JP5811275B2 - 紡糸ノズル及び繊維集合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、極細繊維の製造において、小口径の吐出孔を高密度に配した超多孔ノズルにおいて、凝固液が全ての吐出孔に均一に浸入するよう適正に吐出孔を配置した紡糸ノズル、及びその紡糸ノズルを用いた、単繊維径がナノ(サブミクロン)オーダーの均一な超極細繊維の製造方法に関する。
化学繊維は、主に衣料用途に用いられ、その性能・風合いを向上させるため、ポリマー改質、異型断面化、機能性付与や極細化などについて、数多くの検討が活発に行われて来た。特に単繊維の極細化については、超極細繊維の開発によるスエード調人工皮革の展開に至り、この基盤技術はワイピングクロスといった生活資材やフィルターといった産業資材用途にも活かされており、現在も更なる極細化が続いている。特に昨今では、ハイブリッド車や電気自動車に搭載される2次電池セパレータや高機能化が進むフィルター等に対して、ナノファイバー不織布の採用が積極的に検討されている。
不織布などの繊維集合体の微細孔の大きさは、繊維集合体を構成している単繊維の直径に大きく影響を受けると言われている。即ち、より小さな微細孔を形成させるためには、繊維径のより小さな繊維で不織布を形成させる必要がある。しかしながら溶融紡糸、湿式紡糸などを基本にした従来の紡糸方法では繊維径を細くするには2μm程度が限界であり、ナノファイバーに対するニーズに充分応えられるレベルではなかった。
ナノファイバーの生産技術の一つとして、工業的にはフェイズ・セパレーション法が知られている。これは互いに相分離する2種のポリマー成分を海島複合或いは混合紡糸し、海成分を溶剤により除去して、残った島成分をナノファイバー化するものである。この方式のナノファイバーは通常の繊維製造と同じように延伸を施すことができるため、分子の配向度・結晶化度も高く、比較的高強度の繊維が得られる。
しかしながら紡糸後、或いは不織布作製後に多量の海成分を溶剤により除去しなければならず、除去した海成分の回収或いは廃棄処理が必要なためコストアップの要因となっていた。同時に、これらの処理は環境的にも好ましいものではなかった。また、ここで得られるナノファイバーの単糸繊度は海島ポリマー繊維中での島ポリマーの分散状態で決定されるため、分散が不十分であると、得られるナノファイバーの単糸繊度のバラつきが大きくなるなど繊維径の均一性に懸念が残っていた。
ナノファイバーの生産技術のもう一つの方法としてエレクトロスピニング法がある。この方法は、高分子溶液等を噴射ノズルから吐出する際に、噴射ノズルと対向電極間に高電圧を印加し、噴射ノズル内の誘電体に電荷を蓄積させることにより、静電気的な反発力で微細なナノファイバーを製造するものである。噴射ノズルからナノファイバーを吐出すると、静電気的な反発力でポリマーが微細化され、ナノスケールの微細繊維が形成される。このとき、ポリマーを溶解させている溶媒は繊維外へ放出され、堆積されたナノファイバー中には溶媒はほとんど含まれていない。紡出直後にほぼ乾燥状態のナノファイバー集合体が形成されるため、簡便な製造法と言える。
しかしながらエレクトロスピニング法は工業的規模での生産性に大きな問題を残している。即ち、ナノファイバーの生産量は噴射ノズルの数に比例するため、単位面積(或いはスペース)当たりの噴射ノズルの数を如何に増やすかという技術課題において限界がある。また各噴射ノズルからのポリマー吐出量が一定でないため、繊維径の変動や不織布への堆積量の変動という問題、延伸ができないため強度が弱い問題及び、短繊維にして使用することができない問題などがある。
また、噴射ノズルを使用することから派生する製造上の問題点として、コロナ放電の発生が挙げられる。コロナ放電が発生すると、噴射ノズル先端に高電圧を印加することが困難となり、噴射ノズル内のポリマー溶液に充分な電荷の蓄積が行われず、ナノファイバーを形成することが困難となる。このコロナ放電を抑制する方法について種々考案されているが解決は難しいものであった。
このようなエレクトロスピニング法の抱える生産性の問題は、噴射ノズルを使用することから派生するため、噴射ノズルを使用しないエレクトロスピニング法の検討も行われている。例えば磁性流体を電極として使用し、高分子溶液表面からエレクトロスピニングを行う方法であり、噴射ノズルを使用しないため、メンテナンスの容易な紡糸が実現でき、且つ紡糸速度を飛躍的に向上させることが可能であった。しかし、この方法は、紡糸状態が非常に不安定であるという問題が残された。
噴射ノズルを使用しない他の紡糸方法として、回転ロールを使ったエレクトロスピニング法が提案されている。この方法は、回転ロールをポリマー溶液を満たした浴に浸漬し、ロール表面上にポリマー溶液を付着させ、この表面に高電圧を印加し、エレクトロスピニングを行う方法である。これは従来のエレクトロスピニング法と比較すると、生産性向上とメンテナンスの容易さという点で画期的な方法であった。しかしながら、紡糸される回転ロール部分の面積には限界があり、更に生産性を高めるには回転ロール径を大きくするか、回転ロール本数を増やす必要があり、生産設備の大型化を招くという問題があった。
また高電圧を印加したポリマー溶液の浴に気泡を発生させる装置を埋め込んで、ポリマー溶液表面からポリマー繊維ジェットを飛翔・集積させるというナノファイバー集合体の製造方法が提案されている。しかしながら、この方法ではポリマー溶液の表面に泡を発生させて泡の頂点からポリマー繊維ジェットを飛翔させる際に、泡の破裂による微細な飛沫が飛翔してナノファイバー表面に付着する問題がある。
エレクトロスピニング方式では生産性、品質の安定性にも限界があることと更には新規に多大な投資が必要となるため、本発明者らは、従来の湿式紡糸設備を有効に活用し、新規投資額を抑制しながら直接紡糸方式により繊維径斑の少ない連続したナノファイバーを高効率に製造する技術を確立させる必要性があると考えた。
湿式紡糸方法による極細繊維からなる繊維集合体(連続長繊維束)の製造方法としては、次に挙げる文献にその関連する様々な技術が開示されている。
