JP5700240B2 - アクリル繊維紙およびその製造方法 - Google Patents
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Description
該製造方法で得られるアラミド紙は、耐熱性に優れるものの、アラミドフィブリットは湿式で叩解されるために、アラミド繊維のみ熱処理を行いアラミド紙の製造を行っているために、実質的に熱処理をされていないアラミドフィブリットの耐熱性が不十分であり、アラミド紙としてみた場合、繊度のことなる原料を抄造しているために均質性に劣る。
重合体からなり、単繊維繊度が1dtex以下のアクリル繊維に、220℃以上270℃以下の温度で熱処理を施し、前記熱処理を施す時間が、10〜60分であり、その後、抄造し、厚さ方向の電気抵抗値が10 5 MΩ/cm以上であるアクリル繊維紙にある。
また、第2の要旨は、アクリロニトリル93質量%以上を重合して得たアクリロニトリル共重合体からなり、単繊維繊度が1dtex以下のアクリル繊維に、220℃以上270℃以下の温度で熱処理を施し、前記熱処理を施す時間が、10〜60分であり、その後、抄造し、厚さ方向の電気抵抗値が10 5 MΩ/cm以上であるアクリル繊維紙の製造方法にある。
(アクリル繊維)
本発明のアクリル繊維紙に用いることが可能なアクリル繊維とは、公知の方法で紡糸されるアクリル繊維であって、アクリロニトリル100質量%を重合して得た重合体であることが好ましく、アクリロニトリル93質量%以上を重合して得た共重合体であることが必要である。アクリロニトリル93質量%以上である場合は、後述するようにアクリル繊維の紡糸後に、200℃以上の温度で熱処理を行った際、アクリル繊維の熱可塑性が適度であるため、収縮および融着等の問題が発生しないので好ましい。さらに熱処理時の融着抑制の観点からアクリロニトリル96質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明のアクリル繊維紙の製造方法としては、液体の媒体中にアクリル繊維を分散させて抄造する湿式法や、空気中にアクリル繊維を分散させて降り積もらせる乾式法などの抄紙方法を適用できるが、繊維を均一に分散・混合させて、抄造するうえで湿式法が好ましい。また必要に応じてアクリル繊維以外の繊維を混抄する場合、耐熱性および耐油性を損なわない範囲であれば、任意の割合で用いても良い。
また、アクリル繊維紙は連続法またはバッチ法のいずれによっても製造できるが、アクリル繊維紙の生産性および機械的強度の観点からは連続法で製造することが好ましい。
本発明のアクリル繊維紙に用いることが可能な繊維バインダーとしては、融点が160℃以下である繊維が好ましく、さらに耐油性の優れたものが好ましい。例えばポリプロピレン繊維を繊維バインダーとして使用することが可能である。繊維バインダーの添加量はアクリル繊維紙の全質量に対して0.1〜5質量%の範囲にあることが好ましい。この範囲であると、繊維バインダーの融点以上でアクリル繊維紙を使用した場合であっても、アクリル繊維紙の寸法安定性が損なわれず、耐熱性を維持できるので好ましい。さらに繊維バインダーの添加量はアクリル繊維紙の全質量に対して1質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のアクリル繊維紙を得るためには、アクリル繊維を220℃から270℃までの温度範囲で熱処理することが必要である。あらかじめアクリル繊維に熱処理を行った場合、アクリル繊維紙が220℃以上の温度になった場合でも、波状に変形(皺)する等して、寸法変化が起こることはなく、さらにプロピレンカーボネート等の有機溶剤に対する100℃での耐溶剤性が得られるなど、十分な耐熱性と耐油剤性を得ることができるため好ましくない。これは、アクリル繊維を適切な温度範囲で熱処理することにより、アクリル繊維が変質し、耐熱性と耐油性が付与されるのである。
さらに、熱処理を高温で長時間行った場合、繊維が部分的に耐炎化、或いは炭化した状態となり、導電性を発現するために好ましくない。220℃以下でも長時間熱処理を行えばアクリル繊維がアクリル繊維紙として必要な耐熱性と耐油性を満たす場合があるが、生産性が低いため経済的観点から好ましくない。
(アクリル繊維および繊維紙の電気抵抗値測定方法)
