JP5381130B2 - 湿式紡糸用口金およびアクリル系炭素繊維用前駆体繊維束ないし炭素繊維の製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明の第二の実施態様は、吐出孔が3000〜16000ホールの合成繊維を湿式紡糸するための紡糸口金であって、吐出孔群が第一の分割帯によって複数の吐出孔群の大ブロックに分割配置されてなり、さらに、前記大ブロック内が前記第一の分割帯より幅が狭い第二の分割帯によって複数の吐出孔群の小ブロックに分割されており、第一の分割帯の幅が最も狭い部分で5〜15mmであり、紡糸口金の外形が矩形であり、大ブロックの各々の外形が円形または多角形で、その中心が前記矩形の長辺方向に等間隔に配置され、前記矩形の短辺方向にも長辺方向と同一の間隔または異なる間隔で等間隔に配置されたことを特徴とする湿式紡糸口金である。
繊維束の断面写真を撮影し、ランダムに単繊維100本の断面形状を○型(円形型)、楕円型およびβ型の3形状に分け、形状毎に個数をカウントし、凝固が均一に行われなかった単繊維の割合を○型(円形型)の割合として算出する。
本発明により得られたアクリル系炭素繊維用前駆体繊維束に、耐炎化処理および炭素化処理を施すことによって、高性能な炭素繊維を製造する。
紡糸口金面から3cm離れた口金中心部の浴液および口金側面から横方向に2cm離れたポイントの浴液を採取し、屈折計を用いて濃度を測定し差を求める。また、温度に関しては、濃度と同場所の温度を測定し差を求める。
高圧スチームチューブ(中空部材)で延伸された走行糸条を肉眼で10分間観察し、毛羽数をカウントし、1分間当たりの毛羽数に換算する。
JIS R7608:2007「炭素繊維―樹脂含浸ヤーン試料を用いた引張特性試験方法」に従って求める。測定する炭素繊維の樹脂含浸ストランドは、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(100重量部)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(3重量部)/アセトン(4重量部)を、炭素繊維または黒鉛化繊維に含浸させ、130℃の温度で30分間硬化させて作製する。また、ストランドの測定本数は6本とし、各測定結果の平均値を、引張強度と引張弾性率とする。実施例では、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートとして、ダウケミカル(株)製ERL4221を用いた。
アクリロニトリル99.7モル%とイタコン酸0.3モル%を用い、ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により重合を行い紡糸原液とした後、凝固液としてジメチルスルホキシド水溶液を用いて湿式紡糸法により紡糸を行った。紡糸口金として、図1に示したタイプの吐出孔が12000ホールで、幅が8mmの第一分割帯で吐出孔が1500ホールの外形が円形の8ブロックに分割され、さらに各大ブロックの幅は2mmの第二の分割帯により4ブロックに分割された紡糸口金を用いた。各小ブロックにおける吐出孔密度は7.5個/mm2で、孔径が0.050mmで、L/Dは3であった。
実施例1と同様の方法で紡糸を行い、その際口金として、図2に示したタイプの吐出孔が6000ホールで幅が最も狭いところで6mmの第一の分割帯で吐出孔が1500ホールの4個の円形の大ブロックに分割され、さらに各大ブロックは幅が1.5mmの第二の分割帯により4個の小ブロックに分割された口金を用いた。各小ブロックにおける吐出孔密度は7.5個/mm2で、孔径が0.055mmで、L/Dは3であった。紡出された糸条は凝固浴出側に設けられたガイドにより3000フィラメント単位に分割されて延伸工程に導いた。延伸は70℃の温度のジメチルスルホキシド水溶液中で行い、延伸率は6倍であった。延伸された糸条は、バイブロ水洗装置を備えた直列する8段の水洗機でイオン交換水を向流させながら水洗し、シリコン系の工程油剤を付与した後、ドラム型加熱ローラによって乾燥緻密化した。乾燥緻密化された繊維束は、出入口にラビリンスを設けた高圧スチームチューブ中で2.5倍の延伸を行い、次いでヒートセットし3000フィラメント単位の前駆体繊維束としてワインダーで巻き取った。結果を表1に示す。
紡糸口金として、図1に示したタイプの吐出孔が12000ホールで、幅が8mmの第一分割帯で吐出孔が1500ホールの外形が円形の8ブロックに分割されているが、各部ロックには第二の分割帯を有しない紡糸口金を用いた。各小ブロックにおける吐出孔密度は7.5個/mm2で、孔径が0.050mmで、L/Dは3と、実施例2と同等とし、3000フィラメント単位の前駆体繊維束を作製した。
紡糸口金として、図2に示したタイプの吐出孔が6000ホールで、幅が8mmの第一の分割帯で吐出孔が1500ホールの4個の大ブロックに分割され、さらに各大ブロックは幅が2.0mmの第二の分割帯により4個の小ブロックに分割され孔径が0.055mmでL/Dは3の口金を用いた以外は実施例1と同様にして3000フィラメント単位の前駆体繊維束を作製した。なお、各小ブロックにおける吐出孔密度は11個/mm2であった。