特許文献1(特開2000−328347号公報)には、紡糸口金及びアクリル繊維の製造方法が記載されており、孔密度を3〜35個/mm2 に高め、単繊維繊度0.03〜50デニールのアクリル系繊維を湿式紡糸するのに用いられることが記載されている。
特許文献2(特開昭62−21810号公報)には、湿式紡糸用角型ノズルが記載されており、紡糸孔ブロックの幅、長さ、ブロック間距離を特定の距離とし、孔密度が16.6個/mm2 の紡糸ノズルから、1.5デニールの繊維を糸切れなく安定して紡糸できることが記載されている。
特許文献3(特開昭51−119826号公報)には、極細繊維集合体及びその製造方法及びその製造装置が記載されており、ろ過精度が15μm以上の金属繊維製シート焼結板よりなる紡糸口金を用いて、湿式紡糸により0.01〜0.5デニールで、凹凸のはげしい不均一な繊維横断面を有する極細繊維集合体を得ることが記載されている。
こうして得られる極細繊維集合体は、既述したように、衣料を始めとして生活用資材や産業用資材として幅広く用いられてきているが、特に近年では、例えば特許文献5(特開2012−72519号公報)に記載され提案されているように、ハイブリッド車や電気自動車に搭載される2次電池セパレータや高機能化が進むフィルター等として、極細繊維を使ったナノファイバー不織布(合成紙)が多く使われるようになっている。従来も合成繊維を原料とした合成紙は、セルロースを原料とする紙と比較して吸水による寸法の変化が少ないことから、電池セパレータやオイルフィルター、電子配線基盤などに利用されてきた。
従来から合成繊維を原料とした合成紙は、セルロースを原料とする紙と比較し吸水による寸法の変化が少ないことから、電池セパレータやオイルフィルター、電子配線基盤などに利用されてきた。
一方、例えば特許文献4(特開昭58−7760号公報)に記載されているように、湿式紡糸で製造されるアクリル繊維を抄造して製造されるアクリル繊維紙は、合成紙の分野では旧くから広く使用されてきた素材の一つである。ポリエステル繊維やポリオレフィン繊維とは異なり、アクリル繊維は難熱可塑性を示すために、熱カレンダー加工を行っても溶融接着することなく、また、親水性で耐薬品性にも優れることから、アクリル繊維紙は、アルカリ電池のセパレータ等の分野で広く使用されてきた。
上記特許文献5には、アクリロニトリル93質量%以上を重合して得たアクリロニトリル共重合体からなり、単繊維繊度が1.0dtex以下であれば、抄造した際に、繊維の絡み合いが適度となるために好ましいと記載され、0.01dtex以上0.2dtex以下の範囲であれば、抄造工程の均質性が優れ、また、工業的な生産性も確保できるのでさらに好ましいことが記載されている。
特開2000−328347号公報 特開昭62−21810号公報 特開昭51−119826号公報 特開昭58−7760号公報 特開2012−72519号公報
ナノファイバーを従来の湿式紡糸方式で生産性を大きく低下させることなしに製造するためには、紡糸ノズル1個当たりの吐出孔数を相当数増やす必要がある。紡糸ノズルの孔数を増やす方法として吐出孔を有する吐出面の大きさを広くする方法が考えられるが、紡糸ノズルの吐出面の面積をあまり大きくすると、紡糸ノズルの中央部に配置されている吐出孔の近傍において、濃度が高くなった凝固液を規定濃度の凝固液に入れ替えることが難しくなり、中央部に配置された吐出孔からの繊維形成に不具合が生じる。また紡糸原液の吐出圧力によって吐出面が変形する(膨らむ)などといった問題が生じる。また既設の凝固槽に収納することができず、新規に凝固槽を製作する費用や凝固槽の設置スペースも新たに必要になる。このような事情から設備投資額を抑制するためには、紡糸ノズル吐出面のサイズアップより孔を高密度で配置するのが得策である。
紡糸ノズルの吐出孔を高密度で配置するためには孔間ピッチP1を狭くする必要があるが、孔間ピッチP1を狭くし過ぎると、紡糸ノズルの吐出面の中央部に配置されている吐出孔の近傍において、濃度が高くなった凝固液を規定濃度の凝固液と入れ替えることが難しくなり、中央部に配置された吐出孔からの繊維形成に不具合、即ち数本〜数百本が接着した繊維が生じることもある。
上記特許文献1に記載された技術では、湿式紡糸用多孔ノズルの孔密度が35個/mm2 であり、その実施例では孔密度が11個/mm2 の例が挙げられており、上記特許文献2によれば、その実施例では多孔ノズルの孔密度が16.6個/mm2 の例を挙げているが、これらの実施例の孔密度をもつ紡糸ノズルは、昨今流行のマイクロファイバーのような0.4〜1.0dtex程度の繊維であれば十分に工業化ベースでの製造に対応できるものであるが、ナノファイバーレベルの繊維を製造すると総繊維の数が少ないため生産性が著しく下がりコストの増大は避けられない。また、総繊維数を増やそうとするとノズルが大きくなってしまうため、設備が大型化してしまい、また原液の吐出斑ができてしまう。
また、孔密度が高められたとしても、繊維間の接着が多発すると考えられる。
上記特許文献3によれば、15μmφ以上の濾過精度を有する金属繊維製シート焼結板を用いて湿式紡糸するに際し、凝固液が均一に浸入するようにシート焼結板の吐出面側を樹脂などで閉鎖し、0.01〜0.5デニールの繊維を製造することを提案しているが、対象はナノファイバーではなく、前述のとおり、その繊度は10〜500倍の太さとなり、また形成された繊維断面は凸凹で断面形状も繊維径も不均一なもので、精度の高いフィルターなどの原料としては適性のないものであった。
このことから湿式の直接紡糸方式で均一な連続したナノファイバーを高効率で製造するためには、従来にない高密度で紡糸ノズルの孔を精確に配置する必要がある。しかしながら従来の紡糸ノズルの穿孔加工方式では、1孔当たりの加工コストから計算すると、超高密度多孔ノズル製作のためには莫大な投資額が必要になるが、そのコスト問題以上に従来の穿孔加工技術では孔密度は35個/mm2 が製作上の限界であった。また紡糸ノズルの吐出孔を高密度で精確に穿孔するためにはノズルの板厚を相当薄くしなければならず、紡糸原液の吐出圧力によっては紡糸ノズル面が膨らむのみならず破裂するなどといった問題が懸念された。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、湿式紡糸方式で安定して直接紡糸する方法を用いて、均一で連続したナノファイバーの束を高効率に製造することができる超多孔紡糸ノズルとその紡糸ノズルを用いてナノファイバーを製造する技術を提供することを課題とする。
