後、研削によるダメージをWETエッチングやCDE等のドライエッチングで除去する工程を加えてもよい。
最後に、図1に示すように、平坦化工程後の裏面20bに不純物をドープしてコレクタ層23およびカソード層24を形成した後、裏面20bの全面に亘って、IGBTおよびFWDの共通の電極であるコレクタ電極(カソード電極)25を形成する。具体的には、半導体基板20のIGBT領域11に対応する裏面20bの表層にホウ素をドープしてP導電型(p)のコレクタ層23を形成する。また、FWD領域12に対応する裏面20bの表層にリンをドープして、ドリフト層21よりも高濃度のN導電型(n)としたカソード層24を形成する。そして、裏面20bの全面に亘って、アルミニウムをスパッタ法により堆積させてコレクタ電極25を形成する。
なお、平坦化工程と裏面20b側の拡散層の形成工程の順番は上記例に限定されない。例えば、照射工程後、FWD領域12に対応する裏面20b(凹部60の底部60b)の表層にリンをドープしてカソード層24を形成し、その後、平坦化工程によりカソード層24を残して裏面20bを平坦化する。そして、IGBT領域11に対応する裏面20bにホウ素をドープしてコレクタ層23を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る半導体装置10およびその製造方法の作用効果について説明する。
本実施形態に係る半導体装置10の製造方法によれば、照射工程前に、半導体基板20の裏面20bに凹部60を形成する。また、所定のエネルギーで加速された粒子線あるいは放射線は、ターゲットとなる部材ごとに固有の飛程(浸入深さ)を有する。このため、照射工程で形成される結晶欠陥層40の位置を、凹部60が形成された部分と、凹部60が形成されていない部分とで、裏面20bからの凹部60のエッチング深さだけ段差をつけて形成することができる。この方法によれば、特許文献1,2に提示されているような、粒子線あるいは放射線の遮蔽マスクを用いることなく、半導体基板20の深さ方向において、段差をつけて結晶欠陥層40を形成することができる。また、凹部60は、半導体の製造プロセスルールに従って形成されるため、機械加工により製造される遮蔽マスクよりも高精度に結晶欠陥層40を形成することができる。
このような方法で製造される半導体装置10は、図1に示すように、半導体基板20のうち、FWD領域12に対応するドリフト層21に結晶欠陥層40を有している。一方、IGBT領域11に対応するドリフト層21には、結晶欠陥層40を有していない。このため、FWDのリカバリ動作時に、ダイオードに流れる逆電流を低減することができるとともに、結晶欠陥層40に起因するドリフト層21の高抵抗化による、IGBTのオン電圧の上昇を抑制することができる。加えて、上記した方法で形成された結晶欠陥層40は、従来の遮蔽マスクを用いる方法に較べて、精度よくFWD領域12に対応する部分に形成されている。換言すれば、IGBT領域11において、IGBTの電流特性に影響を与える結晶欠陥層40の形成を抑制することができる。したがって、従来の遮蔽マスクを用いて結晶欠陥層40を形成する方法で製造される半導体装置に較べて、IGBTのオン電圧の上昇を、より効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、裏面加工工程のうち、エッチング工程において、凹部60のエッチング深さを、照射工程における粒子線あるいは放射線のシリコンに対する飛程以上となるようにエッチングを行う例を示した。これに対して、本実施形態では、凹部60のエッチング深さを、粒子線あるいは放射線のシリコンに対する飛程未満となるようにエッチングを行う。裏面加工工程のうち、エッチング工程に以外の工程は、第1実施形態と同様であるため、詳細の記載を省略する。
この方法によれば、図8に示すように、IGBT領域11に形成される結晶欠陥層40の一面20aからの距離を、凹部60の底部60bの一面20aからの距離よりも短くすることができる。このため、平坦化工程において、凹部60が消失するまでバックグラインドを行なっても、IGBT領域11に対応する結晶欠陥層40をドリフト層21内に残すことができる。したがって、第1実施形態と同様に、平坦化工程後、裏面20b側のコレクタ層23、カソード層24、および、コレクタ電極25を形成することにより、図9に示すような、FWD領域12とは深さの異なる結晶欠陥層40を、IGBT領域11に有する半導体装置10を製造することができる。
この半導体装置10は、第1実施形態における半導体装置10に対して、IGBT領域11に対応するドリフト層21にも結晶欠陥層40を有している。また、この結晶欠陥層40は、裏面加工工程による凹部60の形成を経ずに照射工程を行う場合に較べて、コレクタ層23側に形成される。このため、コレクタ電極25から注入されたホールが、結晶欠陥層40でトラップされやすくなり、スイッチング特性を改善することができる。なお、オン電圧が上昇することが懸念されるが、IGBTの使用環境上、オン電圧に設計マージンが確保されている場合には有効である。
(第3実施形態)
上記した各実施形態では、結晶欠陥層40を、IGBT領域11に対応するドリフト層21と、FWD領域12に対応するドリフト層21と、で二段階の深さに形成する例を示した。しかしながら、結晶欠陥層40を、二段よりも多くの段数で構成することもできる。