紡糸口金として、孔径が0.060mm、L/Dが2として、同等のブロック配置の口金を用いたこと以外は、実施例3と同様として、前駆体繊維束を作成した。この前駆体繊維から得られた炭素繊維の引張強度は5.60GPa、引張弾性率は296GPaと優れた特性を得た。
紡糸口金として図2に示したタイプの吐出孔が6000ホールで、幅が最も狭いところで10mmの第一の分割帯で吐出孔が1500ホールの4個の大ブロックに分割され、さらに各大ブロックは幅が0.5mmの第二の分割帯により4個の小ブロックに分割され孔径が0.055mmでL/Dは3の口金を用いた以外は実施例1と同様にして3000フィラメント単位の前駆体繊維束を作製した。
該口金の紡糸結果および得られた前駆体繊維束を用いた炭素繊維の強度、弾性率は実施例1に対して、濃度差が大きく、走行毛羽も増加した。また炭素繊維の強度、弾性率も低下する結果となった。結果を表3に示す。
紡糸口金として、図2に示したタイプの吐出孔が6000ホールで、幅が最も狭いところで4mmの第一の分割帯で吐出孔が1500ホールの4個の大ブロックに分割され、さらに各大ブロックは幅が2.5mmの第二の分割帯により4個の小ブロックに分割され孔径が0.055mmで、L/Dは3の口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3000フィラメント単位の前駆体繊維束を作製した。各小ブロックにおける吐出孔密度は10個/mm2であった。
紡糸口金として、図3に示したタイプの吐出孔が6000ホールで、幅が8mmないし2mmの分割帯で6000ホールを6分割する。分割帯の幅は、8mmのものが一つと、口金の外周は5mmで口金中央の最も小さい幅が2mmであるものが2つである。そのほかの条件は、実施例2と同様にして3000フィラメント単位の前駆体繊維束を作製した。
2 吐出孔
3 第一の分割帯
4 吐出孔群の大ブロック
5 第二の分割帯
6 吐出孔群の小ブロック
Claims (11)
- 吐出孔が3000〜16000ホールの合成繊維を湿式紡糸するための紡糸口金であって、吐出孔群が第一の分割帯によって複数の吐出孔群の大ブロックに分割配置されてなり、さらに、前記大ブロック内が前記第一の分割帯より幅が狭い第二の分割帯によって複数の吐出孔群の小ブロックに分割されており、第一の分割帯の幅が最も狭い部分で5〜15mmであり、小ブロック内の吐出孔群の孔密度が4〜12個/mm 2 であり、かつ該小ブロック内の吐出孔数が200〜500ホールであることを特徴とする湿式紡糸口金。
- 吐出孔が3000〜16000ホールの合成繊維を湿式紡糸するための紡糸口金であって、吐出孔群が第一の分割帯によって複数の吐出孔群の大ブロックに分割配置されてなり、さらに、前記大ブロック内が前記第一の分割帯より幅が狭い第二の分割帯によって複数の吐出孔群の小ブロックに分割されており、第一の分割帯の幅が最も狭い部分で5〜15mmであり、紡糸口金の外形が矩形であり、大ブロックの各々の外形が円形または多角形で、その中心が前記矩形の長辺方向に等間隔に配置され、前記矩形の短辺方向にも長辺方向と同一の間隔または異なる間隔で等間隔に配置されたことを特徴とする湿式紡糸口金。
- 第二の分割帯の幅が1〜3mmである請求項1または2記載の湿式紡糸口金。
- 吐出孔の孔径が0.03〜0.08mmであり、かつ吐出孔の長さをL(mm)、直径をD(mm)としたときの比L/Dが0.3〜5である請求項1〜3のいずれかに記載の湿式紡糸口金。
- 吐出孔の孔径が0.04〜0.07mmであり、かつ比L/Dが1.5〜4.5である請求項4記載の湿式紡糸口金。
- 大ブロックの各々にその中心を通り幅が1〜3mmの第二の分割帯が配置され、該第二の分割帯のうち、少なくとも一つが矩形辺のいずれかに平行に配置されている請求項2〜5のいずれか記載の湿式紡糸口金。
- 紡糸口金の外形が円形であり、大ブロックの各々の外形が、扇形、円形または多角形で、その中心が前記紡糸口金の外形の同心円上に均等に配置された請求項1または3〜5のいずれかに記載の湿式紡糸口金。
- 大ブロックの各々が、紡糸口金の外形と同心円をなす第二の分割帯と、紡糸口金の中心を通る放射線状の第二の分割帯を有し、第二の分割帯の幅が各々1〜3mmである請求項7記載の湿式紡糸口金。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の湿式紡糸口金がアクリル系炭素繊維用前駆体繊維束の製造用である湿式紡糸口金。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の湿式紡糸口金を用いることを特徴とするアクリル系炭素繊維用前駆体繊維束の製造方法。
- 請求項10に記載の方法で製造されたアクリル系炭素繊維用前駆体繊維束に、耐炎化処理および炭化処理を施す、炭素繊維の製造方法。
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