また、0.1デニールの繊維を使用した場合、10g /m2 以上の米坪(目付)の抄紙しか作製できないが、ナノファイバーで製造した紙は、3〜5g/m2 の抄紙を作製することが可能であり、薄くてなお且つ強度が高い抄紙を作製することが可能である。
本発明の紡糸ノズルは、1平方mm当たりの吐出孔の数が、600個/mm2 以上1,200個/mm2 以下の有孔部を有する紡糸ノズルである。
本発明の紡糸ノズルは、前記吐出孔の開口面積が100μm2 以上350μm2 以下であることが好ましい。
本発明の紡糸ノズルは、前記吐出孔の総数が、8×105 個以上25×105 個以下であることが好ましい。
本発明の紡糸ノズルは、1つの吐出孔と該吐出孔に最も近い吐出孔との外縁間距離が、10μm以上20μm以下であることが好ましい。
本発明の紡糸ノズルは、全ての吐出孔において、該吐出孔の外縁から前記吐出孔が配されている有孔部の有孔部外周線までの距離が2mm以下の方向を有することが好ましい。
本発明の繊維集合体の製造方法は、上述のいずれかの紡糸ノズルの吐出孔から紡糸原液を吐出させ、単繊維繊度が0.005dtex以上0.01dtex以下であり、総繊度が4×103 dtex以上8×105 dtex以下である繊維集合体を得る方法にある。
本発明の繊維集合体の製造方法にあって、上記いずれかの紡糸ノズルの吐出孔から吐出する前記紡糸原液の50℃における粘度を、30ポイズ以上200ポイズ以下とすることが好ましい。
本発明の繊維集合体の製造方法にあって、前記紡糸原液に溶解している重合体の比粘度を、0.18以上0.27以下とすることが好ましい。
本発明の繊維集合体の製造方法は、前記繊維集合体の構成繊維がアクリル繊維であることが好ましい。
本発明の繊維集合体の製造方法は、前記紡糸ノズルの吐出孔から紡糸原液を吐出した繊維に、油剤の濃度が3〜10%の油剤処理液を付与し、油剤処理液が付着した状態で、該繊維を乾燥させることが好ましい。
前記繊維集合体は、単繊維繊度が0.005dtex以上0.01dtex以下であり、総繊度が4×103 dtex以上8×105 dtex以下である繊維集合体である。
前記繊維集合体の構成繊維はアクリル繊維であり、前記繊維集合体の長さが1mm以上200mm以下であることが好ましい。
前記繊維集合体は、単位繊度換算強度が3.0cN/dtex以上7.0cN/dtexであることが好ましい。
前記繊維集合体から得られる紙は、単繊維繊度が0.005dtex以上0.01dtex以下の繊維であり、該繊維を80質量%以上95質量%以下含有し、米坪(目付)が3g/m2 以上30g/m2 である。
前記繊維集合体から紙を作ることができる。このとき繊維集合体の長さ1mm以上10mm以下であることが好ましく、その紙幅15mmの長さ方向の引張強度が3.0N/mm2 以上13.5N/mm2 以下であることが好ましく、透気抵抗度が0.1秒以上1.0秒以下であることが好ましい。
本発明によれば、超多孔紡糸ノズルを用い、湿式紡糸方式で直接紡糸する方法において、安定した紡糸ができ、均一で連続したナノファイバーの繊維集合体を高効率で製造することができ、単繊維間の接着が非常に少ない極細繊維が提供される。
また、本発明の繊維を用いれば、米坪(目付)が小さくても強度に優れた紙が提供できる。
ノズル全体の吐出孔の配置の例を示す概略図である。 図1に示す有孔部のX部を拡大した吐出孔の配置例を示す概略図である。 図2に示す有孔部のY部をさらに拡大した吐出孔の配置例を示す概略図である。 図4A〜図4Dは複数の吐出孔の外縁間距離を示す例図である。 有孔部の外接線の一例を示す図である。 有孔部の外接線の他の例を示す図である。
<紡糸ノズル>
本発明の紡糸ノズル1は、1平方mm当たりの吐出孔の数が、600個/mm2 以上1,200個/mm2 以下の有孔部を有する紡糸ノズルである。
1平方mm当たりの吐出孔の数が600個/mm2 以上であれば、紡糸ノズル1は大きくならず効率よく極細繊維を製造できる。また1平方mm当たりの吐出孔の数が1200個/mm2 以下であれば、単繊維同士の接着を低減しやすくなる。
1平方mm当たりの吐出孔の数の下限値は、前記観点から700個/mm2 以上が好ましく、800個/mm2 以上がより好ましい。1平方mm当たりの吐出孔の数の上限値は、前記観点から1100個/mm2 以下が好ましく、1000個/mm2 以下がより好ましい。
図2、3に示すように、複数の吐出孔3が集合しており、1平方mm当たりの吐出孔の数が、600個/mm2 以上1,200個/mm2 以下となる部分を有孔部2とし、有孔部2の外周に配される吐出孔3の縁に接する線を引いて、その線を有孔部外周線とし、前記有孔部外周線で囲まれる面積を有孔部面積とする。
無孔部は、前記有孔部でない部分をいう。
本発明の紡糸ノズル1は、フォトレジスト法による吐出孔の型作製と、電鋳方式により前記型上に金属を析出させ、その後、吐出孔の型を除去することにより紡糸ノズル1の吐出孔3を得る。
本発明の紡糸ノズルは、株式会社セムテック エンジニアリングで作成することができる。
本発明の紡糸ノズル1は、2個以上の吐出孔3が集合して配列されてなる有孔部2と吐出孔3の無い無孔部4とからなることが好ましい。
無孔部4を有することで、凝固液が有孔部2の中心部から吐出された原液に規定の濃度の凝固液が入りやすくなる。
本発明の紡糸ノズル1は、1つの吐出孔3の面積が100μm2 以上350μm2 以下であることが好ましい。1つの吐出孔3の面積が100μm2 以上であれば、異物が詰まりにくくなり、濾過の負荷を低減しやすくなるので好ましい。また1つの吐出孔3の面積が350μm2 以下であれば、ナノオーダーサイズの単繊維を得やすくなる。
1つの吐出孔3の前記面積の下限値は、前記観点より、150μm2 以上がより好ましく、200μm2 以上がさらに好ましい。また、前記面積の上限値は、前記観点より、300μm2 以下がより好ましく、250μm2 以下がさらに好ましい。