すなわち、本実施形態では、裏面加工工程において、エッチング深さの異なる二種類の凹部60を形成し、照射工程において、裏面20b側から、遮蔽マスクを用いることなく、粒子線あるいは放射線の照射を実施する。具体的な工程について、図10〜図15を参照して説明する。なお、裏面加工工程以外の工程は、第1実施形態と同様であるため、詳細の説明を省略する。
表面形成工程を実施した後、裏面加工工程のうちのレジスト形成工程を実施する。図10に示すように、半導体基板20の裏面20bのうち、FWD領域12に対応する部分の全面と、IGBT領域11に対応する部分の一部と、にフォトレジスト50を形成する。
そして、図11に示すようにエッチング工程とレジスト除去工程を実施する。すなわち、レジスト形成工程により形成されたフォトレジスト50をマスクとして、ドライエッチングを行う。これにより、裏面20bにおいて、IGBT領域11に対応する表面のうち、フォトレジスト50が形成されていない部分に凹部60が形成される。
そして、再びレジスト形成工程を実施する。図12に示すように、裏面20bのうち、凹部60を含むIGBT領域11に対応する裏面20bにフォトレジスト50を形成する。
そして、再びエッチング工程を実施する。図13に示すように、フォトレジスト50をマスクとして、FWD領域12に対応する裏面20bをドライエッチングする。本実施形態では、IGBT領域11に対応する裏面20bに形成した凹部60よりもエッチング深さが深い凹部60を、FWD領域12に対応する裏面20bに形成する。
そして、照射工程を実施する。図14に示すように、結晶欠陥層40を形成するために、半導体基板20の裏面20b側から粒子線あるいは放射線を照射する。本実施形態では、例えば、ヘリウム3イオン(He)を照射する。この照射工程では、粒子線あるいは放射線を選択的に遮蔽する遮蔽マスクを用いることなく、半導体基板20の裏面20b全面に亘って照射する。本実施形態では、裏面20bに、エッチング深さの異なる二種類の凹部60が形成されている。具体的には、裏面20bのうち、IGBT領域11に対応する表面の一部に凹部60が形成され、FWD領域12に対応する表面の全面が、IGBT領域11に形成された凹部60よりも深い凹部60となっている。このため、照射工程において、裏面20bから照射されたHeにより形成される結晶欠陥層40は、三段階の深さで形成される。すなわち、図14に示すように、結晶欠陥層40は、半導体基板20の一面20aからの深さについて、FWD領域12に対応する部分、IGBT領域11のうち凹部60が形成された部分、IGBT領域のうち、凹部60が形成されていない部分、の順で深くなる。
そして、平坦化工程を実施する。図15に示すように、すべての凹部60が消失するように裏面20b側からバックグラインドを行う。本実施形態では、IGBT領域11の凹部60が形成されていない部分に対応する結晶欠陥層40が、この平坦化工程により失われるようにバックグラインドを行う。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、バックグラインドには、CMPを用いることができ、WETエッチングやCDE等のドライエッチングで研削のダメージを除去する工程を加えてもよい。そして、上記した各実施形態と同様に、平坦化された裏面20bの表層にコレクタ層23、カソード層24を形成し、裏面20bに接するようにコレクタ電極25を形成する。すなわち、本実施形態に係る半導体装置10は、図15に示すように、IGBT領域11およびFWD領域12に対応するドリフト層21に結晶欠陥層40を有する。また、IGBT領域11に対応する結晶欠陥層40は、FWD領域12に形成された結晶欠陥層40よりも一面20aから深い位置に形成されている。そして、本実施形態においては、IGBT領域11の結晶欠陥層40の結晶欠陥数が、第2実施形態に記載の半導体装置に較べて少なくなっている。換言すれば、本実施形態におけるIGBT領域11の結晶欠陥の密度が、第2実施形態に較べて低くされている。
これにより、本実施形態に係る半導体装置10は、第2実施形態に係る半導体装置に較べてオン電圧を低くすることができる。このように、本実施形態に記載の製造方法によれば、結晶欠陥層40における結晶欠陥の密度を自由に設定することができ、IGBT動作時のオン電圧やスイッチング特性の調整を行うことができる。
(第4実施形態)
第1実施形態では、IGBT領域11とFWD領域12との境界をもって、結晶欠陥層40の有無が分けられる例を示した。また、第2実施形態では、IGBT領域11とFWD領域12との境界をもって、結晶欠陥層40の形成される一面20aからの深さが変わる例について示した。これに対して、本実施形態では、結晶欠陥層40における結晶欠陥の密度が、FWD領域12に対応する部分からIGBT領域11に対応する部分に向かって変化する例を示す。
図16に示すように、本実施形態に係る半導体装置10は、第1実施形態に係る半導体装置(図1)に対して、結晶欠陥層40の結晶欠陥の密度が、FWD領域12に対応する部分からIGBT領域11に対応する部分に向かって低くされている。本実施形態では、結晶欠陥の密度が変化する部分(遷移領域)が、FWD領域12とIGBT領域11との境界を跨って形成されている。なお、この遷移領域は、本実施形態のようにFWD領域12とIGBT領域11との境界を跨って形成されてもよいし、境界に接するように形成されてもよい。ここに言う境界に接するとは、結晶欠陥層40のうち、結晶欠陥の密度の変化が開始する位置、あるいは終了する位置が、FWD領域12とIGBT領域11との境界に位置していることを意味する。
本実施形態に係る半導体装置10の製造方法を、図17〜図20を参照して説明する。なお、裏面加工工程以外の工程については、第1実施形態と同様であるため、詳細の説明を省略する。