繊維の抵抗値を測定するために、繊維を長さ方向に3cmの長さに切断してから、絶縁性の試料台に両端を固定し、さらに導電性ペースト(藤倉化成株式会社製、製品名:ドータイト)をペースト間が1cmとなるように塗布して、絶縁計のテストピンで接地点を作成した。その後、導電性ペーストで被覆されていない部分の繊維を切り取り、超絶縁計(日置電機製、製品名: SM−8216)を用いて、10Vの印加電圧で導電性ペースト間の抵抗値を測定した。なお、抵抗値が測定範囲以上に高く、抵抗値が表示されない場合を絶縁体とみなした。
アクリル繊維紙を横2cm、縦5cm、厚さ0.5mmの鉄板二枚で挟み、デジタルマルチメータ(三和電気計器株式会社製、製品名:PM11)を用いて、鉄板間の抵抗値を測定した。本測定器による抵抗値の測定上限は40MΩであり、本測定器で測定して抵抗値が測定上限以上となった場合、アクリル繊維紙を絶縁体とみなした。
ネジ口ビン(内容量:20cm3)に長さ2cmに切断したアクリル繊維を0.5g投入した。また、アクリル繊維紙は、長さ1cm、幅1cmに切断にして同様にネジ口ビンに投入した。さらに有機溶剤(プロピレンカーボネート)を2cm3投入して、ネジ口ビンを密封し、乾熱乾燥機にて150℃、1時間保持した後のアクリル繊維またはアクリル繊維紙の様子を目視にて確認した。アクリル繊維またはアクリル繊維紙が完全に溶解しておらず、一部残存している場合は耐油性ありとした。
ネジ口ビン(内容量:20cm3)に長さ2cmに切断したアクリル繊維を0.5g投入した。また、アクリル繊維紙は、長さ1cm、幅1cmに切断にして同様にネジ口ビンに投入した。さらに有機溶剤(プロピレンカーボネート)を2cm3投入して、ネジ口ビンを密封し、乾熱乾燥機にて150℃、1時間保持した後のアクリル繊維またはアクリル繊維紙の様子を目視にて確認した。アクリル繊維またはアクリル繊維紙に収縮が起こらず寸法が維持された場合は耐熱性ありとした。
(実施例1)
ポリアクリロニトリル共重合体の組成をアクリロニトリル95質量%、酢酸ビニル5質量%とした以外は、実施例1と同様の方法により、単繊維強度0.5dtex、強度2.43cN/dtex、伸度13%のアクリル繊維を得た。
得られたアクリル繊維の電気抵抗値を測定したところ、絶縁体であることが確認された。
前記アクリル繊維を長さ3mmに切断し、32g/m2で抄紙を作成し、プレス乾燥(110℃、5分間)を行った後、実施例1と同様の方法によりカレンダー加工を行い厚さ45μmのアクリル繊維紙を得た。
該アクリル繊維紙を縦横方向に寸法を固定した状態で、220℃で30分熱処理を行ったところ、繊維紙には波状の変形が見られ、実用上使用に耐えうるが、やや均質性が劣るものであった。熱処理を行ったアクリル繊維紙の耐油性および耐熱性を確認したところ、繊維シートの変形が見られなかった。
(実施例3)
(比較例1)
(比較例2)
(比較例3)
(比較例4)
Claims (8)
- アクリロニトリル93質量%以上を重合して得たアクリロニトリル共重合体からなり、単繊維繊度が1dtex以下のアクリル繊維に、220℃以上270℃以下の温度で熱処理を施し、前記熱処理を施す時間が、10〜60分であり、その後、抄造し、厚さ方向の電気抵抗値が10 5 MΩ/cm以上であるアクリル繊維紙。
- 前記熱処理されるアクリル繊維が長繊維である請求項1のアクリル繊維紙。
- 前記熱処理後に、アクリル長繊維を短繊維に切断する請求項2のアクリル繊維紙。
- 繊維バインダー0.1〜5質量%をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のあるアクリル繊維紙。
- アクリロニトリル93質量%以上を重合して得たアクリロニトリル共重合体からなり、単繊維繊度が1dtex以下のアクリル繊維に、220℃以上270℃以下の温度で熱処理を施し、前記熱処理を施す時間が、10〜60分であり、その後、抄造し、厚さ方向の電気抵抗値が10 5 MΩ/cm以上であるアクリル繊維紙の製造方法。
- 前記熱処理されるアクリル繊維が長繊維である請求項5のアクリル繊維紙の製造方法。
- 前記熱処理後に、アクリル長繊維を短繊維に切断する請求項6のアクリル繊維紙の製造方法。
- 繊維バインダー0.1〜5質量%をさらに含む請求項5〜7のいずれか一項に記載のあるアクリル繊維紙の製造方法。
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