本発明の紡糸ノズル1は、吐出孔3の数が、8×105 以上25×105 以下であることが好ましい。吐出孔3の数が、8×105 以上であれば、生産性が上がり、コストを低減しやすくなる。また、吐出孔3の数が25×105 以下であれば、接着を低減しやすくなる。
前記吐出孔3の数の下限値は、9×105 以上がより好ましく、10×105 以上がさらに好ましい。前記吐出孔3の数の上限値は、23×105 以下がより好ましく、20×105 以下がさらに好ましい。
本発明の紡糸ノズル1は、図3及び図4に示すように、前記吐出孔3と該吐出孔3に最も近い吐出孔3とにおいて、両吐出孔3,3の外縁間距離L1が、10μm以上20μm以下であることが好ましい。吐出孔3の形状は、例えば図4に示すように、正方形や円形の単独であったり、それらの組み合わせであったりする。ただし、図4に示す形状や組み合わせに限定されない。
前記吐出孔3,3の外縁間距離L1が10μm以上であれば吐出孔3,3から吐出された繊維の間を凝固液が浸入しやすくなる。また20μm以下であれば、孔密度を高くしやすくでき、ノズルが大きくならず、効率よくナノファイバーが製造できる。
前記観点から、両吐出孔3,3の前記外縁間距離の下限値は、12μm以上がより好ましく、上限値は17μm以下がより好ましい。
本発明の紡糸ノズル1は、吐出孔3が非常に高密度で配されているので、吐出孔3の集合部の中心に近い吐出孔3から吐出された繊維の周辺の凝固液を、入れ替わりやすくして、繊維形成を均一にし繊度斑や接着を防止するため、吐出孔の集合部を、いくつかの有孔部に分けて、規定の濃度の凝固液が、吐出孔3の集合部の中心へ入りやすくすることが好ましい。
その一例を図1に示す。
同図に示すように、紡糸ノズル1の原液吐出部分の吐出孔3が集まる有孔部2の短辺の幅(以下、有孔部幅w1という。)と前記有孔部2と隣合う有孔部2との間隔(以下、レーン幅w2と言う。)、及び有孔部群の長辺の長さ(a)の適正化を図り、凝固液が紡糸ノズル1の有孔部2の中心部まで十分に浸入するようにする必要がある。
この適正な有孔部2のサイズであるが、孔密度や原液(粘度)・湿式凝固条件(凝固濃度・温度)にも関連するが、前記有孔部幅w1は4mmを超えないようにすることが好ましい。また前記レーン幅w2は1.5mm以上にすることが好ましい。また有孔部群の短辺の長さ(b)は、前記有孔部幅w1及び前記レーン幅w2の場合は50mm以下にすることが好ましい。
そのため、本発明の紡糸ノズル1は、全ての吐出孔3において、該吐出孔3の外縁から前記吐出孔3が配されている有孔部2の有孔部外周線までの距離が2mm以下の方向を有することが好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1mm以下がさらに好ましい。
前記有孔部外周線までの距離が2mm以下の方向を有すれば、有孔部2の内側に凝固液が入りやすくなるため、有孔部2の内側部から吐出された原液も凝固しやすくなり、繊維間の接着を少なくでき、品質が均一化しやすくなる。
本発明の紡糸ノズル1は、前記有孔部2が複数配置され、1つの有孔部2と隣り合う有孔部2との最短距離が1.0mm以上であることが好ましい。
前記最短距離が、1.0mm以上であれば、前記有孔部間を凝固液が流れやすくなり、さらに有孔部の中心へ凝固液が流れやすくなる。
前記観点から、前記最短距離は、2.0mm以上がより好ましく、3.0mm以上がさらに好ましい。前記最短距離の上限値は、ノズルが大きくなり過ぎないようにする点から、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
本発明の紡糸ノズル1にあって、前記有孔部2は、有孔部2が効率良く配置でき、凝固液の流れも良ければ、特に限定されないが、上述の有孔部2はその形が長方形であり、この場合は長方形の長辺同士が平行に配置されていることが好ましい。
図1は本発明の超多孔紡糸ノズル1の本体をノズル面から見た平面図である。同図では紡糸ノズル面の有孔部2を16ブロックに分割した場合を示しているが、16ブロックに限定されるものではない。
紡糸ノズル1は角型パックに収納する設計であるが、丸型ノズルであっても有孔部2の分割を適正に設計すれば、十分に本発明の目的を達成することができる。しかしながら、凝固槽のスペースが同じであれば角型ノズルパックの方が丸型ノズルパック方式よりもトータルの孔数が増やせるので有利である。
本発明の紡糸ノズル1の吐出孔3を得る手法として、電鋳方式が好ましい。電鋳方式を用いれば孔径は数μmφ程度まで小さくすることができ、また隣接する吐出孔3の外縁間距離も10μm近くまで狭めることが可能になる。
また紡糸ノズル1の吐出孔3の有孔部2と無孔部4とを指定通りのデザインで作製することができるため、凝固液の浸入路(無孔部4)を適正化することもできる。また従来の吐出孔の加工技術と比較して低コストでできるというメリットがある。
本発明の紡糸ノズル1は、吐出孔3に紡糸原液が導入される面(浸入路面)に補強枠を有することが好ましい。
補強枠を有することにより、吐出圧による紡糸ノズルの変形を防止ししやすくなる。
<繊維集合体の製造方法>
本発明の繊維集合体の製造方法は、上述の紡糸ノズル1を使って、その吐出孔3から紡糸原液を吐出し繊維状物を得る繊維状物の製造方法である。
紡糸原液としては、本発明の微細な孔から吐出可能であれば、特に限定されるものではないが、粘度が低くできるものが好ましい。粘度を下げることが可能な点から、重合体が溶媒に溶解した原液を用いると、粘度を調整しやすいのでより好ましい。
前記観点から、ポリアクリロニトリル系重合体を溶媒に溶解した原液を用いるのがさらに好ましい。
本発明の繊維状物の製造方法は、前記吐出孔3から吐出する前記紡糸原液の粘度が30ポイズ以上200ポイズ以下であることが好ましい。
前記粘度が30ポイズ以上であれば、繊維が多孔質構造になることを低減しやすくなり、強度の低下を抑えやすい。前記粘度が200ポイズ以下であれば、本発明の超微細な吐出孔3から紡糸原液を吐出しやすくなり、圧力によるノズルの変形を防止しやすくなる。