まず、表面形成工程の後、裏面加工工程のうちのレジスト形成工程を実施する。図17に示すように、半導体基板20の裏面20bにフォトレジスト50を形成する。本実施形態において、このフォトレジスト50は、裏面20bの露出する面積割合が、FWD領域12からIGBT領域11に向かって減少するように形成される。フォトレジスト50の裏面20bに平行な面における構造は、例えば、図18に示すように、結晶欠陥の密度が変化する遷移領域に相当する表面において、フォトレジスト50に覆われた部分と、裏面20bが外部に露出した部分とがほぼ市松模様状となっている。そして、本実施形態においては、遷移領域におけるフォトレジスト50の開口が、FWD領域12からIGBT領域11に向かうにつれて小さくなっている。具体的には、遷移領域におけるフォトレジスト50の開口が、トレンチ30の延設方向に所定ピッチをもって周期的に形成されている。各開口の中心間のピッチは、トレンチ30の延設方向およびベース層22の並設方向(延設方向に垂直な方向)において同一であり、各開口の面積が、FWD領域12からIGBT領域11に向かうにつれて小さくなっている。
なお、図17に示す半導体装置10の断面図は、図18におけるXVII−XVII線に沿う断面図である。
次に、裏面加工工程のうちのエッチング工程を実施する。図19に示すように、レジスト形成工程により形成したフォトレジスト50をマスクとして、半導体基板20の裏面20bをドライエッチングし、凹部60を形成する。本実施形態において、凹部60は、FWD領域12におけるフォトレジスト50の開口に対応した第1凹部61と、遷移領域におけるフォトレジスト50の開口に対応した第2凹部62とから成る。そして、第2凹部62の底部62bの裏面20bに対する面積割合は、第2凹部62が第1凹部61から離れるほど小さくなっている。なお、本実施形態におけるエッチング深さは、第1実施形態と同様に、照射工程における粒子線あるいは放射線のシリコンに対する飛程以上となるようにドライエッチングを行う。そして、エッチング工程後、図19に示すように、レジスト除去工程を行い、裏面20bに形成されたフォトレジスト50を除去する。
次に、照射工程を実施する。図20に示すように、結晶欠陥層40を形成するために、半導体基板20の裏面20b側から粒子線あるいは放射線を照射する。本実施形態では、例えば、ヘリウム3イオン(He)を照射する。この照射工程では、粒子線あるいは放射線を遮蔽する遮蔽マスクを用いることなく、半導体基板20の裏面20b全面に亘って照射する。なお、本実施形態では、エッチング工程において、エッチング深さを、照射工程における粒子線あるいは放射線のシリコンに対する飛程以上としている。このため、照射工程により形成される結晶欠陥層40のうち、凹部60が形成されていない部分に対応する結晶欠陥は、半導体基板20の一面20aからの深さが、凹部60の底部61b,62bよりも深い位置に形成される。
照射工程の後、第1実施形態と同様に、平坦化工程と、コレクタ層23、カソード層24、および、コレクタ電極25を形成する工程と、を実施する。平坦化工程においては、凹部60が消失するように裏面20b側からバックグラインドすることにより、結晶欠陥層40のうち、凹部60が形成されていない部分に対応する結晶欠陥も除去する。これにより、本実施形態に係る半導体装置10(図16)を製造することができる。
上記の方法で製造された半導体装置10は、結晶欠陥層40における結晶欠陥の密度が、FWD領域12に対応する部分からIGBT領域11に対応する部分に向かって減少している。このため、IGBT領域11とFWD領域12との間の遷移領域において、キャリアライフタイムの急激な変化を抑制することができ、電界集中などによる半導体素子の耐圧低下を抑制することができる。
(第5実施形態)
上記した各実施形態では、半導体基板20に形成される半導体素子として、IGBTとFWDとを有する、所謂RC−IGBTを例に示した。しかしながら、本発明は、RC−IGBTに限定して適用されるものではない。例えば、3種類以上の半導体素子が、同一の半導体基板20に形成された半導体装置にも適用できるし、単一の半導体素子が形成された半導体装置にも適用することができる。
本実施形態では、第4実施形態に対して、半導体基板20にIGBTのみが形成された例を示す。
本実施形態に係る半導体装置10は、図21に示すように、半導体基板20の一面20a側表層にベース層22が形成され、上記した各実施形態におけるIGBT領域と同様に、トレンチ30、ゲート絶縁膜31、ゲート電極32、絶縁膜33が形成されている。また、裏面20b側表層には、コレクタ層23が形成され、裏面20bに接するようにコレクタ電極25が形成されている。そして、半導体基板20のうち、ベース層22とコレクタ層23に挟まれたドリフト層21の内部には、結晶欠陥層40が形成されている。この結晶欠陥層40は、第4実施形態と同様に、遷移領域を持って、一面20aに沿う所定方向に結晶欠陥の密度を変化させつつ形成されている。
この半導体装置10は、第4実施形態に記載の製造方法に対して、以下の工程を変更することにより製造される。すなわち、表面形成工程において、FWD領域12を形成せず、FWD領域12に相当する部分にもIGBT領域11と同一の構造を形成する。また、平坦化工程の後、カソード層24を形成せず、カソード層24に相当する部分にもコレクタ層23を形成する。