前記観点から、前記粘度の下限値は、50ポイズ以上がより好ましく、100ポイズ以上がさらに好ましい。前記粘度の上限値は、180ポイズ以下がより好ましく、150ポイズ以下がさらに好ましい。
本発明の繊維状物の製造方法は、前記紡糸原液に溶解している重合体の比粘度が、0.18以上0.27以下とすることが好ましい。
前記比粘度の下限値は0.18以上であれば、繊維の形成がしやすくなるので好ましく、0.20以上がより好ましく、0.22以上がさらに好ましい。また、前記比粘度の上限値は0.27以下であれば、原液の粘度が高くなりすぎず、孔から吐出しやすくなるので好ましく、0.25以下がより好ましく、0.23以下がさらに好ましい。
本発明の繊維状物の製造方法は、紡糸原液を凝固液中に吐出を行う湿式紡糸方法であることが好ましい。
本発明の繊維集合体の製造方法は、紡糸原液を凝固液中に吐出した後、繊維集合体を98℃以上の熱水で延伸し、延伸倍率が2.5倍以上6倍以下である延伸工程を有することが好ましい。
前記延伸工程の熱水の温度が98℃以上であれば、繊維が延伸されやすくなり、繊維が切れることを低減しやすくなる。
延伸倍率の下限値が2.5倍以上であれば、紡糸通過性に優れ、繊維の加工時に必要な強度が得やすくなる。延伸倍率の下限値は、前記観点から3.0倍以上がより好ましく、3.5倍以上がさらに好ましい。また、延伸倍率の上限値が6.0倍以下であれば、繊維が切れることを低減しやすくなり、紡糸工程の安定性が向上しやすくなる。延伸倍率の上限値は、前記観点から5.5倍以下がより好ましく、5.0倍以下がさらに好ましい。
本発明の繊維集合体の製造方法は、繊維集合体を、さらに、乾熱で175℃以上200℃以下に加熱して、1.3倍以上3倍以下の延伸を行う乾熱延伸工程を有することが好ましい。
乾熱温度が175℃以上であれば、望む延伸倍率まで延伸しやすくなり、200℃以下であれば、繊維の熱による変質を低減しやすくなる。
乾熱温度の下限値は、前記観点から180℃以上がより好ましい。乾熱温度の上限値は、前記観点から195℃以下がより好ましく、190℃以下がさらに好ましい。
以下、本発明の紡糸ノズル1を用いてナノファイバーを湿式紡糸する方法について詳細に説明する。
本発明のナノファイバーの製造に際しては、紡糸ノズル1の吐出孔3の孔径は、目詰まりを防止する観点から10μmφ以上が好ましく、15μmφ以上がより好ましい。本発明においては紡糸原液の濾過抵抗の観点から、紡糸原液の粘度は30〜200ポイズが好ましい。
紡糸原液の粘度を30〜200ポイズの範囲に制御する方法としては、ポリマー自体の重合度を下げる方法と、紡糸原液のポリマー濃度を下げる方法があるが、繊維の物性の観点から、紡糸原液のポリマー濃度を下げる方法が好ましい。
ポリマー濃度を下げる方法の場合は、繊維の物性を維持できると共に、紡糸ノズルの吐出面でのドラフト比が小さくなる方向で、紡糸安定性が向上するのでナノファイバーの製造には適した方法である。
本発明における紡糸原液に使用し得る重合体は湿式紡糸が容易に行なえるものであればいずれも使用可能であり、例えばセルロース、セルロースアセテート、その他のセルロース誘導体、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリ塩化ビニリデン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体等を挙げることができる。
また紡糸ノズルの吐出孔の孔径が小さいので紡糸原液の濾過を強化することが好ましい。一般に紡糸ノズルの吐出孔詰まりの発生や吐出孔の洗浄の困難さは孔径が45μmφ以下になると急激に上昇し、紡糸トラブルの原因になり易い。
従って本発明においては、紡糸ノズルの吐出孔の孔径より小さな濾過精度を有する濾材を用いて濾過を行うことが好ましく、濾材としては焼結金属不織シート、焼結金属織物シート、金属粉末の焼結体などが好ましく、更に濾過精度としては5μm以下であることが望ましい。この場合、紡糸原液粘度が低いということが非常に有利に作用する。即ち孔径の小さい、濾過精度の高い濾材を用いて濾過を行うわけであるから、粘度が高いと、濾過圧が高くなり過ぎて紡糸不可能という事態を招くことになる。また原液粘度を下げる目的でポリマー濃度を下げると、更に濾過効率が向上し、且つ濾過圧の上昇が小さくなるため、上述の紡糸安定性向上に関連して非常に有利な条件となる。
このように孔径の小さい紡糸ノズルと低粘度の紡糸原液を用いて湿式紡糸すると、凝固は比較的速くなり、吐出孔密度を大巾に大きくしても、繊維同士の接着防止にも有利である。
以上のようにして紡糸された凝固繊維は、引き続き洗浄、延伸、油剤付与される。延伸は空中延伸、熱水延伸、スチーム延伸およびそれらの組み合わせといった公知の延伸方法がそのまま採用される。
引き続き未乾燥の湿潤繊維を公知の方法で乾燥・延伸を行っても良い。例えばカレンダーロール乾燥方式や熱風乾燥方式でボイドを焼き潰した後、そのまま使用しても良い。或いはボイドを焼き潰した後、引き続き乾熱下で繊維束の温度を175〜185℃に上昇させたのち、空中で延伸しても良い。また別の延伸手段として、1.5〜3.5kg/cm2 Gの飽和スチーム中で延伸しても良い。一般的にスチーム延伸の方が紡糸安定性を維持しながら効率的に延伸倍率が上げられるので、繊維をより細くするためには有利な手段である。
1つのノズルから吐出された繊維集合体は、総繊度が小さいため、紡糸性、繊維束の取扱いが向上するため、複数のノズルから吐出された繊維束を合わせて、1つの繊維集合体にすることも可能である。
1つのノズルから吐出された繊維集合体を合わせる方法としては、1つのノズルパックに複数のノズルを配置して同時に凝固浴で引き取る方法、1つのノズルから吐出された繊維集合体が湿潤状態にある紡糸工程中に合わせる方法、乾燥された繊維集合体を紡糸工程中又は紡糸工程後に合わせる方法などが可能である。
どの方法を採用するかは、紡糸工程の工程通過性、生産性、品質、取扱い性、使用用途等に応じて決定すれば良い。
<繊維集合体>
本発明の繊維集合体は、単繊維繊度が0.001dtex以上0.01dtex以下である。
単繊維繊度が0.001dtex以上であれば、繊維の強度の低下を抑制しやすくなるので好ましく、0.003dtex以上がより好ましく、0.005dtex以上がさらに好ましい。なお単繊維繊度が0.01dtex以下であれば、資材用途に求められる極細繊維を提供できる。
本発明の繊維集合体は、総繊度が4×103 dtex以上8×105 dtex以下であることが好ましい。前記総繊度が上記範囲であれば、取扱いが容易である。
本発明の繊維集合体は、アクリル繊維であることが好ましい。
本発明の繊維集合体は、長繊維集合体の他に短繊維集合体を含んでいる。
本発明の短繊維集合体は、長繊維集合体を長さが1mm以上200mm以下に切断した繊維集合体である。前記短繊維集合体の長さが前記範囲であれば、取扱いが容易である。
前記短繊維集合体の長さは、抄紙する際の液への分散性の点から、100mm以下がより好ましく、50mm以下がさらに好ましい。
本発明の短繊維集合体は、単位繊度換算強度が3.0cN/dtex以上7.0cN/dtex以下であることが好ましい。
前記強度が3.0cN/dtex以上であれば、繊維束の取扱いが容易にでき、紙にしたときに紙の米坪(目付)を小さくしても紙の強度を高くできやすくなる。また、7.0cN/dtex以下であれば、取扱い性が良好である。
前記観点から、前記強度は4.0cN/dtex以上がより好ましく、5.0cN/dtex以上がさらに好ましい。
さらに、紡糸工程途中にある未乾燥の湿潤繊維をそのまま使用することもできる。繊維径が極めて小さいことと本数が多いため、交絡性が極めて高くそのまま紙にすることもできるし、適当な長さにショートカットして水中に分散してから抄紙して紙にすることもできる。できた紙は、その多孔質構造と単繊維径が極めて小さいことによって吸着性に優れた紙が得られる。本発明では、「紙」は、紙及び不織布のことを言う。
本発明の紙は、本繊維集合体が分散した繊維を含む紙である。
また、本発明の紙は、上記繊維集合体から得られる繊維の長さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。
繊維の長さが1mm以上であれば、紙にしたときに使用に耐える強度が保持しやすく、10mm以下であれば単繊維の絡みが少なくなる。
前記観点から、本繊維の長さが3mm以上、7mm以下がより好ましい。
本発明の紙は、本発明の上記繊維集合体を70〜95質量%含有することが好ましい。
本発明の繊維集合体の含有量が70質量%以上であれば、米坪(目付)の軽い紙が得やすくなる。繊維集合体の含有量が95質量%以下であれば、必要量のバインダーを含有させることができる。
紙の米坪(目付)を軽くする点で、本発明の繊維集合体の含有量は80質量%以上が好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
本発明の紙は、バインダーが5〜20質量%以上含有することが好ましい。
本発明の紙は、該紙の米坪(目付)が3〜30g/m2 であることが好ましい。
前記米坪(目付)が3g/m2 以上であれば、紙として使用するための強度が保持しやすくなる。上限は特にないが、本発明の繊維集合体を用いて米坪(目付)の軽い紙を得るには30g/m2 以下が好ましい。
より軽い紙とするためには、紙の米坪(目付)は、15g/m2 以下がより好ましく、8g/m2 以下がさらに好ましい。
本発明の紙は、紙幅が15mmの長さ方向の引張強度が3.0N/mm以上13.5N/mm以下であることが好ましい。
前記引張強度が3.0N/mm以上であれば、取扱い性に優れ、フィルター等に使用できる。前記観点から前記引張強度が6.5N/mm以上がより好ましく、8.5N/mm以上がさらに好ましい。
本発明の紙は、透気抵抗度が0.1秒以上、1.0秒以下が好ましい。0.1秒以上であれば、フィルター作用として、異物を取りやすくなり、1.0秒以下であれば、フィルターが詰まりにくくなる。前記観点から、前記透気抵抗度は、0.2秒以上がより好ましく、0.7秒以下がより好ましい。
産業資材用途においては、得られた連続繊維集合体を任意の長さにショートカットして湿式抄紙した後、紙として高機能フィルター、高性能吸着剤として使用できる。更には原料ポリマーによっては、得られた紙を焼成してリチウムイオン電池のバッテリーセパレータに使用することが考えられる。
衣料用途で使用する場合は、公知の方法で熱緩和処理を行い、染色性の改良された且つ強度・伸度のバランスのとれた繊維を得ることができる。こうして得られた連続繊維集合体は、ショートカットして湿式抄紙してウオータージェット方式で織物基布に打ち込んで、乾燥した後、起毛加工すると非常にソフトで目面の綺麗なスエード調製品が得られる。
また公知の牽切機(トウコンバーター)で連続繊維集合体を牽切してスライバーを作製した後、公知の梳毛紡績方式で得られた紡績糸から作製した編地はピーチスキン状の優れたソフト感と光沢感のある製品が得られる。
本発明によって得られたナノファイバーの連続繊維集合体は、先にも述べたようにナノファイバーのフィラメント或いは牽切してステープルとして新風合素材用に利用しても良いし、この連続繊維集合体を切断、叩解してシート素材の一材料として利用しても良い。その他、繊維表面積が大きいことを利用して、各種吸着剤として応用することができる。このように、本発明によって得られたナノファイバーの連続繊維集合体は、多方面への応用が期待できる。特に吸着剤として使用する場合は未乾燥の多孔質構造を利用するのが好ましい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
<紡糸性評価>
紡糸性は以下の様に評価した。
○:糸切れ、巻付きなく紡糸可能であった。接着繊維はわずかに有。
△:糸切れ、巻付きなく紡糸可能であった。接着繊維少し有。
▲:糸切れ発生。
<単繊維繊度>
単繊維繊度の測定方法は、100℃で20分間乾燥させた繊維集合体を長さを1mに切断し、その質量を測定する。
その結果から繊維集合体の総繊度を算出し、総繊度を紡糸ノズルの吐出孔の数で除したものを単繊維繊度とする。
<単位繊度換算強度>