このように製造された半導体装置10は、IGBTとしての機能を有する単一の半導体素子でありつつ、半導体基板20の一面20aに沿う面内で結晶欠陥の密度分布を形成することができる。すなわち、ライフタイムの分布を形成することができる。例えば、図示しないゲート配線の配線長に起因する電圧降下により、各ゲート電極32に印加される電位が、一面20aに沿う面内で分布をもつようなIGBTにおいて、その分布に応じて、結晶欠陥の密度分布を形成することにより、一面20aに沿う面内で、IGBTのライフタイムをほぼ同一に調整することができる。これにより、IGBTのオン電圧や、スイッチング特性の面内分布を抑制することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した各実施形態では、平坦化工程により、半導体基板20の裏面20b側からバックグラインドを行い、裏面加工工程により形成した凹部60を含む裏面20bを平坦化する例を示した。しかしながら、上記例に限定されるものではなく、凹部60が形成されない部分に形成された結晶欠陥層40を除去する必要がない半導体装置については、必ずしも平坦化工程を実施する必要はない。すなわち、裏面20bに凹部60を有する半導体装置としてもよい。
また、上記した各実施形態では、半導体基板20のうち、ドリフト層21と、コレクタ層23およびカソード層24と、の間にフィールドストップ層を有さない構成を例に示した。しかしながら、フィールドストップ層を有していても本発明が適用可能であることは言うまでもない。なお、フィールドストップ層を有する半導体装置の製造にあたっては、平坦化工程後、裏面20b側表層にリン等の不純物をドープしてN導電型とし、その後、裏面20bの表層のうち、より裏面20b側にコレクタ層23およびカソード層24を形成する。そして、裏面20bに接するようにコレクタ電極25を形成する。
また、照射工程において、半導体基板20の裏面20bと、図示しない粒子線源あるいは放射線源との間に、アルミニウム等のエネルギー吸収材を挿入することにより、粒子線あるいは放射線の半導体基板20に対する飛程を調整してもよい。
また、上記した各実施形態においては、照射工程に用いられる粒子線として、ヘリウム3イオン(He)を用いる例を示した。しかしながら、上記例に限定されるものではなく、ヘリウム4イオン(He)、プロトン(p)、電子(e)、中性子(n)を用いることもできる。また、放射線として、X線やガンマ線を用いることもできる。
また、上記した各実施形態における半導体基板20(ドリフト層21)、ベース層22、コレクタ層23、カソード層24、および、エミッタ領域26の導電型を反転させた半導体素子についても、本発明を適用することができる。
また、第4実施形態あるいは第5実施形態において、エッチング工程により形成される凹部60の底部60bの面積(ひいては、結晶欠陥層40の結晶欠陥の密度)を変化させる遷移領域を形成するためのフォトレジスト50の形状を、ほぼ市松模様とする例を示したが、上記例に限定されるものではない。すなわち、フォトレジスト50の形状は、第2凹部62の底部62bの裏面20bに対する面積割合が、第2凹部62が第1凹部61から離れるほど小さくなるように構成されればよい。
また、第4実施形態あるいは第5実施形態において、裏面20bに凹部60が形成されていない領域に、照射工程により形成された結晶欠陥層40を、平坦化工程で除去する例を示したが、上記例に限定されるものではない。第2実施形態と同様に、凹部60を形成するためのエッチング深さを、粒子線あるいは放射線の飛程未満とすることにより、平坦化工程後においても、凹部60が形成されない領域に形成された結晶欠陥層40を残すことができる。すなわち、凹部60が形成された領域の結晶欠陥層40と、凹部60が形成されない領域の結晶欠陥層40とが、それぞれ深さの異なる結晶欠陥層40となっている。そして、互いの結晶欠陥層40の間には遷移領域が形成されている。換言すれば、一面20a側表面から結晶欠陥層40までの距離が長い(深い)結晶欠陥層40の結晶欠陥の密度が、距離が短い(浅い)結晶欠陥層40に向かうに伴って減少している。同時に、一面20a側表面から結晶欠陥層40までの距離が短い(浅い)結晶欠陥層40の結晶欠陥の密度が、距離が長い(深い)結晶欠陥層40に向かうに伴って増加している。
このような構成にすることにより、第2実施形態と同様に、結晶欠陥層40の深度によりキャリアライフタイムの制御を行うことができるとともに、遷移領域において、ライフタイムの急激な変化を抑制することができ、電界集中などによる半導体素子の耐圧低下を抑制することができる。
なお、特許請求の範囲に記載の、異なる機能を有する複数の素子とは、例えば、第1〜第4実施形態に記載のような、IGBTとFWDといった、素子としての役割が異なるもの同士の場合などの他に、例えば、第5実施形態に記載のような、IGBTという同一種類の素子でありながら、ゲート電極に印加される電位が部位ごとに異なるもの同士の場合なども含まれる。
11・・・IGBT領域,12・・・FWD領域
20・・・半導体基板,21・・・ドリフト層,22・・・ベース層,26・・・エミッタ領域,27・・・エミッタ電極
31・・・ゲート絶縁膜,32・・・ゲート電極,33・・・絶縁膜
40・・・結晶欠陥層
60・・・凹部

Claims (2)

  1. 半導体基板の一面側に、半導体素子の少なくとも一部を形成する表面形成工程と、
    前記表面形成工程の後に、前記一面と反対の裏面側から粒子線あるいは放射線を照射して結晶欠陥層を形成する照射工程と、を備える半導体装置の製造方法であって、