総繊度が2000dtex未満の繊維束の場合は撚りを35回/m、総繊度が2000dtex以上3000dtex未満の場合は撚りを20回/m、3000dtex以上6000dtex未満の場合は撚りを15回/m、6000dtex以上の場合は撚りを10回/mかけ、TENSILON(ORIENTEC社製 RTC−1325A)で、測定長250mm、引張速度50mm/minで伸長し、破断時の強度を測定した。その後、破断時の強度を繊維束の総繊度で割り、単位繊度換算強度を算出した。
<紙の強度の測定方法>
紙の引張強度は、JIS P8113に準じた方法により、島津製引張試験機AG−IS、ロードセルは1kNを使用して測定を実施した。サンプルは15×100mm、引張速度10mm/minで伸長し、破断時の強度を測定した。
<透気抵抗度の測定方法>
透気抵抗度は、JIS P8117に準じたガーレー試験機法により、評価を実施した。
[実施例1]
<紡糸ノズル>
孔密度1111個/mm2 、吐出孔面積176.6μm2 、吐出孔外縁間距離0.015mm、有孔部幅1mm、有孔部間距離2mm、有孔部数30個、総孔数1.17×106 個となる紡糸ノズルを、材質はニッケルを用い、電鋳方式で株式会社セムテック エンジニアリングにて作成した。吐出孔配置は図1〜3に示す通りである。
<湿式紡糸によるナノファイバーの作製>
アクリロニトリル単位91質量%、酢酸ビニル単位9質量%からなる比粘度0.200(重合体0.5gをジメチルホルムアミド100mlに溶解し、30℃で測定。以下同様。)の重合体をジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略記する。)に溶解し、引き続き濾過精度5μmの焼結金属フィルターで濾過し、重合体濃度16質量%の紡糸原液を調製した。その粘度は50℃で70ポイズであった。
引き続き、前記の通り作成した紡糸ノズルの吐出孔から、紡糸原液をDMAc30質量%の50℃の凝固液中に上記ノズルを通して吐出した。
原液吐出量は紡糸ノズルの吐出孔1個当たり6.5×10-5cc/minであった。紡糸原液が凝固液中で凝固した凝固繊維は、凝固液中から出て最初のロールにおける凝固繊維の引き取り速度が2.1m/minであった。引き続き凝固繊維を98℃の熱水中に導入しDMAcを洗浄除去しつつ、4.4倍の延伸を施し、油剤を凝固繊維に付与した後、乾燥ロール方式で乾燥した。引き続き乾熱で170℃に加熱して2.2倍の延伸を施し、繊維集合体を得た。
紡糸工程においては、糸切れ・巻付きなどの問題もなく、得られた繊維集合体は、総繊度5850dtex、単繊維繊度は0.005dtexであった。
その結果を表1に示す。
得られた繊維束を走査型電子顕微鏡で観察したところ、800〜1200nmのナノオーダーレベルの繊維が観察された。また紡糸ノズルに起因する接着繊維は認められなかった。
[実施例2〜7]
表1に記載のノズルを使用した以外は実施例1と同様にして紡糸を行い、繊維集合体を得た。
その紡糸結果を表1に示す。
実施例2〜5及び7は、糸切れ、巻付きなく紡糸可能であった。接着繊維はわずかに発生したが、問題になる程度ではなかった。
実施例6では、接着繊維が、実施例1に比べて多くなったが、品質的には使用可能な範囲であった。接着が増えた原因としては有孔部幅が3mmと大きくなり、有孔部の中心部への凝固液の流れが悪くなったものと考えられる。
[参考例1]
表1に記載のノズルを使用した以外は実施例1と同様にして紡糸を行い、繊維集合体を得た。
その紡糸結果を表1に示す。
参考例1では、凝固浴中の単繊維の糸切れが発生したが、繊維束の品質は十分に使用できる範囲であった。この糸切れの原因は、紡糸ノズルの吐出孔面積を大きくして吐出しやすくしたものの、繊度を他の実施例とあわせるため、凝固浴中のドラフト比を高くしたためと考えられる。
得られた繊維束を走査型電子顕微鏡で観察したところ、800〜1200nmのナノオーダーレベルの繊維が観察された。
[実施例8]
アクリロニトリル96質量%、アクリルアミド3質量%とメタクリル酸1質量%からなる比粘度0.240の重合体をジメチルアセトアミド(以下DMAc)に溶解し、引き続き濾過精度5μmの焼結金属フィルターで濾過し、重合体濃度14.5質量%の紡糸原液を調製した。その粘度は50℃で75ポイズであった。引き続き、実施例7と同じノズルを用いて、原液吐出量は1吐出孔当たり7.2×10-5cc/minとした以外は実施例1と同様の条件で紡出を行い、単繊維繊度0.005dtex、総繊度5850dtexの繊維集合体を得た。実施例1と同様、繊維の断面を観察したところ、互いに接着している繊維もなく良好な繊維が得られた。
その結果を表1に示す。
Figure 0005811275
実施例4で製造したナノファイバーの強度の評価を行った。単繊維で測定ができないため、繊維集合体の強度の測定を前述の通り測定し、単位繊度換算強度を算出し、3.3dtexの繊維と比較を行った。
その結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例4に記載したノズルを使用し、実施例1と同様に凝固繊維を98℃の熱水中に導入しDMAcを除去しつつ、4.4倍の延伸を行い、油剤を付与せず、乾燥ロールの手前で、繊維集合体を採取した。
採取した繊維集合体は湿潤状態なので、約2mに切断した繊維集合体を100℃に保った恒温乾燥機に2時間入れて乾燥させ、繊維集合体を得た。
得られた乾燥させた繊維集合体の総繊度は10006dtex、単繊維繊度は0.01dtexであった。
単位繊度換算強度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005811275
表2に示す通り、実施例4で製造したナノファイバーの単位繊度換算強度は、5.11cN/dtexであり、同様に測定した単繊維繊度3.3dtexの単位繊度換算強度は2.16cN/dtexであり、単繊維繊度3.3dtexの強度より高い単位繊度換算強度であり、取扱いに十分な強度を有するものであった。
参考に3.3dtexの繊維集合体の強度から単位繊度換算強度を算出した参考例1の強度と、単繊維で測定した強度から単位繊度換算強度を算出した参考例2の強度とを比較したところ、ほぼ同じ強度であった。