    前記照射工程の前に、前記裏面側の一部をエッチングして凹部を形成する裏面加工工程と、
    前記照射工程の後に、前記裏面側から前記半導体基板のバックグラインドを行い、前記結晶欠陥層の少なくとも一部を残しつつ、前記裏面を研削して平坦化する平坦化工程と、
    前記平坦化工程の後に、平坦化された前記裏面に不純物をドープして拡散層を形成する拡散層形成工程と、を備え、
    前記表面形成工程にあっては、前記半導体素子として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタとフリーホイールダイオードとを形成し、
    前記裏面加工工程にあっては、前記フリーホイールダイオードの形成位置に対応する前記裏面側に、深さが前記粒子線あるいは放射線の前記半導体基板に対する飛程未満とされた前記凹部を形成し、
    前記照射工程にあっては、粒子線あるいは放射線を遮蔽するマスクを用いることなく、前記裏面側から前記半導体基板の全面に粒子線あるいは放射線を照射し、
    前記平坦化工程にあっては、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタに対応する位置に形成された前記結晶欠陥層と、前記フリーホイールダイオードに対応する位置に形成された前記結晶欠陥層と、を残して前記裏面を研削することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記凹部は、底部の面積が最大の第1凹部と、該第1凹部よりも底部の面積が小さい複数の第2凹部とからなり、
    前記第1凹部から離れるほど、前記半導体基板の裏面に対する底部の面積割合が小さくなるように前記第2凹部を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
JP2012011128A 2012-01-23 2012-01-23 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP5811861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011128A JP5811861B2 (ja) 2012-01-23 2012-01-23 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011128A JP5811861B2 (ja) 2012-01-23 2012-01-23 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013149909A JP2013149909A (ja) 2013-08-01
JP5811861B2 true JP5811861B2 (ja) 2015-11-11

Family

ID=49047106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012011128A Expired - Fee Related JP5811861B2 (ja) 2012-01-23 2012-01-23 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5811861B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111799367A (zh) * 2020-06-29 2020-10-20 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 基于同一衬底制备不同厚度薄膜的方法及其结构、及应用器件

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9947450B1 (en) 2012-07-19 2018-04-17 The Boeing Company Magnetic core signal modulation
JP6034268B2 (ja) * 2013-09-13 2016-11-30 株式会社東芝 半導体装置
CN105706238B (zh) * 2013-11-05 2019-03-12 丰田自动车株式会社 半导体装置
JP6119593B2 (ja) 2013-12-17 2017-04-26 トヨタ自動車株式会社 半導体装置
JP6107767B2 (ja) * 2013-12-27 2017-04-05 トヨタ自動車株式会社 半導体装置とその製造方法
JP6277814B2 (ja) * 2014-03-25 2018-02-14 株式会社デンソー 半導体装置
JP6524666B2 (ja) 2015-01-15 2019-06-05 富士電機株式会社 半導体装置
JP6384425B2 (ja) 2015-08-21 2018-09-05 株式会社デンソー 半導体装置
JP6582762B2 (ja) 2015-09-03 2019-10-02 株式会社デンソー 半導体装置
JP6747593B2 (ja) * 2017-07-14 2020-08-26 富士電機株式会社 半導体装置
CN110574146B (zh) * 2017-11-16 2024-02-13 富士电机株式会社 半导体装置
DE102018115637A1 (de) * 2018-06-28 2020-01-02 Infineon Technologies Ag Leistungshalbleiterbauelement