[実施例10]
実施例1に示す製造方法で、乾熱延伸前の油浴槽の油剤濃度が5重量%である繊維集合体を用いて、紙として、単繊維繊度が0.005dtexの短繊維集合体90重量%、ポリビニルアルコール10重量%の配合であって、米坪(目付)10g/m2 のものを用いた。なお、繊維長は1mmのものを用いた。作製された紙の繊維間に接着が有るか否かの状態はSEM 観察により判断した。SEM 観察で、繊維の接着が見られる場合は×、見られない場合は○とした。
その結果を表3に示す。
[実施例11]
実施例9で使用した油剤と異なる油剤を使用した以外は、実施例10と同様に抄紙し、紙を作製した。繊維間の接着の有無の状態はSEM 観察により判断した。この結果を表3に示す。
[比較例1]
実施例10で使用した油剤の濃度が2重量%ということ以外は、実施例10と同様に抄紙し、紙を作製した。繊維間の接着の有無の状態はSEM 観察により判断した。この結果を表3に示す。
[比較例2]
実施例2で使用した油剤の濃度が2重量%ということ以外は、実施例2と同様の製造方法で得られた繊維集合体を用いて抄紙し、紙を作製した。繊維間の接着の有無の状態はSEM 観察により判断した。
Figure 0005811275
[実施例12]
実施例1の製造方法で作製した繊維集合体を用いて、紙を作製した。紙として、単繊維繊度が0.005dtexの短繊維集合体90重量%、ポリビニルアルコール10重量%の配合であって、米坪(目付)20g/m2 のものを用いた。なお、繊維長は1mmのものを用いた。この紙の物性評価結果を表4に示した。
さらに、米坪(目付)が低い紙を作成したところ、10g/m2 、5g/m2 の紙が作成可能であったが、米坪(目付)が3g/m2 の紙は作成できなかった。
[実施例13]
実施例1の製造方法で、油剤付着、乾熱延伸前の繊維集合体を用いて、紙を作製した。単繊維繊度が0.010dtexで油剤付着前、乾熱延伸前の短繊維集合体を使用した以外は実施例12と同様に紙を作製した。この紙の物性評価結果を表4に示した。
さらに、米坪(目付)が低い紙を作成したところ、10g/m2 、5g/m2 、3g/m2 の紙が作成可能であった。
[比較例3]
実施例1の製造方法で作製した繊維集合体を用いて、紙を作製した。単繊維繊度が0.100dtexの短繊維集合体を使用した以外は実施例12と同様に紙を作製した。この紙の物性評価結果を表4に示した。
Figure 0005811275
本発明に係る繊維集合体を用いると、紙の米坪(目付)は3g/m2 まで可能であり、薄くかつ高強度の紙を作製することが可能である。さらに、目が細かく通気性が低いため、フィルター用途にも応用展開できると考えられる。
本発明の超多孔ノズルは、電鋳方式で作製するため、ノズル作成の費用は安価である。現状の制約の中で最大孔密度1,100個/mm2 以上を達成できたため、また従来の紡糸ノズル部品に組み込める構造としたため、大きな設備投資なく従来の紡糸機設備を活用してナノオーダーレベルの繊維の連続集合体を大幅なコストアップなく直接紡糸にて製造することが可能となった。
このように湿式直接紡糸による低コストなナノオーダーレベルの繊維の連続集合体を大量生産できるため、スエード調人工皮革の更なるグレードアップや高性能不織布といったIT関連産業部材や高機能フィルターといった産業資材用途にも活かされる。また本発明で得られた不織布を焼成して炭素繊維化するとハイブリッド車や電気自動車に搭載される2次電池セパレータなどへの展開の可能性もある。
特に本発明のナノファイバーの製造の途中で得られる未乾燥の湿潤繊維をそのまま使用した場合、繊維径が極めて小さいことと本数が多いため、交絡性が極めて高くそのまま不織布にすることもできるし、適当な長さにショートカットして水中に分散してから抄紙して不織布にすることもできる。できた不織布は、その多孔質構造と単繊維径が極めて小さいことによって吸着性に優れた不織布が得られる。
1 紡糸ノズル
2 有孔部
3 吐出孔
4 無孔部
w1 有孔部幅
w2 レーン幅
P1 吐出孔間のピッチ
L1 吐出孔外縁間距離
(a) 有孔部群の長辺の長さ
(b) 有孔部群の短辺の長さ

Claims (10)

  1. 1平方mm当たりの吐出孔の数が、600個/mm2 以上1,200個/mm2 以下の有孔部を有する紡糸ノズル。
  2. 1つの前記吐出孔の開口面積が100μm2 以上350μm2 以下である請求項1に記載の紡糸ノズル。
  3. 前記吐出孔の総数が、8×105 個以上25×105 個以下である請求項1又は2に記載の紡糸ノズル。
  4. 1つの吐出孔と該吐出孔に最も近い吐出孔との外縁間距離が、10μm以上20μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の紡糸ノズル。
  5. 全ての吐出孔において、該吐出孔の外縁から前記吐出孔が配置されている有孔部の有孔部外周線までの距離が2mm以下の方向を有する請求項1〜4のいずれかに記載の紡糸ノズル。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の紡糸ノズルの吐出孔から、紡糸原液を吐出し、単繊維繊度が0.005dtex以上0.01dtex以下であり、総繊度が4×103 dtex以上8×105 dtex以下である繊維集合体を得る繊維集合体の製造方法。
  7. 前記吐出孔から吐出する前記紡糸原液の50℃における粘度が、30ポイズ以上200ポイズ以下である請求項6に記載の繊維集合体の製造方法。
  8. 前記紡糸原液に溶解している重合体の比粘度が、0.18以上0.27以下とする請求項6又は7に記載の繊維集合体の製造方法。
  9. 前記繊維集合体がアクリル繊維である請求項6〜8のいずれかに記載の繊維集合体の製造方法。
  10. 前記紡糸ノズルの吐出孔から、紡糸原液を吐出した繊維に油剤の濃度が3〜10%の油剤処理液を付与し、油剤処理液が付着した状態で、該繊維を乾燥させる請求項6〜9のいずれかに記載の繊維集合体の製造方法。
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