US20220223583A1 (en) * 2019-07-12 2022-07-14 Mitsubishi Electric Corporation Semiconductor device, and method for manufacturing semiconductor device
WO2023106152A1 (ja) * 2021-12-08 2023-06-15 ローム株式会社 半導体装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007103770A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Sanken Electric Co Ltd 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
JP2008192737A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Denso Corp 半導体装置
JP2010147381A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Denso Corp 半導体装置の製造方法
JP2011108915A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Toyota Motor Corp 半導体装置の製造方法
JP2011129619A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Toyota Motor Corp 半導体装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111799367A (zh) * 2020-06-29 2020-10-20 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 基于同一衬底制备不同厚度薄膜的方法及其结构、及应用器件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013149909A (ja) 2013-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5811861B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US10381225B2 (en) Semiconductor device having IGBT and diode with field stop layer formed of hydrogen donor and helium
JP6683228B2 (ja) 半導体装置
JP5935951B2 (ja) 半導体装置
JP6181597B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP6078961B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US8729600B2 (en) Insulated gate bipolar transistor (IGBT) with hole stopper layer
JP5083468B2 (ja) ダイオード領域とigbt領域を有する半導体基板を備える半導体装置
JP5569600B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP5526811B2 (ja) 逆導通形絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
JP6365165B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5867617B2 (ja) 半導体装置
WO2014156849A1 (ja) 半導体装置
WO2014168171A1 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6334465B2 (ja) 半導体装置
JP2014165306A (ja) 超接合半導体装置の製造方法
JP2010219258A (ja) 半導体装置
JP2010272741A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2024060027A (ja) 半導体装置
JP2020031155A (ja) 半導体装置
JP7384287B2 (ja) 半導体装置
JP2009043782A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US11355628B2 (en) Semiconductor device having junction termination structure and method of formation
WO2018154963A1 (ja) 半導体装置
JP5686033B2 (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150907

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5811861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees